JP5432620B2 - 抗菌剤含有液の製造方法 - Google Patents
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Description
(抗菌剤含有液)
<実施例1>
図1に示すのと同様の構成のT字状の混合器(SUS316製で管内流路径が0.15mmのマイクロミキサー)を用い、室温下(20℃)、直管部分の一方側からトリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.02mol/L、pH:12)及び他方側から酸として酸性の緩衝液であるHEPES水溶液(HEPES濃度:0.1mol/L、pH5.1)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/1で且つ総流量が6ml/minとなるようにそれぞれシリンジポンプで送液して流入させた。そして、分岐管部分から回収された抗菌剤含有液を実施例1とした。
トリクロサン濃度が50mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例2とした。
トリクロサン濃度が24mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例3とした。
トリクロサン濃度が20mg/Lであるアルカリ性水溶液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を実施例4とした。
トリクロサン濃度が800mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.06mol/L、pH:13)を用いると共に、酸として酸性の緩衝液であるリン酸二水素ナトリウム水溶液(リン酸二水素ナトリウム濃度:0.1mol/L、pH4.4)を用いたことを除いて実施例1と同様にして得た抗菌剤含有液を水で4倍体積に希釈した抗菌剤含有液を実施例5とした。
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/Lのクエン酸水溶液(pH:2.1)に、トリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaHCO3濃度:0.04mol/L、Na2CO3濃度0.06mol/L、pH:10.3)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/クエン酸水溶液=1/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例6とした。
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/LのHEPES水溶液(pH5.2)に、トリクロサン濃度が10000mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:1mol/L、pH:13.6)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/99となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例7とした。
試験管を用い、室温下(20℃)、トリクロサン濃度が100mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaHCO3濃度:0.02mol/L、Na2CO3濃度0.03mol/L、pH:10.3)に、濃度が1mol/Lの硫酸(pH:0.5)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/硫酸=49/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例8とした。
試験管を用い、室温下(20℃)、濃度が0.05mol/Lのクエン酸水溶液(pH:2.1)に、トリクロサン濃度が200mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、リン酸3ナトリウム濃度:0.1mol/L、pH:12.6)を、混合体積比がアルカリ性水溶液/クエン酸水溶液=1/1となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を実施例9とした。
図2に示すのと同様の構成の容器を用い、その第1室にトリクロサン濃度が800mg/Lのアルカリ性水溶液(溶媒:アルカリ水、NaOH濃度:0.02mol/L、pH:12)及び第2室に濃度が0.1mol/LのHEPES水溶液(pH:5.1)をそれぞれ入れ、容器の第1室のノズルからアルカリ性水溶液及び第2室のノズルからHEPES水溶液をそれぞれ同時に流出させて容器外で、混合体積比がアルカリ性水溶液/HEPES水溶液=1/1となるようにそれらを衝突させて混合し、得られた抗菌剤含有液を実施例10とした。
試験管を用い、室温下(20℃)、トリクロサン濃度が40g/Lのエタノール溶液に、HEPES濃度が0.05mol/L及びNaOH濃度が0.01mol/Lの水性溶液を、混合体積比がエタノール溶液/水性溶液=1/399となるように添加した。そして、試験管内に得られた抗菌剤含有液を比較例1とした。
トリクロサンのエタノール溶液の代わりにトリクロサン濃度が40g/Lのプロピレングリコール溶液を用いたことを除いて比較例1と同様にして得た抗菌剤含有液を比較例2とした。
<抗菌性試験>
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・アガー(Soybean Casein Digest Agar(SCDA))平板(和光純薬工業社製)上において30℃で一夜培養した大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を一白金耳掻き取り、それを滅菌生理食塩水に懸濁させて接種菌液とした。
実施例1〜10及び比較例1〜2のそれぞれの抗菌剤含有液について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製 型番:ELSZ-2)を用い、動的光散乱法により粒子の析出の有無及び平均粒子径を測定した。
表1〜3は試験結果を示す。
(抗菌剤含有液)
<実施例11>
100mLメスフラスコに、濃度が1mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(キシダ化学社製)6mL、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)80mg、及びポリビニルピロリドン(ISP:PVP−K30,重量平均分子量:60000)28mgを入れ、そこにさらに水を加えて100mLとし、そのトリクロサン及びポリビニルピロリドンを溶解させたアルカリ性水溶液を調整した。アルカリ性水溶液のpHは13であった。このアルカリ性水溶液における水酸化ナトリウム、トリクロサン、及びポリビニルピロリドンの濃度は、それぞれ60mmol/L、800mg/L、及び100mg/Lであり、ポリビニルピロリドン/トリクロサンの質量比は0.35である。リン酸二水素ナトリウム(和光純薬工業社製)を濃度が100mmol/Lとなるように水に溶解させた酸性水溶液を調整した。酸性水溶液のpHは4.4であった。アルカリ性水溶液及び酸性水溶液をそれぞれ20℃に調温した。
