JP4527837B2 - ユニット式建物の構造計算装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニット式建物のフレームが有する保有水平耐力等を算出することにより当該フレームの解析を行うユニット式建物の構造計算装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、四隅の柱の上下端を梁で連結した直方体状の建物ユニットを複数組み合わせたユニット式建物が利用されている。このようなユニット式建物によれば、建築現場で組み合わされる建物ユニットが工場で製造されるので、建築現場での建築作業が大幅に軽減されるようになり、短期間で建築が完了するというメリットが得られる。
一方、建物が地震に充分耐えうるか否か等を確認するために、建物の構造躯体となる鉄骨フレームの構造を解析を行っている。近年では、コンピュータ技術の発展により、パーソナルコンピュータでも鉄骨フレームの構造解析が行えるようになっている。
本願出願人は、ユニット式建物のフレームの構造解析をパーソナルコンピュータで行えるようにした構造解析装置を提案している(特開2000−57181号公報等)。
この構造解析装置は、構造計算を行う中央処理部と、ユニット式建物の形成に用いられる複数種類の建物ユニットの各フレームについてのデータが蓄積された記憶装置とを有するものである。そして、構造解析を行うにあたり、構造解析装置に仮想空間に、ユニット式建物のフレームの立体的なモデルを形成し、このモデルに基づいて、中央処理部がユニット式建物の構造計算を行うようになっている。
このような構造解析装置によれば、立体的なモデルに基づいて構造計算を行うので、精度に優れた構造解析を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の構造解析装置では、立体的なモデルを形成するために、ユニット式建物を形成するすべての建物ユニットを立体的に配置する入力作業が必要となるうえ、各建物ユニットについて設定された、複数の設定項目について入力作業を行わなければならないので、入力作業が容易であるとはいえず、入力作業が容易に行える構造計算装置が要望されている。
【0004】
本発明の目的は、入力作業が容易に行え、構造計算が迅速に行えるようになるユニット式建物の構造計算装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図面をも参照して説明すると、複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えるとともに、その平面形状が長さの異なる長辺および短辺を有する長方形状とされた建物ユニットを複数組み合わせたユニット式建物の構造計算装置であって、立面グリッドを仮想設定する立面グリッド設定手段33は、前記ユニット式建物を形成する前記建物ユニットの前記梁の長手方向に沿って格子状の立面グリッドをオペレータの選択により生成する立面グリッド生成手段と、生成した前記立面グリッドを設定入力画面に表示する立面グリッド設定入力画面表示手段と、前記柱および前記梁のいずれか一方となる部材が前記設定入力画面に表示される前記立面グリッドに沿ってオペレータに入力させるとともに、前記部材同士の接合状態をオペレータに入力させる部材入力手段34とを備えていることを特徴とする。
このような本発明では、ユニット式建物を構成する建物ユニットのフレームの梁に沿って立面グリッドを設定し、この立面グリッドに含まれる柱および梁が形成する長方形枠状の構面毎に構造計算を行うので、構造計算を行うためのモデルが二次元化され、三次元のモデルを形成するのに比べると、必要なデータ数が大幅に低減される。しかも、ユニット式建物では、同じ構造の構面が所定の間隔をあけて水平方向複数配列されているので、同じ構造の構面についてのデータ入力は、二度行う必要がなく、長辺方向および短辺方向のそれぞれに沿った異なる構面についてのみ入力作業を行えばよい。そのうえ、部材データの位置を設定する際に、立面グリッドが部材の設定可能な位置を示し、部材位置設定用のガイドとなり、部材データの入力作業が容易に行えるようになる。これらにより、データの入力作業が軽減され、データの入力作業が容易かつ迅速に行えるようになる。
【0006】
以上において、前記立面グリッドは、前記ユニット式建物の水平方向に延びる通り心上に設定されるものであり、前記立面グリッドを設定するにあたり、前記ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心、および、平面視で前記ユニット式建物の内部を横切る内側の通り心を画面に表示する通り心画面表示手段と、この通り心画面表示手段に表示された前記ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心、および、平面視で前記ユニット式建物の内部を横切る内側の通り心のいずれか一方をオペレータに選択させる通り心選択手段32と、を備え、前記立面グリッド設定手段33は、前記通り心選択手段32により選択された通り心に沿って立面グリッドを設定するものであることが望ましい。
ユニット式建物では、柱および梁からなる長方形枠状の構面が通り心上に配置されるので、立面グリッドを通り心上に設定すれば、構面と立面グリッドとの平面位置が一致し、当該構面に加わる重力荷重および水平荷重をそのままデータとして入力することができる。また、ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心に配置されたの構面と、内部を横切る内側の通り心に配置された構面とでは、荷重の加わり方が異なるので、外側の通り心および内側の通り心のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力すれば、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、荷重入力の手間が省ける。同様に、建物ユニットの長辺と短辺とでは、通り心に沿って配列される柱の間隔が異なり、荷重の加わり方が異なるので、長辺および短辺のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力すれば、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、荷重入力の手間が省ける。
