JP5430172B2 - 方位算出装置、方位算出装置の方位算出方法および方位算出プログラム - Google Patents
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特定体(移動体、停止物)にGPSアンテナおよび加速度計を設置し、GPSアンテナの観測データと加速度計の計測値とに基づいて特定体の姿勢方位(回転角[ロール角]、仰角[ピッチ角]、方位角[ヨー角])を決定する形態の一例を説明する。
実施の形態1におけるIAGPS100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
例えば、プラットフォーム101は、車両(移動体の一例)の天板に設置される。
各GPSアンテナは1直線状に並ばないように配置されている。
各GPSアンテナはいずれかのGPS受信機と接続している。
3軸ジャイロ140は、本体座標系を表す3軸それぞれの方向におけるプラットフォーム101の角速度を計測する。
例えば、本体座標系は、プラットフォーム101の長手方向を「x軸」、プラットフォーム101の幅方向を「y軸」、プラットフォーム101のxy平面と直交する方向を「z軸」として表される。
また、主局aから従局bへの線分のベクトルを基線ベクトル「bab」、主局aから従局cへの線分のベクトルを基線ベクトル「bac」とする。
また、本体座標系(xyz座標系)における基線ベクトルを「bb ab」「bb ac」と記し、姿勢方位決定装置200により決定する移動体の姿勢方位を表す座標系(以下、「航法座標系」という)における基線ベクトルを「bn ab」「bn ac」と記す。
本体座標系の基線ベクトル(bb ab、bb ac)は、予め計測されているものとする。
図2において、姿勢方位決定装置200は、CPU911(Central Processing Unit)(マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介して通信ボード、表示装置、キーボード、マウス、ドライブ装置、プリンタ装置(以上、図示省略)、記憶装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。ドライブ装置は、FD(Flexible Disk)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体を読み書きする装置である。ROM、RAM、磁気ディスク装置は、記憶装置920の一例である。
例えば、ファイル群924には、各GPSアンテナにより検出された搬送波位相、各GPS受信機により搬送波から取得された情報、各GPS受信機により測位されたGPSアンテナの位置(以下、「GPS観測データ129」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、3軸加速度計130を構成するx軸加速度計131、y軸加速度計132およびz軸加速度計133それぞれにより計測されたプラットフォーム101の加速度を示す値(以下、「3軸加速度値139」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、3軸ジャイロ140を構成するx軸ジャイロ141、y軸ジャイロ142およびz軸ジャイロ143それぞれにより計測されたプラットフォーム101の角速度を示す値(以下、「3軸角速度値149」という)が含まれる。
また、ファイル群924には、姿勢方位決定装置200によりGPS観測データ129と3軸加速度値139とに基づいて決定される停止時の移動体の姿勢方位の値(以下、「姿勢方位初期値291」という)、姿勢方位決定装置200により姿勢方位初期値291とGPS観測データ129と3軸角速度値149とに基づいて標定される移動開始後の移動体の姿勢方位の値(以下、「姿勢方位値292」という)が含まれる。
実施の形態1における姿勢方位標定方法について、図3に基づいて以下に説明する。
姿勢方位決定処理(S200)の詳細については後述する。
実施の形態1における姿勢方位決定装置200の機能構成について、図4に基づいて以下に説明する。
例えば、装置記憶部290には、移動体の停止時および移動体の移動開始後に各GPSにより取得されたGPS観測データ129、移動体の停止時に3軸加速度計130により取得された3軸加速度値139および移動体の移動開始後に3軸ジャイロ140により取得された3軸角速度値149が記憶される。
整数値バイアス候補算出部220は、プラットフォーム101の各GPSアンテナにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」としてCPUを用いて選択する。
整数値バイアス候補算出部220は、基線ベクトル鉛直成分算出部211により算出された基線ベクトル鉛直成分値(bd ab、bd ac)と各GPSアンテナにより観測された各プライマリ衛星からの搬送波の搬送波位相に基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補(以下、「整数値バイアス候補(∇ΔN)」という)をCPUを用いて複数算出する。搬送波位相はGPS観測データ129に含まれる。
