JP5433360B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気接点部に電気的に接離可能な可動接触子を備えたガス絶縁開閉装置に関する。
断路器・接地開閉器を操作する絶縁ロッドは、電極をエポキシ樹脂で注形して製作する。例えば3相形の断路器・接地開閉器を操作するためには、ロッド状やブレード状の断路器可動接触子を動かすための部材を、絶縁ロッドの電極に機械的に係合する。
このような接点の接続、遮断等を行う開閉装置は、例えば特許文献1に開示されているように、断路器可動側の導体にシャフトを保持するものが知られている。また、特許文献2に開示されているように、相間と対地の絶縁ロッドを一体化するものも知られている。
特開2007−188775号公報 特表2002−510954号公報
ところが、特許文献1に開示された例は、絶縁物や駆動軸が分割されているため部品点数が多く、構造が複雑である。このため、組立て精度等の信頼性を確保することが難しい。また、部品点数が多いため、部品コストが増大し、組立時間が長くなり、組立てコスト等が増大する。
また、特許文献2に開示された例は、一体構造の絶縁ロッドに可動接触子を駆動するためのレバーが機械的に固定されている。このためレバーを分割した構造になり、可動接触子を駆動する部品構造が複雑になる。さらに、導体内部でボルトを締結する必要があるため、組立て作業の効率が悪化する等の問題がある。また、一体構造の絶縁ロッドは一般的に注形物であり、高い寸法精度を得ることはできない。このため、可動接触子を正しい位置に調整することが難しく、組立て時間が増大する。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高品質で且つ製作コスト等を低減可能なガス絶縁開閉装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係るガス絶縁開閉装置は、絶縁ガスが封入されたタンクと、前記タンク内に配置されて、絶縁材により形成されるとともに、その軸方向の略両端部にそれぞれ配置された第1軸受および第2軸受により直接支持される回転自在の絶縁ロッドと、通電される3相電流に対応して前記タンク内に設けるとともに、前記絶縁ロッドの端部に対応する2つには前記第1軸受および前記第2軸受を収納した第1、第2および第3の可動側導体と、前記タンク内の予め決められた位置に配置されて、導電体により形成された少なくとも1つの電気接点部と、前記タンク内に設けられ、前記可動側導体と常時電気的に接続されるとともに、その軸方向に移動することにより前記電気接点部と電気的に接離可能に配置されて、少なくとも一部が導電体により形成され前記第1、第2および第3の可動側導体に対応した3本の可動接触子と、前記絶縁ロッドおよび可動接触子を互いに機械的に係合し、前記絶縁ロッドが回転するときの回転力で前記可動接触子が移動するように力を伝達する力伝達手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、高品質で且つ製作コスト等を低減可能なガス絶縁開閉装置を提供することが可能になる。
本発明に係るガス絶縁開閉装置の第1の実施形態の一部断面の概略正面図である。 図1のII-II矢視横断面図であって、第2可動ロッドが断路器固定側導体に接続された状態を示す。 本発明に係るガス絶縁開閉装置の第2の実施形態の一部断面の概略正面図である。 図3の絶縁ロッドのギア係合部および第2ピニオンギアのIV-IV矢視横断面図である。 本発明に係るガス絶縁開閉装置の第3の実施形態の一部断面の概略正面図である。 図6のVI-VI矢視横断面図である。 図6のVII部の拡大横断面図である。
以下、本発明に係るガス絶縁開閉装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係る第1の実施形態について、図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態のガス絶縁開閉装置の一部断面の概略正面図である。図2は、図1のII-II矢視横断面図であって、第2可動ロッド52が断路器固定側導体70に電気的に接続されている状態を示している。
先ず、本実施形態のガス絶縁開閉装置の構成について説明する。
本実施形態のガス絶縁開閉装置は、断路器の機能として3相電流それぞれの通電を入切可能にするとともに、接地開閉器として接地された電気接点に接続可能な機能の双方を備えている。
このガス絶縁開閉装置は、例えばSF等の絶縁ガス2が封入されたタンク1と、このタンク1内に配置された絶縁ロッド20と、このタンク1内に配置された複数の電気接点部と、これらの電気接点部と接離可能な3つ(3相分)の可動接触子と、を有する。
