以下、図面を参照して、本発明にかかるカプセル型内視鏡システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システムの一構成例を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10は、患者等の被検体1の体内画像群を撮像するカプセル型内視鏡2と、このカプセル型内視鏡2から被検体1の体内画像群を受信する受信装置3と、受信装置3が受信した被検体1の体内画像群(すなわちカプセル型内視鏡2が撮像した体内画像群)を表示するワークステーション4と、かかる受信装置3とワークステーション4との間のデータの受け渡しを行うための可搬型の記録媒体5とを備える。なお、かかるカプセル型内視鏡システム10のカプセル型内視鏡は、被検体に対する1回の検査毎に使い捨てされる。したがって、かかるカプセル型内視鏡システム10においては、特に図示しないが、1以上のカプセル型内視鏡が使用される。かかる1以上のカプセル型内視鏡は、図1に示す被検体1に導入されるカプセル型内視鏡2を含み、このカプセル型内視鏡2と同様の機能を有する。
カプセル型内視鏡2は、被検体1の体内画像群を撮像するためのものであり、被検体1の臓器内部に導入可能なカプセル型筐体の内部に撮像機能と無線通信機能とを有する。具体的には、カプセル型内視鏡2は、被検体1の口から飲込まれた後、臓器の蠕動運動等によって被検体1の臓器内部を移動しつつ、所定の間隔(例えば0.5秒間隔)で体内画像を順次撮像する。そして、カプセル型内視鏡2は、被検体1の体内画像を含む画像信号を外部の受信装置3に対して順次無線送信する。また、カプセル型内視鏡2は、自身を特定するID情報(以下、カプセルIDという)を有し、撮像した画像データを含む画像信号にカプセルIDを付加する。このようなカプセル型内視鏡2は、体内画像等の画像データとともに自身のカプセルIDを外部の受信装置3に対して順次無線送信する。
受信装置3は、かかるカプセル型内視鏡2が撮像した被検体1の体内画像群を受信するためのものである。具体的には、受信装置3は、複数の受信アンテナ3a〜3hを有し、かかるカプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1に装着(携帯)される。このような受信装置3は、受信アンテナ3a〜3hを介して、カプセル型内視鏡2が無線送信した画像信号を順次受信して、この画像信号に含まれる画像データ(カプセル型内視鏡2が撮像した体内画像群等の画像データ)とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを取得する。また、受信装置3は、記録媒体5を有し、かかるカプセル型内視鏡2から受信した被検体1の体内画像群とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとをこの記録媒体5に格納する。
受信アンテナ3a〜3hは、例えば被検体1の臓器内部に導入されたカプセル型内視鏡2の移動経路(すなわち被検体1の消化管)に沿って被検体1の体表上に分散配置され、上述した受信装置3に接続される。かかる受信アンテナ3a〜3hは、被検体1の臓器内部のカプセル型内視鏡2が順次無線送信した画像信号を捕捉し、この補足した画像信号を受信装置3に対して順次送出する。なお、受信アンテナ3a〜3hは、被検体1に着用させるジャケット等に分散配置されてもよい。また、かかるカプセル型内視鏡2からの画像信号を捕捉する受信アンテナは、被検体1に対して1以上配置されればよく、その配置数は、特に8つに限定されない。
ワークステーション4は、記録媒体5を介して被検体1の体内画像群等の各種データを取得し、この取得した各種データをディスプレイ上に表示する画像表示装置としての機能を有する。このようなワークステーション4は、記録媒体5を介して取得した被検体1の体内画像群を表示する。医師または看護師等のユーザは、かかるワークステーション4が表示した被検体1の体内画像群を観察(検査)することによって、被検体1を診断する。また、ワークステーション4は、かかる被検体1の診断結果等を示す診断レポートを作成するレポート作成機能を有し、この作成した診断レポートをディスプレイ上に表示する。
また、ワークステーション4は、カプセル型内視鏡システム10において使用される1以上のカプセル型内視鏡(例えば被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2)のカプセルIDを画像データとともに取得し、取得した1以上のカプセルIDと画像データとを対応付けて保持管理する。例えば、ワークステーション4は、記録媒体5を介して被検体1の体内画像群とともにカプセル型内視鏡2のカプセルIDを取得し、この取得したカプセルIDと被検体1の体内画像群とを対応付けて保持管理する。かかるワークステーション4は、カプセル型内視鏡に関する各種情報を一元管理する中央サーバ7と通信ネットワーク6を介して接続され、カプセル型内視鏡システム10において使用される1以上のカプセル型内視鏡に関する各種情報を中央サーバ7との間で送受信する。この場合、ワークステーション4は、保持管理する1以上のカプセルIDを通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に通知し、この通知した1以上のカプセルIDによって特定される1以上のカプセル型内視鏡に関する各種情報を中央サーバ7から取得する。ワークステーション4は、かかる中央サーバ7から取得した情報(1以上のカプセル型内視鏡に関する各種情報)をカプセルIDと対応付けて保持管理し、且つ、かかる1以上のカプセル型内視鏡に関する各種情報をもとに、カプセル型内視鏡システム10において使用される1以上のカプセル型内視鏡に関する警告処理を行う。
記録媒体5は、可搬型の記録媒体であり、上述した受信装置3とワークステーション4との間のデータの受け渡しを行うためのものである。具体的には、記録媒体5は、受信装置3およびワークステーション4に対して着脱可能であって、両者に対する挿着時にデータの出力および記録が可能な構造を有する。このような記録媒体5は、受信装置3に挿着された場合、受信装置3がカプセル型内視鏡2から受信した被検体1の体内画像群等を記録し、ワークステーション4に挿着された場合、被検体1の体内画像群等の記録データをワークステーション4に送出する。
なお、かかる記録媒体5が記録する各種データは、例えば、被検体1の体内画像群、これら体内画像群に含まれる各体内画像の時間情報(撮像時刻、受信時刻等)、この被検体1の体内画像群を撮像したカプセル型内視鏡2のカプセルID、被検体1の患者情報、被検体1の検査情報等である。ここで、被検体1の患者情報は、被検体1を特定する特定情報であり、例えば、被検体1の患者名、患者ID、生年月日、性別、年齢等である。また、被検体1の検査情報は、被検体1に対して実施されるカプセル型内視鏡検査(臓器内部にカプセル型内視鏡2を導入して臓器内部を観察するための検査)を特定する特定情報であり、例えば、検査ID、検査日等である。
中央サーバ7は、複数のカプセル型内視鏡システムにおいてそれぞれ使用される複数のカプセル型内視鏡に関する各種情報を一元管理する情報管理サーバとして機能する。具体的には図1に示すように、中央サーバ7は、例えばカプセル型内視鏡のメーカ側の情報管理サーバであり、複数のユーザA1,A2の各カプセル型内視鏡システムのワークステーション4,8と通信ネットワーク6を介して通信接続される。かかる中央サーバ7は、例えばユーザA1,A2の各カプセル型内視鏡システムにおいて使用される複数のカプセル型内視鏡の製造来歴情報等の各種情報を一元管理する。なお、かかるカプセル型内視鏡の製造来歴情報は、カプセル型内視鏡の構成部品、製造LOT番号、製造日、および製造場所等の情報を含むものである。中央サーバ7は、ワークステーション4,8によって通知された複数のカプセル型内視鏡のカプセルIDを登録し、登録済みのカプセルIDを保持管理するワークステーション4,8に対して、登録済みのカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡(例えば上述したカプセル型内視鏡2)に関する製造来歴情報等の各種情報を送信(提供)する。かかる中央サーバ7が提供するカプセル型内視鏡に関する各種情報として、上述した製造来歴情報の他に、例えば、有効期限内(使用期限内)のカプセル型内視鏡であるにもかかわらず電池切れが発生した(もしくは電池切れが発生する虞がある)旨のエラー内容と該カプセル型内視鏡のカプセルIDとを含むエラー情報等が挙げられる。
なお、図1に示すワークステーション8は、カプセル型内視鏡システム10のユーザA1とは別のユーザA2が保有するカプセル型内視鏡システム(図示せず)のワークステーションである。かかるワークステーション4,8は、ほぼ同様の機能を有する。また、通信ネットワーク6は、インターネット、イントラネット、有線LAN、または無線LAN等によって実現される。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10の受信装置3およびワークステーション4の各構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。以下では、図2を参照しつつ、先ず受信装置3の構成を説明し、つぎにワークステーション4の構成を説明する。
受信装置3は、カプセル型内視鏡2が無線送信した画像信号を受信する受信部11と、この画像信号をもとに被検体1の体内画像を生成する画像処理部12と、複数の入力ボタン等の入力部13と、液晶ディスプレイ等の表示部14と、上述した記録媒体5が挿着される記憶部15と、受信装置3の各構成部を制御する制御部16とを有する。
受信部11は、上述した複数の受信アンテナ3a〜3hが接続され、かかる受信アンテナ3a〜3hを介してカプセル型内視鏡2からの画像信号を受信する。この場合、受信部11は、かかる受信アンテナ3a〜3hの中から受信電界強度が最も高い受信アンテナを選択し、この選択した受信アンテナを介してカプセル型内視鏡2からの無線信号を受信する。受信部11は、この受信した無線信号に対して復調処理等の所定の受信処理を行って、この無線信号を画像信号に復調する。かかる受信部11が復調した画像信号は、上述したカプセル型内視鏡2が撮像した画像データ(例えば被検体1の体内画像)とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを含む。すなわち、受信部11は、カプセル型内視鏡2が撮像した画像データとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを同時に受信する。受信部11は、かかる画像データとカプセルIDとを含む画像信号を画像処理部12に送信する。
画像処理部12は、受信部11から画像信号を取得し、この画像信号に対して所定の画像処理を行って、上述したカプセル型内視鏡2が撮像した被検体1の体内画像を生成する。また、画像処理部12は、かかる受信部11から取得した画像信号に含まれるカプセル型内視鏡2のカプセルIDを抽出し、この抽出したカプセルIDおよびこの生成した被検体1の体内画像を制御部16に送信する。
入力部13は、複数の入力ボタン等を用いて実現され、制御部16に対して指示する指示情報を制御部16に入力する。表示部14は、液晶ディスプレイ等を用いて実現され、制御部16によって表示指示された情報を表示する。記憶部15は、上述した記録媒体5を着脱可能に挿着できる構造を有し、記録媒体5を挿着することによって受信装置3の記憶部として機能する。かかる記憶部15は、制御部16の制御に基づいて、被検体1の体内画像群およびカプセル型内視鏡2のカプセルID等の各種情報を記録媒体5に保存する。
制御部16は、受信装置3の各構成部(受信部11、画像処理部12、入力部13、表示部14、および記憶部15)を制御し、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部16は、入力部13によって入力された指示情報に基づいて、カプセル型内視鏡2からの画像信号を受信部11に受信させ、この画像信号をもとに被検体1の体内画像を画像処理部12に生成させ、この画像信号の受信状態を示す情報等を表示部14に表示させる。また、制御部16は、画像処理部12から被検体1の体内画像群とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを取得し、かかる体内画像群とカプセルIDと対応付ける。制御部16は、かかるカプセルIDを対応付けた被検体1の体内画像群を記録媒体5に保存するよう記憶部15を制御する。
また、制御部16は、これから被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断し、エラーカプセルであると判断した場合、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルである旨を外部に警告する警告情報を表示部14に表示させる。このような制御部16は、かかるカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断する判断処理部16aを有する。なお、ここでいうエラーカプセルとは、エラー情報によって特定されるカプセル型内視鏡であって、例えば有効期限内(使用期限内)のカプセル型内視鏡であるにもかかわらず電池切れを起こした(もしくは電池切れを起こす虞がある)カプセル型内視鏡である。
