JP2005266334A - エンタングル光子対発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ファイバ通信波長帯の偏波エンタングル光子対を出力することができるエンタングル光子対発生装置を提供すること。
【解決手段】 ポンプ光源11と、このポンプ光源11からのパルス光を透過させる波長カップラー12と、この波長カップラー12から透過したパルス光を第1の端子で受ける1×2の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタ13と、この偏波ビームスプリッタ13の第2の端子と第3の端子間に光ファイバ14を介して設けられたLN導波路15と、偏波ビームスプリッタ13の第1の端子から出力されたシグナル光子とアイドラー光子を、波長カップラー12を介して分離する波長フィルタ16とから構成されている。ファイバ通信波長帯において、安定でファイバ伝送システムに適した偏波エンタングル光子対を発生させることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エンタングル光子対発生装置に関し、より詳細には、量子暗号通信における量子暗号鍵伝送技術に係るもので、量子相関を有する光子対を発生するエンタングル光子対発生装置に関し、特に、偏波状態の相関を有するエンタングル光子対を発生するエンタングル光子対発生装置に関する。
近年、量子力学的相関を有する光子対を利用する新しいタイプの情報通信システムが提案されている。より具体的には、量子相関を利用した量子暗号鍵配送や量子テレポーテーションなどが挙げられる。量子暗号鍵配送とは、離れた地点にいる2者に暗号通信を行うための暗号鍵を供給する暗号通信システムで、暗号鍵の安全性が量子力学の原理により保証された究極的に安全な暗号通信システムである。
量子暗号鍵配送にも各種方式があるが、量子相関を利用するものが最も長距離伝送に適している。量子テレポーテーションとは、量子状態を転送するシステムで、量子コンピューターなどの量子情報処理装置間の信号転送に利用される。これら量子情報通信システムにおいて用いられる量子相関のある光子対は、量子エンタングル光子対または単にエンタングル光子対と呼ばれている。量子相関といっても様々な物理量についての相関が考えられ、それに応じて様々な種類のエンタングル光子対が存在する。以下、本発明に即して、偏波状態についてのエンタングル光子対について説明する。
一般に、単一の光子の偏光状態は、横直線偏光状態と縦直線偏光状態の重ね合わせとして|Ψ>=α|H>+β|V>と表わされる。ここで、|H>は、光子が横直線偏波である状態、|V>は、光子が縦直線偏波である状態をそれぞれ表わしている。α、βは、各状態の重み付け係数で、|α|、|β|はそれぞれ、光子横偏波か縦偏波かを判定する系で測定した時に、結果が横または縦となる確率を表わしている。具体的には、古典的な光電場を横直線振動成分と縦直線振動成分に分解して表示したときの係数をそのまま用いる。例えば、右回り円偏波光子は
Figure 2005266334
また、左回り円偏波光子は
Figure 2005266334
と表わされる。
以上は、1光子についての説明であるが、これを2光子状態に拡張すると、量子エンタングル光子対について説明することができる。いま、2つの光子を同時に発生する光源があったとする。この2光子をまとめて1つの量子状態とみなし、この光源からは、
Figure 2005266334
と表わされる状態が出力されるものとする。ここで、2つの光子を識別するために、添え字a、bを用いた。式(2)は、この2光子に対して横直線偏光状態か縦偏光状態かを判別する測定を行うと、50%の確率で|H>|H>または|V>|V>という状態が観測されることを意味している。ここで、|H>|H>は、光子aが横偏波かつ光子bが横偏波という状態を表わし、|V>|V>は、光子aが縦偏波かつ光子bが縦偏波という状態をそれぞれ表わしている。
このことは、例えば、発生した2光子を離れた2者(アリスとボブという)にそれぞれ送り、両者がそれぞれの光子に対して測定を行ったとする。アリスが横偏光|H>という測定結果を得れば、それと対になる光子についてボブが得る測定結果は、必ず横偏光|H>となり、また、アリスが縦偏光|V>という測定結果を得ると、対になる光子についてボブが得る測定結果は必ず縦偏光|V>となることを意味している。このような相関を有する2つの光子を量子エンタングル光子対という。上述した例の場合は、偏波状態についての相関なので、特に偏波エンタングル光子対ともいう。
量子エンタングルの特徴は、測定系を変えても相関関係が成り立っているところにある。上述した説明では、2光子に対して横直線偏光状態か縦偏光状態かを判別する測定を行うものとしたが、右回り円偏波状態か左回り円偏波状態かを判別する測定を行っても同様の相関が得られる。その事情をみるために、上述した式(1a),(1b)を使って式(2)を書き直すと、