絶縁ロッド20は、水平に延びたロッド状で、例えばエポキシ樹脂等の絶縁材により一体形成された部材である。この絶縁ロッド20は、長手方向両側それぞれに配置された第1軸受61および第2軸受62それぞれに直接支持されて、回転自在である。これらの第1軸受61および第2軸受62それぞれは、後述の第1可動側導体11および第3可動側導体13にそれぞれ固定されている。
絶縁ロッド20付近には、それぞれの一部が鉛直に延びるように形成された3つの可動側導体、すなわち、第1可動側導体11、第2可動側導体12、および第3可動側導体13がそれぞれ配置されている。これらの第1〜第3可動側導体11〜13それぞれは、3相電流それぞれを通電可能である。
第1〜第3可動側導体11〜13には、それぞれ第1電気接点部(図示せず)、第2電気接点部12a、および第3電気接点部(図示せず)が設けられている。図2には、第2可動側導体12に設けられた第2電気接点部12aを示している。第2電気接点部12aは、後述する第2可動ロッド52に常時電気的に接続された状態に保持されている。
図1の例では、第1〜第3可動側導体11〜13それぞれの内部に形成された空間内に、1本の絶縁ロッド20が水平に貫通するように構成されている。第1〜第3可動側導体11〜13それぞれは、絶縁ロッド20の長手方向に沿って、図1の右方から、第1可動側導体11、第2可動側導体12、第3可動側導体13の順に互いに間隔をあけて配列される。上述の通り、第1可動側導体11および第3可動側導体13それぞれには、絶縁ロッド20が貫通する空間内に第1軸受61および第2軸受62がそれぞれ固定されて、これらが絶縁ロッド20を直接支持している。
絶縁ロッド20は、第1軸受61および第2軸受62で直接支持されることによって軸方向および半径方向の動きは制限されている。よって、絶縁ロッド20は、第1および第3可動側導体11、13それぞれの内部の電気的性能に、影響を与えないように電気的に絶縁された状態が保たれている。 絶縁ロッド20には、各可動側導体11、12、13に対応して、例えば鉄等の金属製の3つのピニオンギア、すなわち、第1ピニオンギア31、第2ピニオンギア32、および第3ピニオンギア33が固定されて、絶縁ロッド20と一体に回転可能に固定されている。
絶縁ロッド20の周面の一部は、長手方向に平坦な部分が形成されている。図2に示すように、絶縁ロッド20の一部の横断面は、円形の一部が欠けて平らな部分が形成されている。当該横断面形状と同じ形状の穴が、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれの中央に形成されている。この平らな部分によって、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれが、絶縁ロッド20に係合し絶縁ロッド20と共に回転できるように形成されている。
なお、ガス絶縁開閉装置を組み立てるときは、予め配置された第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれに絶縁ロッド20が貫通するように組み付ける。
第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれは、絶縁ロッド20に、組立て上必要な程度の微少隙間が形成された状態で、嵌め込まれている。また、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれは、第1〜第3可動側導体11〜13それぞれに対応するように配置されて、後述する第1〜第3ラック41〜43それぞれに係合する。
絶縁ロッド20の一方の端部は、タンク1の外に配置された絶縁ロッド駆動装置(図示せず)に連結されている。絶縁ロッド駆動装置から水平に延びる駆動力伝達軸22は、タンク1を貫通するように形成されている。また、駆動力伝達軸22が貫通する部位には、回転シール部23が設けられている。この回転シール部23によってタンク1内の絶縁ガス2が漏れないように気密シールされている。
この駆動力伝達軸22および絶縁ロッド20は、連結部材21によって同一軸上に互いに連結されている。
絶縁ロッド20付近には、3つの可動接触子が配置されている。本実施形態の可動接触子は、導電体からなる略円柱状で、タンク1内を直線的に平行移動可能に形成された可動ロッドである。図1の例では、各可動側導体11、12、13にそれぞれに対応するように3つの可動ロッド、すなわち、第1可動ロッド51、第2可動ロッド52、および第3可動ロッド53を有している。
これらの第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれは、絶縁ロッド20の軸方向に垂直に且つ水平に延びて、各可動ロッドそれぞれが互いに平行に配置されて、それぞれは可動ロッドの軸方向に直線的に移動可能である。
第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの周面の一部には、軸方向に沿って平坦部が形成され、この平坦部に第1ラック41、第2ラック42、および第3ラック43がそれぞれ形成されている。これらの第1〜第3ラック41〜43それぞれは、絶縁ロッド20に固定された上述の第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれに機械的に係合する。
