JP5432620B2 - 抗菌剤含有液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用品、化粧品、香粧品等に添加されて用いられる抗菌剤含有液の製造方法に関する。
フェノール系抗菌剤であるクロロフェノール系抗菌剤やパラベン類やイソプロピルメチルフェノールは優れた抗菌剤として知られている。これらのフェノール系抗菌剤は、常温固体で水難溶解性の物質が多く、そのため一般的な利用形態は、界面活性剤を含有する洗浄剤に配合して用いる場合、或いは、油性成分や有機溶媒に溶解させて用いる場合がほとんどである。
また、特許文献1には、抗菌活性を有するデスフルオロピリドンカルボン酸系化合物またはその塩をpH10以上の水溶液に溶解させ、シクロデキストリン類、マグネシウム塩の存在下、酸を加えてpH6〜8の中性付近に調製することにより、当該化合物の溶解性を高め、薬理効果を得るために十分な濃度の水溶液剤を製造する方法が示されている。
特開2003−226643号公報
本発明の課題は、低濃度のフェノール系抗菌剤でも優れた抗菌性を発現する水系の抗菌剤含有液を製造することである。
本発明の抗菌剤含有液の製造方法は、フェノール系抗菌剤を溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合するものである。
本発明の別の抗菌剤含有液の製造方法は、各々、液出し部を有する第1及び第2室を備えた容器を用い、該容器における第1室にフェノール系抗菌剤を含有するpH9以上のアルカリ性水溶液及び第2室にpH6以下の酸をそれぞれ入れ、該容器の第1室の液出し部からアルカリ性水溶液及び第2室の液出し部から酸をそれぞれ同時に流出させて該容器外でそれらを混合し、動的光散乱法により測定される平均粒子径が50〜5000nmであるフェノール系抗菌剤の微粒子を含む抗菌剤含有液を製造するものである。
本発明によれば、フェノール系抗菌剤を溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合することにより、従来は抗菌性を発現しなかったような低濃度のフェノール系抗菌剤でも優れた抗菌性を発揮する水系の抗菌剤含有液を製造することができる。
混合器の断面図である。 容器の斜視図である。 抗菌剤含有液の製造方法の説明図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る抗菌剤含有液の製造方法は、フェノール系抗菌剤を溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合するものである。
常温固体で水難溶解性のフェノール系抗菌剤(例えば、クロロフェノール系抗菌剤、パラベン類、イソプロピルメチルフェノール等)は、洗浄剤に配合された場合、界面活性剤の存在により抗菌・殺菌性が低下することが多い。そのため、十分な抗菌・殺菌性を発揮させるためには、洗浄剤中への配合量を多くせざるを得ない。その一方、家庭用品、化粧品、香粧品等においては、安全性の面からフェノール系抗菌剤の配合量が規制されている場合が多い。また、フェノール系抗菌剤は、油性成分や有機溶媒に溶解させた場合、使用可能な適用範囲が制限される。
しかしながら、本実施形態に係る抗菌剤含有液の製造方法によれば、フェノール系抗菌剤を溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合することにより、従来は抗菌性を発現しなかったような低濃度のフェノール系抗菌剤でも優れた抗菌性を発揮する水系の抗菌剤含有液を製造することができる。
ここで、フェノール系抗菌剤としては、クロロフェノール系抗菌剤、パラベン類、及びイソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。フェノール系抗菌剤は、単一種の化合物で構成されていてもよく、また、複数種の化合物で構成されていてもよい。アルカリ性水溶液におけるフェノール系抗菌剤の濃度は、10〜5000mg/Lであることが好ましく、20〜3000mg/Lであることがより好ましい。
また、フェノール系抗菌剤は、常温固体で且つ水難溶解性のものが好ましい。なお、本出願において、常温固体とは、単体の融点が35℃以上であることをいう。水難溶解性とは、20℃の水への溶解度が3000mg/L以下であることをいう。
具体的なフェノール系抗菌剤としては、クロロフェノール系抗菌剤では、例えば、トリクロサン(5-chloro-2-[2,4-dichlorophenoxyl]phenol)、クロルチモール、カルバクロル、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、クロロキシレノール、クロロクレゾール等が挙げられる。これらのうちトリクロサンが特に好ましい。パラベン類では、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。これらのうちパラオキシ安息香酸プロピルが特に好ましい。その他のフェノール系抗菌剤では、0−フェニルフェノール、4‐イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸3ナトリウム等といったアルカリ剤の水溶液であって、さらに上記フェノール系抗菌剤を溶解させたものである。アルカリ性水溶液に含まれるアルカリ剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
