JP4040180B2 - 建築物の構造解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の構造解析を行うことによって、構造安全性を確認する構造解析装置及び方法に係わり、特に、鉄鋼系組立構造(ユニット工法)の建築物の構造安全性を確認する構造解析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の構造の安全性を確保するためには、設計要綱に則って設計を行うことや対象となる建築物の構造を解析モデル化して計算によって強度の確認を行うことが行われている。特に近年は、コンピュータの発達によって複雑な構造をした建築物であっても精度良く強度計算や固有振動数の解析を行うことができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、建築物の強度等を解析する構造解析は、対象とする建築物の構造を解析モデル化して、このモデルデータに基づいて強度計算等を行うのが一般的である。
しかしながら、複雑な形状をした建築物の構造解析を行う解析モデルを精度よく作成するには多大な工数が必要となるという問題がある。
また、この解析モデルを簡略化するには、豊富な知識と経験を要し、簡略化できたとしても、簡略化した結果によっては解析結果の精度が悪くなるなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、鉄鋼系組立工法を用いた建築物の基本設計作業で得られた建築物設計データより解析モデルを作成して、この解析モデルを用いて予め設定された部材データから建築物の構造安全性を解析することができる構造解析方法及び装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、入力手段と、建築物の骨組みを定義したユニット定義データを記憶するユニット定義データ記憶手段と、前記建築物を構成する最小単位であり、柱と梁の組み合わせからなるユニットを、前記入力手段から入力された情報に基づいて、各階毎の平面図上に複数配置して前記建築物の骨組みを定義することにより前記ユニット定義データを作成して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶する骨組み定義手段と、前記入力手段から入力された情報に基づいて、前記骨組みに対して外壁を定義して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶されている前記ユニット定義データに外壁データを追加する外壁定義手段と、前記入力手段から入力された情報に基づいて、前記骨組みに対して各階毎に屋根を定義して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶されている前記ユニット定義データに屋根データを追加する屋根定義手段と、前記ユニット定義データ記憶手段から前記外壁及び前記屋根を有する骨組みを定義した前記ユニット定義データを読み出して、ラーメン構造のフレームデータに展開する展開手段と、前記フレームデータに基づいて前記建築物が有する耐力を算出する耐力算出手段と、前記建築物に加わる外力を算出する処理手段と、前記建築物が外部から受ける外力を超える耐力を有した建築物であるか否かを判定して該建築物の構造安全性を確認するために、前記建築物に加わる外力と前記建築物が有する耐力との比を計算して出力する構造解析手段と備えることを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記建築物を構成する前記ユニットに設置される構成物の定義データを作成する構成物定義手段をさらに備えることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、前記骨組み定義手段、外壁定義手段及び屋根定義手段は、
前記ユニット定義データを作成または追加した時点で、該ユニット定義データと設計要綱チェックデータベースとを照らし合わせ、該ユニット定義データに誤りがあった場合は、修正を促す手段をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
