以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における体内観察システム1の全体構成を説明する模式図である。図1に示すように、体内観察システム1は、カプセル内視鏡10と、磁界発生装置20と、誘導制御装置30と、受信装置40と、中継装置50と、画像表示装置60と、画像観察装置80と、誘導表示装置100とを含む。
カプセル内視鏡10は、例えば消化管等の体内管腔内を検査するため、被検体の口から飲み込まれて被検体の内部に導入される。このカプセル内視鏡10は、永久磁石等の磁性体または電磁石を内蔵しており、磁界発生装置20が発生した磁界によって磁気誘導されるようになっている。
被検体内に導入されたカプセル内視鏡10は、磁界発生装置20が発生する磁界の作用または蠕動運動等によって体内管腔内を移動し、順次体内画像を撮像する。本実施の形態では、カプセル内視鏡10は、両先端部にそれぞれ撮像部101,103を備えて構成され、進行方向前方の体内画像と後方の体内画像とをそれぞれ撮像することができるようになっている。以下、一方の撮像部101を適宜「第1の撮像部101」と呼び、他方の撮像部103を適宜「第2の撮像部103」と呼ぶ。なお、撮像部の数は2つに限定されるものではなく、1つでもよいし3つ以上具備してもよい。
そして、カプセル内視鏡10は、これら2つの撮像部101,103によって撮像した体内画像の画像データをそれぞれ体外に無線送信する。このとき、カプセル内視鏡10は、体内画像の画像データに対し、いずれの撮像部101,103によって撮像されたものなのかを識別する撮像部識別情報や撮影時刻といった必要な情報(付加データ)を適宜付加した上で無線送信する。
磁界発生装置20は、回転磁界や勾配磁界等の3次元的な磁界を発生するものであり、複数の電磁石等を組み合わせて構成される。この磁界発生装置20は、誘導制御装置30によって決定された強度や方向に応じた磁界を発生し、この磁界の作用によってカプセル内視鏡10を被検体内の所望の位置に誘導する。
誘導制御装置30は、磁界発生装置20による磁界の発生動作を制御する。この誘導制御装置30には、カプセル内視鏡10の磁気誘導を操作するための入力装置31が接続されており、誘導制御装置30は、入力装置31からの操作信号をもとにカプセル内視鏡10を被検体内の所望の位置に誘導するために必要な磁界の強度やその方向等を決定し、磁界発生装置20に出力する。
入力装置31は、ボタンスイッチやジョイスティック、ダイヤル等の各種操作部材を備え、操作入力に応じた操作信号を誘導制御装置30に通知する。ユーザは、この入力装置31を操作してカプセル内視鏡10の移動方向(前進または後進)や回転方向(カプセル内視鏡10の長軸を軸中心とした回転の方向や旋回方向)等の指示を入力する。
受信装置40は、複数のアンテナ41(41−1,41−2,・・・)を備える。各アンテナ41は、カプセル内視鏡10を導入する被検体の体表面上の所定位置、例えば、被検体内におけるカプセル内視鏡10の通過経路に対応する位置に分散配置される。なお、アンテナ41の数は特に限定されない。受信装置40は、これらアンテナ41を介して受信したカプセル内視鏡10からの無線信号に対して復調処理等の信号処理を行い、無線信号に含まれる画像信号を抽出した後に、その画像信号およびその付加データを中継装置50に転送する処理を行う。この画像信号は、カプセル内視鏡10が撮像した体内画像の画像データを含む。
中継装置50は、この体内画像の画像データおよびその付加データを自身の記録媒体に一旦記録し、画像表示装置60から画像送信要求が通知されたタイミングで、画像表示装置60に画像データおよびその付加データを送信する処理を行う。これにより、カプセル内視鏡10で撮像された体内画像の画像データがその付加データとともに撮影順に順次画像表示装置60に送信される。
画像表示装置60は、例えば所定の時間間隔で中継装置50に画像送信要求を通知し、カプセル内視鏡10が撮像した体内画像の画像データおよびその付加データを順次取得する。そして、画像表示装置60は、事前に入力された被検体(患者)の患者検査情報等とともに体内画像をリアルタイムに表示する。また、画像表示装置60は、体内画像の表示に先立ち、その画像データに表示時の画質調整に関する画像処理(画質調整処理)を含む画像処理を施すようになっている。ここで、画質調整処理では、1つまたは複数のパラメータ(画質調整パラメータ)の値を用いる。この画像表示装置60は、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータで実現される。医師や看護師等のユーザは、画像表示装置60において、患者検査情報等を入力して検査を開始する。また、患者が服用した水や発泡剤の情報や検査の手順、患者の症状や過去の病歴等を検査コメントとして必要に応じて入力する。そして、リアルタイムに表示される体内画像等を見ながら、例えば異常を確認した等の重要と判断した体内画像を適宜キャプチャして(以下、キャプチャした体内画像を「キャプチャ画像」と呼ぶ。)、被検体の体内管腔内の検査を行う。
そして、画像表示装置60は、患者検査情報や検査の際の患者の体位情報(患者体位情報)、検査で収集した一連の体内画像群や検査コメント、キャプチャ画像あるいはキャプチャ画像の識別情報、各体内画像を表示する際の画質調整処理で用いた画質調整パラメータの各値(以下、「表示時適用パラメータ値」と呼ぶ。)等を含む検査データを生成し、自身の記録媒体に記録して管理する。また、画像表示装置60は、ユーザ操作に従い、指定された検査データを暗号化してUSBメモリ70に記録する処理を行う。
画像観察装置80は、画像表示装置60が生成した検査データを検査の後で再生するためのものであり、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータで実現される。ユーザは、画像観察装置80において、検査データを閲覧しながら被検体の検査結果を記載したレポートを作成する。ここで、画像表示装置60と画像観察装置80との間の検査データの受け渡しには、例えばUSBメモリ70等の適宜可搬型の記録媒体が適宜使用される。すなわち、画像観察装置80は、画像表示装置60によってUSBメモリ70に記録された検査データを読み込み、読み込んだ検査データをもとに患者検査情報や患者体位情報、一連の体内画像群、検査コメント、キャプチャ画像等を表示・再生する処理を行う。ここで、各体内画像の画像データに対してはその表示時適用パラメータ値を用いた画質調整処理が施されるようになっており、画像表示装置60で表示したときの画質も再現される。
なお、この体内観察システム1において、誘導制御装置30、画像表示装置60および画像観察装置80はハブ90を介してネットワーク接続されており、互いにデータの授受が可能である。このため、例えば、上記した画像表示装置60から画像観察装置80への検査データの受け渡しを、このネットワークを経由したデータの送受信によって行う構成とすることも可能である。
また上記のように、誘導制御装置30は、検査の間磁界発生装置20が発生する磁界の強度や方向を制御しているが、画像表示装置60が、その誘導情報を随時ネットワークを経由して取得する構成としてもよい。そして、画像表示装置60が、取得した誘導情報(磁界の強度や方向の情報)をもとにカプセル内視鏡10の被検体内における現在位置や姿勢を検出し、体内画像等とともに表示するようにしてもよい。
