JP5433925B2 - マスクブランクおよび階調マスク - Google Patents
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Description
従来では、上層の膜のみをエッチングして、下層の膜をエッチングしないために、上層の膜のエッチング速度が下層の膜のエッチング速度に対して速くなるように、上層の膜および下層の膜のエッチング速度の比(エッチング選択比)を制御していた。必要なエッチング選択比は、下層の膜の膜厚および要求される光学特性の許容値に依存し、例えば数十倍程度の値が要求される場合がある。
しかしながら、上層の膜および下層の膜が同種の金属を含む場合などは、上層の膜のみをエッチングして、下層の膜を侵さないようなエッチャントを選択するのは困難である。また、大きなエッチング選択比を得るには、上層の膜および下層の膜に用いる材料が限定されてしまう。
本発明のマスクブランクは、2つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様ごとに詳しく説明する。
a.第1実施態様
本発明のマスクブランクの第1実施態様は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層された多層膜とを有し、上記多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であることを特徴とするものである。
例えば図1(a)に示すような下層の膜1および上層の膜2が積層された多層膜において、上層の膜2をエッチングすると、図1(b)に示すように局所的にエッチングが早く進む部分が存在し、下層の膜1の一部が露出する。このとき、下層の膜1が上層の膜2に対して電気化学的に卑である場合には、図1(c)に示すようにピンホール3が生じる。これは、捕捉面積の原理によって急激な腐食が起こり、いわゆる孔食が生じたためであると考えられる。
また、下層の膜のエッチング速度が上層の膜のエッチング速度より遅くても、下層の膜が上層の膜に対して電気化学的に卑である場合は、下層の膜のエッチングが加速されてしまうことがある。例えば、上層の膜のみをウェットエッチングした際に、エッチングにより露出した下層の膜の表面が荒れたり、上層の膜および下層の膜を一度にウェットエッチングした際に、エッチングにより露出した下層の膜の端部の形状が荒れたりする場合がある。これも、上記の場合と同様に、腐食が起こったためであると考えられる。なお上記腐食は、上層の膜厚が厚い場合に特に生じやすい。
酸化還元反応の起こりやすさは金属によって異なっており、標準電極電位として示される。標準電極電位は、その電位以上であれば還元反応が起こり、その電位以下であれば酸化反応が起こる。そのため、標準電極電位が低い金属ほど酸化されやすく(卑な金属)、標準電極電位が高い金属ほど酸化されにくい(貴な金属)。なお、本実施態様においては、標準水素電極を基準として測定した標準電極電位を比較して、高いほうを貴、低いほうを卑とする。
標準電極電位の異なる金属を接触させた場合、卑な金属は酸化反応が促進され、貴な金属は還元反応が促進される。このような腐食を異種金属接触腐食という。酸化反応では卑な金属が金属イオンとなり、腐食が促進される。すなわち、卑な金属は腐食されやすい。
p=po(1+Ac/Ao)
で表される。
図1(c)に示す例においては、上層の膜2と下層の膜1とが接触する面積がAc、下層の膜1の開口部の面積がAoとなる。捕捉面積の原理により、Ac/Aoに比例して急速に下層の膜の侵食が進むのである。
したがって、上層の膜および下層の膜に含有される金属の標準電極電位が「上層の膜<下層の膜」となる場合、すなわち、上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑である場合には、下層の膜の腐食を防ぐことができ、ウェットエッチングにより多層膜を容易にエッチングすることが可能となる。
これに対し、例えば上層の膜2が金属単体からなる膜であり、下層の膜1がその金属酸化物からなる膜である場合には、上層の膜の方が金属の含有量が多く、酸素の含有量が少ないので、酸化反応が促進される。この場合には、上層の膜で酸化反応が促進されるので、下層の膜へのダメージを防ぐことができる。
また、下層の膜および上層の膜が同種の金属を含む場合、酸化反応の起こりやすさは、金属の含有量の他に、金属の価数にも依存する。一般に、金属の価数が大きいほど、酸化されにくい。このため、例えば上層の膜の方が金属の価数が小さい場合には、上層の膜で酸化反応が促進されるので、下層の膜へのダメージを防ぐことができる。
このように、同種の金属を含む2層の膜において、上層の膜で酸化反応が促進され、下層の膜で還元反応が促進される場合も、本実施態様においては上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であるということとする。
以下、本実施態様のマスクブランクの構成について説明する。
本実施態様における多層膜は、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層されたものである。この多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑となっている。
中でも、3層以上の膜のうち、接触する2層の膜で上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑である場合、この2層の膜以外の膜においても、上側の膜が下側の膜に対して電気化学的に卑であることが好ましい。例えば図4において、膜18(上層の膜)が膜17(下層の膜)に対して電気化学的に卑である場合、膜16は、膜17に対して電気化学的に貴であり、膜18に対しても電気化学的に貴であることが好ましい。
本実施態様に用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