アルカリ性水溶液は、pHが9以上であり、10以上であることが好ましい。一方、アルカリ性水溶液は、pHが14以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましい。
アルカリ性水溶液には、製造される抗菌剤含有液の保存安定性を高める観点から、ポリビニルピロリドンが含まれていてもよい。ポリビニルピロリドンの含有量は、フェノール系抗菌剤の含有量に対する質量比で0.1〜0.5であることが好ましい。
また、アルカリ性水溶液には、その他にフェノール系抗菌剤の抗菌性に大きな影響を及ぼさない程度に界面活性剤や有機溶剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルメチルタウリン塩等のアニオン性のものが挙げられる。有機溶剤としては、例えば、水混和性のエタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。但し、これらの界面活性剤や有機溶剤は実質的に含まれていないことが好ましい。
アルカリ性水溶液に混合する酸は、酸水溶液等の液体であってもよく、また、水溶性固体であってもよい。
酸は、無機酸であってもよく、また、有機酸であってもよい。具体的には、無機酸としては、塩酸(希塩酸)、硫酸(希硫酸)、リン酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、酢酸、クエン酸等が挙げられる。酸は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
酸は、pHが6以下であり、pHは1〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
酸には、アルカリ性水溶液と同様に、製造される抗菌剤含有液の保存安定性を高める観点から、ポリビニルピロリドンが含まれていてもよい。ポリビニルピロリドンの含有量は、フェノール系抗菌剤の含有量に対する質量比で0.1〜0.5であることが好ましい。
酸は、酸性の緩衝液であってもよい。かかる酸性の緩衝液としては、例えば、Bis−Tris(Bis(2-hydroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methane)水溶液、HEPES(2-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl]ethanesulfonic acid)水溶液、リン酸二水素ナトリウム水溶液、クエン酸・リン酸水素二ナトリウム水溶液等が挙げられる。
酸には、アルカリ性水溶液の場合と同様、フェノール系抗菌剤の抗菌性に大きな影響を及ぼさない程度に界面活性剤や有機溶剤が含まれていてもよい。
アルカリ性水溶液と酸との混合方法は、バッチ混合方式であってもよく、また、連続方式であってもよい。
バッチ混合方式としては、混合槽にアルカリ性水溶液及び酸のうち一方を仕込んでおき、そして、他方を徐々に添加すると共にプロペラ翼、アンカー翼、ホモミキサーなどの攪拌翼等を用いて混合する方法が挙げられる。このとき、アルカリ性水溶液に酸を添加してもよく、また、酸にアルカリ性水溶液を添加してもよい。
連続混合方式としては、アルカリ性水溶液及び酸を合流させたものを混合器に流通させて混合する方法が挙げられる。連続混合方式で用いる混合器としては、例えば、静止型混合器、ラインミキサー、マイクロミキサー等が挙げられる。
また、連続混合方式としては、アルカリ性水溶液及び酸のそれぞれを別々に混合器に流入させ、混合器内部においてそれらを流通させながら混合する方法も挙げられる。具体的には、例えば、図1に示すように、T字管状の混合器10の直管部分11の一方側からアルカリ性水溶液及び他方側から酸をそれぞれ流入させて中央で衝突接触させ、それらを総流量1〜100ml/minで分岐管部分12(例えば、細孔部分の流路径0.1〜0.5mm、及び流路長さ0.3〜3mm)に流通させる方法である。
さらに、連続混合方式としては、図2に示すような、内部隔壁23によって第1及び第2室21,22に区画され、それらのそれぞれがノズル(液出し部)21a,22aを有する容器20を用いる方法も挙げられる。具体的には、この容器20における第1室21にフェノール系抗菌剤を含有するpH9以上のアルカリ性水溶液及び第2室22にpH6以下の酸をそれぞれ入れ、図3に示すように、容器20を圧縮等して第1室21のノズル21aからアルカリ性水溶液A及び第2室22のノズル22aから酸Bをそれぞれ同時に流出させ、容器20外でそれらを衝突させて混合する方法である。
ここで、アルカリ性水溶液と酸との混合割合は、混合体積比でアルカリ性水溶液/酸=1/400〜100/1とすることが好ましい。
製造された抗菌剤含有液は、抗菌剤濃度が、当該アルカリ性水溶液と酸との混合水溶液におけるフェノール系抗菌剤の溶解度未満であってもよく、また、それ以上であってもよい。抗菌剤含有液は、抗菌剤濃度がフェノール系抗菌剤の溶解度未満の場合、フェノール系抗菌剤が水を主成分とする水系溶媒に溶解した抗菌剤溶液となり、抗菌剤濃度がフェノール系抗菌剤の溶解度以上の場合、フェノール系抗菌剤の微粒子が析出し、フェノール系抗菌剤が水を主成分とする水系分散媒に分散した抗菌剤分散液となる。後者の抗菌剤分散液の場合、フェノール系抗菌剤の微粒子の平均粒子径は50〜5000nmであることが好ましい。このフェノール系抗菌剤の微粒子の平均粒子径は動的光散乱法により測定されるものである。
