JP4090460B2 - 偏波もつれ光子対発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏波もつれ光子対発生装置に関し、より詳細には、偏波に関して量子力学的相関を有する光子対を発生する偏波もつれ光子対発生装置に関する。
近年、量子暗号、量子テレポーテーション等の量子力学を利用した量子情報通信システムが提案されている。量子暗号とは、量子状態を変えずに物理量を観測することが一般にはできないことを利用して、共通鍵暗号方式における鍵配送を行う暗号方式であり、暗号鍵の安全性が量子力学の原理により保証された究極的に安全な暗号通信システムである。量子テレポーテーションとは、量子状態を転送するシステムであり、量子暗号における伝送距離の延長、量子計算機などの量子情報処理装置における信号転送に利用される。
量子力学的相関を有する光子対(量子もつれ光子対)は、以上のような量子情報通信システムにおける重要な要素である。光子の量子状態を量子テレポーテーションにより転送するためには、送信者と受信者の間で量子もつれ光子対を共有することが必要である。量子もつれ光子対を用いることにより、長距離伝送に適した量子暗号システムを実現することできる。
様々な物理量に関しての量子力学的相関を有する量子もつれ光子対が考えられるが、ここでは、偏波状態についての量子もつれ光子対(以下、偏波もつれ光子対という)を想定する。横方向の偏波(H偏波)を持つ単一の光子の状態を|H>とし、縦方向の偏波(V偏波)を持つ単一の光子の状態を|V>とする。偏波もつれ状態にある光子対の一方をシグナル光子、他方をアイドラ光子と呼ぶことにして、それぞれ添え字s及びiで表す。このとき、偏波もつれ光子対の状態は、例えば、次の式で表される。
Figure 0004090460
このシグナル−アイドラ光子対を分離して、互いに離れた観測者AおよびBにそれぞれ送り、両者がそれぞれの光子に対して偏波測定を行うとする。式(1)の意味するところは、観測者AがH偏波|H>を観測すれば、それと対になる光子について観測者Bも必ず|H>を観測する。同様に、観測者Aが偏波|V>を観測すれば、それと対になる光子について観測者Bも必ず|V>を観測する。また、式(1)は、H−V偏波の基底を用いているが、これを別の基底、例えば右回り円偏波|R>と左回り円偏波|L>を用いた基底で書き直しても、2光子の偏波に関する相関は保持される。
式(1)のように、2つの積状態間の位相差がゼロ又はπであるような量子もつれ状態は、上述した量子力学的相関を最も顕著に観測できるので、“maximally entangled state”(最大もつれ状態)と呼ばれる。以上に述べた、2光子間の量子力学的偏波相関を巧みに用いることにより、量子暗号や、量子テレポーテーションを実現することができる。
上述の偏波もつれ光子対を発生する手段としては、非線形光学効果を利用する方法がある。2次の非線形光学媒質に、周波数fのポンプ光が入力すると、
f=f+fi (2)
を満たす周波数fsのシグナル光子と周波数fiのアイドラ光子を同時に発生する。この現象は、PDC(parametric down conversion)と呼ばれている。このとき、ポンプ光子、シグナル光子、アイドラ光子の位相φ,φs,φiの間には、次の関係が成り立つ。
φ=φ+φi (3)
また、光ファイバなど3次の非線形光学媒質に、周波数fpのポンプ光を入力すると、ポンプ光が縮退した自然放出四光波混合(SFWM:spontaneous four-wave mixing)により、
2f=f+fi (4)
を満たす周波数fのシグナル光子と周波数fiのアイドラ光子を同時に発生する。ポンプ光子、シグナル光子、アイドラ光子の位相の間には次式の関係が成り立つ。
2φp=φ+φi (5)
ある種の非線形媒質を用いると、直線偏波のポンプ光を入力した場合、PDCやSFWM過程を介して、ポンプ光と同じ直線偏波のシグナル−アイドラ光子対を発生することができる。例えば、H偏波のポンプ光を入力すると、|H>、|H>iで表される光子対が発生する。
図1に、従来の偏波もつれ光子対発生装置の動作原理を示す。偏波もつれ光子対発生装置は、ポンプパルス光の直交する2つの偏波に、マイケルソン干渉計の2つの光路差による位相差を発生させる。偏波ビームスプリッタ(PBS)11に、4分の1波長板(QWP)12a,12bと鏡13a,13bとを接続してマイケルソン干渉計を構成し、2光路の伝搬時間の差τが、ポンプパルスのパルス時間幅より大きくなるように設定されている。また、PBS11の他方の出力には、SFWMのための非線形ファイバ14と、複屈折ファイバ15と、ポンプパルスを抑圧し、シグナル光とアイドラ光子とを分離する光フィルタ16とが縦続接続されている(例えば、非特許文献1参照)。
