JP5428799B2 - 画像濃度制御方法および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像濃度制御方法、該方法を実施する機能を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
近年の複写機、レーザプリンタ等においては、高画質を求められると同時に、高耐久性、高安定も望まれている。つまり、使用環境の変化(連続印字、間欠印字を含む)による画質の変化を小さくし、経時においても常に安定した画像を提供していかなければならない。
現在、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤(以下「現像剤」と記す)を現像剤担持体(以下「現像スリーブ」または「現像ローラ」と記す)上に保持し、内包される磁極によって磁気ブラシを形成させ、現像スリーブに潜像担持体(以下「感光体」と記す)と対向する位置で現像バイアスを印加することにより現像を行う二成分現像方式が広く用いられている。
この現像方式において、二成分現像剤は現像スリーブの回転に伴い現像領域に搬送され、現像極の磁力線に沿って、多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシにより現像を行うため、2成分磁気ブラシ現像とも呼ばれる。
これら二成分現像方式は、1成分現像方式と異なり、トナーとキャリアの重量比(トナー濃度)を精度よく制御することが、安定性を向上させる上で非常に重要とされている。例えばトナー濃度が高すぎると、画像に地肌汚れの発生や、細部解像力の低下が生じる。
トナー濃度が低い場合には、ベタ画像部の濃度が低下や、キャリア付着が発生するといった不具合が生じる。そのため、トナー補給量を制御して、現像剤の中のトナー濃度を適正範囲に調整する必要がある。
ここで、トナー濃度制御は、トナー濃度検出手段出力値:Vtをトナー濃度の制御基準値:Vtrefと比較し、その差分に応じてトナー補給量を演算式から算出し、トナー補給装置を駆動することにより現像器にトナーを補給することにより行う。
現像器中のトナー濃度を検知する方法としては、透磁率センサを用いた方式が一般的である。この方式には、トナー濃度が変化することによる現像剤の透磁率変化をトナー濃度変化に換算するものである。本発明も、この方式を採用している。
画像濃度調整は、主に、出力画像の画像濃度を保証することを目的としており、光学センサを用いてトナーの付着量を検知し、狙いのトナー付着量になるよう作像条件を調整することにより、出力画像の画像濃度を一定に保つ画像濃度調整方式が広く実施されている。以下、この方法について簡単に説明する。
感光体、または中間転写ベルト上に、作像条件(現像ポテンシャル、またはLDの書き込み密度)を変化させることにより複数個の基準トナーパッチを作成する。このパッチにLED光を照射し、パッチからの反射光(正反射光、または拡散反射光)を光学センサ(フォトダイオードやフォトトランジスタなどで)により検出し、その検出結果をトナー付着量に変換することにより、各々のトナーパッチの付着量を得る。
その後、パッチのトナー付着量を現像ポテンシャルに対してプロットし、その近似直線の傾きである現像γ、およびX切片である現像ポテンシャル:Vkを算出する。これら各色ごとの一次直線から、目標の付着量が得られる現像ポテンシャルを算出する。
現像ポテンシャルから、現像バイアス、帯電バイアス、書き込みLDパワーを順に決定し、作像条件を再調整することにより、適正な画像濃度を得ることが可能となる。
これら現像装置における現像能力変化は、例えば、次のようなことから発生しやすい状況となっている。近年の画像形成装置は、現像装置に低ストレス化の手法を取り入れたものが多く存在する。これらは、現像装置小型化の要請による現像剤量の低量化と現像剤の長寿命化の相反する目的を両立するために非常に有効な手法であると考えられる。
例えば、カラー二成分画像形成装置においては、トナー分散性を向上するために、シリカ(SiO)や酸化チタン(TiO)等の添加剤がトナー表面に多くに外添されている。これら添加剤はメカ的ストレスや熱ストレスに非常に弱い。そのため現像器内での攪拌時に、トナー内部に埋没したり、表面から離脱したりする現象が発生する。
その結果、現像剤の流動性や帯電特性、トナーとキャリア間の物理的付着力が変化する。低ストレス現像装置を用いることにより、上記した現象を抑制することができるのである。
一方、現像装置の低ストレス化により、トナー帯電能力(現像器がトナーを帯電させる能力)の低下を招く場合がある。例えば、低画像面積率の画像を出力する場合には、現像能力が一定に保たれるのに対し、高画像面積率画像(単位時間、または単位枚数あたりのトナー入換え量が多い画像)を出力する場合には、現像能力が増加するというものである。
つまり、現像剤中でどの程度トナーを入れ換えたかにより、現像能力に差が生じるのである。このように、トナーの帯電量は常に変化しているため、画像濃度を一定に保つために適正なタイミングで、画像濃度調整(画像濃度制御)を実行する必要がある。
ところで、現像装置内の現像剤は、図1に示すように、装置内で長手方向に循環している。上記したように、低ストレス現像装置を用いて高面積画像を印刷した場合やマシン本体をHH(高温高湿)環境で使用した場合には、トナーの帯電量が立ち上がりにくい傾向がある。
その場合、画像濃度調整実行時に大きく作像条件を変更する場合があり、調整前後での画像濃度変動が大きくなることが予想される。
カラー画像形成装置は、KCMYの4色の画像形成ユニットにより構成されている。単色で濃度変動がある場合、2次色の色味変動が大きくなる。カラー画像形成装置において、これら色味変動の発生は大きな課題であり、画像濃度調整動作の実行前後で、色味変化の発生を極力抑えるように作像条件を変化させる必要がある。
図2にL色空間を示す。L色空間は、現在最も広く使用されている表色系である。明度をL、色度をa、bで表現する。aは色の方向を示しており、+a方向は赤、−a方向は緑を表す。また、+b方向は黄色、−b方向は、青を示す。
半径方向を彩度、円周方向を色相と呼ぶ。彩度は、中心に向かうほど、くすんだ色となり、外周側へ向かうほど、より鮮やかな色となる。円周方向の色相は、周方向の距離が遠いほど、色そのものが異なることを示す。Lは明度を表し、値が大きいほど、より明るい色になる。人間の目は、一般的に色相方向の感度が高く、色の違いを識別しやすいと言われている。また明度に関しては、50付近が最も感度が高く、それより低くても高くても感度が低下するとされている。
色差を表すのには、ΔEを用いるのが一般的である。ΔEは以下の式(1)で表される。
ΔE=(ΔL+Δa+Δb1/2 式(1)
ここで、ΔL、Δa、Δbは、Lab空間における各要素の差分を表す。つまり、式(1)は、L空間上の2点間の距離を表すものである。
一般的に、ΔEは表1のように認識されている。
Figure 0005428799
ΔEは3.0以下が望ましいとされており、一連の印刷Jobの区切りに行う、Jobエンド調整よりも、Job間に行う割り込み調整において色差変動がないように意識することが必要といえる。
乾式トナーによる現像方式において、ΔEを大きくするのは、ベタ部トナー付着量変動による色相の変化であると考えられるため、画像濃度調整実行時の作像条件変更は充分注意をして行う必要がある。つまり色差変動を意識した画像濃度調整が必要である。
特許文献1には、連続印刷中に大きな色味変動が生じた場合であっても、印刷作業能率を高水準に維持したままで、色味変動を抑えるという目的で、以下の手段が開示されている。
すなわち、連続印刷中に形成された紙間パッチ画像濃度を取得することを通じて得られた実際のトナー量と、基準トナー量とが不一致であるとの判定がなされたとき、現像バイアスのバリエーション毎に実際トナー量を対応付けた関係特性を、実際トナー量と基準トナー量とが一致することを考慮して再構築し、当該再構築された関係特性と、前記基準トナー量とに基づいて、当該基準トナー量を実現するための現像バイアスを再設定することにより、画像濃度補正を行うというものである。
この方式によれば、ダウンタイムレスで、画像濃度調整を実行することが可能であり、非常に効率的に現像バイアスの調整を実施することができる。
特許文献2には、作像中に1パッチを作像し、その情報と、電源ON時の画像濃度調整結果に基づいて、画像濃度制御基準値、もしくは現像バイアスを変更する点が開示されている。
しかしながら、特許文献1記載の方式では、特に大きく濃度が外れた状態から補正する場合においても、適正バイアスに一度に調整がなされると考えられる。そのため目に見えるレベルの画像濃度変動が発生する虞がある。また、特許文献1記載の技術は、単色での濃度調整に関するものであり、2次色に対する色味変動についての認識は存在しない。このため、色差:ΔEを低く抑えることは難しいと考えられる。
特許文献2の技術に関しては、画像濃度制御基準値を操作することによっても滑らからに濃度を適正な方向に導くことは可能である。しかしながら、他色の調整情報を使用していない。
従って、特許文献1記載の技術と同様に、単色での濃度調整に関するものであると言え、2次色に対する色味変動についての認識が存在しないため、色差:ΔEを低く抑えることは難しいと考えられる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、画像濃度制御(調整)時に作像条件を大きく変更する場合があっても色味変化を極力抑制することができ、画像濃度の一定化と色味変動の抑制とを両立できる画像濃度制御方法の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、各像担持体上に形成された色別の静電潜像を、対応する色のトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤でそれぞれ現像し、これらのトナー画像を被転写体に重ね合わせて転写する画像形成装置に用いられる方法であって、
諧調を持つトナーパターンを色別に複数形成し、該トナーパターンからの反射光を光学センサで検知し、該光学センサの出力値をトナー付着量に変換して得られるデータに基づいて、適正なトナー付着量を得るための作像条件を新たに決定する画像濃度制御方法において、前記新たに決定する作像条件を、色間の対応する作像条件についての変更方向に応じて、各色の変更量を他色の変更量との関係に基づいてそれぞれ決定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像濃度制御方法において、前記作像条件が、前記変換して得られたトナー付着量と前記トナーパターン作像時の現像ポテンシャルとの関係から求められる現像γにより算出される、所望の付着量に対応した現像ポテンシャルであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像濃度制御方法において、各色毎に、濃度制御時の現像ポテンシャルから濃度制御を行う前の前回の現像ポテンシャルを減算して得られる現像ポテンシャル変更量に上限を設け、該現像ポテンシャル変更量の絶対値が上限に満たない場合には濃度制御時の現像ポテンシャルをそのまま用い、上限を超える場合には前回の現像ポテンシャルに上限値を加算した値を用いることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像濃度制御方法において、各色毎に、濃度制御時の現像ポテンシャルから濃度制御を行う前の前回の現像ポテンシャルを減算した現像ポテンシャル変更量を算出し、該現像ポテンシャル変更量の絶対値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、超える色については前記閾値を前記現像ポテンシャル変更量として設定し、超えない色については現像ポテンシャルを変更しないことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像濃度制御方法において、異なる2色間で前記現像ポテンシャル変更量が前記閾値を超え、且つ、現像ポテンシャルの変更方向が異なる場合、各色の前記現像ポテンシャル変更量を、各現像ポテンシャル変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして均等に振り分けて設定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像濃度制御方法において、異なる2色間で前記現像ポテンシャル変更量が前記閾値を超え、且つ、現像ポテンシャルの変更方向が異なる場合、各色の前記現像ポテンシャル変更量を、各現像ポテンシャル変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして各現像ポテンシャル変更量の絶対値の大きさに応じて比例配分し、設定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の画像濃度制御方法において、前記作像条件が画像濃度制御基準値であり、前記変換して得られたトナー付着量と前記トナーパターン作像時の現像ポテンシャルとの関係から求められる現像γから現像γ目標値を減算した値が所定の範囲内にあるか否かを判断し、前記所定の範囲内よりも高い場合には、前記画像濃度制御基準値からトナー濃度センサ出力値を減算した画像濃度制御基準値変更量を高くし、前記所定の範囲内よりも低い場合には前記画像濃度制御基準値変更量を低くすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像濃度制御方法において、各色毎に、前記画像濃度制御基準値変更量を算出し、該画像濃度制御基準値整量の絶対値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、超える色については前記閾値を前記画像濃度制御基準値変更量の上限として設定し、超えない色については画像濃度制御基準値を変更しないことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の画像濃度制御方法において、異なる2色間で前記画像濃度制御基準値変更量が前記閾値を超え、且つ、画像濃度制御基準値の変更方向が異なる場合、各色の前記画像濃度制御基準値変更量を、各画像濃度制御基準値変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして均等に振り分けて設定することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像濃度制御方法において、連続印字中に割り込みで実施する画像濃度調整時に実施することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像濃度制御方法を実施する機能を有していることを特徴とする。
本発明によれば、画像濃度調整時における作像条件の設定において、異なる色の現像ポテンシャルを考慮して現像ポテンシャルを設定することにより、画像濃度調整前後の色味変動を抑制することができる。現像ポテンシャルを調整するため画像濃度も目標値に合わせることができ、色味変動の抑制と画像濃度維持を両立することができる。
現像ポテンシャルの変更量を上限処理することにより、急激な色味変動を抑制することができる。
少なくとも1色の現像ポテンシャル変更量が閾値を超えた場合に上限処理をすることにより、制御を複雑化することなく目的を達成できる。
各現像ポテンシャル変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないように設定することより、異なる色間のポテンシャル変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。換言すると、必要な色に対し、必要最小限の現像ポテンシャル変更を実施しているため、画像濃度規格を満足できる。また、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
現像ポテンシャルの変更量に応じて比例配分することにより、画像濃度調整時に、より画像濃度を目標値近くに制御することに重点を置いたものとなり、色味変動を抑制しつつ、画像濃度目標値に対する追従性がさらに向上する。
画像濃度調整を割り込みで実施しても、色味変動を起こすことはなく、画像濃度も調整することが可能であるため、色味変動の抑制と、画像濃度の維持が両立できる。
色味変動に対するロバスト性に優れた画像形成装置を提供することができる。
また、本発明によれば、画像濃度調整時の作像条件設定において、異なる色の画像濃度制御基準値を考慮して画像濃度制御基準値を設定することにより、画像濃度調整後の色差変動を抑制することができる。
異なる色間の画像濃度制御基準値変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。また画像濃度制御基準値の操作量を規制することにより、トナー帯電量をゆるやかに適正状態に誘導することが可能となる。
色味変動を抑制した状態でトナー帯電量を適正な状態に導くことができる。
トナー帯電量を適正方向に誘導することが可能であるため、色味変動の抑制と、現像剤状態の維持が両立できる。
紙間にトナーパターンを作像することにより画像濃度を検知し、画像濃度制御基準値を制御するシステムに適用することにより、割り込み調整動作によるダウンタイムなく色味変動をと現像剤状態の維持を両立できる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における現像装置のカバーを除去した状態の斜視図である。 色空間の概念を説明するための模式図である。 画像形成装置の概要構成図である。 プロセスカートリッジの概要構成図である。 制御ブロック図である。 従来におけるトナーパターン(諧調パターン)と光学センサの配置構成を示す平面図である。 本発明におけるトナーパターンと光学センサの配置構成を示す平面図である。 本発明におけるトナーパターンの配置構成を示す断面図である。 プロセスコントロールの動作を示すフローチャートである。 光学センサの検知出力特性を示す図である。 感度補正係数の算出例を示す図である。 正反射成分分解を示す図である。 地肌部補正後の拡散反射出力特性を示す図である。 現像γと現像ポテンシャルとの関係を示す図である。 色空間とCMYとの関係を示す模式図である。 トナー付着量と画像濃度との関係を示す図である。 現像ポテンシャル変更による色相の変化を示す図で、(a)は変化が小さい場合を示す図、(b)は変化が大きい場合を示す図である。 現像ポテンシャルの設定動作を示すフローチャートである。 本発明と従来例との間の色味変動の違いを示す図である。 第2の実施形態におけるプロセスコントロールの動作を示すフローチャートである。 トナー濃度とトナー帯電量との関係を示すグラフである。 トナー帯電量とトナー付着量との関係を示すグラフである。 画像濃度調整におけるVtref補正の模式図である。 第2の実施形態におけるVtref変更による色相の変化を示す図で、(a)は変化が小さい場合を示す図、(b)は変化が大きい場合を示す図である。 画像濃度制御基準値の設定動作を示すフローチャートである。 紙間にトナーパターンを作成してVtref補正をする場合の模式図である。 画像濃度制御基準値の設定動作を示すフローチャートである。 紙間における濃度検出パッチ(トナーパターン)作成の模式図である。 本発明と従来例との間の色味変動の違いを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。まず、図1乃至図19に基づいて第1の実施形態を説明する。
図3は、本実施形態(実施例)に係る画像形成装置としてのカラー複写機の構成の概要を示す図、図4は、像担持体としての感光体ドラム廻りのユニット(プロセスカートリッジ)の詳細図である。
図3に示すように、カラー複写機1は、像担持体としての感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kが後述する被転写体としての中間転写ベルト14の移動方向に沿って並設されたタンデム型である。Y、M、C、Kは、現像色がそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであることを示している。
色の区別をせずに説明すると、各感光体ドラム2は帯電装置4により、表面を一様に帯電された後、光学系(書き込み装置)6により露光光Lを照射され、静電潜像が形成される。
現像装置8は現像ローラ10により装置内の現像剤を感光体ドラム2と対向する現像ニップ領域へ搬送し、感光体ドラム表面に形成されている静電潜像に現像剤中のトナーを付着させ顕像化する。トナー像は感光体ドラム2と中間転写装置12が対向する転写領域において、中間転写装置12の中間ベルト14上に一次転写装置15により転写される。中間転写ベルト14上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト14の移動に伴い、他色の転写領域で他色トナーを精度よく色重ねした状態で、二次転写装置16と対向する位置に搬送され、その位置で転写材としての用紙Sに転写され、用紙上の画像となる。
感光体ドラム2に残留したトナーは、クリーニング装置18(図3では省略)のクリーニングブレード20により除去され、図示しない廃トナーボトルに貯留される。クリーニング装置18を通過した感光体表面は、その後、再度帯電装置4により表面を一様に帯電され、次の画像形成工程を繰り返す。図4において、符号22は除電ローラを示す。
装置本体下部に配設された給紙トレイ24には用紙Sが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ26により1枚ずつ分離されて給紙される。給紙された用紙Sはレジストローラ対28で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対28により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された用紙Sは、定着装置30へ搬送され、ここで熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。定着を終えた用紙Sは、排紙ローラ対32により、装置本体上面に形成された排紙部34へ出力画像として排出され、スタックされる。図3において、符号36は各色のトナーを収容したトナーボトルが配置されたトナー補給ユニットを、38は読み取り部を示している。
図4に基づいて、現像装置8を詳細に説明する。
二成分現像剤(以下「現像剤」と記す)は図示しない現像ローラ10の汲み上げ磁極により、現像装置内の搬送スクリュ部40から現像ローラ10に移動する。その後、現像剤は現像ローラ10の回転に伴い、搬送極の磁場と現像ローラ10表面の摩擦力によりドクタ42の近傍まで搬送される。ドクタ近傍まで搬送された現像剤はドクタ上流部において一旦滞留し、ドクタエッジ部と現像ローラ10とのギャップGdで層厚を規制され現像領域に搬送される。
現像領域には、所定の現像バイアスが印加されており、感光体ドラム2上に形成された静電潜像にトナーを付勢する方向に現像電界が形成されるため、トナーは感光体ドラム2上に現像される。また、現像領域を通過した現像剤は、現像ローラ10上の現像剤離れ極位置で現像ローラ10から離れ、搬送スクリュ部40に戻る。
その後、搬送スクリュ部44に移動しトナー補給部46にて新トナーを補給されて適正なトナー濃度に調整され、現像ローラ10に再び搬送される。トナー補給部46のトナーが少なくなると、トナー補給ユニット36から対応する色のトナーが図示しない搬送パイプを介して補充される。図1にトナーの循環経路を示す。
図4に示すように、現像装置8のケーシング底部には、搬送スクリュ部44の位置に対応して、トナー濃度センサ(透磁率センサ)48が設置されており、このセンサにより現像剤中のトナー濃度を検出している。
一方、図3に示すように、中間転写ベルト14の2次転写ニップ手前部位には、中間転写ベルト14上に転写されたトナー像の濃度を検出する光学センサ50が配置されている。光学センサ50は、発光素子と、正反射光を受光する受光素子と、拡散反射光を受光する受光素子とを有している。
図5に示すように、トナー濃度センサ48と光学センサ50は、それぞれ図示しないA/D変換器を介してI/Oボード54に接続されている。制御部はCPU56、読み出し専用メモリ(ROM)58、読み出し書き出しメモリ(RAM)60、I/Oボード54からなり、I/Oボード54を介して図示しないトナー補給装置を駆動するトナー補給駆動モータ52に制御信号を伝達するように構成されている。
RAM60にはI/Oボード54から読み取ったトナー濃度センサ48の出力値Vtを一時保存するVtレジスタ、現像装置8内のトナー濃度の制御基準値Vtrefを記憶するVtrefレジスタ、光学センサ50からの出力値Vsを記憶するVsレジスタ等が設けられている。
ROM58には、トナー濃度制御プログラム、および画像濃度制御パラメータ補正プログラムが記憶されている。
画像濃度調整パターン、および検知構成について説明する。
従来は、図6に示すように、中間転写ベルト14の移動方向と直交する主走査方向に光学センサ50を複数配置し、画像濃度調整用パターンPk(ブラック)、Pc(シアン)、Py(イエロー)、Pm(マゼンタ)を並列に作像し、待ち時間を短くする効果を狙っていた。図6において、符号PPは位置ずれ検知用パターンを示している。複数の光学センサ50のうち、50aは濃度検知用を、両端の50bは位置ずれ検知用を示している。なお、図では明示していないが、各画像濃度調整用パターンは中間転写ベルトの移動方向に段階的に濃度が異なる諧調性を有している(図7、図8、図28において同じ)。
しかしながら、光学センサ自体の個体バラツキや、パターン作像位置の違いによる色差が発生する懸念があるため、本実施形態においては、画像濃度調整用パターンを直列に作像し、かつ検知用センサ(光学センサ50)を1ヘッドとする検知構成とした。その概略を図7に示す。
本実施形態では、画像濃度調整用パターンを画像領域幅において画像中心に直列に配置している。これは、主走査方向の作像幅内での濃度偏差に対して中央部が最も影響を受けにくいからである。
光学センサ50を1ヘッドとすること、調整用パターンを直列に作像することにより、待ち時間増加の懸念があるため、パッチ数を従来よりも減少させた。さらに、待ち時間を増加させないための工夫として、図8に示すように、各色パターンを作像ピッチ内に収めるように構成した。このように調整用パターンを作像することにより、全色同時に作像開始できるため、待ち時間を最小にすることができる。
上記センサヘッド数の低減は、単純にヘッド数減少分のコストダウンになるだけではなく、センサアッセンブル(PCB基板上にセンサを配列した部品)として歩留まりを向上できるため、センサにかかるコストを大幅に低下させることができる。
以下、本実施形態の画像濃度調整方法について、図9のフローチャートに沿って具体的に説明する。
[S−1:光学センサの校正を実行する]
ここでは、中間転写ベルト地肌部からの正反射光を、受光素子の出力が4.0±0.5[V]の範囲に収まるように、LED電流を調整する。
[S−2:画像濃度調整用パターンを作成する]
作成するパターンは図7に示したものである。
ここで、画像濃度調整用パターンは書き込み部の電位を固定して、現像バイアスと帯電バイアスを変化させ、現像ポテンシャルの低い側から順次作像する。現像バイアスを固定として、書き込みのDuty、もしくはパワーを変更することにより露光量を変化させ、階調を発生させるような手法を用いてもよい。
但し、この場合、露光部電位を測定する電位センサを併設した方がより正確に画像濃度調整用パターンのポテンシャルを設定できる。
[S−3:階調パターンからの反射光を検知する]
ここでは、基準トナーパターンにLED光を照射し、その反射光をフォトトランジスタ(PTr)により検知する。本実施形態において、Pkパターンは正反射光のみ検知し、カラーパターンは、正反射光と拡散反射光の両方を検知する。これは、後述するカラートナー付着量変換アルゴリズムにおいて、両反射光を用いるためである。
[S−4:センサ検出値をトナー付着量に変換する]
S−3で作成した基準パターンからの反射光を光学センサ50を用いて検知する。本実施形態においては画像濃度検出用の光学センサ50を画像中心に設置しており、このセンサにより、4色全ての画像濃度調整用パターンを検知する。
次に光学センサ50からの出力値をトナー付着量に変換する方法について詳細に説明する。
本実施形態に記載のトナー付着量変換方法は、特開2006−139180号公報に開示の方法を用いている。なお、以下説明中の記号の意味は以下の通りである。
Vsg・・・転写ベルト地肌部出力電圧
Vsp・・・各パターン部出力電圧
Voffset・・・オフセット電圧(LED_OFF時の出力電圧)
_reg.・・・正反射光出力
_dif.・・・拡散反射光出力
[n]・・・要素数:nの配列変数(トナーパッチ数)
先ず、Kトナーの付着量変換方法に関して説明する。
i)以下の式を用いて正反射光からオフセット電圧を減ずる。
ΔVsp_reg[K][n]=Vsp_reg[K][n]-Voffset_reg 式(2)
ΔVsg_reg[K]=Vsg_reg[K]-Voffset_reg[K] 式(3)
ii)正反射データを正規化する。
正規化値Rn[K]=ΔVsp_reg[K][n]/ΔVsg_reg[K] 式(4)
iii)LUT(参照テーブル)を用いて正規化値を付着量に変換する。
正規化値に対応する付着量変換テーブルを予め作成しておき、それに対応させて付着量を得る。
以上が、Kトナーの付着量変換方法である。
次にカラートナーの付着量変換方法に関して説明する。
[STEP1]データサンプリング:Vsp,ΔVsg算出(図10参照)
まず初めに、正反射光出力,拡散光出力ともに、全ポイント[n]についてオフセット電圧との差分を下記式(5)、(6)により計算する。これは、センサ出力の増加分をトナー付着量の増加分のみで表すためである。
正反射光出力増分:
ΔVsp_reg.[n]=Vsp_reg.[n]-Voffset_reg 式(5)
拡散反射光出力増分:
ΔVsp_dif.[n]=Vsp_dif.[n]-Voffset_dif 式(6)
[STEP2]感度補正係数αの算出(図11参照)
STEP1にて求めたΔVsp_reg.[n]、ΔVsp_dif.[n]から、ポイント毎にΔVsp_reg.[n]/ΔVsp_dif.[n]を算出し、STEP3で正反射光出力の成分分解を行う際に、拡散光出力(ΔVsp_dif[n])に乗ずる係数αの算出を式(7)により行う。
α=min(ΔVsp_reg.[n]/Vsp_dif.[n]) 式(7)
ここで、αの比を最小値により求めたのは、正反射光出力の正反射成分の最小値はほぼゼロであり、かつ正の値となることがわかっているからである。
[STEP3]正反射光の成分分解(図12参照)
以下の式(8)、(9)により、正反射光出力の成分分解を行う。
正反射光出力の拡散光成分:
ΔVsp_reg._dif.[n]=ΔVsp_dif.[n]×α 式(8)
正反射光出力の正反射成分:
ΔVsp_reg._reg.[n]=ΔVsp_reg.[n]−ΔVsp_reg._dif.[n] 式(9)
このようにして、正反射光出力から、拡散光成分を分離すれば、純粋な正反射光成分のみを抽出することができる。
[STEP4]正反射光出力_正反射成分の正規化
次に、各パターン部出力のベルト地肌部出力との比を取り、下記式(10)により0〜1までの正規化値へ変換する。
正規化値:
β[n]=ΔVsp_reg._reg./ΔVsg_reg._reg.(=転写ベルト地肌部の露出率) 式(10)
[STEP5]拡散光出力の地肌部変動補正
次に、[拡散光出力電圧]から[ベルト地肌部からの拡散光出力成分]を除去する処理を下記式(11)により行う。
補正後の拡散光出力:
ΔVsp_dif'=[拡散光出力電圧]−[ベルト地肌部出力]×[正反射成分の正規化値]=ΔVsp_dif.[n]−ΔVsg_dif.×β[n] 式(11)
[STEP6]拡散光出力の感度補正(図13参照)
「正反射光(正反射成分)の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットし、そのプロット線を近似することで、拡散光出力の感度を求め、この感度があらかじめ定めた狙いの感度となる様、補正を行う。上記プロット点を近似する方法としては、多項式近似(2次近似)を用いる。その方法を以下に示す。
「正反射光(正反射成分)の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットしたプロット線を多項式近似(本実施形態においては、2次式近似)して、感度補正係数ηを算出する。
まず、プロット線を2次近似式(y=ξ+ξx+ξ)で近似して、下記式(12)のように最小二乗法により係数ξ、ξ、ξを求める。
Figure 0005428799
式(12)において、
m:データ数
x[i]:正反射光_正反射成分の正規化値
y[i]:地肌部変動補正後拡散光出力
である。なお、計算に用いるxの範囲は、本実施形態では0.1≦x≦1.00とする。
上記、式(12)の(1)、(2)、(3)の連立方程式を解くことで、係数ξ、ξ、ξを求めることができる。
こうして近似されたプロット線から計算されるある正規化値aがある値bとなる様な感度補正係数ηを式(13)により求める。
Figure 0005428799
STEP5で求めた地肌部変動補正後の拡散光出力に対し、式(13)より求めた感度補正係数ηを乗じることで、付着量と拡散出力との関係が予め定められた関係となるように補正する。
感度補正後の拡散光出力:ΔVsp_dif’’
感度補正後の拡散光出力:ΔVsp_dif’’
=[地肌部変動補正後拡散光出力]×[感度補正係数:η]=ΔVsp_dif[n]’×η 式(14)
以上が、LED光量低下などにより生じる光学センサの経時的な変動などに対する光学センサ出力値の補正(校正)制御(処理)である。上記のように補正することにより、温度変化、経時劣化などによる発光素子や受光素子の出力値変動に対して受光素子の出力値とトナー付着量との関係を一義的な関係に修正することができる。
そして、上述した光学センサの出力値の補正(校正)制御を行った後に、補正(校正)された光学センサの出力値に基づいて、付着量変換テーブルを参照することにより、光学センサの出力値をトナー付着量に変換することができる。これにより、経時においても、光学センサを用いて良好なトナー付着量検知を行うことができる。
[S−5:現像能力を算出する]
画像濃度調整パターン作像時の現像ポテンシャルに対して、上記S−4で算出した付着量データをプロットしたものが図14である。これらの点を最小二乗法により直線近似し得られた関係式が画像形成装置の現像能力を表している。この近似直線の傾きが現像γである。また、この関係式とX軸との交点の値は、V現像開始電圧:Vkである。
本実施形態においては、直線近似としたが、2次近似を採用してもよい。但し、2次近似を採用した場合の現像γは、目標付着量を得る点における上記関係式の微分値とする。
[S−6:作像バイアスを算出する]
図14に示すように、S−5で得られた関係式から現像ポテンシャル[−V]を算出する。算出手順は以下のようになる。
(1)現像γの関係式を取得(S−5で得られた近似式)
(2)最大付着量目標値を取得
(3)狙いの付着量が得られる現像ポテンシャルを算出
従来の制御においては、ここで得られた現像ポテンシャルを下記の式(15)を用いて、現像バイアスに変換していたが、従来技術の項で説明したように色差変動が発生する。そこで本実施例においては、他色の現像ポテンシャルの変化を総合的に判断して、新規現像ポテンシャルを設定することとした。その詳細は後述する。
次に、現像ポテンシャルを現像バイアスに変換する方法について説明する。本実施例においては、露光部電位を固定値とし以下の式を用いて算出した。感光体表面電位計があるシステムでは、露光部電位をその都度電位を測定するのが望ましい。
現像バイアス[−V]=現像ポテンシャル+50[−V]・・・・・式(15)
ここで、露光部電位:50[−V]とする。
帯電バイアス[−V]=現像バイアス[−V]+200[−V]・・・・・式(16)
ここで、地肌ポテンシャル:200[−V]とする。
地肌ポテンシャルは、地肌汚れ防止のため、現像バイアスとオフセットして設定する電位差である。
[S−7:作像バイアスを設定する]
現像バイアス、帯電バイアス、LDパワーを設定する。LDパワーは、帯電電位に応じて80〜120[%]まで変化するが、ここでは詳しい説明を割愛する。
以上が本実施例における画像濃度調整動作の大まかなフローである。
次に、S−6における、各色の現像ポテンシャル設定方法について詳細に説明する
まず、図15にLとCMYトナーの関係を模式的に示す。実際には軸のゆがみが存在するが、ここでは簡単のため直線で記載する。図に示すように、CMYのトナーシステムにおいて、赤緑青(RGB)は、各トナーの混合色として表現することになる。
例えば、赤色を表す+a方向は、YトナーとMトナーの混合で表現し、緑を表す−a方向は、YトナーとCトナーの混合で表現する。同様に、青を表す−b方向は、MトナーとCトナーの混合で表現する。
一方、黄色を表す+b方向と、Yトナーの方向は、ほぼ一致している。色差評価は、RGBで行うことが多い。基準となるRGB色がずれると他の混合比率色もずれるためである。
図14に示したように、現像ポテンシャルに対して、中間転写ベルト上のトナー付着量はリニアな関係となっている。そのため、急減な現像ポテンシャル変更は、トナー付着量を大きく変更することとなり、画像濃度変動につながる。
ここで、転写紙上トナー付着量と画像濃度の関係を図16に示す。トナー付着量が増加するに従い、画像濃度が上昇する。トナー付着量が0.1から0.5[mg/cm]程度までは、IDはほぼリニアに上昇する。本実施形態において、狙いのID中心は1.4としており、この値を中心に色差変動を考慮しながら現像ポテンシャルを決定することとなる。
単色の画像濃度を調整すると、それに伴い2次色の色相が変化する。図17(a)にYトナーとMトナーの混合色である赤系色を例に挙げて説明する。図中の赤丸と青丸は、それぞれ画像濃度調整前後の色味を表す。画像濃度調整において、現像ポテンシャルが増加し、Yのトナー付着量が増すことにより、Yの彩度が状態1から2に変化している。
同様に、Mの現像ポテンシャルが増加することにより、Mのトナー付着量が増し、状態が3から4に変化している。これによりYMの混合色は、赤丸から青丸位置に色相、および彩度を変化させる。
このように、画像濃度を調整する度に、色味が変化していることになる。また、図17(a)から現像ポテンシャルを操作する方向が同じ場合には、色相変化は小さいといえる。
一方、図17(b)は、Y色画像形成装置の現像ポテンシャルを図17(a)の場合と逆方向に同じ量変化させた場合ものである。図17(a)との比較からわかるように、同じ量、現像ポテンシャルを変化させる場合においても、異なる2色で逆方向に現像ポテンシャルを操作すると色相変動が大きくなることがわかる。
従来技術のところで言及したように、電子写真においては、この色相変動を抑えることが、ΔEを小さく抑制するのに非常に重要である。そのためには、画像濃度調整時における色間のトナー付着量の変化を小さく制御する必要があるのである。
本実施形態においては、色間における現像ポテンシャルの変更方向(操作方向、調整方向、制御方向ともいう)、および変更量(操作量、調整量、制御量ともいう)を考慮することにより、色差:ΔEを小さく抑えることを特徴としている。
次に異なる色間の現像ポテンシャル設定の手順について、図18を用いて説明する。本フローは、図9のS−6内で呼び出されるフローである。
S1:現像ポテンシャルの前回値を取得する。この値はRAM60に保存されている値である。
S2:現像ポテンシャル要求量(今回値)を取得する。すなわち、今回の画像濃度調整で現像γ測定値から算出した現像ポテンシャル要求量を取得する。
S3:現像ポテンシャル要求量差分値:ΔVpotを取得する。現像ポテンシャル変更量:ΔVpotは次式で与えられる。
ΔVpot=現像ポテンシャル要求量(今回値)−現像ポテンシャル前回値・・・式(17)
S4:現像ポテンシャル変更閾値:ΔVpot閾値を取得する。
本実施形態においては、閾値を±50[V]に設定したが、色差変動は、定着システムやトナーに大きく依存するため、この値に限定するものではない。この閾値は上限値でもある。
また本値(閾値)は、サービスマンモード等で、SEが変更可能なように対応してもよい。
S5:現像ポテンシャル変更量(調整量)の判定を行う。ここで、今回の現像ポテンシャル変更量が閾値未満であるかどうか判定を実施する。
S6:現像ポテンシャルを設定する。今回の現像ポテンシャル変更量が閾値未満と判定された場合は、今回算出した現像ポテンシャル要求量をそのまま、現像ポテンシャルに採用する。算出式は以下で与えられる。
現像ポテンシャル設定値
=現像ポテンシャル要求量(各色)[−V]・・・式(18)
S7:現像ポテンシャル変更量を算出する。S5:において、ΔVpotが閾値以上と判定された場合、後述するテーブルに従い、各色の現像ポテンシャル変更量を算出する。
S8:現像ポテンシャルを設定する。S7:で算出した現像ポテンシャル変更量を用いて現像ポテンシャルを設定する。算出式は以下で与えられ、各色それぞれ算出する。
現像ポテンシャル設定値=現像ポテンシャル前回値+現像ポテンシャル算出値[−V]・・・式(19)
上記フローに示したように、閾値を超えた場合に、現像ポテンシャルの変更量規制をするようにすればよく、それ以外の場合は図9のS6で算出した現像ポテンシャルを用いて作像バイアスを設定すればよい。
次に、図18フロー中、S7:の現像ポテンシャル変更量の算出方法について詳細に説明する。
本実施形態においては、変更量に上限を設けて上限処理をするとともに、現像ポテンシャルの操作方向が異なる場合、異なる2色間のポテンシャル変更量絶対値の合算(総和)が50[V]を超えないように設定した。
具体的に言うと、異なる2色間で現像ポテンシャルの操作方向が同じ場合、2色ともポテンシャル変更量を50[V]とした(上限処理)。異なる2色間で、現像ポテンシャルの操作方向が異なる場合(一方がポテンシャルを増加させる方向、もう一方がポテンシャルを減少させる方向)、閾値である50[V]を均等に振り分けるように設定した。以下表で場合分けして説明する。表に用いている用語は以下の意味を持つ。
高:ΔVpotが、現像ポテンシャルを高くする方向に閾値を超えた。
低:ΔVpotが、現像ポテンシャルを低くする方向に閾値を超えた。
良:ΔVpotが、閾値の範囲内にある。
[1色が閾値を超えた場合]
表2に、カラー3色(CMY)の内、現像ポテンシャル変更量が1色のみ現像ポテンシャル変更量:ΔVpotが閾値を超えた場合の現像ポテンシャル設定テーブルを示す。この場合、閾値を超えた色の現像ポテンシャル変更量:ΔVpotを上限値、すなわち閾値:50[−V]に設定する。それ以外の色は、現像ポテンシャル変更量:ΔVpotを0[−V]とし、現像ポテンシャルを変更しない(前回の現像ポテンシャルのままとする)。
このように設定することより、異なる色間のポテンシャル変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。画像濃度に関して言うと、最も現像ポテンシャル変更が必要な色に特化し、必要最小限のポテンシャル変更を実施しているため、濃度規格を満足できる。ポテンシャル変更要求量が良で表されている色は、もともと画像濃度がほぼ適正に制御されていると考えられるため、現像ポテンシャルを変更する必要がない。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
[2色が閾値を超えた場合]
表3に、カラー3色(CMY)の内、現像ポテンシャル変更量について2色が現像ポテンシャル変更量:ΔVpotについて閾値を超えた場合の現像ポテンシャル設定テーブルを示す。この場合、異なる2色間の現像ポテンシャルの操作方向に従って、ポテンシャル変更量を設定する。
異なる2色間でポテンシャルを操作する方向が同じ場合、2色共にポテンシャル変更量を50[V]に設定する。
上記したように、同じ方向に現像ポテンシャルを制御する場合には、色相の変化が小さく色味変動が認識されにくいため、このように制御する。
異なる2色間でポテンシャルを操作する方向が異なる場合、2色の現像ポテンシャル変更量を均等に振り分けてそれぞれ、−25[V]、+25[V]に設定する。このように設定することにより、色間の現像ポテンシャル変更量絶対値の合算が50[V]に収まる。
ポテンシャル変更要求量が良で表されている色は、もともと画像濃度がほぼ適正に制御されていると考えられるため、現像ポテンシャルを変更する必要がない。このように設定することより、異なる色間のポテンシャル変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
[3色が閾値を超えた場合]
表4に、カラー3色(CMY)の内、現像ポテンシャル変更量について3色の全てが現像ポテンシャル変更量:ΔVpotについて閾値を超えた場合の現像ポテンシャル設定テーブルを示す。この場合も異なる色間の現像ポテンシャルの操作方向に従って、ポテンシャル変更量を設定する。
異なる色間で現像ポテンシャルを操作する方向が、全て同じ場合、全色ポテンシャル変更量を+50[−V]、もしくは−50[−V]に設定する。上記したように、同じ方向に現像ポテンシャルを制御する場合には、色相の変化が小さく色味変動が認識されにくいため、このように制御する。
異なる色間でポテンシャルを操作する方向がそれぞれ異なる場合、現像ポテンシャルを変更する方向に従って、それぞれ、−25[V]、+25[V]に設定する。このように設定することにより、色間の現像ポテンシャル変更量絶対値の合算が50[V]に収まる。
このように設定することより、異なる色間のポテンシャル変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。全色目標値となる方向に現像ポテンシャルを変更しているため、画像濃度に関してもほぼ理想の値が得られる。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
表5に、ポテンシャル変更要求量に順位付けをし、それに従って現像ポテンシャル変更量を設定した例を示す。表中の高1、高2はポテンシャル変更要求量の大小を表し、高1は、高2と比較して変更要求量が大きい。同様に低1が変更要求量が大きい。このように現像ポテンシャル変更量(調整量)の絶対値の大きさに応じて比例配分しても、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
以上が、本実施形態における現像ポテンシャル変更量の算出方法である。
なお、本動作は電源ON、省エネ復帰、Jobエンド、割り込みの画像濃度調整時に実行するが、大量の印刷Jobが連続的に行われる際に発動する割り込みプロコン(プロセスコントロール)時に実行するとより効果的である。また、今回はKトナーをカラーと独立に制御させたが、Kトナーを含めた4色を制御しても構わない。
[比較例]
図19は本実施形態における画像形成装置と従来の画像形成装置を用い、色差:ΔEに関して比較検討を行ったものである。表示したのは、YとMの混合色である赤方向のΔEである。
印刷条件は、連続500枚であり、画像濃度調整は200枚毎に実施した。色味変動が発生しやすいように、出力画像の面積率をYとMで変更した。Y色は低画像面積とし、画像濃度が薄くなるようにした。
低画像面積を印刷するとトナー帯電量が上昇しやすいため、画像濃度が低くなる傾向がある。M色は、逆に画像濃度が高くなるように、高画像面積の画像を出力した。トナーの消費量が多く、トナー帯電量が低下し、画像濃度が上昇しやすい傾向がある。なおΔEはそれぞれ、0枚時点の測色値を基準とした。
図19からわかるように、従来では、画像濃度調整実行後に大きくΔEが変動していることがわかる。一方、本実施形態による画像形成装置では、調整前後での色味変動が抑制されており、連続印刷中において急激な色味変動が発生していない。
本実施形態では、中間転写方式のタンデム型の画像形成装置を例示したが、直接転写方式の場合には被転写体は用紙Sである。
図20乃至図29に基づいて第2の実施形態を説明する。上記実施形態では現像ポテンシャルを作像条件として色味変動を抑制する例を示したが、本実施形態では画像濃度制御基準値を作像条件として色味変動を抑制する例である。上記実施形態で説明した部分の重複説明は省略する。
本実施形態におけるプロセスコントロ−ルのフロー(第1の実施形態における図9に相当)を図20に示す。S−1〜S−7の説明は省略する。
[S−8:Vtref(画像濃度制御基準値)を設定する]
S−5で算出した現像γに応じて、Vtrefを変更する。現像γが高い場合には、トナー濃度が低くなる方向に、Vtrefを操作する。現像γが低い場合には、トナー濃度が高くなる方向にVtrefを操作する。以上が本実施形態における画像濃度調整動作の概略フローである。
ここで、画像濃度調整実行時にVtref補正を伴わせて、操作する理由について説明する。
図21にトナー濃度に対するトナー帯電量の関係を示す。トナー濃度が増加するに従い、トナー帯電量が低下する。これは、トナー濃度が増加することにより、トナー粒子表面がキャリア表面と接触する確率が低下するため、トナー表面電荷の飽和レベルが変化することにより生じる。
トナーの帯電量をコントロールしたい場合、例えば、トナー帯電量を上昇させたいときには、トナー濃度を低く誘導するとよい。逆に、トナー帯電量を低下させたいときには、トナー濃度を高く誘導するとよい。
次に、トナー帯電量と中間転写ベルト上のトナー付着量の関係を示す。図22に示すように、トナー帯電量が上昇するに従いトナー付着量が減少する。上記した関係から、現像γを測定することにより、現像剤中のトナー帯電状態を把握することができる。
すなわち、現像γが高い場合、トナー帯電量の低下、もしくは、トナー濃度過多により、トナー飛散が発生しやすい現像剤状態となっている。また現像γが低い場合、トナー帯電量の増加、もしくは、トナー濃度過少により、キャリア付着が発生しやすい現像剤状態となっている。
上記の不具合を回避し、作像システムを適正な状態に保つため、現像γを目標範囲内に維持し、トナー帯電量を適正な値とする必要がある。そのため画像濃度調整実行時にVtref補正を伴わせて実行するのである。
図23に画像濃度調整実行時に、Vtrefを変更した際のVtの変化を示す。ここで、Vtは現像器内のトナー濃度センサ出力値である。Vtが高いほどトナー濃度が低い。
画像濃度調整実行時に、現像γが高いと判断された場合、現像γを低く誘導するためにVtrefを高く操作する。それにより、トナー濃度が低くなり、トナー付着量が減少する。逆に、現像γが低いと判断された場合、現像γを高く誘導するためにVtrefを低く操作する。これにより、トナー濃度が高くなり、トナー付着量が増加する。
なお、本実施形態において用いたトナー濃度センサ48の感度は0.4V/wt%である。Vtrefを0.4[V]変化させることにより、約1.0[wt%]相当の現像剤中トナー濃度を変化させることができる。
しかしながら、画像濃度調整実行時に他色の状態を考慮しないでVtrefを変化させた場合、Vtrefの操作量、操作方向によっては、印刷枚数が進むに従って2次色の色味変動を発生してしまうことがある。
そのため他色のVtref操作状況を考慮したVtref設定が必要と考えられる。Kトナーに関しては、単独で用いるため、他色のVtref操作(調整)状況を考慮しなくてもよい。
次に、図20中のS−8で実施する本実施形態のVtref設定の考え方、および設定方法について詳細に説明する。
第1の実施形態において図15で説明したように、C、M、Yのトナーシステムにおいて、赤緑青(RGB)は、各トナーの混合色として表現することになる。例えば、赤色を表す+a方向は、YトナーとMトナーの混合で表現し、緑を表す−a方向は、YトナーとCトナーの混合で表現する。同様に、青を表す−b方向は、MトナーとCトナーの混合で表現する。一方、黄色を表す+b方向と、Yトナーの方向は、ほぼ一致している。色差評価は、RGBで行うことが多い。基準となるRGB色がずれると他の混合比率色もずれるためである。
そのため、急激(過大な)なVtref変更は、トナー付着量を大きく変化させることとなり、色差変動につながる。
ここで、転写紙上のトナー付着量と画像濃度の関係、第1の実施形態において図16で説明したように、トナー付着量が増加するに従い、画像濃度:IDが上昇し、トナー付着量が0.1から0.5[mg/cm]程度まで、IDはほぼリニアに上昇する。
本実施形態において、狙いのID中心は1.4としており、この値を中心に色差変動を考慮しながらVtrefを決定することとなる。単色の画像濃度が変化すると、それに伴い2次色の色相が変化する。
図24(a)にYトナーとMトナーの混合色である赤系色を例に挙げて説明する。図中の赤丸と青丸は、それぞれ画像濃度調整前後の色味を表す。画像濃度調整において、Vtrefを低く操作しトナー濃度を高く誘導することにより、通紙後Yトナー付着量が増加し、Yの彩度が状態1から2に変化している。同様に、MトナーのVtrefを低く操作し、トナー濃度を高く誘導することにより、通紙後、Mトナー付着量が増加し、状態が3から4に変化している。これによりYトナー、Mトナーの混合色は、赤丸から青丸位置に色相、および彩度を変化させる。このように、画像濃度を調整する度に、色味が変化していることになる。
また、図24(a)からVtrefを操作する方向が同じ場合には、色相変化は小さいといえる。
一方、図24(b)は、Y色画像形成装置のVtrefを図24(a)の場合と逆方向に同じ量変化させた場合ものである。図24(a)との比較からわかるように、同じ量、Vtrefを変化させる場合においても、異なる2色で逆方向にVtrefを操作すると色相変動が大きくなることがわかる。
従来技術のところで言及したように、電子写真においては、この色相変動を抑えることが、ΔEを小さく抑制するのに非常に重要である。そのためには、画像濃度調整時における色間のトナー付着量の変化を小さく制御する必要があるのである。
本実施形態においては、色間におけるVtrefの操作方向、および操作量を考慮することにより、色差:ΔEを小さく抑えることを特徴としている。
次に異なる色間のVtref設定の手順について、図25を用いて説明する。
[S1:Vt現在値を取得する]
この値は装置本体のRAM60に保存されている値である。現状のVt値を基に、Vtrefを更新するため必要となる。
[S2:現像γを取得する]
今回の現像γと現像γ目標値とを用いて、S3においてΔvtrefを算出するため必要となる。
[S3:Vtref変更要求量を算出する]
Vtref変更のステップであるが、単色で考えた場合、例えば表6に示すテーブルに基づいて決定する。
ここで、Δγは次式で与えられる。
Δγ=現像γ現在値−現像γ目標値・・・・・・・・式(20)
Figure 0005428799
[S4:Vtref変更量:ΔVtrefを決定する]
後述するテーブルに従い、各色のVtref変更量を決定する。
[S5:Vtrefを設定する]
S3で算出したΔVtrefを用いてVtrefを設定する。算出式は以下で与えられ、各色それぞれ算出する。
Vtref=Vt+ΔVtref[V](各色)・・・・式(21)
次に、図25のフロー中、S4のVtref変更量:ΔVtrefの算出方法について詳細に説明する。
本実施形態においては、変更量に上限を設けて上限処理をするとともに、操作方向が異なる場合には異なる2色間のVtref変更量絶対値の合算が0.2[V]を超えないように設定した。
具体的に言うと、異なる2色間でVtrefの操作方向が同じ場合、2色ともポテンシャル変更量を0.2[V]とした(上限処理)。異なる2色間で、Vtrefの操作方向が異なる場合(一方がVtrefを増加させる方向、もう一方がVtrefを減少させる方向)、Vtref変更要求量である0.2[V]を均等に振り分けるように設定した。
[1色が閾値を超えた場合]
表7にカラー3色(CMY)の内、1色のみVtrefを変更する場合のΔVtref設定テーブルを示す。この場合、Vtref変更要求量がそのまま反映される。一色のみの変更であるため、色味変動に対して余裕度が高い。そのためこのように設定する。なお、色味変動が許容範囲となるΔVtref変更量は、作像システムに異存する。そのため、この値は、システムが異なれば適宜設定する必要がある。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
[2色が閾値を超えた場合]
表8に、カラー3色(CMY)の内、2色がVtrefを変更する場合のΔVtref設定テーブルを示す。この場合、異なる2色間のVtref操作方向に従って、ΔVtrefを設定する。異なる2色間でVtrefを操作する方向が同じ場合、2色共にΔVtrefを0.2[V]に設定する。
上記したように、同じ方向にVtref操作する場合には、色相の変化が小さく色味変動が認識されにくいため、このように制御する。
異なる2色間でVtrefを操作する方向が異なる場合、2色のΔVtref変更量をそれぞれ、−0.1[V]、+0.1[V]に設定する。このように設定することにより、色間の現像ポテンシャル変更量絶対値の合算が0.2[V]に収まる。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
[3色が閾値を超えた場合]
表9にカラー3色(CMY)の内、3色の全てがVtrefを変更する場合のΔVtref設定テーブルを示す。この場合も同様に、異なる色間のVtref操作方向に従って、Vtref変更量を設定する。
異なる色間でVtrefを操作する方向が全て同じ場合、全色Vtref変更量を+0.2[V]、もしくは−0.2[V]に設定する。上記したように、同じ方向にVtrefを操作する場合には、色相の変化が小さく色味変動が認識されにくいため、このように制御する。
異なる色間でVtrefを操作する方向がそれぞれ異なる場合、Vtrefを変更する方向に従って、それぞれ、−0.1[V]、+0.1[V]に設定する。このように設定することにより、色間の現像ポテンシャル変更量絶対値の合算が0.2[V]に収まる。
このように設定することより、異なる色間のVtref変更量を規定することが可能となり、極端な色味変動を抑制できる。全色現像γが目標値となる方向にVtrefを変更しているため、トナー帯電量に関してもほぼ理想の値が得られる。
このように制御することにより、色味変動の抑制と画像濃度の安定維持が両立できる。
Figure 0005428799
以上が、本実施形態におけるVtref変更量の算出方法である。なお、本動作は電源ON、省エネ復帰、Jobエンド、割り込みの画像濃度調整時に実行するが、大量の印刷Jobが連続的に行われる際に発動する割り込みプロコン時に実行するとより効果的である。また、今回はKトナーをカラーと独立に制御させたが、Kトナーを含めた4色を制御しても構わない。
[紙間プロコンで実行する場合]
上記した複数のパターンを作像し、現像γ算出後、Vtrefを調整する方法の他に、紙間に濃度検出用パターンを作像し、Vtrefを補正する方法がある。その制御を模式的に図26に示す。
次に、紙間パターン作成によるVtref変更フローを、図27を用いて説明する。
先ずS1で紙間に基準パターンを作成する。紙間における基準パターン作成の概略を図28に示す。検知に用いた基準トナーパッチの大きさは主走査方向が7mmで、副走査方向の大きさが10mmである。また、本実施形態では基準パターンとして、ソリッドなベタ書き込みのパターンを用いたが、2by2などの比較的安定したパターンであっても精度よく検知することが可能である。
現像バイアスに関しては、固定値を用いても良いし、前回の電位制御プロセスコントロール時に算出した画像部バイアスでも良い。また、検知に使用するトナー量を少なくするために、より低い現像バイアスで測定することも可能である。次にS2において、光学センサ50でパッチの反射濃度を測定する。
反射光は、Kパターンに関しては正反射光を用い、MCYのカラーパターンに関しては拡散反射光を用いた。次にS3において、各反射光を前記した変換方法によりトナー付着量に換算する。次にS4において、紙間の算出トナー付着量が付着量目標範囲内であるか判断する。本実施形態において、紙間パターンの付着量目標値は、MCYが0.4±0.4[mg/cm2]であり、Kが、0.3±0.3[mg/cm2]である。Kは正反射を用いているため、高付着量領域まで検出することができないため、付着量が低い領域で検知している。
目標範囲内であった場合には、S5に移動し、トナー濃度制御基準値:Vtrefを変更せず終了する。S4において、付着量が目標範囲外であった場合には、S6に移動する。
ここで、付着量が目標よりも多いと判定された場合には、Vtrefを上昇させ、トナー濃度を低くする方向に誘導する。付着量が少ないと判定された場合は、Vtrefを低下させ、トナー濃度を高くする方向に誘導する。その際に、上記した他色のVtref変更状態を考慮してVtrefを設定することにより、紙間パターン検知による補正においても、色差変動を低く抑えることができる。
[比較例]
図29は本実施形態における画像形成装置と従来の画像形成装置を用い、色差:ΔEに関して比較検討を行ったものである。表示したのは、YとMの混合色である赤方向のΔEである。印刷条件は、連続500枚であり、画像濃度調整は200枚毎に実施した。なおΔEはそれぞれ、0枚時点の測色値を基準とした。
図からわかるように、従来では、画像濃度調整実行後に大きくΔEが変動していることがわかる。一方、本実施形態による画像形成装置では、調整前後での色味変動が抑制されており、連続印刷中において急激な色味変動が発生していない。
50 光学センサ
Pk、Py、Pm、Pc トナーパターン
S 用紙
Vpot 現像ポテンシャル変更量
Vtref 画像濃度制御基準値
特開2008−292614号公報 特開2008−046423号公報

Claims (11)

  1. 各像担持体上に形成された色別の静電潜像を、対応する色のトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤でそれぞれ現像し、これらのトナー画像を被転写体に重ね合わせて転写する画像形成装置に用いられる方法であって、
    諧調を持つトナーパターンを色別に複数形成し、該トナーパターンからの反射光を光学センサで検知し、該光学センサの出力値をトナー付着量に変換して得られるデータに基づいて、適正なトナー付着量を得るための作像条件を新たに決定する画像濃度制御方法において、
    前記新たに決定する作像条件を、色間の対応する作像条件についての変更方向に応じて、各色の変更量を他色の変更量との関係に基づいてそれぞれ決定することを特徴とする画像濃度制御方法。
  2. 請求項1に記載の画像濃度制御方法において、
    前記作像条件が、前記変換して得られたトナー付着量と前記トナーパターン作像時の現像ポテンシャルとの関係から求められる現像γにより算出される、所望の付着量に対応した現像ポテンシャルであることを特徴とする画像濃度制御方法。
  3. 請求項2に記載の画像濃度制御方法において、
    各色毎に、濃度制御時の現像ポテンシャルから濃度制御を行う前の前回の現像ポテンシャルを減算して得られる現像ポテンシャル変更量に上限を設け、該現像ポテンシャル変更量の絶対値が上限に満たない場合には濃度制御時の現像ポテンシャルをそのまま用い、上限を超える場合には前回の現像ポテンシャルに上限値を加算した値を用いることを特徴とする画像濃度制御方法。
  4. 請求項2に記載の画像濃度制御方法において、
    各色毎に、濃度制御時の現像ポテンシャルから濃度制御を行う前の前回の現像ポテンシャルを減算した現像ポテンシャル変更量を算出し、該現像ポテンシャル変更量の絶対値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、超える色については前記閾値を前記現像ポテンシャル変更量として設定し、超えない色については現像ポテンシャルを変更しないことを特徴とする画像濃度制御方法。
  5. 請求項4に記載の画像濃度制御方法において、
    異なる2色間で前記現像ポテンシャル変更量が前記閾値を超え、且つ、現像ポテンシャルの変更方向が異なる場合、各色の前記現像ポテンシャル変更量を、各現像ポテンシャル変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして均等に振り分けて設定することを特徴とする画像濃度制御方法。
  6. 請求項4に記載の画像濃度制御方法において、
    異なる2色間で前記現像ポテンシャル変更量が前記閾値を超え、且つ、現像ポテンシャルの変更方向が異なる場合、各色の前記現像ポテンシャル変更量を、各現像ポテンシャル変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして各現像ポテンシャル変更量の絶対値の大きさに応じて比例配分し、設定することを特徴とする画像濃度制御方法。
  7. 請求項1に記載の画像濃度制御方法において、
    前記作像条件が画像濃度制御基準値であり、前記変換して得られたトナー付着量と前記トナーパターン作像時の現像ポテンシャルとの関係から求められる現像γから現像γ目標値を減算した値が所定の範囲内にあるか否かを判断し、前記所定の範囲内よりも高い場合には、前記画像濃度制御基準値からトナー濃度センサ出力値を減算した画像濃度制御基準値変更量を高くし、前記所定の範囲内よりも低い場合には前記画像濃度制御基準値変更量を低くすることを特徴とする画像濃度制御方法。
  8. 請求項7に記載の画像濃度制御方法において、
    各色毎に、前記画像濃度制御基準値変更量を算出し、該画像濃度制御基準値整量の絶対値が予め設定された閾値を超えるか否かを判断し、超える色については前記閾値を前記画像濃度制御基準値変更量の上限として設定し、超えない色については画像濃度制御基準値を変更しないことを特徴とする画像濃度制御方法。
  9. 請求項7に記載の画像濃度制御方法において、
    異なる2色間で前記画像濃度制御基準値変更量が前記閾値を超え、且つ、画像濃度制御基準値の変更方向が異なる場合、各色の前記画像濃度制御基準値変更量を、各画像濃度制御基準値変更量の絶対値の総和が前記閾値を超えないようにして均等に振り分けて設定することを特徴とする画像濃度制御方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像濃度制御方法において、
    連続印字中に割り込みで実施する画像濃度調整時に実施することを特徴とする画像濃度制御方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像濃度制御方法を実施する機能を有していることを特徴とする画像形成装置。
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