JP5428624B2 - マイクロバルブ及びその製造方法 - Google Patents

マイクロバルブ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロバルブ及びその製造方法に関し、特に、主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブ及びその製造方法に関するものである。
近年、基板内に反応室などの微細構造を設け、その微細構造中で物質の反応や合成、分析などの操作を行なえるように構成されたマイクロデバイスが製品化されている。このようなマイクロデバイスはラボ・オン・チップ(Lab−on−Chip)などと呼ばれている。また、携帯機器向け燃料電池の燃料を供給する流路などにもマイクロデバイスの応用が期待されている。
マイクロデバイスには、液体や気体などの流体や微小液滴などを反応室に導くための微細流路が設けられる。マイクロデバイスとして、主基板の一表面に溝を形成し、主基板にカバー基板を張り合わせて、主基板の溝とカバー基板とで囲まれた空間を微細流路や反応室とする構造が一般的によく使われる。このような構造のマイクロデバイスは例えば2枚の基板で形成できるので、構造や製造工程が比較的簡略である。これにより、安価な製品を提供できる。
また、流体の移送を制御するために微細流路の途中にマイクロバルブが設けられることもある。さらに、一部の流路の容積を変化させてポンプ室として機能させるダイヤフラム型のマイクロポンプが設けられたりすることもある。
マイクロバルブを備えたマイクロデバイスとして、例えば特許文献1〜4に開示されたものがある。
特許文献1,2には、弁の開閉を圧電素子の駆動によって開閉される弁を備えたマイクロバルブが開示されている。
特許文献3には、基板の上面に、流路及び弁を形成した第1層膜を貼り合わせ、第1層上面に、弁の直上に圧力室を形成した第2膜を貼り合わせ、圧力室を負圧にすることにより弁を持ち上げてバルブを開き、圧力室を正圧にすることによって弁を基板に押し付けてバルブを閉じる機能を備えたマイクロバルブが開示されている。
特許文献4のマイクロバルブでは、互いに対応する位置に貫通孔をもつ2枚の基板を貼り合わせ、一方の基板の貫通孔の開口に弁となる薄膜を基板と同一材料で形成しておくことにより、基板の接合面に対して略垂直な方向で弁が移動するマイクロバルブが開示されている。
従来例として挙げたマイクロバルブは、いずれも2枚又は3枚の基板を貼り合わせて製造された比較的構造が簡単なものではある。
しかし、特許文献1,2に開示されたマイクロバルブは、弁の開閉を圧電素子によって形成しているので、構造が複雑になっている。
特許文献3に開示されたマイクロバルブでは、弁の開閉を行なうために弁の直上に圧力室を設けているので、構造が複雑になっている。
特許文献4に開示されたマイクロバルブでは、バルブ自体は2枚の基板で形成することができるものの、バルブにつながる流路を形成するには、さらに1枚又は2枚の基板が必要になるので、構造が複雑になる。
また、上記のマイクロバルブは、いずれも製造工程が複雑で、2枚の基板を貼り合せるという単純さの中に、逆止弁構造を作りこむのが容易ではなかった。
そこで本発明は、極微細なマイクロポンプに適用することができる簡単な構造のマイクロバルブ及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明にかかるマイクロバルブは、主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブである。本発明のマイクロバルブにおいて、上記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、上記主基板の溝は少なくとも上記第1主基板層が上記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものである。上記弁体は、上記第1主基板層と同じ材料からなり、上記溝の第1側壁から突出し、上記第1側壁に対向する上記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、上記流路内を流れる流体圧力で変形可能な上方から見た膜厚をもつ。上記溝の底面と上記弁体との間に空隙があり、上記弁体の上流側の流体圧力が上記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに上記弁体の自由端が上記第2側壁に当接することなく下流側へ移動し、上記弁体の下流側の流体圧力が上記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに上記弁体の自由端が上記第2側壁に当接することなく上流側へ移動する。
本願特許請求の範囲及び明細書において、マイクロバルブとは、流路内で流体の流れの障壁となる弁体を備えたものを意味する。マイクロバルブは例えば逆止弁などに限定されるものではない。
本発明のマイクロバルブにおいて、上記溝の底面と上記弁体との間の空隙は、上記第2主基板層の表面側の一部分が除去されて形成されている例を挙げることができる。
また、上記主基板は上記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備え、上記溝の底面と上記弁体との間の空隙は、上記弁体下の上記第2主基板層が除去されて形成されているようにしてもよい。
また、上記弁体と上記カバー基板との間に第2空隙が形成されている例を挙げることができる。
その構造の一例として、上記弁体の上面は、上記弁体形成位置の上記第1主基板層の上面側の一部分が除去されて上記主基板の上記主面よりも下方位置に配置されている構成を挙げることができる。
他の例として、上記主基板は、上記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備え、上記第5主基板層の上面が上記主基板の上記主面を構成し、上記主基板の溝は少なくとも上記第5主基板層、上記第4主基板層及び上記第1主基板層が上記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、上記弁体上の上記第4主基板層が除去されている構成を挙げることができる。
さらに他の例として、上記主基板は、上記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備え、上記第2空隙形成用主基板層の上面が上記主基板の上記主面を構成し、上記主基板の溝は少なくとも上記第2空隙形成用主基板層及び上記第1主基板層が上記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、上記弁体上を含む上記溝上の上記第2空隙形成用主基板層が除去されている構成を挙げることができる。
また、上記弁体は、上方から見て、上記弁体の自由端が下流側へ移動した時の上記自由端と上記第2側壁との間隔が、上記自由端が上流側へ移動した時の上記自由端と上記第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、上記前記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成されている例を挙げることができる。
また、上記弁体は、上記弁体の構成からなる主弁体と、一端が上記主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が上記主弁体の基端部よりも下流側で上記第1側壁に接続され、変形可能な上方から見た膜厚で形成された弁体補助部と、を備え、上記弁体補助部は、上方から見た膜厚が上記主弁体の上方から見た膜厚よりも薄く、かつ、上記主弁体の自由端の上流側への移動量を制限するようにしてもよい。
また、上記弁体が形成される上記第1側壁を上記第2側壁に置き換えて形成された第2弁体をさらに備えているようにしてもよい。
本発明にかかるマイクロバルブの製造方法は、本発明のマイクロバルブの製造方法であって、以下の工程(A)〜(D)をその順に含む。
(A)主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ主基板の上に、写真製版技術により、溝形成予定位置に開口部をもち、弁体形成予定位置を覆うフォトレジストパターンを形成する写真製版工程、
(B)異方性エッチング技術により、上記フォトレジストパターンをマスクにして、上記第1主基板層を上記第2主基板層に到達する深さまでエッチングして、上記第1主基板層からなる弁体と、溝形成予定位置に第1主基板層除去部分を形成し、その後、上記フォトレジストパターンを除去する第1エッチング工程、
(C)等方性エッチング技術により、上記第1主基板層をマスクにして、上記第1主基板層をエッチングしない条件で上記第2主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2主基板層除去部分を形成して上記第1主基板層除去部分及び上記第2主基板層除去部分からなる溝を形成するとともに、上記弁体下の第2主基板層を除去して上記溝の底面と上記弁体との間に空隙を形成する第2エッチング工程、
(D)上記主基板の上記主表面上にカバー基板を配置して上記溝を覆って流路を形成するカバー基板配置工程。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、上記第1エッチング工程(B)で、上記第1主基板層のエッチングに連続して上記第2主基板層の一部分もエッチングするようにしてもよい。
また、上記主基板として上記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備えたものを用い、上記第2エッチング工程(C)で、上記第2主基板層をエッチングする際に、上記第3主基板層を上記溝の深さ方向のエッチングストッパー層として用いるようにしてもよい。