本実施形態では、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの本体は、第1〜第3ラック41〜43それぞれよりも電気抵抗の小さい導電体で形成されている。例えば第1〜第3ラック41〜43にはステンレス鋼等を用いて、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの本体にはアルミニウム等で形成すればよい。
上述したように、これら第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの本体は、第1〜第3可動側導体11〜13に、第1〜第3電気接点部11a〜13a(12aのみ図示)を介して電気的に接続されている。
絶縁ロッド20は、絶縁ロッド駆動装置から駆動力伝達軸22を介して駆動力が伝達されると、所定の方向に回転する。絶縁ロッド20の回転力は、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれが第1〜第3ラック41〜43と係合することによって、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれに伝達される。このように回転力が伝達されると、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれは、軸方向に直線的に移動する。
タンク1内部の、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの一方の端部の軸方向の延長線上には、断路器固定側導体70が配置されている。同様に、タンク1内部の、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの他方の端部の軸方向の延長線上には、接地開閉器固定側導体80が配置されている。
断路器固定側導体70には、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれと機械的に接離可能で接しているときに通電可能な3つの断路器側接点部、すなわち、第1断路器側接点部(図示せず)、第2断路器側接点部72、および第3断路器側接点部(図示せず)が設けられている。
接地開閉器固定側導体80には、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれと機械的に接離可能で接するときに接地部(図示せず)に電気的に接続される3つの接地開閉器側接点部、すなわち、第1接地開閉器側接点部(図示せず)、第2接地開閉器側接点部82、および第3接地開閉器側接点部(図示せず)が設けられている。
例えば第2可動ロッド52が、第2ラック42および第2ピニオンギア32の係合によって直線的に平行移動するときに、断路器固定側導体70と電気的に接続される状態、および接地開閉器固定側導体80と電気的に接続される状態のうちいずれかが選択される。なお、必要に応じて、前記いずれの固定側導体70、80にも接続されずに、第2可動ロッド52が第2可動側導体内12に留まっている状態も可能となっている。
図2に示すように、第2可動ロッド52が断路器固定側導体70の方にあるときは、第2可動ロッド52は断路器固定側導体70に第2断路器側接点部72を介して電気的に接続される。これにより、第2電気接点部12aおよび第2断路器側接点部72が互いに電気的に接続される。このときの第2可動ロッド52は接地開閉器固定側導体80から離れた状態にある。
一方、第2可動ロッド52が接地開閉器固定側導体80の方にあるときは、第2可動ロッド52は接地開閉器固定側導体80に第2接地開閉器側接点部82を介して電気的に接続されて、断路器固定側導体70から離れた状態にある。
第1可動ロッド51および第3可動ロッド53それぞれについても、第2可動ロッド52と同様である。
ここで、本実施形態の作用について説明する。
先ず、タンク1外部に配置した絶縁ロッド駆動装置よって、回転シール部23に保持された駆動力伝達軸22を回転させる。このとき絶縁ロッド20は、連結部材21を介して駆動力伝達軸22と共に回転する。この回転動作は、絶縁ロッド20に機械的に固定された第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれによって、第1〜第3ラック41〜43等を介して第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれが同時に直線的に平行移動する動作に変換される。
