JP4792330B2 - 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法 - Google Patents

量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4792330B2
JP4792330B2 JP2006145848A JP2006145848A JP4792330B2 JP 4792330 B2 JP4792330 B2 JP 4792330B2 JP 2006145848 A JP2006145848 A JP 2006145848A JP 2006145848 A JP2006145848 A JP 2006145848A JP 4792330 B2 JP4792330 B2 JP 4792330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photon
light
frequency band
entangled
communication device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006145848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007318445A (ja
Inventor
弘樹 武居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2006145848A priority Critical patent/JP4792330B2/ja
Publication of JP2007318445A publication Critical patent/JP2007318445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4792330B2 publication Critical patent/JP4792330B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Description

本発明は、量子もつれ光子対を用いた量子鍵配送技術に関する。
近年、光子1個レベルの光を用いることにより、物理的に安全性が保証された量子暗号通信の研究が進められている。量子暗号は、離れた2つの通信装置の間で暗号通信を行うための秘密鍵を共有するためのものであり、量子鍵配送(QKD:Quantum Key Distribution)とも呼ばれている(非特許文献1)。QKDにも種々の方式があるが、ここでは量子もつれ光子対を用いたQKDの従来方式について説明する。特に、量子もつれ光子対として偏波に関して量子もつれ状態にある光子対(偏波もつれ光子対)を使用した場合について説明する。
図1に、偏波もつれ光子対を用いたQKDシステムのブロック図を示す。このQKDシステムは、偏波もつれ光子対を生成する偏波もつれ光源10と、生成された偏波もつれ光子対をシグナル光子とアイドラ光子に分離する光フィルタ20と、分離されたシグナル光子を受信するアリスの通信装置40aと、分離されたアイドラ光子を受信するボブの通信装置40bとから構成される。
偏波もつれ光源10は、次式で表される偏波もつれ光子対を出力する。
Figure 0004792330
ここで、HおよびVは、それぞれ水平偏波および垂直偏波を意味し、例えば、|H〉はH偏波の光子の量子状態を表している。また、添え字s,iは、それぞれシグナル光子、アイドラ光子に対応している。
偏波もつれ光子対は、光フィルタ20に入力され、シグナル光子、アイドラ光子に分離され、それぞれの通信装置アリス40aおよびボブ40bに伝送される(非特許文献2)。アリスとボブのそれぞれの通信装置は、受信した光子の測定を行う光子測定装置50a、50bと、測定した結果を記録する記録装置60a、60bとを備えている。
光子測定装置50a、50bは、非直交な偏波測定基底をランダムに選択して偏波測定を行うにより、光伝送路30a、30bを介して受信した光子を測定する。偏波に関するこのような光子測定装置は、図1に示すように、測定基底を選択するための偏波変調器52a,52bと、入力偏波をH偏波とV偏波とに分岐する偏波ビームスプリッタ54a、54bと、偏波ビームスプリッタの2つの出力に接続された光子検出器56aおよび58a、56bおよび58bとにより実現することができる。
ここで、偏波変調器52a、52bは、受信した光の縦偏波成分と横偏波成分との間にπ/2の位相差を印加するものとする。偏波変調器を駆動しない場合、光子測定装置50a、50bは、受信した光子がHおよびVのいずれであるかを判定する。すなわち、VH基底での測定を行う。一方、偏波変調器を駆動した場合は、右回り円偏波(R偏波)および左回り円偏波(L偏波)のいずれであるかの測定、すなわち、RL基底での測定を行うことになる。式(1)を、RL基底を用いて書き換えると次のようになる。
Figure 0004792330
アリスとボブが共にHV基底を用いて測定を行った場合には、式(1)より、互いに自身の測定結果から、相手の測定結果を知ることができる。また、アリスとボブが共にRL基底を用いて測定を行った場合には、式(2)より、互いに自身の測定結果から、相手の測定結果を知ることができる。偏波もつれ光子対のこのような性質を利用して、例えば、次のような手順でQKDを行うことができる。
