JP5430132B2 - 眼鏡レンズおよび眼鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズなどの少なくとも一方の面が外界に面する光学物品およびその製造方法に関するものである。
特許文献1には、耐環境性が大きく、透明にすることが可能である被膜を備えた光学物品を提供することが記載されている。そのために、透明樹脂基材上に、SiおよびTiのうち少なくとも一方を含み、厚さ方向に向かって屈折率が変化している、CVD法により形成された変性層と、SiとOとを含むCVD法により形成されたハードコート層とを形成する。ハードコート層の膜厚を、0.4μmより厚く5μmより薄くすることが記載されている。
特許文献2には、プラスチック基板の反射率を広範囲にわたって均一に低下させることが記載されている。そのために、プラスチック基板上にハードコート層を形成してプラスチック基板を強度的に保護するに際し、ハードコート層のプラスチック基板と接触する部位での屈折率をプラスチック基板の屈折率と略等しくし、かつハードコート層の屈折率を厚さ方向で連続的ないしは段階的に変化させてハードコート層を形成することが記載されている。
特開平9−113702号公報 特開平7−56002号公報
プラスチック製の光学基材、たとえば、プラスチックレンズは、ガラス製の光学基材の1つであるガラスレンズに比べ軽量で、成形性、加工性、染色性が良く、割れにくく安全性も高い。このため、眼鏡レンズの分野で広く用いられている。1940年代にアメリカのPPG社により開発されたプラスチック材料(CR−39)は眼鏡レンズ材料として、諸物性のバランスが優れている。現在に至るまでプラスチック材料(CR−39)はプラスチックレンズの材料として長く使用されているが、屈折率が1.50と低く、マイナス度数のレンズの場合はレンズのコバ厚が厚くなるという欠点がある。また逆にプラスレンズの場合は、中心厚が厚くなってしまうという欠点がある。
プラスチックレンズを薄くする為には、基材の屈折率を上げる必要がある。プラスチック材料の屈折率は、1.50から1.56、1.60、1.67、1.70、1.74、1.76と高屈折率材料の開発が行なわれ、現在では様々な屈折率のプラスチック製眼鏡レンズが市販されている。
プラスチック製の光学基材は、傷がつきやすいという点を補うために基材の表面に、傷を防止するためのハードコートと称される層(膜)を形成することが多い。ハードコートの膜厚はおよそ1〜5μmであり、ハードコート層を形成するための典型的な材料は熱硬化型のシリコン系樹脂、UV硬化型の有機系樹脂である。これら材料の屈折率は、約1.50〜1.55程度であり、高屈折率(たとえば1.60以上)のプラスチック基材上に薄膜を形成すると、屈折率の差および膜厚ムラによる干渉縞が発生する。
この干渉縞は、眼鏡レンズにおいてレンズそのものの光学性能に何ら影響は与えないと言えるが、外観上見苦しさや、映り込みなどの要因となり、商品価値を向上するためには干渉縞を除去したいという要望がある。特に、超高屈折率(たとえば1.70以上)のプラスチックレンズは、薄く軽量の眼鏡レンズを製造できるという大きなメリットを備えているが、干渉縞はさらに濃くはっきりと見えるようになる。
干渉縞の発生を抑える1つの方法は、ハードコート層に屈折率を調整するための金属酸化物を含有させ、ハードコート層とプラスチックレンズ基材の屈折率を同じ程度にすることである。たとえば、上記の特許文献1および2では、厚さ方向に向かって屈折率を変化させてハードコート層とプラスチック基材とが接触する部分で屈折率差をなくし、または縮小し、反射率を低下させている。さらに、膜厚を薄くすることにより、連続的に屈折率を変化させ、表面の屈折率を低くすることにより、反射率を低下させている。この方法では、干渉縞を完全に抑制するためには、基材毎に専用のハードコートを設計し、管理し、施工する必要がある。しかしながら、各屈折率のコーティングを施すためには、それぞれ製造設備が必要であり、製造メーカの負担は大きい。
また、ハードコート層の本来の目的は、屈折率を基材に合わせることではなく、耐候性、耐擦傷性等の様々な特性を基材に付加する層としての機能を果たすことであるが、高屈折率の層になるにつれ、これらを総合的に満たすのは困難となる。
さらに、ハードコート層上には、反射防止膜が形成される場合が多い。反射防止膜も、ハードコート層の屈折率が違えば、それぞれに専用の反射防止膜を設計する必要がある。したがって、プラスチックレンズの屈折率を高めれば、薄く軽量の眼鏡レンズおよび眼鏡を提供できるというわけではなく、総合的に様々な品質特性を満たすことは困難なことである。
本発明の一態様は、光学基材と、光学基材の表面に積層された透光性の機能層とを有し、機能層の反射率(反射係数)のk空間における周期Pk(nm−1)が3.66×10−5以下である、光学物品である。k空間は波数(1/λ)空間である。光学基材の上に積層された薄膜の反射率Rを(1/λ)により表わした関数、すなわち、k空間における反射率R(k)は、一般に一定の周期Pkで振動する。
本発明の光学物品においては、機能層を薄膜化する代わりに、反射率R(k)の周期Pkにて規定することにより、干渉縞が現れるのを抑制でき、および/または、干渉縞を人が感じるのを抑制できる。反射率R(k)の周期Pkが上記の値を上回ると機能層の膜厚のムラにより、3波長型昼光色蛍光灯相当(F10)を光源として光学物品を見たときに干渉縞による色差がかなり感じられる可能性が高くなり、好ましくない。
機能層の反射率R(k)の周期Pkが3.03×10−5以下であることが望ましい。干渉縞による色差がわずかに感じられる可能性があるが、その程度が小さくなる。
さらに、機能層の反射率R(k)の周期Pkが2.08×10−5以下であることが望ましい。干渉縞による色差がかすかに感じられる程度に改善される。
さらに、機能層の反射率R(k)の周期Pkが1.59×10−5以下であることが望ましい。干渉縞による色差がかすかに感じられる可能性があるが、その程度が小さくなる。
