(第一実施形態)
次に、本発明に係る回転角検出装置としてのレゾルバの第一実施形態について説明する。図1は、第一実施形態のレゾルバ100の構成例の分解斜視図である。なお、図1では、ステータ巻線等の配線の図示を省略するとともに、ステータとロータとを分解して示している。また、図1では、レゾルバ100が、8個のステータティースを有し、1相励磁2相出力型のレゾルバを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図2は、図1のステータ200の分解斜視図である。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
レゾルバ100は、ステータ(固定子)200と、ロータ(回転子)300とを含む。レゾルバ100は、いわゆるインナーロータ型の回転角検出装置である。すなわち、ステータ200の内側にロータ300が設けられ、ステータ200がロータ300の外周側(外径側)の側面と対向した状態で、ロータ300の回転角に応じて、ステータ200に設けられたステータ巻線を構成する出力巻線からの信号が変化するようになっている。
ステータ200は、磁性材料からなる環(リング)状の平板250を用いて構成され、この平板250に複数のステータティースが設けられている。これらのステータティースは、平板250の平板面に対して交差するように設けられている。図1では、ステータ200は、折り曲げ加工(広義には曲げ加工)等により平板面に対して同一面側に略垂直に起こされた8個のステータティース(突極部)210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、210hを有する。ステータティース210a〜210hは、プレス加工により予め平板250に形成された後、折り曲げプレス加工(広義には曲げ加工)により、平板250の面に対して略垂直となるように起こされている。これらのステータティースは、環状の平板250の内側(内径側)の縁部に形成され、各ステータティースの面のうち少なくともロータ300の対向部の面と対向する面は平面ではなく、ロータ300の回転軸の方向に沿って見たときに、環状の平板250の内径側に位置する点を中心とする円弧の一部となるように形成されている。
このような磁性材料からなるステータ200の平板250の材質は、電磁鋼板、普通鋼であるSPCC又は機械構造用炭素鋼であるS45CやS10Cであることが望ましい。SPCC(Steel Plate Cold Commercial)は、JIS G3141に規定される冷間圧延鋼板及び鋼帯である。S45Cは、JIS G4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.45%程度の炭素を含有している。S10Cは、JIS G4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.10%程度の炭素を含有している。
以上のような構成を有するステータ200は、積層電磁鋼板、つまり磁性材料として1枚の電磁鋼板により構成されるため、材料費として高価である上に折り曲げプレス加工による曲げに弱く、曲げによる加工精度や信頼性を維持できにくい積層電磁鋼板を採用する場合に比べて、低コストで、曲げによる加工精度や信頼性を維持できるようになる。しかも、曲げ加工による磁性材料の粒状破壊を防止し、曲げ加工前の磁気特性を確保することにより高精度な角度検出を可能とする。
また、ステータ200には、平板250に装着可能に構成された環状の絶縁キャップ400が装着される。絶縁キャップ400には、ステータ200のステータティース210a〜210hの位置に合わせて設けられた複数のボビン410a、410b、410c、410d、410e、410f、410g、410hが一体に形成されている。各ボビンは、挿入孔(ステータティース挿入孔)を有し、当該ボビンに対応するステータティースがその挿入孔に挿入されるとともに、その外側にステータ巻線が巻回される。複数のボビン410a〜410hを構成する各ボビンの挿入孔の向きは、ロータ300の回転軸の向きである。
絶縁キャップ400では、複数のボビン410a〜410hが有する挿入孔の向きが、ロータ300の回転軸の向きと一致している。そのため、ステータ200に絶縁キャップ400を装着する際に、平板250の上方から装着することができる上に、ステータ200の内側の狭い空間で各ボビンにステータ巻線を巻回させる必要がなくなる。したがって、絶縁キャップ400の取り付け工程が簡素化される上に、別工程において、予め絶縁キャップ400を形成しておくことが可能となる。これにより、レゾルバ100の生産効率の向上やコストダウンを図ることが可能となる。
また絶縁キャップ400に設けられる複数のボビン410a〜410hを構成する各ボビンには、ステータ巻線の位置ずれを防止する位置ずれ防止手段とし、つば部が設けられており、つば部によってボビンに凹部が形成されるようにし、この凹部においてステータ巻線の位置がずれないようになっている。つば部は、ボビン410a〜410hのそれぞれに設けられてもよいし、ボビン410a〜410hの一部にのみ設けられていてもよい。このような位置ずれ防止手段を設けることにより、磁束の均一化を図ることができるようになり、信頼性を向上させることができるようになる。