1.アリスとボブは、受信した光子を光子測定装置において偏波測定基底をランダムに選択して測定し、測定基底および測定結果(V,H,L,R)について光子を測定した時刻と共に記録する。
2.両者は、光子を測定した時刻と測定基底を、古典通信(電話、インターネットなどの普通の通信)を用いて互いに公開する。このとき、各自の光子の測定結果は秘密にしておく。
3.次に両者は、互いの光子測定時刻から偏波もつれ光源で同時に発生した光子対を特定し、それらの光子対について両者で同じ測定基底を選択した測定結果のみを抽出する。
4.両者が共にVH基底を選択した場合、両者の測定結果には正相関があるから、例えば測定結果Hをビット0、測定結果Vをビット1と割り当てる。また、両者が共にRL基底を選択した場合、両者の測定結果には負相関があるから、例えばアリスがR、ボブがLを受信した場合をビット0、逆の場合をビット1と割り当てる。このようして、アリスとボブは、ランダムなビット列を共有することができる。
清水、井上、「量子情報処理」、NTT技術ジャーナル、1999年10月号、p.27−31 サイモン・シン著、「暗号解読」、新潮社、2001年
量子もつれ光子対は、多くの場合、光パラメトリック過程を起こす光非線形媒質にポンプ光を入力することによって発生させることができる。このような光パラメトリック過程としては、これまでに2次の非線形光学効果に基づくSPDC(Spontaneous Parametric Downconversion)や、3次の非線形光学効果に基づくSFWM(Spontaneous Four−wave Mixing)などが報告されている。SPDCの場合、ポンプ光周波数fと、発生するシグナル、アイドラ光子の周波数f、fの間には次式で表される関係がある。
=f+f (3)
また、量子もつれ光子対を効率よく発生させる場合には、次に示す位相整合条件が満たされている必要がある。
=k+k (4)
ここで、k,k,kはそれぞれ、ポンプ、シグナル、アイドラの波数である。同様に、SFWMの場合は、次に示す条件が満たされている必要がある(但し、ポンプ光周波数が縮退している場合)。
2f=f+f (5)
2k=k+k (6)
SPDC、SFWMいずれの場合も、式(4)および式(6)の位相整合条件を満たす光周波数は、数nmから数10nm程度の帯域を有する。しかし、光伝送路として光ファイバを用いた場合、広い周波数帯域の光子を伝送させると、ファイバの分散により時間位置のゆらぎが大きくなり、伝送距離が制限されることになる。そのため、広帯域の量子もつれ光子対を発生しても、狭帯域の光フィルタにより周波数帯域を制限した後、ファイバ伝送する必要があった。このとき、光フィルタの帯域外の光子は捨てられることになる。
一方、量子もつれ光子対を用いたQKDにおいては、以下に示すように高いビットレートの鍵生成を実現することは困難であった。量子もつれ光源からパルス状の光子対が生成されているとし、パルスあたりの平均光子対の数をμとする。また、アリスとボブの光子測定装置の光子検出効率を共にη、光フィルタおよび光伝送路の全体の透過率をαとする。各測定装置において得られた測定結果のうち、半数はアリスとボブの測定基底の不一致のために捨てられることを考慮に入れると、パルスあたりの平均の鍵生成率は、μαη/2で与えられる。すなわち、QKDシステムにおける鍵生成率は、ηの2乗に比例することになる。ηを0.1と仮定すると、アリスとボブに到達した光子対のうち、1%しか同時計数にかからない。そのため、量子もつれ光子対を用いたQKDにおいては高い鍵生成率を得ることは難しい。
以上のように、従来の量子もつれ光子対を用いたQKDシステムにおいては、次に示す2つの問題があった。
1.光パラメトリック過程に基づく量子もつれ光源からは、通常、広帯域の量子もつれ光子対が発生しているが、光ファイバ伝送のために帯域を制限しなければならず、発生した量子もつれ光子の多くが利用されていない。
2.鍵生成率が光子検出効率の2乗に比例するため、ビットレートの増大が困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鍵生成率を増大することができる量子鍵配送技術を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、秘密鍵を共有するための量子鍵配送システムであって、量子もつれ光子対を生成する光源と、前記光源によって生成された量子もつれ光子対を、その中心周波数において高周波帯と低周波帯の2つの帯域に分離するバンド分離フィルタと、前記バンド分離フィルタによって分離された高周波数帯の光を受信する第1の通信装置であって、前記高周波帯の光を複数の波長チャネルに分割し、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光を測定する第1の通信装置と、前記バンド分離フィルタによって分離された低周波数帯の光を受信する第2の通信装置であって、前記低周波帯の光を複数の波長チャネルに分割し、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