請求項に記載の発明は、前記建築物に加わる外力は、前記フレームデータに基づいて算出される該建築物の重量に基づいて算出された地震力と、前記建築物の立面投影面積に基づいて算出された風圧力であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による建築物の構造解析装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示したブロック図である。この図において、符号1は中央処理部であり、ユニット定義部1a、ラーメンフレーム展開部1b、構造計算部1c、及び表示部1dとからなる。符号2aは、磁気ディスク等の記憶装置に記憶された要綱チェックデータベースであり、2bは、記憶装置に記憶されたユニット定義データファイルである。符号2cは、記憶装置び記憶されたフレームデータベースであり、2dは、記憶装置に記憶された構造解析結果データファイルである。符号3は、データ等の入力を行うキーボードであり、3aは、座標等を指示するマウスである。符号4は、モニタであり、5は、プリンタである。
【0011】
この構造解析装置は、鉄鋼系組立構造(ユニット工法)の建築物に用いるもので、この鉄鋼系組立構造とは、建築物を構成する最小単位であるユニットの組み合わせによってできた建築物の構造のことである。
また、この構造解析装置は、建築物の詳細設計を行う前の基本設計の際に建築物の構造の安全性を確認するものである。
【0012】
先ず、建築物の基本設計を行う際の目的とする建築物の定義方法について説明する。
図4は、建築物を構成するユニットを示す説明図である。この図において、符号Aは、構造解析の対象となる建築物である。また、符号Bは建築物Aの一部(符号A1)を構成するユニットの一例である。このように、ユニットは柱と梁から構成されている。このユニットを平面図上に配置していくことによって、建築物の1階部分を定義することができる。さらに、この1階部分の上に2階部分、3階部分(この例では、2階部分までの例である)を積み重ねることによって、複数階の建築物を定義することができる。
【0013】
また、このユニットは柱及び梁の位置が異なるものや梁の長さが異なるものが予め設定されており、オペレータ(設計者)はこれらの中から適当なユニット選択して配置することによって建築物の基本設計を行う。図5に予め設定されたユニットの種類の一例を示す。
【0014】
次に、建築物の構造解析を行う原理を簡単に説明する。
構造解析を行う場合、建築物を構成する最小単位の骨組み構造であるユニット架構の組み合わせによって目的の建築物を定義する。解析対象となる建築物はこのユニットによって構成されており、各ユニットの架構断面は、予め使用する部材が設定されている。また、この部材の耐力データはデータベース化されている。そして、このユニットの組み合わせによって定義した建築物の構造をラーメン構造のフレームデータに展開する。次に、このフレームデータから各ユニットを構成する部材の耐力を合成することによって建築物全体の耐力を算出する。
構造解析の結果は、この算出された耐力が、対象の建築物に加わる外力(風圧または地震等によって建築物に加わる力)を上回る耐力を有した建築物であるか否かを判定した結果となる。
【0015】
次に、図2を参照して、構造解析の対象となる建築物を定義する動作を説明する。図2は、建築物定義の動作を示したフローチャートである。
まず、ユニット定義部1aは、オペレータがキーボード3またはマウス3aより入力もしくは選択した、施主名・ディーラー名・設計担当者等の一般事項を読み込む(ステップS1)。施主名・ディーラー名・設計担当者等の入力は、キーボードより文字列を入力する。ここで入力した一般事項は、定義した建築物のヘッダとなるデータである。
このヘッダデータは、ユニット定義部1a内に保持される。
【0016】
なお、ユニット定義部1aは、ここで入力される施主名・ディーラー名・設計担当者等を予め入力したデータを表示して、これらのデータからオペレータが選択したデータを入力されたものと見なして処理を行ってもよい。
【0017】
続いて、ユニット定義部1aは、キーボード3またはマウス3aによってオペレータが選択した、建築物を建設する地域と、建築物の階数(何階建てであるか)を読み込む(ステップS2)。
ここで入力される建設地域は、「一般」、「多雪」、「沖縄」から選択される。この建設地域は、雪による建築物への荷重を求めるパラメータとなる。
また、建築物の階数は、構造解析の対象となる建築物の定義を階毎に分けて定義するために使用するパラメータでもあり、オペレータは、「平屋」、「2階建て」、「3階建て」、「小屋」から選択する。
【0018】
次に、ユニット定義部1aはモニタ4に平面図を描画するためのグリッドを表示する。オペレータは、目的とする建築物を構成する最小単位であるユニットを組み合わせることによって建築物の平面図を作成する。この時、オペレータは、矩形をしたユニットの対角(例えば、左上の点と右下の点)を、モニタ4の画面上に表示されたグリッド上の点をマウス3aによって指定して、ユニットを配置する。ユニット定義部1aは、オペレータが指定した、この対角の2点の座標を読み取り、モニタ4に指定された座標の位置に矩形の図形を描画する。図6に、建築物の平面図を定義した一例を示す。この図において、それぞれの矩形がユニットに対応する。この例は、6つのユニットを定義した例である。
