JP5867232B2 - 量子もつれ光子対発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、量子暗号、量子コンピュータ等の量子情報通信技術で必要とされる量子もつれ光子対発生装置に関し、特に、偏波量子もつれ光子対、時間位置量子もつれ光子対のいずれの状態の光子対も簡便な方法で切り換えて出力することができる量子もつれ光子対発生装置に関する。
量子もつれ光子対を発生させる技術は、量子暗号、量子コンピュータ等、光(光子)の量子力学的振る舞いを応用した量子情報通信技術を実現するための重要な要素技術となっている。特に、量子もつれ光子対を利用した量子鍵配送技術は、究極の安全な暗号通信への応用が期待でき、近年注目を集めている。ここで、量子力学的振る舞いとは、異なる複数の状態を同時にとることができるという重ね合わせの原理等に従う振る舞いという意味である。
これまで、量子鍵配送に利用される量子もつれ光子対の様式として、偏波量子もつれ光子対(例えば、非特許文献1参照)と、時間位置量子もつれ光子対(例えば、非特許文献2参照)とが主として研究されてきた。
偏波量子もつれ光子対とは、個々の光子の偏波は決定されていないが偏波の測定結果の関係性(互いに平行、互いに直交等の関係性)は定まっている光子対をいう。すなわち、偏波量子もつれ光子対は、光子対に対して複数存在する偏波の組み合わせが重ね合わさった状態にあり、光子対間に偏波相関がある相関光子対である。
また、時間位置量子もつれ光子対とは、光子が存在し得る2つの時間スロットがあり、個々の光子はどちらの時間スロットに存在するかは決定されていないが、測定結果の関係性(2個の光子が必ず同一の時間スロットに存在するという関係性)は定まっている光子対をいう。すなわち、時間位置量子もつれ光子対は、光子対に対して複数存在するそれぞれの光子の時間スロットへの分配の仕方が重ね合わさった状態にあり、光子対間の時間位置に相関がある相関光子対である。
量子もつれ光子対の伝送媒体として光ファイバーを用いることができる。伝送媒体として光ファイバーを用いれば、光ファイバーの低伝送損失性に起因して量子鍵配送距離を長くすることが可能である。
偏波量子もつれ光子対発生装置は、光伝送路中に設置される量子中継器との親和性が高いため、量子中継器を利用する長距離量子鍵配送システムに利用して好適である。更に、量子コンピュータにおける演算処理で主流となると考えられる、電子のスピンを利用した電子の量子もつれ状態との親和性も高いため、例えば、複数の量子コンピュータを並列につなぐときの、電子と光子間のインターフェースとして利用して好適である。
しかしながら、光ファイバーは統計的複屈折性を有しており、伝送後の光子の偏波状態は一般に変動している。そこで、偏波量子もつれ光子対を、光ファイバーを利用した量子鍵配送システムへの応用を考慮すると、伝送後の光子の偏波状態を一定に保つための偏波制御機構が必要とされる。
一方、時間位置量子もつれ光子対を利用した量子鍵配送システムにおいては、光子の受信部を構成する非対称マッハツェンダ干渉計として、その動作が偏波無依存である装置を選べば、量子もつれ光子対の偏波状態の変動にかかわらず、安定したシステム動作をさせることができる。時間位置量子もつれ光子対発生装置を利用した量子鍵配送システムのこの特長は、光ファイバーを利用した量子鍵配送システムの実用化に有効に寄与する。
しかしながら、時間位置量子もつれ光子対発生装置の利用には次のようなディメリットがある。まず、暗号化鍵の生成レートが原理的に偏波量子もつれ光子対の約半分である点が挙げられる。また、量子鍵配送システムに量子中継器を利用して暗号化鍵の伝送距離を長くした場合を想定すると、現状の量子中継器が偏波依存性を有しているため、偏波無依存という時間位置量子もつれ光子対を利用するメリットを十分に活かせないという点が挙げられる。
H.C.Lim, et al., "Stable source of high quality telecom-band polarization-entangled photon-pairs based on a single, pulse-pumped, short PPLN waveguide", Optics Express. vol.16, No.17, pp.12460-12468, (2008) J.F. Dynes, et al., "Efficient entanglement distribution over 200 kilometers", Optics Express. vol.17, No.14, pp.11440-11449, (2009)
上述したように、偏波量子もつれ光子対と時間位置量子もつれ光子対とは、それぞれ利用上のメリット及びディメリットがある。従って、量子もつれ光子対を利用する量子鍵配送システムあるいは量子コンピュータ等においては、その利用形態に合せて、偏波量子もつれ光子対、時間位置量子もつれ光子対のいずれかの様式の光子対を選択して利用できるように構成されていることが好ましい。そこで、偏波量子もつれ光子対及び時間位置量子もつれ光子対のいずれの様式の光子対をも簡便に適宜選択して発生させることが可能である量子もつれ光子対発生装置が実現されれば、量子鍵配送システムあるいは量子コンピュータ等への応用において好都合である。
この出願の発明者は、偏波面が互いに直交する光パルスの対(以下、偏光励起光パルス対ということもある)、及び偏光状態が同一で時間軸上で異なる位置に存在する光パルスの対(以下、二連励起光パルス対ということもある)のいずれか一方を簡便な方法で選択して生成できるシステムが実現されれば、偏波量子もつれ光子対及び時間位置量子もつれ光子対を選択して発生させることが可能であることに思い至った。すなわち、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対(以後、単に励起光パルスということもある)を光子対発生の種光パルス(seed light pulse)として利用すれば、パラメトリック蛍光過程に基づいて、シグナル光子とアイドラー光子とからなる相関光子対を発生させることができる。そして、偏光励起光パルス対及び二連励起光パルス対を種光パルスとして発生させた相関光子対は、それぞれ偏波量子もつれ光子対、時間位置量子もつれ光子対となる。以後、シグナル光子及びアイドラー光子を、それぞれシグナル光及びアイドラー光という。
したがって、この発明の目的は、偏波量子もつれ光子対及び時間位置量子もつれ光子対のいずれの量子もつれ光子対をも簡便に適宜選択して発生させることが可能である量子もつれ光子対発生装置を提供することにある。
そこで、この発明の要旨によれば、以下の構成の第1及び第2の量子もつれ光子対発生装置が提供される。
第1の量子もつれ光子対発生装置は、励起光パルス整形部と、光干渉計部と、量子もつれ光子対抽出部とを備えている。
励起光パルス整形部は、直線偏光の光パルスが入力されて、偏波量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく偏波面が互いに直交する偏光励起光パルス対、あるいは時間位置量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく同一の直線偏光であって時間軸上で異なる位置に存在する二連励起光パルス対のいずれか一方を選択して出力することが可能とされている。
光干渉計部は、偏光励起光パルスあるいは二連励起光パルスが入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいて発生するシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対を出力させる。
量子もつれ光子対抽出部は、シグナル光及びアイドラー光に相当する波長成分を選択し空間分離して、偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対として出力する。
第2の量子もつれ光子対発生装置は、励起光パルス整形部と、量子もつれ光子対発生抽出部とを備えている。
励起光パルス整形部は、直線偏光の光パルスが入力されて、偏波量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく偏波面が互いに直交する偏光励起光パルス対、あるいは時間位置量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく同一の直線偏光であって時間軸上で異なる位置に存在する二連励起光パルス対のいずれか一方を選択して出力することが可能とされている。
量子もつれ光子対発生抽出部は、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対が入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいてシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対を発生させ、シグナル光及びアイドラー光に相当する波長成分を選択し空間分離して、偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対として出力する。
第1あるいは第2の量子もつれ光子対発生装置によれば、励起光パルス整形部によって、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対のいずれか一方が生成される。
偏光励起光パルス対を選択して第1の量子もつれ光子対発生装置が備える光干渉計部に入力させれば偏波量子もつれ光子対が発生し、二連励起光パルス対を選択して光干渉計部に入力させれば時間位置量子もつれ光子対が発生する。そして、量子もつれ光子対抽出部によって、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対、及びパラメトリック蛍光過程で発生した偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対に相当する波長成分以外の波長成分が除去されて、必要とされる偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対が出力される。
また、偏光励起光パルス対を選択して第2の量子もつれ光子対発生装置が備える量子もつれ光子対発生抽出部に入力させれば偏波量子もつれ光子対が発生し、二連励起光パルス対を選択して量子もつれ光子対発生抽出部に入力させれば時間位置量子もつれ光子対が発生する。そして、励起光パルス、及びパラメトリック蛍光過程で発生した偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対に相当する波長成分以外の波長成分が除去されて、必要とされる偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対が出力される。
第1及び第2の量子もつれ光子対発生装置の励起光パルス整形部において、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対のいずれを出力させるかの選択は、後述するように、励起光パルス整形部の構成要素である1/2波長板の光学軸を回転させるという簡便な手法で実現される。従って、この発明の第1及び第2の量子もつれ光子対発生装置によれば、偏波量子もつれ光子対及び時間位置量子もつれ光子対のいずれの量子もつれ光子対をも簡便に適宜選択して発生させることが可能である。