光を測定する第2の通信装置とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の量子鍵配送システムであって、前記第1および第2の通信装置のそれぞれは、各波長における光の測定にあたって測定基底をランダムに変更可能なように構成されたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の量子鍵配送システムであって、前記光源は、偏波に関する量子もつれ光子対を生成し、前記第1の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光を偏波に関して測定し、前記第2の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光を偏波に関して測定することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の量子鍵配送システムであって、前記光源は、所定の時間間隔のパルス列状の量子もつれ状態を有する量子もつれ光子対を生成し、前記第1の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光について、前記パルス間の位相差を測定し、前記第2の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光について、前記パルス間の位相差を測定することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、量子鍵配送システムにおいて量子もつれ状態にある光子を受信するための光子受信手段であって、受信した光子を複数の波長チャネルに分割する波長チャネル分離フィルタと、波長チャネル分離フィルタによって分割された波長チャンネルのそれぞれにおいて、前記受信した光子の量子もつれ状態を測定する光子測定装置とを備えたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の光子受信手段であって、前記光子測定装置は、前記受信した光子の量子もつれ状態を測定するにあたって測定基底を変更可能に構成されたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の光子受信手段であって、前記光子測定装置は、偏波に関する量子もつれ状態を測定するように構成されたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の光子受信手段であって、前記光子測定装置は、所定の時間間隔のパルス列状の量子もつれ状態を測定するように構成されたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の量子鍵配送システムにおいて秘密鍵を共有するための方法であって、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とは、各波長チャネルについて、自己の測定基底と測定時刻とを相手に知らせることと、対応する測定時刻における自己の測定結果と相手の測定基底とから秘密鍵を生成することとを備えることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図2に、本発明の一実施形態によるQKDシステムを示す。このQKDシステムは、広帯域量子もつれ光子対を生成する広帯域偏波もつれ光源110と、生成された広帯域量子もつれ光子対をシグナル光子とアイドラ光子に帯域分離するバンド分離フィルタ120と、帯域分離されたシグナル光子を受信するアリスの通信装置140aと、帯域分離されたアイドラ光子を受信するボブの通信装置140bとから構成される。
広帯域量子もつれ光源110は、シグナル光子とアイドラ光子の周波数の和が一定値fである光子対を発生する。この光源は、SPDCに基づくものであってもよいし、SFWMに基づくものであってもよい。SPDCに基づく場合は、f=fであり、SFWMに基づく場合は、f=2fである。生成された光子対は、バンド分離フィルタ120により、f/2を境として高周波側(アイドラ側)と低周波側(シグナル側)とに帯域分離される。
図3に、生成された広帯域量子もつれ光のスペクトラムとバンド分離フィルタの帯域の関係を示す。図3に示すように、広帯域量子もつれ光源110によって生成された光子対は広帯域のスペクトラムを有する。バンド分離フィルタ120は、低周波側の通過帯域特性(図3の点線)と高周波側の通過帯域特性(図3の一点鎖線)とにより、広帯域量子もつれ光子対をシグナル側とアイドラ側の光子に分離する。分離されたシグナル側およびアイドラ側の光子はそれぞれ、光伝送路130a、130bを介してアリスとボブの通信装置140a、140bに伝送される。
各通信装置140a、140bは、受信した光子を複数の波長チャネルに分離する波長チャネル分離フィルタ142a、142bと、分離したそれぞれの波長チャネルで光子を検出する光子測定装置150a−1〜N、150b−1〜Nと、それぞれの光子測定装置の測定結果を記録する記録装置160a−1〜N、160b−1〜Nとを備えている。バンド分離フィルタ120で分離されたシグナル側およびアイドラ側の光子はそれぞれ、アリスおよびボブの波長チャネルフィルタ142a、142bによってそれぞれの波長チャネルに分離される。