45°直線偏波(D+偏波)のポンプパルス光を、PBS11に入力すると、横偏波(H偏波)成分は透過し、縦偏波(V偏波)成分は反射され、それぞれマイケルソン干渉計の2光路を伝搬する。マイケルソン干渉計の2光路に挿入されているQWP12a,12bは、その速軸または遅軸が45°直線偏波の偏波方向に一致するよう調整されている。このため、PBS11を透過したH偏波成分は、QWP12aを透過し、鏡13aにより反射され再度QWP12aを透過することにより、V偏波に変換される。その結果、光路を一往復した後には、PBS11により反射され、非線形ファイバ14へ出力される。
同様に、PBS11により反射されたV偏波成分は、QWP12bを透過し、鏡13bにより反射され再度QWP12bを透過することにより、H偏波に変換され、PBS11を透過して非線形ファイバ14へ出力される。ポンプパルス光をH偏波からV偏波に変換する光路の方が、V偏波からH偏波に変換する光路より短いとすると、マイケルソン干渉計から、1番目がV偏波、2番目がH偏波の2連続のポンプパルスが出力される。ここで、2つの連続するポンプパルスの間には、2πfpτの位相差が存在する。これをΔφpとおく。
2連続ポンプパルスは、非線形ファイバ14に入力される。非線形ファイバ14においては、SFWMにより次式でその量子状態が表される光子対を出力する。
Figure 0004090460
ここで、1,2は光子対発生の時間位置を示すタイムスロットの番号であり、|1,V>は、1番目のV偏波より生成されたシグナル光子の量子状態を表し、|1,V>は、1番目のV偏波より生成されたアイドラ光子の量子状態を表す。同様に、|2,H>は、2番目のH偏波より生成されたシグナル光子の量子状態を表し、|2,H>は、2番目のH偏波より生成されたアイドラ光子の量子状態を表す。
上式の量子状態を、複屈折ファイバ15に入力する。このとき、V偏波及びH偏波成分がそれぞれ複屈折ファイバ15の遅軸及び速軸に合うように偏波調整を行う。複屈折ファイバ15による偏波モード間の時間遅延τbirefが、マイケルソン干渉計の2光路の伝搬時間差τに等しくなるように、複屈折ファイバ15の長さを調整する(または、マイケルソン干渉計の2光路の伝搬時間の差を調整する)。これにより、式(6)中の2つの積状態を同一時刻において重ね合わせることができる。すなわち、複屈折ファイバ15透過後、次式で表される偏波もつれ状態の光子対を得る。
Figure 0004090460
ここで、Δφbirefは、次式で表される。
Δφbiref=2π(f+fi)τbiref (8)
ただし、複屈折ファイバ15による偏波モード間の時間遅延τbirefの光周波数依存性は、シグナル光子及びアイドラ光子の光周波数差に対して十分小さいと仮定している。ここで、τbiref=τであれば、式(4)よりΔφbiref=2Δφpとなり、式(7)は最大もつれ状態となる。
X.Li, P.L.Voss, J.E.Sharping, P.Kumar,"Optical-fiber source of polarization-entangled Photon pairs in the 1550nm telecom band,"in http://arxiv.org/abs/quant-ph/?0402191, 12 August, 2004
従来の偏波もつれ光子対発生装置は、偏波状態が互いに直交する2連続のポンプパルスを用いるため、非線形光ファイバのような、ポンプパルスの偏波状態に依存せずに動作する非線形媒質のみしか適用できないという問題があった。