製造された抗菌剤含有液は、有効な抗菌性の発現と使用時の取り扱いの観点から、pHが4〜9であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。
製造された抗菌剤含有液は、有効な抗菌性の発現と析出粒子の凝集抑制とのバランスの観点から、各フェノール系抗菌剤の種類に応じて適当な濃度を有することが好ましい。例えば、フェノール系抗菌剤がトリクロサンの場合、抗菌剤含有液における濃度が8〜200mg/Lであることが好ましく、10〜150mg/Lであることがより好ましい。従来の知見からすれば、このようなフェノール系抗菌剤の濃度は抗菌性を発現させるのには十分とは言えないものであるが、本実施形態に係る抗菌剤含有液の製造方法によれば、フェノール系抗菌剤を溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合することにより、従来は抗菌性を発現しなかったような低濃度のフェノール系抗菌剤でも優れた抗菌性を発揮する水系の抗菌剤含有液を製造することができる。
製造された抗菌剤含有液には、フェノール系抗菌剤の抗菌性に大きな影響を及ぼさない程度に防腐剤、粘調剤、各種高分子などが添加されてもよい。そして、製造された抗菌剤含有液は、家庭用品、化粧品、香粧品等に添加されて用いられる。
[試験評価1]
(抗菌剤含有液)
<実施例1>
図1に示すのと同様の構成のT字状の混合器(SUS316製で管内流路径が0.15mmのマイクロミキサー)を用い、室温下(20℃)、直管部分の一方側からトリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.02mol/L、pH:12)及び他方側から酸として酸性の緩衝液であるHEPES水溶液(HEPES濃度:0.1mol/L、pH5.1)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/1で且つ総流量が6ml/minとなるようにそれぞれシリンジポンプで送液して流入させた。そして、分岐管部分から回収された抗菌剤含有液を実施例1とした。
実施例1の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例2>
トリクロサン濃度が50mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例2とした。
実施例2の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が25mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例3>
トリクロサン濃度が24mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例3とした。
実施例3の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が12mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例4>
トリクロサン濃度が20mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例4とした。
実施例4の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が10mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例5>
トリクロサン濃度が800mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.06mol/L、pH:13)を用いると共に、酸として酸性の緩衝液であるリン酸二水素ナトリウム水溶液(リン酸二水素ナトリウム濃度:0.1mol/L、pH4.4)を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を水で4倍体積に希釈した抗菌剤含有液を実施例5とした。
実施例5の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例6>
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/Lのクエン酸水溶液(pH:2.1)に、トリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaHCO濃度:0.04mol/L、NaCO濃度0.06mol/L、pH:10.3)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/クエン酸水溶液=1/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例6とした。