さらに、絶縁キャップ400は、外部からの励磁信号を入力したり検出信号を出力したりするための端子ピンが設けられるコネクタ部450を含み、複数のボビン410a〜410hとコネクタ部450とが一体に形成される。このコネクタ部450には、端子ピン挿入孔461〜466が設けられており、端子ピン挿入孔461〜466のそれぞれには、励磁信号の入力や検出信号の出力を行うために導電材からなる端子ピン471〜476がそれぞれ挿入される。
また、ステータ巻線と電気的に接続される端子ピンが設けられるコネクタ部を、複数のボビンと共に一体に形成するようにしたので、ステータ巻線を確実に固定させて、信頼性を向上させることができるようになる。
さらに、絶縁キャップ400は、複数の渡りピン(突起部)480a、480b、480c、480d、480e、480f、480gを含み、複数のボビン410a〜410h、コネクタ部450及び複数の渡りピン480a〜480gが一体に形成されている。複数の渡りピン480a〜480gを構成する各渡りピンは、2つのボビンの間において、環状の絶縁キャップ400の所与の円周上に形成されている。なお、ボビン410a、410hの間には、渡りピンが形成されていない。各渡りピンは、2つのボビンの間に設けられた円柱状の形状を有し、一方のボビンの外側に巻回されるステータ巻線と電気的に接続される導線が、渡りピンにおいて張力を持たせた状態で掛けられて、他方のボビンの外側に巻回されるステータ巻線と電気的に接続される。これにより、2つのボビンの距離が長くなっても共振し難くなる上に、ステータ巻線の巻き数を半ターン単位で調整できるようになる。ここで、導線に張力を持たせ易くし、かつその状態をできるだけ長く維持させるために、渡りピンは、ロータ300の回転軸の向きと同じ向きの部分を有することが望ましい。
また、絶縁キャップ400は、ステータ200(ステータ200の平板250)の縁部に係止する1又は複数の係止部(図示外)を含み、これらの係止部によりステータ200に装着可能に構成されている。
このような絶縁キャップ400をステータ200の平板250に装着することにより、ステータ200とステータ巻線とが電気的に絶縁される。これにより、ステータ巻線により構成されるコイルの絶縁破壊を防止できる。このような絶縁キャップ400は、PBT(Poly−butylene−terephtalate:ポリブチレンテレフタレート)又はPPT(Polypropylene terephtalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の絶縁性の樹脂(絶縁材)を用いた射出成形により形成される。
ロータ300は、磁性材料からなり、ステータ200に対して回転自在に設けられている。より具体的には、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。例えば、ロータ300の軸倍角が「3」であり、所与の半径の円周線を基準に、該円周線の1周につき、平面視において外径側の外径輪郭線を3周期で変化する形状を有している。そして、平板250に対して起こされたステータティースの内側(内径側、内周側)の面と対向するロータ300の外周側に形成された対向部320の面(対向面、図3参照)が、ロータ300の1回転につき3周期でギャップパーミアンスが変化するようになっている。
ここで、図3は、第一実施形態におけるロータ300の構造の説明図である。図3(a)はロータ300の斜視図であり、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿ったロータ300の断面構造を模式的に表した図である。
このロータ300は、平板として構成されたロータ平板部310を有する。そのロータ平板部310は、その表面が、ロータ300の回転軸と直角に交差する平面とされる。また、ロータ平板部310は、回転軸と交差する中心付近で穴が空けられた環状に形成される。また、ロータ平板部310は、厚さt1とされる。そして、ロータ平板部310は、回転角の検出対象物に取り付けられて、その検出対象物の回転にしたがって自らも回転軸回りに回転される。
また、ロータ300は、そのロータ平板部310の外周縁部からロータ平板部310に対して直角(回転軸と平行な方向)に曲がって形成された対向部320を有する。その対向部320は、その面(対向面)がステータティース210a〜210hの面と平行に対向される。また、対向部320の厚さt2は、ロータ平板部310の厚さt1よりも大きくされている。より具体的には、対向部320の厚さt2は、ロータ平板部310の厚さt1の約2倍とされている。つまり、対向部320は、ロータ平板部310を構成する平板が2枚積層された厚さと同等の厚さとされる。
また、電磁鋼板を多く積層させたときと同等の厚さを確保するために、ロータ300の対向部320の高さHについて、5×t1≦H≦12×t1の関係を有することが望ましい。対向部320の高さHを12×t1より高くしても、これ以上、検出信号のレベルを改善させることが期待できずに、却ってロータ300の大型化を招く。一方、対向部320の高さHを5×t1より低くすると、検出信号のレベルが低くなる。
また、本実施形態のロータ300は、ロータ平板部310及び対向部320の全部が圧粉磁性材料で一体に形成される。圧粉磁性材料は、鉄粉などの金属磁性材料を圧縮成形したものである。混合する金属磁性材料としては、フェライト用酸化鉄やマグネタイトなどがあり、所望する透磁率等の磁気的特定に応じて適宜決定することができる。また、成形しやすくするために、金属磁性材料に、フェノール樹脂等の樹脂粉末を混合してもよい。