【0019】
次に、オペレータは、この平面図を確認して、修正がなければユニット定義を終了する。ここで、定義されたユニット配置データは、ユニット定義部1a内に保持される。
【0020】
次に、ユニット定義部1aは、オペレータがユニット定義を終了する操作をした時点で、ステップS3において定義されたユニットが、設計要綱に則って定義されているか否かをチェックする(ステップS4)。設計要綱のチェックは、要綱チェックデータベース2aを参照して行われる。この要綱チェックデータベース2aは、建築物の設計に必要な基準等が記述されており、ユニット定義部1aは、配置されたユニットが設計要綱に則って配置されたか否かを、要綱チェックデータベース2aの内容を参照してチェックする。ここでチェックされる項目は、例えば、梁の長さが異なるユニットを隣接して配置されていないか、定義可能な建築物のサイズを超えていないか等がチェックされる。
【0021】
次に、配置したユニットが設計要綱に則っていない場合にユニット定義部1aは、モニタ4にメッセージを表示して、ステップS3に戻ってユニットの定義を再度行うようにオペレータに対して指示を出す(ステップS5)。
これによって、設計要綱に則ったユニット配置をすることができる。
【0022】
次に、設計要綱のチェックを行った結果、問題がなかった場合、ユニット定義部1aは、オペレータに対して、ステップS3において配置したユニットのそれぞれについて種類を入力するようにモニタ4に指示を出し、オペレータは、配置した各々のユニットの種類を指定する(ステップS6)。ユニットの種類の指定は、ユニット定義部1aがモニタ4に種類の一覧表を表示し、オペレータが、マウス3aによって選択することによって行う。
【0023】
ユニットの種類とは、平面図上で定義された各ユニットが建築物のどの用途に使用されるものであるかを示すものであり、図5に示したようなユニットが一覧表となって表示される。
ユニットの種類には、「高さ」と「タイプ」がある。ユニットの「高さ」には、「標準」、「階高」、「低層」があり、これらの中からオペレータが選択することによって指定する。
また、ユニットの「タイプ」には、「標準」、「玄関」、「台形」、「セットバック」、「階段」、「吹き抜け」、「バルコニー」、「エレベータ」等があり、これも「高さ」と同様にオペレータが選択することによって指定する。
このユニットの種類の入力は、図6に示した6つのユニットの各々について行われる。ここで、入力されたユニットの種類はユニット定義部1a内に保持される。
なお、ここでいう「標準」ユニットは、柱と梁で構成されたユニットのことであり、このユニットの組み合わせによって、建築物の骨組みが構成される。
また、「玄関」、「バルコニー」、「エレベータ」等のユニットは、「標準」ユニットによって構成された骨組みに対して、付加される構成物を定義するためのユニットである。
【0024】
次に、全てのユニットの配置が終了した時点で、再び設計要綱のチェックを行う(ステップS7)。ここでは、ステップS6において、指定または定義したユニットに対してチェックを行う。例えば、指定したユニットの種類に対してユニットの大きさ適当であるか等をチェックする。
【0025】
次に、指定したユニットの種類が設計要綱に則っていない場合にユニット定義部1aは、モニタ4にメッセージを表示して、ステップS6に戻ってユニットの定義を再度行うようにオペレータに対して指示を出す(ステップS8)。
これによって、設計要綱に則ったユニット配置をすることができる。
図7にユニットを配置した平面図の一例を示す。
【0026】
次に、配置したユニットに対して外壁を定義する(ステップS10)。
ユニット定義部1aは、オペレータに対して外壁を取り付ける位置を指定するように指示を出す。
オペレータは、外壁を取り付ける両端の柱の位置をマウス3aによって、指定する。続いて、ユニット定義部1aはこの取り付け位置の座標値を読み取り、この両端の柱の距離と高さから外壁の大きさが決まる。
次に、オペレータは外壁が必要な位置すべてを指定する。ユニット定義部1aは、この座標値をすべて読み取り、その位置に外壁を定義する。ここで定義された外壁は、ユニット定義部1a内に保持される。
【0027】
次に、ステップS2において入力された建築物の階数に基づいて、ステップS3からステップS9の処理を繰り返す(ステップS10)。入力された階数が3階建てであれば、次に2階部分の平面図を作成し、続いて3階部分の平面図を作成する。
ここまでの動作によって、各階の平面配置図が作成できたことになる。
【0028】
次に、屋根の種類と配置を定義する(ステップS11)。