実施例6の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが5.9であった。
<実施例7>
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/LのHEPES水溶液(pH5.2)に、トリクロサン濃度が10000mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:1mol/L、pH:13.6)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/99となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例7とした。
実施例7の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.7であった。
<実施例8>
試験管を用い、室温下(20℃)、トリクロサン濃度が100mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaHCO濃度:0.02mol/L、NaCO濃度0.03mol/L、pH:10.3)に、濃度が1mol/Lの硫酸(pH:0.5)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/硫酸=49/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例8とした。
実施例8の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが6.7であった。
<実施例9>
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/Lのクエン酸水溶液(pH:2.1)に、トリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、リン酸3ナトリウム濃度:0.1mol/L、pH:12.6)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/クエン酸水溶液=1/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例9とした。
実施例9の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.0であった。
<実施例10>
図2に示すのと同様の構成の容器を用い、その第1室にトリクロサン濃度が800mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.02mol/L、pH:12)及び第2室に濃度が0.1mol/LのHEPES水溶液(pH:5.1)をそれぞれ入れ、容器の第1室のノズルからアルカリ性水溶液及び第2室のノズルからHEPES水溶液をそれぞれ同時に流出させて容器外で、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/1となるようにそれらを衝突させて混合し、得られた抗菌剤含有液を実施例10とした。
実施例10の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が400mg/L、及びpHが7.0であった。
<比較例1>
試験管を用い、室温下(20℃)、トリクロサン濃度が40g/Lのエタノール溶液に、HEPES濃度が0.05mol/L及びNaOH濃度が0.01mol/Lの水性溶液を、混合体積比がエタノール溶液/水性溶液=1/399となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を比較例1とした。
比較例1の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.0であった。
<比較例2>
トリクロサンのエタノール溶液の代わりにトリクロサン濃度が40g/Lのプロピレングリコール溶液を用いたことを除いて比較例1と同様にして得た抗菌剤含有液を比較例2とした。
比較例2の抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が100mg/L、及びpHが7.0であった。
(試験評価方法)
<抗菌性試験>
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・アガー(Soybean Casein Digest Agar(SCDA))平板(和光純薬工業社製)上において30℃で一夜培養した大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を一白金耳掻き取り、それを滅菌生理食塩水に懸濁させて接種菌液とした。
実施例1〜10及び比較例1〜2のそれぞれの抗菌剤含有液1mlに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。そして、接触後プレート法により生菌数を計測し、菌数の減少数の対数値(Log減少数)が2以上であれば抗菌性あり:○、2未満であれば抗菌性なし:×と評価した。
<粒子の有無・粒子径測定>
