JP5434440B2 - 量子もつれ光子対発生装置 - Google Patents

量子もつれ光子対発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5434440B2
JP5434440B2 JP2009227981A JP2009227981A JP5434440B2 JP 5434440 B2 JP5434440 B2 JP 5434440B2 JP 2009227981 A JP2009227981 A JP 2009227981A JP 2009227981 A JP2009227981 A JP 2009227981A JP 5434440 B2 JP5434440 B2 JP 5434440B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization
input
optical
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009227981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011075889A (ja
Inventor
慎 荒平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2009227981A priority Critical patent/JP5434440B2/ja
Priority to US12/923,477 priority patent/US8242435B2/en
Publication of JP2011075889A publication Critical patent/JP2011075889A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5434440B2 publication Critical patent/JP5434440B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/39Non-linear optics for parametric generation or amplification of light, infrared or ultraviolet waves
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/70Photonic quantum communication
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L9/00Cryptographic mechanisms or cryptographic arrangements for secret or secure communications; Network security protocols
    • H04L9/08Key distribution or management, e.g. generation, sharing or updating, of cryptographic keys or passwords
    • H04L9/0816Key establishment, i.e. cryptographic processes or cryptographic protocols whereby a shared secret becomes available to two or more parties, for subsequent use
    • H04L9/0852Quantum cryptography
    • H04L9/0858Details about key distillation or coding, e.g. reconciliation, error correction, privacy amplification, polarisation coding or phase coding

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Security & Cryptography (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は量子もつれ光子対発生装置に関し、例えば、量子暗号、量子コンピュータなど、光子の量子力学的相関を利用した量子情報通信システムに適用し得るものである。
近年、量子暗号、量子コンピュータなど、量子力学レベルでの物理現象を利用した量子情報通信技術が注目を浴びている。中でも量子暗号は、暗号化鍵の安全性が量子力学の原理により保証された究極的に安全な暗号通信システムとして注目を浴びており、特に活発な研究開発がなされている。
量子力学的相関を有する光子対、すなわち、量子もつれ光子対は、光子の非局所性を応用した高度な量子情報通信システムを実現するための重要な要素である。
従来より用いられてきた量子もつれ光子対を発生する手法の一つは、2次非線形光学媒質中での自然パラメトリック下方変換を用いる方法である。
特許文献1には、BBO(β−BaB)結晶を用いた量子もつれ光子対発生装置が記載されている。ここでは、2つのBBO結晶を直列に配置し、その中心に1/2波長板を配置する。これに直線偏波で波長351.1nmの励起光(ポンプ光)を入力する。自然パラメトリック下方変換過程により、それぞれのBBO結晶から、励起光波長の2倍の波長(702.2nm)の相関光子対(シグナル光(信号光)、アイドラー光と呼ばれる)が出力される。励起光強度が十分弱く、これら相関光子対が2つのBBO結晶の両方から同時に発生する確率は低く、どちらか一方から発生するとした場合、この装置から発生する相関光子対の状態は、一方のBBO結晶から発生される相関光子対の状態と、もう一方のBBO結晶から発生される相関光子対の状態との重ねあわせで与えられる。これら2つのBBO結晶から出力される相関光子対は、2つのBBO結晶の間に1/2波長板を配置し、励起光入力端に近い前段のBBO結晶から発生した相関光子対の偏波が装置出力端で90°だけ回転する構成となっているために、偏波直交している。結果、このシステムから、偏波量子もつれ光子対が発生される。
上記と類似な構成で波長700nm−800nm帯の量子もつれ光子対を発生させた例が他にも多く報告されている。
一方、光ファイバの最小吸収損失波長帯である、波長1550nm帯の量子もつれ光子対を発生できれば、既存の商用光ファイバを用いて量子情報通信システムの長距離化が期待でき、産業応用上、特に有用である。
特許文献2には、同じく2次非線形光学媒質の一種である、周期的分極反転LiNbO(Periodically Poled LiNbO、以下、PPLNと略する)導波路を用いた、波長1550nm帯での量子もつれ光子対発生装置が記載されている。ここでは、2つのPPLN導波路と偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いたファイバーループ構造を有している。2つのPPLN導波路は光学軸が直交するように配置されている。PBSを介して波長775nmで45°偏波した励起光(フェムト秒パルス)を入力する。特許文献1の場合と同様に、2つのPPLN導波路から、自然パラメトリック下方変換によって波長1550nmのシグナル光、アイドラー光の相関光子対が発生する。さらにまた、特許文献1の場合と同様に、励起光強度が十分弱く、これら相関光子対が、両方のPPLN導波路から同時に発生せず、どちらか一方から発生すると、この装置から偏波量子もつれ光子対が発生される。
また、非特許文献1には、PBSと単一のPPLN素子を用いた波長1550nm帯量子もつれ光子対発生装置について記載されている。ここでは、PBSとPPLN素子を結ぶ偏波保持光ファイバにおいて、その一箇所で90°光軸変換箇所が設けられている(これはファイバ融着などによって容易に実現できる)。PBSを介して波長776nmで45°偏波した励起光を入力する。PPLN導波路から、自然パラメトリック下方変換によって波長1542nm及び1562nmのシグナル光、アイドラー光の相関光子対が発生する。励起光強度が十分弱い場合、これら相関光子対はループを時計回りに伝播する励起光か、ループを反時計回りに伝播する励起光のどちらか一方からしか発生しないとすると、装置から発生する相関光子対の状態は、ループを時計回りに伝播する相関光子対と、反時計回りに伝播し、時計回り成分とは偏波直交した相関光子対の重ね合わせ状態となる。つまりこの装置から偏波量子もつれ光子対が発生される。
特開2003−228091 特開2005−258232
"Stable source for high quality telecom−band polarization−entangled photon pairs based on a single, pulse−pumped, short PPLN waveguide" H.C.Lim, A.Yoshizawa, H.Tsuchida, and K.Kikuchi, Optics Express, vol.16, No,17, pp.12460−12468, 2008.
従来の技術において、2次非線形光学媒質中での自然パラメトリック下方変換(Spontaneous Parametric Down Conversion、以下、SPDCと略することもある)に基づいてシグナル光、アイドラー光の相関光子対を発生させ、また、それに基づいて量子もつれ光子対発生装置を構成しようとした場合、その装置構成上で、SPDC過程を生じさせる2次非線形光学媒質とともに、発生させるもつれ光子対の波長のおよそ半分の波長の励起光源が必須の構成要素であった。つまり、例えば、光ファイバ通信で利用されるのに適した波長帯である、波長1550nm帯の量子もつれ光子対発生装置を実現しようとした場合、波長775nm帯の励起光源がその構成要素として必須であった。
この場合、下記のような課題がある。
特許文献2や非特許文献1に記載の方法において、量子もつれ光子対発生装置を実現する場合、偏光ビームスプリッタ(PBS)は、波長775nm帯とその2倍波長の波長1550nm帯という、大きく異なる波長帯でともに動作する“特別に設計された”光部品である必要がある。
さらにまた、PBSやPPLN素子、装置外部への光出力のための光ファイバなどの各種光部品の光結合のために、光学レンズなどの光結合部品が必要となるが、これら光学レンズなどもまた、波長775nm帯及び1550nm帯の双方で光結合が得られるような焦点距離の設計など、特殊な部品設計が必要となる。また、反射防止のための無反射コートもその両波長で対応する必要が生じる。
すなわち、従来技術においては、波長がおおよそ2倍異なる励起光、相関光子対の両方で動作する特殊な光部品を用意する必要があった。このことは、装置の作製コストが増加する一因となる。
さらにまた、一般的に言えば、大きく波長の異なる光に対して同等な特性が得られる設計は、その一方にのみ最適化された設計ほどの良好な特性は期待できない。具体的に言えば、例えばPBSにおける偏波消光比や、レンズ系の結合効率などで、一方の波長(例えば1550nm帯)で最適な特性が得られるように用意された設計に比べれば、特性的には劣ることになる。つまりその分、PPLN素子への励起光入力や、相関光子対の出力などにおいて、過剰損失の増加などを犠牲にした装置設計となる。
一方、量子もつれ光子対を用いた量子情報通信システムは、タイムスロット当りの平均光子(対)数が1以下の、ごく微弱光(単一光子(対)、あるいはそれ以下に近い状態)を扱うシステムであり、ゆえにこのような過剰損失等が多く見込まれるシステム構成は、システム性能を阻害し、好ましいものではない。
さらに言えば、例えば1550nm帯の量子もつれ光子対を発生する装置を提供する上で、先に述べた1550nm帯で動作する受動光学部品だけではなく、そこで用いる励起光源などの能動光部品さえも1550nm帯レーザや光増幅器で対応できれば、既存の商用光通信システムで使用されている、信頼性が高く、低価格で、かつ制御性に優れた光部品を用いて装置提供できるため、実用上有用である。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、その目的とする所は、特殊な光部品を用いることなく一般的で簡便な光部品を用いて、余分な過剰損失等の発生なく、高純度な量子もつれ光子対を発生することができる、量子もつれ光子対発生装置を提供することにある。
本発明の量子もつれ光子対発生装置は、(1)偏波保持のループ光路と、(2)第1のループ外光路からの入力励起光を互いに直交する偏波成分である第1の分波励起光と第2の分波励起光とに分岐し、上記第1の分波励起光を上記ループ光路へ時計回りに伝播するように入力すると共に、上記第2の分波励起光を上記ループ光路へ反時計回りに伝播するように入力する励起光分波入力手段と、(3)第1の2次非線形光学媒質と第2の1/2波長板と第2の2次非線形光学媒質とが反時計回りにこの順番に直列接続されて構成され、偏波面が直交する、上記ループ光路を時計回りに伝播する第1の自然パラメトリック下方変換光と、上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第2の自然パラメトリック下方変換光とを生成する光変換生成手段と、(4)偏波面が直交する、上記ループ光路を時計回りに伝播している上記第1の自然パラメトリック下方変換光と、上記ループ光路を反時計回りに伝播している上記第2の自然パラメトリック下方変換光とを偏波面が直交するように合波し、合波光を第2のループ外光路へ出力する変換光合波出力手段と、(5)上記光変換生成手段へ入力される際の上記第1の分波励起光の偏波面と上記第2の分波励起光の偏波面とを揃えることと、上記変換光合波出力手段における上記第2のループ外光路への、上記第1の自然パラメトリック下方変換光と上記第2の自然パラメトリック下方変換光との偏波面が直交する合波出力を実行させることを少なくとも実現させるように、上記第1分波励起光、上記第2分波励起光、上記第1の自然パラメトリック下方変換光及び上記第2の自然パラメトリック下方変換光のうち、少なくとも一つ以上の光について偏波方向を操作する、上記ループ光路に介在された偏波面操作手段とを備え、(6)上記第1の2次非線形光学媒質は、上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第2の分波励起光に対する第1の光第2高調波を発生させ、かつ、上記第2の2次非線形光学媒質が発生する上記ループ光路の時計回りに伝播する第2の光第2高調波に対する自然パラメトリック下方変換によって時計回りに伝播する上記第1の自然パラメトリック下方変換光を発生させ、(7)上記第2の2次非線形光学媒質は、上記ループ光路を時計回りに伝播する上記第1の分波励起光に対する上記第2の光第2高調波を発生させ、かつ、上記第1の2次非線