判断処理部16aは、ワークステーション4が作成したエラーカプセルリストを記録媒体5を介して取得し、且つ、これから被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2のカプセルIDを画像処理部12から取得する。ここで、このエラーカプセルリストは、1以上のエラーカプセルのカプセルIDをリスト化したものである。判断処理部16aは、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDとエラーカプセルリスト内のカプセルIDとを照合し、この照合結果をもとに、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断する。具体的には、判断処理部16aは、このエラーカプセルリスト内にカプセル型内視鏡2のカプセルIDと合致するものが無い場合、このカプセル型内視鏡2が正常であると判断し、このエラーカプセルリスト内にカプセル型内視鏡2のカプセルIDと合致するものが有る場合、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであると判断する。このように判断処理部16aがエラーカプセルであると判断した場合、制御部16は、このエラーカプセルであるカプセル型内視鏡2を使用禁止する旨の警告情報を表示部14に表示させる。
つぎに、ワークステーション4の構成について説明する。ワークステーション4は、各種情報を入力する入力部21と、被検体1の体内画像群等を表示する表示部22と、記録媒体5を挿着するカードインターフェース(I/F)23とを有する。また、ワークステーション4は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ7と情報通信を行う通信部24と、被検体1の体内画像群およびカプセルID等の各種データを記憶する記憶部25と、かかるワークステーション4の各構成部を制御する制御部26とを有する。
入力部21は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現される。入力部21は、ユーザが行う入力操作に応じて、制御部26に各種情報を入力する。かかる入力部21が制御部26に入力する各種情報は、例えば、制御部26に対して指示する指示情報、被検体1の患者情報、被検体1の検査情報、カプセル型内視鏡システム10において使用される1以上のカプセル型内視鏡のカプセルID等である。このような入力部21は、制御部26に対してカプセルIDを入力する場合、かかるカプセルIDを取得する情報取得部として機能する。
表示部22は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部26によって表示指示された各種情報を表示する。この場合、表示部22は、例えば、カプセル型内視鏡2が撮像した被検体1の体内画像群、1以上のカプセル型内視鏡のカプセルID、被検体1の患者情報、被検体1の検査情報、被検体1の診断レポート等を表示する。また、表示部22は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ7から取得したカプセル型内視鏡に関する情報(エラー情報、来歴情報等)を表示する。さらに、表示部22は、かかる中央サーバから取得したエラー情報に基づく各種警告情報を表示する。
カードI/F23は、上述した記録媒体5が着脱可能に挿着され、この挿着された記録媒体5と制御部26との間のデータの入出力を行う。具体的には、カードI/F23は、この挿着された記録媒体5の記録データ(例えば被検体1の体内画像群、各体内画像の時間情報、カプセル型内視鏡2のカプセルID、被検体1の患者情報および検査情報等)を記録媒体5から読み込み、この読み込んだ記録データを制御部26に送出する。また、カードI/F23は、制御部26が記録媒体5に書き込むよう指示した各種データ(例えば、エラーカプセルリスト、被検体1の患者情報および検査情報等)を記録媒体5に書き込む。このようなカードI/F23は、記録媒体5から読み取ったカプセルIDを制御部26に送出する場合、かかるカプセルIDを取得する情報取得部として機能する。
通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ7と通信接続され、この中央サーバ7と情報通信を行う。具体的には、通信部24は、制御部26によって送信指示された1以上のカプセルIDを通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に送信し、これによって、かかる1以上のカプセルIDを中央サーバ7に通知する。また、通信部24は、中央サーバ7に対して通知した(すなわち中央サーバ7に登録された)1以上のカプセルIDによって特定される1以上のカプセル型内視鏡に関する各種情報(カプセル型内視鏡のエラー情報、製造来歴等)を通信ネットワーク6を介して中央サーバ7から受信する。通信部24は、かかる中央サーバ7から取得したカプセル型内視鏡に関する各種情報を制御部26に送出する。
記憶部25は、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の書き換え可能にデータを保存する各種記憶メディアを用いて実現される。記憶部25は、制御部26が記憶指示した各種データを記憶し、記憶した各種データの中から制御部26が読み出し指示したデータを制御部26に送出する。このような記憶部25は、複数の被検体の症例データ群25aと、カプセル型内視鏡に関する各種情報を含むカプセル情報群25bと、未使用のカプセル型内視鏡のカプセルIDをリスト化したカプセルリスト25cとを記憶する。かかる症例データ群25aに含まれる1つの被検体(例えば上述した被検体1)の症例データは、この被検体の体内画像群、患者情報、検査情報、各体内画像の時間情報、診断レポート情報等を含む。また、かかる症例データ群25a内の各被検体の症例データは、体内画像群を撮像したカプセル型内視鏡のカプセルIDと対応付けられる。一方、カプセル情報群25bは、カプセル型内視鏡に関する情報として、カプセル型内視鏡システム10において使用される1以上のカプセル型内視鏡のカプセルID、中央サーバ7から取得したエラー情報および製造来歴情報等を含む。
なお、記憶部25は、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、またはDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬型の記録媒体を着脱可能に挿着でき、挿着された記録媒体に対して各種データの読取処理または書込処理を行うドライブ等を用いて実現されてもよい。
制御部26は、ワークステーション4の各構成部(入力部21、表示部22、カードI/F23、通信部24、および記憶部25)を制御し、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部26は、カードI/F23を制御して記録媒体5の記録データを取得し、この取得した記録データのうちのカプセルIDをカプセル情報群25bの一部として記憶部25に記憶させ、残りの記録データ(被検体の体内画像群、患者情報、検査情報、時間情報等)を症例データ群25aの一部として記憶部25に記憶させる。また、制御部26は、通信部24を制御して中央サーバ7からカプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー情報、製造来歴情報)を取得し、この取得した各種情報をカプセル情報群25bの一部として記憶部25に記憶させる。この場合、制御部26は、中央サーバ7から取得した各種情報(エラー情報、製造来歴情報等)を表示部22に表示させてもよい。さらに、制御部26は、かかるエラー情報をもとに、1以上のカプセル型内視鏡に関する警告情報を表示部22に表示させる。なお、かかるカプセル型内視鏡に関する警告情報として、例えば、エラー情報によって特定されるカプセル型内視鏡(エラーカプセル)を使用禁止する旨の警告情報、エラーカプセルによって撮像された体内画像群を含む症例データの見直しを促す旨の警告情報等が挙げられる。
また、制御部26は、入力部21によって入力された指示情報に基づいて、症例データ群25aの中から所望の被検体の症例データを読み出し、この読み出した症例データに含まれる被検体の体内画像群等を表示部22に表示させる。一方、制御部26は、入力部21によって入力された1以上のカプセルIDまたはカードI/F23内の記録媒体5を介して画像データとともに取得した1以上のカプセルIDを中央サーバ7に送信(通知)するよう通信部24を制御する。
このような制御部26は、情報管理部26a、情報抽出部26b、およびレポート処理部26cを有する。情報管理部26aは、カプセルID、エラー情報、および製造来歴情報等のカプセル型内視鏡に関する各種情報を管理する。この場合、情報管理部26aは、入力部21によって入力された1以上のカプセルIDまたはカードI/F23内の記録媒体5から読み取られた1以上のカプセルIDを取得し、かかる1以上のカプセルIDとカプセル情報群25b内の各種情報(エラー情報、製造来歴情報等)とを対応付ける。情報管理部26aは、かかるカプセル情報群25b内のエラー情報および製造来歴情報をカプセルID毎に管理する。また、情報管理部26aは、かかる1以上のカプセルIDと症例データ群25a内の各データ(各被検体の体内画像群、患者情報、検査情報、診断レポート情報)とを対応付け、これら症例データ群25a内の各データをカプセルID毎に管理する。かかる情報管理部26aは、例えば、症例データ群25a内の各種データおよびカプセル情報群25b内の各種情報とカプセルIDとを対応付けたデータテーブルを作成し、かかるデータテーブルを用いて、症例データ群25a内の各種データおよびカプセル情報群25b内の各種情報を保持管理する。
また、情報管理部26aは、カプセル情報群25bの一部として管理する1以上のカプセルIDのうちの未使用のカプセル型内視鏡のカプセルIDを抽出し、かかる未使用のカプセル型内視鏡のカプセルIDをリスト化したカプセルリスト25cを生成する。なお、ここでいう未使用のカプセル型内視鏡とは、カプセル型内視鏡システム10が保有する1以上のカプセル型内視鏡(例えばカプセル型内視鏡2)のうちのカプセル型内視鏡検査に使用されていない(すなわち被検体の臓器内部に導入されていない)ものである。情報管理部26aは、被検体の症例データと対応付けたカプセルIDを使用済みのカプセル型内視鏡のカプセルIDであると判断し、被検体の症例データと対応付けていないカプセルIDを未使用のカプセル型内視鏡のカプセルIDであると判断する。
さらに、情報管理部26aは、通信部24を制御して中央サーバ7から取得したカプセル型内視鏡のエラー情報をもとに、エラー情報によって特定される1以上のエラーカプセルのカプセルIDをリスト化したエラーカプセルリストを作成する。制御部26は、かかる情報管理部26aが作成したエラーカプセルリストを記録媒体5に記録するようカードI/F23を制御する。
情報抽出部26bは、上述した情報管理部26aによってカプセルIDと対応付けられた症例データ群25a内の各データまたはカプセル情報群25b内の各種情報を抽出する。具体的には、情報抽出部26bは、入力部21によって入力されたカプセルIDをもとに、このカプセルIDと対応付けられた被検体の症例データを症例データ群25aの中から抽出する。また、情報抽出部26bは、このカプセルIDと対応付けられたエラー情報または製造来歴情報をカプセル情報群25bの中から抽出する。制御部26は、かかる情報抽出部26bによって抽出された被検体の症例データ(体内画像群、診断レポート情報等)またはカプセル情報(エラー情報、製造来歴情報)を表示部22に表示させる。
レポート処理部26cは、症例データ群25aの中から選択された被検体の症例データ等をもとに、この被検体の診断レポートを作成するレポート作成部として機能する。かかるレポート処理部26cは、例えば、被検体1の体内画像群、この被検体1の体内画像群を撮像したカプセル型内視鏡2のカプセルID、被検体1の患者情報、および被検体1の診断結果等を掲載した診断レポートを作成する。この場合、レポート処理部26cは、入力部21によって入力された指示情報に基づいて、かかるカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび被検体1の患者情報等を診断レポートに記載するか否かを選択できる。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10のワークステーション4の処理手順について説明する。図3は、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行するワークステーション4の処理手順を例示するシーケンス図である。以下では、ユーザA2のカプセル型内視鏡システムにおいて発生したカプセル型内視鏡のエラー内容がワークステーション8(図1参照)によって中央サーバ7に通知された場合を例示して、この中央サーバ7から取得したエラー情報をもとにカプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行するワークステーション4の処理手順を説明する。