ここで、アリスとボブの波長チャネル分離フィルタにおける波長チャネルの周波数配置は、図3に示すように、f/2に対して対称となるように配置されている。例えば、波長チャネルの間隔が等しく、Δfであるとし、f/2に近い方のチャネルからチャネル1,2,...,Nと呼ぶことにすると、アリス側のチャネルkの中心周波数fAkは、次式で与えられる。
Figure 0004792330
同様に、ボブ側のチャネルkの中心周波数fBkは、次式で与えられる。
Figure 0004792330
また、各チャネルの透過帯域幅は、光伝送路の分散による影響が十分に小さくなるように設定する。
波長チャネル分離フィルタにより、チャネルごとに分離された光子は次いで、それぞれの光子測定装置150a−1〜N、150b−1〜Nにより検出され、その検出結果がそれぞれの記録装置160a−1〜N、160b−1〜Nにより記録される。
次に、アリスとボブは、各波長チャネルにおいて検出された光子の測定時刻と測定基底の情報について、古典通信路170を介して互いに公開する。この場合、アリスとボブは、各波長チャネルについて測定時刻と測定基底が一致した検出結果を用いて鍵を生成することができる。このように、本発明によれば、1つの広帯域量子もつれ光源を用いてQKDシステムのチャネル数を増大することができ、これによってシステム全体として鍵の生成率を飛躍的に増大することが可能となる。
次に、図4を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、図2のQKDシステムにおける広帯域量子もつれ光源に代えて、偏波もつれ光源を用いている。この場合、アリスとボブのそれぞれの通信装置における光子測定装置では、受信した光子の偏波測定を行うことになる。
図4に、光子の偏波測定を行う光子測定装置の一例を示す。この光子測定装置250は、図1の場合と同様に、基底選択を行う偏波変調器252と、基底選択された光子をH偏波とV偏波とに分岐する偏波ビームスプリッタ254と、偏波ビームスプリッタからの各偏波の光子を検出する光子検出器256、258とを備えている。光子測定装置250は、図2の波長チャネル分離フィルタ142a、142bの後段に配置され、各波長チャンネルにおいて、受信した光子の偏波測定を行う。
偏波変調器252は、ある波長チャネルにおいて受信した光の縦偏波成分と横偏波成分の間にπ/2の位相差を印加する。偏波変調器を駆動しない場合、2つの光子検出器256、258のいずれで光子を検出したかに応じて、受信した光子がHであるかVであるかを判定する。また、偏波変調器を駆動した場合、2つの光子検出器256、258のいずれで光子を検出したかに応じて、受信した光子がRであるかLであるかを判定する。
この偏波変調器の状態(測定基底)と光子検出器のどちらで光子を検出したか(測定結果)が、光子を検出した時刻と共に図2の記録装置により波長チャネルごとに記録される。そして、アリスとボブの間で、各波長チャネルにおける測定時刻と測定基底の情報を、古典通信を介して互いに通知することにより、自身の測定結果から、式(1)または式(2)を通じて、相手の測定結果を知ることができる。この場合、アリスとボブは、各波長チャネルについて測定時刻と測定基底が一致した測定結果を用いて鍵を生成することができる。このように、本発明によれば、1つの偏波もつれ光源を用いてQKDのチャネル数を増大することができ、これによりシステム全体として鍵の生成率を飛躍的に増大することが可能となる。
次に、図5を参照して、本発明のさらに他の実施形態について説明する。この実施形態では、図2のQKDシステムにおける広帯域量子もつれ光源に代えて、時間位置もつれ光源を用いる。時間位置もつれ光子対は、パルス状の量子もつれ状態であり、少なくとも2個以上の隣接するパルス間でコヒーレンスが保たれたポンプパルス列を光パラメトリック媒質に入力することによって得ることができる。この光子対は、連続するパルス列のどのパルスに存在するかは不確定であるが、光子対の一方があるパルス中に観測されれば、他方も必ず対応するパルス中に存在するという性質をもつ量子もつれ状態である。この場合、アリスとボブのそれぞれの通信装置における光子測定装置では、受信した連続パルス列の隣接パルス間の位相差測定を行うことになる。
図5に、連続するパルス列の隣接パルス間の位相差を検出する光子測定装置の一例を示す。ここで、連続するパルス列の間隔をΔtとする。この光子測定装置350は、基底選択を行う位相変調器352と、位相変調された連続パルス列を分岐し、分岐した経路間にΔtの遅延時間を与えて合波する1ビット遅延干渉計354と、該干渉計の2つの出力ポートからの光子を検出する光子検出器356、358とを備えている。光子測定装置350は、図2の波長チャネル分離フィルタ142a、142bの後段に配置され、各波長チャンネルにおいて、受信した連続パルス列の隣接パルス間の位相差を測定する。
位相変調器352は、ある波長チャネルにおいて受信した光パルス列の隣接パルス間の位相差をランダムに変調する。これにより、等価的に測定基底のランダムな選択が実現され、後続の1ビット遅延干渉計354と2つの光子検出器356−1、356−2により隣接パルス間の位相差を測定する。