これにより、第1〜第3可動側導体11〜13それぞれは、断路器および接地開閉器のうち、どちらか一方に第1〜第3可動ロッド51〜53ぞれぞれを介して電気的に接続される。なお、各可動ロッドは、可動側導体内に留まり、断路器もしくは接地開閉器のいずれにも接続されない中立の状態を保つこともできる。
以上の説明からわかるように本実施形態によれば、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれに1本の共通の絶縁ロッド20を挿入する構造であるため、第1〜第3可動側導体11〜13それぞれの内部でのボルト等による締結作業、すなわち可動側導体に取付ける部品はほとんどが不要になる。また、1本の共通の絶縁ロッド20が、第1および第3可動側導体13に固定された第1および第2軸受61、62によって直接支持されているため、第2可動側導体12には絶縁ロッド20を支持するための軸受等の部材が不要となる。
また、3つのピニオンギア31〜33が一体に設けられた絶縁ロッド20は、1つの連結部材21のみを介して駆動力伝達軸22と接続されるので、この伝達軸22からの回転力が3つのピニオンギアに確実に伝達される。さらに、絶縁ロッド20の回転力を第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれに伝達する部材を単純なラック形状にすることが可能になる。
これにより、第1〜第3可動側導体11〜13、絶縁ロッド20、第1〜第3ピニオンギア31〜33、連結部材21等の形状を単純な構造とし、且つこれらを接続するための部品の点数を大幅に削減することができる。
部品点数の削減等によって、組立作業時間の短縮も可能となる。さらに、部品品質のばらつきによる不具合発生の確率等も減少する。よって、ガス絶縁開閉装置の品質向上に大きく寄与する。
また、部品製作用図面の枚数削減、部品コスト低減、部品管理費削減、組立作業段取り工数の低減、組立作業時間短縮等が可能になるため、設計、調達、管理、組立に至るまでトータルでのコスト低減に寄与する。
したがって、高品質で且つ製作コスト等を低減可能なガス絶縁開閉装置を得ることができる。
[第2の実施形態]
本発明に係るガス絶縁開閉装置の第2の実施形態について、図3および図4を用いて説明する。図3は、本実施形態のガス絶縁開閉装置の一部断面の概略正面図である。図4は、図3の絶縁ロッド20のギア係合部90および第2ピニオンギア32のIV-IV矢視横断面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態では、絶縁ロッド20における第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれが嵌め込まれたギア係合部90の横断面が、図4に示すように、正6角形に形成されている。また、絶縁ロッド20のギア係合部90が嵌め込まれる第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれの中央に形成された穴部は、ギア係合部90の形状と係合するように正6角形に形成される。
これら3箇所のギア係合部90以外の相間部分91は、横断面がギア係合部90の横断面の面積よりも小さい円形になるように形成されている。ここで、相間部分91は、図3における第1ピニオンギア31よりも右方端部、第1および第2可動側導体11、12の間、第2および第3可動側導体12、13の間、および第3ピニオンギア33の左方端部、の部分である。
第1の実施形態の絶縁ロッド20は、上述したようにギア係合部90および相間部分91の横断面形状は同じで、図2に示すように、横断面が円形の一部が欠けて平らな部分が形成された形状になっている。当該平らな部分によって、第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれが絶縁ロッド20に対して周方向に滑らずに、絶縁ロッド20と共に回転可能となるように係合されている。
これに対して、本実施形態では、ギア係合部90の横断面が6角形になっているため、各辺で互いに係合する。よって、第1の実施形態に比べて、各ピニオンギアに回転力を伝達する係合部分の周方向長さが大きくなり、絶縁ロッド20の回転力をより効率よく第1〜第3可動ロッド51〜53に伝達することができる。
また、ギア係合部90の横断面を6角形にすることで、ギア係合部90の隙間をより小さくすることが可能になり、絶縁ロッド20と第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれとが互いに接触している部分の力を、第1の実施形態に比べて分散することが可能となる。これにより、絶縁ロッド20のギア係合部90に作用する応力等を小さくすることができ、絶縁ロッド20の寸法をより小さくすることが可能となる。よって、ギア係合部90に関連する部品、例えば図示は省略するが第1〜第3ピニオンギア31〜33を軸方向から押える部材等を小さくできるため、コスト低減も可能になる。