図3に示すように、ワークステーション4は、ユーザA1のカプセル型内視鏡システム10において使用されるカプセル型内視鏡2のカプセルIDを取得し(ステップS101)、この取得したカプセルIDを通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に送信する(ステップS102)。この場合、入力部21は、入力操作によって制御部26にカプセル型内視鏡2のカプセルIDを入力する。制御部26は、かかる入力部21によって入力されたカプセルIDを取得し、この取得したカプセルIDをカプセル情報群25bの一部として保持管理する。また、制御部26は、この取得したカプセルIDを中央サーバ7に送信するよう通信部24を制御する。この場合、通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ7にこのカプセルIDを送信する。
一方、ワークステーション8は、ユーザA1のワークステーション4の場合とほぼ同様に、ユーザA2のカプセル型内視鏡システムにおいて使用されるカプセル型内視鏡のカプセルIDを取得し(ステップS103)、この取得したカプセルIDを通信ネットワーク6を介してメーカ側の中央サーバ7に送信する(ステップS104)。
中央サーバ7は、通信ネットワーク6を介してワークステーション4からのカプセルIDとワークステーション8からのカプセルIDとを順次受信し、かかるワークステーション4,8からの各カプセルIDを順次登録する(ステップS105)。この場合、中央サーバ7は、特に図3に示していないが、ワークステーション4から通知されたカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の製造来歴情報をワークステーション4に送信してもよい。同様に、中央サーバ7は、ワークステーション8から通知されたカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の製造来歴情報をワークステーション8に送信してもよい。
一方、ユーザA2のワークステーション8は、中央サーバ7に対してカプセルIDを送信した後、ユーザA2のカプセル型内視鏡システムにおいてカプセル型内視鏡のエラーが発生した場合(ステップS106,Yes)、この発生したカプセル型内視鏡のエラー内容とエラーが発見されたカプセル型内視鏡(すなわちエラーカプセル)のカプセルIDとを取得する。そして、ワークステーション8は、この取得したエラーカプセルのエラー内容およびカプセルIDを通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に送信する(ステップS107)。
なお、かかるワークステーション8は、ユーザA2のカプセル型内視鏡システムにおいてカプセル型内視鏡のエラーが発生していない場合(ステップS106,No)、エラーカプセルのエラー内容等の情報が入力されず、カプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー内容、カプセルID等)または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機する。
一方、中央サーバ7は、上述したステップS105においてカプセルIDを登録処理した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報(カプセルID、製造来歴情報等)を保持管理するとともに、カプセル型内視鏡に関するエラー通知の有無を判断する(ステップS108)。かかる中央サーバ7は、通信ネットワーク6を介して、例えばユーザA2のワークステーション8からエラーカプセルのエラー内容およびカプセルIDを含む情報を受信した場合、カプセル型内視鏡のエラー通知ありと判断し(ステップS108,Yes)、このエラーカプセルに関連するカプセルIDを登録済みのカプセルID群の中から抽出する(ステップS109)。なお、ここでいうエラーカプセルに関連するカプセルIDとは、このエラーカプセルと同様のエラーを発生する虞がある他のカプセル型内視鏡を特定するカプセルIDである。
このステップS109において、中央サーバ7は、保持管理する複数のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を参照し、このエラーカプセルの製造来歴(電池等の構成部品、製造LOT番号、製造日時、製造場所等)と同様または類似する製造来歴を有する他のカプセル型内視鏡(すなわち同様のエラーを発生する虞があるカプセル型内視鏡)のカプセルIDを、このエラーカプセルに関連するカプセルIDとして登録済みのカプセルID群の中から抽出する。
かかる中央サーバ7によって抽出されたエラーカプセルのカプセルIDがワークステーション4から通知されたカプセルID(すなわちカプセル型内視鏡システム10において使用されるカプセル型内視鏡のカプセルID)である場合、中央サーバ7は、上述したユーザA2のワークステーション8から通知されたエラー内容に対応したカプセル型内視鏡のエラー情報をこのワークステーション4に送信する(ステップS110)。かかる中央サーバ7によって送信されるエラー情報は、中央サーバ7がユーザA2のワークステーション8から取得したエラーカプセルのエラー内容と、上述したステップS109において中央サーバ7が抽出したエラーカプセルのカプセルIDとを含む。
なお、上述したステップS108において、中央サーバ7は、通信ネットワーク6を介してエラーカプセルのエラー内容およびカプセルIDを含む情報を受信していない場合、カプセル型内視鏡のエラー通知なしと判断し(ステップS108,No)、このステップS108の処理手順を繰り返す。
一方、ユーザA1のワークステーション4は、中央サーバ7に対してカプセルIDを送信した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー内容、カプセルID等)または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機するとともに、中央サーバ7からのエラー情報の有無を判断する(ステップS111)。具体的には、ステップS110において中央サーバ7がワークステーション4に対してエラー情報を送信した場合、通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ7からのエラー情報を受信し、この受信したエラー情報を制御部26に送出する。制御部26は、かかる通信部24が中央サーバ7からのエラー情報を受信した場合にカプセル型内視鏡のエラー情報ありと判断し、かかる通信部24が中央サーバ7からのエラー情報を受信していない場合にカプセル型内視鏡のエラー情報なしと判断する。
かかるワークステーション4は、カプセル型内視鏡のエラー情報なしと判断した場合(ステップS111,No)、このステップS111の処理手順を繰り返す。一方、ワークステーション4は、カプセル型内視鏡のエラー情報ありと判断した場合(ステップS111,Yes)、このエラー情報に含まれるエラーカプセルが未使用のカプセル型内視鏡であるか否かを判断する(ステップS112)。
このステップS112において、情報管理部26aは、このエラー情報に含まれるエラーカプセルのカプセルIDとカプセルリスト25cとを照合する。かかる情報管理部26aは、このエラーカプセルのカプセルIDとカプセルリスト25c内のいずれかのカプセルIDとが合致する場合、このエラーカプセルが未使用のカプセル型内視鏡であると判断し、このエラーカプセルのカプセルIDとカプセルリスト25c内のカプセルIDとがいずれも合致しない場合、このエラーカプセルが使用済みのカプセル型内視鏡であると判断する。
ワークステーション4は、このエラーカプセルが未使用のカプセル型内視鏡であると判断した場合(ステップS112,Yes)、このエラーカプセルであると判断された未使用のカプセル型内視鏡の使用を禁止するためのカプセル使用禁止の警告処理(カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理の一例)を実行する(ステップS113)。
このステップS113において、制御部26は、このエラーカプセルであると判断された未使用のカプセル型内視鏡の使用を禁止する旨の警告情報を表示部22に表示させる。この場合、表示部22は、かかるカプセル使用禁止の警告情報として、エラーカプセルであると判断された未使用のカプセル型内視鏡のカプセルIDおよび型番等の情報と、この未使用のカプセル型内視鏡はエラー発生の虞がある旨の情報と、この未使用のカプセル型内視鏡を使用禁止する旨の情報とを表示する。
一方、ワークステーション4は、このエラーカプセルが使用済みのカプセル型内視鏡であると判断した場合(ステップS112,No)、このエラーカプセルであると判断された使用済みのカプセル型内視鏡が撮像した体内画像群を含む症例データの見直し要の警告処理(カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理の一例)を実行する(ステップS114)。
このステップS114において、制御部26は、このエラーカプセルであると判断された使用済みのカプセル型内視鏡が撮像した体内画像群を含む症例データの見直し要を促す旨の警告情報を表示部22に表示させる。この場合、表示部22は、かかる症例データの見直し要の警告情報として、エラーカプセルであると判断された使用済みのカプセル型内視鏡のカプセルIDおよび型番等の情報と、この使用済みのカプセル型内視鏡のカプセルIDと対応付けられた症例データのファイル名等の情報と、この症例データ内の患者情報と、この症例データの見直し要を促す旨の情報と、この使用済みのカプセル型内視鏡がエラーカプセルである旨の情報とを表示する。
なお、このステップS114において、情報抽出部26bが、この使用済みのカプセル型内視鏡のカプセルIDと対応付けられた被検体の症例データを症例データ群25aの中から抽出し、制御部26が、上述した症例データの見直し要の警告情報とともに、この情報抽出部26bによって抽出された症例データ(例えば、被検体の体内画像群、診断レポート情報等)を表示部22に表示させてもよい。
ワークステーション4は、上述したようなカプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理(ステップS113またはS114の処理手順)を実行した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー内容、カプセルID等)または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機するとともに、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10の受信装置3の処理手順について説明する。図4は、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行する受信装置3の処理手順を例示するフローチャートである。以下では、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1に装着(携帯)された受信装置3を例示して、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行する受信装置3の処理手順を説明する。
図4に示すように、受信装置3は、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1の患者情報およびカプセル情報を記録媒体5を介してワークステーション4から取得する(ステップS201)。この場合、被検体1の患者情報およびカプセル情報を記録した記録媒体5が記憶部15に挿着され、制御部16は、この記憶部15に挿着された記録媒体5から被検体1の患者情報およびカプセル情報を取得する。これによって、受信装置3は、この被検体1の体内画像群を受信する受信装置として初期設定される。
なお、かかる記録媒体5に記録されたカプセル情報は、上述したワークステーション4が作成したエラーカプセルリストと、このエラーカプセルリスト内のカプセルIDによって特定されるエラーカプセルのエラー内容とを含む。