この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置の実施形態の概略的ブロック構成図である。 偏波量子もつれ光子対発生時の励起光パルス整形部の各構成光部品の設定条件についての説明に供する図である。 時間位置量子もつれ光子対発生時の励起光パルス整形部の各構成光部品の設定条件についての説明に供する図である。 この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置の第1の変形構成例の説明に供する概略的ブロック構成図である。 この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置の第2の変形構成例の説明に供する概略的ブロック構成図である。 この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置の第3の変形構成例の説明に供する概略的ブロック構成図である。 光位相バイアス回路の動作の説明に供する図である。 この発明の第2の量子もつれ光子対発生装置の実施形態の概略的ブロック構成図である。 第1の非相反偏波面変換部を通過するときの光パルスの偏光状態の変化の説明に供する図である。 第2の非相反偏波面変換部を通過するときの光パルスの偏光状態の変化の説明に供する図である。
以下、図1〜図10を参照してこの発明の量子もつれ光子対発生装置の実施形態につき説明する。以下の説明において、特定の素子及び動作条件等を取り上げることがあるが、これら素子及び動作条件は好適例の一つに過ぎず、したがって、何らこれらに限定されない。また、図1〜図6、及び図8は、この発明に係る装置の全体あるいは一部の構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。
<第1の量子もつれ光子対発生装置の実施形態>
≪構成の説明≫
図1を参照してこの発明の第1の偏波量子もつれ光子対発生装置の実施形態の基本構成について説明する。
第1の量子もつれ光子対発生装置は、励起光パルス整形部10-1と、光干渉計部20-1と、量子もつれ光子対抽出部30-1とを備えている。
励起光パルス整形部10-1は、直線偏光の光パルス100が入力されて、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対のいずれか一方を選択して出力することが可能である。ここで、励起光パルス整形部10-1に入力される励起光パルス100の波長をλpとし、量子もつれ光子対を形成するシグナル光及びアイドラー光の波長をそれぞれλs及びλiとする。光ファイバー伝送路を用いた長距離鍵配送を実施する場合、シグナル光及びアイドラー光の波長を、光ファイバー伝送路の光吸収損失の小さい波長帯域である1.55μm近傍に設定するのが望ましい。
励起光パルス整形部10-1は、第1の1/2波長板101、第1の偏波分離合成器102、半透鏡103、第1の90度偏波面回転部104、光遅延器105、第2の1/2波長板106、及び複屈折媒体107を備えている。
励起光パルス整形部10-1に入力される直線偏光の光パルス100は、第1の1/2波長板101を通過後、第1の偏波分離合成器102の第1入出力端102-1に入力される。第1の1/2波長板101は、直線偏光の光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる。
第1の偏波分離合成器102は、第1〜第3入出力端102-1〜3を有し、第1入出力端102-1から入力された入力光を、2つの互いに直交する直線偏光成分に分離し、一方の直線偏光成分を第2入出力端102-2から出力し、他方の直線偏光成分を第3入出力端102-3から出力する。
以後、第2入出力端102-2から出力される直線偏光成分の偏波方向をp偏波、第3入出力端102-3から出力される直線偏光成分の偏波方向をs偏波と呼ぶものとする。また、後述する第2の偏波分離合成器108についても、第2入出力端108-2を入出力する直線偏光成分の偏波方向をp偏波、第3入出力端108-3を入出力する直線偏光成分の偏波方向をs偏波と呼ぶものとする。
半透鏡103は、第1〜第3入出力端103-1〜3を有し、第1の偏波分離合成器102の第2入出力端102-2から出力された出力光パルスは第1入出力端103-1に入力される。第1の偏波分離合成器102の第3入出力端102-3から出力された出力光パルスは、第1の90度偏波面回転部104と光遅延器105とを順次通過して半透鏡103の第2入出力端103-2に入力される。半透鏡103は、第1入出力端103-1と第2入出力端103-2にそれぞれ入力された光パルスを合波して第3入出力端103-3から出力される。
第1の90度偏波面回転部104は、第1の偏波分離合成器102の第3入出力端102-3から出力された直線偏光の光パルス偏波面を90度回転させる。第1の偏波分離合成器102と半透鏡103とを結ぶ2つの光路の一方の光路に第1の90度偏波面回転部104と光遅延器105とを設置することによって、それぞれの光路を伝播した光パルスが半透鏡103で合波されるとき、光パルスの偏光状態は同一偏波の直線偏光となっている。また、それぞれの光路を伝播した光パルスが半透鏡103で合波されるとき、両光パルス間には両光路の光路長差に基づく遅延時間差(以後、τで示す)が付与されている。光遅延器105は、第1の90度偏波面回転部104から出力された直線偏光の光パルスに与える時間遅延量を調整する。
光遅延器105は、励起光パルスが第1の偏波分離合成器102で分離された後、半透鏡103で合波されるときに2つの励起光パルスの光搬送波の相対光位相差を任意の値に調整する。あるいは、また第1の偏波分離合成器102と半透鏡103とを結ぶ2つの光路の光路長差が、所望の遅延時間差(τ)と合致していないときには微調整が可能なように、光パルス包絡線の時間遅延をも与える機能を有していてもよい。光遅延器105としては、例えば、市販の光遅延回路から好適なものを適宜選んで利用することができる。光遅延器105を空間光学系で実現させ、あるいは複数の光遅延回路を組み合わせて実現させることもできる。
第1の偏波分離合成器102及び第2の偏波分離合成器108としては、例えば市販されている偏光ビームスプリッタを適宜選んで利用することができる。あるいはまた、複屈折結晶を用いた偏光プリズムを適宜利用することもできる。
半透鏡103の第3入出力端103-3から出力された出力光パルスは、第2の1/2波長板106と複屈折媒体107を順次通過して、励起光パルスとして出力される。第2の1/2波長板106は、半透鏡103の第3入出力端103-3から出力された出力光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる。複屈折媒体107は第2の1/2波長板106から出力された出力光パルスの直交する光学軸間の光位相差を任意に設定する。第1の1/2波長板101及び第2の1/2波長板106としては、光学軸回転可能な機能を有する光モジュール等を適宜利用することができる。
第1の90度偏波面回転部104の好適な一例として、以下のような構成が挙げられる。すなわち、第1の偏波分離合成器102と光遅延器105とを偏波面保存光ファイバーを用いて接続させる光モジュール構成とし、第1の偏波分離合成器102と光遅延器105とを繋ぐ偏波面保存光ファイバーの一箇所を切断し、偏波面保存光ファイバーの切断面における互いの光学軸(進相軸と遅相軸)を90度回転させて融着接続させればよい。また、第1の90度偏波面回転部104を1/2波長板を用いて構成してもよい。
また、複屈折媒体107には、直交する光学軸間の光位相差を任意に設定可能とされるものを利用するのが望ましい。ここでは、励起光波長に対して動作することが保証されていればよい。このような複屈折媒体107として好適なものの一例は、バビネソレイユ補償板である。
光干渉計部20-1は、第1〜第3入出力端(108-1、108-2及び108-3)を備える第2の偏波分離合成器108によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループ(以後、単に光ループと略称することもある)として構成され、この光ループの光路中に非線形光学媒質109及び第2の90度偏波面回転部110が設置されている。
光干渉計部20-1は、励起光パルス整形部10-1から出力されて量子もつれ光子対抽出部30-1を通過した励起光パルスが入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいてシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対を偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対として発生させる。
非線形光学媒質109は、パラメトリック蛍光を発生させることが可能である非線形光学媒質を利用することができる。例えば、周期的分極反転構造が形成されているLiNbO3結晶等の2次の非線形光学効果を発現する非線形光学媒質、あるいは光ファイバー等の3次の非線形光学効果を発現する非線形光学媒質を利用することができる。
非線形光学媒質109を2次非線形光学媒質とした場合、カスケード第2高調波発生(SHG: Second harmonic generation)/パラメトリック下方変換(SPDC: Spontaneous Parametric Down Conversion)過程により相関光子対が発生する。すなわち、波長λpの入力励起光パルスを入力するとその半分の波長(λp/2)のSHG光が発生し、このSHG光を種光パルスとしたSPDC過程により波長λsのシグナル光及び波長λiのアイドラー光の相関光子対が同時に発生する。
一方、非線形光学媒質109を3次非線形光学媒質とした場合、自然放出四光波混合(SFWM: Spontaneous Four-Wave Mixing)過程により相関光子対が発生する。すなわち、波長λpの入力励起光パルスを入力すると、SFWM過程により波長λsのシグナル光及び波長λiのアイドラー光の相関光子対が同時に発生する。
非線形光学媒質109に2次あるいは3次のいずれの非線形光学媒質を利用するにせよ、入力励起光パルスの波長λp、シグナル光の波長λs、及びアイドラー光の波長λiの間には、次式(1)で与えられるエネルギー保存則に相当する関係がある。ただし、λp、λs、λiは、いずれも真空中の波長である。
2/λp=1/λs+1/λi (1)
ここで、λs≠λ、λi≠λpであるとする。
非線形光学媒質109が2次非線形光学媒質である場合も、SPDC過程により相関光子対を発生させる構成(例えば、非特許文献1に記載の構成)としてもよい。この場合、波長λpの入力励起光パルスを入力すると、その約2倍の波長のシグナル光及びアイドラー光からなる相関光子対が発生する。このSPDC過程におけるエネルギー保存則に相当する関係は次式(2)
1/λp=1/λs+1/λi (2)
で与えられる。
この発明の量子もつれ光子対発生装置においては、上述のいずれのパラメトリック蛍光過程を用いて発生させた相関光子対も実現可能である。
第2の90度偏波面回転部110は、励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光の偏波面を90度回転させる。第2の90度偏波面回転部110は、偏波面保存光ファイバーの一箇所を切断し、偏波面保存光ファイバーの切断面における互いの光学軸(進相軸と遅相軸)を90度回転させて融着接続することで形成できる。また、第2の90度偏波面回転部110を1/2波長板を用いて構成してもよい。
後述する量子もつれ光子対を形成する相関光子対を発生させる過程において、2次非線形光学媒質におけるカスケードSHG/SPDC過程を用いる場合、並びに、3次非線形光学媒質におけるSFWM過程を用いる場合には、励起光パルス、シグナル光、アイドラー光はほぼ同じ波長(例えば、1.55μm)であるため、第2の90度偏波面回転部110として、1.55μmで動作する1/2波長板を利用してもよい。
量子もつれ光子対抽出部30-1は、シグナル光及びアイドラー光に相当する波長成分を選択し空間分離して出力する。すなわち、光干渉計部20-1から出力される出力光のうち、量子もつれ光子対の波長成分のみを分離抽出して、この発明の量子もつれ光子対発生装置の外部に出力する。量子もつれ光子対抽出部30-1の好適な構成の一例は、図1に示すように、バンドパス光フィルタ111、波長分離フィルタ113、及びローパス光フィルタ112を備えた構成である。