また、本発明のマイクロバルブの製造方法において、上記写真製版工程(A)で、上記フォトレジストパターンを形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって少なくとも上記弁体形成予定位置の上記第1主基板層の表面を掘り下げる工程を含むようにしてもよい。
また、上記主基板として、上記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備えたものを用い、
上記写真製版工程(A)で、上記第5主基板層上に上記フォトレジストパターンを形成し、
上記第1エッチング工程(B)で、上記フォトレジストパターンをマスクにして、異方性エッチング技術によって上記第5主基板層及び上記第4主基板層をエッチングして溝形成予定位置に第5主基板層除去部分及び第4主基板層除去部分を形成した後に連続して上記第1主基板層をエッチングして上記弁体及び上記第1主基板層除去部分を形成し、
上記第2エッチング工程(C)で、上記第1主基板層及び上記第5主基板層をマスクにして、上記第1主基板層及び上記第5主基板層をエッチングしない条件で上記第2主基板層をエッチングするのと同時に上記弁体上の上記第4主基板層もエッチングするようにしてもよい。
また、上記第1エッチング工程(B)の後、上記カバー基板配置工程(D)を行ない、その後、上記第2エッチング工程(C)を行なってもよい。
また、上記主基板として、上方から見た上記弁体の厚みの半分よりも厚い膜厚で上記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備えたものを用い、上記第1エッチング工程(B)で、異方性エッチング技術により、上記フォトレジストパターンをマスクにして、上記第2空隙形成用主基板層及び上記第1主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2空隙形成用主基板層除去部分及び上記第1主基板層除去部分を形成し、かつ上記弁体を形成し、上記第2エッチング工程(C)で、上記溝の外の上記第2空隙形成用主基板層が残存し、上記弁体上の上記第2空隙形成用主基板層及び上記弁体下の上記第2主基板層が除去される条件で、上記第2主基板層及び上記第2空隙形成用主基板層に対して同時に上記等方性エッチングを行なうようにしてもよい。
また、上記弁体を、上方から見て、上記弁体の自由端が下流側へ移動した時の上記自由端と上記第2側壁との間隔が、上記自由端が上流側へ移動した時の上記自由端と上記第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、上記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成するようにしてもよい。
また、上記弁体として、上記弁体の構成からなる主弁体と、一端が上記主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が上記主弁体の基端部よりも下流側で上記第1側壁に接続され、上方から見て上記主弁体の膜厚よりも薄くかつ変形可能な膜厚で形成され、上記主弁体の自由端の上流側への移動量を制限するための弁体補助部を備えたものを形成するようにしてもよい。
また、上記弁体の形成と同時に、上記第2側壁に、上記弁体が形成される上記第1側壁を上記第2側壁に置き換えた第2弁体を形成するようにしてもよい。
本発明のマイクロバルブは、主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備えている。主基板は主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ。弁体は、第1主基板層と同じ材料からなり、主基板の溝の第1側壁から突出し、第1側壁に対向する溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、流路内を流れる流体圧力で変形可能な上方から見た膜厚をもつ。溝の底面と弁体との間に空隙があり、弁体の上流側の流体圧力が弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに弁体の自由端が第2側壁に当接することなく下流側へ移動し、弁体の下流側の流体圧力が弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに弁体の自由端が第2側壁に当接することなく上流側へ移動する。
これにより、主基板及びカバー基板の2枚の基板のみでマイクロバルブを形成できる。さらに、弁体を外力により動かすための圧電素子等の素子がなくてもバルブを形成することができるので、構造が簡単になる。
本発明のマイクロバルブにおいて、弁体は、上方から見て、弁体の自由端が下流側へ移動した時の自由端と第2側壁との間隔が、自由端が上流側へ移動した時の自由端と第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、前記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成されているようにすれば、本発明のマイクロバルブは逆止弁として機能する。
また、弁体は、上記弁体の構成からなる主弁体と、一端が主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が主弁体の基端部よりも下流側で第1側壁に接続され、変形可能な上方から見た膜厚で形成された弁体補助部と、を備え、弁体補助部は、上方から見た膜厚が主弁体の上方から見た膜厚よりも薄く形成されているようにしてもよい。上方から見て弁体補助部の膜厚が主弁体の膜厚よりも薄く形成されていることにより、弁体補助部は主弁体よりも変形しやすい。主弁体の自由端が下流側へ移動するときは、弁体補助部が撓むように変形して弁体と流路内壁の隙間(バルブの開き具合)は大きくなる。他方、主弁体の自由端が上流側へ移動するときは、弁体補助部は伸びきって主弁体の自由端の上流側への移動量を制限してバルブの開き具合は小さくなる。これにより、本発明のマイクロバルブは逆止弁として機能する。
本発明のマイクロバルブにおいて、溝の底面と弁体との間の空隙は、第2主基板層の表面側の一部分が除去されて形成されているようにすれば、当該空隙を第2主基板層の表面に対する等方性エッチングにより形成できるので、当該空隙を簡単に形成することができる。
また、主基板は第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備え、溝の底面と弁体との間の空隙は、弁体下の第2主基板層が除去されて形成されているようにすれば、当該空隙を、第3主基板層をエッチングストップ層として第2主基板層に対する等方性エッチングにより弁体下の第2主基板層を除去することによって形成できるので、当該空隙を寸法精度よく簡単に形成できる。
また、弁体とカバー基板との間に第2空隙が形成されているようにすれば、弁体の移動距離を大きくすることができる。
その構造の一例として、弁体の上面は、弁体形成位置の第1主基板層の上面側の一部分が除去されて主基板の主面よりも下方位置に配置されているようにすれば、この構造は、エッチング処理によって弁体を形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって第1主基板層の所定位置を掘り下げることによって形成できるので、簡単な構造で実現できる。
また、他の例として、主基板は、第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備え、第5主基板層の上面が主基板の主面を構成し、主基板の溝は少なくとも第5主基板層、第4主基板層及び第1主基板層が第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、弁体上の第4主基板層が除去されているようにすれば、当該空隙の寸法を第4主基板層の厚みによって決定できるので、当該空隙を寸法精度よく簡単に形成できる。
さらに他の例として、主基板は、第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備え、第2空隙形成用主基板層の上面が主基板の主面を構成し、主基板の溝は少なくとも第2空隙形成用主基板層及び第1主基板層が第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、弁体上を含む溝上の第2空隙形成用主基板層が除去されているようにすれば、当該空隙を簡単に形成できる。
本発明のマイクロバルブの製造方法では、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ主基板の上に、写真製版技術により、溝形成予定位置に開口部をもち、弁体形成予定位置を覆うフォトレジストパターンを形成する写真製版工程(A)、異方性エッチング技術により、フォトレジストパターンをマスクにして、第2主基板層に到達する深さまで第1主基板層をエッチングして、第1主基板層からなる弁体と、溝形成予定位置に第1主基板層除去部分を形成し、その後、フォトレジストパターンを除去する第1エッチング工程(B)、等方性エッチング技術により、第1主基板層をマスクにして、第1主基板層をエッチングしない条件で第2主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2主基板層除去部分を形成して第1主基板層除去部分及び第2主基板層除去部分からなる溝を形成するとともに、弁体下の第2主基板層を除去して溝の底面と弁体との間に空隙を形成する第2エッチング工程(C)、及び、主基板の主表面上にカバー基板を配置して溝を覆って流路を形成するカバー基板配置工程(D)をその順に含むようにしたので、本発明のマイクロバルブを簡単な工程で形成することができる。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、第1エッチング工程(B)で第1主基板層のエッチングに連続して第2主基板層の一部分もエッチングするようにすれば、第2エッチング工程(C)で、上方から見た弁体の厚みの分だけで第2主基板層をエッチングすることにより空隙を形成できる。これにより、第2主基板層の厚みが上方から見た弁体の厚みよりも大きい場合に、第2エッチング工程(C)でのエッチング時間を短縮できる。
