JP5430172B2 - 方位算出装置、方位算出装置の方位算出方法および方位算出プログラム - Google Patents

方位算出装置、方位算出装置の方位算出方法および方位算出プログラム Download PDF

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本発明は、例えば、移動体の方位の初期値を算出する方位算出装置、方位算出装置の方位算出方法および方位算出プログラムに関するものである。
GPS(Global Positioning System)のみを利用して姿勢方位を決定する従来技術では、アンテナ間の基線長が長い場合や、搬送波位相の観測ノイズが大きい廉価な受信機を使用した場合に、ミスFIX率が増加したり、FIX解が得られなかったりする。特に、可視衛星数が少ないときに起こりやすい。
特開2007−101484号公報 特開2007−163335号公報
本発明は、例えば、可視衛星数が少なくても正しい姿勢方位を少ない処理数で測定できるようにすることを目的とする。
本発明の方位算出装置は、対象物に設置される加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物に設置される第1のGPSアンテナから前記対象物に設置される第2のGPSアンテナへの線分を基線として基線ベクトルを表す三次元の成分のうち基線ベクトルの鉛直成分をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて算出する鉛直成分算出部と、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記第1のGPSアンテナにより観測される搬送波位相と前記第2のGPSアンテナにより観測される搬送波位相とに基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差をCPUを用いて算出する整数値バイアス算出部と、前記整数値バイアス算出部により算出された搬送波の整数値バイアスの二重差に基づいて、前記基線ベクトルを表す三次元の成分のうち前記基線ベクトルの鉛直成分を含まない前記基線ベクトルの二次元成分をCPUを用いて算出する二次元成分算出部と、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分算出部により算出された前記基線ベクトルの二次元成分とに基づいて、前記対象物の方位角をCPUを用いて算出する方位算出部とを備える。
本発明によれば、例えば、可視衛星数が少なくても正しい姿勢方位を少ない処理数で測定できる。
実施の形態1におけるIAGPS100の構成図。 実施の形態1における姿勢方位決定装置200のハードウェア資源の一例を示す図。 実施の形態1における姿勢方位標定方法を示すフローチャート。 実施の形態1における姿勢方位決定装置200の機能構成図。 実施の形態1における姿勢方位決定処理(S200)のフローチャート。 実施の形態1における3軸加速度値139と加速度姿勢値(φ、θ)との関係図。 実施の形態1における加速度姿勢値(φ、θ)と基線ベクトル鉛直成分値b abとの関係図。 実施の形態1におけるGPSアンテナ−GPS衛星間の距離ρと基線ベクトルbとの関係図。 実施の形態1における基線ベクトル探索の概念図。
実施の形態1.
特定体(移動体、停止物)にGPSアンテナおよび加速度計を設置し、GPSアンテナの観測データと加速度計の計測値とに基づいて特定体の姿勢方位(回転角[ロール角]、仰角[ピッチ角]、方位角[ヨー角])を決定する形態の一例を説明する。
図1は、実施の形態1におけるIAGPS100の構成図である。
実施の形態1におけるIAGPS100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
IAGPS100(Inertia Aided GPS)は、プラットフォーム101と姿勢方位決定装置200(方位算出装置の一例)とを有する。
プラットフォーム101は、3つのGPS(GPSアンテナ+GPS受信機)、3軸加速度計130および3軸ジャイロ140を備え、姿勢方位を決定したい移動体(図示省略)に設置(固定)される。プラットフォーム101は剛体であって変形せず、プラットフォーム101に備わる各機器の相対位置は変わらないものとする。
例えば、プラットフォーム101は、車両(移動体の一例)の天板に設置される。
各GPSアンテナ(111、112、113)は、可視であるGPS衛星(図示省略)から到達した搬送波および当該搬送波の位相(以下、「搬送波位相」という)を観測(検出)する。搬送波は、複数存在するGPS衛星(可視、不可視ともに)それぞれから発信され、GPS衛星の軌道情報や搬送波の発信時刻(GPS衛星の内部時計に基づく時刻)などの情報を搬送する。搬送波位相は、GPS衛星からGPSアンテナまでの距離内に収まる搬送波の個数(整数値+小数値)の小数値に相当する。搬送波の個数の整数値に相当するものを「整数値バイアス」という。
各GPSアンテナは1直線状に並ばないように配置されている。
各GPSアンテナはいずれかのGPS受信機と接続している。
各GPS受信機(121、122、123)は、自己と接続するGPSアンテナにより検出された搬送波から当該搬送波により搬送された情報を取得し、取得した情報に基づいて当該GPSアンテナの位置を測位する。
3軸加速度計130は、任意の座標系(以下、「本体座標系」という)を表す3軸(x、y、z)それぞれの方向におけるプラットフォーム101の加速度を計測する。
3軸ジャイロ140は、本体座標系を表す3軸それぞれの方向におけるプラットフォーム101の角速度を計測する。
例えば、本体座標系は、プラットフォーム101の長手方向を「x軸」、プラットフォーム101の幅方向を「y軸」、プラットフォーム101のxy平面と直交する方向を「z軸」として表される。
姿勢方位決定装置200は、各GPSアンテナにより検出された搬送波位相、各GPS受信機により搬送波から取得された情報、各GPS受信機により測位されたGPSアンテナの位置、3軸加速度計130により計測されたプラットフォーム101の加速度および3軸ジャイロ140により計測されたプラットフォーム101の角速度に基づいて、プラットフォーム101を設置された移動体の姿勢方位を決定する。
以下、GPSアンテナa111を主局「a」、GPSアンテナb112を従局(1)「b」、GPSアンテナc113を従局(2)「c」とする。
また、主局aから従局bへの線分のベクトルを基線ベクトル「bab」、主局aから従局cへの線分のベクトルを基線ベクトル「bac」とする。
また、本体座標系(xyz座標系)における基線ベクトルを「b ab」「b ac」と記し、姿勢方位決定装置200により決定する移動体の姿勢方位を表す座標系(以下、「航法座標系」という)における基線ベクトルを「b ab」「b ac」と記す。
本体座標系の基線ベクトル(b ab、b ac)は、予め計測されているものとする。
図2は、実施の形態1における姿勢方位決定装置200のハードウェア資源の一例を示す図である。
図2において、姿勢方位決定装置200は、CPU911(Central Processing Unit)(マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介して通信ボード、表示装置、キーボード、マウス、ドライブ装置、プリンタ装置(以上、図示省略)、記憶装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。ドライブ装置は、FD(Flexible Disk)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体を読み書きする装置である。ROM、RAM、磁気ディスク装置は、記憶装置920の一例である。
通信ボードは、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、電話回線などの通信網に接続している。
記憶装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれる。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、また「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
ファイル群924には、実施の形態において説明する「〜部」で使用される各種データ(入力、出力、判定結果、計算結果、処理結果など)が含まれる。
例えば、ファイル群924には、各GPSアンテナにより検出された搬送波位相、各GPS受信機により搬送波から取得された情報、各GPS受信機により測位されたGPSアンテナの位置(以下、「GPS観測データ129」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、3軸加速度計130を構成するx軸加速度計131、y軸加速度計132およびz軸加速度計133それぞれにより計測されたプラットフォーム101の加速度を示す値(以下、「3軸加速度値139」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、3軸ジャイロ140を構成するx軸ジャイロ141、y軸ジャイロ142およびz軸ジャイロ143それぞれにより計測されたプラットフォーム101の角速度を示す値(以下、「3軸角速度値149」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、姿勢方位決定装置200によりGPS観測データ129と3軸加速度値139とに基づいて決定される停止時の移動体の姿勢方位の値(以下、「姿勢方位初期値291」という)、姿勢方位決定装置200により姿勢方位初期値291とGPS観測データ129と3軸角速度値149とに基づいて標定される移動開始後の移動体の姿勢方位の値(以下、「姿勢方位値292」という)が含まれる。
実施の形態において構成図およびフローチャートに含まれている矢印は主としてデータや信号の入出力を示す。
実施の形態において「〜部」として説明するものは「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実装されても構わない。
図3は、実施の形態1における姿勢方位標定方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における姿勢方位標定方法について、図3に基づいて以下に説明する。
まず、プラットフォーム101を設置された移動体の停止時に、各GPS(GPSアンテナ+GPS受信機)によりGPS観測データ129を取得し、3軸加速度計130により3軸加速度値139を取得する(S100)。
そして、姿勢方位決定装置200は、S100において取得されたGPS観測データ129と3軸加速度値139とに基づいて、移動体の姿勢方位初期値291を決定する(S200:姿勢方位決定処理)。
姿勢方位決定処理(S200)の詳細については後述する。
移動体の移動開始後、各GPSによりGPS観測データ129を取得し、3軸ジャイロ140により3軸角速度値149を取得する(S300)。
姿勢方位決定装置200は、姿勢方位初期値291、GPS観測データ129および3軸角速度値149に基づいて移動体の姿勢方位値292を標定する(S400:姿勢方位標定処理)。
姿勢方位標定処理(S400)として、例えば、特許文献2に開示されている技術「姿勢標定方法」を用いることができる。
上記姿勢方位標定方法により、移動体の姿勢方位初期値291を決定し(S100〜S200)、姿勢方位初期値291を用いて移動体の移動開始後の姿勢方位値292を標定することができる(S300〜S400)。
図4は、実施の形態1における姿勢方位決定装置200の機能構成図である。
実施の形態1における姿勢方位決定装置200の機能構成について、図4に基づいて以下に説明する。
姿勢方位決定装置200(方位算出装置の一例)は、加速度姿勢算出部210、基線ベクトル鉛直成分算出部211(鉛直成分算出部の一例)、整数値バイアス候補算出部220(プライマリ衛星選択部、整数値バイアス算出部の一例)、基線ベクトル候補算出部230(二次元成分算出部の一例)、基線ベクトル残差検定部240(二次元成分二次候補選択部の一例)、基線ベクトルなす角検定部250(二次元成分三次候補の一例)、方向余弦行列候補算出部260、方向余弦行列姿勢検定部261(方位算出部、姿勢方位決定部の一例)、姿勢方位標定部270および装置記憶部290を備える。
装置記憶部290は、各「〜部」で使用される各種データを記憶媒体を用いて記憶する。
例えば、装置記憶部290には、移動体の停止時および移動体の移動開始後に各GPSにより取得されたGPS観測データ129、移動体の停止時に3軸加速度計130により取得された3軸加速度値139および移動体の移動開始後に3軸ジャイロ140により取得された3軸角速度値149が記憶される。
加速度姿勢算出部210は、3軸加速度値139に基づいて移動体の姿勢値(ロール角φ、ピッチ角θ)を「加速度姿勢値」としてCPUを用いて算出する。
基線ベクトル鉛直成分算出部211は、加速度姿勢算出部210により算出された加速度姿勢値(φ、θ)に基づいて、航法座標系におけるプラットフォーム101の基線ベクトル(b ab、b ac)を表す三次元成分のうち鉛直成分(b ab、b ac)を「基線ベクトル鉛直成分値」としてCPUを用いて算出する。
プラットフォーム101の各GPSアンテナにおいて、4機以上のGPS衛星から搬送波(および搬送波位相)を観測できるものとする。
整数値バイアス候補算出部220は、プラットフォーム101の各GPSアンテナにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」としてCPUを用いて選択する。
整数値バイアス候補算出部220は、基線ベクトル鉛直成分算出部211により算出された基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)と各GPSアンテナにより観測された各プライマリ衛星からの搬送波の搬送波位相に基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補(以下、「整数値バイアス候補(∇ΔN)」という)をCPUを用いて複数算出する。搬送波位相はGPS観測データ129に含まれる。
基線ベクトル候補算出部230は、整数値バイアス候補算出部220により算出された複数の整数値バイアス候補(∇ΔN)それぞれに基づいて、基線ベクトル(b ab、b ac)を表す三次元の成分のうち基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)を含まない基線ベクトルの二次元成分の候補を二次元成分候補としてCPUを用いて複数算出する。
以下、基線ベクトル鉛直成分算出部211により算出された基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)と基線ベクトル候補算出部230により算出された二次元成分候補との組み合わせにより表される基線ベクトル(b ab、b ac)を「基線ベクトル一次候補」という。
基線ベクトル残差検定部240は、プライマリ衛星以外のGPS衛星を「セカンダリ衛星」とし、各GPSアンテナにより観測されたセカンダリ衛星からの搬送波の搬送波位相に基づいて、複数の基線ベクトル一次候補(b ab、b ac)から「基線ベクトル二次候補」をCPUを用いて選択する。
基線ベクトルなす角検定部250は、本体座標系(xyz座標系)で予め計測された基線ベクトル(b ab、b ac)に基づいて、基線ベクトル二次候補(b ab、b ac)から「基線ベクトル三次候補」をCPUを用いて選択する。
方向余弦行列候補算出部260は、基線ベクトルなす角検定部250により選択された基線ベクトル三次候補(b ab、b ac)に基づいて、本体座標系の値を航法座標系の値に変換する方向余弦行列(C )の候補(以下、「方向余弦行列候補」という)をCPUを用いて算出する。
方向余弦行列姿勢検定部261は、方向余弦行列候補算出部260により算出された方向余弦行列候補(C )と加速度姿勢算出部210により算出された加速度姿勢値(φ、θ)とに基づいて、姿勢方位初期値291をCPUを用いて算出する。
姿勢方位標定部270は、姿勢方位初期値291、GPS観測データ129および3軸角速度値149に基づいて、移動開始後の移動体の姿勢方位値292をCPUを用いて算出する(S400:姿勢方位標定処理)。
例えば、姿勢方位標定部270は、特許文献1に開示されている技術により、姿勢方位値292を算出する。
図5は、実施の形態1における姿勢方位決定処理(S200)のフローチャートである。
姿勢方位標定方法(図3参照)において姿勢方位初期値291を決定する姿勢方位決定処理(S200)について、図5に基づいて以下に説明する。
姿勢方位決定装置200の各「〜部」は、以下に説明する処理(S210〜S261)をCPUを用いて実行する。
以下、NED(North East Down)座標系(局所水平座標系の一例)を航法座標系として説明する。
加速度姿勢算出部210は加速度姿勢値(φ、θ)を算出し(S210)、基線ベクトル鉛直成分算出部211は加速度姿勢値(φ、θ)に基づいて基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)を算出する(S211)。
整数値バイアス候補算出部220は基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)を用いて整数値バイアス候補(∇ΔN)を算出する(S220)。
基線ベクトル候補算出部230は整数値バイアス候補(∇ΔN)に基づいて基線ベクトル一次候補(b ab、b ac)を算出し(S230)、基線ベクトル残差検定部240は二重差残差検定により基線ベクトル二次候補(b ab、b ac)を選定し(S240)、基線ベクトルなす角検定部250は(b ab、b ac)のなす角に基づいて基線ベクトル三次候補(b ab、b ac)を選定する(S250)。
方向余弦行列候補算出部260は基線ベクトル三次候補(b ab、b ac)に基づいて方向余弦行列候補(C )を算出し(S260)、方向余弦行列姿勢検定部261は加速度姿勢値(φ、θ)に基づいて方向余弦行列(C )を決定し、決定した方向余弦行列(C )に基づいて算出される移動体の姿勢方位初期値291(φ、θ、ψ)を出力する(S261)。
以下に各処理(S210〜S261)の詳細について説明する。
<S210>
加速度姿勢算出部210は、装置記憶部290から3軸加速度値139を取得し、取得した3軸加速度値139に基づいて静止時の移動体の姿勢値を加速度姿勢値(φ、θ)として算出する。
図6は、実施の形態1における3軸加速度値139と加速度姿勢値(φ、θ)との関係図である。
図6において、重力加速度を「g」、x軸加速度値を「I」、y軸加速度値を「I」、z軸加速度値を「I」と記す。
静止している移動体には主に重力加速度gがかかっている。
このため、移動体がx軸回りに回転している場合、図6(a)に示すように、重力加速度gとしてy軸加速度値Iおよびz軸加速度値Iが計測される。加速度姿勢値(ロール角φ)はy軸加速度値Iとz軸加速度値Iとの大小比率に基づいて算出される。
また、移動体がy軸回りに回転している場合、図6(b)に示すように、重力加速度gとしてx軸加速度値Iおよびz軸加速度値Iが計測される。加速度姿勢値(ピッチ角θ)はz軸加速度値Iとz軸加速度値Iとの大小比率に基づいて算出される。
図5に戻り、姿勢方位決定処理(S200)の説明を続ける。
S210の後、処理はS211に進む。
<S211>
基線ベクトル鉛直成分算出部211は、S210において算出された加速度姿勢値(φ、θ)に基づいて、基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)を算出する。
図7は、実施の形態1における加速度姿勢値(φ、θ)と基線ベクトル鉛直成分値b abとの関係図である。
図7において、基線ベクトルb abのy軸成分を「b ab」、基線ベクトルb abのx軸成分を「b ab」と記す。
移動体がロール角φ分回転している場合、基線ベクトル鉛直成分値b abはロール角φと基線ベクトルのy軸成分b abと図7(a)に示すような関係にある。
また、移動体がピッチ角θ分回転している場合、基線ベクトル鉛直成分値b abはピッチ角θと基線ベクトルのx軸成分b abと図7(b)に示すような関係にある。
基線ベクトル鉛直成分値b abは、ロール角φ、基線ベクトルのy軸成分b ab、ピッチ角θ、基線ベクトルのx軸成分b abに基づいて算出される。基線ベクトル鉛直成分値b acも同様である。
図5に戻り、姿勢方位決定処理(S200)の説明を続ける。
S211の後、処理はS220に進む。
<S220>
整数値バイアス候補算出部220は、S211において算出された基線ベクトル鉛直成分値(b ab、b ac)を用いて整数値バイアス候補(∇ΔN)を以下のようにして算出する。
プラットフォーム101の各GPSアンテナにおいて、4機以上のGPS衛星から搬送波を観測しているものとする。
整数値バイアス候補算出部220は、装置記憶部290からGPS観測データ129を取得する。GPS観測データ129には、GPSアンテナにより観測された搬送波位相、GPS受信機による測位結果、各GPS衛星の軌道情報などが含まれている。
整数値バイアス候補算出部220は、各GPSアンテナにより搬送波を観測された4機以上のGPS衛星から3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」として選択する。例えば、整数値バイアス候補算出部220は、搬送波が観測されたときの各GPS衛星の配置に基づいて、移動体から見て天頂方向で互いに重ならない3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」として選択する。各GPS衛星の配置は、GPS観測データ129に含まれる軌道情報から算出される。
以下、3機のプライマリ衛星を「衛星i」「衛星j」「衛星k」とし、4機目以降のセカンダリ衛星を「衛星l」「衛星m」・・・とする。
以下の各記号において、右上の添え字「i」「j」「k」「l」「m」・・・は対応するGPS衛星を示し、右下の添え字「a」「b」「c」は対応するGPSアンテナを示す。
GPSアンテナa111により衛星iから観測された搬送波位相(に相当する距離)Φ は、(式1)で表される。
Figure 0005430172
GPSアンテナb112により衛星iから観測された搬送波位相Φ 、GPSアンテナa111により衛星jから観測された搬送波位相Φ 、GPSアンテナb112により衛星jから観測された搬送波位相Φ も同様である。
搬送波位相Φ と搬送波位相Φ との差である搬送波位相一重差ΔΦ abは、(式1)に基づいて、(式2)で表される。搬送波位相Φ と搬送波位相Φ との差である搬送波位相一重差ΔΦ abも同様である。
さらに、搬送波位相一重差ΔΦ abと搬送波位相一重差ΔΦ abとの差である搬送波位相二重差∇ΔΦij abは、(式2)に基づいて、(式3)で表される。
(式2)(式3)において、「Δ」は一重差を示し、「∇Δ」は二重差を示している。また、受信機ノイズε(Φrx)、マルチパスε(Φmult)およびアンテナフェーズセンターオフセットε(Φant)を纏めて観測誤差ε(Φ)で表している。
Figure 0005430172
ここで、GPSアンテナ間の距離がそれほど大きくない場合、衛星の軌道誤差dρ、電離層遅延dionおよび対流圏遅延dtrop(以上、添え字省略)はGPSアンテナ間でほぼ等しいため、各二重差はほぼ「0」となる。
これにより、(式3)は(式4)で表すことができる。
Figure 0005430172
搬送波位相二重差∇ΔΦ(添え字省略)に観測誤差二重差ε(∇ΔΦ)を含めると、GPSアンテナからGPS衛星までの距離の二重差∇Δρ(添え字省略)は、(式4)に基づいて(式5)で表される。
Figure 0005430172
また、距離の二重差∇Δρは、基線ベクトルbabに基づいて、以下のように表される。
図8は、実施の形態1におけるGPSアンテナ−GPS衛星間の距離ρと基線ベクトルbとの関係図である。
図8の関係に基づいて、GPSアンテナa111から衛星iまでの距離ρ とGPSアンテナb112から衛星iまでの距離ρ との差を示す距離の一重差Δρ abは、基線ベクトルbabとGPSアンテナa111から衛星iへのLOS(Line Of Sight)ベクトルe を用いて、(式6)で表される。衛星jについての距離の一重差Δρ abも同様である。
そして、Δρ abとΔρ abとの差を示す距離の二重差∇Δρは、(式6)に基づいて(式7)で表される。
Figure 0005430172
したがって、(式5)と(式7)とに基づいて(式8)に示す関係が成り立つ。
Figure 0005430172
(式8)において、搬送波位相二重差∇ΔΦはGPS観測データ129に含まれる搬送波位相Φに基づいて算出される値である。
また、搬送波の波長λは固定値である。例えば、L1周波数帯(1575.42MHz)の搬送波の波長λは「約19cm」である。
また、LOSベクトルeは、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とに基づいて算出される値であり、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とはGPS観測データ129に含まれる値である。
また、基線ベクトルbabを表す3次元成分のうち鉛直成分は、S211において基線ベクトル鉛直成分値b abとして算出されている。
したがって、(式8)において整数値バイアス二重差∇ΔNを含んだ中辺と基線ベクトルbabを含んだ右辺との中で未知である値は、整数値バイアス二重差∇ΔNと基線ベクトルbabの2次元成分(鉛直成分以外)との3つの値である。
(式8)に衛星iと衛星kとについて距離の二重差∇Δρの関係式を加えると(式9)が生成される。
(式9)は、右辺を航法座標系(NED座標系)の3成分に分けて(式10)で表し、さらに、右辺を鉛直成分b abとその他の2成分とに分けて(式11)で表すことができる。
Figure 0005430172
以下、記号「w」「Ane」「bne」「a」を用いて(式11)を(式12)で表す。
Figure 0005430172
基線ベクトルbabの鉛直成分b abを除いた二成分を示す行列bneは、(式12)に基づいて(式13)で表される。
Figure 0005430172
また、基線ベクトルbabの長さBは(式14)で表すことができるため、行列bneを用いて(式15)の関係が成り立つ。
(式13)を用いて(式15)を展開すると(式16)になり、(式16)の行列Aneについて纏めると(式17)になる。
Figure 0005430172
(式17)右辺の行列Aneを用いた逆行列は対象行列なので、(式18)のようにコレスキー分解することができる。
Figure 0005430172
ここで、NED座標系における基線ベクトルbabの二成分(b ab、b ab)の代わりとして、任意の座標系における基線ベクトルbabの二成分(b1、b2)を(式19)で定義する。
(式19)を(式12)に基づいて展開すると(式20)になる。
Figure 0005430172
基線ベクトルbabの長さBを用いて(式21)が成り立つから、「b2」は(式21)を拘束条件として(式22)で表される。
(式22)を(式20)に基づいて展開すると(式23)となる。
Figure 0005430172
したがって、衛星iと衛星kとについての整数値バイアス二重差∇ΔNは、(式23)に基づいて(式24)で表される。整数値バイアス二重差∇ΔNは、(式24)で表される範囲に含まれる整数のいずれかである。
Figure 0005430172
また、「b1」は、(式20)により(式25)で表されると共に、(式21)により(式26)で表される。
Figure 0005430172
したがって、衛星iと衛星jとについての整数値バイアス二重差∇ΔNは、(式25)と(式26)とに基づいて(式27)で表される。
Figure 0005430172
S220(図5参照)において、整数値バイアス候補算出部220は、(式24)で表される範囲内の全ての整数を整数値バイアス候補∇ΔNab ijとして算出し、(式27)で表される2つの整数を整数値バイアス候補∇ΔNab ikとして算出する。
同様に、整数値バイアス候補算出部220は、整数値バイアス候補∇ΔNac ijと整数値バイアス候補∇ΔNac ikとを算出する。
S220の後、処理はS230に進む。
<S230>
基線ベクトル候補算出部230は、S220において算出された複数の整数値バイアス候補∇ΔNab ijと2つの整数値バイアス候補∇ΔNab ikとの全組み合わせを生成する。例えば、整数値バイアス候補∇ΔNab ijの数が「20個」、整数値バイアス候補∇ΔNab ikの数が「2個」の場合、基線ベクトル候補算出部230は40(=20×2)通りの整数値バイアス候補の組み合わせを生成する。
そして、基線ベクトル候補算出部230は、(式12)の定義に基づいて各整数値バイアス候補の組み合わせ(∇ΔNab ij、∇ΔNab ik)を(式13)に代入し、航法座標系における基線ベクトルbabの二成分(b ab、b ab)の候補を算出する。
以下、基線ベクトル鉛直成分値b abと基線ベクトルbabの二成分(b ab、b ab)の各候補とで表される航法座標系における基線ベクトルを「基線ベクトル一次候補」という。
S230において基線ベクトル一次候補b abは、整数値バイアス候補の組み合わせと同じ数算出される。
同様に、基線ベクトル候補算出部230は、基線ベクトル一次候補b acを算出する。
S230の後、処理はS240に進む。
<S240:二重差残差検定>
基線ベクトル残差検定部240は、S230において算出された基線ベクトル一次候補(b ab、b ac)に対して以下のように二重差残差検定を行い、基線ベクトル二次候補を選定する。
セカンダリ衛星lを対象とした距離の二重差∇Δρはプライマリ衛星(j、k)と同様に(式28)で表され、整数値バイアス二重差∇ΔNab ilは(式28)に基づいて(式29)で表される。
Figure 0005430172
まず、基線ベクトル残差検定部240は、各基線ベクトル一次候補b abを(式29)に代入し、整数値バイアス二重差∇ΔNab ilを算出する。整数値バイアス二重差∇ΔNab ilは、基線ベクトル一次候補b abと同じ数算出される。
(式29)において、搬送波位相二重差∇ΔΦはGPS観測データ129に含まれる搬送波位相Φに基づいて算出される値である。
また、搬送波の波長λは固定値である。
また、LOSベクトルeは、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とに基づいて算出される値であり、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とはGPS観測データ129に含まれる値である。
同様に、基線ベクトル残差検定部240は、他のセカンダリ衛星についても整数値バイアス二重差を算出する。
次に、基線ベクトル残差検定部240は、各整数値バイアス二重差∇ΔNを用いて(式30)を計算し、行列vを算出する。
Figure 0005430172
また、基線ベクトル残差検定部240は、GPS受信機の観測誤差(受信機ノイズ)の共分散行列Cを(式31)により算出する。
Figure 0005430172
次に、基線ベクトル残差検定部240は、行列vと共分散行列Cとを用いて(式32)を計算し、行列vを正規化した統計値Tを算出する。
Figure 0005430172
GPS受信機の観測誤差はランダム誤差(ホワイトノイズ)であるため、行列v内の各値の平均値はほぼ「0」になり、行列v内の各値は正規分布すると考えられる。
さらに、行列vを正規化した統計値Tは、χ分布(分散「1」、自由度「ndd−3」)(以下同じ)に従うと考えられる。統計値Tは、観測誤差の影響により当該行列vの値となる確率を示す。
そこで、基線ベクトル残差検定部240は、以下の条件(a)を満たす基線ベクトル一次候補b abを基線ベクトル二次候補として選定する。
(a)統計値Tがχ分布において所定の有意水準(危険率ともいう)(例えば、1%または5%)以上である。
条件(a)を満たさない場合、基線ベクトル一次候補b abが正しいにも関わらず当該行列vの値となる確率は有意水準未満(例えば、1%未満または5%未満)であり、基線ベクトル一次候補b abが正しくない可能性が高いためである。
同様に、基線ベクトル残差検定部240は、基線ベクトル二次候補b acを選定する。
S240の後、処理はS250に進む。
<S250:なす角検定>
基線ベクトルbabと基線ベクトルbacとがなす角は、航法座標系と本体座標系とで等しい。
また、基線ベクトルbabと基線ベクトルbacとがなす角θは(式33)で表される。
そして、航法座標系における基線ベクトル(b ab、b ac)がなす角と本体座標系における基線ベクトル(b ab、b ac)がなす角との差Δθは、(式33)に基づいて、(式34)で表される。
Figure 0005430172
S250において、基線ベクトルなす角検定部250は、各基線ベクトル二次候補(b ab、b ac)と予め計測されている本体座標系における基線ベクトル(b ab、b ac)とを(式34)に代入し、なす角の差Δθを算出する。
そして、基線ベクトルなす角検定部250は、なす角の差Δθが所定値以下である基線ベクトル二次候補(b ab、b ac)を基線ベクトル三次候補として選定する。
S250の後、処理はS260に進む。
<S260>
本体座標系の値を航法座標系の値に変換する方向余弦行列C は、(式35)で表すことができる。
Figure 0005430172
S260において、方向余弦行列候補算出部260は、本体座標系における基線ベクトル(b ab、b ac)と各基線ベクトル三次候補(b ab、b ac)とを(式35)に代入し、方向余弦行列C の候補を算出する。
S260の後、処理はS261に進む。
<S261:加速度姿勢検定>
基線ベクトル(b ab、b ac)が示す移動体の姿勢方位(φ、θ、ψ)は、方向余弦行列C を用いて(式36〜38)で表すことができる。
Figure 0005430172
S261において、方向余弦行列姿勢検定部261は、(式36〜38)に基づいて方向余弦行列C の候補毎に移動体の姿勢方位(φ、θ、ψ)を算出する。
そして、方向余弦行列姿勢検定部261は、S210において算出された加速度姿勢値(φ、θ)に最も近い姿勢(φ、θ)を含んだ姿勢方位(φ、θ、ψ)を姿勢方位初期値291に決定し、決定した姿勢方位初期値291を装置記憶部290に記憶する。方向余弦行列姿勢検定部261は、決定した姿勢方位初期値291を所定の出力装置(例えば、表示装置)に出力してもよい。
上記の姿勢方位決定処理(S210〜S261)により、姿勢方位初期値291を決定することができる。そして、姿勢方位初期値291を元にして、移動開始後の移動体の姿勢方位値292を標定することができる(S400)。
実施の形態1において、以下のようなIAGPS100について説明した。
IAGPS100は、複数のGPSの搬送波位相(二重位相差)を使用する。
剛体であるプラットフォーム101には、3台のGPSアンテナと3軸の加速度センサ(3軸加速度計130)とが構成されている。3台のGPSアンテナは、相対位置が変化しないように、また1直線状に並ばないようにプラットフォーム101に設置されている。3軸の加速度センサは、プラットフォーム101と一緒に動くように取り付けられ、それぞれ直交する3軸の加速度を計測する。
姿勢方位決定装置200(または、姿勢方位決定装置200の姿勢方位決定方法)は、このプラットフォーム101を固定された対象物の姿勢方位を決定する装置(または、アルゴリズム)である。
このような構成のIAGPS100には、以下のメリットがある。
1)搬送波の整数値バイアスを3次元の球面近傍の空間からではなく、2次元の円近傍の空間から探索することが出来、整数値バイアスの候補数を少なくすることができる。1)について後述する。
2)1)により計算負荷および処理時間が削減されるため、姿勢方位決定装置200として使用できる計算機の幅が広がる。つまり、高性能(高価)でない計算機を姿勢方位決定装置200として使用することができる。
3)1)により誤った整数値バイアス候補を大幅に削減できることから、最終的な解のミスFIX率(誤った整数値バイアス候補を最終的な解として採用してしまう割合)を削減することが出来る。
4)GPSの観測データから求めた姿勢角と、加速度計を用いて求めた姿勢角とを比較することで、最終的なミスFIX率をさらに削減することが出来る(S261参照)。
5)従来のGPSを用いた姿勢決定システムには、ミスFIXをなるべく少なくするためにノイズの少ない専用受信機が使用されることが多い。しかし、実施の形態のIAGPS100では、3)および4)で述べたようにミスFIX率を削減できるため、廉価なGPS受信機を使用することができる。
6)1)により可視衛星が4つあればGPSを用いて姿勢方位を決定することができ、GPSを用いた姿勢方位決定のアベイラビリティを向上することが出来る。
図9は、実施の形態1における基線ベクトル探索の概念図である。
前記1)のメリットについて、図9に基づいて以下に説明する。
姿勢方位決定処理(S200)の説明で述べたように(図5参照)、基線ベクトルは整数値バイアスに基づいて算出される(S230)。
したがって、搬送波の整数値バイアス(二重差)の探索は、基線ベクトルを探索することと等しい。
図9において、従局bは、主局aを中心とし、基線ベクトル(b ab、b ab)の長さを半径とする球面上(またはその近傍)に位置する。
ここで、基線ベクトルb abの鉛直成分値b abは、加速度姿勢値に基づいて算出されている(S211)。このため、従局bは、主局aから鉛直成分値b abだけ離れた点を中心とする円周上(またはその近傍)に位置することになる。
つまり、2次元の円近傍の空間を探索することにより、基線ベクトルb abの候補を特定することができる。一方、鉛直成分値b abが不明である場合、基線ベクトルb abの候補を特定するためには、3次元の球面近傍の空間を探索する必要がある。
例えば、基線ベクトルが「2m」程度である場合、前記S220〜S230と同様にして3次元の球面近傍の空間を探索すると基線ベクトルの候補数は「1300」ほどになるが、2次元の円近傍の空間を探索する本方式の前記S220〜S230では基線ベクトルの候補数が「40」程度である。
実施の形態1において、複数の基線ベクトル候補(整数値バイアス候補)から一つの姿勢方位初期値291を決定するために行われる二重差残差検定(S240)、なす角検定(S250)および加速度姿勢検定(S261)は、いずれか一つまたは二つが実行されても、実行順序が変わっても、他の検定が加わっても構わない。
例えば、二重差残差検定(S240)においてχ分布の確率密度が最も高い統計値Tに対応する基線ベクトルの組み合わせ(b ab、b ac)を選定し、選定した基線ベクトルの組み合わせに基づいて姿勢方位初期値291を算出しても構わない。
また、なす角検定(S250)において本体座標系のなす角との差Δθが最も小さい基線ベクトルの組み合わせ(b ab、b ac)を選定し、選定した基線ベクトルの組み合わせに基づいて姿勢方位初期値291を算出しても構わない。
100 IAGPS、101 プラットフォーム、111 GPSアンテナa、112 GPSアンテナb、113 GPSアンテナc、121 GPS受信機a、122 GPS受信機b、123 GPS受信機c、129 GPS観測データ、130 3軸加速度計、131 x軸加速度計、132 y軸加速度計、133 z軸加速度計、139 3軸加速度値、140 3軸ジャイロ、141 x軸ジャイロ、142 y軸ジャイロ、143 z軸ジャイロ、149 3軸角速度値、200 姿勢方位決定装置、210 加速度姿勢算出部、211 基線ベクトル鉛直成分算出部、220 整数値バイアス候補算出部、230 基線ベクトル候補算出部、240 基線ベクトル残差検定部、250 基線ベクトルなす角検定部、260 方向余弦行列候補算出部、261 方向余弦行列姿勢検定部、270 姿勢方位標定部、290 装置記憶部、291 姿勢方位初期値、292 姿勢方位値、911 CPU、912 バス、920 記憶装置、921 OS、923 プログラム群、924 ファイル群。

Claims (4)

  1. 対象物に設置される加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物に設置される第1のGPS(Global Positioning System)アンテナから前記対象物に設置される第2のGPSアンテナへの線分を基線として基線ベクトルを表す三次元の成分のうち基線ベクトルの鉛直成分をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて算出する鉛直成分算出部と、
    前記第1のGPSアンテナと前記第2のGPSアンテナとにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星をプライマリ衛星としてCPUを用いて選択するプライマリ衛星選択部と、
    前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と、前記第1のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相と、前記第2のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補をCPUを用いて整数値バイアス候補として複数算出する整数値バイアス算出部と、
    前記整数値バイアス算出部により算出された複数の整数値バイアス候補それぞれに基づいて、前記基線ベクトルを表す三次元の成分のうち前記基線ベクトルの鉛直成分を含まない前記基線ベクトルの二次元成分の候補をCPUを用いて二次元成分候補として複数算出する二次元成分算出部と、
    前記プライマリ衛星選択部により選択されたプライマリ衛星以外のGPS衛星をセカンダリ衛星として前記第1のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相と前記第2のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、前記二次元成分算出部により算出された複数の二次元成分候補から二次元成分二次候補をCPUを用いて選択する二次元成分二次候補選択部と、
    前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角との候補をCPUを用いて姿勢方位候補として複数算出する方位算出部と、
    前記加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを加速度姿勢としてCPUを用いて算出する加速度姿勢算出部と、
    前記方位算出部により算出された複数の姿勢方位候補と前記加速度姿勢算出部により算出された加速度姿勢とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを決定する姿勢方位決定部と
    を備えたことを特徴とする方位算出装置。
  2. 前記方位算出装置は、さらに、
    前記鉛直成分算出部により算出される前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択される二次元成分二次候補とは異なる座標系で予め計測される基線ベクトルに基づいて、前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補から二次元成分三次候補をCPUを用いて選択する二次元成分三次候補選択部を備え、
    前記方位算出部は、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分三次候補選択部により選択された二次元成分三次候補とに基づいて前記姿勢方位候補を算出する
    ことを特徴とする請求項記載の方位算出装置。
  3. 鉛直成分算出部とプライマリ衛星選択部と整数値バイアス算出部と二次元成分算出部と二次元成分二次候補選択部と方位算出部と加速度姿勢算出部と姿勢方位決定部とを備える方位算出装置の方位算出方法であり、
    前記鉛直成分算出部が、対象物に設置される加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物に設置される第1のGPS(Global Positioning System)アンテナから前記対象物に設置される第2のGPSアンテナへの線分を基線として基線ベクトルを表す三次元の成分のうち基線ベクトルの鉛直成分をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて算出し、
    前記プライマリ衛星選択部が、前記第1のGPSアンテナと前記第2のGPSアンテナとにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星をプライマリ衛星としてCPUを用いて選択し、
    前記整数値バイアス算出部が、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と、前記第1のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相と、前記第2のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補をCPUを用いて整数値バイアス候補として複数算出し、
    前記二次元成分算出部が、前記整数値バイアス算出部により算出された複数の整数値バイアス候補それぞれに基づいて、前記基線ベクトルを表す三次元の成分のうち前記基線ベクトルの鉛直成分を含まない前記基線ベクトルの二次元成分の候補をCPUを用いて二次元成分候補として複数算出し、
    前記二次元成分二次候補選択部が、前記プライマリ衛星選択部により選択されたプライマリ衛星以外のGPS衛星をセカンダリ衛星として前記第1のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相と前記第2のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、前記二次元成分算出部により算出された複数の二次元成分候補から二次元成分二次候補をCPUを用いて選択し、
    前記方位算出部が、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角との候補をCPUを用いて姿勢方位候補として複数算出し、
    前記加速度姿勢算出部が、前記加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを加速度姿勢としてCPUを用いて算出し、
    前記姿勢方位決定部が、前記方位算出部により算出された複数の姿勢方位候補と前記加速度姿勢算出部により算出された加速度姿勢とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを決定する
    ことを特徴とする方位算出装置の方位算出方法。
  4. 請求項記載の方位算出装置の方位算出方法をコンピュータに実行させる方位算出プログラム。
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