さらに、機能層の反射率R(k)の周期Pkが1.39×10−5以下であることが望ましい。干渉縞による色差はほぼ認められなくなる。
さらに、機能層の反射率R(k)の周期Pkは2.63×10−6以上であることが望ましい。この値を下回ると、機能層が厚くなりすぎるので、その表面の面精度の維持が難しくなり、成膜の際の乾燥による体積変化などに起因してクラックの発生が予想されるので好ましくない。機能層の反射率R(k)の周期Pkは5.26×10−6以上であることがさらに好ましい。機能層の表面の面精度が得やすくなり、干渉縞による色差の感じられる程度を低減できる。
典型的な機能層は、ハードコート層を含むものである。機能層は多層膜であってもよく、たとえば、ハードコート層に加え、ハードコート層と光学基材との間に積層されたプライマー層を含んでもよい。さらに、光学物品は、機能層の上に積層された反射防止膜を有していてもよい。さらに、光学物品は、反射防止膜の上に積層された防汚膜を有していてもよい。
光学基材の典型的なものは、プラスチックレンズ基材であり、たとえば、眼鏡レンズである。
本発明の他の態様の1つは、上記の眼鏡レンズと、眼鏡レンズが装着されたフレームとを有する眼鏡である。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、上記の光学物品であって、外界に面した光学物品を有し、光学物品を通して画像を透視するためのシステムである。このシステムの典型的なものは、テレビ、ディスプレイ、窓などである。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、光学基材の表面に透光性の機能層であって、反射率のk空間における周期Pk(nm−1)が3.66×10−5以下である機能層を形成することを有する光学物品の製造方法である。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、光学基材の表面に透光性の機能層であって、反射率のk空間における周期Pk(nm−1)が3.66×10−5以下である機能層を形成することを含む成膜方法である。
(干渉縞の原因について)
干渉縞の根本的な原因の1つは、屈折率の差である。したがって、干渉縞を無くすためにこれまでは、屈折率を調整するという手法が用いられている。しかしながら、屈折率の波長依存性はほとんどの場合無視されている。すなわち、プラスチック基材の屈折率とハードコート層の屈折率とを近づけたり、ある波長では一致させることは可能である。しかしながら、材料が異なれば光の波長毎の屈折率は異なるので、すべての波長において屈折率を完全に一致させることはほとんど無理である。可視光の波長領域(380〜780nm)における屈折率の分布は、長波長側(780nm側)では通常低く、短波長側(380nm側)では通常高い。典型的な屈折率としてはe線(546nm)の屈折率が用いられ、本明細書においても特に断りがない限り、屈折率はe線での屈折率を示す。したがって、単にe線の屈折率が同じであっても、屈折率の波長依存性があるために、すべての波長において屈折率が完全に一致しているということはほとんどない。したがって、干渉縞が発生する要因となる可能性がある。
干渉縞の原因の他の1つは、膜厚ムラである。すなわち、基材の表面に、完全に膜厚ムラの無い、均一なコーティングができれば、干渉色として均一な色が観測されるだけであり、虹色のような干渉縞は発生しない。通常は膜厚を薄くすれば、干渉縞の間隔、線幅が広くなり抑制される傾向にある。これは薄い膜であれば、膜厚値の絶対量が小さくなる分、バラツキの幅も小さくなるためであり、従来、干渉縞を抑制するためには膜厚を小さくすることが望ましいとされている。しかしながら、膜厚ムラ、すなわち、膜厚のばらつきは、コーティング方法を工夫しても完全になくすことは難しく、さらに、レンズなどの基材の形状、表面の状態によっても発生する。したがって、膜を薄くしても膜厚のばらつきを完全になくすことはできず、干渉縞が発生する要因になる可能性がある。
干渉縞の原因、特に、干渉縞が顕著に観測できる要因のさらに異なる他の1つは光源である。太陽光のように様々な波長の光を同程度の強度で含む光の場合には、干渉縞は極めて見えにくい。逆に、3波長型蛍光灯のように、特定の波長の光の強度が強い光源の場合は、干渉縞は顕著に見え易くなる。これは3波長の光(通常は青、緑、赤)がそれぞれ、基材上のハードコート(薄膜)によって光の干渉を起こし、強め合ったり、弱めあったりするので、光源の色のバランスがくずれ、特定の色が強く見えるためである。3波長型の蛍光灯は省エネルギーの観点から良く用いられ、一般の家庭やオフィスにおいても汎用されている。本願の発明者らは、上記の観点より干渉縞の発生を抑制することを考察した。
図1に3波長域発光形F10の分光分布S(λ)を示している。この分光分布S(λ)が入射光のときに、3波長(3原色)の光のバランス、すなわち、3つの色のバランスがくずれると様々な色を発生し、それが干渉縞の元になる。擬似太陽光D65の光源の分光分布が入射光の場合、擬似太陽光D65は様々な波長(色)の光を含むため、特定の色は発生しにくく、干渉縞も観察されにくい。
図2に、干渉縞が現れている一例を示している。図2には、屈折率1.67のレンズ基材の上に厚さ3μmで屈折率1.50のハードコート層を形成したレンズの反射率(反射係数、計算値)R(λ)を波長空間に実線で示している。反射率R(λ)はゆるいカーブの波を描いている。このため、破線でしめすように、反射光の反射強度分布は各波長の反射率R(λ)の影響を受け、光源の分光分布S(λ)の550nm付近の緑色のピークは大きく減少して、3波長型蛍光灯の3波長の光(青、緑、赤)のバランスがくずれている。その結果、反射光の色は、元の光源の色とは違った色になってしまっている。また、ハードコート層の膜厚が変化した場合、反射率R(λ)の波が左右に変化し、反射光の3波長の光(青、緑、赤)のピークは、それぞれ単独に大きくなったり、小さくなったりを繰り返し、虹色の干渉縞となって現れる。
図3に、反射率R(λ)の波長空間における周期を小さく、振動数を高くすることにより干渉縞の発生を抑制した例を示している。図3には、屈折率1.67のレンズ基材の上に厚さ30μmで屈折率1.50のハードコート層を形成したレンズの反射率(計算値)R(λ)を波長空間に実線で示している。反射率R(λ)の周期は小さく、振動数が高いので、3波長型蛍光灯を光源としたときの、反射光の反射強度の波長分布は破線で示すように元の光源の相対分布S(λ)とほぼ同じ形を保っている。すなわち、可視光領域(380〜780nm)の反射率R(λ)の周期が数nm程度の細かい波の繰り返しとなるので、反射光の強度の相対分布は、元の光源の相対分布S(λ)とほぼ同じ形になる。また、ハードコート層の膜厚が多少変化して反射率の波形が変化しても、反射率R(λ)の強度分布(スペクトル)の波長空間の周期は非常に細かいため、反射光の強度分布は元の光源の強度分布S(λ)と同じ形が保持される。
このように、ハードコート層の反射率R(λ)の波長空間における周期を短くすることにより、ハードコート層の膜厚が変化しても反射光の色は変化せず、その色は光源の色に近いことが分かる。このことは、多少膜厚が変化しても、特定の色が見えにくく、干渉縞が発生しにくいことを意味している。
図4に、波数空間(1/λ空間、k空間)におけるハードコート層の反射率R(k)(=R(1/λ))と、光源の分光分布S(k)(=S(1/λ))とを示している。分光分布S(k)は、上述した3波長型蛍光灯F10の分光分布であり、反射率R(k)は単に傾向を示している。一般に光学基材の表面にハードコート層などの透過(透光)性の薄膜が形成されたときの反射率は以下のような式で表わされる。
R=A+Bcos(2πnT/λ) ・・・(1)
ただし、A、Bは比例定数であり、nは屈折率、Tは膜厚、λは波長である。したがって、k空間(波数空間)で表わすことにより、反射率R(k)は、一定の周期で振動する。
また、膜厚Tと隣り合うピーク波長(バレー波長)λ1およびλ2について以下の式が知られている。
T=λ1・λ2/2・n1・|λ1−λ2| ・・・(2)
ただし、n1は薄膜(ハードコート層)の屈折率である。この式を、以下の条件で展開すると、(3)式が得られる。
λ1>λ2
(1/λ2−1/λ1)=1/(2・n1・T) ・・・(3)
したがって、k空間において、ハードコート層などの基材に積層される機能層の反射率R(k)を、入射光(光源)の分光分布(スペクトル)S(k)との相関が認められない程度に細かく振動させることにより、反射光のスペクトルと入射光のスペクトルとの相関を高めることができる。すなわち、機能層の反射率R(k)の周期Pkを、入射光(光源)の分光分布(スペクトル)S(k)の周期または変動に対して十分に小さくすることにより、反射光のスペクトルと入射光のスペクトルとの相関を高めることができる。反射光のスペクトルと、入射光のスペクトルS(k)との相関を高めることにより、特定の色が現れることを抑制できるので、干渉縞の発生を抑制できる。
以下では、基材と、その上に積層された透明な機能層とのモデルを仮定し、反射率R(λ)と反射光の具体的な色座標を求め、その色座標の色差により干渉縞の発生の有無を評価している。そして、干渉縞の人間が感じられる程度を評価することにより、機能層の反射率R(k)の周期Pkの範囲(上限)を規定しようとしている。
(干渉縞の認識に関するシミュレーション)
図5に、干渉縞の認識に関するシミュレーションの概略プロセスを示している。ステップ10において、図6に示すような光学物品5、たとえばレンズのモデル(パラメータ)を設定する。パラメータの典型的なものは、光学基材2の屈折率n2、ハードコート層などの透明な機能層1の膜厚T、機能層1の屈折率n1、機能層1の膜厚ムラ(膜厚差)dT、光源9の分光分布S(λ)などである。機能層1は、可視光領域で透過性(透光性)である。また、機能層1の屈折率n1は一定であり、膜厚方向に変化させない。光源の波長分布の一例は、JISZ8719に規定する代表的な蛍光ランプの波長分布である。いくつかの種類の波長分布のうち干渉縞をより強調することを目的として、3波長域発光形F10で規定される相対分光分布を使用できる。干渉縞を発生させるためには、機能層1の膜厚差dTが必須であり、たとえば、ディップコーティングを想定すると中心厚Tに対して±20%あるいは30%程度の膜厚差dTを設定することが望ましい。
次に、ステップ11において、膜厚T±dTの範囲で、膜厚の異なる適当な数のサンプリング点を設定し、各サンプリング点における可視光領域の波長の反射率を適当な波長毎に計算する。たとえば、波長380〜780nmの範囲で1nmずつ(1nm刻み)の波長の反射率を計算する。サンプリング点は、たとえば、膜厚Tを中心に上下に50点ずつ、合計101点を設定する。
ステップ12において、各波長の反射率と、光源(入射光)9の分光分布S(λ)から反射光8の色座標C(i)を計算する。色座標には、たとえば、L表色系の色空間内の座標を使用できる。ステップ13で、すべてのサンプリング点について上記の作業を繰り返し、膜厚T±dTの範囲で101点の色座標C(1)〜C(101)を求める。
ステップ14において、求めた101の色座標C(i)から、平均の色座標Cavを計算する。ステップ15において、平均の色座標Cavから各色座標C(i)に対して、L表色系による色差ΔE ab(i)を計算する。さらに、ステップ16において、これらの色差ΔE ab(i)の平均値dEavを、中心膜厚Tでの干渉縞の程度を評価するための評価値とした。光学物品5の面内に同じ色が多数存在する場合は平均値dEavが小さくなり、面内に多数の色が存在する場合は平均値dEavが大きくなる。
(評価方法)
色差の平均値dEavの評価には、図7のNBS単位の色差ΔEと人間の視感との相関表を第1の基準として採用した。NBS単位は、米国国家標準局(National Bureau of Standards)が提唱した基準である。NBS単位の色差ΔEが1.5以下であれば色差はわずかに感じられる程度になる。したがって、上記のシミュレーションにより得られた平均値dEavが1.5以下であれば、光学物品5の表面に干渉縞が現れたとしても、人間がわずかに感じられる程度に収まると予想でき、有意義な結果であると判断できる(カテゴリー1)。
色差ΔEが1.0以下であれば、色が隣接していない限り、人間には区別できないとされている。したがって、上記のシミュレーションにより得られた平均値dEavが1.0以下であれば、光学物品5の表面に干渉縞が現れたとしても、人間がわずかに感じられる程度であり、色差を感じる程度は小さくなると予想でき、さらに有意義な結果であると判断できる(カテゴリー2)。
NBS単位の色差ΔEが0.5以下であれば色差はかすかに感じられる程度になる。したがって、上記のシミュレーションにより得られた平均値dEavが0.5以下であれば、光学物品5の表面に干渉縞が現れたとしても、人間がかすかに感じられる程度に収まると予想でき、さらに、有意義な結果であると判断できる(カテゴリー3)。
また、人間の色識別の最小値は0.2、これを最小色差(LPD、Least Perceptible Difference)と呼ぶことがある。したがって、上記のシミュレーションにより得られた平均値dEavが0.2以下であれば、光学物品5の表面に干渉縞が現れていたとしても、人間には感じられないと予想でき、さらに、有意義な結果であると判断できる(カテゴリー5)。
さらに、色差ΔEが最小色差(LPD、Least Perceptible Difference)までは到達しなくても、色差ΔEが0.3以下であれば、実質的には人間の眼では色差を区別することが難しい。したがって、上記のシミュレーションにより得られた平均値dEavが0.3以下であれば、光学物品5の表面に干渉縞が現れていたとしても、人間にはほとんど感じられないと予想でき、有意義な結果であると判断できる(カテゴリー4)。
したがって、シミュレーションにより得られた平均dEavは図7に示した範囲をさらに詳細に区分して評価する。すなわち、色差の平均dEavが1.5を超えたモデル(光学物品)5は有意義な結果とはいえない。色差の平均dEavが1.5以下のモデル(光学物品)5は、干渉縞がわずかに感じられる程度であり、好ましく、色差の平均dEavが1.0以下のモデル(光学物品)5は、干渉縞がわずかに感じられる程度が小さくなるので、さらに好ましい。色差の平均dEavが0.5以下のモデル(光学物品)5は、干渉縞がかすかに感じられる程度であり、好ましく、色差の平均dEavが0.3以下のモデル(光学物品)5は、干渉縞がほぼ感じられないので、さらに好ましい。色差の平均dEavが0.2以下のモデル(光学物品)5は、干渉縞があっても人間の目では感じられないので最も好ましい。
(反射率の計算、ステップ11)
各サンプリング点(膜厚)における反射率および反射光の計算方法の一例は以下の通りである。機能層1の表面の反射波と、機能層1を往復して反射される波との位相差2δは、以下の式であらわされる
2δ=(4π/λ)n1Tcosφ ・・・(4)
ただし、n1は機能層1の屈折率、Tは機能層1の厚み、φは光線の入射角である。
反射係数Rは、以下の式で表わされる。
R(λ)=(r1+r2exp(−2iδ))/(1+r1r2exp(−2iδ))
・・・(5)ただし、r1およびr2はフレネル係数であり、垂直入射のときは以下の式で表わされる。
r1=(n0−n1)/(n0+n1)
r2=(n1−n2)/(n1+n2) ・・・(6)
ただし、n2は基材2の屈折率、n0は空気の屈折率である。
(反射光の計算、ステップ12)
(5)式から可視光の波長380〜780nmの各波長において1nm単位で反射率を計算する。図8に、基材2の屈折率n2を1.60、機能層1の屈折率n1を1.50、機能層1の膜厚Tを10μmとしたモデル5において求められた反射率R(λ)を示している。
この反射率R(λ)の値から以下の式により三刺激値(XYZ)を計算する。このとき使用する光源9の分光分布S(λ)は、図1に示した3波長域発光形F10である。
X=KΣ380 780S(λ)・x(λ)・R(λ)dλ
Y=KΣ380 780S(λ)・y(λ)・R(λ)dλ
Z=KΣ380 780S(λ)・z(λ)・R(λ)dλ ・・・(7)
ただし、K=100/Σ380 780S(λ)・y(λ)dλであり、
(λ)、y(λ)、z(λ)はXYZ表色系における等色関数である。
(7)式により得られるCIE色座標のCIEXYZは(4.00、4.13、3.38)である。
さらに、以下の式より、XYZからL表色系による色座標(L、a、b)を計算する。
=116(Y/Yn)1/3−16
ただし、Yn=KΣ380 780S(λ)・y−(λ)・1dλ
K=100/Σ380 780S(λ)・y−(λ)dλ、
=500[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3
=200[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3
ただし、Xn=KΣ380 780S(λ)・x−(λ)・1dλ
Zn=KΣ380 780S(λ)・z−(λ)・1dλ ・・・(8)
表色系による色座標は(24.11、0.21、0.11)となる。
(サンプリング点における計算の繰り返し、ステップ13)
このモデルでは、10μmの膜厚Tに対して±30%の膜厚差dTを設定する。したがって、膜厚7〜13μmの間で膜厚のマイナス側で50の膜厚のサンプリングポイントが設定され、膜厚のプラス側で50の膜厚のサンプリングポイントが設定される。それぞれのポイントに対して上記のステップ11および12を繰り返す。たとえば、膜厚7.00μmでステップ11および12を計算し、膜厚7.06μmでステップ11および12を計算し、膜厚7.12μmでステップ11および12を計算する。こうして101個の色座標(L、a、b)を得る。
(平均値の計算、ステップ14)
101個の色座標から平均(中心)の色を計算する。すなわち、L、a、bをそれぞれ平均する。このモデルの平均値は、(23.98、0.0、0.0)である。
(色差の計算、ステップ15)
以下の式により、L、a、bの平均値と、各サンプリング点(101個)の色座標との色差を計算する。
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb]1/2 ・・・(9)
(色差の平均の計算、ステップ16)
各サンプリング点の色差ΔEの平均値dEavを求める。このモデルでは、色差の平均値dEavは0.40であった。したがって、干渉縞はかすかに感じる程度となり、ほとんど干渉縞が見られない光学物品5を提供できる。
色差の平均値dEavはモデル5のパラメータを変えることにより変わる。パラメータのうち、膜厚ムラ(膜厚差)dTには、平均値dEavはそれほど敏感ではなく、±5〜30%でそれほど大きな差がない。
たとえば、上記のシミュレーションにおいて、膜厚公差のみを変えた場合の結果は以下の通りである。
膜厚公差±5%のモデル
、a、bの平均値(23.98、0.0、0.0)、dEav 0.27
膜厚公差±10%のモデル
、a、bの平均値(23.98、0.0、0.0)、dEav 0.31
膜厚公差±15%のモデル
、a、bの平均値(23.99、0.0、0.0)、dEav 0.33
膜厚公差±20%のモデル
、a、bの平均値(23.99、0.0、0.0)、dEav 0.33
膜厚公差±25%のモデル
、a、bの平均値(23.99、0.0、0.0)、dEav 0.36
膜厚公差±30%のモデル
、a、bの平均値(23.98、0.0、0.0)、dEav 0.40
(実施例とシミュレーション結果の対比)
いくつかの実施例と比較例の光学物品を製造し、干渉縞の見え方をシミュレーションから得られる平均値dEavを用いた評価と比較した。
ハードコート層を形成するための塗布液(コーティング液)形成
エポキシ樹脂−シリカハイブリッド(商品名:コンポセランE102(荒川化学))20重量部に酸無水物系硬化剤(商品名:硬化剤液(C2)(荒川化学))4.46重量部を混合、撹拌して配合液(コーティング液)を得た。
実施例および比較例の光学物品の製造
上記のコーティング液を所定の厚さになるようにスピンコーターを用いて基板2の上に塗布してハードコート層(機能層)1を成膜し、実施例(E1〜E4)、比較例(R1、R2)の光学物品(眼鏡レンズ)5を製造した。塗布した基板(基材)2は、屈折率1.67のセイコースーパーソブリン用基板(E1、E2、R1)、屈折率1.74のセイコープレステージ用基板(E3、E4、R2)を使用した。次いで、塗布後のレンズ基材を125℃で2時間焼成した。
[評価1]
上記にて製造した眼鏡レンズ5に3波長型蛍光灯を光源として使用して干渉縞の様子を目視で観察した。判定基準は以下の通りである。
◎ 干渉縞が目立たない
○ 干渉縞がわずかに目立つ
△ 干渉縞が目立つ
× 干渉縞がかなり目立つ
[評価2]
上記にて製造した眼鏡レンズ5の反射率を分光反射率計で380〜780nmの範囲で測定し、その実測した反射率からシミュレーションと同様に、光源F10での反射色Labを計算した。この操作を基板上の上方から下方のランダムに10点測定を行い、その平均値を求め、平均値から各10点の色差(ΔE)を計算し、その色差の平均値Eabを計算した。
図9に、これらの結果と、シミュレーションにより得られる反射率R(k)の周期Pkと、色差の平均値dEavとを示している。この図に示すように、シミュレーションにより得られる色差の平均値dEavによる評価と、製造した実施例E1〜E4および比較例R1、R2との評価とはほぼ一致している。
そして、ハードコート層1の屈折率n1と基材2の屈折率n2との差dnが同じ実施例E1、E2と比較例R1、また、実施例E3、E4と比較例R2とを比較すると、ハードコート層1の膜厚が大きく、反射率R(k)の周期Pkの短い実施例E1およびE2の方が干渉縞の発生しない、または、感じられないレンズ5となっている。
さらに、屈折率差dnが0.19と大きな実施例E3およびE4においても、ハードコート層1の反射率R(k)の周期Pkを短くすることにより、干渉縞の発生しない、または、感じられないレンズ5となっていることが分かる。
(最大周期)
以上より、ハードコート層などの基材2の上に積層される機能層1の反射率R(k)の周期Pkを短く(小さく)することにより、基材2と機能層1との間に屈折率差があっても、機能層1の屈折率n1が一定であっても、さらには、機能層1の厚みにムラ、公差あるいはばらつきがあっても、干渉縞が感じられないレンズ5を提供できることが分かる。このため、そのような効果が得られる最小の膜厚を得るべく、いくつかのモデルに対してシミュレーションを行い、反射率R(k)の周期Pkと色差の平均値dEavとの関係を求めた。これらのモデルは、基材2の屈折率n2の範囲が1.50〜1.90の範囲、機能層1の屈折率n1の範囲が1.50〜1.90の範囲、さらに、基材2と機能層1との境界における屈折率差dnが0.06〜0.40の範囲で選択した。
図10は、それらのモデルの中から、上述したカテゴリー1を少なくとも満足する、すなわち、色差の平均値dEavが1.5以下の周期PkのモデルD1〜D10を示している。一方、図11に、色差の平均値dEavが1.5以上の周期Pkの参照モデルRD1〜RD5を示している。参照モデルRD1〜RD5に対し、これらのモデルD1〜D10はいずれも周期Pkが3.66×10−5nm−1以下で、色差の平均値dEavが1.5以下というカテゴリー1の条件を満足している。したがって、カテゴリー1を少なくとも満足するための機能層1の反射率R(k)の最大周期Pk1を3.66×10−5nm−1に設定できる。
図12は、カテゴリー2を少なくとも満足する、すなわち、色差の平均値dEavが1.0以下の周期PkのモデルD11〜D20を示している。一方、図13に、色差の平均値dEavが1.0以上の周期Pkの参照モデルRD11〜RD14を示している。参照モデルRD11〜RD14に対し、これらのモデルD11〜D20はいずれも周期Pkが3.03×10−5nm−1以下で、色差の平均値dEavが1.0以下というカテゴリー2の条件を満足している。したがって、カテゴリー2を少なくとも満足するための機能層1の反射率R(k)の最大周期Pk2を3.03×10−5nm−1に設定できる。
図14は、カテゴリー3を少なくとも満足する、すなわち、色差の平均値dEavが0.5以下の周期PkのモデルD21〜D30を示している。図12に示したモデルD11、D16、D18およびD19を参照すると、これらのモデルD21〜D30はいずれも周期Pkが2.08×10−5nm−1以下で、色差の平均値dEavが0.5以下というカテゴリー3の条件を満足している。したがって、カテゴリー3を少なくとも満足するための機能層1の反射率R(k)の最大周期Pk3を2.08×10−5nm−1に設定できる。
図15は、カテゴリー4を少なくとも満足する、すなわち、色差の平均値dEavが0.3以下の周期PkのモデルD31〜D40を示している。図14に示したモデルD26、D28およびD29を参照すると、これらのモデルD31〜D40はいずれも周期Pkが1.59×10−5nm−1以下で、色差の平均値dEavが0.3以下というカテゴリー4の条件を満足している。したがって、カテゴリー4を少なくとも満足するための機能層1の反射率R(k)の最大周期Pk4を1.59×10−5nm−1に設定できる。
図16は、カテゴリー5を少なくとも満足する、すなわち、色差の平均値dEavが0.2以下の周期PkのモデルD41〜D50を示している。図15に示したモデルD36、D38およびD39を参照すると、これらのモデルD41〜D50はいずれも周期Pkが1.39×10−5nm−1以下で、色差の平均値dEavが0.2以下というカテゴリー5の条件を満足している。したがって、カテゴリー5を少なくとも満足するための機能層1の反射率R(k)の最大周期Pk5を1.39×10−5nm−1に設定できる。
干渉縞が現れない、あるいは人間が感じられないという点では、機能層1の反射率R(k)の周期Pkは短い(小さい)ほどよいことが分かる。しかしながら、カテゴリー5になると人間は識別できないので、それ以上に色差を小さくするための反射率R(k)の周期Pkを小さくすることは、機能層1の厚みをむやみに大きくする可能性があり、そのような厚い機能層1は、干渉縞の発生を抑制するという点では不要である。一方、機能層1の膜厚が増大し過ぎると、材料が無駄になることに加え、製造工程において、成膜後の乾燥による体積変化などに起因してクラックの発生が予想される。また、機能層1を厚くすることにより、厚みのばらつきがあっても干渉縞は現れにくくなるが、機能層の表面の面精度が著しく劣化することは光学物品あるいは光学素子としての性能上好ましくない。
機能層1の厚みTは、成膜の乾燥によるクラックの発生の恐れが少ない100μm以下であることが望ましい。この程度の厚みであれば、面精度も確保しやすい。たとえば、屈折率n1が1.9の機能層1であれば、膜厚Tが100μmの反射率R(k)の周期Pkは、2.63×10−6であり、この周期Pkを最小周期として採用できる。
さらに、機能層1の厚みTが50μm以下であれば、面精度の確保はさらに容易になる。たとえば、屈折率n1が1.9の機能層1であれば、膜厚Tが50μmの反射率R(k)の周期Pkは、5.26×10−6であり、この周期Pkを最小周期として採用してもよい。
(反射率の周期の範囲)
以上の結果より、機能層1の反射率のk空間における周期Pk(nm−1)が3.66×10−5以下であれば、少なくともカテゴリー1に入り干渉縞による色差がわずかに感じられる程度になる。すなわち、反射率R(k)の周期Pk(nm−1)が3.66×10−5を上回ると、干渉縞による色差がかなり感じられる可能性があり好ましくない。なお、波数kは、波長の逆数(1/λ)である。
さらに、機能層1の反射率R(k)の周期Pkが3.03×10−5以下であれば、少なくともカテゴリー2に入り、干渉縞による色差がわずかに感じられる可能性があるが、その程度が小さくなる。
さらに、機能層1の反射率R(k)の周期Pkが2.08×10−5以下であれば、少なくともカテゴリー3に入り、干渉縞による色差がかすかに感じられる可能性がある程度になる。
さらに、機能層1の反射率R(k)の周期Pkが1.59×10−5以下であれば、少なくともカテゴリー4に入り、干渉縞による色差がかすかに感じられる可能性があるとしても、その程度はさらに小さくなる。
さらに、機能層1の反射率R(k)の周期Pkが1.39×10−5以下であれば、少なくともカテゴリー5に入り、干渉縞による色差はほぼ感じられなくなる。
機能層1の反射率R(k)の周期Pkの最小値は特に定義されないが、機能層1の厚みを勘案すると周期Pkは2.63×10−6以上であることが望ましく、5.26×10−6以上であることがさらに好ましい。
このように、上記の光学物品5は、ハードコートなどの機能層1の反射率R(k)の周期Pkを小さく、あるいは短くすることにより、光源9のスペクトルS(k)をさまざまに変換してしまうことを抑制し、干渉縞の発生を抑制している。たとえば、機能層1の反射率R(k)の周期Pkを、光源9のスペクトルS(k)に含まれる、あるいはS(k)を特徴付ける周期よりもはるかに小さくすることにより、反射光のスペクトルを光源9のスペクトルと同じまたは近づけることができる。
このため、上記のような反射率を備えた膜であって、屈折率が一定で厚さ方向に変化しないハードコート層などの機能層をレンズなどの光学基材の上に成膜することにより、機能層の屈折率と光学基材の屈折率とが異なっても、干渉縞の発生を抑制できる。したがって、レンズ基材などの光学基材が異なっても、基材の上に積層するハードコート層、以下で説明するプライマー層、さらに、その上に設ける反射防止膜、防汚膜(防汚層)も含めたコーティングシステムを共通化できる。さらに、屈折率が厚さ方向に変化する複雑な仕様のハードコート層を設計し、施工する必要がない。このため、いずれの屈折率のレンズ基材、またはその他の光学基材においても、ハードコート層などの製造ラインは1つでよく、その上の反射防止膜の種類も1つでよい。したがって、多種多様な光学基材に対して、極めて簡単な製造ラインを適用し、眼鏡レンズなどの光学物品を製造することが可能であり、製造コストを下げることが可能である。
なお、上記の実施例では、機能層1としてハードコート層の一例を記載しているが、ハードコート層の構成は上記に限定されるものではない。ハードコート層を形成するため樹脂としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂およびこれらの混合物もしくは共重合体等を挙げることができる。本発明の対象となる機能層を形成する樹脂としては、透明な皮膜を形成できれば特に限定はなく、コーティング剤として用いられる汎用の樹脂が対象になる。しかしながら、機能層1が主に保護膜として機能することを考慮すると、ハードコート層としては、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂がよく、また密着性を持たせる為のプライマー層としてはウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂が好ましい。さらに、ハードコート層は1層に限らず、多層であってもよい。
また、機能層1は、ハードコート層に限らず、少なくとも1層のハードコート層と光学基材2との間に積層された少なくとも1層のプライマー層であって、屈折率が一定のプライマー層を含めることができる。上述したハードコート層と同様に、反射率R(k)の周期Pkを短くすることにより、プライマー層に起因する干渉縞の発生を抑制できる。このため、レンズ基材などの光学基材が異なってプライマー層との間に屈折率差が生じても、基材の上に積層するプライマー層は屈折率が一定でよい。
プライマー層は、レンズ基材2とハードコート層との密着性を確保するため、および/または、高屈折率レンズ基材の欠点である耐衝撃性の改善を行うためのものである。プライマー層を形成するための樹脂としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂およびこれらの混合物もしくは共重合体等が挙げられる。密着性を持たせるためのプライマー層としてはウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂が良い。
さらに、レンズ基材の屈折率をn2、プライマー層の屈折率をn3、ハードコート層の屈折率をn1としたときに、これらの屈折率は以下の式を満たすことが望ましい。
n2≦n3≦n1 または n2≧n3≧n1 ・・・(10)
この関係を満たすように材料を選択することで、反射率の最大値と最小値の差を小さくすることができ、反射率の波形はよりフラットな形になるため、干渉縞をさらに抑制することが可能である。屈折率の異なる複数の層を含む機能層においては、内部の層間での反射も考えられるので、反射率の周波数特性は複雑になり、干渉縞が発生する要因も多岐になる。しかしながら、機能層1の全体として上記に開示した膜厚を確保することにより、干渉縞の発生を抑制できる。さらに、機能層を構成する各層の屈折率がレンズ基材などに対する屈折率差と同程度になる場合は、機能層を構成する各層を1つの機能層として上記に開示した条件を当てはめることにより、干渉縞の発生を未然に防止できる。
また、ハードコート層などの機能層を、プラスチックレンズなどの光学基材上に形成する方法としては、公知のコーティング方法のいずれも利用可能である。膜厚をより均一にするためにはスピンコーティングによる方法がより好ましいが、生産性を重視して一度に複数のレンズをコーティングする場合はディッピングによる方法が好ましい。
さらに、機能層1の上に、無機系の反射防止膜を形成したり、さらには有機系の反射防止膜を形成することも可能である。反射防止層は、必要に応じてハードコート層上に形成される薄層である。反射防止層は、例えば、屈折率が1.3〜1.5である低屈折率層と、屈折率が1.8〜2.3である高屈折率層とを交互に積層して形成することができる。層数としては、5層あるいは7層程度が好ましい。
反射防止層を構成する各層に使用される無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、TaO、Ta、NbO、Nb、NbO、Nb、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上を混合して用いる。反射防止層の一例は、低屈折率層をSiOの層とし、高屈折率層をZrOの層としたものである。
反射防止層を形成する方法としては、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
反射防止層は、湿式法を用いて形成してもよい。例えば、内部空洞を有するシリカ系微粒子(以下、「中空シリカ系微粒子」ともいう)と、有機ケイ素化合物とを含んだ反射防止層形成用のコーティング組成物を、ハードコート層、プライマー層と同様の方法でコーティングして形成することもできる。中空シリカ系微粒子を用いるのは、内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子に比べてより屈折率が低減し、結果的に、優れた反射防止効果を付与できるからである。中空シリカ系微粒子は、特開2001−233611号公報に記載されている方法などで製造することができるが、平均粒子径が1〜150nmの範囲にあり、かつ屈折率が1.16〜1.39の範囲にあるものを使用することが望ましい。この有機系の反射防止層の層厚は、50〜150nmの範囲が好ましい。この範囲より厚すぎたり薄すぎたりすると、十分な反射防止効果が得られないおそれがある。
さらに、反射防止膜の上に撥水膜、または親水性の防曇膜(防汚膜)を形成することも可能である。防汚層は、光学物品の表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、反射防止層の上に、フッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる層を形成したものである。フッ素を含有する有機ケイ素化合物としては、例えば、特開2005−301208号公報や特開2006−126782号公報に記載されている含フッ素シラン化合物を好適に使用することができる。
含フッ素シラン化合物は、有機溶剤に溶解し、所定濃度に調整した撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)として用いることが好ましい。防汚層は、この撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)を反射防止層上に塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法などを用いることができる。なお、撥水処理液(防汚層形成用のコーティング組成物)を金属ペレットに充填した後、真空蒸着法などの乾式法を用いて、防汚層を形成することも可能である。
防汚層の層厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層の層厚が薄すぎると撥水撥油効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下する可能性がある。
上記においては、光学物品の例として、プラスチックレンズにコーティングした眼鏡レンズを主に説明している。上記のように厚いハードコート層を備えたプラスチック製の眼鏡レンズと、眼鏡レンズが装着されたフレームとを有する眼鏡を提供できる。この眼鏡は、室内、オフィスなどにおいて蛍光灯の光に晒されても、眼鏡レンズの表面に干渉縞が現れにくく、外観上見苦しさを防止でき、映り込みなどを抑制できる。このため、商品価値の高い眼鏡を提供できる。
また、光学物品は眼鏡レンズに限定されず、室内、オフィス、工場などの屋内、またはその他の場所において、蛍光灯などの分光分布が白色ではない光に表面が晒される光学物品に対し適用できる。たとえば、少なくとも一方の面が外界に面した光学物品を有し、光学物品を通して画像を透視するためのテレビ、コンピュータディスプレイ、窓などのシステムである。
光源の分光分布の一例(F10)を示す図である。 干渉縞が現れる反射率の分布の一例を示す図である。 干渉縞が現れない反射率の分布の一例を示す図である。 k空間の反射率および光源の分布を示す図である。 干渉縞の発生を評価するためのシミュレーションの概略工程を示すフローチャートである。 シミュレーションのモデルを示す図である。 シミュレーションにより得られる色差の平均値を評価する参考資料である。 反射係数の分布の一例を示す図である。 実施例および比較例を示す図である。 色差の平均値dEavが少なくともカテゴリー1(1.5以下)になるモデルD1〜D10を示す図である。 色差の平均値dEavが1.5以上になる参照モデルRD1〜RD5を示す図である。 色差の平均値dEavが少なくともカテゴリー2(1.0以下)になるモデルD11〜D20を示す図である。 色差の平均値dEavが1.0以上になる参照モデルRD11〜RD14を示す図である。 色差の平均値dEavが少なくともカテゴリー3(0.5以下)になるモデルD21〜D30を示す図である。 色差の平均値dEavが少なくともカテゴリー4(0.3以下)になるモデルD31〜D40を示す図である。 色差の平均値dEavが少なくともカテゴリー5(0.2以下)になるモデルD41〜D50を示す図である。
符号の説明
1 機能層、 2 光学基材、 5 光学物品、 8 反射光、 9 光源

Claims (8)

  1. 光学基材と、
    前記光学基材の表面に積層された透光性の機能層と、を含み、
    前記光学基材と前記機能層との境界における屈折率差は0.06〜0.40の範囲であり、
    前記機能層の反射率のk空間における周期Pk(nm−1)が3.66×10−5以下である、眼鏡レンズ
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズにおいて、
    さらに、前記周期Pkが3.03×10−5以下である、
    眼鏡レンズ
  3. 請求項2に記載の眼鏡レンズにおいて、
    さらに、前記周期Pkが2.08×10−5以下である、
    眼鏡レンズ
  4. 請求項3に記載の眼鏡レンズにおいて、
    さらに、前記周期Pkが1.59×10−5以下である、
    眼鏡レンズ
  5. 請求項4に記載の眼鏡レンズにおいて、
    さらに、前記周期Pkが1.39×10−5以下である、
    眼鏡レンズ
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記周期Pkが2.63×10−6以上である、
    眼鏡レンズ
  7. 請求項6において、前記周期Pkが5.26×10−6以上である、
    眼鏡レンズ
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の眼鏡レンズと、
    前記眼鏡レンズが装着されたフレームと、
    を含む、眼鏡。
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