形光学媒質が発生する上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第1の光第2高調波に対する自然パラメトリック下方変換によって反時計回りに伝播する上記第2の自然パラメトリック下方変換光を発生させ、(8)上記第2の1/2波長板は、上記第1又は第2の2次非線形光学媒質の一方から出力され、上記第1又は第2の2次非線形光学媒質の他方へ入力される上記第1又は第2の分波励起光の偏波面を90°だけ回転させて出力し、(9)上記第1及び第2の光第2高調波と、上記第1及び第2の自然パラメトリック下方変換光とが、上記ループ光路中に配置された上記第1又は第2の2次非線形光学媒質中において生成することを特徴とする。
本発明の量子もつれ光子対発生装置によれば、特殊な光部品を用いることなく一般的で簡便な光部品を用いて、余分な過剰損失等の発生なく、高純度な量子もつれ光子対を発生することができる。
第1の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図である。 図1の偏波分離合成モジュールの第3入出力端からの励起光の偏波方向と、第1の1/2波長板の光軸方向との関係を示す説明図である。 図1の光変換生成部の各構成要素における光軸方向の説明図である。 図1の偏波分離合成モジュールの各入出力端と、各光の入出力関係を模式的に示した説明図である。 第1の実施形態に係る変形実施形態(1)の構成を示す構成要素の配置図である。 第1の実施形態に係る変形実施形態(2)の構成を示す構成要素の配置図である。 図1の光変換生成部に置き換わる他の光変換生成部の構成例を示す説明図である。 第2の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図である。 図8の非相反偏波面変換部における構成要素の光学軸方向の関係を示す説明図である。 第2の実施形態における、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュールの入出力端を示す説明図である。 第3の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図である。 図11の第4の1/2波長板、1/4波長板、第5の1/2波長板の光学軸方向の説明図である。 第3の実施形態における、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュールの入出力端を示す説明図である。 第4の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図である。 第4の実施形態における、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュールの入出力端を示す説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による量子もつれ光子対発生装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図である。
図1において、第1の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10は、偏波分離合成モジュール101と、その2つの入出力端とを含んで構成されるサニャツク干渉計型の光ループLPと、この光ループLPの光路上に設置された、第1の1/2波長板104と光変換生成部100とを少なくとも備えている。光変換生成部100は、第1の2次非線形光学媒質102、第2の1/2波長板105、第2の2次非線形光学媒質103とで構成されている。第1の1/2波長板104は、光変換生成部100と偏波分離合成モジュール101の一方の入出力端(図1の例では第3入出力端101−3)を結ぶ光路上に設置されている。また、第2の1/2波長板105は、第1及び第2の2次非線形光学媒質102、103の間に設置されている。
さらにまた、第1の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10は、励起光を上記光ループLPの光路中に入力し、また、上記光ループLPから出力される所望とする量子もつれ光子対波長成分のみを選択的に抽出して出力するための光入出力用光部品として、光サーキュレータ106、光ローパスフィルタ107及びWDM(波長分割多重化;wavelength division multiplexing)フィルタ108を備えている。
この光ループLPは、偏波保持光学系で構成されるのが望ましい。そのために、光ループLPを構成する偏波分離合成モジュール101、第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103、第1及び第2の1/2波長板104及び105の光学軸の関係は、後述するような特別の配慮を持って構成されている。
また、この光ループLPは、各光学部品を光結合レンズのみを用いて空間的に結合することで実現しても良く(すなわち、光ファイバを利用しないで実現しても良く)、また、偏波保持光ファイバが結合されて光モジュールとして提供されているものを用いて構成しても良い。また、偏波保持光ファイバではなく、通常の偏波保持性を有しない光ファイバが結合されている光モジュールを用いた場合でも、適宜偏波面コントローラなどの付加光部品を用いることで、擬似的に偏波保持光学系を構成することでも実現できる。
ここで、入力励起光波長をλpであるとする。この波長λpは、所望する量子もつれ光子対波長の近傍の波長とする。すなわち、所望する量子もつれ光子対波長帯が1550nmであるならば、λpは1550nm近傍の値である。
λs、λiを、所望する量子もつれ光子対のシグナル光、アイドラー光の波長とすると、入力励起光、シグナル光、アイドラー光の波長λp、λs、λiは、(1)式のエネルギー保存則に相当する関係を満足する(但し、λp、λs、λiはいずれも真空中での波長である)。
Figure 0005434440
偏波分離合成モジュール101は、光サーキュレータ106の第2出力端106−2と結合する第1入出力端101−1と、第1入出力端101−1に対向する側に備えられた、第2の2次非線形光学媒質103の一端を結合する第2入出力端101−2と、第1の1/2波長板104の一端を結合する第3入出力端101−3と、第3入出力端101−3に対向する側に備えられた第4入出力端104−4を備えている。なお、第4入出力端104−4は、この第1の実施形態及び後述する第3の実施形態において、そこからの光の入出力を行うことはないので、例えば、光ファイバピグテール、光コネクタなどの光信号の入出力インターフェイスのための光部品を接続する必要はない。その場合において、第4入出力端104−4は、後に詳細に述べる詳細な動作原理の説明のために専ら便宜上設けているだけのものであり、それ自体は第1及び第3の実施形態における必須構成要素ではない。但し、後述する第2及び第4の実施形態においては、後に詳細に述べるように必須構成要素である。
光サーキュレータ106は、波長λpの入力励起光を入力するための第1入力端106−1と、第1入力端106−1からの入力光を出力し偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1と結合する第2入出力端106−2と、第2入出力端106−2からの入力光を出力する第3入出力端106−3とを備えている。
偏波分離合成モジュール101及び光サーキュレータ106としては、波長λp近傍(λs、λiを含む)でそれぞれ所望の動作を保証できるものを用いれば良い。すなわち、その半波長(λp/2)での動作は担保される必要はない。すなわち、波長λpが1550nm近傍であれば、1550nm帯用の偏波分離合成モジュール、光サーキュレータとして一般的に市販されている光部品で良く、特許文献2や非特許文献1で述べているような、λp、λp/2の両波長で動作するような“特殊な”偏波分離合成モジュール等である必要はない。
また、以下の説明の便宜のために、偏波分離合成モジュール101へ波長λpの光が入射する場合、入射光の偏波分離合成モジュールの偏波面選択反射面に対する電場ベクトルの振動方向に対応する成分を次のように定義する。すなわち、偏波面選択反射面へ入射する入射光の入射面に平行な方向に電場ベクトルが振動する成分をp成分、入射光の入射面に垂直な方向に電場ベクトルが振動する成分をs成分と呼ぶこととする。
そして、偏波分離合成モジュール101においては、第1入出力端101−1から入力されたp偏波成分は、第2入出力端101−2に出力され、第1入出力端101−1から入力されたs偏波成分は、第3入出力端101−3に出力される。また、第2入出力端101−2から入力されたp偏波成分は、第1入出力端101−1に出力され、第3入出力端101−3から入力されたs偏波成分は、第1入出力端101−1に出力される。
なお、偏波分離合成モジュール101としては、例えば、市販されている偏光ビームスプリッタの中から好適なものを選んで利用することができる。あるいはまた、上記の説明で想定している薄膜を用いたタイプの偏光ビームスプリッタに限定されず、偏波分離合成モジュール101は、複屈折結晶を用いたいわゆる偏光プリズムを用いたものであっても良い。
波長λpの入力励起光は、光サーキュレータ106の第1入出力端106−1に入力され、第2入出力端106−2から出力され、その後、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へと入力され、p偏波成分、s偏波成分に分離され、それぞれ偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2、第3入出力端101−3へと出力される。
第1の実施形態において、上記の偏波分離された入力励起光のp偏波成分とs偏波成分は、後に述べる理由によって同じ光強度でなければならない。そのために、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ入力されるときの励起光は、p偏波成分強度とs偏波成分強度の強度比が1:1であるように偏波調整されていなければならない。このように用意された入力励起光を、この明細書においては「45°偏波の励起光」と呼ぶ。このような励起光を用意するには、例えば、光サーキュレータ106の第1入出力端106−1の事前に偏波面コントローラを用意し、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ入力されるときの励起光の偏波状態を、偏波分離合成モジュール101におけるs偏波方向から45°だけ傾いた直線偏波となるように調整すれば良い。
第1及び第2の1/2波長板104及び105はそれぞれ、波長λpの光に対して、その直交光軸間での光位相差がπとなる、いわゆる1/2波長板として動作するものである。この明細書においては、以後、特に断りのない限り、「1/n波長板」(n=2,3,4,…)と呼んだ場合の波長(λ)は励起光波長λpのことを指す。
第1の1/2波長板104の光軸方向は、図2に示すように用意されている。すなわち、偏波分離合成モジュール101において、第3入出力端101−3から出力された入力励起光の偏波方向(s偏波)に対して、光軸方向が45°だけ回転している。すなわち、第3入出力端101−3から出力された入力励起光は、第1の1/2波長板104を通過した後、偏波方向が90°だけ回転してp偏波方向に一致するものとなる。そして、このp偏波方向は、後に詳細に述べるように、第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103の特定の光学軸方向(第1の実施形態で説明する例では、z光軸方向)と合致するように、各光学部品は配置されている。
第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103はそれぞれ、PPLNなどの2次非線形光学効果を有する非線形光学媒質である。それぞれの2次非線形光学媒質は、波長λpの入力励起光を入力すると、その半分の波長(λp/2)の光第2高調波(Second harmonic generation光、以下、SHG光と略する)を発生する。この明細書では、後の便宜のため、このSHG光を、中間SHG光と呼ぶこともある。
さらにまた、これら2つの2次非線形光学媒質102、103は、それぞれ一方の2次非線形光学媒質から発生された上記中間SHG光を受け入れて、このSHG光を種光としたSPDC過程により、波長λsのシグナル光及び波長λiのアイドラー光の相関光子対を発生する。