屋根の配置は各階毎に行い、まず、オペレータは屋根の種類を指定する。ユニット定義部1aは、指定された屋根の種類を読み取る。屋根の種類には、「陸屋根」、「勾配」、「陸屋根と勾配の併用」、「ペントハウス付き陸屋根」があるり、これらの中から選択することによって指定する。
【0029】
次に、各階の平面図上で屋根となる位置をマウス3aを使用して指定することによって、屋根を配置する。ユニット定義部1aは、この座標値を読み取り、保持する。
【0030】
ここまでの動作によって、設計対象となる建築物の基本設計が終了し、ユニット配置による建築物の定義が終了したことになる。
【0031】
次に、定義された建築物の立面投影図を作成する(ステップS13)。立面(側面)投影図は、定義された建築物の外形から作成する。図8に立面投影図を作成した例を示す。この図において、X方向が正面図に相当し、Y方向は左側面図に相当する。
【0032】
次に、オペレータは、モニタ4に表示された立面投影図を見て異常がなければ入力されたユニット定義データを保存する(ステップS14)。ユニット定義部1aは、データ保存の指示がオペレータによって出されると、ユニット定義データファイル2bへデータを保存する。データ保存が終了した時点でユニット定義処理が終了する。
【0033】
なお、この保存データは、再度ユニット定義部1aによって読み込み、ユニットの追加や修正を行ってもよい。
【0034】
なお、図2において、ユニット定義の動作を一連の動作で説明したが、各ステップをメニュー形式にして、オペレータが必要に応じて選択しながらユニットの配置を行ってもよい。
【0035】
また、設計要綱のチェックは、ユニットの配置が終了した時点で行うのではなく、1つのユニットを配置しようとする時に同時にチェックを行ないながら配置作業を行うようにしてもよい。このようにすることで、設計要綱の知識が豊富でないオペレータであってもユニット配置による建築物の基本設計を行うことができる。
【0036】
次に、ユニット定義データファイル2bに記憶された定義データを使用して建築物の構造計算を行う処理の動作を図3を参照して説明する。
まず、ラーメンフレーム展開部1bは、ユニット定義データ2bを読み込み、ラーメン構造のフレームデータに展開して(ステップS21)、このフレームデータを構造計算部1cへ渡す。ここでいうラーメン構造のフレームデータとは、予め決められた各ユニットの柱と梁の接合方法(剛接合またはピン接合、図5参照)から、これらのユニットを複数配置した場合の接合方法を決定して、建築物全体を1つの剛体にしたデータのことである。
【0037】
次に、構造計算部1cは、このフレームデータに基づいて、各柱に加わる軸力を算出する(ステップS22)。この軸力は、フレームを構成する各部材の重量データをフレームデータベース2cより読み込み、これを積算することによって算出する。これによって、自重によって各柱に加わる軸力が算出される。
【0038】
次に、対象となる建築物に加わる外力を算出する。外力とは、地震が発生した場合に建築物に加わる地震力と、風による風圧力のことである。
【0039】
まず、地震力を算出する(ステップS23)。地震力とは、地震が発生した場合に建築物に加わる外力のことで、以下の式によって算出する。
地震力Qiは、
Qi=Z・Rt・Ai・Co・ΣWi
となる。ここで、各パラメータは、
Z:建設大臣が定める地域係数で、建築物を建設する地域に応じて0.7〜1.0の範囲の値となる。ただし、本実施形態では、Z=1.0とする。
Rt:建設大臣が定める振動特性係数で、建築物の設計用1次固有周期及び地盤の種類に応じて定まり、Rt<1の値となる。ただし、本実施形態では、Rt=1.0とする。
Ai:建設大臣が定める地震層せん断力分布係数で、建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す値である。
Co:標準せん断力係数であり、一次設計時はCo=0.2、必要保有水平耐力計算時はCo=1.0とする。
ΣWi:i層以上の地震力計算用重量である。
となる。地震力を算出した一例を図12に示す。
【0040】
次に、風圧力の算出を行う(ステップS24)。風圧力とは、風によって建築物が受ける外力のことである。
風圧力Qx、Qyは、
Qx=∫∫C・q・A・dh・dy(∫∫は二重積分を表す)、
Qy=∫∫C・q・A・dh・dx(∫∫は二重積分を表す)
となる。ここで、各パラメータは、
C:建築基準法施行令第87条による風力係数である。
q:設計速度圧で、一般地域及び多雪地域の場合はq=60√h、沖縄地域の場合はq=90√hとなる。
A:単位見付け面積である。
となる。風圧力を算出した一例を図13に示す。
【0041】