つぎに、受信装置3は、被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2から無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS202)。具体的には、カプセル型内視鏡2は、被検体1の臓器内部に導入される前、動作確認のために、試験的に画像を撮像し、この撮像した画像とカプセルIDとを受信装置3に無線送信する。受信部11は、このカプセル型内視鏡2から試験的に送信された無線信号を受信し、この無線信号を復調した画像信号を画像処理部12に送信する。この場合、制御部16は、カプセル型内視鏡2からの無線信号を受信したと判断する。
なお、制御部16は、かかる受信部11が無線信号を受信していない場合、カプセル型内視鏡2からの無線信号を受信していないと判断する。受信装置3は、カプセル型内視鏡2からの無線信号を受信していない場合(ステップS202,No)、このステップS202の処理手順を繰り返す。
一方、受信装置3は、カプセル型内視鏡2からの無線信号を受信した場合(ステップS202,Yes)、このカプセル型内視鏡2からの無線信号に含まれる画像データおよびカプセルIDを取得する(ステップS203)。具体的には、受信部11は、上述したように、このカプセル型内視鏡2から受信した無線信号を画像信号に復調し、この画像信号を画像処理部12に送信する。制御部16は、かかる画像信号に含まれる画像データ(試験的に撮像された画像)とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを画像処理部12から取得する。
つぎに、受信装置3は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDと上述したエラーカプセルリスト内のカプセルIDとを照合し(ステップS204)、このカプセルIDの照合結果をもとに、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断する(ステップS205)。
このステップS204,S205において、判断処理部16aは、上述したステップS201において取得したエラーカプセルリストとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを照合する。かかる判断処理部16aは、このエラーカプセルリスト内のいずれかのカプセルIDとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとが合致する場合、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであると判断する。一方、判断処理部16aは、このエラーカプセルリスト内のカプセルIDとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとがいずれも合致しない場合、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルではない(すなわち正常なカプセル型内視鏡である)と判断する。
かかる受信装置3は、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであると判断した場合(ステップS205,Yes)、このエラーカプセルであると判断されたカプセル型内視鏡2の使用を禁止するためのカプセル使用禁止の警告処理を実行する(ステップS206)。
このステップS206において、制御部16は、このエラーカプセルであると判断されたカプセル型内視鏡2の使用を禁止する旨の警告情報を表示部14に表示させる。この場合、表示部14は、かかるカプセル使用禁止の警告情報として、エラーカプセルであると判断されたカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2(すなわち、被検体1の臓器内部に導入される直前のカプセル型内視鏡)に発生する虞があるエラー内容と、このカプセル型内視鏡2を使用禁止する旨の情報とを表示する。
一方、受信装置3は、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルではないと判断した場合(ステップS205,No)、この正常なカプセル型内視鏡2の使用を許可するためのカプセル使用許可の表示処理を実行する(ステップS207)。
このステップS207において、制御部16は、この正常であると判断されたカプセル型内視鏡2の使用を許可する旨の情報を表示部14に表示させる。この場合、表示部14は、この正常なカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2(すなわち、被検体1の臓器内部に導入される直前のカプセル型内視鏡)が正常である旨の情報と、このカプセル型内視鏡2を使用許可する旨の情報とを表示する。
このような受信装置3は、上述したステップS206またはS207の処理手順を実行した後、このカプセル型内視鏡2からの無線信号(被検体1の体内画像群およびカプセルID)の受信を待機するとともに、本処理を終了する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10のワークステーション4および受信装置3の動作を具体的に説明する。図5は、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行するワークステーション4および受信装置3の動作を具体的に説明するための模式図である。
図5に示すように、ワークステーション4は、入力部21の入力操作等によって、ユーザA1のカプセル型内視鏡システム10において使用される複数のカプセル型内視鏡のカプセルID(例えば10個のカプセルID「C010」〜「C019」)を取得する。かかるワークステーション4は、保有する10個のカプセルID「C010」〜「C019」を通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に送信する。一方、ワークステーション8は、ユーザA2のカプセル型内視鏡システム(図示せず)において使用される複数のカプセル型内視鏡のカプセルID(例えば10個のカプセルID「C020」〜「C029」)を取得し、これら10個のカプセルID「C020」〜「C029」を通信ネットワーク6を介して中央サーバ7に送信する。
メーカ側の中央サーバ7は、ユーザA1のワークステーション4からのカプセルID「C010」〜「C019」とユーザA2のワークステーション8からのカプセルID「C020」〜「C029」とを通信ネットワーク6を介して受信し、これら20個のカプセルID「C010」〜「C029」を登録する。かかる中央サーバ7は、カプセルID「C010」〜「C019」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡(すなわちカプセル型内視鏡システム10において使用されるカプセル型内視鏡)の製造来歴情報をユーザA1のワークステーション4に対して送信(提供)する。これと同様に、中央サーバ7は、カプセルID「C020」〜「C029」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡の製造来歴情報をユーザA2のワークステーション8に対して送信(提供)する。この場合、ワークステーション4は、カプセルID「C010」〜「C019」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を通信ネットワーク6を介して中央サーバ7から受信する。また、ワークステーション8は、カプセルID「C020」〜「C029」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を通信ネットワーク6を介して中央サーバ7から受信する。
ここで、ユーザA2のカプセル型内視鏡システムにおいて、有効期限内のカプセル型内視鏡であるにもかかわらず内蔵電池が電力不足となった旨の電池切れエラーが発生した場合、ワークステーション8は、この電池切れエラーのエラー内容と、この電池切れエラーが発見されたエラーカプセルのカプセルID「C021」とを中央サーバ7に対して通知する。この場合、中央サーバ7は、かかる電池切れエラーのエラー内容とエラーカプセルのカプセルID「C021」とを通信ネットワーク6を介してワークステーション8から受信する。
かかる中央サーバ7は、保持管理する複数のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を参照し、カプセルID「C021」のエラーカプセルの製造来歴(電池等の構成部品、製造LOT番号、製造日時、製造場所等)と同様または類似する製造来歴を有する他のカプセル型内視鏡のカプセルID「C011」を登録済みのカプセルID群の中から抽出する。かかる中央サーバ7によって抽出されたカプセルID「C011」のカプセル型内視鏡は、ユーザA1のカプセル型内視鏡システム10のカプセル型内視鏡であり、このカプセルID「C021」のエラーカプセルと同様の電池切れエラーを発生する虞があるエラーカプセルである。中央サーバ7は、このように抽出したカプセルID「C011」と電池切れエラーのエラー内容とを含むエラー情報を生成し、カプセルID「C011」のカプセル型内視鏡を保有するカプセル型内視鏡システム10のワークステーション4に対して、このエラー情報を送信(提供)する。
ワークステーション4は、かかる中央サーバ7が送信したエラー情報を通信ネットワーク6を介して受信する。この場合、ワークステーション4は、この受信したエラー情報に含まれるカプセルID「C011」とカプセルリスト25cとを照合し、この照合結果をもとに、このカプセルID「C011」に特定されるカプセル型内視鏡(エラーカプセル)が未使用であるか否かを判断する。ワークステーション4は、このカプセルID「C011」に特定されるエラーカプセルが未使用である場合、未使用のエラーカプセルのカプセルID「C011」および型番等の情報と、この未使用のエラーカプセルは有効期限内であっても電池切れエラーを発生する虞がある旨の情報と、この未使用のエラーカプセルを使用禁止する旨の情報とを表示部22に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部22に表示された情報を視認することによって、未使用のカプセル型内視鏡群の中にエラーカプセルが存在することを容易に把握でき、このカプセルID「C011」のカプセル型内視鏡をエラーカプセルとして除外することができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡のエラーに対して迅速に対応することができ、この結果、かかる電池切れエラーを起こす虞のあるカプセル型内視鏡を被検体1に導入するという事態を防止することができる。
一方、ワークステーション4は、このカプセルID「C011」に特定されるエラーカプセルが使用済みである場合、使用済みのエラーカプセルのカプセルID「C011」および型番等の情報と、この使用済みのエラーカプセルのカプセルID「C011」と対応付けられた症例データのファイル名等の情報と、この症例データ内の患者情報と、この症例データの見直し要を促す旨の情報と、このエラーカプセルが使用済みである旨の情報とを表示部22に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部22に表示された情報を視認することによって、このエラーカプセルを用いて撮像した被検体の体内画像群を含む症例データ(不備の症例データ)が症例データ群25aの中に存在することを容易に把握でき、この不備の症例データ内の体内画像群および診断結果等のデータを迅速に見直すことができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡のエラーに対して迅速に対応することができ、この結果、カプセル型内視鏡のエラーが発生した際に、被検体の体内画像群および診断結果等に不備の虞がある症例データ(不備の症例データ)を迅速に見直すことができる。
一方、受信装置3は、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1に装着される。この場合、受信装置3は、上述したワークステーション4が作成したエラーカプセルリスト(カプセルID「C011」を含む)と被検体1の患者情報とを記録媒体5を介して取得する。また、受信装置3は、被検体1の臓器内部に導入される前のカプセル型内視鏡2から無線信号を受信して、このカプセル型内視鏡2が試験的に撮像した画像データとともにカプセル型内視鏡2のカプセルIDを取得する。
