JP5436165B2 - 二重容器 - Google Patents
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Description
この押圧部の外面には、押圧部の横幅方向に延在する係止部が突設されている。一方、外容器の周壁部の上部には、押圧部が嵌め込まれる切欠部が形成されている。この切欠部には、押圧部の容器径方向の外側に立設されて押圧部の下端部に対向する壁部が形成されており、この壁部の内面には、上記した係止部によって下方から係止される被係止部が突設されている。これにより、上記した係止部と被係止部とによって押圧部と切欠部とがアンダーカット嵌合され、外容器内からの内容器の抜け出しが規制される。
そして、押圧部を押圧したまま、内容器を引き上げることで、内容器が外容器から引き抜かれる。このように外容器内から内容器を取り出した後、新たな内容器を外容器内に挿入することで、内容器の交換が行われる。
例えば、円筒形状の内容器の左右両側に押圧部がそれぞれ設けられている場合、両側の押圧部をそれぞれ容器径方向内側に押圧すると、押圧部を押圧する力が内容器の外周部に伝達され、内容器が両側から押し潰されるように平面視略楕円形状に変形される。
このように内容器が変形すると、内容器の外周面の一部が外容器の内周面に圧接され、内容器が外容器内から抜けにくくなるという問題が生じる。特に、内容器は、軽量化(薄肉化)されている場合が多いため、上記した押圧によって変形しやすく、この問題が顕著になる。
(1)本発明に係る二重容器は、内容物を収容する内容器と、該内容器を収納した外容器と、を備える二重容器において、前記内容器には、該内容器の外周部から垂下され、容器径方向外側の押圧面が押圧されることで上端を支点にして容器径方向内側に向けて回動する押圧部が設けられており、前記外容器には、前記押圧部の容器径方向の外側に配置された被係止部、および前記押圧部の下端部の容器径方向内側に配置された凸部が設けられ、前記押圧部の外面には、前記被係止部に下方から係止する係止部が設けられ、前記押圧部と前記外周部との連結部分には、容器周方向に沿って延在する段差が形成され、前記凸部および前記押圧部の下端部のうちの少なくとも一方に、容器径方向内側から外側に向かって下向きに傾斜した傾斜面が設けられていることを特徴としている。
さらに、押圧部の押圧面を押圧して押圧部を容器径方向内側に向けて回動させると、押圧部の下端部が凸部に当接する。このとき、押圧部の下端部および凸部のうちの少なくとも一方に容器径方向内側から外側に向かって下向きに傾斜した傾斜面が形成されているので、押圧部が径方向内側に回動するとともに内容器が押圧部を介して押し上げられる。
また、内容器が外容器内に固定されている際、仮に押圧部を容器径方向内側に回動させるような力が作用したとしても、上述したように押圧部の下端部が凸部に当接するので、容器径方向内側に回動し難い。しかも、凸部と押圧部とのうちの少なくとも一方に容器径方向内側から外側に向かって下向きに傾斜した傾斜面が形成されているので、押圧部に上記力が作用したとしても、該押圧部を容器径方向外側に戻すような力が作用し易い。
従って、押圧部の外面に設けられた係止部を外容器の被係止部に対して係止させた状態に維持し易く、外容器から内容器を抜け難くすることができる。
また、付勢体が押圧部を容器径方向外側に回動するように付勢しているので、内容器の製造段階において、押圧部が容器径方向内側に撓んでしまうような癖が付き難い。しかも、その後に内容器を搬送するような場合、内容器同士が接触したり、内容器がなんらかに接触したりしたとしても、やはり押圧部が容器径方向内側に撓んでしまうような癖が付き難い。
従って、内容器を外容器内に挿入して組み付ける際に、押圧部の係止部を外容器の被係止部に対して確実に係止させることができ、内容器と外容器とを強固に組み合わせることができる。
まず、本発明に係る二重容器の第1実施形態について、図1から図5に基づいて説明する。
なお、図1に示す鎖線Oは二重容器1の中心軸線を示しており、以下、単に「軸線O」と記す。また、本実施形態では、軸線Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Oに直交する方向を「径方向」とする。また、本実施形態では、後述する内容器2及び外容器3の口部20,30側(図1における上側)を「上側」とし、その反対側(図1における下側)を「下側」とする。
この壁部37は、後述する押圧部23の下部の径方向外側に配設されており、壁部37の内面(径方向内側の面)には、周方向に延在した断面略半円形状の被係止部36が突設されている。すなわち、被係止部36は、後述する押圧部23の径方向外側に配設されている。
また、図2に示すように、ガイド溝34及び切欠部35は、それぞれ軸線Oを挟んで一対ずつ配設されており、これら一対のガイド溝34と一対の切欠部35とは、互いに直交する位置に配設されている。
詳しく説明すると、内容器2は、上端が開放された有底筒状の内装容器であり、例えばポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の合成樹脂からなり、例えば射出成形やブロー成形等によって成形される。なお、内容器2は、例えばプレス成形等によって形成される薄肉の金属製の容器であってもよい。内容器2の概略構成としては、軸線Oに沿って延設された略円筒形状の周壁部21と、その周壁部21の下側部分に設けられた底壁部22と、を備えている。
押圧部23の内面(径方向内側の面)は、内容器2の周壁部21の外周面との間に隙間をあけて対向されており、押圧部23は、径方向内側に向かって弾性的に撓み変形可能となっている。
また、押圧部23の下端部の周方向中央部は、押圧部23の径方向内側に配設された凸条部38の傾斜面38aに当接、或いは、隙間をあけて対向配置されている。
また、図2に示すように、ガイド部25及び押圧部23は、それぞれ軸線Oを挟んで一対ずつ配設されており、これら一対のガイド部25と一対の押圧部23とは、互いに直交する位置に配設されている。