バンドパス光フィルタ111は、励起光パルス整形部10-1から出力された出力光を透過光成分と反射光成分とに分離して出力する。ローパス光フィルタ112は、バンドパス光フィルタ111から出力された出力光から、相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去する。波長分離フィルタ113は、ローパス光フィルタ112から出力された出力光から、量子もつれ光子対を形成するシグナル光とアイドラー光とを別々の光経路に切り分けて出力する。
バンドパス光フィルタ111は、第1〜第3入出力端(111-1、111-2、及び111-3)を備えている。第2入出力端111-2から入力される入力光のうち、波長λp近傍の波長成分のみが選択的にバンドパス光フィルタ111を透過し、第1入出力端111-1から出力される。一方、透過波長成分以外の光、すなわち反射波長成分のうち、少なくともシグナル光及びアイドラー光の波長成分を含む光成分は、第3入出力端111-3から出力される。また、第1入出力端111-1から入力される入力光のうち、波長λp近傍の波長成分のみが選択的に第2入出力端111-2から出力される。このようなバンドパス光フィルタ111としては、誘電体多層膜を利用した光学フィルタの一種で、現在バンドパス光フィルタとして一般的に市販されている光学フィルタを適宜利用できる。また、後述するように、AWG (Arrayed waveguide gratings)型のWDM (Wavelength Division Multiplexing)フィルタを利用することもできる。
ローパス光フィルタ112は、バンドパス光フィルタ111の第3入出力端111-3から出力される出力光のうち、カスケードSHG/SPDC過程が発現したときに生じるSHG光の波長成分(λp/2)、あるいはSPDC過程を発現させるために利用した励起光波長成分といった、シグナル光及びアイドラー光の波長の約半分の波長の波長成分を除去する。
ローパス光フィルタ112の通過光の波長成分は、カスケードSHG/SPDC過程及びSFWM過程を発現させるために用いた励起光波長成分の残留光(波長λp)、シグナル光波長成分(波長λs)、及びアイドラー光波長成分(波長λi)である。なお、非線形光学媒質109として、3次非線形光学媒質を利用した場合はSHG光が発生しないため、ローパス光フィルタ112は不要である。
波長分離フィルタ113は、ローパス光フィルタ112の通過光のうち、少なくともシグナル光波長成分とアイドラー光波長成分とを別々の光経路に切り分けて出力する。波長分離フィルタ113から出力されるシグナル光とアイドラー光の光子対が、この発明に係る量子もつれ光子対発生装置によって生成された、偏波量子もつれ光子対または時間位置量子もつれ光子対として実用に供される。
波長分離フィルタ113としては、シグナル光及びアイドラー光の双方の波長を透過波長成分とする、AWG型のWDMフィルタ等を適宜利用できる。
この発明に係る量子もつれ光子対発生装置は、偏波保持光学系を以って構成されるのが望ましい。その上で、各構成部品の光学軸の関係は、後述するような特別の配慮を以って構成される。この装置は、光結合レンズを用いて各光学部品を空間的に結合させた構成とすることができる他、偏波面保存ファイバーによって各光学部品が結合される光モジュールとして構成してもよい。いずれの構成をとるにしても、シグナル光、アイドラー光が最終的に分離して別々の光経路に切り分けて出力される光出力端に至るまで、偏波保存光学系で構成されるのが望ましい。
一方、この発明に係る量子もつれ光子対発生装置を、偏波保存ファイバーではなく、通常の偏波保存性を有さない光ファイバーが光結合に利用される光モジュールで実現させる場合でも、適宜偏波面コントローラ等の付加的光部品を用いることによって、擬似的に偏波保存光学系を構成することは可能である。
≪動作の説明≫
非線形光学媒質109として、zカットのLiNbO3結晶基板に周期的分極反転構造を作りつけたLiNbO3結晶(PPLN結晶: Periodically poled lithium niobate 結晶)を利用するものとして動作説明を行う。PPLN結晶は、2次非線形光学媒質として機能させることができる。相関光子対の発生のためのパラメトリック蛍光生成過程としてカスケードSHG/SPDC過程を利用し、2次非線形光学定数のテンソル成分d33を、SHG発生、SPDC発生に利用するものとして、この発明の量子もつれ光子対発生装置による偏波量子もつれ光子対発生及び時間位置量子もつれ光子対発生の動作について説明する。
非線形光学媒質109を2次非線形光学媒質とし、カスケードSHG/SPDC過程による相関光子対発生については、例えば、非特許文献3(S. Arahira, et al., "Generation of polarization entangled photon pairs at telecommunication wavelength using cascaded χ(2)processed in a periodically poled LiNbO3 ridge waveguide," Optics Express. vol.19, No.17, pp.16032-16043, (2011))に記載がある。
非線形光学媒質109にはPPLN結晶のz軸方向に偏波した直線偏光が入力される。PPLN結晶で発生するSHG光、シグナル光、アイドラー光も、またz軸方向に偏波した直線偏光である。以下の説明においては、励起光パルス整形部10-1に入力される直線偏光の光パルス100の偏波方向は、p偏波の偏波方向と合致するものとして説明する。
(1)偏波量子もつれ光子対発生装置としての動作
図1及び図2を参照して、この発明の量子もつれ光子対発生装置を偏波量子もつれ光子対発生装置として動作させる場合についての説明を行う。図2は、励起光パルス整形部10-1の概略的構成を示す図であり、偏波量子もつれ光子対発生時の各構成光部品の設定条件及び各構成光部品に入出力する光パルスの偏波状態を示してある。図2中でp偏波(成分)を白色の二等辺三角形で示し、s偏波(成分)を斜線入りの傾いた二等辺三角形で示してある。
まず、p偏波状態の光パルスを周知の光源及び光学部品(図示を省略してある)を用いて発生させ、第1の1/2波長板101に入力させる。ここで、第1の1/2波長板101のいずれかの光学軸の方向をp偏波の偏光方向と合致させる。このとき、光パルスは偏波面回転を受けず、p偏波の直線偏光の光パルスとして第1の1/2波長板101から出力される。
この第1の1/2波長板101から出力された光パルスを、第1の偏波分離合成器102の第1入出力端102-1に入力する。そうすると、第1の偏波分離合成器102の第1入出力端102-1への入力光パルスはp偏波であるため、入力光パルスはp偏波の光パルスとして第1の偏波分離合成器102の第2入出力端102-2から出力される。第1の偏波分離合成器102の第2入出力端102-2から出力されるp偏光の光パルスは、半透鏡103の第1入出力端103-1に入力され、半透鏡103の第3入出力端103-3から出力される。半透鏡103の第3入出力端103-3から出力される光パルスのピーク強度は、半透鏡103の第1入出力端103-1に入力された光パルスのピーク強度の1/2になるが、偏波状態はp偏波のまま変化しない。
半透鏡103の第3入出力端103-3から出力された光パルスは第2の1/2波長板106へ入力される。第2の1/2波長板106の光学軸の方向をp偏波方向から22.5度回転させておく。そうすると、第2の1/2波長板106から出力される光パルスの偏波面は、p偏波の方向から45度回転されている。偏波面がp偏波の方向から45度傾いた直線偏光(以後、45度直線偏光ということもある)は、等しい強度のp偏波成分とs偏波成分との和であると見なせる。このような、p偏波成分とs偏波成分とを等しく含む偏光を、以後1:1偏光ということもある。ただし、1:1偏光は、p偏波成分とs偏波成分の強度比が1:1となっているだけであり、両偏波成分間の光位相差は0であるとは限らない。
第2の1/2波長板106から出力された光パルスは、複屈折媒体107を通過する。ここで、複屈折媒体107の直交するそれぞれの光学軸は、p偏波及びs偏波の方向に一致させて配置する。すなわち、45度直線偏光の偏波方向とこれら光学軸とは45度の角度をなす。また、複屈折媒体107の光学軸間で生じる光位相差は任意に設定できるものとする。この結果、複屈折媒体107を通過した光パルスは、p偏波成分とs偏波成分との間に所望の光位相差が与えられえた1:1偏光となっている。
以上説明した様に、励起光パルス整形部10-1は、p偏波の直線偏光の光パルスが入力されると、1:1偏光の光パルスを生成して出力する機能を有している。ここで、励起光パルス整形部10-1から出力される1:1偏光の光パルスのp偏波成分、s偏波成分のピーク強度は、励起光パルス整形部10-1に入力されたp偏波の光パルスのピーク強度の1/4となっている。
励起光パルス整形部10-1から出力された1:1偏光の光パルス(偏光励起光パルス対)は、図1に示すように、量子もつれ光子対抽出部30-1を一旦通過して、光干渉計部20-1が備える第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1に入力される。この第1入出力端108-1に入力された入力光は、1:1偏光の光パルスであるので、第2入出力端108-2、第3入出力端108-3から、それぞれ等しいピーク強度のp偏波の光パルス、s偏波の光パルスが出力される。
このとき、光ループを時計回りに伝播する、第2入出力端108-2から出力された光パルスは、p偏波の偏光状態のままで非線形光学媒質109(PPLN結晶)に入力される。非線形光学媒質109内では、カスケードSHG/SPDC過程により、シグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が発生する。これら、第2入出力端108-2から出力された光パルス(励起光パルス)、と非線形光学媒質109で発生したSHG光、シグナル光、及びアイドラー光は、全てp偏波の偏光状態である。
非線形光学媒質109から出力される、励起光パルス、SHG光、シグナル光、及びアイドラー光は、次に第2の90度偏波面回転部110を通過して、少なくとも励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光の偏波方向は90度回転されてs偏波状態となる。その後、これらの光パルスは、第2の偏波分離合成器108の第3入出力端108-3に入力され、第1入出力端108-1からs偏波状態の光パルスとして出力される。
カスケードSHG/SPDC過程を利用した場合、光干渉計部20-1を構成している光学系はSHG光に対しては最適化されている必要はないので、SHG光がどのような偏波状態で出力されるかは不確定である。しかしながら、このSHG光の波長成分は最終的にローパス光フィルタ112で除去されるので偏波状態が不確定であることは問題とならない。すなわち、光ループを時計回りに伝播する励起光パルスによって、非線形光学媒質109(PPLN結晶)内でカスケードSHG/SPDC過程が発現することにより、s偏波のシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力される。
一方、光ループを反時計回りに伝播する第3入出力端108-3から出力されたs偏波の光パルスは、まず、第2の90度偏波面回転部110を通過して、その偏波方向が90度回転されてp偏波状態に変換される。その結果、p偏波の偏光状態で非線形光学媒質109に入力され、カスケードSHG/SPDC過程によりシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が発生する。これら、励起光パルス、SHG光、シグナル光、及びアイドラー光は、全てp偏波の偏光状態である。
