JP3023360B1 - 角度検出装置 - Google Patents

角度検出装置

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Abstract

【要約】 【課題】 従来のバリアブルリラクタンス型レゾルバに
おいては、固定子に設けられた各スロット間のヨークに
巻線を施すため、巻線機の構造が複雑となり、回転子も
焼結構成であるため、レゾルバのコストを低下させるこ
とが困難であった。 【解決手段】 本発明による角度検出装置は、板状の固
定子(1)に設けたボビン(10)に巻線(4,6,7)を施すため、
巻線機の構造が簡略化され、かつ、固定子(1)、ヨーク
(3)及び回転子(5)がプレス加工又は成形金属加工による
金属板で可能となり、大幅なコストダウンが可能な構成
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角度検出装置に関
し、特に、励磁巻線と出力巻線を固定子に設けたボビン
に設け、ヨーク及び回転子を金属板等で形成することに
より、従来のレゾルバよりも大幅なコストダウンを達成
すると共に、構造の簡略化及び製造の容易化を達成する
ための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種のバリアブ
ルリラクタンス型レゾルバとしては、例えば、図24及
び図25で示される特開平8−178611号公報に開
示された構成を挙げることができる。すなわち、図24
において符号1で示されるものは、12個の突極3間に
各々形成された12個のスロット2を有する輪状の固定
子であり、各突極3には、各スロット2内に位置するよ
うに1相の励磁巻線4が巻回されている。なお、この励
磁巻線4の極数はスロット2の数と同一である。この固
定子1の中心位置には、巻線を有しない鉄心のみよりな
る回転子が回転自在に設けられ、この回転子5の中心が
固定子1の中心とずれて偏心しているため、この回転子
5と固定子1の突極3との間のギャップパーミアンスは
角度θに対して正弦波状に変化するように前記回転子5
は構成されている。なお、この回転子5は、偏心構成に
限らず、同心で形状が円でなく変形して凹凸形等とした
場合も同じ作用を有するものである。
【0003】また、2相で互いに電気角が90°異なっ
て各スロット2に1スロットピッチ(スロット飛びを伴
うことなく、各スロットに順次巻線を入れる状態)で巻
かれたSIN出力巻線6及びCOS出力巻線7は、図2
4には示していないが図25で示される状態のように、
その誘起電圧分布が各々正弦波分布となるように分布巻
き(その巻線の巻き数(量)も正弦波分布状となる)で
構成されている。前記各出力巻線6,7の巻数は、SI
Nθ(COSθ)に比例したターン数でかつその極性
(正極又は逆巻)は、SIN出力電圧8とCOS出力電
圧9の各スロット2位置での極性に合うように、励磁巻
線4の極性を考慮しつつ決定する。
【0004】すなわち、図25に示すように、励磁巻線
4が正巻で出力巻線6,7が正巻の場合は同相出力、励
磁巻線4が正巻で出力巻線6,7が逆巻の場合は逆相出
力、励磁巻線4が逆巻で出力巻線6,7が正巻の場合は
逆相出力、励磁巻線4が逆巻で出力巻線6,7が逆巻の
場合は同相出力となる巻線構造を前提として、SIN出
力電圧8及びCOS出力電圧9がSIN状及びCOS状
となるように各出力巻線6,7の極性(正巻か逆巻)を
決める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のバリアブルリラ
クタンス型レゾルバは、以上のように構成されていたた
め、次のような課題が存在していた。すなわち、固定子
のヨークである突極が内側に一体に突出して形成されて
いるため、励磁巻線と出力巻線を自動巻線機により各突
極に巻回するための作業が難しく、自動巻線機の構造が
複雑となっていた。また、回転子は積層板により形成さ
れていたため、非真円形状に構成することが難しく、歩
留まりの向上が困難であった。
【0006】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、励磁巻線と出力巻線を固定
子に設けた平面的に配置したボビンに設け、ヨーク及び
回転子を金属板等で形成することにより、従来のレゾル
バよりも大幅なコストダウンを達成すると共に、構造の
簡略化及び巻線作業及び組立作業等の製造の容易化を達
成するようにした角度検出装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による角度検出装
置は、輪状の固定子に励磁巻線とn相の出力巻線を設
け、前記固定子に対して回転自在に設けられ前記固定子
との間のギャップパーミアンスが回転角度θに対して正
弦波状に変化する非真円形を有すると共に鉄心のみで巻
線を有しない構成の回転子を用いたバリアブルリラクタ
ンス型レゾルバ方式の角度検出装置において、前記固定