【0007】
また、一階の建物ユニットと基礎とが互いに係合する点である支点を画面に表示する支点画面表示手段と前記支点を立面グリッドの水平方向に延びる座標軸上にオペレータに設定させる支点設定手段36と、が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、上下の建物ユニットの接合点を立面グリッドにモデル化された構面に反映できるようになるうえ、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等のように、床梁の一部が省略されるとともに間柱が設けられた建物ユニットの構造解析を行う際に、床梁の省略部分や間柱を設けることにより新たに発生する支点が設定可能となり、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等が含まれていても、構造解析が高精度に行える。
【0008】
さらに、前記立面グリッドにおける、上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされる位置に相当する部分に、水平方向の撓みが発生しない剛体領域を画面に表示する剛体画面表示手段と、前記剛体領域をオペレータに設定させるための剛体領域設定手段35と、が設けられていることが望ましい。
上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされた部分は、下階の建物ユニットの天井梁と、上階の建物ユニットの床梁とが束ねられた状態となり、水平方向の荷重を受けても、当該方向の撓みが極めて少ない部分となる。上述のように、二つの建物ユニットが重ね合わされる位置に相当する部分に、剛体領域を設定すれば、天井梁と床梁とが束ねられた部分を、二次元モデルに再現でき、構造解析が高精度に行えるようになる。
【0009】
さらに、前記ユニット式建物が建築される地域、当該ユニット式建物が有する階層数、および、各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態についての基本情報入力画面表示する基本情報入力画面表示手段と、この基本情報入力画面表示手段により表示される基本情報入力画面からオペレータに入力をさせる基本情報入力手段31と、が設けられていることが望ましい。
このように、ユニット式建物が建築される地域が入力されれば、その地域における平均降雪量が把握可能となり、この平均降雪量から当該ユニット式建物の屋根等に積もった雪の重量による積雪荷重が自動的に算出でき、積雪荷重による影響を考慮した、高精度の構造解析が行えるようになる。また、ユニット式建物の階層および各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態を入力すれば、当該フレームを構成する柱および梁の部材等に関するデータから、当該ユニット式建物自身の各階層の重量が自動的に算出可能となるので、ユニット式建物を構成する各建物ユニットの重量を入力する必要がなくなり、入力作業が容易に行えるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の構造計算装置1が示されている。この構造計算装置1は、柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の構造計算を行うものである。なお、建物ユニットのフレームは、柱に梁を剛接合した、いわゆるラーメン構造となっている。
この構造計算装置1には、装置の主要構成要素である中央処理装置2と、キーボード3、マウス4およびディスプレイ5等のマン−マシンインターフェイスと、構造計算の結果を印刷するプリンタ6とを備えたものとなっている。
このうち、中央処理装置2には、マイクロプロセッサ等からなる高速演算素子を備えた演算部10と、大容量のハードディスク装置等からなる記憶部20とが設けられている。
【0011】
記憶部20には、ユニット式建物に設けられる各種の建物ユニットのフレームに関するデータが蓄積されたフレームデータ蓄積手段21と、ユニット式建物に加わる鉛直荷重および水平荷重等の荷重データが蓄積された荷重データ蓄積手段22とが設けられている。
ここで、建物ユニットとしては、形状が異なるものが各種用意されている。
例えば、四隅の柱の上下端を梁で連結した直方体状のフレームを有する標準建物ユニット、直方体状のフレームから玄関部分の床梁を省略した玄関用建物ユニット、四隅の柱の上端を連結する天井梁の少なくとも一部が傾斜した台形ユニット、平面視で床梁よりも室内側へ外壁部が後退したセットバックユニット、内部に階段室が設けられた階段建物ユニット、下階の天井が上階の天井と同じ高さレベルに設けられる吹き抜け室を形成するための吹き抜け用建物ユニット、建物の外壁面に突設されるバルコニーユニット、エレベータシャフトが設けられるエレベータユニット、および、内部に車庫が設けられるとともに、車庫部の床梁が省略されたカーポートユニット等が用意されている。
このような各種のものが用意されている建物ユニットに対し、フレームデータ蓄積手段21には、種類の異なる建物ユニット毎に、当該建物ユニットの形状に応じたフレームの形態に関するデータと、当該フレームを形成する柱や梁となる軸組材に関するデータと、建物ユニットに設置可能な床材や天井材に関するデータ等が蓄積されている。
荷重データ蓄積手段22には、解析対象の建物ユニット自身の重量に関する自重データと、当該建物ユニットの床に加わる重力荷重に関する鉛直荷重データと、データとユニット式建物に加わる積雪荷重を算出するために、ユニット式建物が建築されるの地域の降雪量に関するデータが蓄積された降雪量データとが蓄積されている。ここにおいて、荷重データ蓄積手段22は、積雪量データ蓄積手段となっている。
【0012】
演算部10は、各種のソフトウェアがインストールされており、インストールされた複数のソフトウェアを同時に並行処理するマルチタスク機能を有している。