このように、ロータ平板部310の外周縁部に対向部320を形成することで、ステータティース210a〜210hの面と対向する面積を増加させ、電磁鋼板を多く積層させたときと同等の厚さを確保できる。よって、ロータ300の構造を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。対向部320とステータティース210a〜210hとのギャップパーミアンスを固定としたときに、対向部320が厚くされるほど、それらの間の相互インダクタンスが大きくなる。そして、相互インダクタンスが大きくなるほど、検出信号のレベルが大きくなるからである。また、対向部320は、ロータ平板部310よりも厚くされているので、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。さらに、ロータ平板部310及び対向部320は、圧粉磁性材料で形成されているので、電磁鋼板で形成されたときよりも、高透磁率にできる、磁気的に等方性にできるなど、ロータ300の磁気的特性を向上することができる。よって、検出信号の精度を向上することができる。また、圧粉磁性材料で形成することで、周波数特性を向上することができる。よって、ノイズに強くすることができる。
次に、ロータ300の回転によって出力巻線から出力される検出信号を取り出すためのステータ巻線について説明する。ステータ巻線は、励磁巻線と出力巻線とから構成され、励磁巻線により励磁した状態で、ステータ200に対するロータ300の回転により、出力巻線の信号が変化する。
ここで、図4は、ステータ200のステータティース210a〜210hに巻回されるステータ巻線の説明図である。具体的には、図4(a)は、ステータ巻線を構成する励磁巻線4の説明図を示しており、図4(b)は、ステータ巻線を構成する出力巻線5の説明図を示している。図4(a)、(b)は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図4(a)では、励磁巻線4の巻き方向を模式的に示し、図4(b)では、出力巻線5の巻き方向を模式的に示す。実際には、各ボビンのステータ巻線を電気的に接続する導線は、その間に形成された渡りピンを経由させる。
励磁巻線4は、図4(a)に示すように、隣り合うステータティースの巻回方向が互いに反対方向になるように巻回される。各ステータティースに巻回される励磁巻線4は、例えばコイル巻線とすることができる。このような励磁巻線4と電気的に接続される端子R1、R2間に、励磁信号が与えられる。
また、図4(b)に示すように、2相の検出信号を得るために、出力巻線5は2組の巻線部材からなる。2相の検出信号の第1相(例えばsin相)の検出信号を得るための出力巻線51は、例えばステータティース210aから反時計回りにステータティース210gまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。一方、2相の検出信号の第2相(例えばcos相)の検出信号を得るための出力巻線52は、例えばステータティース210bから反時計回りにステータティース210hまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。これら出力巻線51、52の各ステータティースにおける巻回数や巻回方向は、所望の波形の検出信号が出力されるように調節されている。第1相の検出信号は、端子S1、S3間の信号として検出され、第2相の検出信号は、端子S2、S4間の信号として検出される。各ステータティースに巻回される出力巻線5は、例えばコイル巻線とすることができる。
このように、ステータティース210c、210c、210e、210gが挿入孔に挿入されるボビン410a、410c、410e、410gのそれぞれの外側には、励磁巻線4及び第1相(sin相)の出力巻線51が巻回される。ステータティース210b、210d、210f、210hが挿入孔に挿入されるボビン410b、410d、410f、410hのそれぞれの外側には、励磁巻線4及び第2相(cos相)の出力巻線52が巻回される。
なお、励磁巻線4の巻き方向は、図4(a)に示す方向に限定されるものではない。また、出力巻線5の巻き方向は、図4(b)に示す方向に限定されるものではない。例えば、各ステータティースにおける励磁巻線4、出力巻線5の巻き方向を、図4(a)、図4(b)に示す方向に対して反対方向になるようにしてもよい。
以上のような構成を有するレゾルバ100では、ステータ200に対するロータ300の回転によって、次のような磁気回路が形成される。ここで図5は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図5では、説明の便宜上、絶縁キャップ400の図示を省略するとともに、ステータ200に対してロータ300が回転状態のときのある時刻における磁束の向きを模式的に示している。また、図5において、巻線磁芯としての各ステータティースを通る磁束の向きを模式的に示している。