以下に述べる第1の実施形態の動作の説明においては、簡便のために、2つの2次非線形光学媒質102、103に入出力する、入力励起光とそれによって発生する中間SHG光は、同一偏波方向の直線偏波であるとする。また同じく、中間SHG光とそれによって発生する本件で所望するシグナル光、アイドラー光のSPDC相関光子対もまた、同一偏波方向の直線偏波であるとする。このようなことは、例えば、2次非線形光学媒質としてPPLNを用いた場合、PPLNの2次非線形光学定数のd33成分を、SHG発生、SPDC発生に利用し、そのために、中間SHG光発生のためにPPLN結晶に入力する入力励起光、及びSPDC相関光子対発生のためにPPLN結晶に入力する中間SHG光をz軸方向に偏波する直線偏波とし、結果、PPLN結晶から出力される所望するシグナル光、アイドラー光もまたz軸方向に偏波する直線偏波とすることで実現できる。
上述の例に従えば、光変換生成部100を構成する、第1の2次非線形光学媒質102、第2の2次非線形光学媒質103、並びに、その間に配置された第2の1/2波長板105の光軸方向は、図3に示すように用意される。すなわち、偏波分離合成モジュール101において、第2入出力端101−2から出力された入力励起光の偏波方向(p偏波)に対して、第1の2次非線形光学媒質102及び第2の2次非線形光学媒質103のz光軸方向が一致している。一方、第2の1/2波長板105の光軸方向は、これから45°だけ回転している。よって、今、一方の2次非線形光学媒質から、入力励起光、後述する本件で必要とはしない過渡的なシグナル光、アイドラー光がz軸方向の偏波で出力された場合、これらの光は、第2の1/2波長板105にて、それと偏波直交した(すなわち、s偏波)直線偏波へと変換されて、もう一方の2次非線形光学媒質へと入力されることになる。
光ローパスフィルタ107は、光サーキュレータ106の第3入出力端106−3からの出力光のうち、第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103で発生した中間SHG光の波長成分(λp/2)を除去する。光ローパスフィルタ107の通過光の波長成分は、後に詳細に説明する理由により、第1の実施形態においては、理想的にはシグナル光波長成分(λs)、アイドラー波長成分(λi)のみであり、励起光波長成分(λp)は含まれない。
WDMフィルタ108は、光ローパスフィルタ107の通過光のうち、少なくともシグナル光波長成分(λs)、アイドラー光波長成分(λi)を別々の光経路に切り分けて出力する。このようなWDMフィルタ108としては、少なくともシグナル光波長(λs)、アイドラー光波長(λi)を透過波長成分として有する、いわゆるAWG型のWDMフィルタなどを用いることができる。
WDMフィルタ108を通過したシグナル光波長成分、アイドラー光波長成分は、光ファイバ通信網などの光伝送路を通過した後、それぞれ受信者A、受信者Bに送信される。受信者A、Bは同時計測などを実行することで、所望とする量子情報通信技術に基づく情報伝達などを実行する。
(A−2)第1の実施形態の動作
以下では、第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103としてPPLN結晶を適用し、その2次非線形光学定数のうちd33成分をSHG発生、SPDC発生に利用するとして、第1の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10の動作を説明する。
偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2及び第3入出力端101−3から、それぞれp偏波、s偏波で、同じ強度の励起光(波長λp)が出力される。p偏波方向と、PPLN結晶のz軸方向が一致するように、第1の2次非線形光学媒質102であるPPLN結晶を配置する。また同じく、p偏波方向と、PPLN結晶のz軸方向が一致するように、第2の2次非線形光学媒質103であるPPLN結晶を配置する。
まず、光ループLPを時計回りに伝播する励起光(偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2からp偏波光として出力される励起光成分)によって生じる過程を考える。
この励起光が入力することで、第2の2次非線形光学媒質103において中間SHG光が発生する。また、この中間SHG光を種光としたSPDC過程により、同じPPLN結晶(第2の2次非線形光学媒質103)内で、所望しない過渡的なシグナル光、アイドラー光の相関光子対が発生する場合もある。
第2の2次非線形光学媒質103から出力される光は、入力励起光、中間SHG光、所望しない過渡的なシグナル光、アイドラー光である。これらの光は全て、PPLN結晶のz軸光軸方向と一致したp偏波光である。
第2の2次非線形光学媒質103からの出力光は、次に、第2の1/2波長板105を通過する。この際、波長がλp近傍である励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光は、偏波が90°だけ回転してs偏波となって、第1の2次非線形光学媒質102へ入力される。
一方、波長がλp/2である中間SHG光に対しては、第2の1/2波長板105は単に一波長分の位相差を与えるだけなので、偏波回転は生じない。ゆえに、中間SHG光はp偏波のままで第1の2次非線形光学媒質102へ入力される。
次に、第1の2次非線形光学媒質102においては、入力される励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光はs偏波であるため、それらによる新たなSHG光は発生しない。その結果、それらによるSPDC過程による第2、第3の過渡的なシグナル光、アイドラー光の光子対もまた発生しない。
一方、中間SHG光はp偏波で第1の2次非線形光学媒質102へ入力されるため、SPDC過程による新規なシグナル光、アイドラー光が発生する。このシグナル光、アイドラー光の光子対が、所望する相関光子対となる。
その結果、第1の2次非線形光学媒質102から出力される光は、その偏波状態において2組に分けて考えられる。すなわち、一組は、入力励起光、第2の2次非線形光学媒質103で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光であり、これらはs偏波である。また、もう一組は、中間SHG光、第1の2次非線形光学媒質102で生じた所望するシグナル光、アイドラー光であり、これらはp偏波である。
次に、これらの光は、第1の1/2波長板104を通過する。その結果、中間SHG光以外は90°だけ偏波回転した後、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3に入力される。
そして、入力励起光、第2の2次非線形光学媒質103で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光はp偏波で入力されるため、偏波分離合成モジュール101のこの第1の実施形態では実用に供していない第4入出力端101−4に出力される。一方、第1の2次非線形光学媒質102で生じた所望するシグナル光、アイドラー光はs偏波で入力されるため、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1に出力される。ここであえて言えば、偏波分離合成モジュール101の波長依存性が無視できるならば、中間SHG光はp偏波で入力されるために、偏波分離合成モジュール101の第1の実施形態では実用に供しない第4入出力端101−4に出力される。
つまり、光ループLPを時計回りに伝播する励起光によって、この光ループLPからは、s偏波であるシグナル光、アイドラー光の所望する相関光子対が偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力され、一方、入力励起光、第2の2次非線形光学媒質103で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光は偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4へ出力される。
次に、光ループLPを反時計回りに伝播する励起光(偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3からs偏波光として出力される励起光成分)によって生じる過程を考える。
励起光はまず、第1の1/2波長板104を通過することで90°だけ偏波回転が生じ、p偏波となる。
この励起光が入力することで、上述した時計回りの励起光の場合と同様に、第1の2次非線形光学媒質102において、中間SHG光、SPDC過程による所望しない過渡的なシグナル光、アイドラー光の相関光子対が発生する。
第1の2次非線形光学媒質102から出力される、入力励起光、中間SHG光、所望しない過渡的なシグナル光、アイドラー光は、やはりp偏波光である。
これら第1の2次非線形光学媒質102からの出力光は、次に、第2の1/2波長板105を通過し、時計回りの場合と同様に、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光はs偏波、中間SHG光はp偏波となって、第2の2次非線形光学媒質103へ入力される。
第2の2次非線形光学媒質103においては、上述したと同様に、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光による新たなSHG光、並びに、SPDC過程による新規の過渡的なシグナル光、アイドラー光は発生しない。
一方、中間SHG光による、SPDC過程による新規シグナル光、アイドラー光の光子対は発生する。このシグナル光、アイドラー光の光子対が所望する相関光子対となる。
その結果、第2の2次非線形光学媒質103からは、s偏波である、入力励起光、第1の2次非線形光学媒質102で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光、並びに、p偏波である、中間SHG光、第2の2次非線形光学媒質103で生じた所望するシグナル光、アイドラー光が出力される。
これらの光は、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2に入力される。
そして、入力励起光、第1の2次非線形光学媒質102で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光はs偏波で入力されるため、偏波分離合成モジュール101の第1の実施形態では実用に供しない第4入出力端101−4に出力される。一方、第2の2次非線形光学媒質103で生じた所望するシグナル光、アイドラー光はp偏波で入力されるため、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1に出力される。ここであえて言えば、偏波分離合成モジュール101の波長依存性が無視できるならば、中間SHG光もp偏波で入力されるために、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1に出力される。
つまり、光ループLPを反時計回りに伝播する励起光によって、この光ループLPからは、p偏波であるシグナル光、アイドラー光の所望する相関光子対、並びに、第1の2次非線形光学媒質102で生じた中間SHG光が偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力され、一方、入力励起光、第1の2次非線形光学媒質102で生じた過渡的なシグナル光、アイドラー光は偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4へ出力される。
非特許文献1と同じように、励起光強度が十分弱い場合、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力される、シグナル光とアイドラー光の相関光子対は、光ループLPを時計回りに伝播する励起光によって発生したs偏波の相関光子対、光ループLPを反時計回りに伝播する励起光によって発生したp偏波の相関光子対となる。すなわち、装置から発生する相関光子対の状態は、光ループLPを時計回りに伝播する相関光子対と、反時計回りに伝播し、時計回り成分とは偏波直交した相関光子対の重ね合わせ状態となる。つまりこの装置から偏波量子もつれ光子対が発生される。
図4は、上述した、偏波分離合成モジュール101の各入出力端と、各光の入出力関係を模式的に示した説明図である。図4(A)は、偏波分離合成モジュール101として、薄膜101Rを用いたタイプの偏光ビームスプリッタを用いた場合の模式図であり、図4(B)は、偏波分離合成モジュール101として、複屈折結晶を用いたいわゆる偏光プリズムを用いた場合の模式図である。第1の実施形態では、偏光ビームスプリッタ及び偏光プリズムのいずれを用いても良い。
図4に示すように、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1からは、所望の偏波もつれ光子対成分(シグナル光、アイドラー光)及び光ループを反時計回りに伝播した励起光によって発生した中間SHG光成分が出力される。一方、強い入力励起光成分、時計回りの中間SHG光成分、並びに、過渡的に発生したシグナル光成分、アイドラー光成分は、原理的には偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4へ出力される。
すなわち、所望の偏波もつれ光子対が出力される入出力端(偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1)からは、光強度が強く、またもつれ光子対と波長が近傍した、入力励起光成分、並びに、不要な過渡的なシグナル光・アイドラー光は、理想的には出力されない。
偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1からの出力光は、光サーキュレータ106の第2入出力端106−2に入力され、第3入出力端106−3に出力される。但し、ここでは、光サーキュレータ106の波長依存性を取りあえず無視する。
光サーキュレータ106の第3入出力端106−3からの出力光は、まず、光ローパスフィルタ107を通過することにより、波長λp/2のSHG光成分(反時計回りに伝播した励起光によって発生した中間SHG光成分)が除去される。
次に、WDMフィルタ108によって、シグナル光波長成分(λs)、アイドラー光波長成分(λi)を別々の光経路に切り分けて出力する。このようなWDMフィルタ108としては、少なくともシグナル光波長(λs)、アイドラー光波長(λi)を透過波長成分として有する、いわゆるAWG型のWDMフィルタなどを用いることができる。WDMフィルタ108を通過したシグナル光波長成分、アイドラー光波長成分は、光ファイバ通信網などの光伝送路を通過した後、それぞれ受信者A、受信者Bに送信される。受信者A、Bは同時計測などを実行することで、所望とする量子情報通信技術に基づく情報伝達などを実行する。
以上のように、第1の実施形態においては、SPDC過程の種光となる、波長λp/2の(中間)SHG光は、偏波分離合成モジュール101の構成する光ループLPの外部から供給することなく、光ループLP中に配置された2次非線形光学媒質102ないしは103内で自律的に生成される。そして、この中間SHG光は、2つの2次非線形光学媒質102、103及び第2の1/2波長板105で構成する光路部分以外では不要な光成分である。すなわち、上述した光路以外では、それを損失なく伝播させたり、あるいは、光部品に光学的に接続させたりする必要がない。その結果、偏波分離合成モジュール101や光サーキュレータ106などは、波長λp近傍で所望の動作をするもので良く、波長λp/2で動作する必要がないため、従来技術のような特殊な光部品を用いる必要がない。この点は、2次非線形光学媒質へ励起光を入力するためのレンズ系などの結合光学系に関しても言え、すなわち、波長λp/2及びλpの双方で動作する結合系である必要はなく、λpでのみ動作する結合系で良い。その結果、装置作製コストが低下すると共に、過剰な光損失などを低減でき、より高純度な量子もつれ状態を実現することができる。
さらに言えば、波長λp/2の中間SHG光は、2つの2次非線形光学媒質内以外では不要な光成分であるため、偏波分離合成モジュール101や結合レンズ系で多大な光損失を受けてもなんら問題はなく、むしろその場合、後段の光ローパスフィルタ107で必要とされるSHG光成分除去のためのフィルタ透過特性への負荷が小さくなり、望ましい。
さらにまた、第1の実施形態においては、所望する量子もつれ光子対が光ループLP外へ出力される光出力端(偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1)からは、所望する量子もつれ光子対と波長近傍し、かつ、所望する量子もつれ光子対と同等あるいはそれ以上の光強度を有する、入力励起光成分や過渡的なシグナル光、アイドラー光といった光成分が、原理的には出力されることがない。
ゆえに、所望する量子もつれ光子対の出力端に、光強度の強い入力励起光成分の漏れ光成分が混在することがないため、所望する量子もつれ光子対の波長が入力励起光波長に十分近い場合でも動作させることができる。原理的に言えば、同一とすることもできる(すなわち、λs=λi=λp)。
このことは、発生する量子もつれ光子対の有する全波長帯域をより有効に活用するという点で、実用上有用である。特に、波長が同じ相関光子対(すなわち、λs=λi)であるとき、波長に関しても光子の識別不可能性が生じ、これも高度な量子情報通信技術にとって望ましい。また、量子もつれ光子対の有する全波長帯域を狭くするような構造上の工夫を施した2次非線形光学媒質を用いて、単位波長辺りのもつれ光子対発生効率が高い、高効率量子もつれ光子対発生などにも有用となる。
第1及び第2の2次非線形光学媒質102及び103としては、所望の量子もつれ光子対の波長に応じて、LiNbO結晶やPPLN結晶などのバルク結晶や、それに光導波路構造を作りこんだPPLN導波路など様々な2次非線形光学媒質を利用できる。波長1.5ミクロン帯の量子もつれ光子対発生装置を考えた場合、上記特許文献2や非特許文献1で用いられているLiNbO結晶は、その代表的な例である。
一方、第1の実施形態を実行するに当たっては、2次非線形光学媒質102、103内でのSHG発生とSPDC発生を高効率に実行することが、特に産業応用上重要である。そのためにはSHG発生過程とSPDC発生過程のそれぞれにおける、入力励起光とSHG光との位相整合条件、さらにはSHG光とシグナル光、アイドラー光との位相整合条件が重要である。
バルク結晶を用いた場合、角度整合を用いた位相整合を用いるのが一般的であるが、この場合、特許文献1などにも示されるように、シグナル光とアイドラー光との空間的分離により、量子もつれ状態の純度が劣化するのが問題となる。
一方、強誘電体の周期的分極反転構造など、2次非線形光学係数が空間的に変調された構造を用いると、角度整合に依らず擬似的な位相整合条件を実現することができるメリットがある。
さらにまた、光導波路構造を作り込んだ2次非線形光学媒質では、上述のような空間分離の問題を改善できると共に、強い光閉じ込めによる実効的な2次非線形光学係数の増加により、SHG発生、SPDC発生確率を増加できるメリットがある。
上述の理由から、第1の実施形態が意図している、波長1.5ミクロン帯の量子もつれ光子対発生装置を構成する2次非線形光学媒質102、103としては、PPLN導波路がその最適な一例である。
PPLN導波路におけるSHG発生過程、SPDC発生過程におけるエネルギー保存則、運動量保存則(すなわち、位相整合条件)は(2)式〜(5)式のようになる。波数及び波長は、PPLN導波路内での実効屈折率nを介して(6)式の関係がある。
Figure 0005434440
(2)式及び(4)式はエネルギー保存則に基づく各光成分の波長の関係を表している。すなわち、SHG光は入力励起光の半分の波長であり、また、このSHG光を種光として生成するシグナル光、アイドラー光の光周波数(=c/λ、cは真空中での光速)の和は、SHG光の光周波数に等しく、同時にまた入力励起光の光周波数の半分に等しいことを意味する。
(3)式及び(5)式が位相整合に関わる式である。励起光波長λpと、PPLN導波路形状から実効屈折率n、nSHGが決定されれば、(3)式及び(6)式に基づいて分極反転周期Λが決定される。
シグナル光、アイドラー光の波長が異なるとした場合(λs≠λp、λi≠λp)、一般に(3)式及び(5)式は両立しない。つまり、SHG過程とSPDC過程の位相整合条件は一般には両立しない。
よく知られた非線形光学効果を記述する結合モード方程式の解から、位相不整合の場合、発生確率は{sin(δL/2)}/(δL/2)に比例して低下していくと考えられる。ここで、δは(7)式で表されるSPDC過程における位相不整合量、LはPPLN導波路長である。
Figure 0005434440
発生確率の低下が最大値(位相整合下の値)の50%までを、仮に許容不整合量と仮定すると、{sin(δL/2)}/(δL/2)=0.5から≒2.78となる。これがSPDC過程において生じる相関光子対の波長帯域を制限する。すなわち、相関光子対として発生するシグナル光及びアイドラー光の波長範囲を決定する。
また、実効屈折率の波長変化が励起光波長近傍でほぼ線形である場合、すなわち励起光波長近傍での実効屈折率が(8)式で表される範囲では、(4)式、(6)式及び(8)式を用いて、(9)式が得られ、すなわち、この範囲で位相整合条件の(3)式及び(5)式は両立する。
Figure 0005434440
以上の検討から、第1の実施形態の量子もつれ光子対発生装置10を実現するためには、まず、SHG発生の位相整合条件である(3)式を満足するようにPPLN導波路の分極反転周期Λを決定すれば良いことが分かる。その結果、(5)式で示すSPDC発生過程における位相整合を満足するか、少なくとも許容範囲のうちの位相不整合量内にある波長組み合わせ(λs、λi)の相関光子対がSPDC過程に基づいて発生し、その結果、所望する量子もつれ光子対が発生できるものと期待できる。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態の量子もつれ光子対発生装置10によれば、以下の効果を奏することが期待できる。
すなわち、従来技術と異なり、SPDC過程の種光となる波長λp/2のSHG光を、偏波分離合成モジュール101の形成する光ループLPの光路外部から供給することなく、光ループLPの光路中に配置された2つの2次非線形光学媒質102、103自身で発生させる。ここで発生させたSHG光は、2次非線形光学媒質102、103以外の光部品で不要な成分であり、すなわち、その他の装置構成部品において、それを損失なく伝播させたり、あるいは、光部品に光学的に接続させたりする必要がない。その結果、装置を構成する、偏波分離合成モジュール、結合レンズなどの光学部品において、波長λp、λp/2での両方で動作する特殊な光部品を用いる必要がない。また、所望する量子もつれ光子対の出力端において、当該量子もつれ光子対と波長が近傍し、かつ、当該量子もつれ光子対と光強度が同程度あるいはより強い、入力励起光などの不要な光成分が、原理的には混在して出力されることがない。その結果、装置作製コストが低下すると共に、過剰な光損失などを低減できる。また、使用するもつれ光子対の波長帯域を広くとったり、狭くとったりといった、より柔軟な装置設計にも対応でき、かつ高純度な量子もつれ状態を生成できる、量子もつれ光子対発生装置を提供することができる。
(A−4)第1の実施形態の変形実施形態
第1の実施形態に対し、励起光や量子もつれ光子対の入出力形態を変形した実施形態を種々上げることができる。
図5は、光サーキュレータを用いない構成の変形実施形態を示しており、図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図5に示す量子もつれ光子対発生装置10Aにおいては、WDMフィルタ108としてAWGを用いている。AWG108として、少なくともシグナル光波長(λs)、アイドラー光波長(λi)、及び、励起光波長(λp)の3波長を透過波長成分として有するAWGを用いる。
AWG108においては、その透過波長に相当する波長の光を入力する、複数の透過光入出力ポートと、それぞれの透過光入出力ポートに入力された光を合波出力する共通入出力ポートを有する。逆に、共通入出力ポートに入力された光は、それぞれの波長に応じて分波され、それぞれの透過波長に相当する透過光入出力ポートへ分波出力される。
AWG108の上述した特性を利用して下記のような構成をとる。すなわち、励起光波長に相当する透過光入出力ポートへ励起光を入力し、共通入出力ポートからの出力光を偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ入力し、図1に示した第1の実施形態と同様にして2次非線形光学媒質102、103へ入力する。
偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力される、光ループLPからの出力光は、AWG108の共通入出力ポートへ入力され、シグナル光、アイドラー光がそれぞれ対応する透過光入出力ポートへ出力される。さらに、中間SHG波長成分を除去するために、必要であればシグナル光、アイドラー光の透過光入出力ポートに光ローパスフィルタ107−s、107−iを接続して、SHG光波長成分を除去する。
図6は、光サーキュレータを用いない構成の他の変形実施形態を示しており、図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図6に示す量子もつれ光子対発生装置10Bにおいては、波長λpの波長成分のみを選択的に透過(あるいは反射)する狭帯域な光バンドパスフィルタ110を用いる。ここで、シグナル光及びアイドラー光の波長は、光バンドパスフィルタ110の透過(又は反射)帯域に掛からないように、励起光波長λpから十分離れているものとする。
図6では、反射型光バンドパスフィルタ110を示している。光バンドパスフィルタ110の反射特性を利用して、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ波長λpの励起光を入力する。偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力される、光ループLPからの出力光のうち、励起光波長成分は、仮に残存成分があっても反射型光バンドパスフィルタ110で反射され、その透過ポートへは出力されない。この段階で励起光波長成分は除去される。さらに、中間SHG波長成分を除去するために、光ローパスフィルタ107を接続して、中間SHG光波長分を除去する。その後、WDMフィルタ108に接続して、シグナル光、アイドラー光をそれぞれ分離出力する。
図7は、光変換生成部の第1の実施形態以外の構成例を示す説明図である。図1に示した第1の実施形態では、光変換生成部100は、個別部品の第1の2次非線形光学媒質102、第2の1/2波長板105、第2の2次非線形光学媒質103が直列的に配置されて構成されるものであった。図7に示す光変換生成部100Cは、各構成要素を、同一結晶基板上に一括形成したものである。この一括形成構造は、下記の参照文献の300ページの図7に示される、集積化偏波無依存QPM−DFG波長変換デバイスの素子構造とほぼ類似の構造である。