このような受信装置3は、このエラーカプセルリスト内のカプセルID「C011」とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを照合して、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断する。ここで、受信装置3は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDが「C011」である場合、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであると判断する。この場合、受信装置3は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2がエラーカプセル(有効期限内であっても電池切れを起こす虞のあるカプセル型内視鏡)である旨の情報と、このカプセル型内視鏡2を使用禁止する旨の情報とを表示部14に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部14に表示された情報を視認することによって、この被検体1の臓器内部に導入する直前のカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであることを容易に把握でき、このカプセル型内視鏡2をエラーカプセルとして除外することができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡のエラーに対して迅速に対応することができ、この結果、かかる電池切れエラーを起こす虞のあるカプセル型内視鏡2を被検体1に導入するという事態を防止することができる。
一方、受信装置3は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDが「C011」以外である場合、このカプセル型内視鏡2が正常であると判断する。この場合、受信装置3は、この正常なカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2が正常である旨の情報と、このカプセル型内視鏡2を使用許可する旨の情報とを表示部14に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部14に表示された情報を視認することによって、この被検体1の臓器内部に導入する直前のカプセル型内視鏡2が正常なものであることを容易に把握でき、この正常なカプセル型内視鏡2を安心して被検体1の臓器内部に導入できる。
つぎに、カプセル型内視鏡のカプセルIDと対応付けた被検体の症例データ(体内画像群等)をワークステーション4の表示部22に表示する際の制御部26の動作について説明する。図6は、カプセルIDを入力するためのウィンドウの一例を示す模式図である。図7は、カプセルIDと対応付けられた被検体の症例データを表示するためのウィンドウの一例を示す模式図である。
制御部26は、入力部21によって入力された指示情報に基づいて、図6に示すようなウィンドウ50を表示部22に表示させる。このウィンドウ50は、症例データ群25aの中から所望の症例データを抽出する際にカプセルIDを入力するためのウィンドウであり、図6に示すように、カプセルIDを入力するためのテキストボックス51を有する。
テキストボックス51には、入力部21の入力操作によって所望のカプセルIDが入力される。入力部21は、かかるテキストボックス51内のカプセルIDを制御部26に入力する。制御部26は、かかる入力部21によって入力されたカプセルID(すなわちテキストボックス51内に入力された所望のカプセルID)を取得する。この場合、情報抽出部26bは、このカプセルIDと対応付けられた被検体1の症例データを記憶部25内の症例データ群25aの中から抽出する。
制御部26は、かかる情報抽出部26bによって抽出された被検体1の症例データを表示部22に表示させる。この場合、制御部26は、上述したウィンドウ50に代えて、この被検体1の症例データを表示するためのウィンドウ60(図7参照)を表示部22に表示させる。このウィンドウ60は、被検体1の体内画像群(症例データの一例)を表示して被検体1の臓器内部を観察するためのGUI(Graphical User Interface)を有する。かかるウィンドウ60の表示状態は、制御部26によって制御される。
図7に示すように、ウィンドウ60は、被検体1の体内画像群を表示する主画像表示部61と、主画像表示部61に体内画像群を表示する各種表示操作を行うための表示操作アイコン群62と、この被検体1の体内画像群の中から選択された所望の体内画像に対応するサムネイル画像を表示する副画像表示部63とを有する。また、ウィンドウ60は、この被検体1の体内画像群に含まれる各体内画像の時間位置を示すタイムバー64と、このタイムバー64が示す各時間位置のうちの主画像表示部61に表示されている現表示画像の時間位置を示すスライダ65とを有する。さらに、かかるウィンドウ60の上部には、このウィンドウ60によって表示される体内画像群等の症例データに対応付けられたカプセルID(すなわち上述したウィンドウ50のテキストボックス51に入力されたカプセルID)と、この症例データ内の被検体1の患者情報(例えば患者IDおよび患者名)とが表示される。
主画像表示部61は、表示操作アイコン群62を用いた表示操作(再生、早送り、一時停止等)に対応して、被検体1の体内画像群を順次表示する。かかる主画像表示部61は、図7に示す体内画像P1,P2に例示されるように、表示枚数の設定に対応して1以上の体内画像を一度に表示する。また、主画像表示部61は、現在表示している体内画像(現表示画像)の時間情報を表示する。かかる主画像表示部61に表示される時間情報として、例えば、現表示画像の撮像時刻、被検体1の体内画像群における先頭画像(撮像時刻が最も早い体内画像)に対する相対時間等が挙げられる。
副画像表示部63は、主画像表示部61に表示された被検体1の体内画像群の中から選択された1以上の体内画像群に対応する1以上のサムネイル画像を表示する。具体的には、副画像表示部63は、主画像表示部61に表示された体内画像群の中から所望の体内画像が順次選択された場合、その都度、かかる所望の体内画像に対応するサムネイル画像(例えばサムネイル画像TP1〜TP8)を順次追加表示する。また、副画像表示部63は、スクロール機能を有し、これら8つのサムネイル画像TP1〜TP8に限らず、所望数のサムネイル画像を表示することができる。
タイムバー64は、主画像表示部61に表示される被検体1の体内画像群内の各体内画像の時間位置を示す。スライダ65は、主画像表示部61の現表示画像の時間情報に合わせてタイムバー64上を移動して、この現表示画像に対応するタイムバー64上の時間位置を示す。
つぎに、被検体1の診断レポートを作成するレポート処理部26cの動作について説明する。図8は、被検体1の診断レポートを作成するためのウィンドウの一例を示す模式図である。制御部26は、入力部21によって入力された指示情報に基づいて、図8に示すようなウィンドウ70を表示部22に表示させる。このウィンドウ70は、被検体1の診断レポートを作成するためのGUIを有する。レポート処理部26cは、このウィンドウ70のGUIを用いて設定された情報をもとに、被検体1の診断レポートを作成する。なお、かかるウィンドウ70の表示状態は、制御部26によって制御される。
図8に示すように、ウィンドウ70は、診断レポートに掲載する被検体1の診断結果等の各種情報を編集するためのインフォメーションページ71と、この被検体1の診断レポートに掲載するサムネイル画像等を確認するためのサムネイル画像ページ72とを有する。また、ウィンドウ70は、診断レポートにカプセル型内視鏡のカプセルIDを記載するか否かを選択するためのチェックボックス76を有する。かかるウィンドウ70は、インフォメーションページ71とサムネイル画像ページ72とを選択的に切り替えて表示する。
なお、かかるウィンドウ70の上部には、上述したウィンドウ60と同様に、診断レポート(症例データの一例)に対応付けられたカプセルID(すなわち上述したウィンドウ50のテキストボックス51に入力されたカプセルID)と、この症例データ内の被検体1の患者情報(例えば患者IDおよび患者名)とが表示される。
インフォメーションページ71は、診断レポートに掲載する医師名(被検体1を診断した医師の名前)、施設名(被検体1を診断した施設の名前)、住所、電話番号、および電子メールアドレスを設定するためのテキストボックス群73と、被検体1の患者情報、検査情報、カプセルID等の情報を表示する情報表示領域74と、診断レポートに掲載する紹介先の医師名、紹介理由、被検体1の診断結果、および診断結果等の要約を入力するためのテキストボックス群75とを有する。
テキストボックス群73には、入力部21の操作によって、被検体1の診断医師名、診断施設名、住所、電話番号、および電子メールアドレスが入力される。情報表示領域74には、レポート処理部26cが被検体1の診断レポートに掲載する被検体1の患者情報、検査情報、およびカプセルID等が表示される。テキストボックス群75には、入力部21の操作によって、紹介先の医師名、紹介理由、被検体1の診断結果、および要約等の各種情報が入力される。
レポート処理部26cは、入力部21によって入力された診断レポート作成の指示情報に基づいて、上述したウィンドウ50のテキストボックス51に入力されたカプセルIDと対応付けられた被検体1の診断レポートを作成する。この場合、レポート処理部26cは、かかるテキストボックス群73,75を用いて入力された各種情報と、このカプセルIDと対応付けられた症例データとを用いて被検体1の診断レポートを作成する。かかるレポート処理部26cによって作成された診断レポートの掲載内容は、図8に示すウィンドウ70等によって確認できる。
ここで、レポート処理部26cは、このカプセルIDと対応付けられた被検体1の症例データをもとに、被検体1の患者情報(患者ID、患者名、生年月日、性別、年齢、身長、体重、ウエストサイズ等)と、被検体1の検査情報(検査実施日、検査ID等)と、この被検体1の体内画像群を撮像したカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを被検体1の診断レポート内に記載する。かかるレポート処理部26cは、ウィンドウ70内の所定のチェックボックスをクリックする等の操作によって、被検体1の個人情報(生年月日、性別、年齢、身長、体重、ウエストサイズ等)およびカプセル型内視鏡2のカプセルIDを診断レポート内に掲載するか否かを選択できる。
例えば、レポート処理部26cは、ウィンドウ70のチェックボックス76がチェックされた状態である場合、被検体1の診断レポートにカプセル型内視鏡2のカプセルIDを掲載し、このチェックボックス76のチェック状態が解除された場合、被検体1の診断レポートにカプセル型内視鏡2のカプセルIDを掲載しない。なお、かかる診断レポートにおける患者情報、検査情報、およびカプセルIDの表記結果は、インフォメーションページ71の情報表示領域74に表示される。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、複数のユーザのカプセル型内視鏡に関する各種情報を一元管理する中央サーバに対して通信ネットワークを介して通信接続され、保有する1以上のカプセル型内視鏡のカプセルIDをこの中央サーバに通知し、この通知したカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡に関する情報を通信ネットワークを介してこの中央サーバから取得するようにし、この中央サーバから取得した情報をもとに、カプセル型内視鏡に関する警告処理を行うように構成した。このため、他のユーザまたはカプセル型内視鏡のメーカ側等においてカプセル型内視鏡のエラーが発見された場合、このエラー情報を早期に取得して、このカプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を行うことができる。この結果、このカプセル型内視鏡のエラーに対して迅速に対応できるカプセル型内視鏡システムを実現することができる。
本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システムによれば、未使用のカプセル型内視鏡群の中にエラーカプセルが含まれる場合、このエラーカプセルを使用前に除外することができ、この結果、電池切れエラー等を起こす虞のあるカプセル型内視鏡を被検体に導入するという事態を防止することができる。
また、使用済みのカプセル型内視鏡群の中にエラーカプセルが含まれる場合、このエラーカプセルを用いて撮像した被検体の体内画像群を含む症例データを早期に探し出すことができ、この結果、被検体の体内画像群および診断結果等に不備の虞がある症例データを迅速に見直すことができる。
さらに、この中央サーバがカプセル型内視鏡の製造来歴情報を一元管理しているので、保有する1以上のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を通信ネットワークを介してこの中央サーバから容易に取得することができる。このため、所望のカプセル型内視鏡の製造来歴情報を容易に表示することができ、この結果、所望のタイミングで所望のカプセル型内視鏡の製造来歴を確認することができる。