次に、構造計算部1cは、ラーメン構造のフレームを構成する部材のデータをフレームデータベース2cより読み込む。ここでは、フレームデータベースより各柱や梁の剛性、許容耐力及び保有耐力が読み込まれる。図9にここで読み込まれるフレームデータの一例を示す。また、定義された屋根や外壁の単位面積当たりの重量をフレームデータベースより読み込む。さらに、建設地域と積雪量に応じて屋根に加わる荷重も同時に読み込まれ、構造計算部1c内に保持される。
図10に屋根や外壁の重量の一例を、図11に積雪量に対応する荷重の一例を示す。
【0042】
次に、水平荷重時の各ユニットの許容耐力と層間変形角のチェックを行う(ステップS26)。
先ず、各ユニットの負担せん断力を算出する。負担せん断力Qは、
Q=α×ΣQ×K/ΣK
により算出する。ただし、
α:ねじれ補正係数、
ΣQ:該当する階の層せん断力(地震または風圧による外力)、
ΣK:該当する階の総剛性、
K:ユニットの剛性、
である。
次に、ここで算出された負担せん断力Qと、フレームデータベース2cから読み込んだユニットの許容耐力Qaの比が「1」を超えたか否かで該当するユニットの安全性を判定し、結果をモニタ4へ表示する。Q/Qa>1の時は、ユニットの許容耐力を地震または風圧による外力が超えているため、設計者に対して設計変更をする必要があるという内容のメッセージを表示する。
【0043】
次に、層間変形角を算出する。層間変形角は、層間変位δと構造階高H(ユニットの床梁芯から天井梁芯までの距離)との比δ/Hによって表す。ここで、層間変位δはδ=ΣQ/ΣKによって算出する。
次に、ここで算出された層間変形角δ/Hが1/120を超えたか否かで該当するユニットの安全性を判定し、結果をモニタ4へ表示する。
【0044】
ここで説明した負担せん断力と層間変形角の判定は、建築物を構成しているすべてのユニットに対して行い、それぞれのユニットにおける判定結果を表示する。図14に地震時のユニット許容耐力と層間変形角の判定結果の一例を示す。
【0045】
次に、水平構面のチェックを行う(ステップS27)。
水平構面のチェックは、該当する鉛直構面が負担する水平力Qと、該当する鉛直構面自身の重量Q’との差である水平移行力ΔQが許容耐力Qaを超えたか否かによって判定を行う。図15に水平構面のチェックを行った判定結果の一例を示す。
【0046】
次に、剛性率と偏心率のチェックを行う(ステップS28)。
剛性率Rsは、
Rs=rs/rs’
によって算出する。ただし、
rs:h/δ、
rs’:Σ(rs)/n、
h:該当階の階高、
δ:層間変位、
n:地上部分の階数
である。剛性率のチェックは、Rsの値が「0.6」より小さいか否かによって判定を行う。図16に剛性率のチェックを行った判定結果の一例を示す。
【0047】
偏心率Reは、
Re=e/r
によって算出する。ただし、
e:偏心距離、
r:ねじり剛性から求められる弾力半径
である。この偏心率は、X方向とY方向のそれぞれについて算出される。
偏心率のチェックは、Reの値が「0.15」より小さいか否かによって判定を行う。図17に偏心率のチェックを行った判定結果の一例を示す。
【0048】
次に、保有水平耐力のチェックを行う(ステップS29)。
保有水平耐力Qunは、
Qun=Ds・Fes・Qud
によって算出する。ただし、
Ds:ユニットの柱、梁のプレート厚さによって決まる構造特性係数、
Fes:剛性率及び偏心率から求められる形状係数、
Qud:地震力によって各階に生じる水平力
である。保有水平耐力のチェックは、Qunの値が該当する階を構成する各ユニットの保有水平耐力の和を超えたか否かによって判定を行う。図18に保有水平耐力のチェックを行った判定結果の一例を示す。
【0049】
次に、アンカーボルトのチェックを行う(ステップS30)。
アンカーボルトのチェックは、使用するボルトに加わる引張り応力、せん断力及び付着応力が、使用するボルトの許容応力を超えたか否かによって判定する。
【0050】
次に、上下接合ボルトのチェックを行う(ステップS31)。
上下接合ボルトのチェックもアンカーボルトのチェックと同様に、ボルトに加わる応力が許容応力を超えたか否かによって判定する。
図19にアンカーボルト及び上下接合ボルトのチェックを行った判定結果の一例を示す。
【0051】
以上説明した構造解析の動作は、構造計算部1cによって行われ、解析の判定結果は構造解析結果データファイル2dに書き込まれる。そして、表示部1dは、この構造解析結果データファイルの内容を読み込みモニタ4またはプリンタ5へ出力する。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ユニットを配置して対象となる建築物を定義して、このユニット配置データからラーメン構造のフレームデータに変換して、構造解析を行うことによって、解析モデルを作成する必要がなく、かつ精度よく強度計算を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるユニット定義の動作を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態における構造計算の動作を示すフローチャートである。