次に、本発明のマスクブランクの第2実施態様は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層された多層膜とを有し、上記多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が、別途上記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、上記エッチャントに浸した際に負極となる膜であることを特徴とするものである。
例えば標準電極電位が低くても表面に不動態皮膜といわれる強く緻密な酸化皮膜を形成し内部への酸化を防ぐ金属がある。このような金属はエッチャントに対して耐食性に優れる。
以下、本実施態様のマスクブランクの構成について説明する。なお、本実施態様に用いられる透明基板については、上述した第1実施態様で説明したものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
本実施態様における多層膜は、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層されたものである。この多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、接触する2層の膜では上層の膜が、別途上記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、上記エッチャントに浸した際に負極となる膜とされている。
また上記2層の膜を導線で結合し、上記エッチャントに浸した際に、上層の膜が負極となるような金属または金属化合物の組み合わせとしては、下層の膜/上層の膜とすると、例えばクロムを含む金属化合物(例えば酸化クロム)/クロム単体、3価のクロムを含む金属化合物/2価のクロムを含む金属化合物、クロム/ニッケル等が挙げられる。
本発明の階調マスクは、2つの実施態様がある。以下、それぞれについてわけて説明する。
a.第1実施態様
本実施態様の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、上記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であり、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有することを特徴とするものである。
図5は、本実施態様の階調マスクの一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、階調マスク20は、透明基板11上に金属または金属化合物からなる2層の膜(下層の膜12および上層の膜13)がパターン状に形成されたものである。下層の膜12および上層の膜13を構成する金属または金属化合物はウェットエッチング可能であり、下層の膜12および上層の膜13は同一のエッチャントを用いてウェットエッチング可能である。また、上層の膜13は下層の膜12に対して電気化学的に卑となっている。さらに、階調マスク20は、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に下層の膜12のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有し、3種の透過率の異なる領域を有している。
また、階調マスクを作製する過程において、例えば図3(b)〜(e)に示すように上層の膜および下層の膜をウェットエッチングする工程が行われる場合、本実施態様においては上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であるので、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の端部で急激な腐食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
また、階調マスクを作製する過程において、例えば図6(b)〜(e)に示すように上層の膜のみをウェットエッチングする工程が行われる場合、上記の場合と同様に、本実施態様においては上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であるので、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の表面で孔食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。さらに、下層の膜へのダメージを防ぐためには、上層の膜単独のエッチング速度poと下層の膜単独でのエッチング速度pcとの比po/pcを大きくすることが好ましい。
以下、本実施態様の階調マスクの各構成について説明する。
本実施態様の階調マスクは、透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜を有している。この少なくとも2層のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑である。
なお、湿式エッチングされうる金属または金属化合物、ならびに、上層の膜および下層の膜については、上記「A.マスクブランク」の第1実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
中でも、3層以上の膜のうち、接触する2層の膜で上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑である場合、この2層の膜以外の膜においても、上側の膜が下側の膜に対して電気化学的に卑であることが好ましい。
例えば図5に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に下層の膜12のみが設けられた領域32を有する場合には、上層の膜の透過率が下層の膜の透過率より低いことが好ましい。上層の膜の透過率を下層の膜の透過率より低くすることで、透明基板上に下層の膜のみが設けられた領域と、透明基板上に下層の膜および上層の膜が設けられた領域とで透過率を異なるものとすることができるからである。
また例えば図8に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に上層の膜13のみが設けられた領域32を有する場合には、下層の膜の透過率が上層の膜の透過率より低いことが好ましい。同様に、下層の膜の透過率を上層の膜の透過率より低くすることで、透明基板上に上層の膜のみが設けられた領域と、透明基板上に下層の膜および上層の膜が設けられた領域とで透過率を異なるものとすることができるからである。