参照文献:宮澤信太郎・粟村直 監修、「分極反転デバイスの基礎と応用」、平成17年6月8日第1版第1刷発行、発行元(株)オプトロニクス社
図7に示す光変換生成部100Cの構造の実現においては、まず、単一のLiNbO基板上に、分極反転構造(図7(B)参照)と導波路構造(図7(A)参照)を形成し、PPLN導波路を形成する。その後、導波路の中心部に第2の1/2波長板105を埋め込む。第2の1/2波長板105を挟んだ一方のPPLN導波路部分が、第1の2次非線形光学媒質102と同様な機能を発揮する第1の2次非線形光学媒質部102Cとなっており、他方のPPLN導波路部分が、第2の2次非線形光学媒質103と同様な機能を発揮する第2の2次非線形光学媒質部103Cとなっている。
導波路構造としては、参照文献に記載されているように、TE、TM両偏波とも導波するZn拡散導波路を用いても良いが、この変形実施形態の場合、プロトン交換導波路のような、一方の偏波(この場合、TM偏波)に対してのみ導波路として機能し、それと直交する偏波(TE偏波)に対しては導波路として機能せず、むしろ大きな挿入損失を生じさせるような導波路とした方が、むしろ効果が大きい。
すなわち、この場合、この変形実施形態のp偏波方向とTM偏波方向が合致するが、このとき、一段目の2次非線形光学媒質から出力される入力励起光、並びに、過渡的なシグナル光、アイドラー光は、二段目の2次非線形光学媒質をTE偏波として伝播することにより、大きな伝播損失を受けることになるためである。すなわち、これらの光は、二段目の2次非線形光学媒質で大きな伝播損失を受けた上に、偏波分離合成モジュール101にて所望する量子もつれ光子対と偏波分離されるため、所望する量子もつれ光子対を出力する出力端(偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1)において、より大きな入力励起光、並びに、過渡的なシグナル光、アイドラー光の削減効果を得ることができる。
なお、以上までの説明では、入力励起光、入力励起光によって発生する中間SHG光、中間SHGによって発生するSPDC相関光子対の偏波方向が同一であるとして説明を行った。
しかし、一方、入力励起光、中間SHG光、SPDC相関光子対の偏波方向が同一でない場合においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることはできる。例えば、PPLNの2次非線形光学定数のd31成分を利用した場合、第1の1/2波長板104の配置箇所を、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2に近い側とすることで、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による量子もつれ光子対発生装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図8は、第2の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
第2の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Dは、第1の実施形態で述べた動作を基本とし、入力励起光と所望する量子もつれ光子対とを、偏波分離合成モジュールの異なる入出力端を介してそれぞれ入出力するものである。
図8において、第2の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Dは、第1の実施形態で用いた第1の1/2波長板104に代えて、ファラデー回転子と1/2波長板とからなる2組の非相反偏波面変換部(光学部品のペア)211、212を用いている。各非相反偏波面変換部211、212は、光ループLPの光路上で、第1の2次非線形光学媒質102、第2の1/2波長板105、第2の2次非線形光学媒質103とで構成される光変換生成部100を前後に挟んで配置される。なお、第1の実施形態で用いた光サーキュレータ106は、この第2の実施形態では使用されていない。
符号207、209を付した構成要素はそれぞれ、波長λpの励起光に対して45°だけ偏波回転させる第1、第2のファラデー回転子であり、符号208、210を付した構成要素はそれぞれ、第1の実施形態で用いた第1の1/2波長板104と同様に、波長λpの光に対していわゆる1/2波長板として動作する、第3、第4の1/2波長板である。
第1のファラデー回転子207と第3の1/2波長板208のペアで第1の非相反偏波面変換部211が構成され、同様に、第2のファラデー回転子209と第4の1/2波長板2のペアで第2の非相反偏波面変換部212が構成されている。第1及び第2の非相反偏波面変換部211及び212は同様なものである。
各非相反偏波面変換部211、212における構成要素の光学軸方向の関係は、図9に示すように調整されている。なお、図9は、第1の非相反偏波面変換部211における構成要素の光学軸方向の関係を示しているが、第2の非相反偏波面変換部212においても同様である。
第1の非相反偏波面変換部211において、第1のファラデー回転子207側あるいは第3の1/2波長板208側から、ある特定の偏波方向の直線偏波の励起光が入力する。動作の項で詳述するが、この特定偏波方向は、偏波分離合成モジュール101におけるp偏波方向若しくはs偏波方向の一方に一致する。第3の1/2波長板208の光学軸は、この特定偏波方向(図9ではp偏波方向として図示されている)と22.5°の角をなすように調整されている。
偏波分離合成モジュール101、第1の2次非線形光学媒質102、第2の1/2波長板105、第2の2次非線形光学媒質103、光ローパスフィルタ107及びWDMフィルタ108は、第1の実施形態のものと同様に機能するものであり、その機能説明は割愛する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上の構成を有する第2の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Dの動作を説明する。
第1の実施形態の場合と同様に、p偏波方向に対して偏波方向が45°だけ傾いている直線偏波の波長λpの励起光が偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ入力されると、同じ強度のp偏波成分、s偏波成分に分離され、それぞれ偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2、第3入出力端101−3へ出力される。
以下では、まず、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3へ出力され、光ループLPを反時計回りに巡回する励起光に対する操作を説明する。
偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3へ出力されたs偏波の励起光は、第1の非相反偏波面変換部211を通過する。このときの第1の非相反偏波面変換部211内における偏波状態の変化を、図9(A)を参考にして説明する。
図9(A)において、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3へ出力されたs偏波の励起光を、右向きの矢印で表している。このs偏波励起光が第1のファラデー回転子207を通過する。第1のファラデー回転子207を通過することによって、図中反時計回りに45°の偏波回転が生じる。その結果、第1のファラデー回転子207からの出力光の偏波方向は、右斜め上45°向きの矢印で表される。このような偏波方向を有する第1のファラデー回転子207からの出力光が第3の1/2波長板208を通過する。第3の1/2波長板208の偏波方向(光学軸)は、特定偏波方向(p偏波方向)と22.5°の角をなしている。第3の1/2波長板208に入力する光の偏波方向は、p偏波方向に対して45°の傾きを有するため、第3の1/2波長板208の光学軸に対しては22.5°の角を有し、その結果、第3の1/2波長板208からの出力光の偏波方向は上向き矢印の方向で表すことができる。
このことは、第3の1/2波長板208を通過して出力された励起光の偏波方向がp偏波方向となっていることを意味する。すなわち、第1の非相反偏波面変換部211内を、第1のファラデー回転子207、第3の1/2波長板208の順番で通過した励起光は、偏波方向が反時計回りに90°だけ回転される。なお、このような偏波方向の回転は、第2の非相反偏波面変換部212でも同様である。このような回転は、1/2波長板の光学軸が、p偏波方向あるいはs偏波方向と22.5°の角をなすように調整されているときに生じる。
第1の非相反偏波面変換部211から出力された励起光は、第1の2次非線形光学媒質102に入力され、その結果、第1の実施形態と同様に、第2の2次非線形光学媒質103から、s偏波の励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。
これらの光は、次に、第2の非相反偏波面変換部212に入力される。このとき、励起光、並びに、それと波長が近い過渡的なシグナル光、アイドラー光、並びに、SPDC相関光子対は、第1の非相反偏波面変換部211を通過した場合と同様に、第2の非相反偏波面変換部212を通過することにより、偏波状態が90°だけ回転される。つまり、励起光、及び、過渡的なシグナル光、アイドラー光はp偏波に変換され、所望するSPDC相関光子対はs偏波に変換される。
その後、以上のように光ループLPを反時計回りに伝播してきた、波長が近い、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、及び、SPDC相関光子対は、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2に入力される。このとき、偏波状態がs偏波であるSPDC相関光子対は、第4入出力端101−4へ出力される。すなわち、最初に励起光が入力された第1入出力端とは異なる第4入出力端から、SPDC相関光子対が出力される。
それに対し、偏波状態がp偏波である励起光、及び、過渡的なシグナル光、アイドラー光は、最初に励起光が入力された入出力端と同じ第1入出力端101−1へ出力される。
次に、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2へ出力され、光ループLPを時計回りに巡回する励起光に対する操作を説明する。
偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2へ出力されたp偏波の励起光は、第2の非相反偏波面変換部212を、第3の1/2波長板210、第2のファラデー素子209の順番に通過する。このときの偏波状態の変化を、図9(B)を参照しながら説明する。図9は、第1の非相反偏波面変換部211について示しているが、上述したように、第2の非相反偏波面変換部212についても同様であり、図9における符号「207」を符号「209」と、符号「208」を符号「210」と置き換えて見れば、図9は、第2の非相反偏波面変換部212を表している図面と見ることができる。
図9(B)において、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2へ出力された励起光はp偏波であるから、図中上向きの矢印で表す。このp偏波励起光が第4の1/2波長板210を通過する。第4の1/2波長板210への励起光の偏波方向は、第4の1/2波長板210の光学軸と22.5°の角をなしているため、その結果、第4の1/2波長板210の出力光の偏波方向は右斜め上45°向き矢印の方向で表すことができる。次に、第2のファラデー回転子209を通過するとき、反時計回りに45°だけ回転するため、その結果、第2のファラデー回転子209の出力光の偏波方向は上向き矢印の方向で表すことができる。すなわち、第2の非相反偏波面変換部212を通過してもp偏波のままである。
以上のように、第2の非相反偏波面変換部212内を、第4の1/2波長板210、第2のファラデー回転子209の順番で通過した励起光は、偏波方向が回転されない。このような無回転は、第1の非相反偏波面変換部211でも同様である。この無回転は、1/2波長板の光学軸が、p偏波方向あるいはs偏波方向と22.5°の角をなすように調整されているときに生じる。
以上から明らかなように、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2から出力され、第2の非相反偏波面変換部212を通過した励起光は、p偏波の励起光として、第2の2次非線形光学媒質103に入力される。その結果、第1の実施形態と同様に、第1の2次非線形光学媒質102から、s偏波の励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。
これらの光は、次に、第1の非相反偏波面変換部211を通過する。ここでも、励起光、並びに、それと波長が近い過渡的なシグナル光、アイドラー光、SPDC相関光子対は、偏波状態をそのままに通過する。
その後、以上のように光ループLPを時計回りに伝播してきた、波長が近い、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、及び、SPDC相関光子対は、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3に入力される。このとき、偏波状態がp偏波であるSPDC相関光子対は、第4入出力端101−4へ出力される。すなわち、最初に励起光が入力された第1入出力端とは異なる第4入出力端から、SPDC相関光子対が出力される。