実施例1〜10及び比較例1〜2のそれぞれの抗菌剤含有液について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製 型番:ELSZ-2)を用い、動的光散乱法により粒子の析出の有無及び平均粒子径を測定した。
(試験評価結果)
表1〜3は試験結果を示す。
Figure 0005432620
Figure 0005432620
Figure 0005432620
表1〜3によれば、比較例1〜2では抗菌性が認められないが、実施例1〜10では、トリクロサンが比較例1及び2と比較して大幅に低い濃度でも顕著な抗菌性が認められることが分かる。この理由は定かではないが、pHを変化させて得られた実施例1〜10のトリクロサンの抗菌剤含有液は、トリクロサンの存在状態が比較例1〜2に比べて特異であることが関連しているのではないかと推測される。
トリクロサンの濃度が100mL/Lである実施例1及び5〜9、25mL/Lである実施例2、並びに400mL/Lである実施例10は抗菌剤分散液であるのに対し、トリクロサンの濃度が12mL/Lである実施例3及び10mL/Lである実施例4は抗菌剤溶液であった。実施例1の平均粒子径は200nm、実施例2の平均粒子径は150nm、実施例5の平均粒子径は1100nm、実施例6の平均粒子径は400nm、実施例7の平均粒子径は320nm、実施例8の平均粒子径は350nm、実施例9の平均粒子径は400nm、及び実施例10の平均粒子径は500nmであった。また、エタノール溶液である比較例1は抗菌剤分散液であるのに対し、プロピレングリコール溶液である比較例2は抗菌剤溶液であった。比較例1の平均粒子径は200nmであった。
[試験評価2]
(抗菌剤含有液)
<実施例11>
100mLメスフラスコに、濃度が1mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(キシダ化学社製)6mL、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)80mg、及びポリビニルピロリドン(ISP:PVP−K30,重量平均分子量:60000)28mgを入れ、そこにさらに水を加えて100mLとし、そのトリクロサン及びポリビニルピロリドンを溶解させたアルカリ性水溶液を調整した。アルカリ性水溶液のpHは13であった。このアルカリ性水溶液における水酸化ナトリウム、トリクロサン、及びポリビニルピロリドンの濃度は、それぞれ60mmol/L、800mg/L、及び100mg/Lであり、ポリビニルピロリドン/トリクロサンの質量比は0.35である。リン酸二水素ナトリウム(和光純薬工業社製)を濃度が100mmol/Lとなるように水に溶解させた酸性水溶液を調整した。酸性水溶液のpHは4.4であった。アルカリ性水溶液及び酸性水溶液をそれぞれ20℃に調温した。
図1に示すのと同様の構成のT字状の混合器(分岐管部分が孔径0.15mm及び孔長さ1.0mmの円筒孔であるマイクロミキサー)を用い、室温下(20℃)、直管部分の一方側からアルカリ性水溶液及び他方側から酸性水溶液を、混合体積比がアルカリ性水溶液/酸性水溶液=1/1で且つ総流量が6ml/minとなるようにそれぞれシリンジポンプで送液して流入させた。そして、分岐管部分から回収された抗菌剤含有液を実施例11とした。この実施例11の抗菌剤含有液のトリクロサン濃度は400mg/Lであった。
(試験評価方法)
実施例11について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製 型番:ELSZ-2)を用い、動的光散乱法により平均粒子径を測定し、また、外観評価(調製直後及び調整から室温1日保存後)を行った。
(試験評価結果)
表4は試験結果を示す。
Figure 0005432620
表4によれば、実施例11の平均粒子径は51nmであった。また、実施例11の外観評価は、調整直後が透明であり、1日保存後も変化は無く、状態変化が見られなかった。
[試験評価3]
(製造例 抗菌剤含有液(トリクロサン分散液)の調製)
(1)A液〜C液の調製
A液:トリクロサン濃度が400mg/Lのアルカリ性水溶液
100mLメスフラスコに、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)40mgをとり、そこに濃度が0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学社製)20mLを加えて溶解させた後、さらにイオン交換水を加えて100mLとして調整したトリクロサン濃度が400mg/Lのアルカリ性水溶液をA液とした。A液のpHは12であった。
B液:HEPES水溶液
100mlメスフラスコに、HEPES(和光純薬工業社製)2.383gをとり、そこにイオン交換水を加えて溶解させて100mLとして調整したHEPES水溶液をB液とした。B液のpHは5.1であった。
C液:HEPES濃度が0.05mol/LのHEPES緩衝液
100mLメスフラスコに、HEPES2.383gをとり、そこにイオン交換水を加えて溶解させて100mLとした。また、別の100mLメスフラスコに、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を20mLとり、そこにイオン交換水を加えて希釈して100mLとした。そして、両者をビーカー内で混合して調整したHEPES濃度が0.05mol/LのHEPES緩衝液をC液とした。C液のpHは7であった。