また、下層の膜の透過率が上層の膜の透過率より低い場合、下層の膜が実質的に光を透過しない遮光膜であり、上層の膜が透過率調整機能を有する半透明膜であることが好ましい。同様に、例えば図8に示すように、透明基板11上に遮光膜(下層の膜)12および半透明膜(上層の膜)13が設けられた遮光領域31と、透明基板11上に半透明膜(上層の膜)13のみが設けられた半透明領域32と、透明基板11上に遮光膜(下層の膜)12および半透明膜(上層の膜)13のいずれも設けられていない透過領域33とで、透過率を異なるものとすることができるからである。
本実施態様の階調マスクは、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有している。例えば、階調マスクが上記の金属または金属化合物からなる膜を2層有し、上記の上層の膜および下層の膜を有する場合、上層の膜および下層の膜のいずれも有さない領域、上層の膜および下層の膜を有する領域、上層の膜または下層の膜のいずれか一方を有する領域、の3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクとすることができる。この場合、例えば図5に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に下層の膜12のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有するものであってもよい。また例えば図8に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に上層の膜13のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有するものであってもよい。
本実施態様の階調マスクが、半透明膜および遮光膜を有し、さらに透過率調整機能を有する膜を有する場合は、透過率の異なる領域を4種以上とすることができ、多階調の階調マスクとすることができる。
本実施態様の階調マスクは、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有し、透過率が3段階以上に段階的に変化するものである。階調マスクとしては、2階調のマスクに限定されるものではなく、階調マスクを構成する金属または金属化合物からなる膜の数を増やし、各膜の透過率を異なるものとすることにより、2階調以上の多階調の階調マスクとすることが可能である。
本実施態様の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、上記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が、別途上記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、上記エッチャントに浸した際に負極となる膜であり、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有することを特徴とするものである。
図5は、本実施態様の階調マスクの一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、階調マスク20は、透明基板11上に金属または金属化合物からなる2層の膜(下層の膜12および上層の膜13)がパターン状に形成されたものである。下層の膜12および上層の膜13を構成する金属または金属化合物はウェットエッチング可能であり、下層の膜12および上層の膜13は同一のエッチャントを用いてウェットエッチング可能である。また、例えば図18に示すように、下層の膜12および上層の膜13の単一層膜を別途作製して導線21で結合し、用いられるエッチャント20に浸した際に負極となる層が上層の膜13、正極となる層が下層の膜12とされる。さらに、階調マスク20は、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に下層の膜12のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有し、3種の透過率の異なる領域を有している。
いずれの場合においても、本実施態様においては上層の膜で酸化反応が促進され、下層の膜でエッチングを抑制する還元反応が促進されるものとされていることから、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の表面で孔食が起こったり、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の端部で急激な腐食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
また、階調マスクを作製する過程において、例えば図6(b)〜(e)に示すように上層の膜のみをウェットエッチングする工程が行われる場合には、下層の膜へのダメージを防ぐため、上層の膜単独のエッチング速度poと下層の膜単独でのエッチング速度pcとの比po/pcを大きくすることが好ましい。
上記いずれの工程を行なう場合においても、上記エッチングの際の上層の膜単独のエッチング速度poと下層の膜単独でのエッチング速度pcとの比po/pcを制御するために、それぞれ適切なエッチャントが選択される。
以下、本実施態様の階調マスクの各構成について説明する。
本実施態様の階調マスクは、透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜を有している。この少なくとも2層のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、接触する2層の膜では上層の膜が、上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ別途作製して導線で結合し、エッチャントに浸した際に負極となる膜である。