次に、励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光は、p偏波の偏光状態で第2の偏波分離合成器108の第2入出力端108-2に入力され、第1入出力端108-1からp偏波の偏光状態で出力される。SHG光については、上述の場合と同様に最終的にローパス光フィルタ112で除去されるので偏波状態が不確定であることは問題とならない。すなわち、光ループを反時計回りに伝播する励起光パルスによって、p偏波のシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力される。
光干渉計部20-1を構成する各光部品の光損失を無視すると、非線形光学媒質109に入力される光ループを時計回りする励起光パルス強度と、反時計回りする励起光パルス強度とは等しく、また偏波の方向も同一であって時間軸上で同位置に存在する。このように強度が等しく偏波面が互いに直交する光パルスが偏光励起光パルス対である。偏光励起光パルス対を利用することによって、非線形光学媒質109を構成するPPLN結晶が中心対称構造であれば、PPLN結晶内で発現するSPDC過程で発生する相関光子対の発生確率は、時計回り及び反時計回りの双方の励起光パルスに対して同一となる。
従って、励起光パルス強度が十分に弱い場合、第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力されるシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対は、光ループを時計回りに伝播する励起光パルスによって発生したs偏波の相関光子対か、光ループを反時計回りに伝播する励起光パルスによって発生したp偏波の相関光子対のいずれか一方となる。すなわち、この発明の量子もつれ光子対発生装置から出力される相関光子対の状態は、光ループを時計回りに伝播する相関光子対と、この相関光子対と偏波が直交する反時計回りに伝播する相関光子対との重ね合わせ状態となる。これは、個々の光子の偏波は決定されていないが2光子間の偏波は互いに平行する状態になっており、偏波面が互いに直交する偏光励起光パルス対を種光パルスとして偏波量子もつれ光子対が発生したことを意味する。
第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力される励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光は、量子もつれ光子対抽出部30-1に入力される。すなわち、バンドパス光フィルタ111の第2入出力端111-2に入力され、シグナル光とアイドラー光とは第3入出力端111-3から出力される。また、励起光パルスはその多くが(理想的には全てが)第1入出力端111-1から出力され、励起光パルスの残存成分は第3入出力端111-3から出力される。
バンドパス光フィルタ111の第3入出力端111-3から出力される出力光は、まずローパス光フィルタ112を通過することで、波長λp/2のSHG光成分やSPDC過程で必要とされた励起光波長成分が除去される。
次に、波長分離フィルタ113によって、シグナル光波長成分(λs)、アイドラー光波長成分(λi)が別々の光経路に切り分けられて出力される。シグナル光波長成分及びアイドラー光波長成分が出力されるそれぞれの光経路に、残存励起光波長成分(λp)が混入しないように波長分離フィルタ113には十分な波長分離能力を備えていることが要請される。このような条件を満たす波長分離フィルタ113としては、AWG型のWDMフィルタを利用するのが好適である。また、ブラッグ反射波長がλpである回折格子型のフィルタ、例えばファイバブラッググレーティング等を組み合わせて励起光波長成分を十分除去できる構造とすることも可能である。
波長分離フィルタ113を通過したシグナル光とアイドラー光とが、偏波量子もつれ光子対として実用に供される。このときの偏波量子もつれ光子対の量子状態を表す状態ベクトル|Φ>は次式(3)で与えられる。
|Φ>=α|p>s|p>i + βe|s>s|s>i (3)
偏波量子もつれ光子対は、直交偏波量子状態|p>s|p>i及び|s>s|s>iの重ね合わせとなっている。ただし、jは虚数単位であり、α、βは|α|2+|β|2 = 1を満たす。
式(3)において、状態ベクトル|X>YのXは偏波状態の識別ラベルであり(X=pがp偏波を示し、X=sがs偏波を示す)、Yはシグナル光とアイドラー光とを識別する識別ラベルである(Y=sがシグナル光を示し、Y=iがアイドラー光を示す)。|α|と|β|はそれぞれp偏波とs偏波の光子対が発生する確率を表している。また、φはp偏波の光子対とs偏波の光子対との光位相差を表す変数である。
最大もつれ状態、いわゆるベル状態は、|α|=|β|= 1/21/2 で、かつφ=0またはπのときに実現される。|α|=|β|= 1/21/2 が満たされるのは、p偏波成分とs偏波成分の強度が等しくなるように(強度比が1:1になるように)設定されているときである。
非線形光学媒質109に入力される偏光励起光パルスを構成するp偏波とs偏波の光パルスのピーク強度は等しいので、それぞれの光パルスに対してSPDC過程の発現による相関光子対の発生確率は等しい。従って、|α|=|β|= 1/21/2 が満たされる。
また、偏波量子もつれ光子対を構成するp偏波の偏光状態の相関光子対と、s偏波の偏光状態の相関光子対との間の光位相差は、励起する1:1偏光の励起光パルスの直交偏波成分間の光位相差と、相関光子対が各光学部品を通過する際に生じる光路長差、複屈折等による光位相差で決定される。1:1偏光の励起光パルスは、複屈折媒体107を通過するので、複屈折媒体107において、これらのトータル光位相差を0またはπとなるように設定することによって、p偏波の光子対とs偏波の光子対との光位相差であるφの値を、0またはπとなるように設定することができる。すなわち、φの値を0またはπとなるように設定することによって最大量子もつれ状態が実現される。
(2)時間位置量子もつれ光子対発生装置としての動作
図1及び図3を参照して、この発明の量子もつれ光子対発生装置の時間位置量子もつれ光子対発生装置としての動作の説明を行う。図3は、励起光パルス整形部10-1の概略的構成を示す図であり、時間位置量子もつれ光子対発生時の各構成光部品の設定条件及び各構成光部品に入出力する光パルスの偏波状態を示してある。図3中でp偏波(成分)を白色の二等辺三角形で示し、s偏波(成分)を斜線入りの傾いた二等辺三角形で示してある。
上述の偏波量子もつれ光子対発生の場合と同様に、周知の光源及び光学部品(図示を省略してある)を用いてp偏波状態の光パルスを発生させ、第1の1/2波長板101に入力させる。ここで、第1の1/2波長板101のいずれかの光学軸の方向をp偏波の偏光方向から22.5度回転させておく。このとき、第1の1/2波長板101から出力される光パルスは偏光面がp偏波の偏光方向から45度回転し、45度偏波の出力光パルスとなる。
この第1の1/2波長板101から出力された光パルスを、第1の偏波分離合成器102の第1入出力端102-1に入力する。そうすると、入力光は45度偏波の直線偏光であるために、等しいピーク強度のp偏波の直線偏光とs偏波の直線偏光の光パルスが、それぞれ第2入出力端102-2、第3入出力端102-3から出力される。
第1の偏波分離合成器102の第2入出力端102-2から出力された光パルスは、半透鏡103の第1入出力端103-1に入力され、半透鏡103の第3入出力端103-3から出力される。半透鏡103の第3入出力端103-3から出力される光パルスのピーク強度は半透鏡103の第1入出力端103-1に入力された光パルスのピーク強度の1/2になるが、偏波状態はp偏波のまま変化しない。
一方、第1の偏波分離合成器102の第3入出力端102-3から出力された光パルスは、第1の90度偏波面回転部104において偏波面が90度回転しp偏波の直線偏光の光パルスとなる。この光パルスはp偏波の偏光状態を保ったまま光遅延器105を通過し、半透鏡103の第2入出力端103-2から入力され、第3入出力端103-3から出力される。第3入出力端103-3において、光パルスのピーク強度は第2入出力端103-2から入力された光パルスのピーク強度の1/2となるが、偏光状態はp偏波のまま変化しない。
この結果、半透鏡103の第3入出力端103-3から出力される、第1の偏波分離合成器102と半透鏡103を結ぶ二つの光経路間のそれぞれを伝播した光パルスは、いずれもその偏光状態がp偏波状態である。また、第1の偏波分離合成器102と半透鏡103を結ぶ二つの光経路間にはτの遅延時間差が与えられているため、第3入出力端103-3から出力される光パルスの形状は時間差τで同一強度の光パルスが時間多重され、時間軸上で異なる位置に存在する二連光パルスとなる。
第3入出力端103-3から出力される光パルスは、第2の1/2波長板106に入力される。ここで、第2の1/2波長板106の光学軸のいずれか一方をp偏波方向と合致させておく。このように光学軸を設定すると、第2の1/2波長板106から出力される光パルスはp偏波の直線偏光のままである。
第2の1/2波長板106から出力された光パルスは、複屈折媒体107を通過する。ここで、複屈折媒体107の直交するそれぞれの光学軸は、p偏波、s偏波の方向と一致するため、この複屈折媒体107を通過することによっても、光パルスの偏波面の回転は起こらない。
この結果、複屈折媒体107を通過した光パルスは、時間差τで同一ピーク強度の光パルスが2つ並ぶp偏波の二連光パルスとなる。この二連光パルスを構成するそれぞれの光パルスのピーク強度は、励起光パルス整形部10-1に入力されたp偏波の光パルスのピーク強度の1/4となっている。
励起光パルス整形部10-1から出力された二連光パルス(二連励起光パルス対)は、図1に示すように、量子もつれ光子対抽出部30-1を一旦通過して、光干渉計部20-1が備える第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1に入力される。二連光パルスを構成するそれぞれの光パルスはいずれもp偏波の直線偏光であるので、第2入出力端108-2から出力される。
第2の偏波分離合成器108の第2入出力端108-2から出力され、光ループを時計回りに伝播する二連光パルスは、p偏波の偏光状態のまま非線形光学媒質109(PPLN結晶)に入力され、カスケードSHG/SPDC過程により非線形光学媒質109内でシグナル光とアイドラー光からなる相関光子対が発生する。これら、光パルス(励起光パルス)、SHG光、シグナル光、及びアイドラー光は、全てp偏波の偏光状態である。
この結果、上述の偏波量子もつれ光子対を発生させた場合と同様に、光ループを時計回りに伝播する励起光パルスによって、非線形光学媒質109内でカスケードSHG/SPDC過程が発現することにより、p偏波のシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が発生し、そして、これらp偏波の偏光状態であるパルス光は、第2の90度偏波面回転部110を通過してs偏波の偏光状態となり、第2の偏波分離合成器108の第3入出力端108-3に入力されて、第1入出力端108-1から出力される。
一方、時間位置量子もつれ光子対発生のための動作時には光ループを反時計回りに伝播する励起光成分がないため、ループを反時計回りに伝播する励起光成分に基づくシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対は発生しない。
非線形光学媒質109に入力される二連光パルスを構成するそれぞれの光パルスのピーク強度は等しいので、それぞれの光パルスに対してSPDC過程の発現による相関光子対の発生確率は等しい。