同様に、誘導制御装置30および誘導表示装置100はハブ90を介してネットワーク接続されている。誘導表示装置100は、誘導制御装置30から随時ネットワークを経由して取得した誘導情報(磁界の強度や方向の情報)をもとに、カプセル内視鏡10の被検体内における現在位置や姿勢を検出して表示する。
また、本実施の形態では、画像表示装置60に対する体内画像のキャプチャ指示を、誘導制御装置30に接続されている入力装置31によっても行えるようにしている。具体的には、誘導制御装置30は、入力装置31からキャプチャ指示が入力されると、ネットワーク経由で画像表示装置60に画像キャプチャ要求を通知する。そして、画像表示装置60は、この画像キャプチャ要求が通知されたタイミングで表示していた体内画像をキャプチャ画像として登録する。なお、入力装置31でキャプチャ指示が入力されてから画像表示装置60に画像キャプチャ要求が通知されるまでのタイムラグを考慮してキャプチャ画像を決定してもよい。例えば、画像表示装置60において、想定される誘導制御装置30と画像表示装置60との間の通信時間を予め設定しておく。そして、画像表示装置60は、誘導制御装置30から画像キャプチャ要求が通知された場合に、現在時刻から設定しておいた通信時間遡った過去に表示していた体内画像をキャプチャ画像として登録するようにしてもよい。
次に、画像表示装置60の構成について説明する。図2は、画像表示装置60の主要機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、画像表示装置60は、入力部61と、表示部62と、USBインターフェース(I/F)63と、ネットワークインターフェース(I/F)64と、記録媒体67、メモリ66、制御部65等を備える。
入力部61は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等によって実現されるものであり、操作入力に応じた操作信号を制御部65に出力する。表示部62は、LCDやELディスプレイ等の表示装置によって実現されるものであり、制御部65の制御のもと、体内画像の表示画面を含む各種画面を表示する。
USBI/F63は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した接続インターフェースであり、本実施の形態では、このUSBI/F63を介して画像表示装置60と中継装置50および受信装置40との間が接続される。また、このUSBI/F63を介して画像表示装置60にUSBメモリ70が接続される。
ネットワークI/F64は、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN等を介して接続される外部装置(誘導制御装置30または画像観察装置80)との間でデータの送受信を行うための接続インターフェースである。なお、通信方法については有線/無線を問わない。
制御部65は、CPU等で実現され、入力部61から操作信号や、USBI/F63またはネットワークI/F64を介して受信した外部装置(受信装置40や中継装置50、誘導制御装置30、画像観察装置80)からのデータ等に応じたプログラムをメモリ66から読み出して実行し、画像表示装置60を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って画像表示装置60の動作を統括的に制御する。この制御部65は、パラメータ設定手段としてのパラメータ設定処理部651と、画像取得手段としての画像取得処理部653と、画像処理手段としての画像処理部655と、表示処理手段としての画像表示処理部657とを備える。
パラメータ設定処理部651は、検査中に画質調整操作が入力された場合に、画質調整パラメータの各値の変更操作を受け付ける。そして、パラメータ設定処理部651は、ユーザ操作に従って該当する画質調整パラメータの値を変更する処理を行い、メモリ66内のパラメータ設定データ661を更新する。
画像取得処理部653は、USBI/F63を介し、所定の時間間隔で中継装置50に画像送信要求を通知し、カプセル内視鏡10で撮像された体内画像の画像データおよびその付加データを順次取得する処理を行う。
画像処理部655は、画像取得処理部653によって所定の時間間隔で取得される体内画像の画像データに対し、画質調整処理を含む各種画像処理で構成される一連の画像処理を施すとともに、記録用あるいは表示用等に適した画像データに変換する処理を行う。ここで、画像処理部655は、画質調整処理に際しては、先ずメモリ66に記録されているパラメータ設定データ661を読み出す。そして、画像処理部655は、読み出したパラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータの各値を今回処理の対象とする画像データに適用する値(表示時適用パラメータ値)として用い、画質調整処理を行う。
画像表示処理部657は、画像処理部655によって順次画像処理される画像データをもとに、体内画像を表示部62に更新表示する処理を行う。
メモリ66は、例えばROMやRAM、更新記録可能なフラッシュROM等の各種半導体メモリで構成される。このメモリ66には、画像表示装置60を動作させ、この画像表示装置60が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が記録される。また、メモリ66は、制御部65の作業用メモリとして用いられ、制御部65が実行するプログラムやこのプログラムの実行中に使用されるデータ等が展開されるメモリ領域を備える。
また、このメモリ66は、パラメータ記録手段としてパラメータ設定データ661を記録する。例えば本実施の形態では、後述するRペイント処理で用いる画質調整パラメータの値、Bペイント処理で用いる画質調整パラメータの値、Cペイント処理で用いる画質調整パラメータの値、構造強調レベルの選択状態(「High」または「Low」)、構造強調レベル(「High」または「Low」)に応じた画質調整処理でそれぞれ用いる画質調整パラメータ(High),(Low)の各値等が設定される。
記録媒体67は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD−ROMやDVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等の可搬型の記録媒体およびその読み込み/書き込み装置(ドライブ)等によって実現されるものであり、用途に応じた記録媒体を適宜採用し、あるいは組み合わせて用いることができる。この記録媒体67には、検査で得られた検査データが蓄積・記録される。
ここで、検査データについて説明する。図3は、1つの検査で生成されて記録媒体67に記録される検査データ680のデータ構成例を説明するための説明図である。図3に示すように、検査データ680は、患者検査情報681と、患者体位情報682と、複数の体内画像情報683と、検査コメント情報684と、キャプチャ画像情報685とを含む。
患者検査情報681は、例えば患者名や、その患者に割り当てられた患者ID、性別、年齢、誕生日、検査日、検査ID等を含む。患者体位情報682には、検査の際の患者の体位(例えば仰向けやうつ伏せ、横向き等)が設定される。
体内画像情報683は、一連の体内画像を構成する各体内画像それぞれの画像データおよびこの体内画像に関する情報を記録する。個々の体内画像情報683は、その画像に割り当てられた画像番号691や、撮像部識別情報692、取得時刻693、表示時適用パラメータ値694、画像データ695等を含む。