また、主基板として第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備えたものを用い、第2エッチング工程(C)で、第2主基板層をエッチングする際に、第3主基板層を溝の深さ方向のエッチングストッパー層として用いるようにすれば、弁体下の空隙の寸法を第2主基板層の厚みによって決定できるので、当該空隙を寸法精度よく簡単に形成できる。
また、本発明のマイクロバルブの製造方法において、写真製版工程(A)で、フォトレジストパターンを形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって少なくとも弁体形成予定位置の第1主基板層の表面を掘り下げる工程を含むようにすれば、弁体とカバー基板との間に第2空隙を形成することができる。
また、主基板として、第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備えたものを用い、写真製版工程(A)で、第5主基板層上にフォトレジストパターンを形成し、第1エッチング工程(B)で、フォトレジストパターンをマスクにして、異方性エッチング技術によって第5主基板層及び第4主基板層をエッチングして溝形成予定位置に第5主基板層除去部分及び第4主基板層除去部分を形成した後に連続して第1主基板層をエッチングして弁体及び第1主基板層除去部分を形成し、第2エッチング工程(C)で、第1主基板層及び第5主基板層をマスクにして、第1主基板層及び第5主基板層をエッチングしない条件で第2主基板層をエッチングするのと同時に弁体上の第4主基板層もエッチングするようにすれば、弁体上の第4主基板層を除去することにより、弁体とカバー基板との間に第2空隙を形成することができる。
また、主基板として、上方から見た弁体の厚みの半分よりも厚い膜厚で第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備えたものを用い、第1エッチング工程(B)で、異方性エッチング技術により、フォトレジストパターンをマスクにして、第2空隙形成用主基板層及び第1主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2空隙形成用主基板層除去部分及び第1主基板層除去部分を形成し、かつ弁体を形成し、第2エッチング工程(C)で、溝の外の第2空隙形成用主基板層が残存し、弁体上の第2空隙形成用主基板層及び弁体下の第2主基板層が除去される条件で、第2主基板層及び第2空隙形成用主基板層に対して同時に等方性エッチングを行なうようにすれば、弁体とカバー基板との間に空隙を形成することができる。
また、弁体を、上方から見て、弁体の自由端が下流側へ移動した時の自由端と第2側壁との間隔が、自由端が上流側へ移動した時の自由端と第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成するようにすれば、形成されたマイクロバルブは、逆止弁として機能する。
また、弁体として、上記弁体の構成からなる主弁体と、一端が主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が主弁体の基端部よりも下流側で第1側壁に接続され、上方から見て主弁体の膜厚よりも薄くかつ変形可能な膜厚で形成され、主弁体の自由端の上流側への移動量を制限するための弁体補助部を備えたものを形成するようにしてもよい。この場合でも、形成されたマイクロバルブは、逆止弁として機能する。
マイクロバルブの一実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図2のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 図1〜3を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブの他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図7のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 図6〜8を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図12のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 図11〜13を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図17のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 図16〜18を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図22のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 図21〜23を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図27のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 本発明のマイクロバルブを用いたマイクロポンプの一例を説明するための概略的な分解斜視図である。 同マイクロポンプの概略的な平面図である。 同マイクロポンプを製造するための製造方法の一例を説明するための工程分解斜視図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図33のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。 同実施例の概略的な平面図である。 図37のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。 同実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。 いくつかの変形例を説明するための平面図である。
図1は、マイクロバルブの一実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図2はこの実施例の概略的な平面図である。図3は図2のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。
主基板1は、第1主基板層1a、第2主基板層及び第3主基板層1cを備えている。下層側から、第3主基板層1c、第2主基板層1b、第1主基板層1aの順に積層されている。第2主基板層1b及び第1主基板層1aの一部領域は除去されており、第3主基板層1cが露出して溝3が形成されている。溝3は流路となる空間である。
溝3の内部には第1主基板層1aと同一材料からなる弁体5が形成されている。弁体5は、上方から見て、溝3の第1側壁3aから略垂直方向に突出して形成されている。弁体5の先端は、溝3の第1側壁3aに対向する第2側壁3bとは間隔をもつ位置に配置されており、自由端になっている。
溝3の底面3c(露出している第3主基板層1cの表面)と、弁体5との間には空隙7が形成されている。空隙7の寸法は第2主基板層1bの厚みと同じである。
溝3において、第2主基板層1bにおける幅寸法は第1主基板層1aにおける幅寸法よりも大きく形成されている。これにより、第1側壁1a及び第2側壁3bに段差部11が形成されている。
主基板1の主表面、すなわち第1主基板層1aの上面にカバー基板13が貼り付けられている。図1では、わかりやすいようにカバー基板13を主基板1とは離して描いている。
各部分の材料及び寸法例について説明する。
第3主基板層1cとしては例えばシリコンなどが挙げられる。その厚みは、例えば400μm(マイクロメートル)〜3mm(ミリメートル)で、ここでは700μmである。
カバー基板13としては例えばガラスなどが挙げられる。その厚みは、例えば100〜500μmで、ここでは200μmである。ガラスの材料としては一般的なガラスでもよいが、耐熱ガラス、例えばパイレックス(コーニング社(米国)の登録商標)や、テンパックス(ショットガラス社(ドイツ国)の登録商標)、ボロフロートなどがより適している。
第2主基板層1bとしては例えばシリコン酸化膜(SiO2)やシリコン窒化膜が挙げられる。その膜厚は、例えば100nm(ナノメートル)〜50μmで、ここでは10μmである。
第1主基板層1aとしては例えばポリシリコン膜やシリコン窒化膜、シリコン酸化膜が挙げられる。その膜厚は、例えば10μm〜1000μmで、ここでは100μmである。
溝3の深さ寸法は、第2主基板層1b及び第1主基板層1aの膜厚の合計となり、それが流路の深さを規定する。また、溝3の幅寸法(第1主基板1aにおける幅寸法)は、例えば1μm〜5mmで、ここでは100μmであり、それが溝の幅を規定する。
弁体5の高さは第1主基板層1aの膜厚と同じである。上方から見た弁体5の厚みは、例えば0.5μm〜50μmで、第1主基板層1aがポリシリコン膜の場合、例えば5μm程度である。上方から見た、弁体5の自由端(先端)と溝3の第2側壁3bとの間隔は、例えば1μm程度である。この間隔は、特に制限はない。