また、被検体の体内画像群を撮像したカプセル型内視鏡のカプセルIDと、この被検体の症例データとを対応付けて保持管理しているので、この被検体の症例データをもとに作成する診断レポート上に、このカプセルIDを容易に掲載することができる。さらに、かかる診断レポートに対するカプセルIDの掲載または非掲載を選択できるようにしたので、カプセルIDを掲載した診断レポートと、カプセルIDを掲載していない診断レポートとを選択的に作成することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、カプセル型内視鏡のエラー情報を中央サーバから取得して、このカプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を行っていたが、この実施の形態2では、さらにカプセル型内視鏡の有効期限情報を中央サーバから取得して、このカプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を行うようにしている。
図9は、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図9に示すように、この実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システム30は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡システム10の受信装置3に代えて受信装置33を有し、ワークステーション4に代えてワークステーション34を有する。この受信装置33は、上述した実施の形態1の受信装置3の制御部16に代えて制御部46を有する。このワークステーション34は、上述した実施の形態1のワークステーション4の制御部26に代えて制御部47を有し、上述した中央サーバ7に代えて中央サーバ37と通信接続される。また、中央サーバ37は、上述した実施の形態1の中央サーバ7と同様の機能を有し、さらに、複数のユーザ(例えばユーザA1,A2)のカプセル型内視鏡に関する情報として複数のカプセル型内視鏡の有効期限情報を一元管理し、かかる有効期限情報を通信ネットワーク6を介して各ユーザのワークステーション(例えばワークステーション8,34)に提供する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
受信装置33の制御部46は、これから被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2が有効期限(使用期限)を超過したカプセル型内視鏡(以下、期限超過カプセルという)であるか否かを判断し、期限超過カプセルであると判断した場合、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨を外部に警告する警告情報を表示部14に表示させる。かかる制御部46のその他の機能は、上述した実施の形態1の受信装置3の制御部16と同様である。
このような制御部46は、上述した実施の形態1の受信装置3の判断処理部16aに代えて判断処理部46aを有する。判断処理部46aは、上述した実施の形態1の受信装置3の判断処理部16aと同様にカプセル型内視鏡2がエラーカプセルであるか否かを判断する判断処理機能を有し、さらに、カプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであるか否かを判断する判断処理機能を有する。かかる判断処理部46aは、期限超過カプセルの判断処理を行う場合、ワークステーション34が作成した期限超過カプセルリストを記録媒体5を介して取得し、且つ、これから被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2のカプセルIDを画像処理部12から取得する。ここで、この期限超過カプセルリストは、1以上の期限超過カプセルのカプセルIDをリスト化したものである。判断処理部46aは、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDと期限超過カプセルリスト内のカプセルIDとを照合し、この照合結果をもとに、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであるか否かを判断する。具体的には、判断処理部46aは、この期限超過カプセルリスト内にカプセル型内視鏡2のカプセルIDと合致するものが無い場合、このカプセル型内視鏡2が有効期限内のものであると判断し、この期限超過カプセルリスト内にカプセル型内視鏡2のカプセルIDと合致するものが有る場合、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであると判断する。このように判断処理部46aが期限超過カプセルであると判断した場合、制御部46は、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨の警告情報を表示部14に表示させる。
一方、ワークステーション34の制御部47は、通信部24を制御して中央サーバ37からカプセル型内視鏡に関する各種情報を取得する。この場合、制御部47は、かかるカプセル型内視鏡に関する情報として、上述したエラー情報および製造来歴情報の他に、カプセル型内視鏡の有効期限情報を取得する。制御部47は、取得したカプセル型内視鏡に関する各種情報をカプセル情報群25bの一部として記憶部25に記憶させる。かかる制御部47は、中央サーバ37から取得した各種情報(エラー情報、製造来歴情報、有効期限情報等)を表示部22に表示させてもよい。また、制御部47は、かかる有効期限情報をもとに、1以上のカプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報を表示部22に表示させる。なお、かかるカプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報として、例えば、所定期間経過後にカプセル型内視鏡の有効期限を超過する旨の警告情報、カプセル型内視鏡の有効期限を超過した旨の警告情報等が挙げられる。かかる制御部47のその他の機能は、上述した実施の形態1のワークステーション4の制御部26と同様である。
このような制御部47は、上述した情報抽出部26bおよびレポート処理部26cを有し、さらに、上述した情報管理部26aに代えて情報管理部47aを有する。情報管理部47aは、カプセル型内視鏡に関する情報として、上述したカプセルID、エラー情報、および製造来歴情報の他に、カプセル型内視鏡の有効期限情報をさらに管理する。かかる情報管理部47aは、入力部21またはカードI/F23内の記録媒体5から取得した1以上のカプセルIDとカプセル情報群25b内の各種情報(エラー情報、製造来歴情報、有効期限情報等)とを対応付ける。そして、情報管理部47aは、かかるカプセル情報群25b内のエラー情報、製造来歴情報、および有効期限情報をカプセルID毎に管理する。
また、情報管理部47aは、通信部24を制御して中央サーバ37から取得したカプセル型内視鏡の有効期限情報をもとに、有効期限情報によって特定される1以上の期限超過カプセルのカプセルIDをリスト化した期限超過カプセルリストを作成する。制御部47は、かかる情報管理部47aが作成した期限超過カプセルリストを記録媒体5に記録するようカードI/F23を制御する。かかる情報管理部47aのその他の機能は、上述した実施の形態1のワークステーション4の情報管理部26aと同様である。
なお、かかる制御部47が通信ネットワーク6を介して中央サーバ37から取得する有効期限情報は、カプセル型内視鏡のカプセルIDと、このカプセル型内視鏡の有効期限と、期限超過カプセルである旨または有効期限まで所定期間を残すカプセル型内視鏡である旨の警告情報とを含む。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システム30のワークステーション34の処理手順について説明する。図10は、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を実行するワークステーション34の処理手順を例示するシーケンス図である。
図10に示すように、ワークステーション34は、上述した実施の形態1のワークステーション4の処理手順(図3に示すステップS101,S102)と同様に、ユーザA1のカプセル型内視鏡システム30において使用されるカプセル型内視鏡2のカプセルIDを取得し(ステップS301)、この取得したカプセルIDを通信ネットワーク6を介してメーカ側の中央サーバ37に送信する(ステップS302)。
中央サーバ37は、通信ネットワーク6を介してワークステーション34からのカプセルIDを受信し、このワークステーション34からのカプセルIDを登録する(ステップS303)。つぎに、中央サーバ37は、このステップS303において登録したカプセルID(ワークステーション34から通知されたカプセルID)によって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限情報をワークステーション34に送信する(ステップS304)。この場合、中央サーバ37は、特に図10に示していないが、ワークステーション34から通知されたカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の製造来歴情報を有効期限情報とともにワークステーション34に送信してもよい。
一方、ワークステーション34は、中央サーバ37に対してカプセルIDを送信した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機するとともに、中央サーバ37からの有効期限情報の有無を判断する(ステップS305)。具体的には、ステップS304において中央サーバ37がワークステーション34に対して有効期限情報を送信した場合、通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ37からの有効期限情報を受信し、この受信した有効期限情報を制御部47に送出する。制御部47は、かかる通信部24が中央サーバ37からの有効期限情報を受信した場合にカプセル型内視鏡の有効期限情報ありと判断し、かかる通信部24が中央サーバ37からの有効期限情報を受信していない場合にカプセル型内視鏡の有効期限情報なしと判断する。
かかるワークステーション34は、カプセル型内視鏡の有効期限情報なしと判断した場合(ステップS305,No)、このステップS305の処理手順を繰り返す。一方、ワークステーション34は、カプセル型内視鏡の有効期限情報ありと判断した場合(ステップS305,Yes)、この中央サーバ37からの有効期限情報を表示および保存する(ステップS306)。この場合、制御部47は、この有効期限情報を表示部22に表示させ、且つ、この有効期限情報をカプセル情報群25bの一部として記憶部25に記憶させる。情報管理部47aは、かかる有効期限情報をカプセルIDと対応付けて管理する。
一方、中央サーバ37は、上述したステップS304において有効期限情報を送信した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報(カプセルID、製造来歴情報等)を保持管理するとともに、登録済みのカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限を管理する(ステップS307)。この場合、中央サーバ37は、かかるカプセル型内視鏡の有効期限が超過したか否か、あるいは、有効期限まで所定期間(例えば1〜6ヶ月)を残すカプセル型内視鏡があるか否か等を監視する。
つぎに、中央サーバ37は、カプセルIDを登録してから所定期間が経過したか否かを判断し(ステップS308)、所定期間が経過した場合(ステップS308,Yes)、登録してから所定期間管理しているカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡群の中に期限超過カプセルがあるか否かを判断する(ステップS309)。
このステップS309において、中央サーバ37は、登録してから所定期間が管理しているカプセルIDによって特定される全カプセル型内視鏡の有効期限を参照し、有効期限内のカプセル型内視鏡である場合(ステップS309,No)、有効期限まで所定期間を残すカプセル型内視鏡である旨の期限前の警告情報をワークステーション34に送信する(ステップS310)。なお、このステップS310においてワークステーション34に送信される期限前の警告情報は、中央サーバ37がワークステーション34から取得したカプセルIDと、このカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限が所定期間(例えば1〜6ヶ月)を残すのみである旨の情報とを含む。
一方、中央サーバ37は、登録してから所定期間が管理しているカプセルIDによって特定される全カプセル型内視鏡の有効期限を参照し、期限超過カプセルである場合(ステップS309,Yes)、カプセル型内視鏡の有効期限を超過した旨の期限超過後の警告情報をワークステーション34に送信する(ステップS311)。なお、このステップS311においてワークステーション34に送信される期限超過後の警告情報は、中央サーバ37がワークステーション34から取得したカプセルIDと、このカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限が超過した旨(すなわち期限超過カプセルである旨)の情報と、この有効期限からの期限超過日数の情報とを含む。