ここで、撮像部識別情報692は、該当する体内画像の画像データ695がカプセル内視鏡10のいずれの撮像部101,103によって撮像されたものなのかを示し、画像データ695とともに中継装置50から送信された付加データに従って設定される。
取得時刻693は、画像表示装置60において、該当する体内画像の画像データ695を中継装置50から受信した際の時刻情報を記録する。なお、この取得時刻693は、受信時の時刻に限定されるものではなく、画像データ695を記録媒体67に記録した際の時刻であってもよいし、体内画像の画像データを受信装置40が受信した際の時刻でもよい。また、本実施の形態では、検査の間、検査を開始してからの経過時間を検査時間として計時しており、時刻情報にかえて受信時や記録時の検査時間を設定する構成としてもよい。
表示時適用パラメータ値694は、体内画像の表示に先立って行う画質調整処理で用いた画質調整パラメータの各値を記録する。本実施の形態では、検査中の任意のタイミングでユーザ操作に従って画質調整パラメータの各値が変更できるようになっており、パラメータ設定データ661の内容が随時更新される。一方、中継装置50から取得した体内画像の画像データは、この時点でパラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータの各値を用いて画像処理された後、表示部62に表示されるようになっている。表示時適用パラメータ値694には、該当する体内画像の表示に先立って画像データ695に画質調整処理を施した際にメモリ66から読み出したパラメータ設定データ661の内容が設定される。
検査コメント情報684は、検査中に入力された全ての検査コメントを、入力時の時刻情報(例えば検査時間)と対応付けて蓄積・記録する。キャプチャ画像情報685は、ユーザによるキャプチャ指示に応答してキャプチャ画像として登録された体内画像の画像番号や画像の取得日時等を記録する。
図4は、画像表示装置60が行う概略処理手順を示すフローチャートである。画像表示装置60では、図4に示すように、検査に先立って先ず、制御部65が、ユーザ操作に従って検査を行う被検体の患者検査情報を取得する(ステップa1)。例えば、制御部65は、患者検査情報入力画面(不図示)を表示部62に表示し、この患者検査情報入力画面において患者検査情報の入力を受け付ける。そして、制御部65は、入力された内容を患者検査情報681とした検査データを生成し、今回実施する検査に関する検査データ680として記録媒体67に記録する。なお、検査中、表示部62には後述する検査画面が表示されるが、ここで入力された患者検査情報は、この検査画面の患者検査情報表示部E12(図7を参照)に表示される。
そして、被検体にカプセル内視鏡10が導入され、検査が開始されると(ステップa3:Yes)、制御部65は、検査時間の計時を開始する(ステップa5)。カプセル内視鏡10が撮像し、無線送信した体内画像の画像データは、受信装置40および中継装置50を経由して画像表示装置60に送信されるが、制御部65は、中継装置50からこの最初の体内画像の画像データをUSBI/F63を介して受信したタイミングを計時開始タイミングとして検査時間の計時を開始する。なお、計時開始タイミングは例示したタイミングに限定されるものではなく、適宜設定できる。例えば、前述のように中継装置50から受信した最初の体内画像の画像データの記録媒体67への記録を完了したタイミングを計時開始タイミングとしてもよいし、表示部62に表示処理したタイミングを計時開始タイミングとしてもよい。また、カプセル内視鏡10は、電源が投入されると所定の時間間隔で各撮像部101,103がそれぞれ撮像動作を行うが、この撮像動作を開始したタイミングを計時開始タイミングとしてもよい。この場合には、例えばユーザは、入力部61を介して撮像動作の開始時刻を入力する。
続いて、制御部65は、体内画像表示処理を開始する(ステップa7)。この体内画像表示処理では、所定の時間間隔で中継装置50に画像送信要求を通知して体内画像の画像データを順次取得し、記録媒体67に記録する処理や順次表示部62に更新表示する処理等を行う。図5は、体内画像表示処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
すなわち、図5に示すように、先ず画像取得処理部653が、画像取得タイミングを判定する。例えば、画像取得処理部653は、所定の時間間隔で画像取得タイミングと判定し(ステップb1:Yes)、ステップb3に移行する。画像取得タイミングでなければ(ステップb1:No)、ステップb21に移行する。そして、ステップb3では、画像取得処理部653は、USBI/F63を介して中継装置50に画像送信要求を通知する処理を行う。その後、この画像送信要求に応答して中継装置50から送信された画像送信応答をUSBI/F63を介して受信すると(ステップb5)、その画像送信応答に体内画像の画像データおよびその付加データが含まれるか否かを判定する(ステップb6)。そして、体内画像の画像データおよびその付加データが含まれていれば(ステップb6:Yes)、ステップb7に移行し、含まれていなければ(ステップb6:No)、ステップb21に移行する。そして、画像取得処理部653は、受信した画像データをメモリ66に展開するとともに(ステップb7)、記録媒体67に記録する処理を行う(ステップb9)。詳細には、制御部65は、その体内画像に画像番号を割り当て、付加データに含まれる撮像部識別情報や取得時刻等と対応付けた体内画像情報683を生成して実施中の検査に関する検査データ680に追加する。
ここで画像データの記録に失敗すると(ステップb11:No)、ステップb21に移行する。なお、このとき、画像データの記録に失敗した旨のメッセージを表示部62に表示したり、警告音を音出力する等して警告報知処理を行うようにしたりしてもよい。
そして、画像データの記録に成功した場合には(ステップb11:Yes)、続いて画像処理部655が、メモリ66からパラメータ設定データ661を読み出す(ステップb13)。そして、画像処理部655は、ステップb7でメモリ66に展開された画像データに対し、ステップb13で読み出したパラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータの各値を用いて必要な画像処理を施す(ステップb15)。
詳細には、ここで行う画像処理は、ステップb13で読み出したパラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータの各値を用いた画質調整処理を含む複数の画像処理で構成され、画像処理部655は、これら複数の画像処理を一連の画像処理として行う。本実施の形態では、パラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータ(R)の値を用いたRペイント処理や、画質調整パラメータ(B)の値を用いたBペイント処理、画質調整パラメータ(C)の値を用いたCペイント処理、現時点での構造強調レベル(「High」または「Low」)に応じた画質調整パラメータ(High),(Low)を用いた構造強調処理等を行う。構造強調処理は、体内画像中のエッジを検出し、検出したエッジ部分を強調する処理である。その他の画像処理としては、例えば一例として、ノイズリダクション処理やホワイトバランス処理、同時化処理、明るさ調整処理、色補正処理、γ補正処理、YCbCr変換処理、RGB変換処理等が挙げられる。