絶縁キャップ400を介してステータ200のステータティース210a〜210hにステータ巻線4、5が巻回されており、ロータ300が回転すると、ロータ300を介して隣り合うステータティース間で磁気回路が形成される。図5に示すように、隣り合うステータティースを通る磁束の向きが反対方向となるようにステータ巻線4、5が巻回されているため、ロータ300の回転によって、各ステータティースに巻回されるステータ巻線4、5に発生する電流もまた変化し、例えば出力巻線5に発生する電流波形を正弦波状にすることができる。
次に、本実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。図6は、レゾルバ100の製造方法の一例のフロー図である。また図7は、折り曲げプレス加工前のステータ200を構成する平板250の斜視図である。図7において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
レゾルバ100を製造するために、先ず、ステータ形状加工工程においてステータ200の形状を加工した(ステップS10)後に、折り曲げプレス加工工程(曲げ工程)において、平板状のステータ200のステータティースを折り曲げて、複数のステータティースが平板面に対して起こされる(ステップS12)。その結果、図2に示すように、平板250に対してステータティース210a〜210hが起こされる。
すなわち、ステップS10のステータ形状加工工程では、ステップS12の折り曲げプレス加工を行うために、図7に示すように、プレス加工により、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10Cを材質とする環状の磁性材料からなる平板の内径側の縁部にステータティースが形成されて、ステータ200の形状が形成される。
そして、ステップS12では、折り曲げプレス加工により、ステップS10において形成された複数のステータティースを、断面視において、その根本部分がR形状となるように加工される。この結果、ステータティース210a〜210hは、ステータ200の平板面に対して略垂直となるように起こされる。
続いて、絶縁キャップ取り付け工程として、図2に示す絶縁キャップ400を、そのボビンに設けられた挿入孔に、ステップS12で起こされたステータティースを挿入して、平板250に取り付ける(ステップS14)。このとき、絶縁キャップ400に設けられた1又は複数の係止部(図示外)により、平板250に係止することで取り付けられる。
その後、巻線部材取り付け工程として、ステップS12で起こされたステータティース210a〜210hの各ステータティースを巻線磁芯として、各ステータティースの外側にステータ巻線が巻回される(ステップS16)。こうして起こされたステータティースのそれぞれの周囲に、励磁用の励磁巻線4及び検出用の出力巻線5が巻回される。なお、ボビンにステータ巻線を取り付けた絶縁キャップ400を、平板250に装着するようにしてもよい。
次に、ロータ加工工程として、圧粉磁性材料を圧縮成形して、図3に示すロータ平板部310及び対向部320が一体的に形成される。具体的には、上述したように、例えばフェライト用酸化鉄やマグネタイトの金属磁性材料とフェノール樹脂の粉末とを混合する。その後、予めロータ300の型に形成された金型のキャビティに、その混合した圧粉磁性材料を流し込んで、所定の圧力や熱を加えて成形する。その後、混合した樹脂粉末の熱硬化処理を施す。
次に、ロータ取り付け工程として、ロータ300が、ステータ200に対して回転自在となるように、ステータ200の内径側に設けられる(ステップS20)。より具体的には、ロータ取り付け工程において、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりロータ300の外側の対向部320の面とステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。なお、図6では、ロータ加工工程が、巻線部材取り付け工程の後に行われるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくともロータ取り付け工程に先立って行われていればよい。以上のように、本実施形態におけるレゾルバ100が製造される。
以上のレゾルバ100においては、上述したように、ロータ300の外周側に対向部320が形成されているとともに、その対向部320がロータ平板部310よりも厚くされているために、出力巻線5から出力される検出信号のレベルを高くすることができる。さらに、ロータ平板部310及び対向部320が圧粉磁性材料で形成されているために、電磁鋼板で形成されたときよりも、ロータ300の磁気的特性を向上することができ、検出信号の精度を向上することができる。ここで、図8は、このことを説明するための図であり、図3(b)の破線部分311における対向部320とその対向部320と対向したステータティースとを図示した図である。また、図8(a)は、ロータ300が通常の位置にあるときの図を示しており、図8(b)は、ロータ300が何らかの理由でスラスト方向(回転軸方向)に変位したときの図を示している。また、図8(c)は、対向部320がない場合(ロータ平板部310のみの場合)の図を示している。なお、図8では、複数のステータティース210a〜210hのいずれかのステータティースという意味でステータティースに符号「210」を付し、同様に、ボビンに符号「410」を付している。