そして、その時計回りに伝播してきたSPDC相関光子対が入力された第4入出力端は、上述した光ループLPを反時計回りに伝播してきたSPDC相関光子対が出力される入出力端と同一であるが、時計回りに伝播してきたSPDC相関光子対の偏波方向は、反時計回りに伝播してきたSPDC相関光子対の偏波方向とは直交している。
これに対し、偏波状態がs偏波である励起光、及び、過渡的なシグナル光、アイドラー光は、最初に励起光が入力された入出力端と同じ、第1入出力端101−1へ出力される。
すなわち、この第2の実施形態の場合、偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4から、偏波量子もつれ光子対が発生される。
次に、それぞれの2次非線形光学媒質102、103から発生した、波長が半分(λp/2)の中間SHG光が、第1の非相反偏波面変換部211、及び、第2の非相反偏波面変換部212を通過するときの偏波状態を考える。まず、1/2波長板は、SHG光に対しては1波長板であるので、ここではなんらの偏波回転も生じない。一方、ファラデー回転子においては、波長が励起光の半分であるため、偏波回転角が90°となる。
すなわち、非相反偏波面変換部(211、212)は、中間SHG光に対しては、ファラデー回転子と1/2波長板をどの順番で通過しても90°だけ偏波回転を与える(図9(C)、(D))。
図10は、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュール101の入出力端を示す説明図である。図10に示すように、所望する量子もつれ光子対は、励起光を入力する入出力端(ここでは第1入出力端101−1)とは異なるポート(ここでは第4入出力端101−4)から、光ループLPを反時計回りに伝播した励起光によって発生した中間SHG光成分と共に出力される。
一方、第1の実施形態の場合と同様、このポート(ここでは第4入出力端101−4)からは、入力励起光成分、過渡的なシグナル光、アイドラー光成分、並びに、光ループLPを時計回りに伝播した励起光によって発生した中間SHG光成分は出力されない。これらの光成分は全て、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ出力される。
その後、第1の実施形態と同様に、光ローパスフィルタ107、WDMフィルタ108によって、余分な中間SHG光成分、また、場合によっては、残存励起光波長成分を除去した上で、シグナル光、アイドラー光成分を分岐出力させる。
第2の実施形態の構成を、図1に示す第1の実施形態や、図5、図6に示す第1の実施形態に対する変形実施形態の構成と比べれば、次のような違いがある。すなわち、第2の実施形態においては、偏波分離合成モジュール101において、励起光の入力ポート(第1入出力端101−1)と、所望する量子もつれ光子対が出力されるポート(第4入出力端101−4)とが異なり、励起光が、元の励起光入力端に逆行して戻っていくことはない。その結果、それぞれの入出力端に光アイソレータを設置することで、反射戻り光による装置の動作不安定性の影響を排除でき、より高安定に動作する装置提供が可能となる。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態の量子もつれ光子対発生装置10Dによれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果が期待できる。すなわち、励起光の入力ポートと所望する量子もつれ光子対が出力されるポートが異なる装置構成を実現できる。その結果、それぞれの入出力端に光アイソレータを設置することで、反射戻り光による装置の動作不安定性の影響を排除でき、より高安定に動作する装置提供が可能となる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明による量子もつれ光子対発生装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
図11は、第3の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図11において、第3の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Eは、第1の実施形態と同様な構成に加え、光変換生成部100と偏波分離合成モジュール101を光学的に接続する2箇所の光路のうち、第1の1/2波長板104が挿入されていない側の光路に、偏波面変換部314を設けたものである。偏波面変換部314は、第5の1/2波長板311、1/4波長板312、第6の1/2波長板313を縦続接続したものである。
第5の1/2波長板311、1/4波長板312、第6の1/2波長板313の光学軸方向は、図12に示すように選定されている。
偏波面変換部314には、ある特定の偏波方向の直線偏波の励起光が入力される。後述するように、この特定偏波方向とは、偏波分離合成モジュール101におけるs偏波方向か、p偏波方向の一方に一致する。第5の1/2波長板311及び第6の1/2波長板313の光学軸は、この特定偏波方向(図中ではp偏波方向として図示されている)と22.5°の角をなすように選定されている。一方、1/4波長板312の光学軸は、この特定偏波方向と45°の角をなすように調整されている。
光変換生成部100、偏波分離合成モジュール101、第1の1/2波長板104、光サーキュレータ106及びWDMフィルタ108は、第1の実施形態のものと同様に機能するものであり、その機能説明は割愛する。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上の構成を有する第3の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Eの動作を説明する。
第1の実施形態の場合と同様に、p偏波方向に対して偏波方向が45°だけ傾いている直線偏波の波長λpの励起光が偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ入力されると、同じ強度のp偏波成分、s偏波成分に分離され、それぞれ偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2、第3入出力端101−3へ出力される。
第3の実施形態の後述する特徴的な効果は、偏波面変換部314における偏波回転の波長依存性によってもたらされる。以下、図12を参照しながら、このことを説明する。
図12(A)は、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2へ出力された励起光(波長λp)が、偏波面変換部314を通過する際の偏波状態の変化を示している。
偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2へ出力されたp偏波の励起光(波長λp)を、図中上向きの矢印で表している。この励起光が第5の1/2波長板311を通過する。第5の1/2波長板311の光軸方向は、p偏波方向と22.5°の角をなすように選定されている。そのため、第5の1/2波長板311から出力される励起光の偏波方向は、右斜め上45°向きの矢印で表される。
次に、励起光は、1/4波長板312を通過する。1/4波長板312の光軸方向は、p偏波方向と45°の角をなすように配置されている。そのため、1/4波長板312へ入力される励起光の偏波方向は、1/4波長板312の一方の光学軸方向と合致しており、その結果、1/4波長板312を通過してもなんらの偏波回転も生じない。
次に、励起光は、第6の1/2波長板313を通過する。第6の1/2波長板313の光軸方向は、p偏波方向と22.5°の角をなすように配置されている。そのため、第6の1/2波長板313から出力される励起光の偏波方向は、反時計回りに45°だけ回転し、すなわち、図中上向きの矢印方向で表される偏波方向の光となって出力される。
すなわち、波長λpの励起光が、偏波面変換部314を通過するとき、元の偏波方向(ここではp偏波方向)を保ったまま出力される。このことは、図12(B)に示されるように、励起光が偏波面変換部314に逆側から入力されて出力される場合でも同じである。このような偏波状態の維持は、内部を構成する1/2波長板311、313や1/4波長板312の光学軸方向が、上述したように、p偏波方向あるいはs偏波方向と22.5°並びに45°の角をなすように選定されているときに生じる。
次に、励起光の半分の波長(λp/2)の中間SHG光が、偏波面変換部314を通過するときの偏波方向の変換の様子を、図12(C)、(D)を参照しながら説明する。
1/2波長板311、313、1/4波長板312は、波長λp/2の中間SHG光に対してはそれぞれ、1波長板、1/2波長板として動作する。
従って、第5の1/2波長板311に入力されたp偏波(上向き矢印)の中間SHG光はp偏波のまま出力される。
次に1/4波長板312を通過するとき、1/4波長板312は中間SHG光に対しては1/2波長板として動作し、かつ、その光学軸方向が入力偏波方向と45°の角をなすため、その結果、出力光の偏波方向は90°だけ回転している(右向き矢印)。
次に、第6の1/2波長板313を通過するときには、なんらの偏波方向の回転も生じない。
すなわち、波長λp/2の中間SHG光が、偏波面変換部314を通過するとき、元の偏波方向(ここではp偏波方向)から90°だけ偏波回転する(s偏波に変換される)。このことは、図12(D)に示されるように、中間SHG光が逆側から入力されて出力される場合でも同じである。このことは、内部を構成する1/4波長板312の光学軸方向が、上述したように、s偏波方向あるいはp偏波方向と45°の角をなすように設定されているときに生じる。
以上の結果をまとめると、次のようになる。すなわち、偏波面変換部314を通過するとき、波長λpの励起光とそれに近い波長のシグナル光及びアイドラー光は偏波回転されないのに対し、波長λp/2の中間SHG光は90°だけ偏波回転する。このような偏波方向(偏波面)の変換のために、内部を構成する二つの1/2波長板311、313とひとつの1/4波長板312の光学軸方向が、それぞれ、p偏波方向あるいはs偏波方向に対して22.5°並びに45°の角をなすように選定されている。
以上の偏波面変換部314の変換動作を踏まえて、第3の実施形態の全体動作を説明する。
偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2から出力され、光ループLPを時計回りに伝播する励起光(p偏波)は、偏波面変換部314を通過し、偏波変換されずに(p偏波のまま)、第2の2次非線形光学媒質103に入力される。その結果、第1の実施形態と同様に、第1の2次非線形光学媒質102から、s偏波の入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。
これらの光は、次に、第1の1/2波長板104に入力され、SDPC相関光子対は90°だけ偏波回転してs偏波になるのに対し、入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光はp偏波となる。その後、これらは偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3に入力され、偏波状態がs偏波であるSPDC相関光子対は第1入出力端101−1に出力されるのに対し、偏波状態がp偏波である入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光は第4入出力端101−4へ出力される。
一方、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3から出力され、光ループLPを反時計回りに伝播する励起光(s偏波)は、第1の1/2波長板104において90°だけ偏波回転してp偏波へと変換され、第1の2次非線形光学媒質102に入力される。その結果、第1の実施形態と同様に、第2の2次非線形光学媒質103から、s偏波の入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。
これらの光は、次に、偏波面変換部314へ入力され、SDPC相関光子対は偏波回転せずp偏波のまま出力されるのに対し、入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光はs偏波として出力される。その後、これらは偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2に入力され、偏波状態がp偏波であるSPDC相関光子対は第1入出力端101−1に出力されるのに対し、偏波状態がs偏波である入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光は第4入出力端101−4へ出力される。
ここで、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力されるSPDC相関光子対は、光ループLPを時計回りに伝播する励起光によって発生したものはs偏波であるのに対し、光ループLPを反時計回りに伝播する励起光によって発生したものはp偏波であるので、第1の実施形態と同様に、偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から、偏波量子もつれ光子対が発生される。