従って、励起光パルス強度が十分に弱い場合、第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力されるシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対は、二連光パルスを構成する第1番目の光パルスによって発生したs偏波の相関光子対と、第2番目の光パルスによって発生したs偏波の相関光子対との重ね合わせ状態となる。これは、光子が存在し得る2つの時間スロットがあり、個々の光子はどちらの時間スロットに存在するかは決定されていないが、2個の光子は必ず同一の時間スロットに存在するという状態になっており、同一の直線偏光であって時間軸上で異なる位置に光パルスが存在する二連励起光パルス対を種光パルスとして時間位置量子もつれ光子対が発生したことを意味する。
第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力された出力光から、量子もつれ光子対抽出部30-1において、時間位置量子もつれ光子対のみを抽出する動作については、上述の偏波量子もつれ光子対発生の場合と同様であるので、ここでは重複する説明を省略する。
量子もつれ光子対抽出部30-1から出力されるシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対の量子状態を表す状態ベクトル|Φ>は次式(4)で与えられる。
|Φ>=α|1>s|1>i + βe|2>s|2>i (4)
時間位置量子もつれ光子対は、時間位置量子状態|1>s|1>i及び|2>s|2>iの重ね合わせとなっている。
式(4)において、状態ベクトル|X>YのXは時間スロットの識別ラベルであり(X=1が1番目の時間スロットを示し、X=2が2番目の時間スロットを示す)、Yはシグナル光とアイドラー光を識別する識別ラベルである(Y=sがシグナル光を示し、Y=iがアイドラー光を示す)。|α|と|β|はそれぞれ第1番目の時間スロットに光子対が発生する確率と2番目の時間スロットに光子対が発生する確率を表している。また、φは1番目の時間スロットにある光子対と第2番目の時間スロットにある光子対との光位相差を表す変数である。最大もつれ状態は、|α|=|β|= 1/21/2 で、かつφ=0またはπのときに実現される。
非線形光学媒質109に入力される二連光パルスを構成するそれぞれの光パルスのピーク強度は等しいので、それぞれの光パルスに対してSPDC過程の発現による相関光子対の発生確率は等しい。従って、|α|=|β|= 1/21/2 が満たされる。
また、二連光パルスを構成する第1番目の励起光パルスから発生する相関光子対と第2番目の励起光パルスから発生する相関光子対との光位相差は、二連光パルスを構成する第1番目と第2番目の励起光パルス間の光位相差と、相関光子対が各光学部品を通過する際に生じる光路長差、複屈折等による光位相差で決定される。二連光パルスの内第2番目の励起光パルスは、光遅延器105を通過するので、光遅延器105において、これらのトータル光位相差を0またはπとなるように設定することによって、第1番目の時間スロットにある光子対と第2番目の時間スロットにある光子対との光位相差であるφの値を、0またはπとなるように設定することができる。すなわち、φの値を0またはπとなるように設定することによって最大量子もつれ状態が実現される。
(3)以上説明した様に、この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置によれば、偏波量子もつれ光子対発生装置として動作させる際は、第1の1/2波長板101のいずれかの光学軸の方向をp偏波の偏光方向と合致させ、第2の1/2波長板106の光学軸の方向をp偏波方向から22.5度回転させておけばよい。
また時間位置量子もつれ光子対発生装置として動作させる際は、第1の1/2波長板101のいずれかの光学軸の方向をp偏波の偏光方向から22.5度回転させておき、第2の1/2波長板106の光学軸のいずれか一方をp偏波方向と合致させておけばよい。
このように、第1の1/2波長板101及び第2の1/2波長板106の光学軸を回転させるという簡便な操作によって、偏波量子もつれ光子対発生装置として動作させることも、時間位置量子もつれ光子対発生装置として動作させることも、選択して実現することが可能である。すなわち、量子暗号、量子コンピュータ等量子情報通信技術等で量子もつれ光子対発生装置として利用する際、必要とされる偏波量子もつれ光子対及び時間位置量子もつれ光子対のいずれのフォーマットの量子もつれ光子対も、一台の量子もつれ光子対発生装置によって選択的に発生させることができる。
<第1の量子もつれ光子対発生装置の変形構成例>
[第1の変形構成例]
この発明の第1の量子もつれ光子対発生装置は、図1に示す構成例に限らず、同様に動作する変形構成例を構成することができる。第1の変形構成例は、量子もつれ光子対抽出部の構成に特徴がある。
図4を参照して第1の変形構成例について説明する。第1の変形構成例では、図1に示したバンドパス光フィルタ111と波長分離フィルタ113の役割を波長分離フィルタ114で実現している。すなわち、第1の変形構成例では、量子もつれ光子対抽出部の構成が異なっている。なお、励起光パルス整形部10-1の構成は上述の図1に示す構成例と同一であるので、図4では励起光パルス整形部10-1を省略し、第1の変形構成例の量子もつれ光子対抽出部30-2及び光干渉計部20-1の構成部分を示してある。
第1の変形構成例の量子もつれ光子対抽出部30-2は、波長分離フィルタ114とローパス光フィルタ112とを備えて構成される。波長分離フィルタ114は、励起光パルス整形部10-1から出力された励起光パルス(偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対)、シグナル光、アイドラー光の波長を透過波長とし、共通入出力ポートと複数の透過光入出力ポートとを有している。ローパス光フィルタ112は、相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去する。
励起光パルス整形部10-1から出力された出力光である励起光パルスは、波長分離フィルタ114の複数の透過光入出力ポートのいずれか(ここでは第4入出力端114-4)に入力され、そのまま透過して共通入出力ポート114-1から出力されてローパス光フィルタ112を通過して光ループに入力される。また、光ループから出力されるシグナル光とアイドラー光とが波長分離フィルタ114の共通入出力ポート114-1から入力されて、この波長分離フィルタ114の別々の透過光入出力ポート(ここでは114-2及び114-3)から切り分けて出力される。
第1の変形構成例においても、波長分離フィルタ114として、少なくともシグナル光波長(λs)、アイドラー光波長(λi)、及び励起光波長(λp)の3波長を透過波長とするAWG型のWDMフィルタを利用する。波長分離フィルタ114は、その透過波長に相当する波長の光を入力するための複数の透過光入出力ポート(114-2、114-3、114-4)と、それぞれの透過光入出力ポート(114-2、114-3、114-4)に入力された光を合波して出力するための共通入出力ポート114-1を有する。逆に、共通入出力ポート114-1に入力された光はそれぞれの波長に応じて分波し、それぞれの透過波長に相当する透過光入出力ポート(114-2、114-3、114-4)から出力する特性を有している。
励起光パルス整形部10-1(図4では図示を省略してある)から出力された励起光パルスは透過光入出力ポート114-4へ入力される。また、共通入出力ポート114-1から出力される出力光は第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1へ入力される。そして、第1入出力端108-1へ入力された励起光パルスは、光干渉計部20-1の光ループの光路中に配置されている非線形光学媒質109へ双方向(偏波量子もつれ光子対発生の場合)から、あるいは単一方向(時間位置量子もつれ光子対発生の場合)から入力される。
第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力される光ループからの出力光は、波長分離フィルタ114の共通入出力ポート114-1に入力され、シグナル光とアイドラー光とがそれぞれ対応する透過光入出力ポート(114-2、114-3)から出力される。例えば、シグナル光が透過光入出力ポート114-2から出力され、アイドラー光が透過光入出力ポート114-3から出力される。この段階で励起光波長に相当する波長成分は除去される。更に、SHG光等の短波長成分を除去するため、必要に応じて波長分離フィルタ114の共通入出力ポート114-1と、第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1との間にローパス光フィルタ112を配置してSHG光の波長成分を除去する。
[第2の変形構成例]
図5を参照して第2の変形構成例について説明する。第2の変形構成例も、量子もつれ光子対抽出部の構成に特徴がある。第2の変形構成例では、バンドパス光フィルタ111の代わりに光サーキュレータ115を利用する。第2の変形構成例の量子もつれ光子対抽出部30-3は、第1〜第3入出力端を有する光サーキュレータ115と、ローパス光フィルタ112と、波長分離フィルタ113とを備えている。
励起光パルス整形部10-1(図5では図示を省略してある)から出力された励起光パルスを光サーキュレータ115の第1入出力端115-1から入力する。第1入出力端115-1から入力された励起光パルスは、第2入出力端115-2から出力され、第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1に入力される。図1に示した構成と同様に、非線形光学媒質109へ双方向(偏波量子もつれ光子対発生の場合)から、あるいは単一方向(時間位置量子もつれ光子対発生の場合)から入力される。
第2の偏波分離合成器108の第1入出力端108-1から出力される光ループからの出力光は、光サーキュレータ115の第2入出力端115-2へ入力され、第3入出力端115-3から出力される。第3入出力端115-3から出力された後、ローパス光フィルタ112と波長分離フィルタ113とを通過することによってSHG光等の短波長成分が除去され、シグナル光及びアイドラー光に相当する波長成分が選択されて空間分離して出力される。
すなわち、ローパス光フィルタ112は、第3入出力端115-3から出力された出力光から、相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去する。波長分離フィルタ113は、ローパス光フィルタ112から出力された出力光から、量子もつれ光子対を形成するシグナル光とアイドラー光とを別々の光経路に切り分けて出力する。
[第3の変形構成例]
図6を参照して第3の変形構成例として、第3の変形構成例について説明する。第3の変形構成例では、図1に示した量子もつれ光子対発生装置の励起光パルス整形部10-1に備えられる複屈折媒体107を取り外し、光干渉計部20-1に備えられていた第2の90度偏波面回転部110に代えて複屈折媒体107の機能を内包する光位相バイアス回路201を配置する構成とする。すなわち、第3の変形構成例の量子もつれ光子対発生装置は、励起光パルス整形部10-2と、光干渉計部20-2と、量子もつれ光子対抽出部30-1とを備えている。これら以外の構成は、上述の構成例と同一なので重複する説明を省略する。
励起光パルス整形部10-2は、第1の1/2波長板101、第1の偏波分離合成器102、半透鏡103、第1の90度偏波面回転部104、光遅延器105、及び第2の1/2波長板106を備え、これらの機能は上述の励起光パルス整形部10-1が備えているものと同一である。
光干渉計部20-2は、第2の偏波分離合成器108によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループとして構成されている。そして、この光ループの光路中に非線形光学媒質109及び光位相バイアス回路201が設置されている。