図8(a)に示すように、ロータ300が通常の位置にあるときには、ロータ300は、その全部が、ボビン410から出ているステータティース210と対向される。ずなわち、図8(a)の破線62−63間の領域に、ロータ平板部310及び対向部320が含まれる。よって、ステータティース210とロータ300との間において、効率的に磁束のやり取りをすることができる。そして、対向部320全体がステータティース210の面と対向しているので、ロータ平板部310のみの場合(図8(c)参照)よりも検出信号のレベルを上げることができる。
一方、図8(b)に示すように、何らかの理由によって、ロータ300がスラスト方向に変位したとする。例えば、ロータ300は、平板として構成されたロータ平板部310で構成されており、従来の厚いロータよりも厚さが薄くなっていることに起因して、ロータ300が変位する場合が考えられる。この場合には、図8(b)に示すように、ロータ300がスラスト方向に変位すると、ロータ平板部310が、ステータティース210と対向する領域(破線62−63間の領域)に含まれなくなる場合がある。この場合、対向部320の一部が、ステータティース210の面と対向することになる。このような場合であっても、対向部320が厚くされており、なおかつ、対向部320の全部が圧粉磁性材料で形成されているので、磁束のやり取りが極端に落ちてしまうのを防止でき、検出信号のレベルの低下を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、ロータ300が、平板で構成されたロータ平板部310で構成されているので、従来の厚いロータよりも構成及び製造工程を簡素化できる。また、レゾルバ100(ロータ300)の軽量化、コスト低減を実現できる。
また、ロータ300の外周側にはステータティースの面と対向する対向部320が形成されているので、ロータ300を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。さらに、その対向部320の厚さt2は、ロータ平板部310の厚さt1よりも大きくされているので、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。また、ロータ300がスラスト方向に変位した場合であっても、検出信号のレベルの低下を抑えることができる。
また、ロータ平板部310及び対向部320の全部が圧粉磁性材料で形成されているので、電磁鋼板で形成されたときよりも、ロータ300の磁気的特性を向上することができる。よって、検出信号の精度を向上することができる。また、対向部320の全部を圧粉磁性材料で形成することにより、電磁鋼板で形成したときよりも、所望の形状の対向部を製造しやすくできる。
なお、上記第一実施形態では、対向部320の厚さt2が、ロータ平板部310の厚さt1の約2倍とされていたが、この厚さに限定されるものではない。圧粉磁性材料を用いることで所望の磁気的特性が得られるのであれば、対向部の厚さを小さくしてもよい。これにより、より一層、ロータの構造を簡素化できる。また反対に、対向部の厚さを大きくしてもよい。具体的には、例えば、対向部320の厚さt2とロータ平板部310の厚さt1との比t2/t1が、3.0以下の値とすることができる。その比t2/t1が3.0より大きいとすると、ロータ300が大型化してしまい重量増加、コストアップ等の弊害が大きくなるからである。これにより、ロータ300の簡素化を維持しつつ、検出信号のレベルの向上を図ることができる。
(変形例1)
上記第一実施形態のロータ300においては、平板として構成されたロータ平板部310で構成されているので、従来の厚いロータに比べて、強度不足となる場合がある。強度不足になると、ロータががたついて変位してしまい回転角の検出精度が低下しまう。そこで、図9に示すように、図3のロータ300の対向部320の内側に形成された開口341を閉塞するように、対向部320の先端に補強板800を取り付けてもよい。この図9は、図3のロータ300に補強板800を取り付けた後のロータ305を示した図であり、図9(a)はロータ305の斜視図であり、図9(b)は図9(a)のC−C線に沿ったロータ305の断面構造を模式的に表した図であり、図9(c)は補強板800の平面図である。なお、図9において、図3のロータ300と同じ部品には同じ符号を付している。
図9(b)、(c)に示すように、ロータ平板部310と平面視で同じ形状の補強板800を、対向部320の先端に取り付ける。なお、補強板800は、例えば、電磁鋼板とされ、溶接によって、対向部320と補強板800とが接続される。
これによって、ロータ305の対向部320の内側に形成された開口341を閉塞して、ロータ305の断面を四角断面にすることができるので、ロータ305の強度を向上できる。よって、ロータ305ががたついて検出精度が低下してしまうのを防止できる。
なお、図9の補強板は、以下に示す、他の実施形態におけるロータに対して取り付けてもよい。いずれの場合も、ロータの対向部の内側に形成された開口を閉塞して、ロータの断面を強くすることができるので、ロータの強度を向上できる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係るレゾルバの第二実施形態について第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態のレゾルバは、図1のレゾルバ100に対して、ロータ300を、図10のロータ600に代えたものである。その他は、第一実施形態と同じである。
