JP2009157260A - エンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法 - Google Patents

エンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法 Download PDF

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Toshimori Honjo
利守 本庄
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Abstract

【課題】ポンプ光抑圧作用を備え、簡便な構成の量子エンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法を提供すること。
【解決手段】本発明のエンタングル光子対発生装置は、端子21〜24を有する偏波ビームスプリッタ20と、ポンプ光の横偏波成分が出力される端子23に接続された複屈折媒質27と、ポンプ光の縦偏波成分が出力される端子24に接続された複屈折媒質28と、複屈折媒質27と複屈折媒質28とを接続し、光パラメトリック相互作用を起こす光ファイバ26とを備え、パラメトリック相互作用により、光ファイバ26内を通過するポンプ光から発生した、2fp=fs+fiを満たす、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とを、端子22から出力し、複屈折媒質27、28および光ファイバ26を通過したポンプ光を端子21から出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法に関し、より詳細には、量子暗号通信において用いられる量子相関のある光子対(エンタングル光子対)を発生するエンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法に関するものである。
近年、量子力学的相関を有する光子対を利用する新しいタイプの情報通信システムが提案されている。より具体的には、量子相関を利用した量子暗号鍵配送や量子テレポーテーションなどが挙げられる。量子鍵配送とは、離れた地点にいる2者に暗号通信を行なうための暗号鍵を供給する暗号通信システムで、暗号鍵の安全性が量子力学の原理により保証された究極的に安全な暗号システムである。量子テレポーテーションとは、量子状態を転送するシステムで、量子コンピュータなどの量子情報処理装置間の信号転送に利用される。
これら量子情報通信システムにおいて用いられる量子相関のある光子対は、量子エンタングル光子対または単にエンタングル光子対と呼ばれる。量子相関と言っても様々な物理量についての相関が考えられ、それに応じて様々な種類のエンタングル光子対が存在する。以下、本発明に即して、偏波状態についてのエンタングル光子対について説明する。
一般に、単一の光子の偏光状態は、横直線偏光状態と縦直線偏光状態の重ね合わせとして|Ψ>=α|H>+β|V>と表わされる。ここで、|H>は光子が横直線偏波である状態、|V>は光子が縦直線偏波である状態、をそれぞれ表す。α、βは各状態の重み付け係数で、|α|2、|β|2はそれぞれ、光子が横偏波か縦偏波かを判定する系で測定した時に、結果が横偏波または縦偏波となる確率を表わしている。具体的には、古典的な光電場を横直線振動成分と縦直線振動成分に分解して表示したときの係数をそのまま用いる。例えば、右回り円偏波光子は
Figure 2009157260
左回り円偏波光子は
Figure 2009157260
と表わされる。
以上は1光子についての記述であるが、これを2光子状態に拡張すると、量子エンタングル光子対を表わすことができる。いま、2つの光子を同時に発生する光源があったとする。この2光子をまとめて1つの量子状態とみなし、この光源からは、
Figure 2009157260
と表わされる状態が出力されるものとする。ここで、2つの光子を識別するために、添え字a、bを用いた。式(2)は、この2光子に対して横直線偏光状態か縦直線偏光状態かを判別する測定を行うと50%の確率で|H>a|H>bまたは|V>a|V>bという状態が観測される、ということを意味している。ここで、|H>a|H>bは光子aが横偏波かつ光子bが横偏波、|V>aV>bは光子aが縦偏波かつ光子bが縦偏波、という状態をそれぞれ表わす。
このことは、例えば発生した2光子を離れた2者(アリスとボブと呼ぶ)にそれぞれ送り、両者がそれぞれの光子に対して光子検波器等を用いて測定を行ったとすると、アリスが横偏光|H>という測定結果を得ればそれと対になる光子についてボブが得る測定結果は必ず横偏光|H>、もしくはアリスが縦偏光|V>という測定結果を得ると対になる光子についてボブが得る測定結果は必ず縦偏光|V>、となることを意味している。このような相関を持った2つの光子を量子エンタングル光子対と言う。上の例の場合は、偏波状態についての相関なので、特に偏波エンタングル光子対とも言う。
量子エンタングルの特徴は、測定系を変えても相関関係が成り立っているところにある。上の説明では、2光子に対し横直線偏光状態か縦偏光状態かを判別する測定を行うものとしたが、右周り円偏波状態か左回り円偏波状態かを判別する測定を行っても同様の相関が得られる。その事情をみるために、上述した式(1a)、(1b)を使って式(2)を書き直すと、
Figure 2009157260
となる。この式は、2光子に対し右周り円偏波状態か左回り円偏波状態かを判別する測定を行うと、測定された2光子のうち一方が右回りであれば他方は左回り、一方が左回りであれば他方は右回り、となることを意味しており、相関関係が円偏波測定においても成り立っていることを表わしている。ここでは詳しく述べないが、このような性質を巧みに利用すると、究極的に安全な量子暗号システムや量子テレポーテーションを実施することができる。
上述した偏波エンタングル光子対を発生する装置としては、いくつか知られているが、ここでは、本発明に関連の深い偏波エンタングル光子対の発生装置について述べる(特許文献1参照)。
図1は、従来のエンタングル光子対発生装置の構成図である。図1において、偏波ビームスプリッタ(PBS)10は、4つの端子(入出力端子)11〜14を有しており、その端子11にはポンプ光を出力するポンプ光源15が接続されており、該端子11から周波数fpのポンプ光が入力される。また、端子13と端子14とは光ファイバ16を介して接続されている。
偏波ビームスプリッタ10は、端子11から入力された光のうち、横直線偏波成分を端子13へ、縦直線偏波成分を端子14へ、それぞれ出力する。ここで、端子11へ入力されるポンプ光の偏波状態は、縦・横の成分比が1:1であるとする。これにより、偏波ビームスプリッタ10の端子13、14からは等しいパワーのポンプ光が横直線偏波/縦直線偏波としてそれぞれ出力される。
偏波ビームスプリッタ10の端子13と端子14とを接続する光ファイバ16は、光の通過経路であるばかりでなく、光非線形媒質として作用し、ポンプ光よりシグナル光・アイドラー光を発生させる。より詳しくは、光パラメトリック相互作用という光非線形現象により、周波数fpのポンプ光から、fs+fi=2fpという周波数関係を満たす2つの周波数光(fs、fi)を発生させる。慣例的に、これらの光はシグナル光(周波数fsの光)/アイドラー光(周波数fiの光)と呼ばれる。この際、光パラメトリック相互作用の性質より、シグナル光子とアイドラー光子とは必ず対で発生する。さらに、その偏波状態はポンプ光と同じとなっている。よって、入力されたポンプ光と同じ偏波状態を有し、シグナル光子およびアイドラー光子からなる光子対が発生する。
すなわち、式で表わすと、横直線偏波ポンプ光からは|H>s|H>iという状態が、縦直線偏波ポンプ光からは|V>s|V>iという状態が、それぞれ発生する。ここで、添え字s、iはそれぞれシグナル光子、アイドラー光子を表わす。光子対の発生効率はポンプ光パワーに依存し、ポンプ光パワーが大きいほど発生効率は高い。
上記現象により、端子13から端子14へ伝搬する左回りポンプ光からは|H>s|H>iが、端子14から端子13へ伝搬する右回りポンプ光からは|V>s|V>iが、それぞれ発生する。光ファイバ16にて発生したシグナル光子/アイドラー光子は、ポンプ光と伴に伝搬して偏波ビームスプリッタ10に到達する。端子14に達するシグナル光子/アイドラー光子の偏波状態は横直線偏波である。この光子対は偏波ビームスプリッタ10の端子12へと出力される。端子13に達するシグナル光子/アイドラー光子の偏波状態は縦直線偏波である。この光子対はPBSの端子12へと出力される。したがって、偏波ビームスプリッタ10の端子12からは、左回りで発生した|H>s|H>i及び右回りで発生した|V>s|V>iが出力される。
ここで、ポンプ光パワーの設定により、光子対ひとつが発生する確率ηは1より十分小さいとする。このようにすると、右回り左回り共に光子対を発生する確率はη2、右回りで発生して左回りでは発生しない確率はη(1−η)、左回りで発生して右回りでは発生しない確率はη(1−η)、である。従って、偏波ビームスプリッタ10から光子対が2ペア出力される確率η2は、光子対が1ペア出力される確率2η(1−η)より十分小さくなる(η2<<2η(1−η))。すなわち、偏波ビームスプリッタ10から光子対が出力される場合、概ねそれはシグナル光子/アイドラー光子1ペア(1ペアの光子対)である。
ただし、そのように発生した光子対が、右回りで発生したのか左回りで発生したのかは、偏波状態を測定しないと判別できない。式で表わすと、
|Ψ>∝(|H>s|H>i+V>s|V>i
という状態である。これは、式(2)の状態と同じである。すなわち、図1の構成により、偏波ビームスプリッタ10の端子12から、量子エンタングル光子対が出力される。
特開2005−257941号公報
このように特許文献1に記載の技術は、光パラメトリック相互作用を用いてエンタングル光子対を発生させるので、通信波長帯の偏波エンタングル光子対を発生させることができ、当時として望まれていた、ファイバ通信波長帯において安定な通信を実現でき非常に有用な技術であるが、近年、簡便な構成でより高品位な出力を得ることが求められている。
上記従来構成では、ポンプ光とシグナル光/アイドラー光とは、同じ偏波状態で光ファイバ16を伝搬する。したがって、偏波ビームスプリッタ10の端子12からは、シグナル/アイドラー光子対だけでなくポンプ光も出力される。このポンプ光は、量子情報通信システムにとっては不必要であり、雑音光として作用する。したがって、特許文献1では、光フィルタなどを用いて上記エンタングル光子対と共に出力されるポンプ光を除去する必要がある。
一般に、ポンプ光パワーは発生するシグナル/アイドラー光パワーより桁違いに大きく、ポンプ光パワーを除去する光フィルタには大きなポンプ光抑圧比が要求される。そのような光フィルタを備えることは、装置の複雑化を招くと伴にシグナル/アイドラー光子に対して損失を与えることになり、応用上好ましくない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ポンプ光抑圧作用を備え、簡便な構成の量子エンタングル光子対発生装置およびエンタングル光子対発生方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、エンタングル光子対発生装置であって、第1、第2、第3、および第4の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタと、前記第1の入出力端子に光周波数fpのポンプ光を入力する手段と、前記ポンプ光の横偏波成分が出力される前記第2の入出力端子に接続された第1の複屈折媒質と、前記ポンプ光の縦偏波成分が出力される前記第3の入出力端子に接続された第2の複屈折媒質と、前記第1の複屈折媒質と前記第2の複屈折媒質とを接続し、光パラメトリック相互作用を起こす非線形媒質とを備え、前記光パラメトリック相互作用により、前記非線形媒質内を通過する前記ポンプ光から発生した、2fp=fs+fiを満たす、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とを、前記第4の入出力端子から出力し、前記2つの複屈折媒質および前記非線形媒質を通過したポンプ光を前記第1の入出力端子から出力することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1および第2の複屈折媒質はそれぞれ、該第1および第2の複屈折媒質の直交する2つの主軸のそれぞれに対して、前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分の振動方向が45度の角度をなすように配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記2つの複屈折媒質および前記非線形媒質を通過したポンプ光の偏波状態を、前記2つの複屈折媒質への入力前の前記ポンプ光の偏波状態と直交するようにすることで、前記ポンプ光と、前記シグナル光子およびアイドラー光子とを分離することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記非線形媒質は、光ファイバであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記第1および第2の複屈折媒質は、PANDAファイバであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、エンタングル光子対発生方法であって、第1、第2、第3、および第4の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタの第1の入出力端子から光周波数fpのポンプ光を入力するポンプ光入力工程と、前記第2および第3の入出力端子のいずれか一方から、前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方を出力する偏波出力工程と、前記出力されたポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方について、直線偏波から円偏波に変換する第1の変換工程と、光パラメトリック相互作用により、前記円偏波となったポンプ光から、2fp=fs+fiを満たし、前記円偏波となったポンプ光と同一の偏波状態である、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とを発生させる発生工程と、前記円偏波となったポンプ光について、円偏波から、前記偏波出力工程にて出力された前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方の第1の振動方向と直交する第2の振動方向を有する直線偏波に変換し、前記シグナル光子およびアイドラー光子について、前記円偏波から、前記第1の振動方向を有する直線偏波に変換する第2の変換工程と、前記第2の振動方向を有する直線偏波であるポンプ光および前記第1の振動方向を有する直線偏波であるシグナル光子およびアイドラー光子を、前記第2および第3の入出力端子の他方から前記偏波ビームスプリッタに入力する入力工程と、前記第2の振動方向を有する直線偏波であるポンプ光を前記第1の入出力端子から出力し、前記第1の振動方向を有する直線偏波であるシグナル光子およびアイドラー光子を前記第4の入出力端子から出力して、前記ポンプ光と、前記シグナル光子およびアイドラー光子とを分離する分離工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバ中のパラメトリック相互作用を利用した偏波エンタングル発生装置において、ポンプ光出力を抑圧しつつ、エンタングル光子対を発生させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2に、本発明の一実施形態に係るエンタングル光子対発生装置の構成を示す。基本的には、図1の従来例と同様であるが、偏波ビームスプリッタ10の端子13、14に、長さLの複屈折媒質がそれぞれ接続されている点が異なる。複屈折媒質とは、2つの直交する主軸方向(x方向とy方向)を有し、それぞれの方向の振動成分に対する屈折率(nxとny)が異なる媒質のことである。
図2において、エンタングル光子対発生装置は、4つの入出力端子(単に、「端子」とも呼ぶ)21〜24を有する偏波ビームスプリッタ20を備えている。端子21には、光周波数fpのポンプ光を出力するポンプ光源25が光学的に接続されており、端子21を介してポンプ光源25から出力されたポンプ光が偏波ビームスプリッタ20に入力される。
また、端子23からは、端子21から入力されたポンプ光の横偏波成分が出力され、端子24からは、上記ポンプ光の縦偏波成分が出力される。すなわち、偏波ビームスプリッタ20は、端子21から入力されたポンプ光の横偏波成分を端子23から出力し、縦偏波成分を端子24から出力する。また、端子24から横直線偏波が入力されると、偏波ビームスプリッタ20は該入力された横直線偏波を端子22から出力する。一方、端子24から縦直線偏波が入力されると、偏波ビームスプリッタ20は該入力された縦直線偏波を端子21から出力する。さらに、端子23から縦直線偏波が入力されると、偏波ビームスプリッタ20は該入力された縦直線偏波を端子22から出力する。一方、端子23から横直線偏波が入力されると、偏波ビームスプリッタ20は該入力された横直線偏波を端子21から出力する。
端子23は、長さがLであり、主軸方向(直交する2つの主軸であるx方向とy方向)の振動成分に対する屈折率nxとnyとを有する複屈折媒質27が接続されている。また、端子24は、長さがLであり、主軸方向(x方向とy方向)の振動成分に対する屈折率nxとnyとを有する複屈折媒質28が接続されている。複屈折媒質27と複屈折媒質28とは、パラメトリック相互作用を起こす光非線形媒質としての光ファイバ26によって接続されている。
すなわち、複屈折媒質27の、長さLの方向の一方端が端子23に光学的に接続されており、該長さ方向の他方端が光ファイバ26の一方端に光学的に接続されている。また、複屈折媒質28の、長さLの方向の一方端が端子24に光学的に接続されており、該長さ方向の他方端が光ファイバ26の他方端に光学的に接続されている。従って、端子23から出力されたポンプ光は、複屈折媒質27中を通過し、光ファイバ26中を通過し、複屈折媒質28中を通過して端子24から偏波ビームスプリッタ20に入力される。一方、端子24から出力されたポンプ光は、複屈折媒質28中を通過し、光ファイバ26中を通過し、複屈折媒質26中を通過して端子23から偏波ビームスプリッタ20に入力される。
図2では、後述するように、端子22からエンタングル光子対が出力されることになる。
なお、本発明において、エンタングル光子対における相関する物理量は、上述のような偏波状態であり、本発明のエンタングル光子対は、上述した偏波エンタングル光子対である。
本実施形態において、偏波ビームスプリッタ20の端子21に対して、縦・横偏波の成分比が等しいポンプ光を入力するのも従来例(図1に示した構成)と同様である。これにより、横直線偏波のポンプ光と縦直線偏波のポンプ光とが、等しいパワーで偏波ビームスプリッタ20の端子23、24からそれぞれ出力される。偏波ビームスプリッタ20の端子23からの出力ポンプ光は、複屈折媒質27→光ファイバ26→複屈折媒質28を経て偏波ビームスプリッタ20の端子24に達する(左回り光)。一方、偏波ビームスプリッタ20の端子24からの出力ポンプ光は、複屈折媒質28→光ファイバ26→複屈折媒質27を経て偏波ビームスプリッタ20の端子23に達する(右回り光)。
以下ではまず、左回り光の伝搬状況を辿って説明する。偏波ビームスプリッタ20の端子23から出力された横直線偏波ポンプ光は複屈折媒質27に入力されるが、ここで、複屈折媒質27の主軸方向に対して+45度傾いた角度で入射するものとする。すなわち、端子23から出力されたポンプ光の横偏波成分の振動方向が、複屈折媒質27の主軸方向に対して右斜め45度となるように、複屈折媒質27を配置する。よって、複屈折媒質27の主軸座標において、ポンプ光は右斜め直線偏波状態となる。この右斜め直線偏波とは、直線偏波の振動方向が複屈折媒質の主軸の一方であるx軸から45度傾いた方向であることを指す。
このようにすると、入射光は、複屈折媒質27の主軸座標上で、ベクトル的に
(E0,E0
と表わされる(E0はポンプ光パワーで決まる実定数)。これは、2つの主軸方向について同一成分比かつ位相差ゼロ、という状態である。複屈折媒質27への入射光の2つの主軸方向成分は、それぞれnx、nyという屈折率を受けて複屈折媒質27を伝搬する。これにより、複屈折媒質27の出射端でのポンプ光の状態は、
(E0exp[inxkpL],E0exp[inykpL])=E0exp[inxkpL](1,exp[iΔnkpL])
となる。kpはポンプ光の真空中での伝搬定数、Δn=ny−nx(リタデーション;複屈折媒質の直交する2つの主軸の屈折率差)、である。ここで、複屈折媒質27の長さLが、ΔnkpL=2πmp+π/2を満たす値であるとする(mp:自然数)。すると、複屈折媒質からの出射状態は、
E0exp[inxkpL](1,i)
となる。これはすなわち、出射ポンプ光は右回り円偏波状態(光の受信側から見て右回転の円偏波)ということである。
すなわち、本実施形態では、端子23から出力されたポンプ光が1番目に入射する複屈折媒質27によって、横方向に振動しているポンプ光を直線偏光から円偏光へと変換している。
複屈折媒質27から出力された右回り円偏波ポンプ光は、光ファイバ26を伝搬し、ここで光パラメトリック相互作用により、シグナル光/アイドラー光を発生させる。発生するシグナル光/アイドラー光の偏波状態はポンプ光と同じ右回り円偏波である。すなわち、光ファイバ26に光周波数fpのポンプ光が入力されると、上記光パラメトリック相互作用により、2fp=fs+fiを満たし、ポンプ光と同じ偏波状態である、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とが光ファイバ26内で発生する。
次に、光ファイバ26を伝搬したポンプ光は、複屈折媒質28に入力される。ここで、複屈折媒質28の主軸方向は、複屈折媒質27と同じであるとする。すなわち、複屈折媒質28への入射状態は、複屈折媒質28の主軸座標上で
0(1,i)
と表わされるものとする。なお上記では、簡単のため、2つの成分に共通の位相項は省略した。
複屈折媒質28の2つの主軸方向の屈折率差及び長さは、複屈折媒質27と同じくΔn及びLであるとする。すると、ΔnkpL=2πmp+π/2であるので、複屈折率媒質28からの出射状態は、
E0exp[inxkpL](1,iexp[iΔnkpL])=E0exp[inxkpL](1,-1)
となる。これはすなわち、出射ポンプ光は、複屈折媒質28の主軸座標において左斜め直線偏波状態ということである。なお左斜め直線偏波とは、直線偏波の振動方向が複屈折媒質の主軸の一方であるx軸から−45度傾いた方向であることを指す。
この偏波状態は、複屈折媒質27への入射偏波状態と直交する状態である。つまり、偏波ビームスプリッタ20の端子23から出力された直線偏波ポンプ光は、90度回転した直線偏波光として偏波ビームスプリッタ20の端子24へと入力される。偏波ビームスプリッタ20の座標系で言うと、縦直線偏波光として端子24へ入力されるということである。
端子24へ入力された縦直線偏波光は端子21へと出力される。したがって、偏波ビームスプリッタ20の端子23へ出力された左回りのポンプ光は、ファイバループを経た後、偏波ビームスプリッタ20の端子21へと出力される。すなわち、エンタングル光子対となるシグナル光子およびアイドラー光子を発生させるために用いるポンプ光については、エンタングル光子対発生装置の出力端子としても機能する偏波ビームスプリッタ20の端子22ではなく、ポンプ光源25側の端子である端子21へと出力される。従って、光フィルタを用いなくても、ポンプ光を除去したエンタングル光子対をエンタングル光子対発生装置から出力することができる。
一方、この左回りポンプ光から発生したシグナル光/アイドラー光は、光ファイバ26にて右回り円偏波状態E(1,i)として発生した後、複屈折媒質28に入力される(Eは光子対の発生効率で決まる定数)。その出力状態は、シグナル光については
Eexp[inxksL](1,iexp[iΔnksL])
アイドラー光については、
Eexp[inxkiL](1,iexp[iΔnkiL])
である。ks、iはそれぞれシグナル光、アイドラー光の真空中の伝搬定数である。ポンプ光/シグナル光/アイドラー光は周波数が異なるので、kp、s、iは異なる値となっている。
ここで、複屈折媒質28の長さLは、ΔnksL=2πms+3π/2及びΔnkiL=2πmi+3π/2を満たす値であるとする(ms、i:自然数)。先に、LはΔnkpL=2πmp+π/2を満たす値としたが、後述するように、この3条件を同時に満たすことは可能である。このように設定すると、複屈折媒質28からの出力状態は、シグナル光について
Eexp[inxksL](1,iexp[iΔnksL])=Eexp[inxksL](1,1)、
アイドラー光については、
Eexp[inxkiL](1,iexp[iΔnkiL])=Eexp[inxkiL](1,1)、
となる。これはすなわち、シグナル光/アイドラー光共に、左回りポンプ光の複屈折媒質27への入力偏波状態と同じということである。
複屈折媒質27への左回りポンプ光の入力偏波状態は、偏波ビームスプリッタ20の座標系では、横直線偏波状態である。したがって、シグナル光/アイドラー光は、横直線偏波状態として、偏波ビームスプリッタ20の端子24へ入力される。端子24へ入力された横直線偏波光は端子22へと出力される。すなわち、光ファイバ26で発生したシグナル光/アイドラー光子はエンタングル光子対として、偏波ビームスプリッタ20の端子22から出力される。
以上、左回り光のループ伝搬特性について述べた。次に、右回り光について説明する。
偏波ビームスプリッタ20の端子24から出力された縦直線偏波ポンプ光は、複屈折媒質28に入力される。前述のように、複屈折媒質27及び28の主軸方向は、偏波ビームスプリッタ座標系での横直線偏波が主軸座標上で右斜め45度直線となるように配置されている。したがって、縦直線偏波状態は、複屈折座標系では左斜め45度直線となる。複屈折座標のベクトル表示で表わすと、
(E0−E0
ということである。
この入射ポンプ光が複屈折媒質2を透過すると、
(E0exp[inxkpL],−E0exp[inykpL])=E0exp[inxkpL](1,-exp[iΔnkpL])
=E0exp[inxkpL](1,-i)
という状態として出力される。なお上式の展開にあたっては、前述のΔnkpL=2πmp+π/2を代入した。上式は、左回り円偏波状態を表わしている。
複屈折媒質28を透過することにより左回り円偏波となったポンプ光は、光ファイバ26を伝搬し、ここで、光パラメトリック相互作用によりシグナル光/アイドラー光を発生させる。発生するシグナル光/アイドラー光の偏波状態は、ポンプ光と同じく左回り円偏波である。
光ファイバ26を伝搬後、右回りポンプ光は複屈折媒質27に入力される。入射偏波状態は、複屈折座標系で、
E0exp[inxkpL](1,-i)
である。このポンプ光が複屈折媒質27を透過すると、
E0exp[inxkpL](1,-iexp[iΔnkpL])=E0exp[inxkpL](1,1)
という偏波状態で出力される。なお上式では、ΔnkpL=2πmp+π/2を代入した。この状態は偏波ビームスプリッタ座標系でみると、横直線偏波である。すなわち、右回りポンプ光は、横直線偏波状態として偏波ビームスプリッタ20の端子23へ入力される。
偏波ビームスプリッタ20の端子23へ入力された横直線偏波光は、端子21から出力される。したがって、右回りポンプ光は偏波ビームスプリッタ20の端子21から出力されることになる。すなわち、右回りポンプ光も左回りポンプ光と同様に、エンタングル光子対発生装置の出力端子としても機能する偏波ビームスプリッタ20の端子22ではなく、ポンプ光源25側の端子である端子21へと出力される。よって、光フィルタを用いなくても、ポンプ光を除去したエンタングル光子対をエンタングル光子対発生装置から出力することができる。
一方、このポンプ光から発生したシグナル光/アイドラー光についてみると、これらは左回り円偏波状態で発生し、複屈折媒質27へ入力される。入射状態を式で表わすと、
E(1,−i)
である。これが複屈折媒質27を透過すると、出力状態はシグナル光について
Eexp[inxksL](1,-iexp[iΔnksL])=Eexp[inxksL](1,-1)、
アイドラー光については、
Eexp[inxkiL](1,-iexp[iΔnkiL])=Eexp[inxkiL](1,-1)、
となる。なお上式では、前述のΔnksL=2πms+3π/2及びΔnkiL=2πmi+3π/2を代入した。この状態は、複屈折媒質28への右回りポンプ光入力と同じ、すなわち、偏波ビームスプリッタ座標系でみて、縦直線偏波である。つまり、右回りポンプ光から発生したシグナル光/アイドラー光は、縦直線偏波状態として、偏波ビームスプリッタ20の端子23へ入力される。
偏波ビームスプリッタ20の端子23へ入力された縦直線偏波光は、端子22から出力される。したがって、右回りポンプ光から発生したシグナル光/アイドラー光は偏波ビームスプリッタ20の端子21から出力されることになる。
上記をまとめると、右回り/左回り共に、ポンプ光は偏波ビームスプリッタ20の端子21へ、シグナル光/アイドラー光は端子22へ、それぞれ出力されることになる。
以上の透過特性を利用すると、従来例と同様にして偏波ビームスプリッタ20の端子22からエンタングル光子対を出力しつつ、ポンプ光は端子21へ出力することができる。すなわち、光フィルタを用いなくても、ポンプ光出力を抑えた量子エンタングル発生を実現することができる。
なお、上記説明では、パラメトリック相互作用を起こす光ファイバ内では、伝搬光の偏波状態はそのまま保持されるものとしたが、実際には、光ファイバの微小な複屈折性のため、そうではないことが多い。その場合には、必要に応じて、偏波制御器を挿入し、複屈折媒質27、28の入出力偏波状態が同じになるように調節すればよい。
最後に、上記動作を得るための3つの条件、すなわち、ΔnkpL=2πmp+π/2、ΔnksL=2πms+3π/2、及びΔnkiL=2πmi+3π/2、について述べる。伝搬定数kは、光周波数fと光速cによりk=2πf/cと表わされる。これを用いると、3条件はそれぞれ、
ΔnfpL/c=mp+1/4 (3a)
ΔnfsL/c=ms+3/4 (3b)
ΔnfiL/c=mi+3/4 (3c)
と書き直される。
ところで、上述したように、光パラメトリック相互作用では、fs+fi=2fp、という周波数関係が成り立っている。書き換えると、fs−fp=fp−fi、ということであり、Δf=fs−fp=fp−fiとおくと、fs=fp+Δf、fi=fp−Δf、ということである。これを、式(3b)(3c)に代入すると、
Δn(fp+Δf)L/c=ms+3/4 (4b)
Δn(fp−Δf)L/c=mi+3/4 (4c)
となる。式(4b)(4c)において、
ΔnΔfL/c=1/2 (5)
さらに、ms=mp、mi=mp−1、とすると、各式はそれぞれ
ΔnfpL/c=mp+1/4 (6b)
ΔnfpL/c=mp+1/4 (6c)
となる。式(3a)(6b)(6c)は同一である。すなわち、3条件はひとつの条件に帰着される。
式(3a)のΔnfpL/c=mp+1/4という条件は、ポンプ光周波数fpまたは複屈折媒質の長さLを適当に選べば、満たすことができる。また、3条件が同一となるためには、ΔnΔfL/c=1/2でなければならないが(式(5))、これはポンプ光とシグナル光/アイドラー光との周波数差Δfを適当に選ぶことにより満たすことができる。
本実施形態において、複屈折媒質27、28は、例えば、PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバ等、光ファイバ26と、光損失を低減して接続でき、複屈折を有している材料であればいずれの材料を用いても良い。例えば、複屈折媒質としてPANDAファイバと呼ばれる複屈折率ファイバを用いると、これの複屈折率差はΔn=10-4程度である。この場合、L=75cm、Δf=200GHz、であれば、式(5)が満たされる。この設定条件は、十分実現可能な値である。また、複屈折媒質としてPANDAファイバを用いる場合は、光コネクタを用いて、光ファイバ26と、複屈折媒質としてのPANDAファイバとを接続すれば良い。
本実施形態では、直線偏波であるポンプ光を偏波ビームスプリッタから出射し、再度偏波ビームスプリッタに入射する際に、ポンプ光のみについてその偏光方向(振動方向)を90度回転させ、かつ上記再度入射させるための光路である光ファイバ中でポンプ光により発生したシグナル光子およびアイドラー光子については、上記偏波ビームスプリッタから出射したポンプ光の偏光方向と同じ偏光方向で偏波ビームスプリッタに入射することが重要である。このように、2つの複屈折媒質から出射して偏波ビームスプリッタに入射するポンプ光の偏波状態を、2つの複屈折媒質への入射前と直交するようにしているので、光フィルタを設けなくても、シグナル光子およびアイドラー光子からなる光子対とポンプ光とを分離することができる。
このような分離を実現するために、偏波ビームスプリッタから出射された所定の偏波状態を有する(横直線偏波または縦直線偏波)ポンプ光が再度偏波ビームスプリッタに入射する光路において、該ポンプ光が、第1の複屈折媒質、光ファイバ、第2の複屈折媒質の順に通過することが重要となってくる。
なお、第1の複屈折媒質および第2の複屈折媒質は、それぞれの主軸(x軸、y軸)が、ポンプ光の縦直線偏波(縦偏波成分)および横直線偏波(横偏波成分)の振動方向(偏光方向)と45度の角度を成すように配置されている。すなわち、ポンプ光の縦直線偏波が、上記主軸に対して右斜め45度傾いた直線偏波および左斜め45度傾いた直線偏波のいずれか一方となり、かつポンプ光の横直線偏波が、上記主軸に対して右斜め45度傾いた直線偏波および左斜め45度傾いた直線偏波の他方となるように、第1の複屈折媒質および第2の複屈折媒質を配置するのである。
本実施形態では、ポンプ光が、第1の複屈折媒質を通過し、光ファイバを通過し、第2の複屈折媒質を通過して再度偏波ビームスプリッタに入射するようにしているので、ポンプ光は、まず第1の複屈折媒質にて第1の偏光方向である直線偏波から円偏波へと変換される。そして、円偏波となったポンプ光が光ファイバを通過することによって、光パラメトリック相互作用により、上記ポンプ光と同一の偏波状態であるシグナル光子およびアイドラー光子とが生成される。そして、円偏波であるポンプ光は第2の複屈折媒質に入射すると、第2の複屈折媒質にて円偏波から直線偏波に変換される。このとき、変換された直線偏波の偏光方向は上記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向となっている。よって、この第2の偏光方向を有する直線偏波であるポンプ光を偏波ビームスプリッタに再び入射すると、該ポンプ光は、エンタングル光子対発生装置の出力端として機能する端子からではなく、ポンプ光源が接続される端子から出射される。すなわち、本実施形態では、偏波ビームスプリッタにおいて、第1の複屈折媒質へと出射される際の光の偏波状態と、光ファイバを介し第2の複屈折媒質から入射される光の偏波状態とが直交する場合は、偏波ビームスプリッタは、該入射される光を、ポンプ光源が接続される端子(図2でいう端子21)に出射するので、第2の偏光方向であるポンプ光は、エンタングル光子対発生装置の出射端となる端子ではなく、ポンプ光源が接続される端子に出射される。
このように、本実施形態では、2つの複屈折媒質は、直線偏波の偏光方向を90度回転させる機能を果たす。
また、上記ポンプ光によって発生したシグナル光とアイドラー光とは、上記光ファイバを通過する際のポンプ光の偏波状態を引き継いでいる。従って、発生したシグナル光子とアイドラー光子とが第2の複屈折媒質に入射する場合、式(5)の関係が満たされていれば、該第2の複屈折媒質から出射されるシグナル光とアイドラー光とは共に、円偏波から、第1の偏光方向である直線偏波に変換される。本実施形態では、偏波ビームスプリッタにおいて、第1の複屈折媒質へと出射される際の光の偏波状態と、光ファイバを介し第2の複屈折媒質から入射される光の偏波状態とが同一である場合は、偏波ビームスプリッタは、該入射される光を、エンタングル光子対発生装置の出射端(図2でいう端子22)へと出射するので、上記第1の偏光方向であるシグナル光およびアイドラー光とは、エンタングル光子対発生装置の出射端から出射されるのである。
このように、本実施形態では、光パラメトリック相互作用によりポンプ光からシグナル光子とアイドラー光子とを発生させるための光ファイバ上に、2つの複屈折媒質を離間して配置し、偏波ビームスプリッタから出射したポンプ光が、一番目の複屈折媒質、光ファイバ、二番目の複屈折媒質の順で通過し再度偏波ビームスプリッタに入射するようにしているので、光フィルタを用いなくても、ポンプ光と、エンタングル光子対となるシグナル光子およびアイドラー光子とを分離することができる。
従来のエンタングル光子対発生装置の構成図である。 本発明の一実施形態に係るエンタングル光子対発生装置の構成図である。
符号の説明
20 偏波ビームスプリッタ
21、22、23、24 端子
25 ポンプ光源
26 光ファイバ
27、28 複屈折媒質

Claims (6)

  1. 第1、第2、第3、および第4の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタと、
    前記第1の入出力端子に光周波数fpのポンプ光を入力する手段と、
    前記ポンプ光の横偏波成分が出力される前記第2の入出力端子に接続された第1の複屈折媒質と、
    前記ポンプ光の縦偏波成分が出力される前記第3の入出力端子に接続された第2の複屈折媒質と、
    前記第1の複屈折媒質と前記第2の複屈折媒質とを接続し、光パラメトリック相互作用を起こす非線形媒質とを備え、
    前記光パラメトリック相互作用により、前記非線形媒質内を通過する前記ポンプ光から発生した、2fp=fs+fiを満たす、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とを、前記第4の入出力端子から出力し、前記2つの複屈折媒質および前記非線形媒質を通過したポンプ光を前記第1の入出力端子から出力することを特徴とするエンタングル光子対発生装置。
  2. 前記第1および第2の複屈折媒質はそれぞれ、該第1および第2の複屈折媒質の直交する2つの主軸のそれぞれに対して、前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分の振動方向が45度の角度をなすように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンタングル光子対発生装置。
  3. 前記2つの複屈折媒質および前記非線形媒質を通過したポンプ光の偏波状態を、前記2つの複屈折媒質への入力前の前記ポンプ光の偏波状態と直交するようにすることで、前記ポンプ光と、前記シグナル光子およびアイドラー光子とを分離することを特徴とする請求項1または2に記載のエンタングル光子対発生装置。
  4. 前記非線形媒質は、光ファイバであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンタングル光子対発生装置。
  5. 前記第1および第2の複屈折媒質は、PANDAファイバであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンタングル光子対発生装置。
  6. 第1、第2、第3、および第4の入出力端子を有する偏波ビームスプリッタの第1の入出力端子から光周波数fpのポンプ光を入力するポンプ光入力工程と、
    前記第2および第3の入出力端子のいずれか一方から、前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方を出力する偏波出力工程と、
    前記出力されたポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方について、直線偏波から円偏波に変換する第1の変換工程と、
    光パラメトリック相互作用により、前記円偏波となったポンプ光から、2fp=fs+fiを満たし、前記円偏波となったポンプ光と同一の偏波状態である、光周波数fsのシグナル光子と、光周波数fiのアイドラー光子とを発生させる発生工程と、
    前記円偏波となったポンプ光について、円偏波から、前記偏波出力工程にて出力された前記ポンプ光の横偏波成分および縦偏波成分のいずれか一方の第1の振動方向と直交する第2の振動方向を有する直線偏波に変換し、前記シグナル光子およびアイドラー光子について、前記円偏波から、前記第1の振動方向を有する直線偏波に変換する第2の変換工程と、
    前記第2の振動方向を有する直線偏波であるポンプ光および前記第1の振動方向を有する直線偏波であるシグナル光子およびアイドラー光子を、前記第2および第3の入出力端子の他方から前記偏波ビームスプリッタに入力する入力工程と、
    前記第2の振動方向を有する直線偏波であるポンプ光を前記第1の入出力端子から出力し、前記第1の振動方向を有する直線偏波であるシグナル光子およびアイドラー光子を前記第4の入出力端子から出力して、前記ポンプ光と、前記シグナル光子およびアイドラー光子とを分離する分離工程と
    を有することを特徴とするエンタングル光子対発生方法。
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