なお、湿式エッチングされうる金属または金属化合物、ならびに、上層の膜および下層の膜については、上記「A.マスクブランク」の第2実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様の階調マスクは、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有している。例えば、階調マスクが上記の金属または金属化合物からなる膜を2層有し、上記の上層の膜および下層の膜を有する場合、上層の膜および下層の膜のいずれも有さない領域、上層の膜および下層の膜を有する領域、上層の膜または下層の膜のいずれか一方を有する領域、の3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクとすることができる。この場合、例えば図5に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に下層の膜12のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有するものであってもよい。また例えば図8に示すように、階調マスク20が、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13が設けられた領域31と、透明基板11上に上層の膜13のみが設けられた領域32と、透明基板11上に下層の膜12および上層の膜13のいずれも設けられていない領域33とを有するものであってもよい。このような透過率の異なる領域については、第1実施態様で説明した領域と同様とすることができる。
本実施態様の階調マスクは、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有し、透過率が3段階以上に段階的に変化するものである。階調マスクとしては、2階調のマスクに限定されるものではなく、階調マスクを構成する金属または金属化合物からなる膜の数を増やし、各膜の透過率を異なるものとすることにより、2階調以上の多階調の階調マスクとすることが可能である。
次に、本発明の階調マスクの製造方法について説明する。本発明の階調マスクの製造方法は、2つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様ごとに詳しく説明する。
a.第1実施態様
本実施態様の階調マスクの製造方法は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、上記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であり、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクの製造方法であって、上記下層の膜および上記上層の膜の少なくともいずれか一方の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングするパターニング工程を有することを特徴とするものである。
また、階調マスクの製造方法において、例えば図3(b)〜(e)に示すように上層の膜および下層の膜をウェットエッチングする場合、本実施態様においては上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であるので、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の端部で腐食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
また、階調マスクの製造方法において、例えば図6(b)〜(e)に示すように上層の膜のみをウェットエッチングする場合、上記の場合と同様に、本実施態様においては上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であるので、ウェットエッチングによって露出した下層の膜の表面で孔食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
このエッチング速度の不均一性を回避するために、従来では、本来のエッチング時間よりも長い時間でエッチングする、いわゆるオーバーエッチングがなされていた。例えば、膜厚100nmの膜を平均エッチング速度100nm/minでウェットエッチングする場合には、1分間に加えて数十秒間長めにエッチングする。このため、オーバーエッチングでは、寸法変動、エッチャントの消費量の増大という不具合があった。
このように本実施態様においては、捕捉面積の原理により、一部露出された下層の膜の面積にほぼ比例して、残存する上層の膜のエッチング速度が加速されるため、エッチング時間を短縮することができる。これにより、より正確な寸法制御が可能となり、またエッチャントの使用量を節約することができる。
本実施態様の階調マスクの製造方法の第1態様は、透明基板上に上記下層の膜および上記上層の膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、上記下層の膜および上記上層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする第1パターニング工程と、上記第1パターニング工程にてパターニングされた上記上層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりさらにパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板11上に下層の膜12aおよび上層の膜13aがこの順に積層されたマスクブランク10を準備する(図3(a)、マスクブランク準備工程)。
なお、遮光膜および半透明膜については、上記「A.マスクブランク」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に下層の膜および上層の膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備する工程である。なお、透明基板、下層の膜および上層の膜については、上記「A.マスクブランク」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様における第1パターニング工程は、下層の膜および上層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする工程である。本工程においては、マスクブランクの上層の膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