また、この画像処理の後、画像処理部655は、画質調整処理で用いた画質調整パラメータの各値を表示時適用パラメータ値694とし、ステップb9で生成した体内画像情報683に設定する。なお、本例では、パラメータ設定データ661の読み出しをステップb15の画像処理の直前に行うこととしたが、そのタイミングは画像処理を開始する前であればよく、特に限定されない。例えば、ステップb9で体内画像の画像データを記録する前の任意のタイミングで行うこととしてよい。
その後、画像表示処理部657が、メモリ66に展開されている画像処理後の画像データをもとに体内画像を表示部62に更新表示する処理を行う(ステップb17)。実際には、ステップb5で受信し、ステップb9で記録処理された後ステップb15で画像処理される体内画像の画像データは、カプセル内視鏡10の第1の撮像部101で撮像されたものと、第2の撮像部103で撮像されたものとを含む。ここで、画像表示処理部657は、処理中の画像データが第1の撮像部101で撮像されたものであれば、その体内画像を第1の体内画像とし、検査画面に設けられる第1の体内画像用の体内画像表示部E111(図7を参照)に表示する処理を行う。一方、第2の撮像部103で撮像されたものであれば、その体内画像を第2の体内画像とし、第2の体内画像用の体内画像表示部E113(図7を参照)に表示する処理を行う。なお、第1体内画像表示部E111および第2体内画像表示部E113に対する体内画像の更新表示を同時に行うようにしてもよい。例えば、その撮像時刻をもとにカプセル内視鏡10が同じ位置で映した(第1の撮像部101および第2の撮像部103がそれぞれ同時期に撮像した)第1の体内画像および第2の体内画像の組み合わせを特定し、これらを並べて同時に更新表示するようにしてもよい。その後、ステップ21に移行する。
また、制御部65は、図4のステップa5で計時を開始した検査時間を表示部62に更新表示する処理を行う。例えば、制御部65は、検査画面の検査時間表示部E15(図7を参照)に現在の検査時間を表示する。
そして、体内画像表示処理を終了するまでの間は(ステップb21:No)、ステップb1に戻って処理を繰り返す。一方、検査を終了し、後述する図4のステップa25において制御部65がこの体内画像表示処理を終了すると(ステップb21:Yes)、本処理を終える。
そして、図4に示すように、ステップa7で上記した体内画像表示処理を開始した後は、検査が終了するまでの間、入力部61を介して入力されるユーザ操作に応じた処理を行うようになっている。
例えば、検査中に入力部61を介して画質調整設定操作が入力された場合には(ステップa9:Yes)、パラメータ設定処理部651が画質調整パラメータ設定処理を行う(ステップa11)。例えば、パラメータ設定処理部651は、画質調整画面(図11を参照)を表示部62に表示し、この画質調整画面において画質調整パラメータの値の変更を受け付ける。図6は、画質調整パラメータ設定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
この画質調整パラメータ設定処理では、図6に示すように、パラメータ設定処理部651は先ず、ユーザ操作に従ってRペイント処理で用いる画質調整パラメータ(R)の値を変更する(ステップc1)。また、パラメータ設定処理部651は、ユーザ操作に従ってBペイント処理で用いる画質調整パラメータ(B)の値を変更する(ステップc3)。また、パラメータ設定処理部651は、ユーザ操作に従ってCペイント処理で用いる画質調整パラメータ(C)の値を変更する(ステップc5)。また、パラメータ設定処理部651は、ユーザ操作に従って、構造強調レベルが「High」のときの構造強調処理で用いる画質調整パラメータ(High)の値を変更する(ステップc7)。また、パラメータ設定処理部651は、ユーザ操作に従って、構造強調レベルが「Low」のときの構造強調処理で用いる画質調整パラメータ(Low)の値を変更する(ステップc9)。その後、図4のステップa11にリターンしてステップa13に移行する。
また、図4に示すように、検査中に入力部61を介して構造強調切換操作が入力された場合には(ステップa13:Yes)、現時点で設定されている構造強調レベルの設定を切り換える処理を行う(ステップa15)。例えば、制御部65は、現時点で選択状態の構造強調レベルが「High」であれば「Low」に切り換え、現時点で選択状態の構造強調レベルが「Low」であれば「High」に切り換える。そして、制御部65は選択状態の構造強調レベルの設定を変更してパラメータ設定データ661を更新する。なお、ここで選択状態が切り換えられた構造強調レベルの設定は、検査画面において構造強調切換ボタンB116(図7を参照)として表示される。
また、検査中に入力部61を介してキャプチャ指示が入力された場合(ステップa17:Yes)、あるいはネットワークI/F64を介して誘導制御装置30から画像キャプチャ要求を受信した場合に(ステップa19:Yes)、制御部65は、現在表示中の体内画像をキャプチャ画像として登録する(ステップa21)。例えば、制御部65は、該当する体内画像の画像番号を実施中の検査データ680のキャプチャ画像情報685に追加して更新する。なお、ここで登録されたキャプチャ画像は、検査画面のキャプチャ画像表示部E14(図7を参照)において例えばサムネイル形式で配列されて一覧表示される。
この他、図示しないが、制御部65は、検査中に入力部61を介して検査コメント入力指示が入力された場合には、検査コメント入力画面(図8を参照)を表示部62に表示し、この検査コメント入力画面において検査コメントの入力を受け付ける。そして、制御部65は、入力された検査コメントを入力時の時刻(入力時刻)と対応付けて実施中の検査データ680の検査コメント情報684に追加して更新する。また、制御部65は、検査中に入力部61を介して体位設定指示が入力された場合には、体位設定画面(不図示)を表示部62に表示し、この体位設定画面において体位の設定を受け付ける。そして、制御部65は、設定された体位を患者体位情報682として実施中の検査データ680に追加して更新する。なお、ここで設定された被検体の体位は、検査画面の患者体位情報表示部E13(図7を参照)においてアイコン表示される。また、ズームイン指示やズームアウト指示が入力された場合には、制御部65は、指示内容に応じて表示範囲や表示倍率を決定し、図5のステップb17で表示している体内画像を拡縮処理して更新表示する処理を行う。また、図示しないが、スケール変更指示が入力された場合には、制御部65は、指示内容に応じて誘導情報の表示形態を切り替える処理を行う。
そして、検査を終了するまでの間は(ステップa23:No)、ステップa9に戻ってユーザ操作に応じた処理を行う。そして、検査を終了したならば(ステップa23:Yes)、制御部65は、ステップa7で開始した体内画像表示処理を終了し(ステップa25)、その後本処理を終える。