図7を参照して、光位相バイアス回路201の動作について説明する。非線形光学媒質109は、パラメトリック蛍光によって相関光子対を発生させる。光位相バイアス回路201は、直線偏光の偏波面を-45度回転させる第1のファラデー回転子280、光学軸X及びYを有する複屈折媒体282、及び直線偏光の偏波面を-45度回転させる第2のファラデー回転子284をこの順番で直列に配置して構成される。
まず、p偏波状態の光パルスが第1のファラデー回転子280の側(右側ということもある)から入力され、第2のファラデー回転子284の側(左側ということもある)から出力されるときの光パルスの偏波状態の変化について説明する。右側から入力されたp偏波状態の光パルスは、第1のファラデー回転子280を通過することによって偏波方向が-45度回転する。偏波回転された後の偏波方向が、複屈折媒体282の一方の光学軸(図7ではY軸としてある)の方向と一致するように複屈折媒体282を配置する。複屈折媒体282に入力された光パルスは複屈折媒体282を、そのY軸と平行な偏波面を有する直線偏光として通過し、第2のファラデー回転子284に入力される。そして、第2のファラデー回転子284を通過することによって偏波方向が-45度回転する。この結果、第2のファラデー回転子284から出力された光パルスは、s偏波状態の光パルスとなって光位相バイアス回路201から出力され、第2の偏波分離合成器108の第3入出力端108-3に入力される。
次に、s偏波状態の光パルスが、光位相バイアス回路201の左側から入力され、右側から出力されるときの光パルスの偏波状態の変化について説明する。左側から入力されたs偏波状態の光パルスは、第2のファラデー回転子284を通過することによって偏波方向が-45度回転する。偏波回転された後の偏波方向が、複屈折媒体282の一方の光学軸であるX軸の方向と一致する。従って、複屈折媒体282に入力された光パルスは複屈折媒体282を、そのX軸と平行な偏波面を有する直線偏光として通過し、第1のファラデー回転子280に入力される。そして、第1のファラデー回転子280を通過することによって偏波方向が-45度回転する。この結果、第1のファラデー回転子280から出力された光パルスは、p偏波状態の光パルスとなって光位相バイアス回路201から出力され、非線形光学媒質109に入力される。
すなわち、光位相バイアス回路201のいずれの側から入力されても、光パルスの偏波面は90度回転されて光位相バイアス回路201から出力される。そして、光位相バイアス回路201の右側からp偏光の光パルスを入力して左側からs偏光の光パルスを出力させ、左側からs偏光の光パルスを入力して右側からp偏光の光パルスを出力させるように入出力光パルスの偏光状態を設定しておけば、右側及び左側から入力される光パルスは、複屈折媒体282を互いに直交する光学軸(X軸とY軸)に平行な偏波面の直線偏光の状態で通過する。このため、右側から入力された光パルスと、左側から入力された光パルスとの間に、複屈折媒体282の有する複屈折に基づく光位相差が生じる。
これとは逆に、光位相バイアス回路201の左側からp偏光の光パルスを入力して右側からs偏光の光パルスを出力させ、右側からs偏光の光パルスを入力して左側からp偏光の光パルスを出力させるように入出力光パルスの偏光状態を設定しても、右側及び左側から入力される光パルスは、複屈折媒体282を互いに直交する光学軸(X軸とY軸)に平行な偏波面の直線偏光の状態で通過する。そして、左側から入力された光パルスと、右側から入力された光パルスとの間に、複屈折媒体282の有する複屈折に基づく光位相差が生じる。
以上説明した様に、光位相バイアス回路201は、図1に示した量子もつれ光子対発生装置における複屈折媒体107と第2の90度偏波面回転部110の役割を果たすので、図6に示す量子もつれ光子対発生装置も、図1に示した量子もつれ光子対発生装置と同様の効果が得られる。
[補足説明]
これまで、非線形光学媒質109としてPPLN結晶を利用する場合を想定して説明したが、PPLN結晶以外で2次の非線形光学効果が発現する媒質としてバルク結晶等を利用することもできる。また、3次の非線形光学効果が発現される光ファイバー等を利用することもできる。また、パラメトリック蛍光過程として、カスケードSHG/SPDC過程以外にも、SPDC過程、SFWM過程等も利用できる。
第1の90度偏波面回転部104や光位相バイアス回路201等が、光ループの光路中の非線形光学媒質109に対してどの位置に配置されるかは、図6に示された配置に限定されない。すなわち、例えば、非線形光学媒質109を構成するPPLN結晶の2次非線形光学定数のテンソル成分としてd11成分を利用する場合は、第1の90度偏波面回転部104を、第1の偏波分離合成器102の第2入出力端102-2と半透鏡103の第1入出力端103-1とを接続する光路中に配置すればよい。
また、第1の90度偏波面回転部104と光位相バイアス回路201との位置を図6に示す位置から交互に入れ替えて、第1の90度偏波面回転部104の位置に光位相バイアス回路201を配置し、光位相バイアス回路201の位置に第1の90度偏波面回転部104を配置する構成とすることも可能である。
これらの構成要素の配置箇所は、非線形光学媒質109、光位相バイアス回路201を構成する光学部品、あるいは第1の90度偏波面回転部104の光学軸の方向と、これら構成要素に入力される光パルスの偏光方向とを勘案して設定すればよい。
<第2の量子もつれ光子対発生装置の実施形態>
≪構成の説明≫
図8を参照してこの発明の第2の量子もつれ光子対発生装置の実施形態の基本構成について説明する。図8には、後述する図9及び図10を参照する際に対応位置関係を明らかにするために、光路中に「A」、「B」、及び「C」と示す点を記入してある。第2の量子もつれ光子対発生装置は、励起光パルス整形部10-2と、量子もつれ光子対発生抽出部40とを備えている。励起光パルス整形部10-2は、上述の第1の量子もつれ光子対発生装置の第3の構成例が備える励起光パルス整形部10-2と同一なので、その構成及び動作についても説明を省略する。
図8に示すように、量子もつれ光子対発生抽出部40は、第1〜第4入出力端を有する偏波分離合成器301を備え、励起光パルス整形部10-2から出力された励起光パルスをこの偏波分離合成器301の第1入出力端301-1へ入力し、励起光パルスを種光パルスとして発生した相関光子対を第4入出力端301-4から出力させる。
この構成を実現するため、上述の第2の90度偏波面回転部110に代えて、ファラデー回転子と1/2波長板からなる光学部品のペア(非相反偏波面変換部)を二組用いる。また、上述の光干渉計部(20-1、20-2)を構成する第2の偏波分離合成器108に代えて、上述の第1〜第4入出力端を有する偏波分離合成器301を用いる。
なお、この第2の量子もつれ光子対発生装置では、パラメトリック蛍光過程として適用可能である過程は、カスケードSHG/SPDC過程あるはSFWM過程のみである。
量子もつれ光子対発生抽出部40は、偏光励起光パルス対あるいは二連励起光パルス対が入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいてシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対を発生させ、シグナル光及びアイドラー光に相当する波長成分を選択し空間分離して、偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対として出力する。
量子もつれ光子対発生抽出部40は、光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループと、ローパス光フィルタ112と、波長分離フィルタ113とを備えている。この光ループの光路中には、第1の非相反偏波面変換部211、第2の非相反偏波面変換部212、及び非線形光学媒質109が配置されている。光ループは、この光ループの光路の入出力端を、偏波分離合成器301の第2入出力端301-2と第3入出力端301-3と結ぶことによって形成されている。
ローパス光フィルタ112は、この光ループの光路中に配置された非線形光学媒質109において、パラメトリック蛍光過程に基づいて発生するシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去する。波長分離フィルタ113は、ローパス光フィルタ112から出力された出力光から、シグナル光とアイドラー光とを別々の光経路に切り分けて出力する。
また、光ループ中に配置される、第1の非相反偏波面変換部211と第2の非相反偏波面変換部212は同一の構成である。図9を参照して第1の非相反偏波面変換部211の構成ついて、図10を参照して第2の非相反偏波面変換部212の構成について説明する。第1の1/2波長板208と第2の1/2波長板210のそれぞれの光学軸は図9及び図10にそれぞれ示されているとおりである。
第1の非相反偏波面変換部211は、第1のファラデー回転子207と第1の1/2波長板208を組み合わせて形成されている。第2の非相反偏波面変換部212は、第2のファラデー回転子209と第2の1/2波長板210を組み合わせて形成されている。
第1のファラデー回転子207と第2のファラデー回転子209は、波長がλpの近傍の励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光に対して、偏波面を-45度(反時計回りに45度)偏波回転させる。第1のファラデー回転子207と第2のファラデー回転子209は、第1の変形構成例として図6及び図7を参照して説明した第1の量子もつれ光子対発生装置において利用した第1及び第2のファラデー回転子(280、284)と同様のファラデー回転子である。
また、第1の1/2波長板208と第2の1/2波長板210は、図1を参照して説明した第1の量子もつれ光子対発生装置において利用した第1及び第2の1/2波長板(101、106)と同じく、波長がλpの近傍の励起光パルス、シグナル光、及びアイドラー光に対して1/2波長板として動作する。
偏波分離合成器301の第1〜第3入出力端(301-1〜301-3)の機能とその役割は、上述の第1の実施の形態の量子もつれ光子対発生装置が備えている第2の偏波分離合成器108の第1〜第3入出力端(108-1〜108-3)のもつ機能とその役割と同様である。励起光パルス整形部10-2から出力された励起光パルスは、偏波分離合成器301の第1入出力端301-1に入力される。
すなわち、第1入出力端301-1から入力される励起光パルスのp偏波の偏光成分は、第2入出力端301-2から出力され、第1入出力端301-1から入力されるs偏波の偏光成分は、第3入出力端301-3から出力される。また、第2入出力端301-2から入力されるp偏波の偏光成分は、第1入出力端301-1から出力され、第3入出力端301-3から入力されるs偏波の偏光成分は、第1入出力端301-1から出力される。また、偏波分離合成器301においては、第2入出力端301-2から入力されるs偏波の偏光成分は、第4入出力端301-4から出力され、第3入出力端301-3から入力されるp偏波の偏光成分は、第4入出力端301-4から出力される。
このような偏波分離合成器301としては、例えば市販されている偏光ビームスプリッタから適宜選択して利用することができる。この他に、上述の第1の量子もつれ光子対発生装置を構成する各光学部品と共通の役割を果す各光学部品については、その重複する説明を省略する。
≪動作の説明≫
上述の第1の量子もつれ光子対発生装置に対するのと同様に、励起光パルス整形部10-2から出力された波長λpの励起光パルスが偏波分離合成器301の第1入出力端301-1から入力され、p偏波の偏光成分及びs偏波の偏光成分がそれぞれ、第2入出力端301-2及び第3入出力端301-3から出力される。第3入出力端301-3から出力され、光ループを反時計回りに伝播するs偏波の励起光パルスは、第1のファラデー回転子207と第1の1/2波長板208とを備える第1の非相反偏波面変換部211を通過する。このときの励起光パルスの偏波状態の変化を、図9の中段に示してある。ここにおいて、偏波分離合成器301の第3入出力端301-3から出力されたs偏波の励起光パルスを、上向きの矢印で示してある。