溝3の段差部11の寸法(第2主基板層1bの側面から第1主基板層1aの側面までの長さ)は、例えば0.3μm〜30μmで、ここでは3μmである。
図4は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5の自由端の下部(空隙7側の端部)は紙面右側へ開き、流体は図中矢印のように紙面左側から紙面右側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端の下部が紙面左側へ開き、流体は図中矢印のように紙面右側から紙面左側へと流れる。
図5は、図1〜3を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。図5の断面図は図2のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置に対応している。図5中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。
(1)例えばシリコン基板からなる第3主基板層1cの表面にシリコン酸化膜を形成して第2主基板層1bを形成し、さらにその上にポリシリコン膜を形成して第1主基板層1aを形成する。これにより主基板1を形成する。
(2)写真製版技術により、第1主基板層1a上に、図1〜3に示した溝3、弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(3)ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン15をマスクにして第1主基板層1a及び第2主基板層1bをエッチングし、第3主基板層1cを露出させる。これにより溝3と弁体5が形成される。
(4)既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。主基板1をフッ酸溶液に浸漬して第2主基板層1bを等方的にエッチングする。第2主基板層1bのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、弁体5の下に位置する第2主基板層1bはすべて除去され、空隙7が形成される。また、溝3内壁に露出している第2主基板層1bの側面がエッチングされて後退し、段差部11を形成する。
(5)第1主基板層1aの上にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は、例えば第1主基板層1aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。
この実施例では、工程(1)において、第3主基板層1cに第2主基板層1b及び第1主基板層1aを順次形成する方法を説明したが、これに限らず、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を用いてもよい。
また(4)の工程と(5)の工程の順序を入れ替えても構わない。
図6は、マイクロバルブの他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図7はこの実施例の概略的な平面図である。図8は図7のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例では、弁体5を含む流路3の形成位置の第1主基板層1aの上面側の一部分が除去されて掘下げ部17が形成されている。掘下げ部17により、弁体5の上面は、第1主基板層1aの上面(主基板1の主面)よりも下方位置に配置されている。これにより、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されている(図8参照)。掘下げ部17の掘下げ深さ、すなわち第2空隙19の寸法は、例えば100nm〜50μmで、ここでは5μmである。
図9は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5の自由端は右側へ開き、流体は図中矢印のように紙面左側から紙面右側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ開き、流体は図中矢印のように紙面右側から紙面左側へと流れる。
この実施例では、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されているので、図1に示した実施例に比べて弁体5の開き具合が大きくなり、バルブが開いた状態でより多くの流体を流すことができる。
この実施例のマイクロバルブを逆止弁として機能させる場合には、図4を参照して説明したのと同様に、流体を上流側へ送りたい時と、逆流を低減したい時で、流体加圧方法を異ならせればよい。
図10は、図6〜9を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。図10の断面図は図8のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置に対応している。図10中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。
(1)下層側から第3主基板層1c、第2主基板層1b、第1主基板層1aが積層されてなる主基板1を形成する。写真製版技術により、第1主基板層1a上に、図6〜9に示した掘下げ部17の形成位置に開口をもつフォトレジストパターン21を形成する。ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン21をマスクにして、第1主基板層1aの表面側の一部分を除去して掘下げ部17を形成する。
(2)既知の方法にてフォトレジストパターン21を除去する。写真製版技術により、第1主基板層1a上に、図6〜9に示した溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(3)ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン15をマスクにして第1主基板層1a及び第2主基板層1bをエッチングし、第3主基板層1cを露出させる。これにより溝3と弁体5が形成される。既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。
(4)主基板1をフッ酸溶液に浸漬して第2主基板層1bを等方的にエッチングする。第2主基板層1bのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、弁体5の下に位置する第2主基板層1bはすべて除去され、空隙7が形成される。また、溝3内壁に露出している第2主基板層1bの側面がエッチングされて後退し、段差部11を形成する。
(5)第1主基板層1aの上にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は、例えば第1主基板層1aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。
この実施例では、工程(1)において、第3主基板層1cに第2主基板層1b及び第1主基板層1aを順次形成する方法を説明したが、これに限らず、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を用いてもよい。
また(4)の工程と(5)の工程の順序を入れ替えても構わない。
図11は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図12はこの実施例の概略的な平面図である。図13は図12のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例では、主基板1は、下層側から順に、第3主基板層1c、第2主基板層1b、第1主基板層1a、第4主基板層1d、第5主基板層1eが積層されて形成されている。第4主基板層1dは第2主基板層1bと同じ材料で形成されている。第5主基板層1eは例えばポリシリコン膜によって形成されている。第5主基板層1eの厚みは例えば100nm〜50μmで、ここでは5μmである。溝3は、第5主基板層1e、第4主基板層1d、第1主基板層1a及び第2主基板層1bの一部領域が除去されて形成されている。
溝3の内部には、弁体5のほか、第5主基板層1eと同一材料からなる突起23も形成されている。突起23は弁体5上に弁体5と同じ平面位置に同じ平面パターンで形成されている。
溝3において、第4主基板層1dにおける幅寸法は第2主基板層1bにおける幅寸法と同じであり、第1主基板層1a及び第5主基板層1eにおける幅寸法よりも大きく形成されている。これにより、第4主基板層1dにおける第1側壁1a及び第2側壁3bに段差部27が形成されている。
弁体5と突起23との間には第2空隙29が形成されている。第2空隙29の寸法は第4主基板層1dの厚みと同じである。
主基板1の主表面、すなわち第5主基板層1eの上面にカバー基板13が貼り付けられている。
図14は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5の自由端は右側へ開き、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ開き、流体は図中矢印のように紙面右側から紙面左側へと流れる。
この実施例では、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙29(図11〜13参照)が形成されているので、図1に示した実施例に比べて弁体5の開き具合が大きくなり、バルブが開いた状態でより多くの流体を流すことができる。
この実施例のマイクロバルブを逆止弁として機能させる場合には、図4を参照して説明したのと同様に、流体を上流側へ送りたい時と、逆流を低減したい時で、流体加圧方法を異ならせればよい。