次に、検査の際の操作例について説明する。図7は、検査の際に表示部62に表示される検査画面の一例を示す図である。図7に示すように、検査画面は、画面中央に2つの体内画像表示部E111,E113を備える。そして、これら2つの体内画像表示部E111,E113のうちの例えば図7に向かって左側が第1の体内画像用の体内画像表示部E111(以下、適宜「第1体内画像表示部E111」と呼ぶ。)であり、カプセル内視鏡10の第1の撮像部101によって撮像された第1の体内画像を表示する。一方、図7に向かって右側が第2の体内画像用の体内画像表示部E113(以下、適宜「第2体内画像表示部E113」と呼ぶ。)であり、カプセル内視鏡10の第2の撮像部103によって撮像された第2の体内画像を表示する。なお、ここでは、カプセル内視鏡10の2つの撮像部101,103でそれぞれ撮像された体内画像を別個に表示するために2つの体内画像表示部E111,E113を配置した検査画面を例示した。これに対し、カプセル内視鏡を構成する撮像部の数が1つであれば体内画像表示部を1つ配置した検査画面としてよい。あるいは、撮像部の数が3つ以上であればその数分の体内画像表示部を配置した検査画面としてよい。
また、検索画面は、患者検査情報表示部E12、患者体位情報表示部E13、キャプチャ画像表示部E14、検査時間表示部E15およびメッセージ表示部E16と、ユーザが各種入力を行うためのボタン群B11とを備える。ボタン群B11は、患者登録ボタンB111と、検査終了ボタンB112と、検査コメントボタンB113と、検査データリストボタンB114と、画質調整設定ボタンB115と、構造強調切換ボタンB116と、ズームインボタンB117と、ズームアウトボタンB118と、スケールボタンB119と、キャプチャボタンB120と、体位設定ボタンB121とを含む。
患者検査情報表示部E12には、患者名E121や患者IDE122、性別E123、年齢E124、誕生日E125、検査日E126といった、実施中の検査データ680に設定されている患者検査情報681の内容が表示される。これによれば、実際に検査中である被検体の患者検査情報を体内画像とともにユーザに提示することができる。ここで、患者検査情報を入力する際には先ず、マウスによって患者登録ボタンB111をクリックする。そして、表示される不図示の患者検査情報入力画面において各項目の内容を入力する。
患者体位情報表示部E13には、実施中の検査データ680の患者体位情報682の内容が表示され、例えば検査中の被検体の体位を模したアイコンI13が表示される。ここで、図7に示すアイコンI13は仰向けを示している。これによれば、実際に検査中である被検体の患者体位情報を体内画像とともにユーザに提示することができる。ここで、患者体位情報を設定する際には先ず、マウスによって体位設定ボタンB121をクリックする。そして、表示される不図示の体位設定画面において被検体の体位を設定する。
キャプチャ画像表示部E14には、キャプチャ画像情報685をもとに、実施中の検査を開始してから現在までに登録されたキャプチャ画像のサムネイルS14が例えば横一列に配列されて一覧表示される。検査画面内に収まらないサムネイルについては、スクロールバーSB14をスクロール操作することによって表示させることができるようになっている。これによれば、検査中に重要と判断して登録したキャプチャ画像を体内画像とともにユーザに提示することができる。
ここで、キャプチャ画像を登録する際には、マウスによってキャプチャボタンB120をクリックする。このとき、内部処理としては、表示中の体内画像の画像番号をキャプチャ画像情報685に追加するとともに、キャプチャ画像表示部E14の最後尾に新たにキャプチャ画像として登録した体内画像のサムネイルを配置する処理が行われる。これによれば、ユーザは、キャプチャしておきたい画像が第1体内画像表示部E111または第2体内画像表示部E113に表示された場合にキャプチャボタンB120をクリックすることで、この表示中の体内画像をキャプチャ画像として登録することができる。したがって、レポートの作成時に添付する等、診断に利用する体内画像を発見した時点でその体内画像をキャプチャしておくことができ、この体内画像を検査の後で容易に参照できる。
なお、キャプチャボタンB120がクリックされてキャプチャ指示が入力された際、第1体内画像表示部E111および第2体内画像表示部E113に表示されていた2枚の体内画像をそれぞれキャプチャ画像として登録することとしてもよいし、不図示のキャプチャ画像指定画面を表示して第1の体内画像および/または第2の体内画像の選択操作を受け付けるようにしてもよい。あるいは、ここで選択された一方をキャプチャ画像として登録するようにしてもよい。図7では、選択操作を受け付ける例を示しており、2枚同時にキャプチャした場合には、キャプチャ画像表示部E14の各サムネイルS14の下方において、その組み合わせを示すマークM14が表示されるようになっている。例えば、マークM14が付されたサムネイルS14−1およびS14−2キャプチャ画像は、それぞれ第1の体内画像および第2の体内画像として体内画像表示部E111,E113に同時に表示されていた体内画像である。一方、マークM14が付されていないサムネイルS14−3のキャプチャ画像は、キャプチャ指示の際に体内画像表示部E111,E113に表示されていた第1の体内画像または第2の体内画像のいずれかである。また、図示していないが、各キャプチャ画像のサムネイルS14のすぐそば(例えばサムネイルの下部)に、その体内画像の時刻情報(例えばその画像取得した時点の検査時間)を表示してもよい。
検査時間表示部E15には、検査を開始してからの経過時間として計時される検査時間が表示される。この検査時間は、主に電池の寿命が尽きるまでの残り時間を判断するための目安となる。すなわち、カプセル内視鏡10は、その電池の容量(寿命)に制限があり、カプセル内視鏡10が動作可能な時間(例えば30分程度等)は、この電池の容量によって定まる。しかしながら、この電池の寿命を管理するためには、カプセル内視鏡10の動作時間を管理しなければならない。また、電池の容量には個体差等もあり、正確に把握するのは困難である。このため、本実施の形態では、検査の開始直前にカプセル内視鏡10の電源が投入され、使用が開始されるものとし、検査を開始してからの経過時間を表示することによって電池の寿命(カプセル内視鏡10が動作可能なおおよその時間)を提示している。例えば、カプセル内視鏡10が動作可能な時間が30分程度であれば、ユーザは、経過時間「30分」を電池の寿命の目安とし、検査を行うこととなる。さらに、検査を開始してからの経過時間がカプセル内視鏡10の電池の寿命に近づく(例えば20分)と、その旨をメッセージ表示部E16に表示するようになっている。例えば、図7に示すように、「検査を開始してから○○分(例えば20分)が経過しました」といったメッセージを表示する。このようにすることで、カプセル内視鏡10の電池の寿命が尽きると推定される時間が経過する前に検査を終えるよう、ユーザに注意を促すことができる。
また、検査中に検査コメントを入力する場合には先ず、マウスによって検査コメントボタンB113をクリックする。そして、表示される検査コメント入力画面において検査コメントを入力する。図8は、検査コメント入力画面の一例を示す図である。