ここで、図10は、第二実施形態におけるロータ600の構造の説明図である。具体的には、図10(a)はロータ600の斜視図であり、図10(b)は図10(a)のD−D線に沿ったロータ600の断面構造を模式的に表した図である。また、図11は、図10の符号620で示される部材である対向部としての圧粉リング部材620を示した図である。具体的には、図11(a)は、圧粉リング部材620の斜視図であり、図11(b)は圧粉リング部材620の平面図であり、図11(c)は圧粉リング部材620の側面図である。
図10(a)に示すように、ロータ600は、第一実施形態のそれと同様に、ロータ平板部610を有する。また、ロータ600は、そのロータ平板部610の外周縁部からロータ平板部610に対して直角(回転軸と平行な方向)に曲がって形成された対向部620(圧粉リング部材)を有する。
そのロータ平板部610は、厚さt1の1枚の電磁鋼板が第1実施形態のそれと同じ形状に加工されたものである。また、圧粉リング部材620は、ロータ平板部610の外周縁部に溶接等で取り付けられたものである。その圧粉リング部材620は、圧粉磁性材料から形成され、その圧粉磁性材料が、ロータ平板部610の外周縁部の輪郭と同じになるように環状にされたものである。圧粉リング部材620を構成する圧粉磁性材料は、第一実施形態のロータ300を構成する圧粉磁性材料と同じとすることができる。
また、圧粉リング部材620の形状は、第一実施形態の対向部320と同じである。すなわち、圧粉リング部材620の厚さt2は、ロータ平板部610の厚さt1の約2倍とされ、高さHは、5×t1≦H≦12×t1の範囲とされる。
このように、圧粉リング部材620をロータ平板部610の外周縁部に取り付けることで、その圧粉リング部材620を第一実施形態と同等の対向部として機能させることができる。よって、第一実施形態と同じ効果を得ることができる。
次に、第二実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。その製造方法は、例えば、第一実施形態と同様に、図6のフロー図にしたがってなされる。この際、ステップS10〜ステップS16、ステップS20の工程は第一実施形態のそれと同じであり、ステップS18のロータ加工工程が第一実施形態のそれと異なる。
具体的には、ロータ加工工程として、加工前の1枚の電磁鋼板がプレス加工されて、図10のロータ平板部610が形成される。また、ロータ加工工程では、ロータ平板部610の形成工程とは別に、圧粉リング部材620が圧縮成形で形成される工程がなされる。具体的には、例えばフェライト用酸化鉄やマグネタイトの金属磁性材料とフェノール樹脂の粉末とを混合する。その後、予め圧粉リング部材620の型に形成された金型のキャビティに、その混合した圧粉磁性材料を流し込んで、所定の圧力や熱を加えて成形する。その後、混合した樹脂粉末の熱硬化処理を施す。その後、加工後のロータ平板部610の外周縁部に、圧粉リング部材620が溶接等で取り付けられて、対向部620が形成される。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、対向部620の全部が圧粉磁性材料で形成されているので、第一実施形態と同等の効果を得ることができる。ロータ600がスラスト方向に変位した場合(図8(b)参照)、ステータティース210との間で磁束のやり取りの寄与するのは対向部620となる。よって、ロータ平板部610が圧粉磁性材料で形成されていないことによる検出精度に与える影響は少ないと考えられる。
また、本実施形態のレゾルバ100によれば、ロータ平板部610が、電磁鋼板で形成されているので、圧粉磁性材料で形成したときよりも強度を向上することができる。よって、ロータのがたつきを低減して検出精度を向上することができる。また、ロータ平板部610を形成するのに、電磁鋼板の曲げ加工をする必要がないので、曲げ加工にともなう工程を省略することができ、さらに曲げ加工によって磁気的特性が変化してしまうのを防止できる。
なお、上記第二実施形態では、圧粉リング部材620の厚さt2が、ロータ平板部610の厚さt1の約2倍とされていたが、これに限定されるものではなく、第一実施形態と同様に、適宜小さくしたり大きくしたりしてもよい。また、上記第二実施形態では、圧粉リング部材620が、ロータ平板部610の外周縁部において、ロータ平板部610の平板面に取り付けられていたが、図12に示すように、ロータ平板部610の外側(ロータ平板部610の厚み部分)に取り付けられるとしてもよい。
(第三実施形態)
次に、本発明に係るレゾルバの第三実施形態について第一、第二実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態のレゾルバは、図1のレゾルバ100に対して、ロータ300を、図13のロータ700に代えたものである。その他は、第一実施形態と同じである。
ここで、図13は、第三実施形態におけるロータ700の構造の説明図である。具体的には、図13(a)はロータ700の斜視図であり、図13(b)は図13(a)のE−E線に沿ったロータ700の断面構造を模式的に表した図である。