具体的には、アリスとボブは、位相変調器により、波長チャネル分離フィルタを介して受信した光パルス列の隣接パルス間の位相差を0またはπ/2でランダムに変調する。この位相変調された隣接パルスを、1ビット遅延干渉計において干渉させ、この干渉計からの光子を2つの光子検出器で検出する。アリスとボブが共に位相差0で位相変調を行った場合、時間位置もつれ光子対の性質により、アリスが光子検出器の一方で光子を検出すると、ボブは必ず2つの光子検出器のうち、対応する光子検出器の方で光子を検出する。すなわち、アリスとボブの測定結果には正相関がある。
一方、アリスとボブが共に位相差π/2で位相変調したときは、アリスが光子検出器の一方で光子を検出すると、ボブは必ず2つの光子検出器のうち、位相差0で位相変調を行った場合とは逆の光子検出器で光子を検出する。すなわち、アリスとボブの測定結果には負相関がある。また、アリスとボブが互いに異なる位相差で位相変調を行った場合は、アリスとボブがどちらの光子検出器で光子を検出するかの測定結果は無相関となる。
この位相変調器の変調位相(測定基底)と光子検出器のどちらで光子を検出したか(測定結果)が、光子を検出した時刻と共に図2の記録装置により波長チャネルごとに記録される。そして、アリスとボブの間で、各波長チャネルにおける測定時刻と測定基底の情報を、古典通信を介して互いに通知することにより、自身の測定結果から、上述のように相手の測定結果を知ることができる。この場合、アリスとボブは、各波長チャネルについて測定時刻と測定基底が一致した測定結果を用いて鍵を生成することができる。このように、本発明によれば、1つの時間位置もつれ光源を用いてQKDのチャネル数を増大することができ、システム全体として鍵の生成率を飛躍的に増大することが可能となる。
以上、本発明について、いくつかの実施形態について具体的に説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ここに例示した実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
従来の偏波もつれ光子対を用いたQKDシステムの一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による広帯域量子もつれ光子対を用いたQKDシステムの一例を示すブロック図である。 図2における広帯域量子もつれ光子対のスペクトラムと、バンド分離フィルタおよびチャンネル分離フィルタの帯域の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態における光子測定装置の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態における光子測定装置の一例を示すブロック図である。
符号の説明
30a,30b,130a,130b 光伝送路
40a,40b,140a,140b 通信装置
250,350 光子測定装置

Claims (9)

  1. 秘密鍵を共有するための量子鍵配送システムであって、
    量子もつれ光子対を生成する光源と、
    前記光源によって生成された量子もつれ光子対を、その中心周波数において高周波帯と低周波帯の2つの帯域に分離するバンド分離フィルタと、
    前記バンド分離フィルタによって分離された高周波数帯の光を受信する第1の通信装置であって、前記高周波帯の光を複数の波長チャネルに分割し、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光を測定する第1の通信装置と、
    前記バンド分離フィルタによって分離された低周波数帯の光を受信する第2の通信装置であって、前記低周波帯の光を複数の波長チャネルに分割し、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光を測定する第2の通信装置と
    を備えたことを特徴とする量子鍵配送システム。
  2. 請求項1に記載の量子鍵配送システムであって、
    前記第1および第2の通信装置のそれぞれは、各波長における光の測定にあたって測定基底をランダムに変更可能なように構成されたことを特徴とする量子鍵配送システム。
  3. 請求項1または2に記載の量子鍵配送システムであって、
    前記光源は、偏波に関する量子もつれ光子対を生成し、前記第1の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光を偏波に関して測定し、前記第2の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光を偏波に関して測定することを特徴とする量子鍵配送システム。
  4. 請求項1または2に記載の量子鍵配送システムであって、
    前記光源は、所定の時間間隔のパルス列状の量子もつれ状態を有する量子もつれ光子対を生成し、前記第1の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記高周波帯の光について、前記パルス間の位相差を測定し、前記第2の通信装置は、各波長チャネルにおいて前記低周波帯の光について、前記パルス間の位相差を測定することを特徴とする量子鍵配送システム。