実施例11について、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製 型番:ELSZ-2)を用い、動的光散乱法により平均粒子径を測定し、また、外観評価(調製直後及び調整から室温1日保存後)を行った。
表4は試験結果を示す。
(製造例 抗菌剤含有液(トリクロサン分散液)の調製)
(1)A液〜C液の調製
A液:トリクロサン濃度が400mg/Lのアルカリ性水溶液
100mLメスフラスコに、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)40mgをとり、そこに濃度が0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学社製)20mLを加えて溶解させた後、さらにイオン交換水を加えて100mLとして調整したトリクロサン濃度が400mg/Lのアルカリ性水溶液をA液とした。A液のpHは12であった。
100mlメスフラスコに、HEPES(和光純薬工業社製)2.383gをとり、そこにイオン交換水を加えて溶解させて100mLとして調整したHEPES水溶液をB液とした。B液のpHは5.1であった。
100mLメスフラスコに、HEPES2.383gをとり、そこにイオン交換水を加えて溶解させて100mLとした。また、別の100mLメスフラスコに、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を20mLとり、そこにイオン交換水を加えて希釈して100mLとした。そして、両者をビーカー内で混合して調整したHEPES濃度が0.05mol/LのHEPES緩衝液をC液とした。C液のpHは7であった。
3本の30mLプラスチックシリンジをそれぞれA液用、B液用、及びC液用とし、それぞれの先端に孔径0.22μmのメンブレンフィルターを装着し、マイクロシリンジポンプ(kd Scientific社製)に取り付けた。また、それぞれのシリンジ出口(フィルター出口)には、長さ20cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続した。そして、A液用のチューブ及びB液用のチューブを、内径0.15mmのT字継手(ジーエルサイエンス)の対向する一対の接続部に、A液とB液とが正面衝突するように接続した。T字継手の残る1つの接続部には長さ10cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続し、このチューブ及びC液用のチューブを、内径1.3mmのT字継手(スウェジロック)の対向する一対の接続部に、2液が正面衝突するように接続した。T字継手の残る1つの接続部には長さ10cm及び内径0.8mmのPTFE製チューブを接続し、その先端をサンプリング口とした。
配管部分を事前にオートクレーブ内で滅菌した後、シリンジに各液を充填してトリクロサン分散液である抗菌剤含有液の調製を開始した。
<試験例1>
大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)を用いて抗菌活性を評価した。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を用いて抗菌活性を評価した。
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)を用いて抗菌活性を評価した。
アオカビ(Penicillium citrinum NBRC 6532)を用いて抗黴活性を評価した。
抗菌剤含有液1及び比較品を用い、クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides NBRC6348)、アオカビ(Penicillium citrinum NBRC6352)、キャンディダ(Candida albicans NBRC1061)、アルカリジェネス(Alcaligenes faecalis NBRC13111)、クレブシエラ(Klebsiella pneumoniae NBRC14940)、プロテウス(Proteus vulgaris NBRC3167)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、シュードモナス(Pseudomonas putida NBRC14164)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)、セラチア(Serratia marcescense NBRC12648)、バチルス(Bacillus cereus (分離株)、Bacillus coagulans(分離株))、及び大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)といった様々の菌に対する抗菌活性を評価する抗菌性試験を行った。
トリクロサンの抗菌性の粒径依存性について試験を行った。
11 直管部分
12 分岐管部分
20 容器
21 第1室
21a,22a ノズル(液出し部)
22 第2室
23 隔壁
Claims (8)
- トリクロサンを溶解させたpH9以上のアルカリ性水溶液とpH6以下の酸とを混合する抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記抗菌剤含有液は、動的光散乱法により測定される平均粒子径が50〜5000nmであるトリクロサンの微粒子を含む、請求項1に記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記アルカリ性水溶液のトリクロサンの濃度が10〜5000mg/Lである、請求項1又は2に記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記アルカリ性水溶液と上記酸とを、アルカリ性水溶液/酸=1/400〜100/1の混合体積比で混合する、請求項1乃至3のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記アルカリ性水溶液と上記酸との混合を連続混合方式で行う、請求項1乃至4のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記抗菌剤含有液におけるトリクロサンの濃度が8〜200mg/Lである、請求項1乃至5のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 上記酸が酸性の緩衝液である、請求項1乃至6のいずれかに記載された抗菌剤含有液の製造方法。
- 各々、液出し部を有する第1及び第2室を備えた容器を用い、該容器における第1室にトリクロサンを含有するpH9以上のアルカリ性水溶液及び第2室にpH6以下の酸をそれぞれ入れ、該容器の第1室の液出し部からアルカリ性水溶液及び第2室の液出し部から酸をそれぞれ同時に流出させて該容器外でそれらを混合する、動的光散乱法により測定される平均粒子径が50〜5000nmであるトリクロサンの微粒子を含む抗菌剤含有液の製造方法。
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