以下、基線ベクトル鉛直成分算出部211により算出された基線ベクトル鉛直成分値(bd ab、bd ac)と基線ベクトル候補算出部230により算出された二次元成分候補との組み合わせにより表される基線ベクトル(bn ab、bn ac)を「基線ベクトル一次候補」という。
例えば、姿勢方位標定部270は、特許文献1に開示されている技術により、姿勢方位値292を算出する。
姿勢方位標定方法(図3参照)において姿勢方位初期値291を決定する姿勢方位決定処理(S200)について、図5に基づいて以下に説明する。
姿勢方位決定装置200の各「〜部」は、以下に説明する処理(S210〜S261)をCPUを用いて実行する。
整数値バイアス候補算出部220は基線ベクトル鉛直成分値(bd ab、bd ac)を用いて整数値バイアス候補(∇ΔN)を算出する(S220)。
基線ベクトル候補算出部230は整数値バイアス候補(∇ΔN)に基づいて基線ベクトル一次候補(bn ab、bn ac)を算出し(S230)、基線ベクトル残差検定部240は二重差残差検定により基線ベクトル二次候補(bn ab、bn ac)を選定し(S240)、基線ベクトルなす角検定部250は(bb ab、bb ac)のなす角に基づいて基線ベクトル三次候補(bn ab、bn ac)を選定する(S250)。
方向余弦行列候補算出部260は基線ベクトル三次候補(bn ab、bn ac)に基づいて方向余弦行列候補(Cn b)を算出し(S260)、方向余弦行列姿勢検定部261は加速度姿勢値(φI、θI)に基づいて方向余弦行列(Cn b)を決定し、決定した方向余弦行列(Cn b)に基づいて算出される移動体の姿勢方位初期値291(φ、θ、ψ)を出力する(S261)。
加速度姿勢算出部210は、装置記憶部290から3軸加速度値139を取得し、取得した3軸加速度値139に基づいて静止時の移動体の姿勢値を加速度姿勢値(φI、θI)として算出する。
図6において、重力加速度を「g」、x軸加速度値を「Ix」、y軸加速度値を「Iy」、z軸加速度値を「Iz」と記す。
このため、移動体がx軸回りに回転している場合、図6(a)に示すように、重力加速度gとしてy軸加速度値Iyおよびz軸加速度値Izが計測される。加速度姿勢値(ロール角φI)はy軸加速度値Iyとz軸加速度値Izとの大小比率に基づいて算出される。
また、移動体がy軸回りに回転している場合、図6(b)に示すように、重力加速度gとしてx軸加速度値Ixおよびz軸加速度値Izが計測される。加速度姿勢値(ピッチ角θI)はz軸加速度値Ixとz軸加速度値Izとの大小比率に基づいて算出される。
基線ベクトル鉛直成分算出部211は、S210において算出された加速度姿勢値(φI、θI)に基づいて、基線ベクトル鉛直成分値(bd ab、bd ac)を算出する。
図7において、基線ベクトルbb abのy軸成分を「by ab」、基線ベクトルbb abのx軸成分を「bx ab」と記す。
また、移動体がピッチ角θI分回転している場合、基線ベクトル鉛直成分値bd abはピッチ角θIと基線ベクトルのx軸成分bx abと図7(b)に示すような関係にある。
基線ベクトル鉛直成分値bd abは、ロール角φI、基線ベクトルのy軸成分by ab、ピッチ角θI、基線ベクトルのx軸成分bx abに基づいて算出される。基線ベクトル鉛直成分値bd acも同様である。
整数値バイアス候補算出部220は、S211において算出された基線ベクトル鉛直成分値(bd ab、bd ac)を用いて整数値バイアス候補(∇ΔN)を以下のようにして算出する。
整数値バイアス候補算出部220は、装置記憶部290からGPS観測データ129を取得する。GPS観測データ129には、GPSアンテナにより観測された搬送波位相、GPS受信機による測位結果、各GPS衛星の軌道情報などが含まれている。
整数値バイアス候補算出部220は、各GPSアンテナにより搬送波を観測された4機以上のGPS衛星から3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」として選択する。例えば、整数値バイアス候補算出部220は、搬送波が観測されたときの各GPS衛星の配置に基づいて、移動体から見て天頂方向で互いに重ならない3機のGPS衛星を「プライマリ衛星」として選択する。各GPS衛星の配置は、GPS観測データ129に含まれる軌道情報から算出される。
以下、3機のプライマリ衛星を「衛星i」「衛星j」「衛星k」とし、4機目以降のセカンダリ衛星を「衛星l」「衛星m」・・・とする。
さらに、搬送波位相一重差ΔΦi abと搬送波位相一重差ΔΦj abとの差である搬送波位相二重差∇ΔΦij abは、(式2)に基づいて、(式3)で表される。
(式2)(式3)において、「Δ」は一重差を示し、「∇Δ」は二重差を示している。また、受信機ノイズε(Φrx)、マルチパスε(Φmult)およびアンテナフェーズセンターオフセットε(Φant)を纏めて観測誤差ε(Φ)で表している。
これにより、(式3)は(式4)で表すことができる。