なお、上述したステップS308において、中央サーバ37は、カプセルIDを登録してから所定期間が経過していない場合(ステップS308,No)、上述したステップS307に戻り、このステップS307以降の処理手順を繰り返す。
一方、ワークステーション34は、上述したステップS306の処理手順を行った後、カプセル型内視鏡の有効期限情報の表示指示の有無を判断する(ステップS312)。このステップS312において、入力部21は、必要に応じて、有効期限を確認したい所望のカプセル型内視鏡のカプセルIDと有効期限情報の表示指示情報とを制御部47に入力する。制御部47は、かかる入力部21からの表示指示情報およびカプセルIDを取得した場合、この有効期限情報の表示指示ありと判断し、かかる入力部21からの表示指示情報およびカプセルIDを取得していない場合、有効期限情報の表示指示なしと判断する。
かかるワークステーション34は、有効期限情報の表示指示ありと判断した場合(ステップS312,Yes)、この表示指示に基づいたカプセル型内視鏡の有効期限情報を表示する(ステップS313)。この場合、制御部47は、かかる入力部21からの表示指示情報およびカプセルIDに基づいて、このカプセルIDによって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限情報を表示部22に表示させる。その後、ワークステーション34は、上述したステップS312に戻り、このステップS312以降の処理手順を繰り返す。
一方、ワークステーション34は、有効期限情報の表示指示なしと判断した場合(ステップS312,No)、カプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー内容、カプセルID等)または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機するとともに、中央サーバ37からの有効期限に関する警告情報の有無を判断する(ステップS314)。
具体的には、上述したステップS310において中央サーバ37がワークステーション34に対して期限前の警告情報を送信した場合、通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ37からの期限前の警告情報を受信し、この受信した期限前の警告情報を制御部47に送出する。また、上述したステップS311において中央サーバ37がワークステーション34に対して期限超過後の警告情報を送信した場合、通信部24は、通信ネットワーク6を介して中央サーバ37からの期限超過後の警告情報を受信し、この受信した期限超過後の警告情報を制御部47に送出する。制御部47は、かかる通信部24が中央サーバ37からの期限前の警告情報または期限超過後の警告情報を受信した場合に、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報ありと判断し、かかる通信部24が中央サーバ37からの期限前の警告情報および期限超過後の警告情報のいずれも受信していない場合に、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報なしと判断する。
かかるワークステーション34は、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報なしと判断した場合(ステップS314,No)、上述したステップS312に戻り、このステップS312の処理手順を繰り返す。一方、ワークステーション34は、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告情報ありと判断した場合(ステップS314,Yes)、この有効期限に関する警告情報(期限前の警告情報または期限超過後の警告情報)をもとに、カプセル型内視鏡の有効期限の警告処理を行う(ステップS315)。
このステップS315において、制御部47は、取得した警告情報が期限前の警告情報である場合、この期限前の警告情報によって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限が所定期間(例えば1〜6ヶ月)を残すのみであることを警告する旨の情報を表示部22に表示させる。また、制御部47は、取得した警告情報が期限超過後の警告情報である場合、この期限超過後の警告情報によって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限が既に超過したことを警告する旨の情報と有効期限からの超過日数の情報とを表示部22に表示させる。このようにして、ワークステーション34は、カプセル型内視鏡の有効期限の警告処理を達成する。
ワークステーション34は、上述したようなカプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理(ステップS315の処理手順)を実行した後、カプセル型内視鏡に関する各種情報(エラー内容、カプセルID等)または被検体の体内画像群等の各種データの入力を待機するとともに、上述したステップS301に戻り、このステップS301以降の処理手順を繰り返す。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システム30の受信装置33の処理手順について説明する。図11は、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を実行する受信装置33の処理手順を例示するフローチャートである。以下では、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1に装着(携帯)された受信装置33を例示して、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を実行する受信装置33の処理手順を説明する。
図11に示すように、受信装置33は、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1の患者情報およびカプセル情報を記録媒体5を介してワークステーション34から取得する(ステップS401)。この場合、被検体1の患者情報およびカプセル情報を記録した記録媒体5が記憶部15に挿着され、制御部46は、この記憶部15に挿着された記録媒体5から被検体1の患者情報およびカプセル情報を取得する。これによって、受信装置33は、この被検体1の体内画像群を受信する受信装置として初期設定される。
なお、かかる記録媒体5に記録されたカプセル情報は、上述したエラーカプセルリストおよびエラーカプセルのエラー内容の他に、ワークステーション34が作成した期限超過カプセルリストと、この期限超過カプセルリスト内のカプセルIDによって特定される期限超過カプセルの期限超過日数とを含む。
つぎに、受信装置33は、上述した実施の形態1の受信装置3の処理手順(図4に示すステップS202,S203)と同様に、被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2から無線信号を受信したか否かを判断し(ステップS402)、この無線信号を受信した場合(ステップS402,Yes)、このカプセル型内視鏡2からの無線信号に含まれる画像データおよびカプセルIDを取得する(ステップS403)。なお、受信装置33は、この無線信号を受信していない場合(ステップS402,No)、このステップS402の処理手順を繰り返す。
続いて、受信装置33は、ステップS403において取得したカプセル型内視鏡2のカプセルIDと上述した期限超過カプセルリスト内のカプセルIDとを照合し(ステップS404)、このカプセルIDの照合結果をもとに、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであるか否かを判断する(ステップS405)。
このステップS404,S405において、判断処理部46aは、上述したステップS401において取得した期限超過カプセルリストとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを照合する。かかる判断処理部46aは、この期限超過カプセルリスト内のいずれかのカプセルIDとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとが合致する場合、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであると判断する。一方、判断処理部46aは、この期限超過カプセルリスト内のカプセルIDとカプセル型内視鏡2のカプセルIDとがいずれも合致しない場合、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルではない(すなわち有効期限内のカプセル型内視鏡である)と判断する。
かかる受信装置33は、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであると判断した場合(ステップS405,Yes)、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨を警告するための有効期限超過の警告処理を実行する(ステップS406)。
このステップS406において、制御部46は、このカプセル型内視鏡2の有効期限超過に関する警告情報を表示部14に表示させる。この場合、表示部14は、かかる有効期限超過に関する警告情報として、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨の情報と、期限超過カプセルであるカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2の有効期限からの期限超過日数とを表示する。
一方、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルではないと判断した場合(ステップS405,No)、この有効期限内のカプセル型内視鏡2の使用を許可するためのカプセル使用許可の表示処理を実行する(ステップS407)。
このステップS407において、制御部46は、この有効期限内であると判断されたカプセル型内視鏡2の使用を許可する旨の情報を表示部14に表示させる。この場合、表示部14は、この有効期限内のカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2(すなわち、被検体1の臓器内部に導入される直前のカプセル型内視鏡)が有効期限内のものである旨の情報と、このカプセル型内視鏡2を使用許可する旨の情報とを表示する。
このような受信装置33は、上述したステップS406またはS407の処理手順を実行した後、このカプセル型内視鏡2からの無線信号(被検体1の体内画像群およびカプセルID)の受信を待機するとともに、本処理を終了する。なお、受信装置33は、このようなステップS401〜S407の処理手順を行ってカプセル型内視鏡2の有効期限に関する警告処理を行うとともに、上述したステップS201〜S207の処理手順(図4参照)を行って、カプセル型内視鏡2のエラーに関する警告処理を行ってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システム30のワークステーション34および受信装置33の動作を具体的に説明する。図12は、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を実行するワークステーション34および受信装置33の動作を具体的に説明するための模式図である。
図12に示すように、ワークステーション34は、上述した実施の形態1のワークステーション4と同様に、カプセル型内視鏡システム30において使用される複数のカプセル型内視鏡のカプセルID(例えば10個のカプセルID「C010」〜「C019」)を取得し、これら10個のカプセルID「C010」〜「C019」を通信ネットワーク6を介して中央サーバ37に送信する。
メーカ側の中央サーバ37は、ユーザA1のワークステーション34からのカプセルID「C010」〜「C019」を通信ネットワーク6を介して受信し、受信した10個のカプセルID「C010」〜「C019」を登録する。なお、中央サーバ37は、ユーザA2のワークステーション8からのカプセルID「C020」〜「C029」を通信ネットワーク6を介して別途受信する。中央サーバ37は、結果的に、これら20個のカプセルID「C010」〜「C029」を登録する。
このような中央サーバ37は、カプセルID「C010」〜「C019」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡(すなわちカプセル型内視鏡システム30において使用されるカプセル型内視鏡)の製造来歴情報および有効期限情報をユーザA1のワークステーション34に対して送信(提供)する。これと同様に、中央サーバ37は、カプセルID「C020」〜「C029」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡の製造来歴情報および有効期限情報をユーザA2のワークステーション8に対して送信(提供)する。
ワークステーション34は、カプセルID「C010」〜「C019」によってそれぞれ特定される10個のカプセル型内視鏡の製造来歴情報および有効期限情報を通信ネットワーク6を介して中央サーバ37から受信し、受信した製造来歴情報および有効期限情報をカプセルIDと対応付けて保持管理する。かかるワークステーション34は、中央サーバ37から製造来歴情報および有効期限情報を受信する都度、または入力部21の操作によって表示指示される都度、この製造来歴情報および有効期限情報を表示部22に表示する。
ここで、中央サーバ37がワークステーション34に対してカプセルID「C012」のカプセル型内視鏡に関する有効期限の警告情報を送信した場合、ワークステーション34は、この中央サーバ37からの有効期限の警告情報を受信し、この受信した有効期限の警告情報をもとに、カプセルID「C012」のカプセル型内視鏡に関する有効期限の警告処理を行う。具体的には、この有効期限の警告情報が期限前の警告情報である場合、ワークステーション34は、この期限前の警告情報内のカプセルID「C012」によって特定されるカプセル型内視鏡の有効期限が所定期間(例えば1〜6ヶ月)を残すのみであることを警告する旨の情報を表示部22に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部22に表示された情報を視認することによって、保有するカプセル型内視鏡群の中に、有効期限まで所定期間を残すものがあることを容易に把握でき、有効期限が間近に迫っているカプセル型内視鏡を優先して使用することができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡の有効期限に対して迅速に対応することができ、この結果、有効期限内のカプセル型内視鏡を効率よく有効利用することができる。
一方、ワークステーション34は、中央サーバ37から取得した有効期限の警告情報が期限超過後の警告情報である場合、この期限超過後の警告情報内のカプセルID「C012」によって特定されるカプセル型内視鏡が期限超過カプセルであることを警告する旨の情報と、このカプセル型内視鏡の有効期限からの期限超過日数の情報とを表示部22に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部22に表示された情報を視認することによって、保有するカプセル型内視鏡群の中に、有効期限を超過したカプセル型内視鏡(期限超過カプセル)がある旨と、この期限超過カプセルの期限超過日数とを容易に把握できる。ここで、かかるカプセル型内視鏡の有効期限が、このカプセル型内視鏡の内蔵電池の有効期間(十分な電力を供給可能な期間)を規定するものである場合、期限超過カプセルは、有効期限内のカプセル型内視鏡に比して短期間に電池切れを起こすが、人体に対して特に有害なものではない。したがって、ユーザA1は、通常よりも電池寿命が短い期限超過カプセルをカプセル型内視鏡検査の用途(食道検査用、胃検査用等)に応じて使い分けることができる。例えば、比較的短時間で検査完了する食道または胃の体内画像群を撮像するためのカプセル型内視鏡として、かかる期限超過カプセルを用いることができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡の期限超過に対して迅速に対応することができ、この結果、かかる期限超過カプセルを用途に応じて無駄なく利用することができる。
なお、ワークステーション34は、中央サーバ37から取得した有効期限の警告情報が期限超過後の警告情報である場合、この期限超過後の警告情報内のカプセルID「C012」によって特定されるカプセル型内視鏡が期限超過カプセルである旨の情報と、この期限超過カプセルの使用を禁止する旨の情報とを表示部22に表示してもよい。この場合、ユーザA1は、かかる表示部22に表示された情報を視認することによって、かかる期限超過カプセルを容易に除外できる。この結果、被検体1の臓器内部に期限超過カプセルを導入するという事態を防止することができる。
一方、受信装置33は、カプセル型内視鏡2を臓器内部に導入する被検体1に装着される。この場合、受信装置33は、上述したワークステーション34が作成したエラーカプセルリスト、期限超過カプセルリスト(カプセルID「C012」を含む)、期限超過日数の情報、および被検体1の患者情報を記録媒体5を介して取得する。また、受信装置33は、被検体1の臓器内部に導入される前のカプセル型内視鏡2から無線信号を受信して、このカプセル型内視鏡2が試験的に撮像した画像データとともにカプセル型内視鏡2のカプセルIDを取得する。
このような受信装置33は、この期限超過カプセルリスト内のカプセルID「C012」とカプセル型内視鏡2のカプセルIDとを照合して、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであるか否かを判断する。ここで、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDが「C012」である場合、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルであると判断する。この場合、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨の情報と、このカプセル型内視鏡2の有効期限からの期限超過日数の情報とを表示部14に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部14に表示された情報を視認することによって、この被検体1の臓器内部に導入する直前のカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨と、このカプセル型内視鏡2の期限超過日数とを容易に把握できる。この場合、ユーザA1は、かかるカプセル型内視鏡2の期限超過日数をもとに、このカプセル型内視鏡2(期限超過カプセル)の用途を決定し、比較的短時間で検査完了する食道または胃の体内画像群を撮像するためのカプセル型内視鏡として、このカプセル型内視鏡2を使い分けることができる。または、ユーザA1は、かかる期限超過カプセルであるカプセル型内視鏡2を被検体1の臓器内部に導入せずに除外することができる。このように、ユーザA1は、カプセル型内視鏡の期限超過に対して迅速に対応することができる。この結果、かかる期限超過カプセルを用途に応じて無駄なく利用することができ、また、かかる期限超過カプセルを被検体1に導入するという事態を防止することができる。
なお、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである場合、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2が期限超過カプセルである旨の情報と、このカプセル型内視鏡2の有効期限からの期限超過日数の情報と、このカプセル型内視鏡2の使用を禁止する旨の情報とを表示部14に表示してもよい。
一方、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDが「C012」以外である場合、このカプセル型内視鏡2が有効期限内のものであると判断する。この場合、受信装置33は、このカプセル型内視鏡2のカプセルIDおよび型番等の情報と、このカプセル型内視鏡2が有効期限内のものである旨の情報と、このカプセル型内視鏡2を使用許可する旨の情報とを表示部14に表示する。
ユーザA1は、かかる表示部14に表示された情報を視認することによって、この被検体1の臓器内部に導入する直前のカプセル型内視鏡2が有効期限内のものであることを容易に把握でき、この有効期限内のカプセル型内視鏡2を安心して被検体1の臓器内部に導入できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、複数のユーザのカプセル型内視鏡に関する各種情報を一元管理する中央サーバから、カプセル型内視鏡に関する情報としてカプセル型内視鏡の有効期限に関する情報をさらに取得し、この取得した有効期限に関する情報をもとに、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を行うようにし、その他を上述した実施の形態1と同様に構成した。このため、上述したカプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を迅速に実行できるとともに、保有するカプセル型内視鏡の有効期限を容易に確認することができ、このカプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を迅速に行うことができる。この結果、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、カプセル型内視鏡の有効期限に対して迅速に対応できるカプセル型内視鏡システムを実現することができる。
本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡システムによれば、期限超過カプセルをカプセル型内視鏡検査の用途に応じて使い分けることができ、この結果、期限超過カプセルを無駄なく利用することができる。また、期限超過カプセルを使用前に除外することができ、この結果、期限超過カプセルを被検体に導入するという事態を防止することができる。
なお、本発明の実施の形態1,2において、ワークステーション4,34は、記録媒体5内に画像データとともに記録されたカプセルIDまたは入力部21によって入力されたカプセルIDを取得していたが、これに限らず、カプセルIDを光学的に読み取るCCDまたはCMOSイメージセンサ等の光学読取部をワークステーション4,34にさらに設け、カプセル型内視鏡の筐体またはパッケージ等に付されたカプセルIDをこの光学読取部によって光学的に読み取り、この光学的に読み取ったカプセルIDをワークステーション4,34が取得するようにしてもよい。この場合、この光学読取部によって光学的に読み取られるカプセルIDは、ドットまたはバー等によって形成されたものであってもよいし、文字や英数字等の組み合わせによって形成されたものであってもよい。
また、本発明の実施の形態1,2では、通信ネットワーク6を介して2つのユーザA1,A2の各ワークステーションとメーカ側の中央サーバとを通信接続していたが、これに限らず、かかるメーカ側の中央サーバは、通信ネットワーク6を介して3以上のユーザの各ワークステーションと通信接続することができ、これら3以上のユーザの各ワークステーションに対してカプセル型内視鏡に関する各種情報を提供してもよい。
さらに、本発明の実施の形態1,2では、通信ネットワーク6を介してメーカ側の中央サーバからユーザ側のワークステーションに対してカプセル型内視鏡に関する各種情報を送信していたが、これに限らず、通信ネットワーク6を介してユーザ側のワークステーションからメーカ側の中央サーバに対してカプセル型内視鏡またはワークステーションの動作LOG情報や施設情報(カプセル型内視鏡システムを導入した病院等の施設に関する情報)等をカプセルIDと対応付けて送信してもよい。かかるメーカ側の中央サーバが取得した動作LOG情報または施設情報は、将来のカプセル型内視鏡システム(カプセル型内視鏡、受信装置、ワークステーション等)の製品開発に役立てることができる。
また、本発明の実施の形態1,2では、被検体1の臓器内部に導入されるカプセル型内視鏡2がエラーカプセルまたは期限超過カプセルである場合、受信装置3,33の表示部14に警告情報を表示していたが、これに限らず、かかる受信装置3,33は、カプセル型内視鏡2がエラーカプセルまたは期限超過カプセルである場合、このカプセル型内視鏡2からの無線信号の受信を無効にすることによって、このカプセル型内視鏡2からの画像データを取得しないように構成してもよい。
さらに、本発明の実施の形態1,2では、被検体1の診断レポートに被検体1の患者情報、診断結果、検査情報、およびカプセルID等を掲載していたが、これに限らず、さらにカプセル型内視鏡の製造来歴情報を診断レポートに掲載してもよい。
また、本発明の実施の形態1,2では、ワークステーション4,34の表示部22および受信装置3,33の表示部14にカプセル型内視鏡のエラーまたは有効期限に関する情報を表示していたが、これに限らず、カプセル型内視鏡の用途(食道検査用、胃検査用、小腸検査用、大腸検査用、磁気誘導対応のカプセル型内視鏡等の情報)をカプセルIDと対応付けて表示してもよい。
さらに、本発明の実施の形態2では、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理に加え、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理をさらに実行していたが、これに限らず、カプセル型内視鏡のエラーに関する警告処理を実行せずに、カプセル型内視鏡の有効期限に関する警告処理を実行するものであってもよい。