演算部10には、後述する入力画面をオペレータに示し、必要なデータ入力操作を案内するマニュアル入力手段30と、マニュアル入力手段30の案内によりオペレータが入力したデータ等に基づいて立面グリッドを自動生成する立面グリッド生成手段11と、オペレータ等の要求に応じて記憶部20を検索するとともに、必要なデータを記憶部20から抽出するデータ検索手段12と、立面グリッド生成手段11が生成した長辺方向の立面グリッドと短辺方向の立面グリッドとを合成する立面グリッド合成手段13と、立面グリッド生成手段11が形成した立面グリッドをモデルとして構造計算を行う構造計算手段14とが、前述のソフトウェアにより形成されている。
【0013】
マニュアル入力手段30は、所定の手順に従い、複数種類の入力画面を順次ディスプレイ5に表示し、オペレータのデータ入力操作が円滑に行えるようにするものである。
マニュアル入力手段30には、図2に示されるように、後に詳述する基本データ入力画面S100,S101をディスプレイ5に表示し、ユニット式建物の基本的なデータをオペレータに入力させる基本情報入力手段31と、基本データ入力画面S100により立面グリッドが設定される通り心を選択させる通り心選択手段32と、立面グリッドの水平グリッドおよび鉛直グリッドの位置を、解析対象となるフレームにあわせて設定する立面グリッド設定手段33と、設定が完了した立面グリッドの水平グリッドおよび鉛直グリッドに対し、柱や梁となる具体的な軸組材のデータを入力する部材入力手段34と、水平方向に撓まない剛体領域を立面グリッドに設定する剛体領域設定手段35と、解析対象となるフレームと地面との係合点となる支点を立面グリッドに設定する支点設定手段36と、フレームに加わる荷重のデータを水平グリッドおよび鉛直グリッドの所定位置に入力する荷重入力手段37と、撓み量をチェックすべき点を立面グリッドに設定するチェックポイント設定手段38とが設けられている。
【0014】
図1に戻って、立面グリッド生成手段11は、基本情報入力手段31、通り心選択手段32および立面グリッド設定手段33により入力されたデータに基づいて立面グリッドを自動的に生成するものである。
データ検索手段12は、部材入力手段34で軸組材のデータを入力する際に、解析対象となる建物ユニットに対応した軸組材のデータをフレームデータ蓄積手段21から抽出し、抽出したデータを水平グリッドおよび鉛直グリッドに自動入力する一方、荷重入力手段37でフレームに加わる荷重のデータを入力する際に、当該フレームに対応した荷重のデータを荷重データ蓄積手段22から抽出し、抽出したデータを水平グリッドおよび鉛直グリッドに自動入力するものである。
立面グリッド合成手段13は、設定すべきデータの入力がすべて完了した長辺方向および短辺方向の立面グリッドを合成し、二次元のモデルとしての立面グリッドから、立体的なフレームのモデルを生成するものである。
【0015】
構造計算手段14は、設定すべきデータの入力がすべて完了した立面グリッドを建物ユニットに設けられたフレームの二次元モデルとして採用し、その構造計算を行うものである。この構造計算手段14により、解析対象となる建物ユニットが備えている水平剛性、許容水平耐力、保有水平耐力およびチェックポイントの撓み量等が算出されるようになっている。また、構造計算手段14は、計算結果としての曲げモーメント図を作成するとともに、当該曲げモーメント図をプリンタ6に印刷させるようになっている。
また、構造計算手段14には、長辺方向および短辺方向の立面グリッドを合成することにより、立面グリッド合成手段13が生成した立体的なフレームのモデルについて構造計算を行う機能を備えている。
【0016】
マニュアル入力手段30に設けられた手段31〜38の各々について、これらの手段31〜38の各々に関連する入力画面を参照しながら説明する。
ディスプレイ5に表示された基本データ入力画面S100には、図3に示されるように、積雪区分選択エリア100Aと、立面グリッドを設置すべき通り心を選択するための通り心設定エリア100B,100Cと、歩行屋根であるか否かを設定する屋根選択エリア100Dと、次の基本データ入力画面S101へ移行するためのアイコン100Eとが設けられている。
積雪区分選択エリア100Aには、降雪量に応じて5段階に区分された選択欄が設けられている。
通り心設定エリア100Bには、建物ユニットの長辺に沿った通り心に立面グリッドを設置する選択欄と、短辺に沿った通り心に立面グリッドを設置する選択欄とが設けられ、通り心設定エリア100Cには、ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心(外通り)に立面グリッドを設置する選択欄と、平面視でユニット式建物の内部を横切る内側の通り心(内通り)に立面グリッドを設置する選択欄とが設けられている。
屋根選択エリア100Dには、歩行屋根であることを設定する選択欄と、歩行屋根ではないことを設定する選択欄とが設けられている。
【0017】
基本データ入力画面S101には、図4に示されるように、ユニット式建物のフロア数を選択するフロア数選択エリア101Aと、ユニット式建物の各階に設置される建物ユニットの種類を選択するための建物ユニット選択エリア101Bと、選択した建物ユニットのフレームを構成する軸組材の断面寸法を選択する断面寸法選択エリア101Cと、各階層に設置された建物ユニットの高さ寸法を選択する高さ寸法選択エリア101Dと、各階層に設置された建物ユニットの床材を選択する床材選択エリア101Eと、各階層に設置された建物ユニットの天井材を選択する天井材選択エリア101Fと、建物ユニットの長辺寸法を選択する長辺寸法選択エリア101Gと、建物ユニットの短辺寸法を選択する短辺寸法選択エリア101Hと、ユニット式建物の屋根形状を選択する屋根選択エリア101Iと、次の入力画面である立面グリッド設定入力画面S102へ移行するためのアイコン101Jとが設けられている。
【0018】
フロア数選択エリア101Aには、平屋、二階建て、三階建てのいずれかを選択するために、三箇所の選択欄が設けられている。
建物ユニット選択エリア101Bには、各階の建物ユニットに設けられるフレームの形態を示す記号を入力する入力欄が各階毎に設けられている。
なお、標準建物ユニット、玄関用建物ユニット、台形ユニット、セットバックユニット、階段建物ユニット、吹き抜け用建物ユニット、バルコニーユニット、エレベータユニット、および、カーポートユニットには、それぞれ異なる記号が割り当てられている。ちなみに、図中の「A1」は、標準建物ユニットの直方体状のフレームを示す。