図8の関係に基づいて、GPSアンテナa111から衛星iまでの距離ρa iとGPSアンテナb112から衛星iまでの距離ρb iとの差を示す距離の一重差Δρi abは、基線ベクトルbabとGPSアンテナa111から衛星iへのLOS(Line Of Sight)ベクトルea iを用いて、(式6)で表される。衛星jについての距離の一重差Δρj abも同様である。
そして、Δρi abとΔρi abとの差を示す距離の二重差∇Δρは、(式6)に基づいて(式7)で表される。
また、搬送波の波長λは固定値である。例えば、L1周波数帯(1575.42MHz)の搬送波の波長λは「約19cm」である。
また、LOSベクトルeは、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とに基づいて算出される値であり、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とはGPS観測データ129に含まれる値である。
また、基線ベクトルbabを表す3次元成分のうち鉛直成分は、S211において基線ベクトル鉛直成分値bd abとして算出されている。
(式9)は、右辺を航法座標系(NED座標系)の3成分に分けて(式10)で表し、さらに、右辺を鉛直成分bd abとその他の2成分とに分けて(式11)で表すことができる。
(式13)を用いて(式15)を展開すると(式16)になり、(式16)の行列Aneについて纏めると(式17)になる。
(式19)を(式12)に基づいて展開すると(式20)になる。
(式22)を(式20)に基づいて展開すると(式23)となる。
同様に、整数値バイアス候補算出部220は、整数値バイアス候補∇ΔNac ijと整数値バイアス候補∇ΔNac ikとを算出する。
S220の後、処理はS230に進む。
基線ベクトル候補算出部230は、S220において算出された複数の整数値バイアス候補∇ΔNab ijと2つの整数値バイアス候補∇ΔNab ikとの全組み合わせを生成する。例えば、整数値バイアス候補∇ΔNab ijの数が「20個」、整数値バイアス候補∇ΔNab ikの数が「2個」の場合、基線ベクトル候補算出部230は40(=20×2)通りの整数値バイアス候補の組み合わせを生成する。
そして、基線ベクトル候補算出部230は、(式12)の定義に基づいて各整数値バイアス候補の組み合わせ(∇ΔNab ij、∇ΔNab ik)を(式13)に代入し、航法座標系における基線ベクトルbabの二成分(bn ab、be ab)の候補を算出する。
S230において基線ベクトル一次候補bn abは、整数値バイアス候補の組み合わせと同じ数算出される。
基線ベクトル残差検定部240は、S230において算出された基線ベクトル一次候補(bn ab、bn ac)に対して以下のように二重差残差検定を行い、基線ベクトル二次候補を選定する。
また、搬送波の波長λは固定値である。
また、LOSベクトルeは、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とに基づいて算出される値であり、GPSアンテナの位置とGPS衛星の位置とはGPS観測データ129に含まれる値である。
さらに、行列vkを正規化した統計値Tkは、χ2分布(分散「1」、自由度「ndd−3」)(以下同じ)に従うと考えられる。統計値Tkは、観測誤差の影響により当該行列vkの値となる確率を示す。
(a)統計値Tkがχ2分布において所定の有意水準(危険率ともいう)(例えば、1%または5%)以上である。
基線ベクトルbabと基線ベクトルbacとがなす角は、航法座標系と本体座標系とで等しい。
また、基線ベクトルbabと基線ベクトルbacとがなす角θbは(式33)で表される。
そして、航法座標系における基線ベクトル(bn ab、bn ac)がなす角と本体座標系における基線ベクトル(bb ab、bb ac)がなす角との差Δθbは、(式33)に基づいて、(式34)で表される。
そして、基線ベクトルなす角検定部250は、なす角の差Δθbが所定値以下である基線ベクトル二次候補(bn ab、bn ac)を基線ベクトル三次候補として選定する。
S250の後、処理はS260に進む。
本体座標系の値を航法座標系の値に変換する方向余弦行列Cn bは、(式35)で表すことができる。
S260の後、処理はS261に進む。
基線ベクトル(bn ab、bn ac)が示す移動体の姿勢方位(φ、θ、ψ)は、方向余弦行列Cn bを用いて(式36〜38)で表すことができる。
そして、方向余弦行列姿勢検定部261は、S210において算出された加速度姿勢値(φI、θI)に最も近い姿勢(φ、θ)を含んだ姿勢方位(φ、θ、ψ)を姿勢方位初期値291に決定し、決定した姿勢方位初期値291を装置記憶部290に記憶する。方向余弦行列姿勢検定部261は、決定した姿勢方位初期値291を所定の出力装置(例えば、表示装置)に出力してもよい。
IAGPS100は、複数のGPSの搬送波位相(二重位相差)を使用する。
剛体であるプラットフォーム101には、3台のGPSアンテナと3軸の加速度センサ(3軸加速度計130)とが構成されている。3台のGPSアンテナは、相対位置が変化しないように、また1直線状に並ばないようにプラットフォーム101に設置されている。3軸の加速度センサは、プラットフォーム101と一緒に動くように取り付けられ、それぞれ直交する3軸の加速度を計測する。