図15は、図11〜13を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。図15の断面図は図12のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置に対応している。図15中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。下記工程(6)は図11及び図13を参照して説明する。
(1)例えば、シリコン基板からなる第3主基板層1cの上に、シリコン酸化膜からなる第2主基板層1b、ポリシリコン膜からなる第1主基板層1a、シリコン酸化膜から第4主基板層1d、ポリシリコン膜からなる第5主基板層1eを順次形成して主基板1を形成する。
(2)写真製版技術により、第5主基板1e上に、図11〜13に示した溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(3)ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン15をマスクにして第5主基板層1e、第4主基板層1d、第1主基板層1a及び第2主基板層1bをエッチングし、第3主基板層1cを露出させる。これにより溝3、弁体5及び突起23が形成される。
(4)既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。
(5)主基板1をフッ酸溶液に浸漬して第2主基板層1b及び第4主基板層1dを等方的にエッチングする。第2主基板層1b及び第4主基板層1dのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、弁体5の下に位置する第2主基板層1b、及び弁体5と突起23の間の第4主基板層1dはすべて除去され、空隙7,29が形成される。また、溝3内壁に露出している第2主基板層1b及び第4主基板層1dの側面がエッチングされて後退し、段差部11,27を形成する。
(6)図11及び図13を参照して説明する。第3主基板層1cの上にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は、例えば第1主基板層1aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。
この実施例では、工程(1)において、第3主基板層1cに第2主基板層1b及び第1主基板層1aを順次形成する方法を説明したが、これに限らず、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を用い、その上に第4主基板層及び第5主基板層を形成してもよい。
また工程(5)と工程(6)の順序を入れ替えても構わない。
図16は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図17はこの実施例の概略的な平面図である。図18は図17のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例では、主基板31は第1主基板層31aと第2主基板層31bが積層されて形成されている。溝3は、第1主基板層31aと、第2主基板層31bの表面側の一部分が除去されて形成されている。弁体5は第1主基板層31aによって形成されている。第2主基板層31bの表面側の一部分が除去されていることにより、弁体5の下に空隙7が形成され、また、段差部11が形成されている。
主基板31の主表面、すなわち第1主基板層31aの上面にカバー基板13が貼り付けられている
第1主基板層31aとしては、例えばシリコン窒化膜、シリコン酸化膜が挙げられる。その膜厚は例えば10μm〜1000μmで、ここでは100μmである。第2主基板層31bとしては、例えばシリコンなどが挙げられる。その厚みは例えば400μm〜3mmで、ここでは700μmである。
溝3の深さ寸法は、第1主基板層31aの膜厚と第2主基板層31bの掘下げ分の合計となり、それが流路の深さを規定する。また、溝3の幅寸法(第1主基板31aにおける幅寸法)は、例えば1μm〜5mmで、ここでは100μmであり、それが溝の幅を規定する。
弁体5の高さは第1主基板層31aの膜厚と同じである。上方から見た弁体5の厚みは、例えば0.5μm〜50μmで、第1主基板層31aがポリシリコン膜の場合、例えば5μm程度である。上方から見た、弁体5の自由端(先端)と溝3の第2側壁3bとの間隔は、例えば1μm程度である。この間隔は、特に制限はない。
溝3の段差部11の寸法(第2主基板層31bの側面から第1主基板層31aの側面までの長さ)は、例えば0.3μm〜30μmで、ここでは3μmである。
図19は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
この実施例の動作は図4と同じである。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5が紙面右側へ開き、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5が紙面左側へ開き、流体は図中矢印のように紙面右側から左側へと流れる。
図20は、図16〜18を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。図20の断面図は図17のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置に対応している。図20中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。
(1)例えばシリコン基板からなる第2主基板層31bの表面にシリコン酸化膜を形成して第1主基板層31aを形成する。これにより主基板31を形成する。
(2)写真製版技術により、第1主基板層31a上に、図16〜18に示した溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(3)ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン15をマスクにして第1主基板層31aをエッチングし、第2主基板層31bを露出させる。これにより、弁体5が形成される。
(4)既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。主基板31を4−メチル水酸化アンモニウム水溶液(TMAH)に浸漬して、第2主基板層31bを等方的にエッチングする。第2主基板層31bのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、溝3が形成されるとともに、弁体5の下に位置する第2主基板層31bはすべて除去され、空隙7が形成される。また、第1主基板層31aの側面下に段差部11が形成される。
(5)第1主基板層31aの上にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は、例えば第1主基板層31aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。
この製造工程において、工程(4)でフォトレジストパターン15を除去した後、第2主基板層31bに対して等方性エッチング処理を施す前に、第1主基板層31aをマスクにしてドライエッチング処理により第2主基板層31bを掘り下げる工程を追加してもよい。
また、工程(4)において、第2主基板層31bに対する等方性エッチング処理で用いる溶液は、TMAHに限らず、シリコンをエッチングする溶液を用いることが可能である。例えば、水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ水溶液や、フッ酸、硝酸、酢酸の混合溶液、エチレンジアミンピロカテコール水溶液(EDP)などが挙げられる。
図21は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図22はこの実施例の概略的な平面図である。図23は図22のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図16と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例では、主基板31は、第1主基板層31a、第2主基板層31bと、第1主基板層31a上に形成された第2空隙形成用主基板層31cを備えている。第2空隙形成用主基板層31cは、溝3の外の第1主基板層31a上に形成されている。第2空隙形成用主基板層31cとしては、第2主基板層31bと同じ材料、例えばポリシリコン膜が挙げられる。その膜厚は例えば100nm〜50μmで、ここでは20μmである。
カバー基板13は第2空隙形成用主基板層31c上に接合されている。これにより、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されている(図23参照)。第2空隙形成用主基板層31cの厚み、すなわち第2空隙19の寸法は、例えば100nm〜50μmで、ここでは20μmである。
図24は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
この実施例の動作は図9と同じである。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ開き、流体は図中矢印のように紙面右側から紙面左側へと流れる。
図25は、図21〜23を参照して説明したマイクロバルブを製造するための製造方法の実施例を説明するための工程断面図である。図25の断面図は図22のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置に対応している。図25中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。
(1)例えばシリコン基板からなる第2主基板層31cの表面にシリコン酸化膜を形成して第1主基板層31aを形成し、さらにその上にポリシリコン膜を形成して第2空隙形成用主基板層31cを形成する。これにより主基板31を形成する。第2空隙形成用主基板層31cの膜厚は、上方から見た弁体5(図21〜23参照)の厚みの半分よりも少なくとも大きく、後工程(4)でのシリコンエッチング量よりも大きい。
(2)写真製版技術により、第1主基板層31a上に、図21〜23に示した溝3、弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(3)ドライエッチング技術により、フォトレジストパターン15をマスクにして第2空隙形成用主基板層31c及び第1主基板層31aをエッチングし、第2主基板層31bを露出させる。これにより溝3と弁体5が形成される。
(4)既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。主基板31をTMAH液に浸漬して、第1主基板層31aをマスクにして第2主基板層31bをエッチングする。ここでのエッチング量は、上方から見た弁体5の厚みの少なくとも半分以上であればよい。溝3の底面3cに露出している部分の第2主基板層31bと、第2空隙形成用主基板層31cが等方的にエッチングされる。弁体5の下に位置する第2主基板層31bは除去され、空隙7が形成される。溝3内壁に露出している第2主基板層31bが横方向にもエッチングされて、第1主基板層31aの下に段差部11を形成する。第2空隙形成用主基板層31cは厚みが減少するとともに、溝3から横方向にもエッチングされて形成位置が後退する。弁体5の上に位置する第2空隙形成用主基板層31cは除去される。
(5)第1主基板層31aの上にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は、例えば第1主基板層31aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。
この製造工程において、工程(4)でフォトレジストパターン15を除去した後、第2主基板層31bに対して等方性エッチング処理を施す前に、第1主基板層31aをマスクにしてドライエッチング処理により第2主基板層31bを掘り下げる工程を追加してもよい。
また、工程(4)において、第2主基板層31bに対する等方性エッチング処理で用いる溶液は、TMAHに限らず、シリコンをエッチングする溶液を用いることが可能である。例えば、KOH水溶液などのアルカリ水溶液や、フッ酸、硝酸、酢酸の混合溶液、EDP液などが挙げられる。
上記では、いずれの実施例でも、弁体5は、上方から見て溝3の側壁3a,3bに対して垂直な方向に延伸して形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のマイクロバルブにおいて、弁体は、上方から見て溝の側壁に対して傾斜して形成されていてもよい。
その実施例の一例を以下に説明する。
図26は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図27はこの実施例の概略的な平面図である。図28は図27のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図6と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例は、図6〜8を参照して説明した実施例に対して、弁体5を溝3の側壁3a,3bに対して弁体5の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して設けたものである。弁体は5、上方から見て、弁体5の自由端が下流側へ移動した時の弁体5の開き具合が、弁体5の自由端が上流側へ移動した時の弁体5の開き具合に比べて大きくなる程度で、第1側壁3aに対して傾斜して形成されている。
弁体5の平面長さ、弁体5と側壁3bとの隙間の寸法は任意である。ただし、弁体5の平面長さは、弁体5の自由端の移動により、弁体5の自由端が側壁3bに接触しない長さである。
この実施例は、図10を参照して説明した製造工程において、溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15(工程(2))のパターンを変更することにより、同製造工程と同様にして形成できる。
図29は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5の自由端は右側へ開き、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ移動する。弁体5は、弁体5の自由端が下流側へ移動した時の弁体5の開き具合が、弁体5の自由端が上流側へ移動した時の弁体5の開き具合に比べて大きくなる程度で、第1側壁3aに対して傾斜して形成されているので、(B)の状態における弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から紙面左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
図26〜28に示した実施例のように、弁体5が、上方から見て、溝3の側壁3a,3bに対して弁体5の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して設けた構成は、図1、図11、図16、図21を参照して説明した各実施例にも適用できる。
図30,31は、本発明のマイクロバルブを用いたマイクロポンプの一例を説明するための図である。図30は概略的な分解斜視図、図31は概略的な平面図である。このマイクロポンプでは、図26〜28を参照して説明したマイクロバルブを用いた。
主基板1に、溝3と、溝3の途中に設けられたポンプ室33が形成されている。例えば、溝3及びポンプ室33の深さは100μmである。溝3の幅寸法は300μである。ポンプ室33の長さ寸法(流体が流れる方向の長さ)は3mm、幅寸法は1mmである。
ポンプ室33の上流側の溝3にマイクロバルブ35が設けられている。ポンプ室33の下流側の溝3にマイクロバルブ37が設けられている。マイクロバルブ35,37は図26〜28を参照して説明したものであり、溝3の側壁に対して傾斜して形成された弁体5を備えている。マイクロバルブ35,37の形成位置の第1主基板層1aに掘下げ部17が形成されている。
例えば、弁体5は溝3の側壁に対して45°の角度で延伸している。弁の厚みは5μm、長さは280μm、幅寸法は80μmである。掘下げ部17の深さは第1主基板層1aの表面から10μmである。
主基板1の上面、すなわち第1主基板層1aの上面に溝3及びポンプ室33を覆ってガラス基板13が接合されている。ガラス基板13の厚みは例えば200μmである。
ガラス基板13の上面のポンプ室33に対応する位置に圧電素子39が設けられている。圧電素子39の大きさはポンプ室33とほぼ同じである。圧電素子39は、ポンプ室33上のガラス基板13を上方側に凸の状態に変形させ、もしくは、ポンプ室33上のガラス基板13を下方側に凸の状態に変形させ、又はその両方の方向に変形させる機能を有する。
図32は、図30,31を参照して説明したマイクロポンプを製造するための製造方法の一例を説明するための工程分解斜視図である。図32中のかっこ数字は以下に説明する工程に対応している。この製造工程は、図10を参照して説明した製造工程とほぼ同じである。
(1)第3主基板層1c上に、第2主基板層1b、第1主基板層1aを順に形成する。例えば、第2主基板層1bは厚み10μmのシリコン酸化膜、第1主基板層1aは厚み90μmのポリシリコン膜である。既知の写真製版技術及びエッチング技術により、第1主基板層1aの表面に掘下げ部17を形成する。ここでは、掘下げ部17は、2つのマイクロバルブの形成位置に対応して2箇所形成される。ただし、掘下げ部17の形成位置はこれに限定されるものではない。例えば、溝3及びポンプ室33の形成位置の全体に対応して形成してもよい。
(2)既知の写真製版技術及びエッチング技術により、第1主基板層1a及び第2主基板層1bの一部領域をエッチングして、溝3、弁体5及びポンプ室33を形成する。ここで、第2主基板層1bは必ずしもエッチングされてなくてもよい。
(3)フッ酸溶液に浸漬して第2主基板層1bを等方エッチングする。ここでのエッチング量は例えば7μmである。第3主基板層1cはエッチングストップ層として機能する。第2主基板層1bは水平方向にエッチングされる。これにより、弁体5下の第2主基板層1bが除去されて、弁体5と第3主基板層1cの間に空隙7が形成される。また、溝3及びポンプ室33に露出している第2主基板層1bの側面が後退し、段差部11が形成される。
(4)図30を参照して説明する。第1主基板層1aの上面にガラス基板13を陽極接合にて接合する。接合条件は例えば第1主基板層1aとガラス基板13を密着させた状態で400℃、500Vを印加して接合する。ガラス基板13の上面にポンプ室33の上方に位置するように圧電素子39を形成する。
このマイクロポンプでは、圧電素子39に電圧を印加することでガラス基板13に圧縮応力又は引張り応力が発生し、ポンプ室33の容積が変化する。これにより溝3とポンプ室33との間に圧力差が発生する。その圧力差により、2つのマイクロバルブ35,37の弁体5をそれぞれ開閉する。これにより、このマイクロポンプは、流体を図30の紙面手前から奥へと輸送する。
このマイクロポンプでは、図26〜28を参照して説明したマイクロバルブを用いたが、他の本発明のマイクロバルブを用いることもできる。
上記で説明した実施例では、弁体5は上方から見て棒状であるが、弁体は、弁体の自由端の上流側への移動量を制限するための弁体補助部を備えていてもよい。
弁体補助部を備えた弁体を図26〜28を参照して説明したマイクロバルブに適用した実施例を図33〜35を参照して説明する。
図33は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図34はこの実施例の概略的な平面図である。図35は図33のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図26と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例は、図26〜28を参照して説明した実施例に対して、弁体5の構造が異なっている。弁体5は、上記実施例での弁体5の構造からなる主弁体5aと、主弁体5aの自由端の上流側への移動量を制限するための弁体補助部5bを備えている。弁体補助部5bは、一端が主弁体5aの自由端の下流側の面に接続され、他端が主弁体5aの基端部よりも下流側で第1側壁3aに接続されている。
弁体補助部5bの上方から見た膜厚は例えば2μmであり、主弁体5aの上方から見た膜厚よりも薄い。すなわち、弁体補助部5bは主弁体5aよりも変形しやすい。
図35に示すように、溝3の底面3cと主弁体5aとの間に空隙7が形成されているのと同様に、溝3の底面3cと弁体補助部5bとの間に空隙7が形成されている。主弁体5aの上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されているのと同様に、弁体補助部5bの上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されている。
図36は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側(上流側)の流路内の圧力が紙面右側(下流側)に比べて高い状態では、弁体補助部5bが撓んで主弁体5aの自由端は下流側へ移動し、流体は図中矢印のように上流側から下流側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側(下流側)の流路内の圧力が紙面左側(上流側)に比べて高い状態では、主弁体5aの自由端が上流側へ移動するが、その移動量は、弁体補助部5bによって規制される。これにより、弁体5は、主弁体5aの自由端が上流側へ移動した時の弁体5の開き具合が、主弁体5aの自由端が下流側へ移動した時の弁体5の開き具合に比べて小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
上記で説明した実施例では、第1側壁3aのみに弁体5を備えているが、第2側壁3bに第2弁体を備えていてもよい。
図26〜28を参照して説明したマイクロバルブに第2弁体をさらに備えた実施例を図37〜39を参照して説明する。
図37は、マイクロバルブのさらに他の実施例を説明するための概略な分解斜視図である。図38はこの実施例の概略的な平面図である。図39は図37のA−A’位置、B−B’位置、C−C’位置の概略的な断面図である。図26と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例は、図26〜28を参照して説明した実施例に対して、弁体5の上方から見た長さが短く形成され、弁体5に対向する第2側壁3bに第2弁体41が形成されている。
第2弁体41は、弁体5が形成される第1側壁3aを第2側壁3bに置き換えて形成されたものである。この実施例では、第2弁体41は、流路3の中心線に対して上方から見て弁体5と対象な構造で形成されている。ただし、弁体5と第2弁体41の平面形状は互いに異なっていてもよい。
弁体5の自由端と第2弁体41の自由端は、例えば20μmの間隔をもって対向して配置されている。
図39に示すように、溝3の底面3cと弁体5との間に空隙7が形成されているのと同様に、溝3の底面3cと第2弁体41との間に空隙7が形成されている。弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されているのと同様に、第2弁体41の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されている。第2弁体41は図33を参照して説明した実施例と同様に弁体補助部を備えていてもよい。
図40は、この実施例のマイクロバルブの動作を説明するための平面図である。(A)は弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態、(B)は弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態を示す。
(A)に示すように、弁体5及び第2弁体41に対して紙面左側(上流側)の流路内の圧力が紙面右側(下流側)に比べて高い状態では、弁体5の自由端及び第2弁体41の自由端は下流側へ移動し、流体は図中矢印のように上流側から下流側へと流れる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側(下流側)の流路内の圧力が紙面左側(上流側)に比べて高い状態では、弁体5の自由端及び第2弁体41の自由端は上流側へ移動するが、弁体5の自由端及び第2弁体41の自由端が互いに当接することによって、それらの移動量は規制される。これにより、この実施例のマイクロバルブは、弁体5の自由端及び第2弁体41の自由端が上流側へ移動した時のマイクロバルブの開き具合が、これらの自由端が下流側へ移動した時のマイクロバルブの開き具合に比べて小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
上記で説明したいずれの実施例でも弁体5は1つのみ形成されているが、本発明のマイクロバルブは複数の弁体5を備えていていもよい。
また、図37を参照して説明した実施例では、第2弁体41は1つのみ形成されているが、本発明のマイクロバルブは複数の第2弁体41を備えていていもよい。また、弁体5と第2弁体41は、互いに自由端が当接する位置に形成されていなくてもよい。
また、第2弁体を含め、弁体の上方から見た形状は、直線状以外の形状、例えば曲線状であってもよい。
また、第2弁体を含め、弁体の上方から見た幅寸法は、均一でなくてもよい。
また、弁体は複数の弁体補助部を備えていてもよい。
図41は、いくつかの変形例を説明するための平面図である。
(A)では、複数の弁体5と複数の第2弁体41を備え、弁体5と第2弁体41が千鳥状に配置されている。
(B)では、弁体5は、弁体5に圧力が加わっていないときの上方から見た形状が曲線状に形成されている。
(C)では、弁体5は1つの主弁体5aに対して複数の弁体補助部5bを備えている。
弁体が弁体補助部を備えている態様や、第2弁体を備えている態様は、図26〜28以外の上記実施例のマイクロバルブにも適用できる。また、これらを組み合わせた態様を組み合わせてもよい。
弁体が弁体補助部を備えている態様や、第2弁体を備えている態様、弁体5の上方から見た形状が曲線状に形成されている態様など、上記で示した態様は、いずれも、上記製造方法の実施例で弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターンのパターンを変更することにより、同様にして形成できる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記実施例での材料、寸法、形状、配置などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明は、基板内に反応室などの微細構造を設け、その微細構造中で物質の反応や合成、分析などの操作を行なえるように構成されたマイクロデバイスに適用できる。また、携帯機器向け燃料電池の燃料を供給する流路におけるバルブや、いわゆるインクジェット記録方式のようにインクを水滴状にして記録紙上に噴出させ文字や絵を記録する技術などにも応用できる。
1 主基板
1a 第1主基板層
1b 第2主基板層
1c 第3主基板層
1d 第4主基板層
1e 第5主基板層
3 溝
3a 溝の第1側壁
3b 溝の第2側壁
3c 溝の底面
5 弁体
5a 主弁体
5b 弁体補助部
7 空隙
11 段差部
13 カバー基板
15 フォトレジストパターン
17 掘下げ部
19 第2空隙
29 第2空隙
31 主基板
31a 第1主基板層
31b 第2主基板層
31c 第2空隙形成用主基板層
41 第2弁体
特許第3202643号公報 特開平6−198872号公報 特開2005−337415号公報 特開2003−225898号公報

Claims (20)

  1. 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
    前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
    前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
    前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
    前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な上方から見た膜厚をもち、
    前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
    前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接することなく下流側へ移動し、
    前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接することなく上流側へ移動することを特徴とするマイクロバルブ。
  2. 前記溝の底面と前記弁体との間の空隙は、前記第2主基板層の表面側の一部分が除去されて形成されている請求項1に記載のマイクロバルブ。
  3. 前記主基板は前記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備え、
    前記溝の底面と前記弁体との間の空隙は、前記弁体下の前記第2主基板層が除去されて形成されている請求項1に記載のマイクロバルブ。
  4. 前記弁体と前記カバー基板との間に第2空隙が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
  5. 前記弁体の上面は、前記弁体形成位置の前記第1主基板層の上面側の一部分が除去されて前記主基板の前記主面よりも下方位置に配置されている請求項4に記載のマイクロバルブ。
  6. 前記主基板は、前記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備え、
    前記第5主基板層の上面が前記主基板の前記主面を構成し、
    前記主基板の溝は少なくとも前記第5主基板層、前記第4主基板層及び前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
    前記弁体上の前記第4主基板層が除去されている請求項4に記載のマイクロバルブ。
  7. 前記主基板は、前記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備え、
    前記第2空隙形成用主基板層の上面が前記主基板の前記主面を構成し、
    前記主基板の溝は少なくとも前記第2空隙形成用主基板層及び前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
    前記弁体上を含む前記溝上の前記第2空隙形成用主基板層が除去されている請求項4に記載のマイクロバルブ。
  8. 前記弁体は、上方から見て、前記弁体の自由端が下流側へ移動した時の前記自由端と前記第2側壁との間隔が、前記自由端が上流側へ移動した時の前記自由端と前記第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、前記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
  9. 前記弁体は、前記弁体の構成からなる主弁体と、一端が前記主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が前記主弁体の基端部よりも下流側で前記第1側壁に接続され、変形可能な上方から見た膜厚で形成された弁体補助部と、を備え、
    前記弁体補助部は、上方から見た膜厚が前記主弁体の上方から見た膜厚よりも薄く形成され、かつ、前記自由端の上流側への移動量を制限する請求項1から8のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
  10. 前記弁体が形成される前記第1側壁を前記第2側壁に置き換えて形成された第2弁体をさらに備えている請求項1から9のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
  11. 請求項1に記載のマイクロバルブの製造方法であって、以下の工程(A)〜(D)をその順に含むマイクロバルブの製造方法。
    (A)主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ主基板の上に、写真製版技術により、溝形成予定位置に開口部をもち、弁体形成予定位置を覆うフォトレジストパターンを形成する写真製版工程、
    (B)異方性エッチング技術により、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記第1主基板層を前記第2主基板層に到達する深さまでエッチングして、前記第1主基板層からなる弁体と、溝形成予定位置に第1主基板層除去部分を形成し、その後、前記フォトレジストパターンを除去する第1エッチング工程、
    (C)等方性エッチング技術により、前記第1主基板層をマスクにして、前記第1主基板層をエッチングしない条件で前記第2主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2主基板層除去部分を形成して前記第1主基板層除去部分及び前記第2主基板層除去部分からなる溝を形成するとともに、前記弁体下の第2主基板層を除去して前記溝の底面と前記弁体との間に空隙を形成する第2エッチング工程、
    (D)前記主基板の前記主表面上にカバー基板を配置して前記溝を覆って流路を形成するカバー基板配置工程。
  12. 前記第1エッチング工程(B)で、前記第1主基板層のエッチングに連続して前記第2主基板層の一部分もエッチングする、請求項11に記載のマイクロバルブの製造方法。
  13. 前記主基板として前記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備えたものを用い、
    前記第2エッチング工程(C)で、前記第2主基板層をエッチングする際に、前記第3主基板層を前記溝の深さ方向のエッチングストッパー層として用いる、請求項11又は12に記載のマイクロバルブの製造方法。
  14. 前記写真製版工程(A)で、前記フォトレジストパターンを形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって少なくとも前記弁体形成予定位置の前記第1主基板層の表面を掘り下げる工程を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
  15. 前記主基板として、前記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備えたものを用い、
    前記写真製版工程(A)で、前記第5主基板層上に前記フォトレジストパターンを形成し、
    前記第1エッチング工程(B)で、前記フォトレジストパターンをマスクにして、異方性エッチング技術によって前記第5主基板層及び前記第4主基板層をエッチングして溝形成予定位置に第5主基板層除去部分及び第4主基板層除去部分を形成した後に連続して前記第1主基板層をエッチングして前記弁体及び前記第1主基板層除去部分を形成し、
    前記第2エッチング工程(C)で、前記第1主基板層及び前記第5主基板層をマスクにして、前記第1主基板層及び前記第5主基板層をエッチングしない条件で前記第2主基板層をエッチングするのと同時に前記弁体上の前記第4主基板層もエッチングする、請求項11から13のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
  16. 前記第1エッチング工程(B)の後、前記第2エッチング工程(C)を行なわずに前記カバー基板配置工程(D)を行ない、その後、前記第2エッチング工程(C)を行なう請求項11〜15のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
  17. 前記主基板として、上方から見た前記弁体の厚みの半分よりも厚い膜厚で前記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備えたものを用い、前記第1エッチング工程(B)で、異方性エッチング技術により、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記第2空隙形成用主基板層及び前記第1主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2空隙形成用主基板層除去部分及び前記第1主基板層除去部分を形成し、かつ前記弁体を形成し、
    前記第2エッチング工程(C)で、前記溝の外の前記第2空隙形成用主基板層が残存し、前記弁体上の前記第2空隙形成用主基板層及び前記弁体下の前記第2主基板層が除去される条件で、前記第2主基板層及び前記第2空隙形成用主基板層に対して同時に前記等方性エッチングを行なう、請求項11又は12に記載のマイクロバルブの製造方法。
  18. 前記弁体を、上方から見て、前記弁体の自由端が下流側へ移動した時の前記自由端と前記第2側壁との間隔が、前記自由端が上流側へ移動した時の前記自由端と前記第2側壁との間隔に比べて大きくなる程度で、前記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成する請求項11から17のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
  19. 前記弁体として、前記弁体の構成からなる主弁体と、一端が前記主弁体の自由端の下流側の面に接続され、他端が前記主弁体の基端部よりも下流側で前記第1側壁に接続され、上方から見て前記主弁体の膜厚よりも薄くかつ変形可能な膜厚で形成され、前記主弁体の自由端の上流側への移動量を制限するための弁体補助部を備えたものを形成する請求項11から18のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
  20. 前記弁体の形成と同時に、前記第2側壁に、前記弁体が形成される前記第1側壁を前記第2側壁に置き換えた第2弁体を形成する請求項11から19のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
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