なお、上層の膜のみをウェットエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
本態様における第2パターニング工程は、上記第1パターニング工程にてパターニングされた上層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりさらにパターニングする工程である。本工程においては、パターニングされた下層の膜および上層の膜の上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
なお、第2レジスト膜の材料については、上記第1パターニング工程の項に記載した第1レジスト膜の材料と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様においては、下層の膜および上層の膜のエッチング速度に差をつけることで、エッチング選択性を向上させることができる。これにより、階調をより鮮明にすることができる。例えば金属の種類によってエッチング速度が異なることを利用し、下層の膜および上層の膜に異種の金属を含む膜を用いて、下層の膜のエッチング速度を上層の膜のエッチング速度より遅くすることができる。
また、下層の膜および上層の膜に同種の金属を含む膜を用いて、下層の膜のエッチング速度を上層の膜のエッチング速度より遅くすることもできる。例えば、クロムを含む膜は組成によってエッチング速度が異なるので、下層の膜および上層の膜にクロムを含み、組成の異なる膜を用いて、エッチング速度に差をつけることができる。
本実施態様の階調マスクの製造方法の第2態様は、透明基板上に上記下層の膜および上記上層の膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、上記上層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする第1パターニング工程と、上記下層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板11上に下層の膜12aおよび上層の膜13aがこの順に積層されたマスクブランク10を準備する(図6(a)、マスクブランク準備工程)。
なお、遮光膜および半透明膜については、上記「A.マスクブランク」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に下層の膜および上層の膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備する工程である。なお、透明基板、下層の膜および上層の膜については、上記「A.マスクブランク」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様における第1パターニング工程は、上層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする工程である。本工程においては、マスクブランクの上層の膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
本態様における第2パターニング工程は、下層の膜のみを、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする工程である。本工程においては、下層の膜およびパターニングされた上層の膜の上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
本実施態様の階調マスクの製造方法の第3態様は、透明基板上に上記下層の膜が成膜されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、上記下層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする第1パターニング工程と、上記第1パターニング工程にてパターニングされた上記下層の膜が形成された透明基板の全面に上記上層の膜を成膜する上層の膜成膜工程と、上記下層の膜および上記上層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板11上に下層の膜12aを成膜したマスクブランク30を準備する(図11(a)、マスクブランク準備工程)。
なお、遮光膜および半透明膜については、上記「A.マスクブランク」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に上記下層の膜が成膜されたマスクブランクを準備する工程である。
透明基板上に下層の膜としてクロム膜が形成されたマスクブランクは、一般的に使用されているマスクブランクであり、容易に入手可能である。
本態様における第1パターニング工程は、下層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする工程である。本工程においては、マスクブランクの下層の膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
なお、下層の膜および上層の膜の同じ箇所を一括してエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
本態様における上層の膜成膜工程は、上記第1パターニング工程にてパターニングされた下層の膜が形成された透明基板の全面に上層の膜を成膜する工程である。なお、上層の膜の成膜方法については、上記「A.マスクブランク」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本態様における第2パターニング工程は、下層の膜および上層の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングする工程である。本工程においては、下層の膜および上層の膜が形成された透明基板上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