図9に示すように、第1の非相反偏波面変換部211において、第1のファラデー回転子207の側あるいは第1の1/2波長板208の側から、特定の偏波方向の直線偏光の励起光パルスが入力される。この特定偏波方向とは、偏波分離合成器301におけるp偏波の方向か、s偏波の方向のどちらか一方を指す。そして第1の1/2波長板208の光学軸は、この特定偏波方向(図9ではs偏波方向としてある)と22.5度の角をなすように調整されている。
第3入出力端301-3から出力されたs偏波の励起光パルスが、第1のファラデー回転子207を通過する。第1のファラデー回転子207において、図中反時計回りに45度の偏波面回転が生じると、第1のファラデー回転子207からの出力光の偏波方向は、左斜め上45度向きの矢印で示されている。
次に、第1のファラデー回転子207からの出力光が第1の1/2波長板208を通過する。このときの偏波方向は、第1の1/2波長板208の光学軸と22.5度の角をなすため、第1の1/2波長板208から出力される励起光パルスの偏波方向は、右向き矢印の方向として表すことができる。このことは、第1の1/2波長板208から出力される励起光パルスの偏波方向はp偏波の方向であることを意味する。すなわち、第1の非相反偏波面変換部211の第1のファラデー回転子207と第1の1/2波長板208をこの順序で通過した励起光パルスは、その偏波面が90度回転されることを意味する。
第1の非相反偏波面変換部211から出力された励起光パルスは、非線形光学媒質109に入力され、励起光パルスの偏波状態(この場合はp偏波の状態)と同じ偏波状態のSHG光、及びシグナル光とアイドラー光とからなる相関光子対が発生する。光ループを反時計回りに伝播する、励起光パルス、SHG光、及び相関光子対は、第2の非相反偏波面変換部212に入力される。第2の非相反偏波面変換部212における、励起光パルス、SHG光、及び相関光子対の偏波状態の変化は、図10の下段に示してある。
p偏波の偏光状態である励起光パルス及び相関光子対は、第2のファラデー回転子209を通過して、図中反時計回りに45度の偏波回転が生じて、右斜め上45度向きの矢印で示す偏光状態となる。第2のファラデー回転子209からの出力光は第2の1/2波長板210を通過して、その偏波方向が上向き矢印、すなわち90度偏波の偏光状態となる。
第2の1/2波長板210から出力された励起光パルスと相関光子対は、偏波分離合成器301の第2入出力端301-2に入力され、偏波状態が90度偏波であることから、第4入出力端301-4から出力される。すなわち、励起光パルス整形部10-2から出力された出力光が入力された第1入出力端301-1とは異なる入出力端である第4入出力端301-4から励起光パルスと相関光子対とが出力される。
次に、偏波分離合成器301の第2入出力端301-2から出力され、光ループを時計回りに伝播する、p偏波の励起光パルスとこの励起光パルスを種光パルスとして発生した相関光子対とについて説明する。
第2入出力端301-2から出力された励起光パルスは、第2の非相反偏波面変換部212に入力されここを通過する。この第2の非相反偏波面変換部212を通過中の励起光パルスの偏波状態の変化の様子を図10の中段に示してある。
偏波分離合成器301の第2入出力端301-2から出力され、p偏波の状態で第2の非相反偏波面変換部212に入力された励起光パルスは、第2の1/2波長板210を通過することによって、図中左斜め上45度向きの矢印で示す偏波状態に変換される。第2の1/2波長板210から出力された励起光パルスは、第2のファラデー回転子209を通過することによって図中反時計回りに45度の偏波回転が生じる。その結果、図中左向き矢印で示す偏波状態、すなわち、p偏波状態となって第2の非相反偏波面変換部212から出力される。
第2の非相反偏波面変換部212から出力された励起光パルスは、p偏波状態の励起光パルスとして非線形光学媒質109に入力される。その結果、励起光パルスの偏波状態(p偏波状態)と同じ偏波状態のSHG光、相関光子対が発生する。
非線形光学媒質109から出力され、光ループを時計回りに伝播する励起光パルス、SHG光、及び相関光子対は、第1の非相反偏波面変換部211に入力される。この第1の非相反偏波面変換部211を通過中の励起光パルス、SHG光、及び相関光子対の偏波状態の変化の様子を図9の下段に示してある。
p偏波の偏光状態である励起光パルス及び相関光子対は、第1の1/2波長板208を通過することによって、左斜め上45度向き矢印で示す偏波状態に変換される。次に第1のファラデー回転子207を通過することによって、図中反時計回りに45度の偏波回転が生じて、図中左向きの矢印で示す偏波状態、すなわちp偏波状態に変換される。
第1の非相反偏波面変換部211から出力され、光ループを時計回りに伝播した励起光パルスと相関光子対は、偏波分離合成器301の第3入出力端301-3に入力される。第3入出力端301-3に入力された励起光パルスと相関光子対は、その偏波状態がp偏波であることから、第4入出力端301-4から出力される。すなわち、励起光パルス整形部10-2から出力された出力光が入力された第1入出力端301-1とは異なる入出力端である第4入出力端301-4から励起光パルスと相関光子対とが出力される。そして、この光ループを時計回りに伝播して第4入出力端301-4から出力される励起光パルスと相関光子対の偏波面と、先に説明した光ループを反時計回りに伝播して第4入出力端301-4から出力される励起光パルスと相関光子対の偏波面とは、互いに直交している。
以上説明した様に、第2の量子もつれ光子対発生装置によっても、偏波量子もつれ光子対、時間位置量子もつれ光子対のいずれのフォーマットの量子もつれ光子対をも、偏波分離合成器301の第4入出力端301-4から出力させることができる。すなわち、励起光パルス整形部10-2から出力される励起光パルスを1:1偏光とすれば光ループ内で偏波量子もつれ光子対が発生し、p偏波状態の二連光パルスとすれば光ループ内で時間位置量子もつれ光子対が発生する。
光ループから出力される(偏波分離合成器301の第4入出力端301-4から出力される)シグナル光及びアイドラー光の波長成分を含む光成分は、ローパス光フィルタ112及び波長分離フィルタ113によって、SHG光波長成分、励起光パルス波長成分が除去されて、シグナル光とアイドラー光とが別々の光経路に切り分けられて出力される。
第2の量子もつれ光子対発生装置によれば、偏波分離合成器301に入力される励起光パルスは第1入出力端301-1から入力されるのに対して、光ループから相関光子対に混じって出力される励起光パルスは第4入出力端301-4から出力される。このように異なる入出力端から出力される構成とされているので、励起光パルスが励起光パルス整形部に戻ることがない。従って、励起光パルスが励起光パルス整形部に戻ることによって引き起こされる不安定動作が起こる可能性がない。
これに対して、第1の量子もつれ光子対発生装置によれば、その構成上、光ループから相関光子対に混じって出力される励起光パルスが、僅かではあっても励起光パルス整形部に戻ることが想定される。このため、第1の量子もつれ光子対発生装置には、励起光パルスが励起光パルス整形部に戻ることによって引き起こされる不安定動作が起こる可能性を完全に除去するためには、光アイソレータ等の光の逆行を阻止する光学素子を使う必要がある。
10-1、10-2:励起光パルス整形部
20-1、20-2:光干渉計部
30-1、30-2、30-3:量子もつれ光子対抽出部
40:量子もつれ光子対発生抽出部
101、208:第1の1/2波長板
102:第1の偏波分離合成器
103:半透鏡
104:第1の90度偏波面回転部
105:光遅延器
106、210:第2の1/2波長板
107、282:複屈折媒体
108:第2の偏波分離合成器
109:非線形光学媒質
110:第2の90度偏波面回転部
111:バンドパス光フィルタ
112:ローパス光フィルタ
113、114:波長分離フィルタ
115:光サーキュレータ
201:光位相バイアス回路
207、280:第1のファラデー回転子
209、284:第2のファラデー回転子
211:第1の非相反偏波面変換部
212:第2の非相反偏波面変換部
301:偏波分離合成器

Claims (12)

  1. 直線偏光の光パルスが入力されて、偏波量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく偏波面が互いに直交する偏光励起光パルス対、あるいは時間位置量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく同一の直線偏光であって時間軸上で異なる位置に存在する二連励起光パルス対のいずれか一方を選択して出力することが可能とされた励起光パルス整形部と、
    前記偏光励起光パルス対あるいは前記二連励起光パルス対が入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいて発生するシグナル光子とアイドラー光子とからなる相関光子対を出力する光干渉計部と、
    前記光干渉計部の出力光が入力されて、前記シグナル光子及び前記アイドラー光子に相当する波長成分を選択し空間分離して、前記偏波量子もつれ光子対あるいは時間位置量子もつれ光子対として出力する量子もつれ光子対抽出部と
    を備えることを特徴とする量子もつれ光子対発生装置。
  2. 前記励起光パルス整形部は、
    前記直線偏光の光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第1の1/2波長板と、
    第1〜第3入出力端を有し、該第1入出力端から入力された入力光の直交する直線偏光成分の一方の直線偏光成分を該第2入出力端から出力し、他方の直線偏光成分を該第3入出力端から出力する第1の偏波分離合成器と、
    前記第1の偏波分離合成器の第2入出力端及び第3入出力端から出力された直線偏光の光パルス間に与える時間遅延量を調整する光遅延器と、
    第1〜第3入出力端を有し、前記第1の偏波分離合成器の前記第2入出力端から出力された出力光パルスは該第1入出力端に入力され、前記光遅延器から出力された出力光パルスは該第2入出力端に入力され、該第1入出力端と該第2入出力端にそれぞれ入力された光パルスを合波して該第3入出力端から出力する半透鏡と、
    前記半透鏡の前記第3入出力端から出力された出力光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第2の1/2波長板と、
    前記第2の1/2波長板から出力された出力光パルスの直交する光学軸間の光位相差を任意に設定する複屈折媒体と、
    直線偏光の光パルス偏波面を90度回転させる第1の90度偏波面回転部
    備え、
    前記第1の偏波分離合成器と前記半透鏡とを結ぶ二光路の内のいずれか一方の光路に、前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが配置されるか、もしくは、該二光路にそれぞれ前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが別々に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  3. 前記光干渉計部は、
    第2の偏波分離合成器によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループとして構成され、該光ループの光路中に非線形光学媒質及び第2の90度偏波面回転部とが設置されており、
    前記非線形光学媒質は、パラメトリック蛍光に基づいて前記相関光子対を発生させ、
    前記第2の90度偏波面回転部は、前記偏光励起光パルス対あるいは前記二連励起光パルス対、前記シグナル光子、及び前記アイドラー光子の偏波面を90度回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  4. 前記量子もつれ光子対抽出部は、
    前記光干渉計部から出力された出力光を透過光成分と反射光成分とに分離して出力するバンドパス光フィルタと、
    前記バンドパス光フィルタから出力された出力光から、前記相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去するローパス光フィルタと、
    前記ローパス光フィルタから出力された出力光から、量子もつれ光子対を形成する前記シグナル光子と前記アイドラー光子とを別々の光経路に切り分けて出力する波長分離フィルタと、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  5. 前記量子もつれ光子対抽出部は、
    共通入出力ポートと複数の透過光入出力ポートとを有する波長分離フィルタと、前記相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去するローパス光フィルタとを備え、
    前記励起光パルス整形部から出力された出力光が前記波長分離フィルタの前記複数の透過光入出力ポートのいずれかに入力され、そのまま透過して前記共通入出力ポートから出力されて前記光ループに入力され、
    前記光ループから出力される前記シグナル光子と前記アイドラー光子とが前記波長分離フィルタの前記共通入出力ポートから入力されて、該波長分離フィルタの別々の前記透過光入出力ポートから切り分けて出力される
    ことを特徴とする請求項3に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  6. 前記量子もつれ光子対抽出部は、
    第1〜第3入出力端を有し、前記励起光パルス整形部から出力された出力光を該第1入出力端から入力させ該第2入出力端から出力させ、かつ前記光ループから出力された出力光を該第3入出力端から出力させる光サーキュレータと、
    該第3入出力端から出力された出力光から、前記相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去するローパス光フィルタと、
    前記ローパス光フィルタから出力された出力光から、量子もつれ光子対を形成する前記シグナル光子と前記アイドラー光子とを別々の光経路に切り分けて出力する波長分離フィルタと
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  7. 前記励起光パルス整形部は、
    前記直線偏光の光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第1の1/2波長板と、
    第1〜第3入出力端を有し、該第1入出力端から入力された入力光の直交する直線偏光成分の一方の直線偏光成分を該第2入出力端から出力し、他方の直線偏光成分を該第3入出力端から出力する第1の偏波分離合成器と、
    前記第1の偏波分離合成器の第2入出力端及び第3入出力端から出力された直線偏光の光パルス間に与える時間遅延量を調整する光遅延器と、
    第1〜第3入出力端を有し、前記第1の偏波分離合成器の前記第2入出力端から出力された出力光パルスは該第1入出力端に入力され、前記光遅延器から出力された出力光パルスは該第2入出力端に入力され、該第1入出力端と該第2入出力端にそれぞれ入力された光パルスを合波して該第3入出力端から出力する半透鏡と、
    前記半透鏡の前記第3入出力端から出力された出力光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第2の1/2波長板と、
    直線偏光の光パルス偏波面を90度回転させる第1の90度偏波面回転部
    備え、
    前記第1の偏波分離合成器と前記半透鏡とを結ぶ二光路の内のいずれか一方の光路に、前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが配置されるか、もしくは、該二光路にそれぞれ前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが別々に配置されており、
    前記光干渉計部は、第2の偏波分離合成器によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループとして構成され、この光ループの光路中に非線形光学媒質及び光位相バイアス回路とが設置されており、
    前記非線形光学媒質は、パラメトリック蛍光に基づいて前記相関光子対を発生させ、
    前記光位相バイアス回路は、直線偏光の偏波面を-45度回転させる第1のファラデー回転子、光学軸X及びYを有する複屈折媒体、及び直線偏光の偏波面を-45度回転させる第2のファラデー回転子がこの順番で直列に配置されて構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  8. 前記励起光パルス整形部は、
    前記直線偏光の光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第1の1/2波長板と、
    第1〜第3入出力端を有し、該第1入出力端から入力された入力光の直交する直線偏光成分の一方の直線偏光成分を該第2入出力端から出力し、他方の直線偏光成分を該第3入出力端から出力する第1の偏波分離合成器と、
    前記第1の偏波分離合成器の第2入出力端及び第3入出力端から出力された直線偏光の光パルス間に与える時間遅延量を調整する光遅延器と、
    第1〜第3入出力端を有し、前記第1の偏波分離合成器の前記第2入出力端から出力された出力光パルスは該第1入出力端に入力され、前記光遅延器から出力された出力光パルスは該第2入出力端に入力され、該第1入出力端と該第2入出力端にそれぞれ入力された光パルスを合波して該第3入出力端から出力する半透鏡と、
    前記半透鏡の前記第3入出力端から出力された出力光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第2の1/2波長板と、
    直線偏光の光パルス偏波面を-45度回転させる第1のファラデー回転子、光学軸X及びYを有する複屈折媒体、及び直線偏光の偏波面を-45度回転させる第2のファラデー回転子がこの順番で直列に配置されて構成されている光位相バイアス回路
    備え、
    前記第1の偏波分離合成器と前記半透鏡とを結ぶ二光路の内の一つの光路に、前記光位相バイアス回路と前記光遅延器とが配置されるか、もしくは、該二光路にそれぞれ前記光位相バイアス回路と前記光遅延器とが別々に配置されており、
    前記光干渉計部は、第2の偏波分離合成器によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループとして構成され、この光ループの光路中に非線形光学媒質及び第1の90度偏波面回転部とが設置されており、
    前記非線形光学媒質は、パラメトリック蛍光によって前記相関光子対を発生させ、
    前記第1の90度偏波面回転部は、直線偏光の偏波面を90度回転させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  9. 直線偏光の光パルスが入力されて、偏波量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく偏波面が互いに直交する偏光励起光パルス対、あるいは時間位置量子もつれ光子対の種光パルスとなるピーク強度が等しく同一の直線偏光であって時間軸上で異なる位置に存在する二連励起光パルス対のいずれか一方を選択して出力することが可能とされている励起光パルス整形部と、
    前記偏光励起光パルス対あるいは前記二連励起光パルス対が入力されて、パラメトリック蛍光過程に基づいてシグナル光子とアイドラー光子とからなる相関光子対を発生させ、前記シグナル光子及び前記アイドラー光子に相当する波長成分を選択し空間分離して、前記偏波量子もつれ光子対あるいは前記時間位置量子もつれ光子対として出力する量子もつれ光子対発生抽出部と
    を備えることを特徴とする量子もつれ光子対発生装置。
  10. 前記励起光パルス整形部は、
    前記直線偏光の光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第1の1/2波長板と、
    第1〜第3入出力端を有し、該第1入出力端から入力された入力光の直交する直線偏光成分の一方の直線偏光成分を該第2入出力端から出力し、他方の直線偏光成分を該第3入出力端から出力する第1の偏波分離合成器と、
    前記第1の偏波分離合成器の第2入出力端及び第3入出力端から出力された直線偏光の光パルス間に与える時間遅延量を調整する光遅延器と、
    第1〜第3入出力端を有し、前記第1の偏波分離合成器の前記第2入出力端から出力された出力光パルスは該第1入出力端に入力され、前記光遅延器から出力された出力光パルスは該第2入出力端に入力され、該第1入出力端と該第2入出力端にそれぞれ入力された光パルスを合波して該第3入出力端から出力する半透鏡と、
    前記半透鏡の前記第3入出力端から出力された出力光パルスの偏波面を0度又は45度回転させる第2の1/2波長板と、
    前記第2の1/2波長板から出力された出力光パルスの直交する光学軸間の光位相差を任意に設定する複屈折媒体と、
    直線偏光の光パルス偏波面を90度回転させる第1の90度偏波面回転部
    備え、
    前記第1の偏波分離合成器と前記半透鏡とを結ぶ二光路の内のいずれか一方の光路に、前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが配置されるか、もしくは、該二光路にそれぞれ前記第1の90度偏波面回転部と前記光遅延器とが別々に配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  11. 前記量子もつれ光子対発生抽出部は、
    第1〜第4入出力端を有する偏波分離合成器によって光路の入出力端を結び光路がループ状に構成されたサニャック干渉計形の光ループとして構成され、
    前記光ループの光路中に、第1の非相反偏波面変換部、第2の非相反偏波面変換部、及び非線形光学媒質が設置されており、
    前記第4入出力端から出力される、前記非線形光学媒質において、パラメトリック蛍光過程に基づいて発生するシグナル光子とアイドラー光子とからなる相関光子対に対応する波長成分以外の波長成分を除去するローパス光フィルタと、
    前記ローパス光フィルタから出力された出力光から、前記シグナル光子と前記アイドラー光子とを別々の光経路に切り分けて出力する波長分離フィルタと
    を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の量子もつれ光子対発生装置。
  12. 前記第1の非相反偏波面変換部は、第1のファラデー回転子と第1の1/2波長板とを備え、
    前記第1のファラデー回転子は、前記励起光パルス、前記シグナル光子、及び前記アイドラー光子に対して、偏波面を反時計回りに45度偏波回転させ、
    前記第1の1/2波長板は、前記励起光パルス、前記シグナル光子、及び前記アイドラー光子に対して1/2波長板として動作し、
    前記第2の非相反偏波面変換部は、第2のファラデー回転子と第2の1/2波長板とを備え、
    前記第2のファラデー回転子は、前記励起光パルス、前記シグナル光子、及び前記アイドラー光子に対して、偏波面を反時計回りに45度偏波回転させ、
    前記第2の1/2波長板は、前記励起光パルス、前記シグナル光子、及び前記アイドラー光子に対して1/2波長板として動作する
    ことを特徴とする請求項11に記載の量子もつれ光子対発生装置。
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