【図4】建築物の定義方法を説明する説明図である。
【図5】建築物を構成するユニットの種類の一例を示す説明図である。
【図6】ユニットを配置した一例を示す説明図である。
【図7】ユニットを配置した一例を示す説明図である。
【図8】立面投影図を表示した一例を示す説明図である。
【図9】フレームデータの一例を示す説明図である。
【図10】部材の荷重データの一例を示す説明図である。
【図11】積雪量に応じた荷重データの一例を示す説明図である。
【図12】地震力を算出した結果の一例を示す説明図である。
【図13】風圧力を算出した結果の一例を示す説明図である。
【図14】ユニットの許容耐力と層間変形角のチェックを行った一例を示す説明図である。
【図15】水平構面のチェックを行った一例を示す説明図である。
【図16】剛性率のチェックを行った一例を示す説明図である。
【図17】偏心率のチェックを行った一例を示す説明図である。
【図18】保有水平耐力のチェックを行った一例を示す説明図である。
【図19】アンカーボルト及び上下接合ボルトのチェックを行った一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・中央処理部、1a・・・ユニット定義部、
1b・・・ラーメンフレーム展開部、1c・・・構造計算部、
1d・・・表示部、2a・・・要綱チェックデータベース、
2b・・・ユニット定義データファイル、2c・・・フレームデータベース、
2d・・・結果データファイル、3・・・キーボード、
3a・・・マウス、4・・・モニタ、
5・・・プリンタ。

Claims (4)

  1. 入力手段と、
    建築物の骨組みを定義したユニット定義データを記憶するユニット定義データ記憶手段と、
    前記建築物を構成する最小単位であり、柱と梁の組み合わせからなるユニットを、前記入力手段から入力された情報に基づいて、各階毎の平面図上に複数配置して前記建築物の骨組みを定義することにより前記ユニット定義データを作成して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶する骨組み定義手段と、
    前記入力手段から入力された情報に基づいて、前記骨組みに対して外壁を定義して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶されている前記ユニット定義データに外壁データを追加する外壁定義手段と、
    前記入力手段から入力された情報に基づいて、前記骨組みに対して各階毎に屋根を定義して、前記ユニット定義データ記憶手段に記憶されている前記ユニット定義データに屋根データを追加する屋根定義手段と、
    前記ユニット定義データ記憶手段から前記外壁及び前記屋根を有する骨組みを定義した前記ユニット定義データを読み出して、ラーメン構造のフレームデータに展開する展開手段と、
    前記フレームデータに基づいて前記建築物が有する耐力を算出する耐力算出手段と、
    前記建築物に加わる外力を算出する処理手段と、
    前記建築物が外部から受ける外力を超える耐力を有した建築物であるか否かを判定して該建築物の構造安全性を確認するために、前記建築物に加わる外力と前記建築物が有する耐力との比を計算して出力する構造解析手段と
    備えることを特徴とする建築物の構造解析装置
  2. 前記建築物を構成する前記ユニットに設置される構成物の定義データを作成する構成物定義手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の建築物の構造解析装置
  3. 前記骨組み定義手段、外壁定義手段及び屋根定義手段は、
    前記ユニット定義データを作成または追加した時点で、該ユニット定義データと設計要綱チェックデータベースとを照らし合わせ、該ユニット定義データに誤りがあった場合は、修正を促す手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の建築物の構造解析装置
  4. 前記建築物に加わる外力は、
    前記フレームデータに基づいて算出される該建築物の重量に基づいて算出された地震力と、
    前記建築物の立面投影面積に基づいて算出された風圧力であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の建築物の構造解析装置
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