姿勢方位決定装置200(または、姿勢方位決定装置200の姿勢方位決定方法)は、このプラットフォーム101を固定された対象物の姿勢方位を決定する装置(または、アルゴリズム)である。
1)搬送波の整数値バイアスを3次元の球面近傍の空間からではなく、2次元の円近傍の空間から探索することが出来、整数値バイアスの候補数を少なくすることができる。1)について後述する。
2)1)により計算負荷および処理時間が削減されるため、姿勢方位決定装置200として使用できる計算機の幅が広がる。つまり、高性能(高価)でない計算機を姿勢方位決定装置200として使用することができる。
3)1)により誤った整数値バイアス候補を大幅に削減できることから、最終的な解のミスFIX率(誤った整数値バイアス候補を最終的な解として採用してしまう割合)を削減することが出来る。
4)GPSの観測データから求めた姿勢角と、加速度計を用いて求めた姿勢角とを比較することで、最終的なミスFIX率をさらに削減することが出来る(S261参照)。
5)従来のGPSを用いた姿勢決定システムには、ミスFIXをなるべく少なくするためにノイズの少ない専用受信機が使用されることが多い。しかし、実施の形態のIAGPS100では、3)および4)で述べたようにミスFIX率を削減できるため、廉価なGPS受信機を使用することができる。
6)1)により可視衛星が4つあればGPSを用いて姿勢方位を決定することができ、GPSを用いた姿勢方位決定のアベイラビリティを向上することが出来る。
前記1)のメリットについて、図9に基づいて以下に説明する。
したがって、搬送波の整数値バイアス(二重差)の探索は、基線ベクトルを探索することと等しい。
ここで、基線ベクトルbn abの鉛直成分値bd abは、加速度姿勢値に基づいて算出されている(S211)。このため、従局bは、主局aから鉛直成分値bd abだけ離れた点を中心とする円周上(またはその近傍)に位置することになる。
つまり、2次元の円近傍の空間を探索することにより、基線ベクトルbn abの候補を特定することができる。一方、鉛直成分値bd abが不明である場合、基線ベクトルbn abの候補を特定するためには、3次元の球面近傍の空間を探索する必要がある。
例えば、基線ベクトルが「2m」程度である場合、前記S220〜S230と同様にして3次元の球面近傍の空間を探索すると基線ベクトルの候補数は「1300」ほどになるが、2次元の円近傍の空間を探索する本方式の前記S220〜S230では基線ベクトルの候補数が「40」程度である。
例えば、二重差残差検定(S240)においてχ2分布の確率密度が最も高い統計値Tkに対応する基線ベクトルの組み合わせ(bn ab、bn ac)を選定し、選定した基線ベクトルの組み合わせに基づいて姿勢方位初期値291を算出しても構わない。
また、なす角検定(S250)において本体座標系のなす角との差Δθbが最も小さい基線ベクトルの組み合わせ(bn ab、bn ac)を選定し、選定した基線ベクトルの組み合わせに基づいて姿勢方位初期値291を算出しても構わない。
Claims (4)
- 対象物に設置される加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物に設置される第1のGPS(Global Positioning System)アンテナから前記対象物に設置される第2のGPSアンテナへの線分を基線として基線ベクトルを表す三次元の成分のうち基線ベクトルの鉛直成分をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて算出する鉛直成分算出部と、
前記第1のGPSアンテナと前記第2のGPSアンテナとにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星をプライマリ衛星としてCPUを用いて選択するプライマリ衛星選択部と、
前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と、前記第1のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相と、前記第2のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補をCPUを用いて整数値バイアス候補として複数算出する整数値バイアス算出部と、
前記整数値バイアス算出部により算出された複数の整数値バイアス候補それぞれに基づいて、前記基線ベクトルを表す三次元の成分のうち前記基線ベクトルの鉛直成分を含まない前記基線ベクトルの二次元成分の候補をCPUを用いて二次元成分候補として複数算出する二次元成分算出部と、
前記プライマリ衛星選択部により選択されたプライマリ衛星以外のGPS衛星をセカンダリ衛星として前記第1のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相と前記第2のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、前記二次元成分算出部により算出された複数の二次元成分候補から二次元成分二次候補をCPUを用いて選択する二次元成分二次候補選択部と、
前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角との候補をCPUを用いて姿勢方位候補として複数算出する方位算出部と、
前記加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを加速度姿勢としてCPUを用いて算出する加速度姿勢算出部と、
前記方位算出部により算出された複数の姿勢方位候補と前記加速度姿勢算出部により算出された加速度姿勢とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを決定する姿勢方位決定部と
を備えたことを特徴とする方位算出装置。 - 前記方位算出装置は、さらに、
前記鉛直成分算出部により算出される前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択される二次元成分二次候補とは異なる座標系で予め計測される基線ベクトルに基づいて、前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補から二次元成分三次候補をCPUを用いて選択する二次元成分三次候補選択部を備え、
前記方位算出部は、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分三次候補選択部により選択された二次元成分三次候補とに基づいて前記姿勢方位候補を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の方位算出装置。 - 鉛直成分算出部とプライマリ衛星選択部と整数値バイアス算出部と二次元成分算出部と二次元成分二次候補選択部と方位算出部と加速度姿勢算出部と姿勢方位決定部とを備える方位算出装置の方位算出方法であり、
前記鉛直成分算出部が、対象物に設置される加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物に設置される第1のGPS(Global Positioning System)アンテナから前記対象物に設置される第2のGPSアンテナへの線分を基線として基線ベクトルを表す三次元の成分のうち基線ベクトルの鉛直成分をCPU(Central Proccessing Unit)を用いて算出し、
前記プライマリ衛星選択部が、前記第1のGPSアンテナと前記第2のGPSアンテナとにより搬送波位相を観測される4機以上のGPS衛星のうち3機のGPS衛星をプライマリ衛星としてCPUを用いて選択し、
前記整数値バイアス算出部が、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と、前記第1のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相と、前記第2のGPSアンテナにより観測される前記プライマリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、搬送波の整数値バイアスの二重差の候補をCPUを用いて整数値バイアス候補として複数算出し、
前記二次元成分算出部が、前記整数値バイアス算出部により算出された複数の整数値バイアス候補それぞれに基づいて、前記基線ベクトルを表す三次元の成分のうち前記基線ベクトルの鉛直成分を含まない前記基線ベクトルの二次元成分の候補をCPUを用いて二次元成分候補として複数算出し、
前記二次元成分二次候補選択部が、前記プライマリ衛星選択部により選択されたプライマリ衛星以外のGPS衛星をセカンダリ衛星として前記第1のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相と前記第2のGPSアンテナにより観測される前記セカンダリ衛星からの搬送波位相とに基づいて、前記二次元成分算出部により算出された複数の二次元成分候補から二次元成分二次候補をCPUを用いて選択し、
前記方位算出部が、前記鉛直成分算出部により算出された前記基線ベクトルの鉛直成分と前記二次元成分二次候補選択部により選択された二次元成分二次候補とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角との候補をCPUを用いて姿勢方位候補として複数算出し、
前記加速度姿勢算出部が、前記加速度計により計測された加速度値に基づいて、前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを加速度姿勢としてCPUを用いて算出し、
前記姿勢方位決定部が、前記方位算出部により算出された複数の姿勢方位候補と前記加速度姿勢算出部により算出された加速度姿勢とに基づいて、前記対象物の方位角と前記対象物の回転角と前記対象物の仰角とを決定する
ことを特徴とする方位算出装置の方位算出方法。 - 請求項3記載の方位算出装置の方位算出方法をコンピュータに実行させる方位算出プログラム。
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