  5. 量子鍵配送システムにおいて量子もつれ状態にある光子を受信するための光子受信手段であって、
    受信した光子を複数の波長チャネルに分割する波長チャネル分離フィルタと、
    波長チャネル分離フィルタによって分割された波長チャンネルのそれぞれにおいて、前記受信した光子の量子もつれ状態を測定する光子測定装置と
    を備えたことを特徴とする光子受信手段。
  6. 請求項に記載の光子受信手段であって、
    前記光子測定装置は、前記受信した光子の量子もつれ状態を測定するにあたって測定基底を変更可能に構成されたことを特徴とする光子受信手段。
  7. 請求項またはに記載の光子受信手段であって、
    前記光子測定装置は、偏波に関する量子もつれ状態を測定するように構成されたことを特徴とする光子受信手段。
  8. 請求項またはに記載の光子受信手段であって、
    前記光子測定装置は、所定の時間間隔のパルス列状の量子もつれ状態を測定するように構成されたことを特徴とする光子受信手段。
  9. 請求項1または2に記載の量子鍵配送システムにおいて秘密鍵を共有するための方法であって、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とは、各波長チャネルについて、
    自己の測定基底と測定時刻とを相手に知らせることと、
    対応する測定時刻における自己の測定結果と相手の測定基底とから秘密鍵を生成することと
    を備えることを特徴とする方法。
JP2006145848A 2006-05-25 2006-05-25 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法 Expired - Fee Related JP4792330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145848A JP4792330B2 (ja) 2006-05-25 2006-05-25 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145848A JP4792330B2 (ja) 2006-05-25 2006-05-25 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007318445A JP2007318445A (ja) 2007-12-06
JP4792330B2 true JP4792330B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=38851909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006145848A Expired - Fee Related JP4792330B2 (ja) 2006-05-25 2006-05-25 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4792330B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2456347B (en) 2008-01-14 2010-10-13 Toshiba Res Europ Ltd A quantum information system
JP2010166527A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 共通秘密暗号鍵の配送システム及び配送方法
WO2010140661A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 独立行政法人科学技術振興機構 偏光量子もつれ光子対の生成装置及びその生成方法
JP5978917B2 (ja) * 2012-10-22 2016-08-24 沖電気工業株式会社 多端末量子鍵配送システム
JP6115387B2 (ja) * 2013-07-31 2017-04-19 沖電気工業株式会社 量子鍵配送用受信器及び単一光子検出器の使用方法
JP2024045824A (ja) * 2022-09-22 2024-04-03 株式会社Jvcケンウッド 感覚伝達システム、感覚伝達方法及び感覚伝達プログラム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000286841A (ja) * 1999-03-30 2000-10-13 Nec Corp 量子暗号を用いた鍵配布方法
JP2003156772A (ja) * 2001-11-22 2003-05-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光子対発生装置
JP2003273856A (ja) * 2002-03-14 2003-09-26 Communication Research Laboratory 通信装置および通信方法
JP4173422B2 (ja) * 2002-12-04 2008-10-29 日本電信電話株式会社 量子鍵配送方法及び量子鍵配送システム