(2)抗菌剤含有液調製装置
3本の30mLプラスチックシリンジをそれぞれA液用、B液用、及びC液用とし、それぞれの先端に孔径0.22μmのメンブレンフィルターを装着し、マイクロシリンジポンプ(kd Scientific社製)に取り付けた。また、それぞれのシリンジ出口(フィルター出口)には、長さ20cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続した。そして、A液用のチューブ及びB液用のチューブを、内径0.15mmのT字継手(ジーエルサイエンス)の対向する一対の接続部に、A液とB液とが正面衝突するように接続した。T字継手の残る1つの接続部には長さ10cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続し、このチューブ及びC液用のチューブを、内径1.3mmのT字継手(スウェジロック)の対向する一対の接続部に、2液が正面衝突するように接続した。T字継手の残る1つの接続部には長さ10cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続し、その先端をサンプリング口とした。
(3)抗菌剤含有液の調製
配管部分を事前にオートクレーブ内で滅菌した後、シリンジに各液を充填してトリクロサン分散液である抗菌剤含有液の調製を開始した。
マイクロシリンジポンプにより、A液及びB液のそれぞれを3ml/min、並びにC液を42ml/minの流量で送液した。そして、送液開始から1分後、サンプリング口よりトリクロサン分散液である抗菌剤含有液を適量サンプリングした。このときサンプリングした抗菌剤含有液は、トリクロサン濃度が25mg/L、HEPES濃度が0.05mol/L、及びpHが7であった。
サンプリングした抗菌剤含有液について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製 型番:ELSZ-2)を用い、動的光散乱法により平均粒子径を測定したところ、調製から1分後で200nm(抗菌剤含有液1)、2時間静置後には粒子径が大きくなって2300nm(抗菌剤含有液2)、及び6時間静置後にはさらに粒子径が大きくなって2711 nm(抗菌剤含有液3)であった。
(抗菌活性評価)
<試験例1>
大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を用いて抗菌活性を評価した。
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・アガー(Soybean Casein Digest Agar(SCDA))平板(和光純薬工業社製)上において30℃で一夜培養した大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を一白金耳掻き取り、それを滅菌生理食塩水に懸濁させて接種菌液とした。
トリクロサン濃度が25mg/L、50mg/L、100mg/L、及び400mg/Lとなるようにそれぞれ濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を、抗菌剤含有液2及び100%プロピレングリコールにトリクロサンを溶解させた後、C液で希釈して調整した溶解状態のトリクロサン溶液(以下、「比較品」という。)のそれぞれについても行った。
接触後の菌数のLog減少量から抗菌活性を比較した。具体的には、接触後の試験液をレシチン・ポリソルベート(Lecithin Polysorbate)を用いて希釈することで不活性化し、それをソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート・アガー(Soybean Casein Digest-Lecithin Polysorbate Agar)に塗布し、30℃で一晩培養して得られたコロニー数を測定することにより試験時の生残菌数を算出した。また、接種菌液を希釈してSCDAに塗布し、30℃で一晩培養して得られたコロニー数を測定することにより初発菌数を算出した。この初発菌数に対する生残菌数の減少菌数の常用対数を菌数のLog減少量とした。表5は試験結果を示す。
Figure 0005432620
これによれば、抗菌剤含有液1は、トリクロサン濃度25mg/L、50mg/L、及び100mg/Lにおいて、比較品より顕著な抗菌活性がみられるのが分かる。
また、抗菌剤含有液2は、トリクロサン濃度25mg/Lにおいて、比較品より高い抗菌活性がみられ、また、トリクロサン濃度50mg/L、及び100mg/Lにおいて比較品より顕著な抗菌活性がみられるのが分かる。
<試験例2>
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を用いて抗菌活性を評価した。
菌体を黄色ブドウ球菌として試験例1と同様にして接種菌液を調整した。トリクロサン濃度が25mg/L、200mg/L、及び400mg/Lとなるようにそれぞれ濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を、抗菌剤含有液2及び比較品のそれぞれについても行った。そして、接触後の菌数のLog減少量から抗菌活性を比較した。表6は試験結果を示す。
Figure 0005432620
これによれば、抗菌剤含有液1は、トリクロサン濃度25mg/L及び400mg/Lにおいて、比較品より顕著な抗菌活性がみられるのが分かる。
抗菌剤含有液2は、トリクロサン濃度25mg/Lにおいて、比較品より高い抗菌活性がみられ、また、トリクロサン濃度400mg/Lにおいて比較品より顕著な抗菌活性がみられるのが分かる。
<試験例3>
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)を用いて抗菌活性を評価した。
菌体を緑膿菌として試験例1と同様にして接種菌液を調整した。トリクロサン濃度が25mg/L、200mg/L、及び400mg/Lとなるようにそれぞれ濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を、抗菌剤含有液2及び比較品のそれぞれについても行った。そして、接触後の菌数のLog減少量から抗菌活性を比較した。表7は試験結果を示す。
Figure 0005432620
これによれば、抗菌剤含有液1及び2は、トリクロサン濃度25mg/Lにおいて、比較品より高い抗菌活性がみられるのが分かる。また、トリクロサン濃度400mg/Lにおいて、緑膿菌に対する顕著な抗菌活性が得られるのが分かる。
よって、抗菌剤含有液1及び2は、優れた抗菌性を有し、且つ緑膿菌に対しても抗菌活性を有する。
<試験例4>
アオカビ(Penicillium citrinum NBRC 6532)を用いて抗黴活性を評価した。
菌体をアオカビの胞子液として試験例1と同様にして接種菌液を調整した。トリクロサン濃度が25mg/L、100mg/L、200mg/L、及び400mg/Lとなるようにそれぞれ濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を、抗菌剤含有液2及び比較品のそれぞれについても行った。そして、接触後の菌数のLog減少量から抗菌活性を比較した。表8は試験結果を示す。
Figure 0005432620
一般的にトリクロサンはアオカビに対し有効でないと考えられており、比較品では抗黴活性がみられなかった。
しかしながら、表8によれば、抗菌剤含有液1及び2は、トリクロサン濃度25mg/Lにおいて、アオカビに対する抗黴作用がみられるのが分かる。また、トリクロサン濃度200mg/L及び400mg/Lにおいて、アオカビに対する顕著な抗黴活性が得られるのが分かる。
よって、抗菌剤含有液1及び2は優れた抗黴作用を有する。
<試験例5>
抗菌剤含有液1及び比較品を用い、クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides NBRC6348)、アオカビ(Penicillium citrinum NBRC6352)、キャンディダ(Candida albicans NBRC1061)、アルカリジェネス(Alcaligenes faecalis NBRC13111)、クレブシエラ(Klebsiella pneumoniae NBRC14940)、プロテウス(Proteus vulgaris NBRC3167)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、シュードモナス(Pseudomonas putida NBRC14164)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)、セラチア(Serratia marcescense NBRC12648)、バチルス(Bacillus cereus (分離株)、Bacillus coagulans(分離株))、及び大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)といった様々の菌に対する抗菌活性を評価する抗菌性試験を行った。
なお、NBRC株についてはNITE biological research centerより購入した。また、アルカリジェネス(Alcaligenes faecalis NBRC13111)、クレブシエラ(Klebsiella pneumoniae NBRC14940)、プロテウス(Proteus vulgaris NBRC3167)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、シュードモナス(Pseudomonas putida NBRC14164)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)、及びセラチア(Serratia marcescence NBRC12648)については菌体を変えた以外は試験例1と同様にして接種菌液を調製した。クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides NBRC6348)及びアオカビ(Penicillium citrinum NBRC6352)については、ポテト・デキストロース・アガー(Poteto Dextrose Agar(PDA))平板培地(ディフコ社製)を用いて25℃で1週間培養した後にツイン80(東京化成工業社製)を用いて胞子液を調製して接種菌液とした。さらに、Candida albicansについては、グルコース・ペプトン・アガー(Glucose Pepton Agar(GPA))平板培地(和光純薬工業社製)上において30℃で3日間培養した菌を用いて試験例1と同様にして接種菌液を調製した。
トリクロサン濃度が25mg/L、50mg/L、100mg/L、及び400mg/Lとなるようにそれぞれ濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記各接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を、比較品についても行った。接触後の菌数のLog減少量が1以上となるトリクロサン濃度(mg/L)を比較した。表9は試験結果を示す。
Figure 0005432620
抗菌剤含有液1(平均粒子径200nm)は上記の全ての菌に対して、比較品よりも顕著な抗菌活性が得られるのが分かる。
<試験例6>
トリクロサンの抗菌性の粒径依存性について試験を行った。
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・アガー(Soybean Casein Digest Agar(SCDA))平板(和光純薬工業社製)上において30℃で一夜培養した大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を一白金耳掻き取り、それを滅菌生理食塩水に懸濁させて接種菌液とした。
トリクロサン濃度が25mg/Lとなるように濃度調整した抗菌剤含有液1の1mLに、上記接種菌液10μLを添加し、それにより両者を10分間接触させた。同様の試験を抗菌剤含有液2及び3のそれぞれについても行った。そして、それぞれの接触後の菌数のLog減少量から抗菌活性を比較した。表10は試験結果を示す。
Figure 0005432620
これによれば、いずれの平均粒子径のトリクロサンでも抗菌活性が認められるが、平均粒子径が200nmの抗菌剤含有液1ではそれが著しく高いことが分かる。
以上の通り、抗菌剤含有液1〜3は、トリクロサンを有機溶媒や界面活性剤で可溶化して用いた場合に比べ、様々なグラム陰性細菌、グラム陽性細菌、真菌に対して優れた抗菌・抗黴活性を有し、しかも、トリクロサンが有効でないとされていた緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アオカビ(Penicillium citrinum)、クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対しても抗菌活性を有し、一部の黴にも抗菌作用を有することが分かる。
本発明は、家庭用、医療用、業務用の洗浄剤、防汚剤、消臭防臭剤の他、化粧品、香粧品、衛生品等に添加されて用いられる抗菌剤含有液の製造方法について有用である。
10 混合器
11 直管部分
12 分岐管部分
20 容器
21 第1室
21a,22a ノズル(液出し部)
22 第2室
23 隔壁

Claims (8)

  1. トリクロサンを溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合する抗菌剤含有液の製造方法。
  2. 上記抗菌剤含有液は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が50〜5000nmであるトリクロサンの微粒子を含む、請求項1に記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  3. 上記アルカリ性水溶液のトリクロサンの濃度が10〜5000mg/Lである、請求項1又は2に記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  4. 上記アルカリ性水溶液と上記酸とを、アルカリ性水溶液/酸=1/400〜100/1の混合体積比で混合する、請求項1乃至3のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  5. 上記アルカリ性水溶液と上記酸との混合を連続混合方式で行う、請求項1乃至4のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  6. 上記抗菌剤含有液におけるトリクロサンの濃度が8〜200mg/Lである、請求項1乃至5のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  7. 上記酸が酸性の緩衝液である請求項1乃至のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
  8. 各々、液出し部を有する第1及び第2室を備えた容器を用い、該容器における第1室にトリクロサンを含有するpH9以上のアルカリ性水溶液及び第2室にpH6以下の酸をそれぞれ入れ、該容器の第1室の液出し部からアルカリ性水溶液及び第2室の液出し部から酸をそれぞれ同時に流出させて該容器外でそれらを混合する、動的光散乱法により測定される平均粒子径が50〜5000nmであるトリクロサンの微粒子を含む抗菌剤含有液の製造方法。
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