【0019】
断面寸法選択エリア101Cには、各階に設置される建物ユニットおよび屋根を形成する屋根ユニットのそれぞれついて、そのフレームを構成する軸組材の断面寸法を示す記号が入力される入力欄が四箇所設けられている。
高さ寸法選択エリア101D、床材選択エリア101Eおよび天井材選択エリア101Fには、キーボード入力で数値や文字を入力する入力欄が各階毎に設けられている。これらの入力欄の右側に設けられている三角の図形をクリックすると、選択可能な寸法および部材名称が複数表示され、これらの中から適当なものが選択可能となっている。
長辺寸法選択エリア101G、短辺寸法選択エリア101Hおよび屋根選択エリア101Iには、キーボード入力で数値や文字を入力する入力欄が設けられている。これらの入力欄の右側に設けられている三角の図形をクリックすると、選択可能な寸法および屋根形式名が複数表示され、これらの中から適当なものが選択可能となっている。
なお、屋根選択エリア101Iの入力欄は、基本データ入力画面S100の屋根選択エリア100Dとリンクしており、屋根選択エリア100Dで歩行屋根であることを選択すると、屋根選択エリア101Iの入力欄には、歩行可能な陸屋根を示す「陸屋根 ALC 歩行」が自動的に選択されるようになっている。
【0020】
ここにおいて、基本情報入力手段31は、基本データ入力画面S100の積雪区分選択エリア100Aを表示し、このエリア100Aによって、ユニット式建物が建築される地域としての積雪区分をオペレータに選択させるとともに、基本データ入力画面S101の建物ユニット選択エリア101Bおよびフロア数選択エリア101Aを表示し、これらのエリア101A,Bによって、ユニット式建物が有する階層数、および、各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態についての入力を行うものとなっている。
また、通り心選択手段32は、基本データ入力画面S100の通り心設定エリア100Bを表示し、このエリア100Bによって、立面グリッドが設定される通り心をオペレータに選択させるものとなっている。
【0021】
通り心選択手段32により、立面グリッドが設定される通り心が選択されると、立面グリッド設定入力画面S102により、選択した通り心に沿って立面グリッドが仮想設定されるようになっている。
立面グリッド設定入力画面S102には、図5に示されるように、水平となるX方向に延びる水平グリッドの座標を設定入力するための水平グリッド設定エリア102Aと、鉛直となるZ方向に延びる鉛直グリッドの座標を設定入力するための鉛直グリッド設定エリア102Bと、設定された立面グリッドを二次元的に表示する作図エリア102Cとが設けられている。
ここで、水平グリッドおよび鉛直グリッドの各々は、解析対象となるフレームに応じた位置に配置され、当該フレームにあわせて設定されるものとなっている。また、立面グリッド設定手段33は、立面グリッドの水平グリッドおよび鉛直グリッドの位置を、解析対象となるフレームにあわせて設定させ、設定された立面グリッドを作図領域に自動的に表示するものとなっている。
【0022】
作図エリア102Cに立面グリッドが表示された状態で、所定の操作を行うと、フレームの柱や梁となる軸組材のデータを入力するための部材入力画面S103が表示されるようになっている。
部材入力画面S103は、図6に示されるように、入力すべき軸組材の一端の位置である始点および他端の位置である終点を設定入力する座標設定エリア103Aと、当該軸組材の始点および終点における他の軸組材との接合方法を設定するための接合設定エリア103B〜103Dと、軸組材の種別を設定する種別設定エリア103Eと、当該軸組材の機械的特性に関するデータを入力するための特性入力エリア103F〜103Hと、軸組材の断面の形状および寸法に関するデータを入力する断面入力エリア103Iとが設けられている。
【0023】
ここで、部材入力手段34は、基本データ入力画面S101で入力した建物ユニットに設けられるフレームの軸組材や接合構造に関する標準的な標準データを、フレームデータ蓄積手段21から抜き出し、エリア103B〜103Iに入力するものとなっている。なお、エリア103B〜103Iに入力すべきデータが標準データと相違する場合には、マニュルアルで適宜なデータが入力可能となっている。
例えば、床梁のX1およびX2の間に部分が省略されている建物ユニットが一階に設置されている場合には、当該部分の座標に対しては「スペース」の入力が可能となっている。また、X1およびX2に間柱が設けられている場合には、柱となる軸組材が当該部分に設定可能となっている。
なお、接合設定エリア103B〜103Dには、軸組材の接合構造が剛接合以外の場合に、接合部を1度変形させるのに要するトルク、軸方向に1cmの変形させる外力およびせん断方向に1cmの変形させる外力が入力され、これにより、軸組材の接合部分の特性が設定されるようになっている。
断面入力エリア103Iには、前述のように、部材入力手段34により自動的に標準データが入力されるとともに、入力すべきデータが標準データと相違する場合には、マニュルアルで適宜なデータが入力可能となっている他に、入力欄の右側に設けられている三角の図形をクリックすると、選択可能な寸法および部材名称が複数表示され、これらの中から適当なものが選択可能となっている。
そして、特性入力エリア103F〜103Hには、部材入力手段34により、断面入力エリア103Iに入力された軸組材の機械的特性が自動的に入力されるようになっている。
座標設定エリア103Aに座標を入力した軸組材のデータ入力が完了し、下方に設けられている「OK」のアイコン103Kをクリックすると、入力した軸組材のデータが一覧表示エリア103Jに表示されるようになっている。
なお、入力したデータを訂正するために、「キャンセル」のアイコン103Lが設けられている。
【0024】
部材入力画面S103により、フレームを構成する軸組材のデータが全部入力されると、図7に示されるように、入力された軸組材の全データが一覧表示エリア103Jに表示され、作図エリア102Cには、フレームの立面モデルが自動的に生成されるようになっている。