子の面に対して垂直でかつ所定角度間隔で平面的に配置
して設けられ前記励磁巻線又は出力巻線を有する複数の
ボビンと、前記各ボビンに設けられ板状をなすヨークを
有する構成であり、また、前記固定子及びヨークはプレ
ス加工による金属板からなり、前記回転子は断面コ字形
をなす構成であり、また、前記回転子はプレス加工によ
る金属板からなる構成であり、また、前記固定子、ヨー
ク及び回転子は、成形金属からなる構成であり、また、
前記励磁巻線及び出力巻線は、前記各ボビンの何れか毎
に多数回巻回されている構成であり、また、前記固定子
は、前記第1固定板に一体又は別体にて設けられた筒状
コアと、前記第1固定板に重合された第2固定板に一体
又は別体にて設けられたボビンとからなり、前記筒状コ
アにボビンを挿入して前記ヨークを前記筒状コアの端部
に取付けることにより前記固定子を構成する構成であ
り、また、前記ヨークはL字型をなす構成であり、ま
た、前記ヨークは直線状の平板よりなる構成であり、ま
た、前記ヨークは、互いに一体に形成されかつ前記第1
固定板の一部を切り起こして形成されている構成であ
り、また、前記ヨークは、前記固定子の面に対して垂直
形状のみである構成であり、また、前記ヨークは、L字
型に形成されていると共に前記ヨークの先端には軸方向
に沿う垂直片が曲折して形成され、前記回転子は断面コ
字型をなす構成であり、また、前記ヨークは、L字型に
形成され、前記回転子は平板状よりなる構成であり、ま
た、前記各ヨークは、輪状平板に一体接続された輪状ヨ
ーク体よりなり、前記輪状ヨーク体は、固定子をなす第
1、第2固定板の中の第1固定板を用いて前記ボビンを
挟むように配設されている構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による角
度検出装置の好適な実施の形態について説明する。な
お、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用
いて説明する。図1において符号1で示されるものは全
体が輪状をなすと共にプレス加工又は周知の成形金属加
工等により加工された全体形状としてはほぼ板状の固定
子であり、この固定子1の面1a上には、この面1aと
直交する垂直方向に軸方向を有するようにボビン10が
設けられている。
【0009】前記各ボビン10の上部すなわち端部11
には、L字型又は平板状をなすと共にプレス加工又は成
形金属加工した金属板等からなるヨーク3がカシメ又は
接着等によって固定され、各ヨーク3の曲折部3aが固
定子1の内側に向いて配設されている。
【0010】前記固定子1は、図5に特に示されている
ように、互いに重合される第1、第2固定板12、13
から構成され、第1固定板12には軸方向に沿って複数
の筒状コア14が成形金属加工又はプレス加工により第
1固定板12と一体又は別体の組立てにより形成され、
第2固定板13にはこの筒状コア14と対応する位置で
かつ軸方向に沿って鍔付筒体15が一体又は別体の組立
てにより形成されている。前記各固定板12、13を重
合させることにより、筒状コア14の外周位置に同軸状
に鍔付筒体15が嵌合し、前述のボビン10が形成され
ている。
【0011】前記各ボビン10には、図6で示されるよ
うに、前記励磁巻線4が各ボビン10毎に多数回巻回さ
れていると共に、前記出力巻線6,7は各ボビン10に
対して1個飛びで多数回巻回されている。さらに、前述
の励磁巻線4は各ボビン10に設けられた各ヨーク3間
をスロットとすると図25のように正巻と逆巻に構成さ
れ、前記出力巻線6,7は図25に示される正弦波出力
電圧8,9が得られるように各ボビン10毎に巻数を変
える周知の分布巻きを施すこともできる。
【0012】前記回転子5は、図3及び図4に示される
ように、回転軸(図示せず)を接続するための穴20を
有すると共にプレス加工等によって得られた断面コ字型
又は平板状をなすと共に非真円形に形成され、この回転
子5を回転させた場合に、前記固定子1の内側との間の
ギャップパーミアンスが回転角度θに対して周知のよう
に正弦波状に変化するように構成されている。
【0013】次に、前述の図1から図6で示される角度
検出装置の形態とは別に、他の形態として、図8から図
23にて示される構成について述べる。なお、図1から
図6と同じ部分には同一符号を付して説明する。まず、
図8から図10で示される他の形態においては、各ヨー
ク3が平板状をなして各ボビン10に取付けられ、図9
の断面で示されるように構成され、回転子5は一例とし
て4X(Xは軸倍角を示す)型の平板状にて形成されて
いる。なお、他の構成は、図1及び図2の構成と同じで
あるため、符号のみを付し、その説明は省略する。
【0014】次に、図11から図14で示す他の形態の
場合、固定子1の第1固定板12の内側の各一部が切り
起こされて垂直形状のみからなるヨーク3が所定の角度
間隔で形成され、このヨーク3に巻線4,6,7を有す
るボビン10を備えた第2固定板13を重合させ、平板
