JP5434959B2 - バイポーラ電池 - Google Patents
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Description
本発明のバイポーラ電池に用いられるバイポーラ用集電体は、非イオン伝導性で、かつ、電子伝導性を有する層を被覆した金属箔である。
図2は本発明のバイポーラ電極を説明するための断面図である。図2において、被覆層3a,bが両面に形成された集電体2の片面に正極用活物質層4を形成し、残りの面に負極用活物質層5が形成されている。被覆層は、必要により、集電体全体を被覆してもよい。バイポーラ電極を除いては、従来の電池に用いられる材料および製法を利用することができる。本発明では、集電箔は上記バイポーラ用集電体で説明した被覆集電箔を用いる。
ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。上記ポリマーマトリックスとしては、PEO、PPO、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、PVdF、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、中でもPEO、PPOおよびそれらの共重合体、あるいは、PVdF−HFPを用いることが望ましい。電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものであり、電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)およびそれらの混合物が望ましい。
全固体高分子電解質としては、例えば、PEO、PPO、これらの共重合体などの公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物などが使用できる。
セパレータに含浸させることのできる電解質としては、既に説明した(a)および(b)と同様のものを用いることができる。
電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものが挙げられる。ここで、電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、EC、PC、GBL、DMC、DECおよびそれらの混合物が望ましい。
電池外装材としては、従来公知のケースを用いることができ、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた素電池を覆うことができる袋状のケースを挙げることができる。ラミネートフィルムは、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルムである。
絶縁層は、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止する目的で、各電極の周囲に形成される。必要に応じて、電極の周囲に絶縁層を設ける。該絶縁層としては、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが使用でき、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
正極および負極端子板は、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体から電極端子を直接取り出す場合には、正極および負極端子板は用いない(図4参照のこと)。
正極および負極リードに関しては、公知のリチウムイオン電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
本発明では、上記リチウムイオン二次電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池(車両用サブモジュール)とすることができる。
図8は、電気自動車の車体中央部の座席下に複合組電池または電池が搭載された一例を示す図面である。電気自動車80の座席下に複合組電池70を搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができる。なお、かかる電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部または、車両前方のエンジンルームでもよい。
○正極
・以下の材料を括弧内に示した質量比で混合して正極スラリーを作製する。
・正極用活物質として、LiMn2O4(85wt%)。
・導電助剤として、アセチレンブラック(5wt%)。
・バインダとして、PVdF(10wt%)。
・スラリー粘度調整溶媒として、NMP(適量)
○負極
・以下の材料を括弧内に示した質量比で混合して負極スラリーを作製する。
・負極用活物質として、ハードカーボン(90wt%)。
・バインダとして、PVdF(10wt%)。
・スラリー粘度調整溶媒として、NMP(適量)
<ゲル電解質の形成>
厚さ20μmの不織布をセパレータとして用いる。上記セパレータに、ポリマーとして数平均分子量約8000のPEO系マクロモノマー(PEOとPPOの共重合体)を5wt%、電解液としてEC+PC(1:1)に1.0MのLiBF4を溶解させたものを95wt%、および重合開始剤を2000ppmからなるプレゲル溶液を含浸させて、不活性雰囲気化で光架橋させることによりゲル電解質を形成する。
集電体であるSUS箔(厚さ10μm)の両面に、導電性塗料(厚さ2μm)をコーティングした。導電性塗料は、ポリプロピレン(70wt%)にカーボンブラック(30wt%)を十分に分散させたものを用いた。上記コーティング集電箔の片面に、上記負極スラリーを塗布し乾燥・プレスにより、厚さ15μmの負極を形成した。負極を塗布した上記集電箔の反対面に、上記正極スラリーを塗布し乾燥・プレスにより、厚さ15μmの正極を形成した。以上のように、集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
集電体であるSUS箔(厚さ10μm)の両面に、金めっき(厚さ2μm)を施した。実施例1と同様にして、金めっき集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
集電体であるSUS箔(厚さ10μm)をそのまま用いた。実施例1と同様にして、集電箔の両面に正極と負極を有するバイポーラ電極を形成した。
それぞれの電池において、サイクル試験(1C CC充放電)を行った。いずれの電池も、初回充放電においては全く問題がなく、良好な電池特性を示した。ところが100サイクル、200サイクルとサイクル数が増すにつれ、比較例の電池は容量低下が見られ、500サイクルではそれが顕著に表れた。電池を分解してみると、正極側でのSUSの腐食が見られた。一方、実施例1、実施例2の電池は、500サイクルを超えても初期と同等な容量を維持し、良好なサイクル特性を示した。電池を分解してみても、正極側での腐食は見られなかった。
それぞれの電池において、満充電保存試験を行った。30日後、比較例の電池は電池電圧が著しく低下していた。電池を分解してみると、正極側でのSUSの腐食が見られた。一方、実施例1、実施例2の電池は、30日を超えても電池電圧を維持し、良好な電圧維持率を示した。電池を分解してみても、正極側での腐食は見られなかった。
それぞれの電池において、電池抵抗を測定した。比較例の電池抵抗を100%とすると、実施例1の電池抵抗は95%、実施例2の電池抵抗は90%を示した。
2 集電体、
3 被覆層、
4 正極用活物質層、
5 負極用活物質層、
7 電解質層。
Claims (4)
- 非イオン伝導性で、かつ、電子伝導性を有する層が正極側および負極側に被覆された金属箔を集電体に用いることを特徴とするバイポーラ型リチウムイオン二次電池であって、
前記層の少なくとも一方が、金メッキ層または白金メッキ層である、バイポーラ型リチウムイオン二次電池。 - 前記層の一方が、金メッキ層または白金メッキ層であり、
前記層のもう一方が、非イオン伝導性ポリマーと電子伝導性粒子とを含む層であることを特徴とする請求項1記載のバイポーラ型リチウムイオン二次電池。 - 前記非イオン伝導性ポリマーは、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のバイポーラ型リチウムイオン二次電池。
- 前記電子伝導性粒子は、炭素材料、金属および導電性セラミックよりなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなる粒子であることを特徴とする請求項2または3記載のバイポーラ型リチウムイオン二次電池。
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