JP3999752B2 (ja) * 2004-03-10 2007-10-31 日本電信電話株式会社 エンタングル光子対発生装置及びその方法
JP2005266334A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> エンタングル光子対発生装置
JP4523365B2 (ja) * 2004-08-31 2010-08-11 日本電信電話株式会社 量子暗号通信装置
JP4090459B2 (ja) * 2004-09-21 2008-05-28 日本電信電話株式会社 偏波もつれ光子対発生装置
JP4090460B2 (ja) * 2004-09-21 2008-05-28 日本電信電話株式会社 偏波もつれ光子対発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007318445A (ja) 2007-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10972189B2 (en) Long-haul high rate quantum key distribution
Nunn et al. Large-alphabet time-frequency entangled quantum key distribution by means of time-to-frequency conversion
US7359514B2 (en) Narrow-band single-photon source and QKD system using same
JP4792330B2 (ja) 量子鍵配送システムおよび量子鍵生成方法
EP1445890A1 (en) Cryptographic communication apparatus
US20170026175A1 (en) Methods for quantum key distribution and related devices
JP4777069B2 (ja) 量子暗号通信システム及び方法、偏波/位相変調変換器並びに位相/偏波変調変換器
JP2006013573A (ja) 量子光伝送装置
Bao et al. WDM-based bidirectional chaotic communication for semiconductor lasers system with time delay concealment
JP6214093B2 (ja) 量子鍵配送装置
JP4621116B2 (ja) 量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法
JP4575813B2 (ja) 秘密鍵配送装置および秘密鍵配送方法
EP4047863A1 (en) Quantum communications system using pulse divider and associated methods
JP4361069B2 (ja) 量子暗号鍵共有システムおよび盗聴検知方法
JP4705123B2 (ja) 量子暗号鍵配送システム
JP4523365B2 (ja) 量子暗号通信装置
JP4421977B2 (ja) 量子暗号通信装置
Eldan et al. Multiplexed Processing of Quantum Information Across an Ultra-wide Optical Bandwidth
US11502758B2 (en) Communications system using pulse divider and associated methods
JP4612509B2 (ja) 量子暗号鍵共有システムおよび量子暗号鍵生成方法
Shi et al. Security demonstration for the quantum noise-based physical layer using variable keys
JP2009147460A (ja) 量子暗号装置
Bennett et al. A quantum information science and technology roadmap
Yicheng Polarization-Entangled Quantum Key Distribution Over Telecommunication Fibres
JP4076532B2 (ja) 量子暗号通信装置及び量子暗号通信装置を用いた秘密鍵生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080806

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100514

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100514

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4792330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees