JPH11180809A - 2剤型抗生物剤および物品処理方法 - Google Patents

2剤型抗生物剤および物品処理方法

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JPH11180809A
JPH11180809A JP9348070A JP34807097A JPH11180809A JP H11180809 A JPH11180809 A JP H11180809A JP 9348070 A JP9348070 A JP 9348070A JP 34807097 A JP34807097 A JP 34807097A JP H11180809 A JPH11180809 A JP H11180809A
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antibiotic
compound
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metal
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Yasushi Aoki
裕史 青木
Kazumi Tanaka
計実 田中
Takashi Echigo
貴 愛知後
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状、大きさおよび表面状態などが様々な対
象物に金属成分を、簡便な処理操作で効率よく浸透、固
着させることのできる抗生物剤、その抗生物剤による長
期間、安定的に抗生物性を付与することのできる物品処
理方法、およびその処理方法により処理された物品の提
供。 【解決手段】 (1)金属化合物および有機アルカリ化剤
を含む第1剤と(2)フェノール性化合物を含む第2剤と
を、使用に際して両剤を混合する形態で保持してなるこ
とを特徴とする2剤型抗生物剤、この抗生物剤を用いた
物品処理方法およびこの方法により製造される多孔質物
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属化合物の抗生
物作用を利用した抗生物剤並びにこれを用いた物品処理
法および処理物品に関する。より詳細には、本発明は、
(i)金属化合物および有機アルカリ化剤を含む第1剤と
フェノール性化合物を含む第2剤とを互いに混和しない
状態で含み、物品処理に際して両剤を混合して使用する
2剤型抗生物剤、(ii)前記第1剤と第2剤の混合液を多
孔質物品などに塗布および/または含浸し、対象物品に
金属を固着する物品処理方法、および(iii)当該処理方
法により得られる抗生物性の付与された物品に関する。
【0002】
【従来の技術】金属化合物は、抗菌性、殺菌性、防腐
性、防虫性、抗ウイルス性、生物忌避性等を有すること
から抗生物剤の有効成分として有用である。金属化合物
系の抗生物剤は、有機系抗生物剤に比較して作用の持続
性が高いが、金属塩の種類によっては溶解性が悪く、ま
た保存中に沈殿を生ずる等の問題がある。そこで、水に
易溶であり、錯体形成能により金属化合物の溶解性およ
び金属化合物溶液の安定性を高める効果を有し、さらに
それ自体腐食抑制効果を持つ有機アルカリ化剤(例え
ば、アルカノールアミン)と組み合わせた金属化合物−
有機アルカリ化剤系の抗生物剤が、防腐剤、防虫剤等の
分野で用いられてきた。
【0003】金属化合物と有機アルカリ化剤を含む抗生
物剤において、処理された物品の抗生物性を改善するた
めに、種々の改良方法が提案されている。例えば、オー
ストラリア特許第519146号には、アンミン錯体を形成す
る金属イオンとヒドロキシアルキルアミンを含有する抗
生物剤に炭素数6〜12の脂肪族モノカルボン酸を添加
したセルロース系材料の保存性改良剤が記載されてい
る。これは、アミンとカルボン酸によりセッケンを形成
し、セルロース材料への浸透性を高めるものである。ま
た、米国特許第5426121号には、銅カチオンとアルコキ
シル化ジアミンとの反応生成物を含有させることにより
抗生物作用を改善させた木材保存剤が記載されている。
さらに、特開平8-12504号には防腐性重金属とトリアゾ
ール化合物を含む抗生物剤組成にホウ酸化合物を添加し
た保存剤が記載されている。これらは抗生物性成分とし
て金属化合物と共に有機系抗菌成分などの抗生物性を改
善する補助的成分を使用することにより、抗生物性を向
上させるものである。
【0004】しかしながら、金属化合物と有機アルカリ
化剤を含有する薬剤により物品の処理を行った場合、金
属イオンと有機アルカリ化剤の複合体が水に易溶である
ことから、処理物品が水分に接触する環境下では金属イ
オンが有機アルカリ化剤と共に容易に溶出し、その結
果、物品に付与されていた抗生物性が低下するという問
題があった。溶出した金属あるいは金属イオンが、処理
物品の周辺の環境を汚染するという重大な問題もある。
上に掲げた各種の改良方法では、セルロースや木材中へ
の浸透性を高める試みはなされているが、溶出を抑える
方法は検討されていない。また、これらの方法において
抗生物性を改善するために添加される有機系抗生物剤の
多くは、金属化合物および金属イオンに比べ長期安定性
が劣る。従って、有機系の抗生物成分を添加するだけで
は、長期にわたって優れた抗生物性を維持するのは困難
である。さらに、有機系剤を相当量添加するため、製品
コストの増大を招くという問題もある。
【0005】金属化合物および金属イオンの溶出を抑え
るため、薬剤注入前後にその不溶化処理を行う方法が多
数提案されている。具体的には、有効成分である金属化
合物の溶液により物品を処理した後、さらにその固着性
を向上する薬剤で処理を行う方法、あるいは、金属化合
物溶液による処理に先立ち、金属イオンの固定剤で処理
対象物を処理しておく方法などが一般的であり、いずれ
にせよ2段階以上の多段階処理を要する。例えば、特開
平7-88808号には、金属化合物とケイ酸ソーダを含むア
ルカリ溶液による第1段階の注入処理と、アルカリ土類
塩などの中和塩溶液により第2段階の注入処理とを順次
行うことにより、ケイ酸ソーダをアルカリ土類ケイ酸塩
として不溶化し、処理対象物中での金属成分の固着性を
改善する木材処理方法が開示されている。しかしなが
ら、このような多段階処理は、前段階の処理の後、次段
階の薬剤注入を可能にするための乾燥工程が必要である
こと、また処理段階ごとに個別の処理槽を用意しなけれ
ばならないことなど、処理作業のコストや利便性の点で
実用性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記の問題点の解決を目的とするものであり、具
体的には、処理対象物への金属化合物および/または金
属イオンの固着性の高い金属化合物−有機アルカリ化剤
系抗生物剤、かかる抗生物剤により処理対象物に金属化
合物および/または金属イオンを効果的に固着する方
法、およびこうした方法で製造される抗生物性の付与さ
れた物品、特に多孔質物品を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、金属化合
物と有機アルカリ化剤とを含有する抗生物剤において、
有機アルカリ化剤による金属化合物の溶解効果および金
属イオン溶液安定化効果を損なわず、処理対象物品への
良好な浸透性を維持する一方で、処理された物品におい
ては金属化合物および/または金属イオンの固着性を高
めてその溶出を最小限に抑える、という相反する課題を
解決するため鋭意研究を行った。その結果、金属化合物
と有機アルカリ化剤とともに、フェノール性化合物を使
用し、さらに必要に応じてポリフェノール酸化触媒を用
いて、フェノール性化合物の酸化反応および/または高
分子量化反応を行うことにより、酸化あるいは高分子量
化生成物を介して金属イオンもしくは金属化合物または
金属イオン−有機アルカリ化剤複合体を処理物品に強固
に固定することが可能であることを見出し、かかる構成
による抗生物剤を提案した(特願平9-308462号)。本発
明は、上記の抗生物剤において、固着化剤であるフェノ
ール性化合物と金属などの有効成分とを、使用に際して
両者を混合する形態に保持することにより、さらに保存
時の安定性を高めたものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、以下の抗生物
剤、物品処理方法および処理物品が提供される。 [1](1)金属化合物および有機アルカリ化剤を含む第
1剤と(2)フェノール性化合物を含む第2剤とを、使用
に際して両剤を混合する形態で保持してなることを特徴
とする2剤型抗生物剤。 [2] 第1剤に含まれる金属化合物が、銅化合物、亜
鉛化合物、ニッケル化合物および銀化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物である前記1に記載の抗生物
剤。 [3] 第1剤に含まれる有機アルカリ化剤が、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンおよびエチレンジアミンから選ばれる少なくとも1種
の化合物である前記1または2に記載の抗生物剤。 [4] 第2剤に含まれるフェノール性化合物が、ピロ
カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、没食子
酸、タンニン酸、フェルラ酸、リグニン、リグニンスル
ホン酸、ヒノキチオールおよびこれらの誘導体からなる
群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記1乃
至3のいずれかに記載の抗生物剤。
【0009】[5] 前記第1剤および/または第2剤
が、さらにホウ酸および/またはホウ素化合物を含有す
る前記1乃至4のいずれかに記載の抗生物剤。 [6] 前記第1剤および/または第2剤がさらにポリ
フェノール酸化触媒を含有する前記1乃至5のいずれか
に記載の抗生物剤。 [7] ポリフェノール酸化触媒がカテコールオキシダ
ーゼ、ラッカーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、アス
コルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼおよ
びペルオキシダーゼから選ばれる少なくとも1種の酵素
である前記6に記載の抗生物剤。 [8] 前記第1剤と第2剤が1つの容器内に互いに混
和しない状態で保持されている前記1乃至7に記載の抗
生物剤。 [9] 第1剤と第2剤が仕切壁または仕切膜によって
分離された状態で容器内に収納されており、使用に際し
て前記仕切壁または仕切膜を破壊または除去して両剤の
混合を行う前記8に記載の抗生物剤。
【0010】[10] 前記第1剤と第2剤がそれぞれ
別個の容器に収納されており、使用に際して両剤を混合
する前記1乃至7に記載の抗生物剤。 [11] 前記第1剤および/または第2剤が高濃度溶
液または粉剤もしくは顆粒剤である前記1乃至10のい
ずれかに記載の抗生物剤。 [12] 前記第1剤および第2剤の成分として、また
は、それ以外1または2以上の別剤として、さらに、抗
菌剤、防腐剤、殺菌剤、防虫剤、抗ウィルス剤、生物忌
避剤その他の活性成分、または、芳香剤、消臭剤、防錆
剤、難燃化剤の少なくとも1種を含む多剤型抗生物剤。 [13] 前記1乃至12のいずれかに記載の抗生物剤
を用いることを特徴とする、多孔質物品の処理方法。 [14] 前記13に記載の方法で処理することにより
得られる抗生物性の付与された多孔質物品。
【0011】(I)抗生物剤 [概要]本発明の抗生物剤は、(1)金属化合物および有
機アルカリ化剤を含む第1剤と(2)フェノール性化合物
を含む第2剤の少なくとも2剤から構成される。第1剤
と第2剤は、抗生物剤の使用前、すなわち保存時におい
ては、相互に接触・混和しない状態に保持される。物品
処理に際しては、上記の第1剤と第2剤を適量ずつ混合
し、さらに必要に応じて希釈、撹拌などの溶解操作を行
う。これにより、第1剤と第2剤の両成分を含む処理溶
液が形成される。
【0012】第1剤と第2剤を混合すると、金属成分と
フェノール性化合物などとの間の複合体の形成、フェノ
ール成分の酸化反応が開始するが、この時点では不溶物
の形成はほとんどない。従って、第1剤と第2剤の両成
分をともに含む処理液は処理対象物中に円滑に注入、含
浸あるいは塗布することができる。その後、処理された
物品の乾燥過程において、薬剤成分が濃縮され、さらに
酸素に暴露されることにより上記の一連の反応が加速さ
れる。この結果、フェノール性化合物の酸化および/ま
たは高分子量化反応による生成物と、金属化合物および
/または金属イオンの複合体が生成し、金属成分は物品
表面および内部に強固に固着する。上記第1剤と第2剤
は、それぞれが混合前の保存状態で安定であるだけでな
く、混合後においても一定期間の保存ができる。この性
質により、本発明の抗生物剤は、2剤型であるにも拘わ
らず各剤ごとに工程を分けて処理する必要がない。すな
わち、両剤を混合してなる1液の処理液として1段階で
対象物品の処理が可能である。このため、処理手順が簡
潔であり、従来の1剤型処理設備を利用することができ
る。また、一度使用した処理液を複数の物品処理に繰り
返し使用することが可能である。以下、本発明の抗生物
剤の構成について詳述する。
【0013】[第1剤]第1剤は、金属化合物と有機ア
ルカリ化剤とを必須成分として含む。 (a)金属化合物 本発明において用いられる金属化合物は、抗菌性、殺菌
性、防腐性、防虫性、抗ウィルス性、生物忌避性など、
調製しようとする抗生物剤の目的に応じて任意に選ばれ
るものでよい。このような金属化合物の具体的な例とし
て、銅、亜鉛、ニッケル、銀から選ばれる少なくとも1
種の金属元素を含む化合物を挙げることができる。具体
的には、これらの金属元素イオン(カチオン)と、
-、Cl-、Br--、NO3 -、BO3 3-、PO4 3-、P
27 4-、SO4 2-、SO3 2-、S23 2-、SCN-、CO3
2-、O2-、OH-、B47 2-、B(OH)4 -、BF4 -
あるいはナフテン酸、オレイン酸、ステアリン酸、オク
タン酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、酒石
酸などのアニオンとの化合物、あるいはこれらの複合
体、さらにはその水和物が挙げられる。また、前記の金
属イオンと有機化合物あるいはイオン団との錯体もまた
本発明において使用可能である。なお、木材などの多孔
質物品への加圧および/もしくは減圧による剤の含浸を
行う場合には、処理剤中に水不溶性の成分が生成しない
ような金属化合物と有機アルカリ化剤の組み合わせを用
いることが望ましいが、例えば、有機アルカリ化剤とし
てモノエタノールアミンを用いる場合、塩化ニッケル、
塩化銅、硫酸銅、炭酸銅、水酸化銅、ナフテン酸銅、塩
化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化銀、硝酸銀等の金属化合物が有
用である。
【0014】さらに、前記の金属化合物、あるいは金属
錯体の他に、金属の微粉体、または金属化合物もしくは
金属錯体の微粉体もまた本発明の目的で使用可能であ
る。こうした微粉体は、目的によって様々な大きさの微
粒子からなる粉末が使用可能であるが、例えば、木材に
対して含浸処理を行う場合は、5μm以下、望ましくは
0.5μm以下、より望ましくは0.1μm以下の直径を有す
る微粒子からなる粉末が好適に使用可能である。さらに
また、前記の金属化合物あるいは金属錯体から酸化還元
反応により生成する金属もまた本発明の物品処理方法に
より効果的に物品内部に固着することが可能である。本
発明において使用されるこれらの金属化合物、金属錯
体、あるいは金属微粉体の第1剤中での含有量は、第1
剤の剤の形態などにより決定される。具体的には、第1
剤が粉剤、粒剤などの固形剤であるときには特に制限さ
れず、通常は、第1剤の重量の0.01〜99%、好ましく
は0.1〜80%を含有させることができる。第1剤が溶
液、懸濁液などの液剤であるときには、次節に述べる有
機アルカリ化剤の作用により十分な溶解性が得られる範
囲に限定される。通常は、第1剤の重量の0.01〜95
%、好ましくは0.1〜90%を含有させることができ
る。
【0015】(b)有機アルカリ化剤 本発明において第1剤に用いられる有機アルカリ化剤
は、前節で述べた金属を可溶化する能力のある化合物で
あればよい。通常、金属イオンと塩や錯体などを形成す
る塩基性の有機化合物で、分子中に1個以上の水酸基を
有するアミンもしくはイミン類、または分子中に2個以
上のアミノ基もしくはイミノ基(これらの基における水
素原子は置換されていてもよい)を有する化合物であ
る。金属化合物の溶解力が高く、安定な金属化合物溶液
を高濃度に調製することができる有機アルカリ化剤とし
ては、アルキルアミン類、アルカノールアミン類が好適
に用いられる。このような化合物として、具体的には、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。また溶液
安定性の向上、金属化合物の固着性の調整などの必要に
応じてこれら化合物の複数種を混合して用いることも可
能である。
【0016】本発明において使用されるこれらの有機ア
ルカリ化剤の第1剤中での含有量は金属化合物の種類、
含有量等により決定される。具体的には、有機アルカリ
化剤の種類によるが、例えば、2価金属塩に対して、モ
ノエタノールアミンで0.5〜5倍(モル比)程度、エチ
レンジアミンで0.1〜5倍(モル比)程度が好ましい。
【0017】(c)その他の成分および剤の形態 第1剤は、必要に応じて溶媒、pH調整剤、その他の成
分を含むことができる。溶媒は有機アルカリ化剤の共存
下、前記金属化合物を溶解し得るものであれば特に制限
されないが、例えば、水、ジクロロメタンなどを挙げる
ことできる。pH調整剤としては、金属化合物に関連し
て挙げたような無機酸や有機酸、アンモニア、前記の有
機アルカリ化剤などが用いられる。第1剤は、上記の通
り溶媒を用いて溶液もしくは懸濁液としてもよいが、粉
末もしくは顆粒として調製することもできる。造粒は、
発塵性を抑えるための、あるいは処理剤の保存性や使用
目的によっては使用上の利便性などの目的で行われる賦
形であり、目的に応じて任意の造粒操作によって達成す
ることができる。
【0018】[第2剤]第2剤は、フェノール性化合物
を必須成分として含む。第2剤はさらに、必要に応じて
ポリフェノール酸化触媒その他の成分を含んでもよい。 (a)フェノール性化合物 本発明で第2剤に用いられるフェノール性化合物は、空
気、酸素、過酸化水素などの酸化剤により酸化または酸
化重合される物質であればいかなる化合物も使用可能で
ある。酸化および/または高分子量化により金属や金属
化合物をより確実に固着する。なお、ここでフェノール
性化合物の高分子量化反応には、フェノール性化合物の
重合、酸化重合、あるいは、処理対象物が木材である場
合には、木材中のポリフェノール成分との反応も含まれ
る。特に、芳香環上のオルト位あるいはパラ位の配置で
複数の水酸基を有する化合物は、本発明の目的でより好
適に使用可能である。また、芳香環上のオルト位あるい
はパラ位の配置で水酸基を有する、置換基を有する化合
物も、本発明の目的でより好適に使用可能である。この
ようなフェノール性化合物具体的な例としては、ピロカ
テコール、ハイドロキノン、ピロガロール、没食子酸、
タンニン、タンニン酸、フェルラ酸、リグニン、リグニ
ンスルホン酸、ヒノキチオール、およびこれら化合物を
誘導体化したものが挙げられる。
【0019】また、酸化反応産物および/または高分子
量化反応産物の物性、色調、金属固着性などを調節する
目的で、上記の化合物を複数組み合わせて用いることも
可能である。第1剤および/または第2剤中におけるフ
ェノール性化合物の含有量は特に制限されるものではな
く、通常は0.1〜100%の範囲である。
【0020】(b)ポリフェノール酸化触媒 本発明の抗生物剤においては、フェノール性化合物の酸
化および/または高分子量化反応を促進するポリフェノ
ール酸化触媒を第1剤および/または第2剤中に含有さ
せることができる。ポリフェノール酸化触媒の具体例と
しては、金属イオン、金属錯体などが挙げられる。金属
錯体の内、酸化還元酵素を模倣した人工酵素は、より低
濃度の金属イオンによって効果的な触媒効果を得るため
に有用である。このような人工酵素の具体的な例は、ト
リアザシクロノナン、トリアザシクロドデカンなどの環
状含窒素化合物やそのN−メチル化誘導体、フタロシア
ニンまたはポルフィリンやその親水性置換基を有する誘
導体である。
【0021】また、本発明においては、ポリフェノール
酸化酵素もまた広く利用可能である。このような酵素の
例として、微生物、例えば真菌または細菌によって産生
されるか、もしくは植物によって産生されるカテコール
オキシダーゼ、ラッカーゼ、ポリフェノールオキシダー
ゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、またはビリルビンオ
キシダーゼ等のポリフェノール酸化酵素が挙げられる。
これらは自然界に既に存在しているものであるため、環
境への影響が少なく、本発明の目的のために特に好適に
利用可能である。
【0022】酵素的な酸化による酸化および/または高
分子量化反応は、微生物あるいは植物由来のペルオキシ
ダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキ
シダーゼ等のペルオキシダーゼ作用を有する酵素と過酸
化水素を用いることでも実施可能である。過酸化水素の
添加、供給は、直接過酸化水素溶液を添加する方法、過
酸化水素の替わりにパーボレート、パーカーボネート等
の過酸化水素前駆体を用いる方法、あるいは過酸化水素
を生成できるオキシダーゼとその基質を用いる方法があ
り、処理目的と処理方法に応じて様々に実施可能であ
る。なお、このような過酸化水素を生成できるオキシダ
ーゼの例は、グルコースオキシダーゼ、アルコールオキ
シダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、アミンオキシダ
ーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、D−アミノ酸オキシダー
ゼ、アリルアルコールオキシダーゼ、アルデヒドオキシ
ダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ソルボースオキシ
ダーゼ、ウレートオキシダーゼ、キサンチンオキシダー
ゼ、コレステロールオキシダーゼなどがあり、特に好ま
しくはグルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダー
ゼである。
【0023】ポリフェノール酸化触媒の活性量に関し
て、1分間に1μmolのフェノール性化合物および/
または芳香族アミン化合物を酸化する活性量を1ユニッ
ト(以下、Uと略す。)と定義した場合、本発明のポリ
フェノール酸化触媒の第2剤中の含有量は、物品処理に
使用する際の処理溶液中のポリフェノール酸化触媒の酸
化活性濃度(1リットル(L)中の活性量(U):U/
L)が、1〜100,000U/L、好ましくは10〜5,000U
/Lとなる範囲であればよい。
【0024】(c)その他の成分および抗生物剤の形状 本発明の抗生物剤の作用を強化または調節する目的で、
あるいは同時に様々な物品処理効果を付与する目的で、
第2剤には、芳香剤、消臭剤、防錆剤、難燃化剤、抗菌
剤、防腐剤、殺菌剤、防虫剤、抗ウィルス剤、生物忌避