図13は、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュール101の入出力端を示す説明図である。図13に示すように、所望する量子もつれ光子対は、励起光を入力する入出力端と同じ入出力端(ここでは第1入出力端101−1)から出力されるのに対し、入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光成分は、光ループLPの伝播方向に関わらず、第4入出力端101−4へ出力される。
すなわち、所望する量子もつれ光子対と、それ以外の光成分とは、偏波分離合成モジュール101の異なる入出力端に出力され、同一の入出力端に出力されることはない。その結果、第1や第2の実施形態と異なり、中間SHG光を除去するための光ローパスフィルタ107は原理的に必要ない構成となっている。
また、図示は省略するが、励起光や量子もつれ光子対の入出力形態に関しては、第1の実施形態に対する変形実施形態(図5、図6)と同様に、WDMフィルタ108として用いるAWGフィルタの双方向入出力特性を利用した構成(図5)や、光バンドパスフィルタ110を利用した構成(図6)のような変形実施形態を挙げることができ、このような変形実施形態においても、第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態の量子もつれ光子対発生装置10Eによれば、第1、第2の実施形態の効果に加えて、以下の効果が期待できる。すなわち、原理的にはSHG光除去用の光ローパスフィルタ107が不要となる。また現実には、偏波分離合成モジュール101での中間SHG光に対する偏波消光比が不十分であっても(本件では、偏波分離合成モジュール101は長波長の励起光及びSPDC相関光子対に最適化した回路を想定しているため、短波長の中間SHG光に対しての偏波消光比は必ずしも保証しない)、少なくとも残留中間SHG光成分は第1、第2の実施形態に比べて低下することが期待できるため、少なくとも光ローパスフィルタ107の中間SHG光成分除去の負荷が低減する効果が期待できる。その結果、装置コストの低下が期待できる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明による量子もつれ光子対発生装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(D−1)第4の実施形態の構成
図14、第4の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置の構成を示す構成要素の配置図であり、既述した図1、図8、図11との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
第4の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Fは、第2の実施形態の特徴構成と、第3の実施形態の特徴構成とを共に導入し、第2の実施形態における作用効果と、第3の実施形態における作用効果を共に得ることができるようにしたものである。すなわち、入力励起光と所望する量子もつれ光子対とを偏波分離合成モジュールのそれぞれ異なる入出力端を介して入出力する構成を有し、かつ、中間SHG光を除去するための光ローパスフィルタが原理的には不要となるものである。
図14に示す第4の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Fは、図8に示した第2の実施形態の構成に加えて、第3の実施形態で説明した偏波面変換部314を、第2の2次非線形光学媒質103と第2のファラデー回転子209との間に挿入している。
(D−2)第4の実施形態の動作
次に、以上の構成を有する第4の実施形態の偏波量子もつれ光子対発生装置10Fの動作を説明する。
第3の実施形態の動作の項で説明したように、偏波面変換部314の挿入によっても、波長が近傍する励起光、シグナル光、アイドラー光の偏波回転は生じない。
そのため、光ループLPを時計回りに伝播する光成分に関して考えれば、偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2から出力されたp偏波の励起光は、第2の非相反偏波面変換部212及び偏波面変換部314で偏波面回転しないため、p偏波のまま第2の2次非線形光学媒質103に入力され、その結果、第1の2次非線形光学媒質102から、s偏波の入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。
そして、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、SPDC相関光子対は、第1の非相反偏波面変換部211でも偏波回転しないため、入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光は、s偏波のまま偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1から出力される。一方、SPDC相関光子対は、p偏波のまま偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4から出力される。さらに、中間SHG光はs偏波に変換されて偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ出力される。
次に、光ループLPを反時計回りに伝播する光成分に関して考えれば、偏波分離合成モジュール101の第3入出力端101−3から出力されたs偏波の励起光は、第1の非相反偏波面変換部211を第1のファラデー回転子207、第3の1/2波長板208の順に通過してp偏波に変換される。そして、第1の2次非線形光学媒質102に入力され、その結果、第2の2次非線形光学媒質103から、s偏波の入力励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光と、p偏波の中間SHG光、所望するSPDC相関光子対が発生される。そして、次に偏波面変換部314を通過するが、第3の実施形態で説明した動作により、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光はs偏波、SPDC相関光子対はp偏波として、偏波面変換部314から出力される。
次に第2の非相反偏波面変換部212を通過する際、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、SPDC相関光子対は、全て90°だけ偏波方向が回転されるため、p偏波、p偏波、p偏波、s偏波として出力される。その結果、SPDC相関光子対は、s偏波で偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4から出力され、一方、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光はp偏波として偏波分離合成モジュール101の第1入出力端101−1へ出力される。
図15は、励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光、相関光子対(シグナル光、アイドラー光)が入出力する偏波分離合成モジュール101の入出力端を示す説明図である。図15に示すように、所望する量子もつれ光子対は、偏波分離合成モジュール101の第4入出力端101−4へ出力される一方、その他の光成分(励起光、過渡的なシグナル光、アイドラー光、中間SHG光)は全て第1入出力端101−1へ出力される。
すなわち、第4の実施形態においては、第2の実施形態の作用効果である、入力励起光と所望する量子もつれ光子対とが、偏波分離合成モジュールの異なる入出力端を介してそれぞれ入出力されるという作用効果と、第3の実施形態の作用効果である、所望する量子もつれ光子対と、それ以外の光成分とが偏波分離合成モジュールの異なる入出力端に出力され、同一の入出力端に出力されることがないという作用効果を同時に実現することができる。
(D−3)第4の実施形態の効果
第4の実施形態によれば、第2及び第3の実施形態の効果を共に得ることができる。
(E)他の実施形態
上記各実施形態では、2次非線形光学媒質としてPPLN結晶を用いた場合を説明したが、本文中にも記載したように、上記各実施形態の効果はPPLN結晶以外の2次非線形光学媒質を用いた場合でも生じることができる。また、2次非線形光学媒質としては、バルク結晶、又は光導波路構造を作りこんだPPLN導波路のような導波路型デバイスだけでなく、その他様々な形態の2次非線形光学媒質を用いることができる。
また、第1の実施形態や第3の実施形態で用いる第1の1/2波長板104が、光ループLPの光路中でどのような位置に配置されるかは設計的事項である。すなわち、例えば、2次非線形光学媒質のd11成分を利用して、各実施形態の効果を得る場合には、第1の1/2波長板104を偏波分離合成モジュール101の第2入出力端101−2と第1の2次非線形光学媒質102を接続する光路に配置しても良い。すなわち、配置箇所は、2次非線形光学媒質の光学軸方向と、それに入力される励起光及び中間SHG光の偏波方向に基づいて、適宜柔軟に設定することができる。同様に、第2〜第4の実施形態で記述された偏波面変換部314や、第1及び第2の非相反偏波面変換部211及び212に関しても、2次非線形光学媒質の光学軸方向と、それに入力される励起光及び中間SHG光の偏波方向に基づいて、適宜柔軟に設定することができる。
上記各実施形態では、光ループLPが、偏波面保持光ファイバを用いた有線ループになっているものを示しているが、例えば、一部区間が空間的な区間であっても良い。
10、10A〜10F…量子もつれ光子対発生装置、100…光変換生成部、101…偏波分離合成モジュール、102…第1の2次非線形光学媒質、103…第2の2次非線形光学媒質、104、105、208、210、311、313…1/2波長板、106…光サーキュレータ、107、107−s、107−i…光ローパスフィルタ、108…WDMフィルタ、207、209…ファラデー回転子、211、212…非相反偏波面変換部、312…1/4波長板、314…偏波面変換部、LP…光ループ。

Claims (11)

  1. 偏波保持のループ光路と、
    第1のループ外光路からの入力励起光を互いに直交する偏波成分である第1の分波励起光と第2の分波励起光とに分岐し、上記第1の分波励起光を上記ループ光路へ時計回りに伝播するように入力すると共に、上記第2の分波励起光を上記ループ光路へ反時計回りに伝播するように入力する励起光分波入力手段と、
    第1の2次非線形光学媒質と第2の1/2波長板と第2の2次非線形光学媒質とが反時計回りにこの順番に直列接続されて構成され、偏波面が直交する、上記ループ光路を時計回りに伝播する第1の自然パラメトリック下方変換光と、上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第2の自然パラメトリック下方変換光とを生成する光変換生成手段と、
    偏波面が直交する、上記ループ光路を時計回りに伝播している上記第1の自然パラメトリック下方変換光と、上記ループ光路を反時計回りに伝播している上記第2の自然パラメトリック下方変換光とを偏波面が直交するように合波し、合波光を第2のループ外光路へ出力する変換光合波出力手段と、
    上記光変換生成手段へ入力される際の上記第1の分波励起光の偏波面と上記第2の分波励起光の偏波面とを揃えることと、上記変換光合波出力手段における上記第2のループ外光路への、上記第1の自然パラメトリック下方変換光と上記第2の自然パラメトリック下方変換光との偏波面が直交する合波出力を実行させることを少なくとも実現させるように、上記第1分波励起光、上記第2分波励起光、上記第1の自然パラメトリック下方変換光及び上記第2の自然パラメトリック下方変換光のうち、少なくとも一つ以上の光について偏波方向を操作する、上記ループ光路に介在された偏波面操作手段とを備え、
    上記第1の2次非線形光学媒質は、上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第2の分波励起光に対する第1の光第2高調波を発生させ、かつ、上記第2の2次非線形光学媒質が発生する上記ループ光路の時計回りに伝播する第2の光第2高調波に対する自然パラメトリック下方変換によって時計回りに伝播する上記第1の自然パラメトリック下方変換光を発生させ、
    上記第2の2次非線形光学媒質は、上記ループ光路を時計回りに伝播する上記第1の分波励起光に対する上記第2の光第2高調波を発生させ、かつ、上記第1の2次非線形光学媒質が発生する上記ループ光路を反時計回りに伝播する上記第1の光第2高調波に対する自然パラメトリック下方変換によって反時計回りに伝播する上記第2の自然パラメトリック下方変換光を発生させ、
    上記第2の1/2波長板は、上記第1又は第2の2次非線形光学媒質の一方から出力され、上記第1又は第2の2次非線形光学媒質の他方へ入力される上記第1又は第2の分波励起光の偏波面を90°だけ回転させて出力し、
    上記第1及び第2の光第2高調波と、上記第1及び第2の自然パラメトリック下方変換光とが、上記ループ光路中に配置された上記第1又は第2の2次非線形光学媒質中において生成する
    ことを特徴とする量子もつれ光子対発生装置。
  2. 複数の入出力端を有する偏波分離合成モジュールが上記励起光分波入力手段及び上記変換光合波出力手段として適用されていることを特徴とする請求項1に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  3. 上記偏波面操作手段は第1の1/2波長板でなり、上記第1の1/2波長板は、上記ループ光路を時計回りに伝播する上記第1の自然パラメトリック下方変換光の偏波面を90°だけ回転させて出力することを特徴とする請求項2に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  4. 上記偏波面操作手段は、第1及び第2の非相反偏波面変換部でなり、