状の回転子5が固定子1の内側に配設されている。な
お、このヨーク3は垂直状のみの形状で用いられる。
【0015】次に、図15から図18で示す他の形態の
場合、固定子1の第1固定板12の内側の各一部が切り
起こされて垂直状のヨーク3が所定の角度間隔で形成さ
れ、このヨーク3に巻線4,6,7を有するボビン10
を備えた第2固定板13を重合させ、図18で示される
ように各ヨーク3がL字型に形成されてその先端に軸方
向に沿う垂直片3Aを曲折して有し、回転子5は断面コ
字型をなす平板状(図17で示す)で形成されている。
【0016】次に、図19及び図20で示される他の形
態の構成は、固定子1の構成は前述の図15から図18
における垂直片3Aを有しない構造と同一にL字型に形
成されて平板状であり、回転子5はコ字型でなく、平板
状のみで形成されている。
【0017】次に、図21から図23で示される他の形
態の構成は、固定子1の筒状コア14を有する第1固定
板12の上に、巻線4,6,7を有するボビン10を備
えた第2固定板13を重合させ、この筒状コア14の上
に、各ヨーク3が輪状平板に一体に形成された輪状ヨー
ク体3Bが取り付けられてカシメ等で固定されている。
前記第1固定板12には各ヨーク3に対応した舌片12
aが形成されていることにより、図21、図22で示さ
れるように、ボビン10が輪状ヨーク体3Bと第1固定
板12とによって挟持されている。なお、この場合は、
回転子5は積層型又はプレス加工、成形金属のものを用
いることができる。なお、前述の各形態における構成は
図示したものに限らず、コアと巻線を有するボビンを単
体で構成して固定子に各々取付けるようにすることもで
きる。さらに、コアと固定板及びボビンと固定板も一体
に限らず別体として構成することもできると共に、プレ
ス加工及び成形金属加工の何れもできる。
【0018】従って、SIN用及びCOS用からなる前
記出力巻線6,7は、その誘起電圧分布が各々正弦波分
布となるように前述の周知の分布巻き(その巻数及び量
も正弦波分布状となる)で構成されているため、励磁巻
線4が正巻で出力巻線6,7が正巻の場合は同相出力、
励磁巻線4が正巻で出力巻線6,7が逆巻の場合は逆相
出力、励磁巻線4が逆巻で出力巻線6,7が正巻の場合
は逆相出力、励磁巻線4が逆巻で出力巻線6,7が逆巻
の場合は同相出力となるように設定されていることによ
って、SIN出力電圧及びCOS出力電圧がSIN状及
びCOS状となる。尚、前述の2相出力1X(Xは軸倍
角)の場合に限らず、n相出力のnXとすることができ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明による角度検出装置は、以上のよ
うに構成されているため、次のような効果を得ることが
できる。すなわち、固定子の面に設けたボビンに対して
励磁巻線及び出力巻線を巻回させているため、従来のス
ロットを有する固定子の各ヨークに巻線を巻回させるよ
りも、組立作業が大幅に容易化され、巻回速度も大幅に
向上し、巻線機の構造も簡略化できる。また、各ボビン
にプレス加工又は成形金属加工等の金属板よりなるヨー
クを取り付けるため、固定子の製造が従来よりも大幅に
容易となる。さらに、回転子がプレス加工又は成形金属
加工等による金属板で形成することができるため、従来
のコアの積層による製造に比べて製造が大幅に容易化さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による角度検出装置の固定子を示す分解
斜視図である。
【図2】本発明による角度検出装置の分解斜視図であ
る。
【図3】図2の断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】図1の固定子の製造工程を示す工程図である。
【図7】図1の固定子のボビンに対する励磁巻線と出力
巻線の巻回状態を示す構成図である。
【図8】図1の他の形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8の組立後を示す斜視図である。
【図10】図9の要部を示す断面図である。
【図11】図1の他の形態を示す斜視図である。
【図12】図11の固定板を用いた固定子を示す斜視図
である。
【図13】図12の要部の断面図である。
【図14】図12の固定子に回転子を組合わせた状態の
斜視図である。
【図15】図1の他の形態を示す斜視図である。
【図16】図15の固定板を用いた固定子を示す斜視図
である。
【図17】図16の要部を示す断面図である。
【図18】図16の構成を用いた固定子を示す斜視図で
ある。
【図19】図17の他の形態を示す断面図である。
【図20】図19の状態を示す斜視図である。
【図21】図1の他の形態を示す分解斜視図である。
【図22】図21の断面図である。
【図23】図22の状態を示す分解斜視図である。
【図24】従来のバリアブルリラクタンス型レゾルバを
示す構成図である。
【図25】図23及び本発明における各巻線と出力電圧
との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定子 1a 面 3 ヨーク 4 励磁巻線 5 回転子 6,7 出力巻線 10 ボビン 11 端部 12,13 第1、第2固定板 14 筒状コア

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輪状の固定子(1)に励磁巻線(4)とn相の
    出力巻線(6,7)を設け、前記固定子(1)に対して回転自在
    に設けられ前記固定子(1)との間のギャップパーミアン
    スが回転角度θに対して正弦波状に変化する非真円形を
    有すると共に鉄心のみで巻線を有しない構成の回転子
    (5)を用いたバリアブルリラクタンス型レゾルバ方式の
    角度検出装置において、前記固定子(1)の面(1a)に対し
    て垂直でかつ所定角度間隔で平面的に配置して設けられ
    前記励磁巻線(4)又は出力巻線(6,7)を有する複数のボビ
    ン(10)と、前記各ボビン(10)に設けられ板状をなすヨー
    ク(3)を有することを特徴とする角度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記固定子(1)及びヨーク(3)はプレス加
    工による金属板からなり、前記回転子(5)は断面コ字形
    をなすことを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記回転子(5)はプレス加工による金属
    板からなることを特徴とする請求項1又は2記載の角度
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記固定子(1)、ヨーク(3)及び回転子
    (5)は、成形金属からなることを特徴とする請求項1記
    載の角度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記励磁巻線(4)及び出力巻線(6,7)は、
    前記各ボビン(10)の何れか毎に多数回巻回されているこ
    とを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の角度
    検出装置。
  6. 【請求項6】 前記固定子(1)は、前記第1固定板(12)
    に一体又は別体にて設けられた筒状コア(14)と、前記第
    1固定板(12)に重合された第2固定板(13)に一体又は別
    体にて設けられたボビン(10)とからなり、前記筒状コア
    (14)にボビン(10)を挿入して前記ヨーク(3)を前記筒状
    コア(14)の端部(11)に取付けることにより前記固定子
    (1)を構成することを特徴とする請求項1ないし5の何
    れかに記載の角度検出装置。
  7. 【請求項7】 前記ヨーク(3)はL字型をなすことを特
    徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の角度検出装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ヨーク(3)は直線状の平板よりなる
    ことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の角
    度検出装置。
  9. 【請求項9】 前記ヨーク(3)は、互いに一体に形成さ
    れかつ前記第1固定板(12)の一部を切り起こして形成さ
    れていることを特徴とする請求項6ないし8の何れかに
    記載の角度検出装置。
  10. 【請求項10】 前記ヨーク(3)は、前記固定子(1)の面
    に対して垂直形状のみであることを特徴とする請求項9
    記載の角度検出装置。
  11. 【請求項11】 前記ヨーク(3)は、L字型に形成され
    ていると共に前記ヨーク(3)の先端には軸方向に沿う垂
    直片(3A)が曲折して形成され、前記回転子(5)は断面コ
    字型をなすことを特徴とする請求項9記載の角度検出装
    置。
  12. 【請求項12】 前記ヨーク(3)は、L字型に形成さ
    れ、前記回転子(5)は平板状よりなることを特徴とする
    請求項9記載の角度検出装置。
  13. 【請求項13】 前記各ヨーク(3)は、輪状平板に一体
    接続された輪状ヨーク体(3B)よりなり、前記輪状ヨーク
    体(3B)は、固定子(1)をなす第1、第2固定板(12,13)の
    中の第1固定板(12)を用いて前記ボビン(10)を挟むよう
    に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5の
    何れかに記載の角度検出装置。
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