図8に示すように、検査コメント入力画面には、実施中の検査を開始してから現在までに入力された検査コメントの一覧であるコメント履歴L21が表示される。そして、この検査コメント入力画面には、新たな検査コメントを入力するためのコメント入力ボックスIB21と、検査コメントの追加を指示する追加ボタンB21と、検査コメント入力画面を閉じて検査画面に戻るための閉じるボタンB23とが配置されている。この検査コメント入力画面において、ユーザは、コメント入力ボックスIB21に検査コメントを入力し、追加ボタンB21をクリックすることで検査コメントを入力する。このとき、内部処理としては、追加ボタンB21がクリックされた時刻を入力時刻とし、コメント入力ボックスIB21内のテキスト情報と対応付けて実施中の検査データ680の検査コメント情報684に追加する処理が行われる。そして、この検査コメントおよびその入力時刻をコメント履歴L21の最下段に追加し、コメント履歴L21の表示を更新する。なお、入力時刻は、例えば入力した時点の検査時間でもよい。
これによれば、ユーザは、例えば検査開始前や検査終了後、あるいは検査中に、実施中の検査に関してメモしておきたい事項が生じた時点で随時検査コメントを入力することができる。また、実施中の検査に関して既に入力済みの検査コメントをコメント履歴L21において閲覧することで、検査の過程で実施した事項、あるいは検査の過程で発見した重要な事項等を追跡することができる。
また、検査中あるいは検査の後、記録媒体67に記録されている検査データのリストを閲覧する場合には、図7の検査画面において、マウスによって検査データリストボタンB114をクリックする。そして、これに応答して表示される検査データ一覧画面において検査データの一覧を閲覧する。図9は、検査データ一覧画面の一例を示す図である。
図9に示すように、検査データ一覧画面には、記録媒体67に記録されている検査データ680の一覧である検査データ一覧L31が表示される。そして、この検査データ一覧画面には、ドライブを指定して検査データ一覧L31に含まれる検査データをコピーするためのコピーボタンB31と、検査データ一覧L31に含まれる検査データを削除するための削除ボタンB33と、検査データ一覧画面を閉じて検査画面に戻るための閉じるボタンB35とが配置されている。
この検査データ一覧画面において、記録媒体67に記録されている検査データ680を例えばUSBメモリ70等の他の記録媒体にコピーしたい場合には、ユーザは、この検査データ一覧画面において、先ず検査データ一覧L31から所望の検査データを示すレコードをクリックして選択する。図9では、レコードR31およびレコードR33の2つの検査データが選択された様子を示しており、各レコードR31,R33の背景色が変更されている。その後、コピーボタンB31をクリックする。そして、表示される検査データコピー画面においてコピー先のドライブを指定する。図10は、検査データコピー画面の一例を示す図である。
図10に示すように、検査データコピー画面には、検査データ一覧画面においてコピーするとして選択した検査データ680の一覧であるコピーデータ一覧L41が表示される。そして、この検査データコピー画面には、コピー先のドライブを選択するためのドロップダウンリストDL41と、操作を確定するためのOKボタンB41と、操作をキャンセルするためのキャンセルボタンB43とが配置されている。ここで、ドロップダウンリストDL41は、コピー先として選択可能なドライブの一覧を選択肢として提示し、選択を促す。また、ドロップダウンリストDL41の下方には、ドロップダウンリストDL41で選択されたコピー先のドライブの空容量が表示されるようになっている。
この検査データコピー画面において、ユーザは、ドロップダウンリストDL41から所望のドライブを選択し、OKボタンB41をクリックすることで、コピーデータ一覧L41の検査データ680を他の記録媒体にコピーすることができる。このとき、内部処理としては、ドロップダウンリストDL41で選択されているドライブが割り当てられた記録媒体にコピーデータ一覧L41の検査データ680を書き込む処理が行われる。例えば、USBメモリ70に検査データ680をコピーしたいのであれば、USBメモリ70を画像表示装置60に装着し、ドロップダウンリストDL41においてUSBメモリ70に割り当てられたドライブを選択してOKボタンB41をクリックする。
一方、記録媒体67に記録されている検査データ680を削除したい場合であれば、ユーザは、図9に示す検査データ一覧L31から所望の検査データを示すレコードをクリックして選択し、削除ボタンB33をクリックする。このとき、内部処理としては、選択されたレコードの検査データ680を記録媒体67から削除する処理が行われる。これによれば、ユーザは、例えばUSBメモリ70等の他の記録媒体にコピー済みの検査データ680を記録媒体67から削除することができる。
また、検査中に画質調整パラメータの値を変更する場合には、図7の検査画面において、マウスによって画質調整設定ボタンB115をクリックする。そして、これに応答して表示される画質調整画面において画質調整パラメータの値を変更する。図11は、画質調整画面の一例を示す図である。
図11に示すように、画質調整画面は、画質調整パラメータ(R),(B),(C)の各値をそれぞれ個別に調整するスライダーSB51,SB52,SB53と、「High」または「Low」の構造強調レベル毎に画質調整パラメータ(High),(Low)の値を個別に設定するスライダーSB54,SB55とが配置されている。この画質調整画面において、ユーザは、スライダーSB51〜SB55を操作し、該当する画質調整パラメータの値を個別に調整する。このとき、内部処理としては、各スライダーSB51〜SB55によって変更された画質調整パラメータの各値を設定し、パラメータ設定データ661を更新する。
また、検査中に画質調整処理の1つである構造強調処理の構造強調レベルを切り換える場合には、図7の検査画面において、マウスによって構造強調切換ボタンB116をクリックする。この構造強調切換ボタンB116には、現時点で選択状態の構造強調レベルが表記されている。すなわち、図7では、現時点で選択状態の構造強調レベルが「High」である場合を示している。この状態で構造強調切換ボタンB116をクリックすると、選択状態の構造強調レベルが「Low」に切り換わり、構造強調切換ボタンB116の表記は「Low」となる。このとき、内部処理としては、構造強調レベルの選択状態を「Low」に切り換え、パラメータ設定データ661を更新する処理が行われる。
また、マウスによってズームインボタンB117やズームアウトボタンB118をクリックすると、体内画像表示部E111,E113における各体内画像の表示範囲が拡大あるいは縮小され、各体内画像の表示が更新される。これによれば、ユーザは、体内画像表示部E111,E113における各体内画像の表示倍率や表示範囲を見易いように自由に変更することができ、観察時の操作性を向上させることができる。
また、マウスによってスケールボタンB119をクリックすると、不図示の誘導情報の表示形態を切り替えて表示更新される。これによれば、カプセル内視鏡10の被検体内における現在位置や姿勢の表示形態を見易いように自由に変更することができ、カプセル内視鏡10を誘導するための視認性を向上させることができる。
そして、検査を終える場合には、マウスによって検査終了ボタンB112をクリックし、表示している全ての情報を非表示にする。
次に、体内観察システム1での検査(カプセル内視鏡検査)の流れについて、図12〜図15を参照して説明する。先ず、図12〜図14を参照してカプセル内視鏡検査の検査フローについて説明する。なお、図12〜図14の検査フローは、カプセル内視鏡10を誘導しながら上部消化管を検査する際の検査手順を示している。
図12に示すように、カプセル内視鏡検査では、先ず、カプセル内視鏡検査の予約を行う(ステップd1)。そして、受信装置40の電池を充電する(ステップd3)。また、検査で使用する機器を準備する(ステップd5)。