剤などの薬剤を更に含有させることができる。このよう
な薬剤の例としては、無機化合物としてホウ酸、ホウ砂
をはじめとするホウ素化合物;ヨウ化物、フッ化物など
のハロゲン化合物など;有機化合物としてトロポロン
類、テルペノイド類などの各種天然物抽出成分およびこ
れら天然物と同等の構造を持つ合成化合物;トリアゾー
ル系、チオシアネート系などの有機抗菌剤;ピレスロイ
ド系・リン酸エステル系などの有機殺虫剤;ジデシルジ
メチルアンモニウムクロリド(DDAC)や塩化ベンザ
ルコニウムなどの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0025】また、上記の目的で添加して使用される化
合物が低い水溶性を有する場合には、剤の安定性、処理
対象物への浸透性、展着性を向上させるため、分散剤あ
るいは界面活性剤を添加してエマルジョンを形成させる
方法が有用である。さらに必要に応じて無機アルカリな
どのpH調整剤、天然物あるいは合成物の色素、顔料、
増粘剤、高分子量化合物、固形物などを本発明の処理剤
に添加して使用可能である。なお、これらの薬剤は、本
発明の第1剤に混合してもよい。
【0026】第2剤は、溶液、粉末、顆粒いずれの形態
を採ることが可能である。溶媒はフェノール性化合物と
混和性のあるものであれば特に制限されないが、例え
ば、水、ジクロロメタン、などを挙げることできる。フ
ェノール性化合物を含む第2剤は、処理剤成分が使用前
に酸化されることを防ぐため、保存時には処理剤を含む
容器を密栓し、外気との接触を避けることが望ましい。
また、処理剤の製造時に、窒素ガスなどの不活性ガスの
使用、あるいは脱気などにより酸化を抑制することもま
た好適である。造粒方法は特に制限されない。
【0027】[抗生物剤の形態]本発明の抗生物剤は、
上述の第1剤と第2剤が分離された状態で提供される2
剤型抗生物剤であり、これらの2剤を分離した状態で保
持できる限り、任意の方法で調製、提供することができ
る。2剤分離型薬剤の最も簡単な形態は、第1剤と第2
剤をそれぞれ個別の容器に収納して提供する方法であ
る。この場合、各剤は任意の内容量を有する容器に収納
してもよいし、あるいは、例えば、処理対象などが定ま
っている場合などには、使用単位に応じてあらかじめ所
定量ずつを小分けしてそれぞれ容器に封入してもよい。
また、常に一定量が吐出されるような容器を第1剤と第
2剤それぞれの保持に利用することも好ましい。
【0028】また、例えば、内部に仕切壁または仕切膜
を有する容器中に、互いに混和しない状態で第1剤と第
2剤を収納してもよい。この場合、各剤を所定量ずつ保
持し、処理液の調製に際して当該仕切壁または仕切膜を
破壊または除去することにより、常に、製造時に設定し
た比率で第1剤と第2剤を混合することができる。な
お、本発明の抗生物剤は、3剤型あるいはそれ以上の薬
剤の組み合わせの形態で提供することも可能である。例
えば、第2剤に関して説明した添加薬剤を別剤として、
必要に応じて別に処理液の調製時に添加してもよい。ま
た、酸化触媒を成分として含む場合、処理剤中のポリフ
ェノール酸化触媒の保存安定性を向上させるため、触媒
を他の処理剤成分と分けて、安定剤と共に造粒すること
も有効である。
【0029】(II)処理方法 本発明の物品処理方法は、前述の第1剤と第2剤(およ
び必要に応じて添加される他の成分)を混合して処理液
を形成し、得られた処理液を後述のように物品に適用し
て行う。第1剤と第2剤の混合比は、薬剤の成分および
処理対象物の種類や形態に応じて決定され、通常は1:
99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5の範囲
である。混合前または混合後、必要に応じて希釈しても
よい。希釈剤としては、水、ジクロロメタンなどが利用
できる。
【0030】好ましくは物品処理時の溶液中の濃度とし
て金属成分(例えば、銅、亜鉛、もしくは銀):0.01〜
500mM、より好ましくは0.1〜100mM、有機アルカ
リ化剤:0.001〜50重量%、より好ましくは0.01〜3
0重量%、フェノール性化合物:0.001〜50重量%、
より好ましくは0.01〜30重量%、また、ポリフェノー
ル酸化触媒を含む場合は、その酸化活性濃度が、1〜10
0,000U/l、好ましくは10〜5,000U/lの範囲で各
成分をを含有することが好ましい。処理液のpHはフェ
ノール性化合物の酸化反応および/または高分子量化反
応が進行するのであれば、いかなるpHでも実施可能で
ある。ポリフェノール酸化触媒を使用しない場合、ある
いは金属錯体や人工酵素を使用する場合は、一般的にア
ルカリ側のpHにおいて、より急速に酸化反応が進行す
る。しかしながら、ポリフェノール酸化酵素を触媒とし
て使用する場合は、アルカリpHでの自動酸化速度の増
大と、pHに依存する酵素反応速度の変化とを総合的に
判断して、より効率よく酸化反応および/または高分子
量化反応が進行するpH域に処理剤のpHを調整するこ
とが望ましい。通常はpH2〜12程度であればよく、
pH3〜11程度が好ましい。
【0031】本発明の薬剤を用いる物品処理は、刷毛や
ローラーなどによる塗布、スプレー、エアゾールなどに
よる吹き付け操作、あるいは含浸操作により実施され
る。特に含浸操作は、処理対象とする物品が多孔質であ
る場合、十分量の金属成分を物品に固定するために極め
て有用である。含浸操作は、簡単には処理剤溶液へ物品
を浸漬する方法で実施可能であるが、含浸の困難な様々
な種類の多孔質物品に十分な量の処理液を注入するため
には、加圧および/もしくは減圧操作が極めて有用であ
る。加圧操作は、大気圧(1気圧)から20気圧、より
望ましくは3〜15気圧の範囲で実施される。減圧操作
は、真空圧までの範囲でいかなる圧力でも実施可能であ
るが、含浸の困難な多孔質物品の有効な処理のために
は、100〜760mmHgの範囲での減圧が望まし
い。減圧操作は、多孔質物品に処理液を加える前に減圧
を実施する前排気の方式がより望ましい。また、多孔質
物品中により多量に処理液を含浸させるために、これら
の加圧操作および減圧操作を組み合わせて実施すること
も有効である。
【0032】さらに、処理液を多孔質物品に含浸させた
後、減圧処理を行い、処理液の一部を多孔質物品外に回
収する方法や、処理された多孔質物品内部での高分子量
化反応が充分に進行する前に、多孔質物品の洗浄を水等
を用いて行い、未重合物を除去することで、多孔質性の
保持される程度を容易に調整することが可能である。こ
のような多孔質性が保持または調整された処理物は、湿
度調整能力、保水力、吸着能力、イオン交換能を保持し
ており、こうした能力を利用する様々な用途への利用が
可能である。また、多孔質性の保たれた処理物に対し
て、さらに、薬剤、ポリマー、プレポリマーを含浸さ
せ、様々な複合された性質を有する多孔質物品が製造可
能である。
【0033】処理対象とする物品が木材の場合、通常用
いられる様々な加圧および/もしくは減圧処理方法が使
用可能である。また、インサイジング加工法もまた、含
浸量を増大させるために適用可能である。また、含浸の
困難な多孔質物品の前処理として、ローラー等を用いる
圧縮処理、マイクロ波加熱、凍結処理、蒸煮処理、水蒸
気処理、あるいは熱処理を行うことも有効である。処理
液の塗布および/または含浸処理は、0〜150℃、好
ましくは10〜100℃で実施される。こうした処理の
後、さらに、空気中あるいは酸素ガス中に処理物を放置
し、徐々に乾燥させながら、フェノール性化合物の酸化
反応および/または高分子量化反応を行う養生操作によ
って、より強固に金属化合物および/または金属イオン
を固定することが可能である。また、養生の際、加熱を
行うことで、より効率よく金属化合物および/または金
属イオンを固定することが可能である。
【0034】養生時の加熱は20〜300℃、より好ま
しくは40〜150℃の温度条件で実施される。ポリフ
ェノール酸化触媒を含有する場合は、ポリフェノール酸
化触媒の触媒能が有効に発現する温度、例えば20〜6
0℃になるように加熱を行うことが望ましい。また、養
生の際に処理物に圧力を加え、多孔質物品の組織を密着
させて、強度と金属化合物および/または金属イオン保
持性を向上させる方法も有用である。また、これらの処
理を終えた物品に対してさらに表面を塗装し、金属イオ
ンなどの処理剤組成物やその構成成分を封止する方法も
有効である。特に、酸化処理および/または高分子量化
処理を処理後の物品表面に対して封止を行うことによ
り、さらに強固に処理剤成分を固定することが可能であ
る。
【0035】なお、処理物品の表面や内部で、適当な酸
化および/または高分子量化が進行した時点での反応の
停止は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、炭酸、有
機酸などの酸の含浸、あるいは、多孔質物品表面への塗
装やフィルムによる包装などによる酸素供給の遮断によ
って実施できる。また、ポリフェノール酸化触媒が、ポ
リフェノール酸化作用を有する酵素である場合には、N
aOH、NH3、Na2CO3、CaCO3などのアルカリ
やアルカリ性塩の含浸、既知の酵素阻害剤の含浸、10
0℃、15分間といった加熱処理によっても効果的な反
応の停止が実施可能である。さらに、本発明の方法を慣
用の処理剤による処理と組み合わせて実施することも有
効である。すなわち、処理剤成分の溶脱が問題となって
いる従来の処理方法において、こうした処理の後処理、
前処理、あるいは同時処理として本発明の抗生物剤を使
用する処理を行うことで、従来の処理剤中に含まれる溶
脱し易い成分の固着性を高めることが可能となる。
【0036】(III)処理物品 本発明の抗生物剤は、様々な物品の表面処理および/ま
たは内部処理のための処理剤として利用可能であるが、
特に、多孔質性を有する物品に対して使用することで、
塗布処理においては形成される塗膜の物理的な強度が増
大し、また、含浸処理においては物品内部に固定される
処理剤量が増大するという好ましい効果を得ることがで
き極めて有用である。こうした多孔質物品の例は、金属
焼結体、鋳造品、合金、ダイカスト品、セラミックス、
レンガ、コンクリート、木材、木片、木粉、木質加工
品、モミ、藺草、藁、竹材、炭、繊維、繊維加工品、合
成樹脂の発泡体である。特に、植物由来の多孔質物品、
例えば、木材、木片、木粉、木質加工品、モミ、藺草、
藁、竹材、植物繊維、植物繊維加工品には、リグニン系
化合物、フラボノイド系化合物などの天然ポリフェノー
ル化合物が既に含まれているため、本発明の処理方法を
用いることで、これらの化合物を酸化反応および/また
は高分子量化反応の原料として有効に利用することが可
能となる。
【0037】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示し、さ
らに具体的に説明する。ただし、これらは単なる例示で
あり、本発明はこれらのみに限られるものではない。ま
た、以下の実施例において%とは特に記載しない限り重
量%を表す。なお、本発明においては、ポリフェノール
酸化作用を有する酵素蛋白質のポリフェノール酸化活性
の測定は、25℃において、20ppmのシリンガルダ
ジン(syringaldazine)、および100mMのTris
−HClバッファーもしくはリン酸カリウムバッファー
を含む水溶液中で、至適反応pHでの反応を行い、52
5nmの吸光度を測定することで行った。そして、1分
間に1μmolのシリンガルダジンを酸化する活性量を
1ユニット(以下、Uと略す。)と定義した。
【0038】参考例1:ポリフェノール酸化酵素の取得 本発明でポリフェノール酸化触媒として使用する酵素を
取得するため、グルコース(0.5%)およびNaNO
3(0.1%)、Na2HPO4・12H2O(1.34%)、K
2PO4(0.3%)、NaCl(0.1%)、ペプトン(0.
2%)、酵母エキス(20ppm)、MgSO4・7H2
O(0.01%)、CuSO4(0.1mM)からなる培地(3
リットル)に10%NaOHを加えてpHを8としたも
のを含む培養槽に、ミロセシウム・ヴェルカリア(Myro
thecium verrucaria)SD3001(工業技術院生命工
学工業研究所にFERM P-14955として寄託され、国際寄託
に移管されて受託番号FERM BP-5520が付与されてい
る。)を接種し、28℃、3日間の振とう培養を行っ
た。培養後、4℃での遠心分離により除菌された培養ブ
ロス2.5リットルを得た。次に、この培養ブロスの一部
を、ミニタン・フィルターパケット(CAT.NO.:PTGC0MP0
4,ミリポア社製)を用いるミニタン限外ろ過システム
(ミリポア社製)によって、分子量10,000以上の画分と
して濃縮した。これをさらに、NH4CO3(200pp
m)に対して透析後、凍結乾燥に供し、目的の酵素を粗
精製物として得た。本酵素標品のポリフェノールオキシ
ダーゼ活性は10U/mgであった。
【0039】実施例1:抗生物剤の調製 以下の第1剤と第2剤からなる抗生物剤Aを調製した。
第1剤:硫酸銅・5水和物12.5gとエチレンジアミン4.
5gに蒸留水と乳酸を加えてpH8.5の溶液100mlを
調製した。第2剤;リグニンスルホン酸(アルドリッチ
・ケミカル・カンパニから入手)20gと実施例1で得
た酵素(凍結乾燥品)0.01gに蒸留水と水酸化ナトリウ
ムを加えてpH8.5の溶液100mlを調製した。同様
に、表1〜3に示す量比で有効成分を含有する第1剤と
第2剤をそれぞれ調製し、表に示す組み合わせから構成
される抗生物剤B〜Uを調製した。pH調整を上記と同
様にして行ない、いずれもpH8.5の溶液とした。な
お、抗生物剤A、C、E、G、H〜RおよびTが本発明
に従う実施例であり、B、D、F、SおよびU(いずれ
も第2剤を有しない。)は比較例である。かくして得ら
れた抗生物剤A〜Uの第1剤と第2剤を、それぞれ全内
容積約120mlのガラス瓶に入れて密栓し、40℃で
3週間静置する安定性試験に供したが、沈殿や凝固など
液の不安定化は認められなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】実施例2:抗生物処理 実施例1で調製した各抗生物剤の第1剤と第2剤および
水をそれぞれ表4〜6に示す量比で混合して処理液(順
に処理液1〜21とする。)を調製し、スギ木片(2c
m×2cm×1cm、木口が2cm×2cm、辺材)に
対する含浸処理を行った。なお、含浸操作は、処理液中
にスギ木片を浸漬した後に650〜700mmHgでの
減圧を10分間実施し、さらに浸漬したまま常圧に10
分間置くことで行った。この含浸操作により、充分量
(3.0〜3.4g量)の処理液が注入されていることを、含
浸操作の前後の木片重量の測定により確認した。さら
に、含浸処理を終えた木片a〜uを28℃の恒温室に5
日間置き、乾燥と金属固着化反応を行った後に、水40
mlを加え、水面下に木片を沈めた状態で、マグネチッ
クスターラーを用いて回転子を回転させ、25±3℃で
8時間の撹拌を行うことで、溶脱操作を行った。そし
て、溶脱操作後の水(溶脱液)について、日本ジャーレ
ル・アッシュ社、ICAP-575IIを用いた、元素の高周波プ
ラズマ発光分光分析(ICP法)による溶出金属量の分
析を行い、試料木片中の金属残存量を求め、含浸された
金属量を100%として金属固着率(%)を計算した。
結果を表4〜6の最下欄に示す。フェノール性化合物を
含有する第2剤を併用することにより、これらを用いな
い処理液と比べて金属イオン固着率が顕著に改善されて
いることが示されている。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】実施例3:抗生物剤の調製および抗生物処
実施例2で示した抗生物剤Hにおいて、さらに第1剤1
00mlあたりにホウ酸30g、あるいはプロペタンホ
ス100mg+POE(10)ノニルフェニルエーテル
1gあるいはジデシルジメチルアンモニウムクロライド
1gを添加することにより抗生物剤V、WおよびXを調
製した。これらの添加成分を加えた各剤についても、調
製後2週間の静置により保存安定性を検討したが、いず
れも成分の分離や沈殿の生成、溶存金属イオン濃度の低
下等は見られなかった。抗生物剤V、W、Xそれぞれに
ついて、第1剤5ml、第2剤1ml、水94mlの割
合で処理液を調製して実施例2と同様に木片試料への含
浸処理および溶脱処理を行った。溶出金属イオンのIC
P法による分析を行い、金属イオン固着率を算出した。
その結果、各木片における金属残存率は90%、87%
および90%であり、ホウ酸などの薬剤を添加した場合
でも、本発明の抗生物剤による高い金属イオン固着作用
が維持されることが判明した。
【0048】実施例4:抗生物性試験 実施例2において含浸処理・溶脱操作を行った試験木片
a〜gおよびo〜uの抗菌試験を、JIS A 9201(木材防
腐剤の性能基準および試験方法(1991))に従って、オオ
ウズラタケ(Tyromyces palustris)FFPRI 0507(農林
水産省森林総合研究所より入手)を用いて実施した。試
験後に木片を培養瓶から取り出し、木片表面の菌糸を十
分に取り除き、約24時間風乾した後、前記と同様に、
乾燥器とデシケータを用いて十分に乾燥させてから重量
を測定し、木片重量の減少率を算出した。結果は表7〜
8に示す通りであり、本発明の抗生物剤を用いることに
より効果的な抗菌性の付与が可能であることが示され
た。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】実施例5:抗生物剤による物品処理 市販有孔レンガを破砕して得た概ね長方体の試験片(約
9cm×約5cm×約3cm)を処理物品として用い、
実施例2の処理液5(抗生物剤Eを含む。)、処理液6
(抗生物剤Fを含む。)または処理液16(抗生物剤P
を含む。)10mlを前記試験片の1つの面(約9cm
×約6cm)に塗布した。次に、各試験片を28℃の恒
温室に5日間置き、乾燥と固着化反応を行い、しかる
後、各々の試験片に水500mlを加えて静水中に5時
間浸漬することで溶脱操作を行った。それぞれの溶脱液
について、実施例2と同様にしてICP法による分析を行
い金属の固着率を算出した。本発明の抗生物剤E、Pを
含む処理液5、16で処理された試験片中の金属固着率
はそれぞれ65%、77%と高い値を示したが、比較例
である抗生物剤Fによる処理液6による処理では金属残
存率は10%であり、本発明の抗生物剤は、木材以外の
多孔質物品に対しても高い金属イオンの固着性を発揮す
ることが示された。
【0052】実施例6:処理液の経時安定性 実施例2で調製された処理液1、3、5、7、16およ
び17を100mlずつ、全内容積120mlのガラス
瓶に入れ25℃で保存した。7日および30日保存後に
処理液中の溶存金属イオン濃度を測定した。結果を表9
に示した。
【0053】
【表9】
【0054】さらに各期間保存後の処理液を用いて実施
例2と同様にスギ材に対して含浸処理を行い、実施例2
と同様にICP法により木片への金属イオンの固着率を
算出した。これらの結果を表10に示した。
【0055】
【表10】
【0056】上記の結果に示されるように、本発明の抗
生物剤では、処理液調製後1ヶ月程度保存しても、溶存
金属イオン濃度はほとんど低下せず、また固着性の低下
もほとんど認められなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の抗生物剤によれば、有効成分で
ある金属化合物および/または金属イオンの溶脱が抑え
られるため、抗生物性が長期にわたって有効な物品が得
られ、かつ金属溶脱による環境汚染の問題が生じない。
また、本発明の抗生物剤は2剤で構成されているため、
長期にわたって安定に保存することができる。しかも、
2剤の混合後も一定期間安定に保持できるため、多孔質
物品に対しても円滑に注入あるいは含浸することが可能
であり、調製した処理液を繰り返し用いることができ
る。従って、本発明の処理方法は、多孔質物品や複雑な
形状を有する物品に防腐性、防虫性などの抗生物性を付
与する簡便で経済的な方法として特に有効である。さら
に、本発明の抗生物剤で処理した物品は、抗酸化性を有
するフェノール性化合物を含有するため、鉄釘などの腐
食しやすい部品が接触した場合は、その腐食を抑制する
効果を有し、金属溶脱による環境汚染の問題がない。こ
のため、本発明による処理物品は建材などとして特に有
用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 37/38 A01N 37/38 59/20 59/20 Z 63/00 63/00 A // A01N 25/22 25/22

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)金属化合物および有機アルカリ化剤
    を含む第1剤と(2)フェノール性化合物を含む第2剤と
    を、使用に際して両剤を混合する形態で保持してなるこ
    とを特徴とする2剤型抗生物剤。
  2. 【請求項2】 第1剤に含まれる金属化合物が、銅化合
    物、亜鉛化合物、ニッケル化合物および銀化合物から選
    ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の
    抗生物剤。
  3. 【請求項3】 第1剤に含まれる有機アルカリ化剤が、
    エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
    ルアミンおよびエチレンジアミンから選ばれる少なくと
    も1種の化合物である請求項1または2に記載の抗生物
    剤。
  4. 【請求項4】 第2剤に含まれるフェノール性化合物
    が、ピロカテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、
    没食子酸、タンニン酸、フェルラ酸、リグニン、リグニ
    ンスルホン酸、ヒノキチオールおよびこれらの誘導体か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請
    求項1乃至3のいずれかに記載の抗生物剤。
  5. 【請求項5】 前記第1剤および/または第2剤が、さ
    らにホウ酸および/またはホウ素化合物を含有する請求
    項1乃至4のいずれかに記載の抗生物剤。
  6. 【請求項6】 前記第1剤および/または第2剤がさら
    にポリフェノール酸化触媒を含有する請求項1乃至5の
    いずれかに記載の抗生物剤。
  7. 【請求項7】 ポリフェノール酸化触媒がカテコールオ
    キシダーゼ、ラッカーゼ、ポリフェノールオキシダー
    ゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダ
    ーゼおよびペルオキシダーゼから選ばれる少なくとも1
    種の酵素である請求項6に記載の抗生物剤。
  8. 【請求項8】 前記第1剤と第2剤が1つの容器内に互
    いに混和しない状態で保持されている請求項1乃至7に
    記載の抗生物剤。
  9. 【請求項9】 第1剤と第2剤が仕切壁または仕切膜に
    よって分離された状態で容器内に収納されており、使用
    に際して前記仕切壁または仕切膜を破壊または除去して
    両剤の混合を行う請求項8に記載の抗生物剤。
  10. 【請求項10】 前記第1剤と第2剤がそれぞれ別個の
    容器に収納されており、使用に際して両剤を混合する請
    求項1乃至7に記載の抗生物剤。
  11. 【請求項11】 前記第1剤および/または第2剤が高
    濃度溶液または粉剤もしくは顆粒剤である請求項1乃至
    10のいずれかに記載の抗生物剤。
  12. 【請求項12】 前記第1剤および第2剤の成分とし
    て、または、それ以外の1または2以上の別剤として、
    さらに、抗菌剤、防腐剤、殺菌剤、防虫剤、抗ウィルス
    剤、生物忌避剤、その他の活性成分、または芳香剤、消
    臭剤、防錆剤、難燃化剤の少なくとも1種を含む多剤型
    抗生物剤。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    抗生物剤を用いることを特徴とする、多孔質物品の処理
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法で処理するこ
    とにより得られる抗生物性の付与された多孔質物品。
JP9348070A 1997-11-26 1997-12-17 2剤型抗生物剤および物品処理方法 Pending JPH11180809A (ja)

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