    上記ループ光路中に、上記第1の非相反偏波面変換部と、上記光変換生成手段と、上記第2の非相反偏波面変換部とが、反時計回りにこの順番で配置され、
    上記第1の非相反偏波面変換部は、第1の45°ファラデー回転子と第3の1/2波長板とが反時計回りにこの順番で配置されて構成され、
    上記第2の非相反偏波面変換部は、第2の45°ファラデー回転子と第4の1/2波長板とが反時計回りにこの順番で配置されて構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  5. 上記偏波面操作手段は、第1の1/2波長板と偏波面変換部とでなり、
    上記ループ光路中に、上記偏波面変換部と、上記光変換生成手段と、上記第1の1/2波長板とが、時計回りにこの順番で配置され、
    上記偏波面変換部は、第5の1/2波長板、1/4波長板、第6の1/2波長板を時計回りにこの順番で配置されて構成され、
    上記第1の1/2波長板は、上記ループ光路を時計回りに伝播する上記第1の自然パラメトリック下方変換光の偏波面を90°だけ回転させて出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  6. 上記偏波面操作手段は、第1及び第2の非相反偏波面変換部と、偏波面変換部とでなり、
    上記ループ光路中に、上記第1の非相反偏波面変換部と、上記光変換生成手段と、上記偏波面変換部と、上記第2の非相反偏波面変換部とが、反時計回りにこの順番で配置され、
    上記第1の非相反偏波面変換部は、第1の45°ファラデー回転子と第3の1/2波長板とが反時計回りにこの順番で配置されて構成され、
    上記第2の非相反偏波面変換部は、第2の45°ファラデー回転子と第4の1/2波長板とが反時計回りにこの順番で配置されて構成され、
    上記偏波面変換部は、第5の1/2波長板、1/4波長板、第6の1/2波長板を時計回りにこの順番で配置されて構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  7. 合波出力された上記第1及び第2の自然パラメトリック下方変換光が通過する上記第2のループ外光路に、上記入力励起光の波長成分を除去し、かつ、上記第1及び上記第2の自然パラメトリック下方変換光が有するシグナル光波長成分、アイドラー光波長成分をそれぞれ異なる光出力端に出力する第1の波長選択型フィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生装置。
  8. 上記第1の波長選択型フィルタがAWGフィルタであることを特徴とする請求項7に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  9. 合波出力された上記第1及び第2の自然パラメトリック下方変換光が通過する上記第2のループ外光路に、上記第1及び第2の光第2高調波成分の少なくとも一方を除去する光ローパスフィルタを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生装置。
  10. 上記第1のループ外光路及び上記第2のループ外光路が共通部分を有し、この共通部分の端部に光サーキュレータが設けられていることを特徴とする請求項3、5、7〜9のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生装置。
  11. 上記第1のループ外光路及び上記第2のループ外光路が共通部分を有し、この共通部分の端部に、上記第2のループ外光路を伝播してきた上記入力励起光波長成分を透過又は反射し、上記第1及び第2の自然パラメトリック下方変換光のシグナル光波長成分及びアイドラー光波長成分を反射又は透過する第2の波長選択型フィルタが設けられていることを特徴とする請求項3、5、7〜9のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生装置。
JP2009227981A 2009-09-30 2009-09-30 量子もつれ光子対発生装置 Expired - Fee Related JP5434440B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009227981A JP5434440B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 量子もつれ光子対発生装置
US12/923,477 US8242435B2 (en) 2009-09-30 2010-09-23 Quantum entangled photon pair generating device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009227981A JP5434440B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 量子もつれ光子対発生装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013256274A Division JP2014067061A (ja) 2013-12-11 2013-12-11 量子もつれ光子対発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011075889A JP2011075889A (ja) 2011-04-14
JP5434440B2 true JP5434440B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=43779257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009227981A Expired - Fee Related JP5434440B2 (ja) 2009-09-30 2009-09-30 量子もつれ光子対発生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8242435B2 (ja)
JP (1) JP5434440B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5541004B2 (ja) * 2010-08-27 2014-07-09 沖電気工業株式会社 量子鍵配送方法及び量子鍵配送システム
JP5488342B2 (ja) * 2010-08-27 2014-05-14 沖電気工業株式会社 量子相関光子対発生方法及び量子相関光子対発生装置
JP5747768B2 (ja) * 2011-09-29 2015-07-15 沖電気工業株式会社 量子鍵配送方法及び量子鍵配送システム
JP5978917B2 (ja) * 2012-10-22 2016-08-24 沖電気工業株式会社 多端末量子鍵配送システム
CN103076085B (zh) * 2012-12-31 2016-12-28 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种宽波段可见光和近红外辐射同时测量的方法
GB2510916B (en) * 2013-02-19 2015-04-08 Univ Bristol Optical source
US9465274B1 (en) * 2013-05-01 2016-10-11 Sandia Corporation High-yield entangled single photon source
CN103278996A (zh) * 2013-05-17 2013-09-04 中国科学技术大学 一种三明治型高亮度量子纠缠光子源
JP2014067061A (ja) * 2013-12-11 2014-04-17 Oki Electric Ind Co Ltd 量子もつれ光子対発生装置
JP6110547B1 (ja) * 2016-06-09 2017-04-05 日本電信電話株式会社 光増幅装置
WO2018147924A1 (en) * 2017-02-13 2018-08-16 Ut-Battelle, Llc Deterministic single-photon source based on spectral shift of a heralded photon
JP6992620B2 (ja) * 2018-03-14 2022-01-13 日本電信電話株式会社 光信号送信器
JPWO2021215479A1 (ja) * 2020-04-22 2021-10-28
CN115730665B (zh) * 2022-11-29 2023-08-18 北京百度网讯科技有限公司 纠缠源仿真方法、装置及电子设备
CN117213804A (zh) * 2023-09-08 2023-12-12 中国科学技术大学 一种基于频率上转换的中红外微环谐振器性能测试装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4098530B2 (ja) 2002-02-01 2008-06-11 独立行政法人科学技術振興機構 もつれ合い光子対発生装置
JP3999752B2 (ja) * 2004-03-10 2007-10-31 日本電信電話株式会社 エンタングル光子対発生装置及びその方法
JP4264735B2 (ja) 2004-03-15 2009-05-20 学校法人日本大学 偏光エンタングルド光子対発生装置
JP2005266334A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> エンタングル光子対発生装置
JP5235994B2 (ja) * 2007-07-31 2013-07-10 ナンジン シーキュー レーザー テクノロジー リミテッド 強誘電体ドメイン反転法
EP2233971B1 (en) * 2008-01-25 2016-03-09 Japan Science and Technology Agency Non-degenerate polarization-entangled photon pairs generation device and non-degenerate polarization-entangled photon pairs generation method

Also Published As

Publication number Publication date
US20110073783A1 (en) 2011-03-31
US8242435B2 (en) 2012-08-14
JP2011075889A (ja) 2011-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5434440B2 (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP5434373B2 (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP5867232B2 (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP5488342B2 (ja) 量子相関光子対発生方法及び量子相関光子対発生装置
JP5541004B2 (ja) 量子鍵配送方法及び量子鍵配送システム
JP6287152B2 (ja) 光源装置、並びに相関光子対発生装置、偏光量子もつれ光子対発生装置、及び時間位置量子もつれ光子対発生装置
JP4264735B2 (ja) 偏光エンタングルド光子対発生装置
JP4458169B2 (ja) 光変調器及び光信号発生装置
JP2006191410A (ja) 量子光伝送装置およびそのための量子光発生装置
JP6204064B2 (ja) 光増幅装置
Nazemosadat et al. Dielectric broadband metasurfaces for fiber mode‐multiplexed communications
JP6110547B1 (ja) 光増幅装置
JP6115189B2 (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP2014095780A (ja) 光増幅装置
JP2014067061A (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP2004537746A (ja) 直交偏光モードに対する平行領域を有する電気光学素子
JP2013025253A (ja) 偏波量子もつれ光子対発生装置
JP5091196B2 (ja) 量子相関光子対発生装置および量子もつれ光子対発生装置
JP2014067060A (ja) 量子もつれ光子対発生装置
JP6220314B2 (ja) 光増幅装置
JP2017003670A (ja) ハイブリッド集積型光送信器
WO2022254640A1 (ja) 波長変換装置
JP2010231059A (ja) 光変調器及び相補強度変調光発生器
CA3201430A1 (en) Bright sources for pure photons entanglement
JP2000241841A (ja) 波長変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5434440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees