JP5434213B2 - イブプロフェン含有固形物及びその製造方法、ならびにイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤 - Google Patents

イブプロフェン含有固形物及びその製造方法、ならびにイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤 Download PDF

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本発明は、溶解性に優れるイブプロフェン含有固形物及びその製造方法、ならびにイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤に関するものである。
イブプロフェンは、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)に分類され、副作用の少ない解熱・鎮痛作用を有する難溶性薬物として知られている。これらの効果を速やかに発現させるために溶解促進に関する試みが従来から数多く検討されている。現行技術としては、担体と共にイブプロフェンを溶媒に溶解させた後に溶媒を留去する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、溶媒を多量に使用するため特殊な設備が必要となり、環境にも悪影響を与える。また、イブプロフェンとL−HPCを共粉砕した後造粒することで溶解促進を向上させる技術(特許文献1:特開2006−182726号公報)が提案されているが、特殊な微粉砕機を必要とするという欠点があった。このようなことから、溶解性に優れ、粉砕性がよく、かつ簡便に製造可能なイブプロフェン製剤に配合するイブプロフェン含有組成物が望まれていた。
特開2006−182726号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、溶解性に優れ、粉砕性がよく、かつ簡便に製造可能なイブプロフェン製剤に配合するイブプロフェン含有固形物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000を含むイブプロフェン含有固形物とすることで、溶解性・粉砕性が向上すると共に、簡便に製造可能であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記イブプロフェン含有固形物及びその製造方法、ならびにイブプロフェン含有製剤を提供する。
[1].イブプロフェン、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選ばれるショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)を含み、ショ糖脂肪酸エステル:イブプロフェンで表される質量比が、0.1:1〜0.8:1であり、ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比が、0.01:1〜0.4:1であり、(ショ糖脂肪酸エステルとポリエチレングリコール4000との合計量):イブプロフェンで表される質量比が、0.25:1〜1:1であり、上記イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000の熱溶融混合物であることを特徴とするイブプロフェン含有固形物。
[2].ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ステアリン酸エステルであることを特徴とする[1]記載のイブプロフェン含有固形物。
[3].ショ糖脂肪酸エステル中のモノエステルの割合が40質量%以上であることを特徴とする[1]又は[2]記載のイブプロフェン含有固形物。
[4].ショ糖脂肪酸エステル:イブプロフェンで表される質量比が、0.25:1〜0.8:1であり、ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比が、0.05:1〜0.4:1であり、(ショ糖脂肪酸エステルとポリエチレングリコール4000との合計量):イブプロフェンで表される質量比が、0.5:1〜1:1である[1]〜[3]のいずれかに記載のイブプロフェン含有固形物。
[5].熱溶融混合物の粉砕物である[1]〜[4]のいずれかに記載のイブプロフェン含有固形物。
[6].[1]〜[5]のいずれかに記載のイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤。
[7].イブプロフェン、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選ばれるショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000を加熱溶融して混合し、冷却することを特徴とする[1]記載のイブプロフェン含有固形物の製造方法。
本発明によれば、溶解性に優れ、粉砕性がよく、かつ簡便に製造可能なイブプロフェン製剤に配合するイブプロフェン含有固形物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のイブプロフェン含有固形物は、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)を含むものである。
[イブプロフェン]
非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)に分類され、副作用の少ない解熱・鎮痛作用を有する難溶性薬物であり、融点は75〜77℃である。イブプロフェンとしては市販品を用いることができ、例えば、イブプロフェン70G(アルベマール)、イブプロフェン20G(アルベマール)、イブプロフェン(BASF)、イブプロフェン38(BASF)、イブプロフェン50(BASF)等が挙げられる。
[ショ糖脂肪酸エステル]
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖の持つ8個の水酸基と、炭素数12〜20(例えば、ラウリン酸C12、ミリスチン酸C14、パルミチン酸C16、ステアリン酸C18、オレイン酸C18)の脂肪酸とがエステル結合したものが好ましく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。脂肪酸鎖長が短いと固体状でないため、溶融混合生成物が液状又は粘稠体となり取扱いに不便である。中でも、イブプロフェンとの相溶性の点から、脂肪酸が炭素数14〜20のものがより好ましく、炭素数16,18のものがさらに好ましく、脂肪酸がステアリン酸であるショ糖ステアリン酸エステルが特に好ましい。
また、ショ糖脂肪酸エステル中のモノエステルの割合は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、100質量%以下が好ましく、98質量%以下が好ましい。また、HLBは10〜19が好ましく、13〜18がより好ましい。なお、HLBはグリフィン法によって計算する。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、リョートーシュガーエステル(三菱化学フーズ(株))S−1670(ショ糖ステアリン酸エステル、融点49〜56℃、モノ75質量%、ジ・トリ25質量%、HLB16)、S−1570(ショ糖ステアリン酸エステル、融点49〜55℃、モノ70質量%、ジ・トリ30質量%、HLB15)、P−1670(ショ糖パルミチン酸エステル、融点40〜48℃、モノ80質量%、ジ・トリ20質量%、HLB16)、O−1570(ショ糖オレイン酸エステル、融点27〜43℃、モノ70質量%、ジ・トリ30質量%、HLB15)、M−1695(ショ糖ミリスチン酸エステル、融点27〜43℃、モノ80質量%、ジ・トリ20質量%、HLB16)等の市販品を用いることもできる。
[ポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)]
エチレンオキシド(酸化エチレン)と水との付加重合体でHOCH2(CH2OCH2nCH2OHで表される。本発明のポリエチレングリコールは、第15改正日本薬局方に収載されたポリエチレングリコール4000である。nは59〜84のもの又は/及びその混合物で固体のもので、融点53〜57℃である。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ポリエチレングリコール1540(融点43〜47℃)は、ワセリン様又はパラフィン様であるので生成物が粘稠体となり、ポリエチレングリコール6000(融点56〜61℃)は、イブプロフェンとの相溶性がよくない。
ポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)としては、マクロゴール4000(旭電化工業、三洋化成工業、日本油脂、丸石製薬)、PEG4000(第一工業製薬)等の市販品を用いることもできる。
イブプロフェン含有固形物全量に対するイブプロフェンの含有量は特に限定されないが、30〜80質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステル:イブプロフェンで表される質量比は、0.01:1〜2:1が好ましく、0.05:1〜1.5:1がより好ましく、0.1:1〜0.8:1がさらに好ましく、0.25:1〜0.6:1が特に好ましい。イブプロフェンに対してショ糖脂肪酸エステルの量が少なすぎると、溶解性向上効果が不十分になるおそれがある。一方、多すぎると、イブプロフェンの安定性が悪くなるおそれがあり、べたつきが生じて、粉砕性が悪くなるおそれがある。
また、ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比は、溶解性向上の点から、0.005:1〜1.5:1が好ましく、0.01:1〜0.6:1がより好ましく、0.05:1〜0.4:1がさらに好ましい。イブプロフェンに対してポリエチレングリコール4000の量が少なすぎると、溶解性向上効果が不十分になるおそれがある。一方、多すぎると、イブプロフェンの安定性が悪くなるおそれがあり、べたつきが生じて、粉砕性が悪くなるおそれがある。
3成分の量の組み合わせとしては、ショ糖脂肪酸エステル:ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比が、0.01〜2:0.005〜1.5:1が好ましく、0.1〜0.6:0.05〜0.6:1がより好ましい。
(ショ糖脂肪酸エステルとポリエチレングリコール4000との合計量):イブプロフェンで表される質量比は、0.015:1〜3.5:1が好ましく、0.25:1〜2:1がより好ましく、0.5:1〜1:1がより好ましい。ショ糖脂肪酸エステル:ポリエチレングリコール4000で表される質量比は、0.01:1〜50:1が好ましく、0.2:1〜25:1がより好ましく、0.8:1〜5:1が特に好ましい。
本発明のイブプロフェン含有固形物は、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)を含むものであり、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000の溶融混合物であること、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000が分散された複合体であることが好ましい。なお、溶融混合物は、例えばイブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000を加熱又は溶媒溶融して混合し得ることができる。
[製造方法]
イブプロフェン含有固形物の製造方法としては、各成分の均一分散性の点から、熱溶融混合、溶媒溶解混合等が好ましく、均一分散性と、溶媒を使用しないことによる製造性の点から、熱溶融混合がより好ましい。
熱溶融混合とは、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000を加熱溶融して混合し、冷却することにより、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000が分散された複合物を得る。加熱溶融の際の温度は各成分の融点以上の温度であり、80℃以上が好ましい。冷却は固形物が得られればよく、冷却速度等特に限定されず、室温(約25℃)にまで冷却すればよい。
溶媒溶解混合とは、メタノールやアセトニトリル等の溶媒に、イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール4000を溶解させ、混合した後、溶媒を留去する方法をいう。
[イブプロフェン製剤]
イブプロフェン含有固形物は、イブプロフェン製剤配合用として用いることができる。イブプロフェン含有固形物は、粉砕して、他の粉体と混合して顆粒剤、カプセル剤として使用することや、粉砕して、他の粉体・成分と混合して打錠して錠剤として使用することもできる。
イブプロフェン含有固形物の粉砕物の体積平均粒径は小さいほどよく、300μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。なお、平均粒径の測定方法は拡散散乱式粒度分布測定装置を用いて測定する。
イブプロフェン製剤中のイブプロフェン含有固形物の含有量は特に制限はなく、製剤におけるイブプロフェン配合量によって、10〜100質量%の範囲で適宜決定することができる。
本発明のイブプロフェン製剤には、顆粒剤、カプセル剤、錠剤に配合される成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。これらの成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、その適量を配合することができる。任意成分としては、下記のものが挙げられる。
有効成分としては、ナプロキセン、ケトプロフェン、アセトアミノフェン、インドメタシン、ブフェキサマック、アスピリン、ジクロフェナック、アルクロフェナック、フェンクロフェナック、エトドラック、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メフェナミック、メクロフェナミック、ピロキシカム等の非ステロイド抗炎症剤;ノスカピン、サルブタモール、プロカテロール、ツロプテロール、トラニラスト、ケトチフェン等の鎮咳剤;塩酸ブロムヘキシン、グアイフェネシン等の去痰剤、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、メキタジン、フマル酸クレマスチン等の抗ヒスタミン剤、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、葉酸(ビタミンM類)等のビタミン剤;ジメチコン、ファモチジン、ラニチジン、シメチジン、ニザチジン、メトクロプラミド、ファモチジン、オメプラゾール、スルピリド、トレピブトン、スクラルファート、制酸剤等の消化器系疾患治療剤;カフェイン、無水カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレイル尿素等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等を用いることができる。
賦形剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤;乳糖、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(アビセル等)、粉糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、L−システイン等を用いることができる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることができる。
香料としては、例えばメントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油など)等を用いることができる。甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等を用いることができる。酸味料としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
[実施例1]
ショ糖脂肪酸エステル(S−1670、三菱化学フーズ(株))10g、マクロゴール(マクロゴール4000)10gを100℃の湯浴中で溶融させ、これにイブプロフェン(20G、BASF)40gを添加しホモジナイザーで攪拌しながら溶融させた。全体が液状になり均一に混合した後、湯浴を外して攪拌しながら冷却し、白色固形物(溶融混合物)を得た。
[実施例2]
ショ糖脂肪酸エステル(S−1670、三菱化学フーズ(株))10g、マクロゴール(マクロゴール4000)10g、及びイブプロフェン(20G、BASF)40gを100℃の湯浴中で溶融させ、一気に混合し、実施例1と同様に白色固形物(溶融混合物)を得た。
参考例1
ショ糖脂肪酸エステル(S−1670、三菱化学フーズ(株))10g、マクロゴール(マクロゴール4000)10g及び、イブプロフェン(20G、BASF)40gにエタノール10mLを加え乳鉢で混練した。エタノールを留去し、乳白色固形物(溶融混合物)を得た。
参考例2
ショ糖脂肪酸エステル(S−1670、三菱化学フーズ(株))10g、マクロゴール(マクロゴール4000)10g、及びイブプロフェン(20G、BASF)40gを乳鉢で混練し、混合物を得た。
[実施例9、参考例3〜12、比較例1〜
組成を表2〜5中に変更する以外は実施例1の製造方法で固形物を得た(イブプロフェンのみ%を併記する)。なお、ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の種類と、モノエステルの割合(%)を下記に示す。
Figure 0005434213
得られた生成物について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。
(1)接触角測定
自動接触角測定装置OCA20を使用して測定した。結果を下記評価基準で示す。なお、未処理イブプロフェン(イブプロフェン原薬(20G、BASF))の接触角は約70度であり、接触角が10度以上下がった60度以下を親水性(水への溶解性)が向上したと評価した。
〈評価基準〉
◎:0〜30
○:31〜40
△:41〜60
×:61〜70
(2)溶出試験
サンプル10gを分析粉砕器(日本理化学器械(株)製:R−8)で、10秒間の粉砕を5回行うことで粉砕し、目開き100μmの篩で篩過させ粉末を得た。これを、日本薬局方溶出試験パドル法による試験を行い、試験開始後、3、5、10分後のイブプロフェン溶出率を求めた。試験液には、日本薬局方崩壊試験法第一液(pH1.2)を使用し、溶出液量は900mL、パドルの回転数は50rpmとした。各サンプルはイブプロフェンとして65mgとなるよう秤量し試験に供した。なお、未処理イブプロフェン(イブプロフェン原薬(20G、BASF))の10分後の溶出率は約10%であり、2倍の20%以上であれば溶解促進効果があると評価した。
(3)粉砕性
分析粉砕器(日本理化学器械(株)製:R−8)で10gを粉砕したときの粉砕性を評価した。結果を下記評価基準で示す。
〈評価基準〉
○:粉砕可能
△:付着は多いが粉砕可能
×:粉砕不可能
[実施例10
実施例1で得られた白色固形物を、上記溶出試験と同様の方法で粉砕、篩過した粉末450g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース120g、結晶セルロース400g、ステアリン酸マグネシウム4gを計量しビニール袋で混合した。これを、菊水製作所社製ロータリー打錠機12UKで内径8mmの杵を用いて打錠し、243.5mg/錠、硬度4kgfの錠剤を得た。
[比較例7]
実施例1で得られた白色固形物をイブプロフェン原薬(20G、BASF)300gに変更する以外は、実施例10と同様の方法で錠剤を得た。
実施例10及び比較例7の錠剤について、日本薬局方溶出試験パドル法による試験を行い、試験開始後、3、5、10分後のイブプロフェン溶出率を求めた。試験液には、日本薬局方崩壊試験法第一液(pH1.2)を使用し、溶出液量は900mL、パドルの回転数は50rpmとした。その結果、実施例10の10分後の溶出率は40%で、比較例7の溶出率は8%であった。
Figure 0005434213
Figure 0005434213
Figure 0005434213
Figure 0005434213

Claims (7)

  1. イブプロフェン、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選ばれるショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000(第15改正日本薬局方)を含み、ショ糖脂肪酸エステル:イブプロフェンで表される質量比が、0.1:1〜0.8:1であり、ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比が、0.01:1〜0.4:1であり、(ショ糖脂肪酸エステルとポリエチレングリコール4000との合計量):イブプロフェンで表される質量比が、0.25:1〜1:1であり、上記イブプロフェン、ショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000の熱溶融混合物であることを特徴とするイブプロフェン含有固形物。
  2. ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖ステアリン酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のイブプロフェン含有固形物。
  3. ショ糖脂肪酸エステル中のモノエステルの割合が40質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のイブプロフェン含有固形物。
  4. ショ糖脂肪酸エステル:イブプロフェンで表される質量比が、0.25:1〜0.8:1であり、ポリエチレングリコール4000:イブプロフェンで表される質量比が、0.05:1〜0.4:1であり、(ショ糖脂肪酸エステルとポリエチレングリコール4000との合計量):イブプロフェンで表される質量比が、0.5:1〜1:1である請求項1〜3のいずれか1項記載のイブプロフェン含有固形物。
  5. 熱溶融混合物の粉砕物である請求項1〜4のいずれか1項記載のイブプロフェン含有固形物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のイブプロフェン含有固形物を配合してなるイブプロフェン製剤。
  7. イブプロフェン、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミチン酸エステルから選ばれるショ糖脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール4000を加熱溶融して混合し、冷却することを特徴とする請求項1記載のイブプロフェン含有固形物の製造方法。
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