本実施態様の階調マスクの製造方法は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、上記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、上記接触する2層の膜では上層の膜が、別途上記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、上記エッチャントに浸した際に負極となる膜であり、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクの製造方法であって、上記下層の膜および上記上層の膜の少なくともいずれか一方の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングするパターニング工程を有することを特徴とするものである。
また、階調マスクの製造方法において、例えば図3(b)〜(e)に示すように上層の膜および下層の膜をウェットエッチングする場合、本実施態様においては上層の膜で酸化反応が促進され、下層の膜でエッチングを抑制する還元反応が促進されるものとすることができる。したがってウェットエッチングによって露出した下層の膜の端部で腐食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
また、階調マスクの製造方法において、例えば図6(b)〜(e)に示すように上層の膜のみをウェットエッチングする場合、上記の場合と同様に、本実施態様においては上層の膜で酸化反応が促進され、下層の膜でエッチングを抑制する還元反応が促進されることからウェットエッチングによって露出した下層の膜の表面で孔食が起こるのを防ぐことができ、下層の膜へのダメージを防ぐことが可能である。
[比較例1]
下層の膜を遮光膜、上層の膜を半透明膜として、図11のフローに従い、階調マスクを作製した。透明基板には6インチの石英ガラスを用い、遮光膜にはHOYA製AR6を用いた。
まず、図11の(a)〜(e)に従い、下層の膜を加工した。続いて、図11(f)に示すように、加工された下層の膜上に、上層の膜としてg線に対して透過率が25%となるように、Cr金属ターゲットをAr:CO2:N2=4:5:1のガス比でスパッタした。次いで、上層の膜上にレジストを塗布した後、レーザービームを露光し、現像して、レジストパターンを形成した(図11(g)〜(h))。次に、エッチャントとして硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液を用いて、上層の膜および下層の膜をエッチングした(図11(i))。続いて、レジストを剥離した(図11(j))。
なお、図12において、電極電位測定装置51は、参照電極52と対極53とを有しており、試料54の電極電位を測定するものである。この試料には、1cm×15cmの短冊状に切断したものを用いた。また、下記の実験条件で測定を行った。
<実験条件>
・作用極:各種試料
・対極:Pt plate
・参照電極:飽和カロメル電極(SCE)
・セル温度:70℃
・電解質:1M H2SO4aq
・雰囲気:N2
・走査速度:1mV/sec
比較例1と同様にして、図11(a)〜(e)に従って、下層の膜(AR6)を加工した。次いで、図11(f)に示すように、加工された下層の膜上に、上層の膜としてCr金属ターゲットをAr:CO2=8:2のガス比でスパッタした。次に、比較例1と同様にして、図11(g)〜(j)に従って、階調マスクを作製した。
得られた階調マスクについて、比較例1と同様にして、走査型電子顕微鏡でパターンを観察し、電極電位を測定した。
石英ガラス基板上の遮光膜(HOYA製AR6、表面電位:0.58V)を硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液でエッチングして、膜が完全に溶ける時間を測定した。次に、石英ガラス基板上に、i線に対して透過率が30%となるように、Cr金属ターゲットをAr:CO2:N2=4:5:1のガス比でスパッタして、半透明膜を成膜した。上記遮光膜と同様のエッチング条件で、この半透明膜(表面電位:0.60V)が完全に溶ける時間を測定した。膜が完全に溶ける時間は、遮光膜(AR6)が50秒、半透明膜が16秒であった。これにより、半透明膜のみがエッチングされる時間を見積もった。
下層の膜を半透明膜、上層の膜を遮光膜として、図6のフローに従い、階調マスクを作製した。
石英ガラス基板上に、厚み100nmの上記半透明膜を成膜し、エッチャント濃度を変化させて、半透明膜が溶解する時間を測定した。同様に、石英ガラス基板上に、厚み100nmの上記遮光膜を成膜し、エッチャント濃度を変化させて、遮光膜が溶解する時間を測定した。
図16に、エッチャント濃度に対する下層の膜および上層の膜のエッチング速度をプロットした結果を示す。下層の膜のエッチング速度はエッチャント濃度に対してほとんど変化しなかったが、上層の膜のエッチング速度はエッチャント濃度に比例して増加した。また、エッチャント濃度が100%のとき、上層の膜のエッチング速度/下層の膜のエッチング速度の比が最大となり、エッチャント濃度が20%のとき、上層の膜のエッチング速度/下層の膜のエッチング速度の比が最小となった。このため、上層の膜のみの加工では、下層の膜のダメージを最小にすべく濃度100%の溶液を選択した。また、下層の膜のみの加工では、上層の膜のダメージを最小にすべく濃度20%の溶液を選択した。