続いて、集中電源を投入する(ステップd7)。その後、画像表示装置60を起動し(ステップd9)、画像表示装置60へログインするとともに(ステップd11)、誘導表示装置100を起動し(ステップd13)、誘導表示装置100へログインする(ステップd15)。ここで、集中電源を使用した電源の投入の場合、WOL(Wake On LAN)機能を用い、ネットワーク経由で画像表示装置60や誘導表示装置100を起動する構成としてもよい。なお、集中電源を使用しない電源の投入であれば、画像表示装置60の電源ボタンおよび誘導表示装置100の電源ボタンをそれぞれ操作して電源を投入する。また、画像表示装置60および誘導表示装置100へのログインは、自動でOSおよび/またはアプリケーションにログインする構成としてもよい。
続いて、ステップd7で行った充電が完了した充電済みの電池を受信装置40に装着する(ステップd17)。そして、受信装置40の電源を投入してその動作確認を行い(ステップd19)、その後、受信装置40の電源を一旦切断する(ステップd21)。
次に、今回の検査で用いるカプセル内視鏡10を準備する(ステップd23)。このとき、滅菌パックの使用期限を確認し、使用期限内のものを使用する(ステップd25)。使用期限を超過したものは使用しない。
その後、画像表示装置60において患者検査情報を登録する(ステップd27)。例えば、患者検査情報として、患者ID、患者名、性別、生年月日、年齢、身長、体重、胴囲等を登録する。また、患者検査情報として、検査ID、検査日、使用するカプセル内視鏡10の質量、このカプセル内視鏡10の体積、このカプセル内視鏡10の比重等を登録する。また、患者検査情報として、医師名、操作者名等を登録する。
ステップd27で患者検査情報を登録したならば、続いて、図13に示すように、患者(被検体)にアンテナカバーを貼り付ける(ステップd29)。また、患者にアンテナユニット(図1のアンテナ41)を装着する(ステップd31)。そして、受信装置40と患者に装着したアンテナユニットとをケーブルで接続する(ステップd33)。その後、患者にアンテナユニットとケーブルを固定する(ステップd35)。
次に、受信装置40の電源を再度投入する(ステップd37)。また、受信装置40をベッドに固定する(ステップd39)。そして、カプセル内視鏡10の滅菌パックを開封し、電源を投入する(ステップd41)。その後、このカプセル内視鏡10から無線送信され、受信装置40や中継装置50を経由して画像表示装置60に転送されて表示部62に表示される画像(体内画像)を確認する(ステップd43)。そして、画像表示装置60にて画像を確認した後、患者がカプセル内視鏡10を服用する(ステップd45)。
次に、画像表示装置60に表示される画像を見ながら、あるいは誘導表示装置100に表示される画像を見ながら、カプセル内視鏡10の胃への到達を確認する(ステップd47)。
そして、検査コメントを入力し(ステップd49)、画像の色調を設定し(ステップd51)、体位を設定する(ステップd53)。そして、画像表示装置60あるいは誘導表示装置100に表示される画像や誘導情報等を確認しながらカプセル内視鏡10を所望の部位に誘導する(ステップd55)。
ここで、ステップd49で入力する検査コメントの内容としては、例えば、患者の水や発泡剤の服用に関する情報(量、タイミング)等が挙げられる。あるいは、検査手順に関する情報(体位、補足情報、患者の様子、突発的な現象)等が挙げられる。この他、患者の症状や過去の病歴に関する情報が挙げられる。また、ステップd51の色調設定では、例えば、画像の赤味、青味、緑味、彩度、明度等の設定を行う。あるいは、構造強調の度合いの設定を行う。また、ステップd53で行う患者の体位設定の例としては、例えば、仰向け、仰向けと左側臥位の中間、左側臥位、左側臥位とうつ伏せの中間、うつ伏せ、うつ伏せと右側臥位の中間、右側臥位、右側臥位と仰向けの中間、設定しない等が挙げられる。
そして、必要なタイミングで画像表示装置60に表示される画像を注目画像としてマーキング(キャプチャ)する(ステップd57)。
続いて、検査の終了判定を行う。そして、検査を終了しない間は(ステップd59:No)、ステップd61に移行し、必要に応じて体位を変更する。体位を変更する場合には(ステップd61:Yes)、ステップd53に戻って体位設定を行う。一方、体位を変更しない場合には(ステップd61:No)、ステップd55に戻る。また、検査を終了すると判定した場合には(ステップd59:Yes)、図14のステップd63に移行する。
そして、図14のステップd63では、受信装置40をベッドから取り外す。次に、受信装置40の電源を切断する(ステップd65)。そして、検査コメントを入力する(ステップd67)。そして、受信装置40からアンテナユニットを取り外すとともに(ステップd69)、患者からアンテナカバーを取り外す(ステップd71)。そして、検査を終了する(ステップd73)。
その後、次の検査を実施する場合であれば(ステップd75:Yes)、図12のステップd17に戻る。このとき、必要に応じて電池を充電する。また、次の検査を実施しない場合には(ステップd75:No)、検査データを外部記憶装置(例えばUSBメモリ70)に出力する(ステップd77)。検査データに含めるデータとしては、例えば、患者検査情報、体位設定情報、色調設定情報(Rペイント処理、Bペイント処理、Cペイント処理、構造強調処理等で用いる画質調整パラメータ等の各種パラメータの値)、画像のマーキング情報、カプセル内視鏡10の識別情報、検査時間、誘導情報、画像(体内画像)、医師、操作者の情報等が挙げられる。なお、ステップd77では、この検査データを外部記憶装置に出力することとした。これに対し、ステップd77の処理にかえて、LAN等のネットワークを介して画像観察装置80に検査データを送信する処理を行う構成としてもよい。
そして、画像表示装置60をシャットダウンするとともに(ステップd79)、誘導表示装置100をシャットダウンし(ステップd81)、集中電源を切断する(ステップd83)。そして、機器の清掃や片付けの後(ステップd85)、検査を終える。
なお、図12〜図14に示した検査フローを構成する各ステップは、検査を効率的に進めるために適宜順序を入れ替えてもよい。あるいは、状況に応じて各ステップを適宜省いてもよい。特に、ステップd49やステップd67に示した検査コメントの入力あるいはその確認は、検査フロー中の任意のタイミングで実施してよい。また、状況によって検査コメントの入力や確認が必要ない場合には、これらのステップを省いてもよい。
次に、図15を参照して、カプセル内視鏡検査の観察フローについて説明する。この観察フローは、図12〜図14を参照して上記した上部消化管の検査を終えた後、この検査で得られた画像を再度観察する際の観察手順を示している。上記した検査フローでは、画像表示装置60等で画像をリアルタイム観察するが、この観察フローでは、リアルタイム観察の後で画像表示装置60内に保存された画像を含む検査データを画像観察装置80にコピーし、画像観察装置80にてこの検査データを観察する。
図15に示すように、観察の際には先ず、画像観察装置80を起動する(ステップe1)。そして、外部記憶装置(例えばUSBメモリ70)から画像観察装置80に検査データを取り込み(ステップe3)、取り込んだ検査データに含まれる画像(体内画像)に対して画像処理を行う(ステップe5)。なお、ステップe3では、検査データを外部記憶装置から取り込むこととした。これに対し、ステップe3の処理にかえて、LAN等のネットワークを介して画像表示装置60から検査データを取得(受信)する処理を行う構成としてもよい。
次に、検査データを開き(ステップe7)、マーキングした画像を確認する(ステップe9)。そして、診断に十分か否かを判断し、診断に不十分と判断した場合には(ステップe11:No)、検査データの画像を観察し(ステップe13)、その画像を診断に不要と判断した場合には(ステップe15:No)、ステップe13に戻る。なお、ステップe13の画像の観察の際、検査データの画像を動画として表示してもよいし、静止画を一覧表示する構成でもよい。そして、観察した画像を診断に必要と判断した場合には(ステップe15:Yes)、その画像を注目画像としてマーキング(キャプチャ)し(ステップe17)、その後ステップe11に戻る。
そして、ステップe11において診断に十分と判断した場合には(ステップe11:Yes)、続いて画像出力用の静止画または動画を作成する(ステップe19)。そして、作成した静止画・動画を出力する(ステップe21)。次に、レポートを作成・編集する(ステップe23)。ここで、レポートに含める内容としては、例えば、患者検査情報、画像(体内画像)、体位情報、画像を撮像した際のカプセル内視鏡10の体内(臓器内)の位置情報、画像に対するコメント(個々の画像に対するコメントや、一連の画像に対するコメント、グループ化した画像に対するコメント等を含む)、医師による診断に関する情報(所見、処置、総合診断等)、病院施設に関する情報、医師、操作者に関する情報等が挙げられる。
そして、作成・編集したレポートを印刷する(ステップe25)。また、作成・編集した全データを保存し(ステップe27)、検査データやレポート、静止画、動画等をバックアップする(ステップe29)。
その後、別の検査の観察を行う場合には(ステップe31:Yes)、ステップe3に戻る。一方、別の検査の観察を行わない場合には(ステップe31:No)、画像観察装置80をシャットダウンし(ステップe33)、観察を終える。
なお、図15に示した観察フローを構成する各ステップは、観察を効率的に進めるために適宜順序を入れ替えてもよい。あるいは、状況に応じて各ステップを適宜省いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、体内画像の表示に先立って行う画像処理の前にその都度パラメータ設定データ661を読み出し、読み出した時点でパラメータ設定データ661に設定されている画質調整パラメータの各値を用いた画質調整処理を含む画像処理を行うことができる。これによれば、中継装置50から取得した体内画像に対して画質調整処理を含む画像処理を施す前の時点で最新の画質調整パラメータの各値を用い、この体内画像に画質調整処理を施すことができる。したがって、体内画像の表示遅延を防止しつつ画質の劣化を防止することができ、リアルタイム性を損ねることなく且つ適正に画像処理した上で表示することができるという効果を奏する。この結果、観察し易く快適なユーザの検査・診断を支援できる。
また、体内観察システム1では、画像表示装置60は、カプセル内視鏡10で撮像されて無線送信された体内画像の画像データを受信装置40および中継装置50を介してリアルタイムに取得し、表示部62に表示する必要がある。一方で、取得した体内画像の画像データを検査の後に適宜再生して閲覧するために、画像表示装置60では、この体内画像の画像データをリアルタイムに記録しておく必要がある。そこで、本実施の形態では、画像表示装置60は、中継装置50から取得した体内画像の画像データを先ずメモリ66に展開し、記録媒体67への記録に成功した場合に、メモリ66に展開されている画像データを表示部62に表示処理することにした。これによれば、記録媒体67に記録した画像データを再度読み込む処理が必要ないため、記録後表示するまでの時間を短縮し、リアルタイム性を損ねることなく記録・表示を行うことができる。また、記録に成功した体内画像を表示することができるので、検査時において表示はしたものの、その後記録に失敗してしまい検査の後で再生できないといった事態が生じない。換言すると、検査時にユーザが閲覧した体内画像は必ず記録されており、ユーザは、検査後に改めて閲覧することができる。
なお、上記した実施の形態では、検査中の任意のタイミングで行われるユーザ操作に従って体内画像の画像データに対して施す画質調整処理で用いる画質調整パラメータの各値を変更することとした。ここで、設定・変更する画質調整パラメータの種類は、例示したものに限定されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、画像のコントラストや輝度、彩度、色彩といった表示時の画質調整に関する値をユーザ操作に従って変更し、これらの値を用いた画像処理(画質調整処理)を体内画像に施すこととしてもよい。また、これら画質調整処理以外の画像処理で用いる各種パラメータにも同様に適用できる。この場合も、画像処理の前にその都度これらのパラメータの設定値を読み出し、その時点で設定されているパラメータの値を用いることで、上記した実施の形態と同様の効果を奏することができる。
ここで、パラメータ値の変更および変更されたパラメータ値を適用するタイミングについて、図16を参照して説明する。図16中の上段に示すように、パラメータ値の変更は、検査中随時受け付ける。一方、図16中の下段に示すように、一連の画像処理は、体内画像を中継装置50から取得するたびにその画像データに対して行われ、体内画像は、この一連の画像処理後に表示部62に表示される。なお、図16では、一連の画像処理を構成する複数の画像処理を第1,第2,・・・,第nの画像処理としている。
例えば、一連の画像処理P61を構成する第1〜第nの画像処理で用いるパラメータの値としては、少なくともこの一連の画像処理P61の開始タイミングT62の直前の時点で最新の値を用いる。例えば、開始タイミングT62より前のタイミングT61でパラメータ値が変更された場合には、このタイミングT61で変更されたパラメータ値を用い、直前に取得した体内画像に対して一連の画像処理P61を施す。一方、この一連の画像処理P61を開始した後の例えばタイミングT63でパラメータ値が変更された場合には、ここでの変更操作は一連の画像処理P61には適用されず、次に取得した体内画像を処理対象とした次の一連の画像処理P62に適用される。すなわち、一連の画像処理P62では、タイミングT63で変更されたパラメータ値を用いる。なお、タイミングT63よりも後であって、一連の画像処理P62の開始タイミングT65よりも前の例えばタイミングT64でさらにパラメータ値が変更された場合には、タイミングT64で変更されたパラメータ値を用いて一連の画像処理P62が施されることとなる。
また、上記した実施の形態の体内観察システム1では、受信装置40が、カプセル内視鏡10からの無線信号を受信して無線信号を画像処理し、中継装置50に転送することとした。そして、中継装置50が、受信装置40から転送されてきた体内画像の画像データを、画像送信要求に応答して画像表示装置60に送信することとした。これに対し、受信装置40と中継装置50とは必ずしも別個の装置である必要はなく、受信装置40および中継装置50を一体の装置として構成してもよい。