また、相間部分91の絶縁ロッド20の周面の表面状態が、例えば汚れた状態であった場合には、絶縁性能を低下させることがある。このため、絶縁物の表面は、平滑で且つ汚れのない状態に保つことが好ましい。このため、絶縁ロッド20の相間部分91と第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれとが互いに接触しないように組み立てる必要がある。本実施形態によれば、絶縁ロッド20の相間部分91の横断面の面積を、ギア係合部90よりも小さくすることができる。よって、第1〜第3ピニオンギア31〜33に絶縁ロッド20を挿入するときに、絶縁ロッド20の相間部分91と第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれとが互いに接触しないように組み立てることが、第1の実施形態に比べて容易になる。したがって、組立て効率が第1の実施形態に比べて向上する。
[第3の実施形態]
本発明に係るガス絶縁開閉装置の第3の実施形態について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、本実施形態のガス絶縁開閉装置の第3の実施形態の一部断面の概略正面図である。図6は、図5のVI-VI矢視横断面図である。図7は、図6のVII部の拡大横断面図である。
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態では、第2可動側導体12において絶縁ロッド20が貫通する部分に押え部65が形成されている。
この押え部65は、絶縁ロッド20を挟んで第2ラック42と対向する位置に配置されて、絶縁ロッド20を半径方向外側から絶縁ロッド20の周面の一部を覆うように形成されている。押え部65は、押え部65と絶縁ロッド20の周面との間に所定の半径方向間隙66を保つように配置されている。また、この押え部65は、絶縁ロッド20を第1〜第3可動側導体11〜13等に組み付けるときの絶縁ロッド20の動きを阻害しないように形成されている。
絶縁ロッド20の回転中には、図6および図7に示すように、回転力Rが作用している。第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれは、上述の通り複数の電気接点部等と接触しながら直線的に平行移動する。すなわち、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれの移動時には、通常、電気接点等との間に発生する接触抵抗等による負荷が作用している。回転力Rは、当該負荷を超える力である必要がある。また、当該回転力Rにより第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれを回転させときに、絶縁ロッド20にはピニオンギア等の駆動部品の反力によって曲げ力Fが作用する。
このとき、絶縁ロッド20には、回転力Rおよび曲げ力Fにより、曲げ応力および捩れ応力が作用する。これらの応力によって、絶縁ロッド20は、第1軸受61および第2軸受62それぞれで直接支持されている部位の間で、図6の曲げ力Fが作用する方向に撓む。
半径方向間隙66は、第1〜第3可動ロッド51〜53それぞれに通常の負荷が作用している場合には、互いに接触しないように形成されている。
第1〜第3可動ロッド51〜53のうち少なくとも1つに過剰な負荷が作用した場合、この負荷に応じて曲げ力Fは大きくなり、絶縁ロッド20の撓み量も大きくなろうとする。このとき、本実施形態によれば、当該押え部65によって撓み量の増大を抑制することができる。これにより、回転力Rに対する絶縁ロッド20の機械的強度も増大する。
過剰な負荷に対して絶縁ロッド20の破損を抑制するためには、通常は、絶縁ロッド20の機械的強度を大きくするために径を大きくする。これに対して本実施形態では、絶縁ロッド20の径を大きくすることなく、機械的強度を増大させることが可能となる。
また、押え部65を設けない場合、すなわち、第1の実施形態に比べて、絶縁ロッド20の径を小さくすることも可能になる。これにより、第1〜第3可動側導体11〜13に形成された絶縁ロッド20を挿入するための空間を小さくすることができ、絶縁ロッド20および第1〜第3ピニオンギア31〜33それぞれとの係合部に発生する電界を低く抑えることもできる。
また、第1〜第3可動側導体11〜13の寸法を小さくすることもできるため、ガス絶縁開閉装置を縮小化することも可能になる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施形態では、可動接触子は円柱状の可動ロッドが直線的に平行移動するものであるが、これに限らない。例えば、絶縁ロッド20の回転と共に回動可能なレバーを3つ設けて、これらのレバーを絶縁ロッド20周りに回動させて、断路器固定側導体70および接地開閉器固定側導体80のうち一方に選択的に電気的に接続してもよい。