Figure 2005266334
となる。この式(3)は、2光子に対して右回り円偏波状態か左回り円偏波状態かを判別する測定を行うと、一方が右回りであれば他方は左回り、一方が左回りであれば他方は右回りすることを意味しており、相関関係が円偏波測定においても成り立っていることを表わしている。ここでは詳しく述べないが、このような性質を巧みに利用すると、究極的に安全な量子暗号システムや量子テレポーテーションを実施することができる。
上述した偏波エンタングル光子対を発生する手段としては、2次の光非線形効果を利用する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。2次の非線形光学結晶には、波長λのポンプ光が入力されると、1/λ=1/λ+1/λの関係を満たす波長λのシグナル光子と波長λのアンドラー光子を同時に発生する性質がある。この現象はパラメトリック・ダウン・コンバージョンとして知られている。
さらにこの時、ある種の結晶においては、結晶軸の向きを適当に設定すると、直線偏波のポンプ光入力に対して、シグナル光子、アイドラー光子ともに同じ直線偏波として発生させることができる。シグナル光子とアイドラー光子は、必ず対で発生するので、この発生状態は、|φ>=|H>|H>(または|V>|V>)と記述される。ここで、添え字s、iはそれぞれシグナル光子、アイドラー光子を表わしている。
パラメトリック・ダウン・コンバージョン現象により偏波エンタングル光子対を得るためには、ある特定の軸方向の直線偏波ポンプ光入力に対しては、ポンプ光と同一偏波のシグナル光子とアイドラー光子とを発生し、それと直交するポンプ光の入力に対しては、何も発生しないような非線形結晶を2つ用意する。
図1は、従来のエンタングル光子対発生方法を説明するための図で、2つの非線形結晶1a,1bを、結晶軸を互いに90°傾けて直列に配置する。第1の非線形結晶1aは、0°方向の直線偏波ポンプ光の入力に対しては、それと同一偏波のシグナル光子とアイドラー光子とを発生し、それと直交するポンプ光の入力に対しては何も発生しないように配置されているものとする。すると、第2の非線形結晶1bにおいては、その結晶軸が第1の非線形結晶1aとは90°ずれているため、90°方向の直線偏波ポンプ光の入力に対しては、それと同一偏波のシグナル光子とアイドラー光子とを発生することになる。この直列構成に対して、45°傾いた直線偏波のポンプ光を入力する。
このようなポンプ光は、垂直偏波成分と水平偏波成分に分けて考えることができ、第1の非線形結晶1aでは、垂直ポンプ光成分から垂直偏波のシグナル光子とアイドラー光子とが発生し、第2の非線形結晶1bでは、水平ポンプ光成分から水平成分のシグナル光子とアイドラー光子とがそれぞれ発生する。
ここで、1つの非線形結晶から1組のシグナル/アイドラー光子対が発生する効率をηとする。すると、直列配置された2つの非線形結晶のどちらからも光子対が発生する効率はηとなる。光子対の発生効率は、ポンプ光のパワーに依存する。そこで、ポンプ光のパワーを調節してη>>ηであるように設定すると、2つの非線形結晶のどちらからも光子対が発生する効率は無視できる程度に低くなり、直列配置からは1組の光子対が出力されるようにすることができる。
出力された光子対は、第1の非線形結晶1aで発生したものか、第2の非線形結晶1bで発生したものかは測定するまで不明である。このような光子対の状態は、第1の非線形結晶1aで発生する光子対状態と、第2の非線形結晶1bで発生する光子対状態との重ね合わせとして、次のように記述される。
Figure 2005266334
この式(4)は、出力が偏波エンタングル状態となっていることを表わしている。すなわち、図1に示した構成により、偏波エンタングル光子対を得ることができる。なお、式(4)のエンタングル光子対状態としては、|H>|H>である確率と|V>|V>である確率が等しい必要がある。そのためには、第1の非線形結晶1aにおける光子対の発生効率と、第2の非線形結晶1bにおける光子対の発生効率が等しくなければならない。
Paul G Kwiat. et. al. "Ultrabright source of polarization - entangled photons, "Physical Review A. vol. 60. No.2 pp. R773-R776,1999
上述した従来のエンタングル光子対発生方法には、長波長帯(1.3μmまたは1.5μm)の光子対を得るのが困難であるという問題がある。エンタングル光子対を発生させるためには、非線形結晶内でポンプ光、シグナル光子、アイドラー光子の位相速度を整合させる必要がある(位相整合条件)。エンタングル光子対の応用を考えると、光ファイバの伝送損失が小さい長波長帯における光子対の発生が望まれるが、従来のバルク型非線形結晶では、長波長帯において位相整合条件を満たすことが困難となっている。
つまり、エンタングル光子対を発生させるためには、(1)非線形媒質でシグナル・アイドラー光子対を発生させること、(2)2つの非線形媒質を用意して、それぞれで発生するシグナル・アイドラー光子対の発生効率を等しくすること、が必要である。(1)のためには、非線形結晶内でポンプ光、シグナル光、アイドラー光の位相速度を整合させることが必要となる。これは従来のLiNbO導波路により実現可能である。しかしながら、(2)のためには、第1の非線形結晶での光子対発生効率と、第2の非線形結晶での光子対発生効率が等しいことが必要となる。これは、従来の構成では単一モード条件の制約より実現が困難であった。
このように、従来のエンタングル光子対発生装置は、2つの非線形光学結晶における光子対発生効率を等しくするために、非線形光学結晶中でポンプ光、シグナル光、アイドラー光の3つの位相速度が整合されること(位相整合条件)が要求されている。
そのため、光ファイバ伝送により量子暗号通信応用では、光ファイバの伝送損失が小さい長波長帯の光子対が望まれますが、バルク型非線形結晶は、長波長帯では位相整合条件を満たすことが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ファイバ通信波長帯の偏波エンタングル光子対を出力することができるエンタングル光子対発生装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ポンプ光源からのパルス光の光経路上に設けられた1×2の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタと、該偏波ビームスプリッタの第1の端子に波長λのポンプ光を入力し、第2の端子に前記ポンプ光の縦偏波成分を、第3の端子に前記ポンプ光の横偏波成分を、それぞれ等しいパワーで出力する入出力手段と、1×1の入出力端子を有し、前記偏波ビームスプリッタの端子間に接続された2次の光非線形素子と、前記偏波ビームスプリッタの第2の端子から出力された前記ポンプ光を縦偏波状態として前記光非線形素子の第1の端子に入力する第1の入力手段と、前記偏波ビームスプリッタの第3の端子から出力された前記ポンプ光を縦偏波状態として前記光非線形素子の第2の端子に入力する第2の入力手段と、前記光非線形素子内で発生した、該光非線形素子の前記第1の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、前記偏波ビームスプリッタの前記第2の端子へ縦偏波状態として入力する第3の入力手段と、前記光非線形素子内で発生した、該光非線形素子の前記第2の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、前記偏波ビームスプリッタの前記第3の端子へ横偏波状態として入力する第4の入力手段と、前記偏波ビームスプリッタの前記第1の端子から出力された前記シグナル光子と前記アンドラー光子を各々取り出す取得手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光非線形素子が、擬似位相整合光導波路構造であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記取得手段が、波長カップラー及び波長フィルタであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記縦偏波状態と前記横偏波状態間の位相差を調整する光学素子を前記光経路上に設けたことを特徴とする。
このように、本発明は、擬似位相整合LiNbO3導波路である光非線形導波路におけるパラメトリック・ダウン・コンバージョン現象を利用して偏波エンタングル光子対を発生させるものである。二次の非線形結晶であるLiNbO3は、上述したように、バルク状態ではファイバ通信波長帯において位相整合条件を満たすことはできないが、結晶に光導波路を形成し、さらに分極反転構造を導入すると、ファイバ通信波長帯での位相整合条件を擬似的に満たすことができる。この場合、縦偏波状態のポンプ光から縦偏波状態のシグナル光子とアイドラー光子が発生する。
本発明によれば、ポンプ光源からのパルス光の光経路上に設けられた1×2の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタと、偏波ビームスプリッタの第1の端子に波長λのポンプ光を入力し、第2の端子にポンプ光の縦偏波成分を、第3の端子にポンプ光の横偏波成分を、それぞれ等しいパワーで出力する入出力手段と、1×1の入出力端子を有し、偏波ビームスプリッタの端子間に接続された2次の光非線形素子と、偏波ビームスプリッタの第2の端子から出力されたポンプ光を縦偏波状態として光非線形素子の第1の端子に入力する第1の入力手段と、偏波ビームスプリッタの第3の端子から出力されたポンプ光を縦偏波状態として光非線形素子の第2の端子に入力する第2の入力手段と、光非線形素子内で発生した、光非線形素子の第1の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、偏波ビームスプリッタの第2の端子へ縦偏波状態として入力する第3の入力手段と、光非線形素子内で発生した、光非線形素子の第2の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、偏波ビームスプリッタの第3の端子へ横偏波状態として入力する第4の入力手段と、偏波ビームスプリッタの第1の端子から出力されたシグナル光子とアンドラー光子を各々取り出す取得手段とを備えたので、ファイバ通信波長帯において、安定でファイバ伝送システムに適した偏波エンタングル光子対を発生させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図2は、本発明のエンタングル光子対発生装置の実施例を説明するため構成図で、図中符号11はポンプ光源、12は波長カップラー、13は偏波ビームスプリッタ(PBS)、13a〜13cは入出力端子、14は光ファイバ、15は光非線形導波路(LN導波路)、15aは光非線形導波路の第1の端子、15bは光非線形導波路の第2の端子、16は波長フィルタを示している。
本発明のエンタングル光子対発生装置は、ポンプ光源11と、このポンプ光源11からのパルス光を透過させる波長カップラー12と、この波長カップラー12から透過したパルス光を第1の端子に入力される1×2の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタ13と、この偏波ビームスプリッタ13の第2の端子と第3の端子間に光ファイバ14を介して設けられたLN導波路15と、偏波ビームスプリッタ13の第1の端子から出力されたシグナル光子とアイドラー光子を、波長カップラー12を介して分離する波長フィルタ16とから構成されている。
偏波ビームスプリッタ13は、その第1の端子13aに波長λのポンプ光を入力し、第2の端子13bにポンプ光の縦偏波成分を出力するとともに、第3の端子13cにポンプ光の横偏波成分をそれぞれ等しいパワーで出力する入出力手段である。
また、偏波ビームスプリッタ13は、その第2の端子13bから出力されるポンプ光を縦偏波状態としてLN導波路15の第1の端子15aに入力する第1の入力手段と、第3の端子13bから出力されたポンプ光を縦偏波状態としてLN導波路の第2の端子15bに入力する第2の入力手段とを有している。
また、偏波ビームスプリッタ13は、LN導波路15内で発生した、このLN導波路15の第1の端子15aから縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、偏波ビームスプリッタ13の第2の端子13bへ縦偏波状態として入力する第3の入力手段と、LN導波路15内で発生した、このLN導波路15の第2の端子15bから縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、偏波ビームスプリッタ13の第3の端子13cへ横偏波状態として入力する第3の入力手段とを有している。
このような構成により、ポンプ光源11(波長λ)からのパルス光は、波長λを透過させる波長カップラー12を経て、1×2の偏波ビームスプリッタ13の第1の端子13aに入力される。偏波ビームスプリッタ13は、横偏波光を透過させ、縦偏波光を反射させる特性を有しており、横偏波成分は第3の端子13cへ、縦偏波成分は第2の端子13bへそれぞれ出力される。ここで、ポンプ光の入力偏波状態は、横成分と縦成分が等しいパワーであるように設定されているものとする。
偏波ビームスプリッタ13の第2の端子13bから出力された縦偏波状態のポンプ光は、そのまま擬似位相整合LiNbO3導波路であるLN導波路15の第1の端子15aに入力される。偏波ビームスプリッタ13の第3の端子13cから出力された横偏波状態のポンプ光は、偏波状態が90°回転され、縦偏波状態としてLN導波路15の第2の端子15bに入力される。偏波を回転する手段としては、光経路を偏波保持ファイバとし、これを90°捻って接続する構成が利用可能である。
LN導波路15に入力されるポンプ光はどちら方向も縦偏波状態である。これにより、シグナル光子とアイドラー光子が縦偏波状態|V>|V>として両方向に発生する。ポンプ光パワーは両方向で同一であるので、光子対の両方向の発生確率は同一である。
LN導波路15の第1の端子15aから出力される光子対は、そのまま縦偏波状態|V>|V>で偏波ビームスプリッタ13の第2の端子13bに入力され、第1の端子13aへと出力される。一方、LN導波路15の第2の端子15bから出力される光子対は、偏波状態が90°回転され、横偏波状態|H>|H>として、偏波ビームスプリッタ13の第3の端子13cに入力され、第1の端子13aへと出力される。
偏波ビームスプリッタ13の第1の端子13aから出力されたシグナル光子とアイドラー光子は、波長λ及び波長λを反射する波長カップラー12を経て波長λと波長λを分離する波長フィルタ16に入力され、それぞれ異なる端子へと出力される。
以上の構成において、偏波ビームスプリッタ13の第1の端子13aから出力されるのは、第2の端子13bに入力された光子対|V>|V>と第3の端子13cに入力された光子対|H>|H>とを足し合わせた状態である。ここで、ポンプ光パワーの調整により、|V>|V>及び|H>|H>が同時に発生する確率は、|V>|V>または|H>|H>がそれぞれ発生する確率に比べて充分小さいものとなる。すると、第1の端子13aからの出力状態は、
Figure 2005266334
と書き表せる。すなわち、偏波エンタングル状態が出力される。そこで、偏波ビームスプリッタ13の第1の端子13aからの出力状態を波長カップラー12及び波長フィルタ16に通せば、エンタングルされたシグナル光子とアイドラー光子を取り出すことができる。
なお、上述した説明においては、エンタングル光子対を出力する基本構成を示したが、用いる光学素子の特性のため出力状態が
Figure 2005266334
となり、重ね合わせた項の間に位相差が生じることがある。このような状態は、応用によっては好ましくない場合がある。そのような場合には、必要に応じて、縦偏波状態と横偏波状態間の位相差を調整する光学素子(例えば、バビネソレイユ位相板)を構成内のいずれかの経路上に挿入すればよい。
このバビネソレイユ位相板とは、バビネソレイユ補償板(Babinet-Soleil compensator)とも言われ、光学軸の方向が同じで頂角が等しい2枚のくさび状の複屈折板と、光学軸の方向がこれと垂直な1枚の平行複屈折板を配置した補償板のことで、ソレイユ補償板とも言われている。一方のくさび状板をマイクロメータネジで移動すると、互いに直交する偏光成分に任意の位相差が与えられる。
従来のエンタングル光子対発生方法を説明するための図である。 本発明のエンタングル光子対発生装置の実施例を説明するため構成図である。
符号の説明
1a,1b 非線形結晶
11 ポンプ光源
12 波長カップラー
13 偏波ビームスプリッタ(PBS)
13a〜13c 入出力端子
14 光ファイバ
15 光非線形導波路(LN導波路)
15a 光非線形導波路の第1の端子
15b 光非線形導波路の第2の端子
16 波長フィルタ

Claims (4)

  1. ポンプ光源からのパルス光の光経路上に設けられた1×2の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタと、
    該偏波ビームスプリッタの第1の端子に波長λのポンプ光を入力し、第2の端子に前記ポンプ光の縦偏波成分を、第3の端子に前記ポンプ光の横偏波成分を、それぞれ等しいパワーで出力する入出力手段と、
    1×1の入出力端子を有し、前記偏波ビームスプリッタの端子間に接続された2次の光非線形素子と、
    前記偏波ビームスプリッタの第2の端子から出力された前記ポンプ光を縦偏波状態として前記光非線形素子の第1の端子に入力する第1の入力手段と、
    前記偏波ビームスプリッタの第3の端子から出力された前記ポンプ光を縦偏波状態として前記光非線形素子の第2の端子に入力する第2の入力手段と、
    前記光非線形素子内で発生した、該光非線形素子の前記第1の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、前記偏波ビームスプリッタの前記第2の端子へ縦偏波状態として入力する第3の入力手段と、
    前記光非線形素子内で発生した、該光非線形素子の前記第2の端子から縦偏波状態として出力される1/λ=1/λ+1/λを満たす波長λのシグナル光子と波長λのアイドラー光子を、前記偏波ビームスプリッタの前記第3の端子へ横偏波状態として入力する第4の入力手段と、
    前記偏波ビームスプリッタの前記第1の端子から出力された前記シグナル光子と前記アンドラー光子を各々取り出す取得手段と
    を備えたことを特徴とするエンタングル光子対発生装置。
  2. 前記光非線形素子が、擬似位相整合光導波路構造であることを特徴とする請求項1に記載のエンタングル光子対発生装置。
  3. 前記取得手段が、波長カップラー及び波長フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンタングル光子対発生装置。
  4. 前記縦偏波状態と前記横偏波状態間の位相差を調整する光学素子を前記光経路上に設けたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のエンタングル光子対発生装置。
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