ここで、上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされた部分は、下階の建物ユニットの天井梁と、上階の建物ユニットの床梁とが束ねられた状態となり、水平方向の荷重を受けても、当該方向の撓みが極めて少ない部分となるので、部材入力画面S103で部材の入力を行う際に、上下階の建物ユニットを角隅部を連結するとともに互いに交差するブレース状のダミー部材が、一覧表示エリア103Jの欄103M,103Nに示されるように、入力されるようになっている。
これにより、上下の建物ユニットの間に水平方向に撓まない剛体領域が設定されるようになっている。ここにおいて、剛体領域設定手段35は、部材入力画面S103により、ブレース状のダミー部材を入力させることで、水平方向に撓まない剛体領域を立面グリッドに設定するものとなっている。
【0025】
一覧表示エリア103Jに表示された部材データが適切である場合には、「OK」のアイコン(図示せず)のクリックにより、所属階入力画面S104が表示されるようになっている。
所属階入力画面S104は、図8に示されるように、部材入力画面S103とほぼ同様の画面に、「1階」「2階」および「3階」のアイコン104A〜104Cを追加したものである。この所属階入力画面S104の一覧表示エリア103Jに対し、マウスで選択範囲104Dを指定し、「1階」のアイコン104Aをクリックすることにより、選択範囲の部材を一階に所属させることが可能となっている。なお、2階、3階についても同様に、一覧表示エリア103Jに対して選択範囲を指定することで、部材の所属階が設定可能となっている。
【0026】
部材の所属階の設定が完了し、「OK」のアイコン(図示せず)をクリックすると、支点設定画面S105が表示されるようになっている。支点設定画面S105には、図9に示されるように、地面との係合点となる支点として、一階の建物ユニットと基礎との接合点の位置座標および接合状態を設定する設定エリア105Aが設けられている。
なお、図9の設定エリア105Aおける「ピン」とは、建物ユニットの柱の下端から下方に延びるアンカーボルトを、基礎に埋め込んだシース管に充填したモルタルで固定する接合状態をいい、「ローラー」とは、基礎に埋め込んだ高さ調節ボルトの上に、建物ユニットのフレームが単に載置されている状態をいう。
ここにおいて、支点設定手段36は、支点設定画面S105により、解析対象となるフレームと地面との係合点となる支点である、フレームと基礎との接合点を立面グリッドに設定するものとなっている。
【0027】
部材の所属階の設定が完了し、「OK」のアイコン(図示せず)をクリックすると、荷重入力画面S106が表示されるようになっている。
荷重入力画面S106には、図10に示されるように、建物ユニット自身の重量からなる荷重である固定荷重の入力を開始するための固定荷重アイコン106Aと、床に積載される重量物の鉛直荷重である積載荷重の入力を開始するための積載荷重アイコン106Bと、積雪による鉛直荷重を入力を開始するための積雪荷重アイコン106Cと、地震等による水平力を入力を開始するための水平力アイコン106Dとが設けられている。
【0028】
固定荷重アイコン106Aをクリックすると、固定荷重入力エリア106Eが表示されるようになっている。固定荷重入力エリア106Eには、固定荷重が加わる軸組材の始点および終点を入力する座標設定エリア106Fと、当該軸組材に加わる固定荷重の分布を選択するの荷重分布設定エリア106Gと、当該軸組材に加わる固定荷重についてのデータを入力する荷重データ入力エリア106Hとが設けられている。
荷重分布設定エリア106Gは、キーボード等で直接入力する場合に選択する選択欄206〜208と、予め固定荷重の分布パターンが荷重データ蓄積手段22に蓄積され、その中から選ぶ場合に選択する選択欄209〜211とが設けられている。
そして、選択欄206, 209は、固定荷重が等分布となる場合に選択されるもので、選択欄207, 210は、固定荷重が集中する場合に選択されるもので、選択欄209,
211は、固定荷重が変則的に分布している場合に選択されるものである。
荷重分布設定エリア106Gで選択欄209〜211を選択すると、荷重のタイプを選択する荷重タイプ選択エリア106Iが表示されるようになっている。
【0029】
荷重タイプ選択エリア106Iには、床、天井および屋根のいずれかを選択する選択欄が設けられている。これらの選択欄の一つを選択すると、荷重データ蓄積手段22に蓄積されているとともに、床、天井および屋根に加わる典型的な荷重に関する荷重データに基づいて、当該軸組材に加わる荷重データが自動的に算出され、その結果が計算結果表示エリア106Kに示されるようになっている。
この状態で、「OK」のアイコン106Lをクリックすると、算出された荷重データが荷重データ入力エリア106Hに自動的に入力されるようになっている。
固定荷重入力エリア106Eにおける入力が完了し、「OK」のアイコン106Mをクリックすると、次の部材に関する固定荷重のデータ入力が可能となっている。
そして、すべての部材に関して固定荷重のデータ入力が完了すると、図11に示されるように、各部材に加わる固定荷重のデータが一覧表示エリア212 に表示され、表示された荷重データが適切である場合には、積載荷重アイコン106B、積雪荷重アイコン106Cまたは水平力アイコン106Dをクリックして、積載荷重、積雪荷重または水平力の入力が行えるようになっている。
なお、積載荷重および積雪荷重のデータ入力は、固定荷重の入力と同様に行えるようになっている。
一方、水平力アイコン106Dをクリックすると、図12に示されるように、荷重入力画面S106に水平力入力エリア106Nが表示されるようになっている。
水平力入力エリア106Nには、水平力による撓みにおける節点の位置が座標で入力されるエリア213 と、当該節点に加わる水平力の大きさ等のデータが入力されるエリア214とを有するものとなっている。これらのデータは、荷重データ蓄積手段22に蓄積されているデータから選択できるようになっている。
ここにおいて、荷重入力手段37は、荷重入力画面S106により、フレームに加わる荷重のデータを水平グリッドおよび鉛直グリッドの所定位置に入力するものとなっている。
【0030】
以上の荷重データの入力がすべて完了し、「OK」のアイコン(図示せず)をクリックすると、撓み量をチェックするポイントを設定するチェックポイント設定画面S107が表示されるようになっている。
このチェックポイント設定画面S107には、図13に示されるように、撓み量節点、部材左節点および部材右節点の座標をそれぞれ設定するポイント設定エリア107A〜107Cが設けられている。
ここにおいて、チェックポイント設定手段38は、チェックポイント設定画面S107により、撓み量をチェックすべき節点を立面グリッドに設定するものとなっている。
【0031】
この撓み量チェックポイントの設定がすべて完了し、「OK」のアイコン(図示せず)をクリックすると、構造解析のための計算を開始する計算開始画面S108が表示されるようになっている。計算開始画面S108には、図14に示されるように、以上の画面S101〜S107で設定した、フレームの二次元モデルで構造解析を行うための選択欄108Aと、画面S101〜S107で設定した二つの二次元モデルを合成して三次元モデルを生成し、この三次元モデルで構造解析を行うための選択欄108Bとが設けられている。
【0032】
選択欄108Aを選択して「実行」のアイコン108Cをクリックすると、二次元モデルでの構造計算が開始されるようになっている。
ここで、画面S101〜S107で建物ユニットの長辺方向に沿って立面グリッドを設定した場合には、計算結果を示す結果画面S109が表示される。
この結果画面S109には、図15(A)に示されるように、長辺方向に沿った二次元モデルを示すエリア109Aと、1階の水平剛性K1、許容水平耐力Fa1および保有水平耐力Fu1を示すエリア109Bと、2階の水平剛性K2、許容水平耐力Fa2および保有水平耐力Fu2を示すエリア109Cと、3階の水平剛性K3、許容水平耐力Fa3および保有水平耐力Fu3を示すエリア109Dとが設けられている。
一方、画面S101〜S107で建物ユニットの短辺方向に沿って立面グリッドを設定した場合には、計算結果を示す結果画面とし画面S110が表示される。
この結果画面S110には、図15(B)に示されるように、短辺方向に沿った二次元モデルを示すエリア110Aと、1階の水平剛性K1、許容水平耐力Fa1および保有水平耐力Fu1を示すエリア110Bと、2階の水平剛性K2、許容水平耐力Fa2および保有水平耐力Fu2を示すエリア110Cと、3階の水平剛性K3、許容水平耐力Fa3および保有水平耐力Fu3を示すエリア110Dとが設けられている。
【0033】
選択欄108Bを選択して「実行」のアイコン108Cをクリックすると、立面グリッド合成手段13(図1参照)が起動されるようになっている。
立面グリッド合成手段13は、長辺方向に沿った二次元モデルと、短辺方向に沿った二次元モデルとを合成して、建物ユニットのフレームの三次元モデルを生成するものである。
そして、立面グリッド合成手段13は、二つの二次元モデルを合成するにあたり、長辺方向に沿った二次元モデルと、短辺方向に沿った二次元モデルとの互いに交差する交線となる鉛直グリッドを設定する交差グリッド設定画面S111を表示するものとなっている。
交差グリッド設定画面S111には、長辺方向に沿った立面グリッドおよび二次元モデルを表示する領域111Aと、短辺方向に沿った立面グリッドおよび二次元モデルを表示する領域111Bを備え、領域111Aに示される鉛直グリッドと、領域111Bに示される鉛直グリッドとをマウスで選択することにより、二つの二次元モデルの互いに交差する交線となる鉛直グリッドが選択されるようになっている。
この二次元モデルの互いに交差する交線となる鉛直グリッドが選択されると、短辺方向に沿った立面グリッドのX座標は、図17に示されるように、そのままY座標に置換され、フレームの三次元モデルが生成されるようになっている。
構造計算手段14は、立面グリッド合成手段13が生成したフレームの三次元モデル111Cに基づいて構造計算を行うようになっている。
【0034】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ユニット式建物を構成する建物ユニットのフレームの梁に沿って立面グリッドを設定し、この立面グリッドに含まれる柱および梁が形成する長方形枠状の構面毎に構造計算を行うようにしたので、構造計算を行うためのモデルが二次元化され、三次元のモデルを形成するのに比べると、構造計算に必要なデータ数を大幅に低減できる。
しかも、ユニット式建物では、同じ構造の構面が所定の間隔をあけて水平方向複数配列されているので、同じ構造の構面についてのデータ入力は、二度行う必要がなく、長辺方向および短辺方向のそれぞれに沿った異なる構面についてのみ入力作業を行えばよく、この点からも、構造計算に必要なデータ数を大幅に低減できる。
そのうえ、部材データの位置を設定する際に、立面グリッドが部材の設定可能な位置を示し、部材位置設定用のガイドとなり、部材データの入力作業を容易に行うことができる。
これらにより、データの入力作業が軽減され、データの入力作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0035】
また、立面グリッドを設定するにあたり、ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心、および、平面視で前記ユニット式建物の内部を横切る内側の通り心のいずれか一方を選択するとともに、建物ユニットの長辺に沿った通り心、および、短辺に沿った通り心のいずれか一方を選択する通り心選択手段32を設け、この通り心選択手段32が選択した通り心に沿って、立面グリッド設定手段33が立面グリッドを設定するようにしたので構面と立面グリッドとの平面位置が一致し、当該構面に加わる重力荷重および水平荷重をそのままデータとして入力することができる。
そして、ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心に配置されたの構面と、内部を横切る内側の通り心に配置された構面とでは、荷重の加わり方が異なるので、外側の通り心および内側の通り心のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力するようにしたので、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、荷重入力の手間を省くことができる。
同様に、建物ユニットの長辺と短辺とでは、通り心に沿って配列される柱の間隔が異なり、荷重の加わり方が異なるので、長辺および短辺のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力するようにしたので、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、荷重入力の手間を省くことができる。
【0036】
さらに、一階の建物ユニットと基礎とが互いに係合する点である支点を、立面グリッドの水平方向に延びる座標軸上に設定するための支点設定手段36を設け、上下の建物ユニットの接合点を立面グリッドにモデル化された構面に反映できるようにしたうえ、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等のように、床梁の一部が省略されるとともに間柱が設けられた建物ユニットの構造解析を行う際に、床梁の省略部分や間柱を設けることにより新たに発生する支点をも設定できるようにしたので、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等が含まれていても、構造解析を高精度に行うことができる。
【0037】
また、立面グリッドにおける、上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされる位置に相当する部分に、水平方向の撓みが発生しない剛体領域を設定するための剛体領域設定手段35を設け、上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされた部分であって、水平方向の荷重を受けても、当該方向の撓みが極めて少ない部分を設定できるようにしたので、二次元モデルを正確に再現でき、構造解析を高精度に行うことができる。
【0038】
さらに、前記ユニット式建物が建築される地域、当該ユニット式建物が有する階層数、および、各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態についての入力を行う基本情報入力手段31を設け、ユニット式建物が建築される地域における平均降雪量が把握可能としたので、この平均降雪量から当該ユニット式建物の屋根等に積もった雪の重量による積雪荷重が自動的に算出でき、積雪荷重による影響を考慮した、高精度の構造解析を行うことができる。
また、ユニット式建物の階層および各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態を入力すれば、当該フレームを構成する柱および梁の部材等に関するデータから、当該ユニット式建物自身の各階層の重量が自動的に算出可能となるので、ユニット式建物を構成する各建物ユニットの重量を入力する必要がなくなり、入力作業を容易に行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形等をも含むものである。
すなわち、構造計算装置から立面グリッド合成手段を省略しても良く、二次元モデルのみで構造計算を行うようにしてもよい。
また、通り心選択手段としては、基本データ入力画面に設定されたエリアにおいて、マニュアル操作で選択するものに限らず、ユニット式建物の平面図をイメージスキャナで読み込んで、通り心を自動的に設定するものでもよい。
さらに、解析結果としては、水平剛性、許容水平耐力および保有水平耐力を数値で示すものに限らず、建物ユニットに加わる外力の方向と大きさを示す曲げモーメント図で表してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ユニット式建物を構成する建物ユニットのフレームの梁に沿って立面グリッドを設定し、この立面グリッドに含まれる柱および梁が形成する長方形枠状の構面毎に構造計算を行うので、構造計算を行うためのモデルが二次元化され、三次元のモデルを形成するのに比べると、必要なデータ数を大幅に低減できる。
しかも、ユニット式建物では、同じ構造の構面が所定の間隔をあけて水平方向複数配列されているので、同じ構造の構面についてのデータ入力は、二度行う必要がなく、長辺方向および短辺方向のそれぞれに沿った異なる構面についてのみ入力作業を行えよいので、この点からも入力の手間を低減できる。
そのうえ、部材データの位置を設定する際に、立面グリッドが部材の設定可能な位置を示し、部材位置設定用のガイドとなり、部材データの入力作業を容易に行うことができる。
これらにより、データの入力作業が軽減され、データの入力作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0041】
本発明の請求項2に記載の発明によれば、ユニット式建物では、柱および梁からなる長方形枠状の構面が通り心上に配置されるので、立面グリッドを通り心上に設定すれば、構面と立面グリッドとの平面位置が一致し、当該構面に加わる重力荷重および水平荷重をそのままデータとして入力することができる。
また、ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心に配置されたの構面と、内部を横切る内側の通り心に配置された構面とでは、荷重の加わり方が異なるので、外側の通り心および内側の通り心のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力すれば、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、荷重入力の手間を省くことができる。
同様に、建物ユニットの長辺と短辺とでは、通り心に沿って配列される柱の間隔が異なり、荷重の加わり方が異なるので、長辺および短辺のどちらに沿った立面グリッドであるかを入力すれば、当該立面グリッドに設定された構面に加わる荷重を自動的に計算することが可能となり、この点からも、荷重入力の手間を省くことができる。
【0042】
本発明の請求項3に記載の発明によれば、上下の建物ユニットの接合点を立面グリッドにモデル化された構面に反映できるようになるうえ、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等のように、床梁の一部が省略されるとともに間柱が設けられた建物ユニットの構造解析を行う際に、床梁の省略部分や間柱を設けることにより新たに発生する支点が設定可能となり、玄関用建物ユニットやカーポート用建物ユニット等が含まれていても、構造解を高精度に行うことができる。
【0043】
本発明の請求項4に記載の発明によれば、二つの建物ユニットが重ね合わされる位置に相当する部分に、剛体領域を設定すれば、天井梁と床梁とが束ねられた部分を、二次元モデルに再現でき、構造解析を高精度に行うことができる。
【0044】
本発明の請求項5に記載の発明によれば、その地域における平均降雪量が把握可能となり、この平均降雪量から当該ユニット式建物の屋根等に積もった雪の重量による積雪荷重が自動的に算出でき、積雪荷重による影響を考慮した、高精度の構造解析を行うことができる。
また、ユニット式建物の階層および各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態を入力すれば、当該フレームを構成する柱および梁の部材等に関するデータから、当該ユニット式建物自身の各階層の重量が自動的に算出可能となるので、ユニット式建物を構成する各建物ユニットの重量を入力する必要がなくなり、入力作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係るマニュアル入力手段を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係る基本データ入力画面を示す図である。
【図4】同実施形態に係る別の基本データ入力画面を示す図である。
【図5】同実施形態に係る立面グリッド設定入力画面を示す図である。
【図6】同実施形態に係る部材入力画面を示す図である。
【図7】図6の部材入力画面の異なる状態を示す図である。
【図8】同実施形態に係る所属階入力画面を示す図である。
【図9】同実施形態に係る支点設定画面を示す図である。
【図10】同実施形態に係る荷重入力画面を示す図である。
【図11】図10の荷重入力画面の異なる状態を示す図である。
【図12】図10の荷重入力画面のさらに異なる状態を示す図である。
【図13】同実施形態に係るチェックポイント設定画面を示す図である。
【図14】同実施形態に係る計算開始画面を示す図である。
【図15】同実施形態に係る結果画面を示す図である。
【図16】同実施形態に交差グリッド設定画面を示す図である。
【図17】同実施形態に係る三次元モデルを示す図である。
【図18】本発明の変形例に係る解析結果を示す曲げモーメント図である。
【符号の説明】
1 構造計算装置
31 基本情報入力手段
32 通り心選択手段
33 立面グリッド設定手段
34 部材入力手段
35 剛体領域設定手段
36 支点設定手段

Claims (5)

  1. 複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えるとともに、その平面形状が長さの異なる長辺および短辺を有する長方形状とされた建物ユニットを複数組み合わせたユニット式建物の構造計算装置であって、
    立面グリッドを仮想設定する立面グリッド設定手段は、
    前記ユニット式建物を形成する前記建物ユニットの前記梁の長手方向に沿って格子状の立面グリッドをオペレータの選択により生成する立面グリッド生成手段と、
    生成した前記立面グリッドを設定入力画面に表示する立面グリッド設定入力画面表示手段と、
    前記柱および前記梁のいずれか一方となる部材が前記設定入力画面に表示される前記立面グリッドに沿ってオペレータに入力させるとともに、前記部材同士の接合状態をオペレータに入力させる部材入力手段と、
    を備えていることを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
  2. 請求項1に記載のユニット式建物の構造計算装置において、
    前記立面グリッドは、前記ユニット式建物の水平方向に延びる通り心上に設定されるものであり、前記立面グリッドを設定するにあたり、
    前記ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心、および、平面視で前記ユニット式建物の内部を横切る内側の通り心を画面に表示する通り心画面表示手段と、
    この通り心画面表示手段に表示された前記ユニット式建物の外壁面に沿った外側の通り心、および、平面視で前記ユニット式建物の内部を横切る内側の通り心のいずれか一方をオペレータに選択させる通り心選択手段と、を備え、
    前記立面グリッド設定手段は、前記通り心選択手段により選択された通り心に沿って立面グリッドを設定するものであることを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物の構造計算装置において、
    一階の建物ユニットと基礎とが互いに係合する点である支点を画面に表示する支点画面表示手段と
    前記支点を立面グリッドの水平方向に延びる座標軸上にオペレータに設定させる支点設定手段と、が設けられていることを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のユニット式建物の構造計算装置において、
    前記立面グリッドにおける、上下に積み重ねられた二つの建物ユニットが重ね合わされる位置に相当する部分に、水平方向の撓みが発生しない剛体領域を画面に表示する剛体画面表示手段と、
    前記剛体領域をオペレータに設定させるための剛体領域設定手段と、が設けられていることを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のユニット式建物の構造計算装置において、
    前記ユニット式建物が建築される地域、当該ユニット式建物が有する階層数、および、各階層に設けられる建物ユニットのフレームの形態についての基本情報入力画面表示する基本情報入力画面表示手段と、
    この基本情報入力画面表示手段により表示される基本情報入力画面からオペレータに入力をさせる基本情報入力手段と、が設けられていることを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
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