例えば図20に示すように、透明基板11上に多層膜の下層の膜となる半透明膜12aを形成した。半透明膜12aの形成方法としては、g線に対して透過率が25%となるように、Cr金属ターゲットをAr:CO2:N2=4:5:1のガス比でスパッタした(図20(a))。次いで、この半透明膜12a上にレジスト23aを塗布した後(図20(b))、レーザービームを用いてレジスト23aを露光し、現像して、第1レジストパターン23bを形成した(図20(c))。次に、エッチャントとして硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液を用いて、半透明膜12aをエッチングして最終的に透明領域(図中、33で表される領域)のパターン(透明基板11が露出したパターン)を形成した(図20(d))。続いて、レジスト23bを剥離した(図20(e))。この透明領域33のパターンを形成した半透明膜12b上に、多層膜の上層の膜として遮光膜13aを形成した(図20(f))。遮光膜13aの形成方法としては、Cr金属ターゲットをAr:CO2=8:2のガス比でスパッタしてg線に対する透過率が0.1%となる層を堆積させた。
ここで、上記工程において、遮光膜13aと半透明膜12bとを同時にエッチングしたが、半透明領域32とする領域では下層の半透明膜12bが侵されることなくエッチングが停止した。下層の膜12b単独では同一のエッチャントに対して溶解するにも関わらず2層構成にした場合、下層の膜12bがエッチングされないことが確認された。
11 … 透明基板
12 … 下層の膜
13 … 上層の膜
15 … 多層膜
20 … 階調マスク
Claims (9)
- 透明基板と、前記透明基板上に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層された多層膜とを有し、前記多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではないことを特徴とするマスクブランク。
- 透明基板と、前記透明基板上に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる膜が少なくとも2層積層された多層膜とを有し、前記多層膜内で接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が、別途前記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、前記エッチャントに浸した際に負極となる膜であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではないことを特徴とするマスクブランク。
- 前記上層の膜の透過率が前記下層の膜の透過率より低く、前記上層の膜が遮光膜であり、前記下層の膜が透過率調整機能を有する半透明膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスクブランク。
- 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、前記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではなく、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有することを特徴とする階調マスク。
- 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、前記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が、別途前記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、前記エッチャントに浸した際に負極となる膜であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではなく、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有することを特徴とする階調マスク。
- 前記透明基板上に前記下層の膜および前記上層の膜が設けられた領域と、前記透明基板上に前記下層の膜のみが設けられた領域と、前記透明基板上に前記下層の膜および前記上層の膜のいずれも設けられていない領域とを有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の階調マスク。
- 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、前記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が下層の膜に対して電気化学的に卑であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではなく、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクの製造方法であって、
前記下層の膜および前記上層の膜の少なくともいずれか一方の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングするパターニング工程を有することを特徴とする階調マスクの製造方法。 - 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成され、湿式エッチングされうる金属または金属化合物からなる少なくとも2層の膜とを有し、前記少なくとも2層の膜のうち接触する2層の膜は同一のエッチャントを用いて湿式エッチングされうるものであり、前記接触する2層の膜では上層の膜が、別途前記上層の膜の単一層膜および下層の膜の単一層膜をそれぞれ作製して導線で結合し、前記エッチャントに浸した際に負極となる膜であり、さらに上層の膜および下層の膜に用いられる材料が、クロム単体およびクロムを含む金属化合物ではなく、少なくとも3種の透過率の異なる領域を有する階調マスクの製造方法であって、
前記下層の膜および前記上層の膜の少なくともいずれか一方の膜を、レジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングするパターニング工程を有することを特徴とする階調マスクの製造方法。 - 前記パターニング工程にて、前記上層の膜のみをレジストを用いて湿式エッチングすることによりパターニングすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の階調マスクの製造方法。
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