また、最大もつれ状態を発生するためには、マイケルソン干渉計の2経路の伝搬時間差τと、複屈折ファイバの2つの固有軸の伝搬時間差τbirefとを、光の周波数の逆数より十分小さいオーダで一致させる必要がある。そのため、従来の偏波もつれ光子対発生装置においては、偏波もつれ光子対の量子状態の安定性は、マイケルソン干渉計と複屈折ファイバの光路の安定性に依存することになる。従って、従来の装置では、偏波もつれ光子対の安定した発生が困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光路の安定性に依存せずに、最大もつれ状態の偏波もつれ光子対を発生するための偏波もつれ光子対発生装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ポンプパルスを出力するポンプパルス光源と、2光路の伝搬時間差が前記ポンプパルスのパルス時間幅より大きく、前記ポンプパルスを入力して、前記2光路の伝搬時間差により誘起される位相差の2連ポンプパルスを出力する干渉計と、前記2連ポンプパルスを入力して、シグナル光子及びアイドラ光子を発生する非線形光学媒質と、該非線形光学媒質で発生した前記シグナル光子及びアイドラ光子を、前記干渉計に再び入力する入力手段とを備え、前記干渉計は、前記シグナル光子及びアイドラ光子の位相差の和と、前記2光路の伝搬時間差により誘起される位相差とが等しくなるように、一方の光路に4分の1波長板を備え、最大もつれ状態の偏波もつれ光子対を発生することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の偏波もつれ光子対発生装置において、前記4分の1波長板の速軸または遅軸に対し45度ずれた状態になるように、前記非線形光学媒質で発生した前記シグナル光子及びアイドラ光子の偏波を調整して、前記干渉計に出力する偏波コントローラを備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の前記干渉計は、マイケルソン干渉計であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の前記干渉計は、マッハツェンダ干渉計であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ポンプパルスの偏波状態に効率が依存する非線形媒質を用いて、光路の安定性に依存せずに、最大もつれ状態の偏波もつれ光子対を安定して発生することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図2に、本発明の実施例1にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す。波長λpかつH偏波のポンプパルス光が、光アイソレータ101を透過後、鏡102に反射され、マイケルソン干渉計のポート1に入力される。鏡102は、波長λpを反射し、波長λ,λiを透過する。マイケルソン干渉計は、ビームスプリッタ(BS)103と、2個の鏡104,105と、波長λ,λi用のQWP106により構成されている。鏡104を含む光路と、鏡104およびQWP106を含む光路とは、伝搬時間差τを有する。マイケルソン干渉計の光路の屈折率は、全ての波長に対し1とする。
ここで、QWP106は、その速軸ないし遅軸がポンプパルスの偏波面に対し一致するように調整されている。このため、QWP106が挿入されている側の光路を伝搬するポンプパルスの偏波状態は変化しない。その結果、マイケルソン干渉計のポート1及びポート2からは、伝搬時間差τだけ隔てられた波長λpかつH偏波の2連ポンプパルスが出力される。2つのポンプパルスの間には、Δφp=2πfpτの位相差がある。
ポート1から出力された2連ポンプパルスは、光アイソレータ101により除去される。ポート2から出力された2連ポンプパルスは、鏡107に反射され、λp用偏波コントローラ108により非線形媒質110の偏波面に応じて偏波状態を調整され、非線形媒質110に入力される。鏡107は、波長λpを反射し、波長λ,λiを透過する。ここで、非線形媒質110は、2次の非線形媒質である。非線形媒質110に入力したときの2連ポンプパルスの偏波状態をH偏波とすると、非線形媒質110において、次式で表される光子対が発生する。
Figure 0004090460
ただし、全項に共通する振幅及び位相項は簡単のため省略している(以下同様)。非線形媒質110からの出力光は、λ,λi用偏波コントローラ113に入力され、シグナル光およびアイドラ光子は、+45°の直線偏波(D+偏波)に変換される。すなわち光子対の状態は、
Figure 0004090460
となる。
λ,λi用偏波コントローラ113の出力光は、鏡107に再入力され、ポンプ光の大部分が反射される一方、シグナル光およびアイドラ光子は透過される。透過した光は、マイケルソン干渉計のポート2に入力される。マイケルソン干渉計においては、QWP106を含む光路を伝搬するD+偏波の光は、光路を一往復後には135°の直線偏波(D-偏波)に変換される。よって、|k,D+>で表される光子は、
Figure 0004090460
に変換される。ここで、Δφは、2光路の伝搬時間差により誘起される位相差であり、シグナル光の場合はΔφ=2πfτであり、アイドラ光の場合はΔφi=2πfiτである。その結果、マイケルソン干渉計のポート1において、次式の状態を得る。
Figure 0004090460
ポート1出力は、鏡102を透過した後、ポンプ光を抑圧するフィルタ114を透過する。透過した光は、分離器115によりシグナル光子とアイドラ光子に分離される。分離器115としては、AWG(Arrayed waveguide grating)、BS(Beam Splitter)等を使用することができる。
量子暗号、量子テレポーテーションにおいて、偏波もつれ光子対は、互いに離れた2人の観測者によって、それぞれの光子が受信される(同時計数)。従って、式(11)のうち、同時計数に寄与しない第2,3,6,7項は無視できる。さらに、2番目のタイムスロットにおいて得られる同時計数のみを観測する、すなわち式(11)の第4,5項目に注目して、等価的に次式で示す偏波もつれ状態を得ることができる。
Figure 0004090460
ここで、非線形媒質として2次の非線形媒質を仮定しているから、式(3)より、Δφ+Δφi=Δφpとなり、2つの積状態間の位相差はゼロとなる。すなわち、実施例1によると、マイケルソン干渉計の2光路の伝搬時間差τの大きさに関わらず、自動的に式(1)で表される最大もつれ状態を得ることができる。これにより、伝搬時間差τが時間的に変動しても、常に最大もつれ状態を得ることができるので、複雑な制御を要することなく安定に偏波もつれ光子対を発生することができる。さらに、ポンプパルスの偏波状態に依存せずに動作する非線形媒質のみならず、ポンプパルスの偏波状態により、効率が依存する非線形媒質を使用することもできる利点を有する。
なお、実施例1では、非線形媒質として2次の非線形媒質を用いたが、3次の非線形媒質を使用した場合にも同様の議論が成立する。この場合、式(9)〜(12)中のΔφpを、2Δφpで置き換えればよい。式(4)より、Δφ+Δφi=2Δφpが成り立つから、上述したとおり、式(12)において自動的に最大もつれ状態を得ることができる。
図3に、本発明の実施例2にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す。波長λpかつH偏波のポンプパルス光が、光サーキュレータ201を透過後、鏡202に反射され、マイケルソン干渉計のポート1に入力される。鏡202は、波長λpを反射し、波長λ,λiを透過する。マイケルソン干渉計は、ビームスプリッタ(BS)203と、2個の鏡204,205と、波長λ,λi用のQWP206により構成されている。鏡204を含む光路の伝搬時間と、鏡204およびQWP206を含む光路の伝搬時間とは、差τを有する。ここで、マイケルソン干渉計の一方の光路に挿入されているQWP206は、その速軸または遅軸がポンプパルスの偏波面に対し一致するように調整されている。その結果、マイケルソン干渉計のポート1及びポート2からは、時間τだけ隔てられた波長λpかつH偏波の2連ポンプパルスが出力される。
ポート2から出力された2連ポンプパルスは、ポンプ光波長を抑圧する光フィルタ214により除去される。ポート1から出力された2連ポンプパルスは、鏡202により再度反射され、光サーキュレータ201により光路を変更された後、λp用偏波コントローラ208に入力される。2連ポンプパルスは、λp用偏波コントローラ208により非線形媒質210の偏波面に応じて偏波状態を調整され、H偏波として非線形媒質210に入力される。その結果、式(9)と同様の量子状態を持つ光子対が発生する。
シグナル光およびアイドラ光子対は、λ,λi用偏波コントローラ213に入力されて、D+偏波に変換された後、鏡202を透過し、ポート1を介してマイケルソン干渉計に入力される。その結果、マイケルソン干渉計のポート2から、式(11)と同様の量子状態にある光子対を得ることができる。ポート2の出力は、光フィルタ214に入力してポンプ光を除去した後、分離器215に入力する。実施例1と同様に、2番目のタイムスロットにおいて得られる同時計数のみを観測することにより、式(12)の偏波もつれ状態を得ることができる。
図4に、本発明の実施例3にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す。実施例3は、マッハツェンダ(MZ)干渉計を使用する。波長λpかつH偏波のポンプパルスが、光アイソレータ301を通過後、MZ干渉計のポート1に入力される。MZ干渉計は、2個のビームスプリッタ(BS)302,303と、2個の鏡304,305と、波長λ,λi用のQWP306とから構成されている。BS302,303を結ぶ光路の伝搬時間と、鏡304,305およびQWP306を含む光路の伝搬時間とは、差τを有する。
実施例1,2のマイケルソン干渉計と同様に、QWP306は、その速軸ないし遅軸がポンプパルスの偏波面に対し一致するように調整されている。これにより、ポート3及びポート4からは、時間τだけ隔てられた波長λpの2連ポンプパルスが出力される。ここで、ポート4から出力された2連ポンプパルスは、フィルタ307に入力される。フィルタ307は、波長λpを抑圧し、波長λ,λiを透過する。
ポート3から出力された2連ポンプパルスは、非線形媒質310の偏波面に応じてλp用偏波コントローラ308により偏波状態を調整され、H偏波として非線形媒質310に入力される。その結果、式(9)と同様の量子状態を持つ光子対が発生する。光子対は、λ,λi用偏波コントローラ313に入力されてD+偏波に変換された後、フィルタ307を透過し、ポート4を介してMZ干渉計に入力される。その結果、MZ干渉計のポート2から、式(11)と同様の量子状態にある光子対を得ることができる。ポート2の出力は、光フィルタ314に入力してポンプ光を除去した後、分離器315に入力する。実施例1と同様に、2番目のタイムスロットにおいて得られる同時計数のみを観測することにより、式(12)の偏波もつれ状態を得ることができる。
従来の偏波もつれ光子対発生装置の動作原理を示す図である。 本発明の実施例1にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す図である。 本発明の実施例2にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す図である。 本発明の実施例3にかかる偏波もつれ光子対発生装置を示す図である。
符号の説明
101,201,301 光アイソレータ
102,104,105,107,109,111,112,202,204,205,209,211,304,305,309,311,312 鏡
103,203,302,303 ビームスプリッタ(BS)
106,206,306 QWP
108,208,308 λp用偏波コントローラ
110,210 非線形媒質
113,213,313 λ,λi用偏波コントローラ
114,214,307,314 フィルタ
115,215,315 分離器

Claims (4)

  1. ポンプパルスを出力するポンプパルス光源と、
    2光路の伝搬時間差が前記ポンプパルスのパルス時間幅より大きく、前記ポンプパルスを入力して、前記2光路の伝搬時間差により誘起される位相差の2連ポンプパルスを出力する干渉計と、
    前記2連ポンプパルスを入力して、シグナル光子及びアイドラ光子を発生する非線形光学媒質と
    該非線形光学媒質で発生した前記シグナル光子及びアイドラ光子を、前記干渉計に再び入力する入力手段とを備え、
    前記干渉計は、前記シグナル光子及びアイドラ光子の位相差の和と、前記2光路の伝搬時間差により誘起される位相差とが等しくなるように、一方の光路に4分の1波長板を備え、最大もつれ状態の偏波もつれ光子対を発生することを特徴とする偏波もつれ光子対発生装置。
  2. 前記4分の1波長板の速軸または遅軸に対し45度ずれた状態になるように、前記非線形光学媒質で発生した前記シグナル光子及びアイドラ光子の偏波を調整して、前記干渉計に出力する偏波コントローラを備えたことを特徴とする請求項1に記載の偏波もつれ光子対発生装置。
  3. 前記干渉計は、マイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏波もつれ光子対発生装置。
  4. 前記干渉計は、マッハツェンダ干渉計であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏波もつれ光子対発生装置。
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