周壁部51の内周面には、外容器3の口部30の雄ねじ33に螺合される雌ねじ52が形成されている。また、外装蓋5の内側には、円盤状のパッキン6が嵌合されている。このパッキン6は、外装蓋5の天壁部50の下面に接合されており、パッキン6の外周部が、外装蓋5の天壁部50の下面と内容器2の口部20の上端面との間に挟み込まれてシールされ、内容器2内が密封されている。
例えば内容器2内の内容物が無くなった場合など、外容器3内の内容器2を新たな内容器2と交換する際には、まず、外装蓋5を外容器3から取り外す。このとき、外装蓋5と共にパッキン6が取り外される。
なお、中蓋4は、初めに開封した際に内容器2の口部20から取り外し、その後、内容器2の口部20には取り付けられずに廃棄してもよい。なお、内容器2の交換時に中蓋4が内容器2の口部20に取り付けられていてもよい。
次に、押圧面23aを押圧したまま内容器2を引き上げて外容器内から取り出す。これにより、外容器3内から内容器2が取り出される。
その結果、内容器2と外容器3との相対的な周方向の回転が規制されると共に、内容器2と外容器3との相対的な軸方向の移動が規制されて、内容器2が外容器3内に固定される。
以上により、二重容器1における内容器2の交換作業が完了する。
従って、押圧部23の外面に設けられた係止部24を外容器3の被係止部36に対して係止させた状態に維持し易く、外容器3から内容器2を抜け難くすることができる。
次に、本発明に係る二重容器の第2実施形態について、図6から図8に基づいて説明する。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
また、押圧部123の外面には、周方向に延在する係止部124が突設されており、この係止部124は、凹部123bの周方向両側方にそれぞれ配設されている。
また、切欠部35の底面には、周方向に延在する凸条部138が被当接部139の周方向両側にそれぞれ配設されている。この凸条部138には、径方向内側から外側に向かって下向きに傾斜した傾斜面138aが形成されており、この傾斜面138aには上記した押圧部123の下端部がそれぞれ当接、或いは間隔をあけて対向配置されている。
次に、本発明に係る二重容器の第3実施形態について、図9から図13に基づいて説明する。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
なお、前記境界部分は、破断可能な弱化部(薄肉部)として形成されている。
加えて、本実施形態の場合には、内容器2の製造後、外容器3に組み合わされる前の段階において、レバー部150の先端の連結部151が周壁部21の外周面に連結されている。そのため、押圧部23は、外力を受けても容器径方向内側に撓み難くなっている。この点においても、癖が付き難い状態となっている。
従って、これらのことから、内容器2を外容器3内に挿入して組み付ける際に、押圧部23の係止部24を外容器3の被係止部36に対して確実に係止させることができ、内容器2と外容器3とを強固に組み合わせることができる。
また、レバー部150を複数設けても構わない。例えば、押圧部23の下端部の内面と中央部の内面とにそれぞれ設けても構わない。
更には、レバー部150を押圧部23側に設けるのではなく、周壁部21側に設けても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。なお、この場合において、内容器2の製造段階でレバー部150の先端の連結部151を押圧部23の内面に連結させた状態にしても構わない。
この凸条部38を設けなくても構わない。凸条部38の役割の1つとして、内容器2が外容器3内に固定されている際に、押圧部23を径方向内側に回動させ難くして係止部24を被係止部36に対して確実に係止させる点があるが、上記第3実施形態では、この点をレバー部150に担わせることができる。従って、凸条部38を設けなくても、外容器3から内容器2を抜け難くすることができる。
特に、外容器3に凸条部38を設けない場合には、壁部37の内面に形成される被係止部36の突出量(径方向内側に向かって突出する突出量)をより大きくすることができる。従って、アンダーカット嵌合される係止部24と被係止部36との嵌合力を高めることができ、内容器2を外容器3内により強固に固定することができる。
また、上記実施形態では、左右一対の押圧部23,123が内容器2に設けられているが、本発明は、押圧部が1つにすることも可能であり、或いは、3つ以上の押圧部を設けることも可能である。
2…内容器
3…外容器
20…口部(外周部)
23、123…押圧部
23a、123a…押圧面
24、124…係止部
26…段差
36…被係止部
38、138…凸条部(凸部)
38a、138a…傾斜面
123c…当接部
139…被当接部
150…レバー部(付勢体)
Claims (3)
- 内容物を収容する内容器と、該内容器を収納した外容器と、を備える二重容器において、
前記内容器には、該内容器の外周部から垂下され、容器径方向外側の押圧面が押圧されることで上端を支点にして容器径方向内側に向けて回動する押圧部が設けられており、
前記外容器には、前記押圧部の容器径方向の外側に配置された被係止部、および前記押圧部の下端部の容器径方向内側に配置された凸部が設けられ、
前記押圧部の外面には、前記被係止部に下方から係止する係止部が設けられ、
前記押圧部と前記外周部との連結部分には、容器周方向に沿って延在する段差が形成され、
前記凸部および前記押圧部の下端部のうちの少なくとも一方に、容器径方向内側から外側に向かって下向きに傾斜した傾斜面が設けられていることを特徴とする二重容器。 - 請求項1に記載の二重容器において、
前記押圧部には、上端を支点にして容器径方向に撓み変形可能に垂下された当接部が設けられ、
前記外容器には、前記押圧部の容器径方向内側への回動によって前記当接部の下端部が当接して乗り越えられる被当接部が設けられていることを特徴とする二重容器。 - 請求項1又は2に記載の二重容器において、
前記内容器には、前記押圧部を容器径方向外側に回動するように付勢する付勢体が設けられていることを特徴とする二重容器。
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