また、第2の実施形態で、絶縁ロッド20のギア係合部90の横断面形状を正6角形としているが、これに限らず、多角形であればよい。
また、上記実施形態の絶縁ロッド20は、水平に延びたロッド状であるが、これに限らない。いかなる向きに配置することも可能である。また、第1〜第3可動側導体11〜13および第1〜第3可動ロッド51〜53についても、重力方向により定まるものでなく、これらを配置する場所等に応じて自由に決めることが可能である。また、第1〜第3可動側導体11〜13および第1〜第3可動ロッド51〜53は、互いに平行に配置されているが、これに限らず、いかなる向きに配置してもよい。
1…タンク、2…絶縁ガス、11…第1可動側導体、12…第2可動側導体、12a…第2電気接点部、13…第3可動側導体、20…絶縁ロッド、21…連結部材、22…駆動力伝達軸、23…回転シール部、31…第1ピニオンギア、32…第2ピニオンギア、33…第3ピニオンギア、41…第1ラック、42…第2ラック、43…第3ラック、51…第1可動ロッド、52…第2可動ロッド、53…第3可動ロッド、61…第1軸受、62…第2軸受、65…押え部、66…半径方向間隙、70…断路器固定側導体、72…第2断路器側接点部、80…接地開閉器固定側導体、82…第2接地開閉器側接点部、90…ギア係合部、91…相間部分

Claims (6)

  1. 絶縁ガスが封入されたタンクと、
    前記タンク内に配置されて、絶縁材により形成されるとともに、その軸方向の略両端部にそれぞれ配置された第1軸受および第2軸受により直接支持される回転自在の絶縁ロッドと、
    通電される3相電流に対応して前記タンク内に設けるとともに、前記絶縁ロッドの端部に対応する2つには前記第1軸受および前記第2軸受を収納した第1、第2および第3の可動側導体と、
    前記タンク内の予め決められた位置に配置されて、導電体により形成された少なくとも1つの電気接点部と、
    前記タンク内に設けられ、前記可動側導体と常時電気的に接続されるとともに、その軸方向に移動することにより前記電気接点部と電気的に接離可能に配置されて、少なくとも一部が導電体により形成され前記第1、第2および第3の可動側導体に対応した3本の可動接触子と、
    前記絶縁ロッドおよび可動接触子を互いに機械的に係合し、前記絶縁ロッドが回転するときの回転力で前記可動接触子が移動するように力を伝達する力伝達手段と、
    を有することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 前記可動接触子は、前記絶縁ロッドの軸方向に垂直に配置された少なくとも1つの可動ロッドであって、
    前記可動ロッドには、その周面部の一部に軸方向に沿ってラックが形成される一方、
    前記絶縁ロッドには、前記絶縁ロッドと一体に回転可能に構成された少なくとも1つのピニオンギアが取り付けられて、
    前記可動ロッドに形成されたラックとこれに機械的に係合する前記絶縁ロッドに取り付けられたピニオンギアで前記力伝達手段を構成したこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
  3. 前記電気接点部は、前記可動ロッドの両端部それぞれの軸方向の延長線上に2組配置されるとともに、
    前記可動ロッドは、この2組の電気接点部の間を移動可能で、2組の前記電気接点部のうち一方に選択的に接離可能に構成し、前記可動側導体と2組の前記電気接点部いずれか一方とを電気的に接続すること、
    を特徴とする請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
  4. 前記可動ロッドは、3相交流に対応するように、前記絶縁ロッドの軸方向に3つ配置されて、
    前記絶縁ロッドには、前記3つの可動ロッドそれぞれに形成された前記ラックそれぞれに対応するように、前記ピニオンギアが3つ設置されていること、
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載のガス絶縁開閉装置。
  5. 前記複数の可動側導体は、前記可動ロッドに対応して3つ設けられ、このうち2つが前記第1軸受および前記第2軸受を収納した可動側導体であって、残りの軸を収納しない可動側導体には前記絶縁ロッドの撓みを抑制するように、前記絶縁ロッドの周面から所定の間隙を保ちながら前記周面の一部を半径方向外側から覆うように押え部を設けたこと、
    を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉装置。
  6. 前記絶縁ロッドの一部の横断面が多角形であること、を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載のガス絶縁開閉装置。
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