図13(a)に示すように、ロータ700は、第一、第二実施形態のそれと同様に、ロータ平板部710及びその外周縁部からロータ平板部710に対して直角(回転軸と平行な方向)に曲がって形成された対向部720を有する。そのロータ平板部710は、厚さt1の1枚の電磁鋼板が加工されたものである。具体的には、1枚の電磁鋼板の内周側に穴が空けられるとともに、外周側が折り曲げられており、その折り曲げた部分であり外周側曲げ部分721以外の部分がロータ平板部710とされる。そのロータ平板部710の形状は、第一のロータ平板部310と同じとされる。
また、外周側曲げ部分721は、本発明の対向部用鋼板として機能し、対向部720の一部とされるものである。すなわち、外周側曲げ部分721は、ロータ平板部710に対して直角(回転軸と平行な方向)とされている。また、その高さHは、第一実施形態の対向部320と同じで、5×t1≦H≦12×t1の範囲とされる。
また、外周側曲げ部分721の内側には、外周側曲げ部分721と接触するように圧粉リング部材722が嵌められている。その圧粉リング部材722は、圧粉磁性材料から形成され、その圧粉磁性材料が、ロータ平板部710の外周縁部の輪郭と同じになるように環状にされたものである。より詳細には、外周側曲げ部分721の内側に嵌め込まれる分だけ、圧粉リング部材722は、ロータ平板部710の外形よりも小さくなっている。また、圧粉リング部材722の厚さは、ロータ平板部710の厚さt1と同じとされ、高さは、外周側曲げ部分721の高さHと同じとされる。なお、圧粉リング部材722を構成する圧粉磁性材料は、第一実施形態のロータ300を構成する圧粉磁性材料と同じとすることができる。
そして、この圧粉リング部材722が対向部720の一部となる。換言すると、対向部720は、外周側曲げ部分721と圧粉リング部材722とから構成され、その形状は、第一実施形態の対向部320と同じで、厚さt1×2(=t2)、高さHとされる。
次に、第三実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。その製造方法は、例えば、第一、第二実施形態と同様に、図6のフロー図にしたがってなされる。この際、ステップS10〜ステップS16、ステップS20の工程は第一、第二実施形態のそれと同じであり、ステップS18のロータ加工工程が第一、第二実施形態のそれと異なる。
具体的には、ロータ加工工程として、加工前の1枚の電磁鋼板がプレス加工されて環状に形成される。この際、外周側曲げ部分721の分も見越して、ロータ平板部710よりも大きめに電磁鋼板が環状に加工される。その後、電磁鋼板の外周縁部が曲げ工程又は絞り工程によって曲げられて、外周側曲げ部分721が形成される。また、外周側曲げ部分721以外の部分がロータ平板部710とされる。
また、ロータ加工工程では、ロータ平板部710の形成工程とは別に、圧粉リング部材722が圧縮成形で形成される工程がなされる。具体的には、第二実施形態における圧粉リング部材620の形成工程と同じである。その後、外周側曲げ部分721の内側に、圧粉リング部材722が嵌め込まれて、外周側曲げ部分721と圧粉リング部材722とが溶接等で固定される。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、対向部720の一部が圧粉磁性材料で形成されているので、その全部が電磁鋼板で形成されたときよりも、ロータ700の磁気的特性を向上することができる。よって、検出信号の精度を向上することができる。また、ロータ平板部710が、電磁鋼板で形成されているので、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、圧粉リング部材722の外側に、電磁鋼板の外周側曲げ部分721が積層されているので、その外周側曲げ部分721で圧粉リング部材722を保護することができる。よって、対向部の全部を圧粉磁性材料で形成したときよりも、対向部の強度を向上することができる。また、外周側曲げ部分721と圧粉リング部材722とを積層して対向部720を構成することで、対向部の厚さを大きくすることができ、検出信号のレベルを向上することができる。
なお、上記第三実施形態では、圧粉リング部材722の厚さを、ロータ平板部710の厚さt1と同じとしていたが、これに限定されるものではなく、適宜小さくしたり大きくしたりしてもよい。また、外周側曲げ部分721に代えて、ロータ平板部710と別の電磁鋼板で形成された鋼板リング部材を用いてもよい。この場合、例えば、鋼板リング部材の厚さを上記t1より小さくし、圧粉リング部材の厚さを上記t1より大きくすることで、対向部の大きさを変えることなく、対向部における圧粉磁性材料の割合を多くすることができる。これによって、より一層、検出精度を向上することができる。反対に、鋼板リング部材の厚さを上記t1より大きくし、圧粉リング部材の厚さを上記t1より小さくすることで、対向部の大きさを変えることなく、対向部の強度を向上することができる。
また、上記第三実施形態では、外周側曲げ部分721とその内側に設けられた圧粉リング部材722とから対向部720を構成していたが、図14(a)に示すように、圧粉リング部材722のさらに内側に、電磁鋼板で形成された鋼板リング部材723を設けるようにしてもよい。なお、図14(a)において、図13(b)と同じ部品には同じ符号を付している。これによって、圧粉リング部材722が、電磁鋼板で挟み込まれることになり、対向部720の強度をさらに向上することができる。また、対向部720の厚さが大きくなるので、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。
また、上記第三実施形態では、外周側曲げ部分721の内側に圧粉リング部材722を設けていたが、図14(b)に示すように、外周側曲げ部分721の外側に圧粉リング部材722を設けてもよい。また、その圧粉リング部材722の外側にさらに、電磁鋼板で形成された鋼板リング部材723を設けるようにしてもよい。なお、図14(a)、(b)においては、外周側曲げ部分721に加えて、鋼板リング部材723も本発明の対向部用鋼板に相当する。
(第四実施形態)
上記実施形態ではレゾルバに本発明を適用した例について説明したが、回転同期装置としてのシンクロに本発明を適用してもよい。このシンクロは、ステータとロータとステータティースに巻回されたステータ巻線(励磁巻線、出力巻線)とを備えており、その出力巻線から、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力する点で、レゾルバと同じである。また、シンクロは、3相分の出力巻線がステータティースに巻回され、各出力巻線から出力される出力信号が、互いに位相角が120度ずれている点で、レゾルバと異なっている。このように、シンクロは、ステータ巻線の巻線構造以外はレゾルバと同じと考えることができるので、上記実施形態はそのままシンクロにも適用することができる。すなわち、上記ロータ平板部と対向部とを有するロータを構成することで、ロータの構造を簡素化しつつ検出信号のレベルを向上することができる。さらに、対向部の少なくとも一部が、圧粉磁性材料で形成されることで、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。
ここで、図16は、シンクロの用途例を示した図である。シンクロは、図16に示すように、主に、複数の機器間でそれらの運転を同期させるために用いられ、一般的に、同じ構造のシンクロ発信機とシンクロ受信機のセットで用いられる。具体的には、図16において、シンクロとしてのシンクロ発信機72は、その回転軸71が、一方の機器(発信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ発信機72は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。また、同様に、シンクロとしてのシンクロ受信機73は、その回転軸74が他方の機器(受信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ受信機73は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。そして、これらシンクロ発信機72とシンクロ受信機73の各相が接続される。これらの動作について、(1)シンクロ発信機72とシンクロ受信機73でロータの位置が異なると、それらの間で電位差が生じ、各相に電流が流れる。(2)その電流によって、シンクロ受信機73のロータが回転する。すなわち、トルクが発生する。(3)シンクロ受信機73のロータ(回転軸74)の回転にともなって、それに接続された受信側の機器が回転される。(4)シンクロ受信機73のロータの位置がシンクロ発信機72のロータの位置と同じになると、各相に電流が流れなくなる。(5)電流が流れなくなると、シンクロ受信機73のロータの回転が停止される。よって、シンクロ発信機72とシンクロ受信機73のロータの位置が同じ、つまり発信側の機器と受信側に機器の運転が同期される。このように、レゾルバと同様に、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力するシンクロ発信機及びシンクロ受信機に対して本発明を適用しても、ロータの構造を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。
なお、本発明に係るレゾルバ、シンクロは、上記実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変形することができ、例え次のような変形も可能である。
上記の各実施形態では、レゾルバが、1相励磁2相出力型であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記の各実施形態におけるレゾルバが、励磁信号が1相以外の相を有する信号であったり、検出信号が2相以外の相を有する信号であったりしてもよい。
上記の各実施形態では、磁性材料からなるステータの材質が1枚の電磁鋼板、普通鋼又は機械構造用炭素鋼材であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記の各実施形態では、いわゆるインナーロータ型の回転角検出又は回転同期装置としてのレゾルバ、シンクロを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係るレゾルバ、シンクロが、いわゆるアウターロータ型であってもよい。
上記の各実施形態では、軸倍角「3」のロータを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば軸倍角「5」のロータであってもよい。
上記の各実施形態では、絶縁キャップを介してステータ巻線をステータティースの外側に巻回する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁キャップが省略された構成であってもよい。