JP2003275999A - マイクロバルブおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロバルブおよびその製造方法

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JP2003275999A
JP2003275999A JP2002081798A JP2002081798A JP2003275999A JP 2003275999 A JP2003275999 A JP 2003275999A JP 2002081798 A JP2002081798 A JP 2002081798A JP 2002081798 A JP2002081798 A JP 2002081798A JP 2003275999 A JP2003275999 A JP 2003275999A
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diaphragm sheet
diaphragm
substrate
flow path
microvalve
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JP2002081798A
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Michio Takayama
美知雄 高山
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Temperature-Responsive Valves (AREA)
  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リークが少なく、流路の集積度が高いマイクロ
バルブを提供する。 【解決手段】マイクロバルブは、基礎基板110と、基
礎基板110に設けられた流路111と、流路111の
内壁112,113,114の一部を形成しているダイ
アフラムシート101と、ダイアフラムシート101を
流路111の内側に向かって膨らませて流路111の内
壁に押しつけ、ダイアフラムシート101に流路111
を塞がせる駆動手段とを備えている。ダイアフラムシー
ト101は、膨らんだときの伸び分布をダイアフラムシ
ート101にわたって有している。この伸び分布は、ダ
イアフラムシート101が膨らんで流路111の内壁に
押しつけられたときに、ダイアフラムシート101がこ
の押しつけられた内壁の形状に適合するよう、設定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の微細加工
技術を用いて製造されるマイクロバルブおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造技術を用いて微細な流路を形
成した小さな基板上で生化学反応や分析を行う研究が盛
んに報告されている。このような技術を用いることで試
料や試薬の使用量は極めて少量で済み、反応効率が増す
ため解析時間は大幅に短縮され、費用も削減可能とな
る。このような解析においては流路中の試料、試薬等の
流れを制御するバルブが必用となり、解析システム全体
を小型化するためには流路だけでなくバルブも小型化す
る必要がある。
【0003】半導体製造技術を用いて製造されるマイク
ロバルブは、例えば特開平9−229222号に開示さ
れている。このマイクロバルブの構成を示す断面図を図
7に示す。基板10には流体を導入する流路12と排出
流路13、弁座となる突起部11が形成されている。突
起部11上端から間隙をおいて、ダイアフラムを形成す
る第1の絶縁膜30が形成されており、第1の絶縁膜上
にはダイアフラム支持部となる第2の絶縁膜40が形成
されている。さらにダイアフラム上には金属薄膜ヒータ
31,32が形成されている。
【0004】金属薄膜ヒータ31,32を通電加熱する
と、金属薄膜ヒータ31,32と、ダイアフラムの絶縁
膜30との熱膨張率の違いによりダイアフラム30が変
形し、突起部11上端からダイアフラムが離れるため流
体が導入流路12から排出流路13に流れるようにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
マイクロバルブにおいては流路中に突起部が設けられて
いるので、流体はバルブ領域で屈曲して流れなければな
らない。このため抵抗が大きくなり、大きな流体駆動力
が必用となる。また、屈曲領域に流体中の一部の成分が
留まりやすい。特に、流体中に細胞、ビーズ等の固形成
分が含まれる場合には屈曲部で詰まりやすくなる。流路
中に突起部を形成せず、ダイアフラムを柔軟な材料で形
成してこれを変形させることで流路を閉じるようにすれ
ば上記問題は解決される。
【0006】このようなマイクロバルブは、例えばHa
rc A.Ungerらの「Monolithic M
icrofabricated Valves and
Pumps by Multilayer Soft
Lithography」SCIENCE Vol.
288 PP113−116(2000)に示されてい
る。流路中に突起部を形成しなくても、流路の断面形状
が矩形であると、ダイアフラムが流路を完全に塞がずリ
ークが発生する。この問題を回避するために、流路の断
面を半円形にすることが考えられる。
【0007】一般に流路の断面を半円形にするには基板
を等方的にエッチングして流路を形成しなければならな
い。このため、エッチング時に基板面に水平な方向にも
エッチングが進行してしまう。従って、流路幅及び流路
間隔の狭い流路を形成することが困難になるため、流路
の集積度が上がらないという問題が生ずる。また、エッ
チング時の寸法精度を管理することも難しくなるので流
路寸法が一定しないという問題も生ずる。一方、流路を
分岐させ指定流路に流体を流す場合には、例えば分岐さ
れた流路と同数のバルブを形成する必要がある。しかし
バルブが必要とする面積は一般に流路の面積よりも大き
いので、バルブの数が増すと流路の集積度が制限されて
しまう。
【0008】さらにまたダイアフラムを柔軟な材料で形
成すると、ダイアフラムが流路表面に付着したままにな
りやすくなり、ダイアフラムを閉じた後、再び開くのに
時間がかかるため、バルブの応答性が悪くなるという問
題も生じる。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みて発明されたも
ので、流路の断面が矩形であってもリーク発生量が少な
く、応答性も良く、また流路の集積度が高いマイクロバ
ルブを提供することを目的とする。
【0010】本発明のもう一つの目的は、分岐されたそ
れぞれの流路に1つずつマイクロバルブを設けることな
く、流体を指定流路に導入できるマイクロバルブを提供
することである。
【0011】また、本発明のさらに別の目的は、上記マ
イクロバルブを製造するための製造方法を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係わるマイクロバルブは、基礎
基板と、この基礎基板に設けられた流路と、この流路の
内壁の一部を形成しているダイアフラムシートと、この
ダイアフラムシートを上記流路の内側に向かって膨らま
せて流路の内壁に押しつけ、ダイアフラムシートに流路
を塞がせる駆動手段と、を備えており、上記ダイアフラ
ムシートは、膨らんだときの伸び分布をダイアフラムシ
ートにわたって有しており、この伸び分布は、ダイアフ
ラムシートが膨らんで流路の内壁に押しつけられたとき
に、ダイアフラムシートがこの押しつけられた内壁の形
状に適合するよう、設定されている。
【0013】駆動手段によりダイアフラムシートが膨ら
まされると、ダイアフラムシートは伸び分布に応じてこ
れの各部分が伸びる。これにより、ダイアフラムシート
は隙間なく安定して流路を塞ぐことができる。
【0014】本発明の請求項2に係わるマイクロバルブ
では、上記流路の内壁は、流路の長手方向に延びてお
り、上記ダイアフラムシートに対向している対向面と、
流路の長手方向に延びており、この対向面と交差し、互
いに対向する2つの交差面とを有しており、ダイアフラ
ムシートの上記伸び分布は、ダイアフラムシートが膨ら
んで流路の内壁に押しつけられたときに中央部の伸びが
周縁部の伸びよりも小さくなるよう、設定されており、
ダイアフラムシートが膨らんだとき、ダイアフラムシー
トの中央部が流路の対向面に押しつけられるとともに、
ダイアフラムシートの周縁部が流路の交差面に押しつけ
られる。
【0015】このように、ダイアフラムシートは流路の
内壁の形状に応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞
ぐことができる。
【0016】本発明の請求項3に係わるマイクロバルブ
では、上記ダイアフラムシートの中央部の厚さは、周縁
部の厚さよりも大きく、上記ダイアフラムシートが膨ら
んで流路の内壁に押しつけられたときに中央部の伸びは
周縁部の伸びよりも小さくなる。
【0017】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0018】本発明の請求項4に係わるマイクロバルブ
では、上記ダイアフラムシートの中央部のヤング率は、
周縁部のヤング率よりも大きく、上記ダイアフラムシー
トが膨らんで流路の内壁に押しつけられたときに中央部
の伸びは周縁部の伸びよりも小さくなる。
【0019】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0020】本発明の請求項5に係わるマイクロバルブ
では、上記ダイアフラムシートの中央部には、補強シー
トが固定されており、上記ダイアフラムシートが膨らん
で流路の内壁に押しつけられたときに中央部の伸びは周
縁部の伸びよりも小さくなる。
【0021】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0022】本発明の請求項6に係わるマイクロバルブ
では、上記ダイアフラムシートは、フレーム部と、この
フレーム部の周りに広がっている膜部とを有しており、
上記ダイアフラムシートが膨らんで流路の内壁に押しつ
けられたときに、フレーム部の伸びが膜部の伸びよりも
小さくなり、この結果ダイアフラムシートの形状が規定
される。
【0023】フレーム部と膜部とを組み合わせることに
より、ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に応じて
変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができる。
【0024】本発明の請求項7に係わるマイクロバルブ
では、上記フレーム部の厚さは、上記膜部の厚さよりも
大きく、上記ダイアフラムシートが膨らんで流路の内壁
に押しつけられたときに膜部の伸びはフレーム部の伸び
よりも大きくなる。
【0025】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0026】本発明の請求項8に係わるマイクロバルブ
では、上記フレーム部のヤング率は、上記膜部のヤング
率よりも大きく、上記ダイアフラムシートが膨らんで流
路の内壁に押しつけられたときに膜部の伸びはフレーム
部の伸びよりも大きくなる。
【0027】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0028】本発明の請求項9に係わるマイクロバルブ
では、上記フレーム部には、補強シートが固定されてお
り、上記ダイアフラムシートが膨らんで流路の内壁に押
しつけられたときに膜部の伸びはフレーム部の伸びより
も大きくなる。
【0029】ダイアフラムシートは流路の内壁の形状に
応じて変形し、隙間なく安定して流路を塞ぐことができ
る。
【0030】本発明の請求項10に係わるマイクロバル
ブは、基礎基板と、この基礎基板上に設けられた溝状の
複数の流路と、これらの流路を覆うよう上記基礎基板上
に積層されている1つのダイアフラムシート層と、上記
複数の流路の内壁の一部をそれぞれ形成するとともに、
ダイアフラムシート層の一部をそれぞれそれぞれ形成す
る複数のダイアフラムシートと、上記それぞれのダイア
フラムシートに上記それぞれの流路の外側から等しい圧
力を印加し、それぞれのダイアフラムシートをそれぞれ
の流路の内側に向かって膨らませ、それぞれのダイアフ
ラムシートにそれぞれの流路を塞がせる圧力印加手段
と、を備えており、上記ダイアフラムシート層は、ダイ
アフラムシートを含む部分にわたって圧力を印加された
ときの伸び分布を有しており、上記ダイアフラムシート
は、所定の開閉圧力よりも大きい圧力が印加されたとき
にそれぞれ流路を塞いだ状態になり、上記ダイアフラム
シート層の上記伸び分布は、それぞれのダイアフラムシ
ートのそれぞれの開閉圧力が互いに異なるよう、設定さ
れている。
【0031】これらのダイアフラムシートに等しい圧力
を印加すると、それぞれのダイアフラムシートのそれぞ
れ開閉圧力の差に応じて塞がれた流路と塞がれていない
流路の組み合せが決まる。駆動手段の圧力を調節するこ
とにより、所望の流路を塞ぐことができる。
【0032】複数の流路に1つずつマイクロバルブを設
ける場合、分岐した流路を離間させる必要がある場合が
ある。上記ダイアフラムシート層は複数の流路が形成さ
れた基礎基板に積層されているので、接近した複数の流
路にダイアフラムシートを設けることができる。これは
集積化には有利である。
【0033】本発明の請求項11に係わるマイクロバル
ブは、基礎基板と、この基礎基板上に設けられ、流体を
流す溝状の複数の流路と、これらの流路を覆うよう上記
基礎基板上に積層されている1つのダイアフラムシート
層と、上記複数の流路の内壁の一部をそれぞれ形成する
とともに、ダイアフラムシート層の一部をそれぞれそれ
ぞれ形成する複数のダイアフラムシートと、上記それぞ
れのダイアフラムシートに上記それぞれの流路の外側か
ら等しい圧力を印加し、それぞれのダイアフラムシート
をそれぞれの流路の内側に向かって膨らませ、それぞれ
のダイアフラムシートにそれぞれの流路を塞がせる圧力
印加手段と、を備えており、上記それぞれのダイアフラ
ムシートに面しているそれぞれの流路の部分の幅が互い
に異なっており、上記ダイアフラムシートに所定の開閉
圧力よりも大きい圧力が印加されたとき、それぞれ流路
に流体が流れなくなり、上記複数の流路のそれぞれ幅
は、それぞれのダイアフラムシートのそれぞれの開閉圧
力が互いに異なるよう、設定されている。
【0034】より幅が狭い流路は比較的大きい流体抵抗
をもつ。このため、幅が狭い流路はこれに設けられたダ
イアフラムシートが僅かに膨らんだだけで流体が流れな
くなる。即ち、狭い流路のダイアフラムシートに印加さ
れる開閉圧力は広い流路のダイアフラムシートに印加さ
れる開閉圧力よりも小さい。これらのダイアフラムシー
トに等しい圧力を印加すると、それぞれのダイアフラム
シートのそれぞれ開閉圧力の差に応じて塞がれた流路と
塞がれていない流路の組み合せが決まる。駆動手段の圧
力を調節することにより、所望の流路を塞ぐことができ
る。
【0035】上記マイクロバルブでは、接近した複数の
流路にダイアフラムシートを設けることができるので、
集積度を高くすることができる。
【0036】本発明の請求項12に係わるマイクロバル
ブでは、上記ダイアフラムシートは、有機膜を含んでい
る。
【0037】基礎基板上の所定の領域に有機材料を塗布
することにより有機膜を形成することができる。一般に
有機膜は基板の凹部では厚く、凸部では薄く成膜され
る。これを利用することにより、厚さ分布をもつダイア
フラムシートを容易に形成することができる。従って、
有機膜を含んだダイアフラムシートを備えたマイクロバ
ルブは安価である。
【0038】本発明の請求項13に係わるマイクロバル
ブでは、上記圧力印加手段は、上記ダイアフラムシート
に空気圧を印加して、上記流路の内側に向かって膨らま
せる。
【0039】ダイアフラムシートを膨らませるために、
従来のマイクロバルブでは、ダイアフラムシート上に設
けられた金属薄膜ヒータを通電加熱し、熱膨張率の差を
利用してダイアフラムシートに力を加える。また、ダイ
アフラムシート上に設けた電極と、ダイアフラム上部も
しくは下部に対向させて設けた電極とに静電引力を働か
せることも考えられる。ダイアフラムシートに金属薄膜
ヒータや電極などを固定する場合、ダイアフラムシート
の伸び分布が適切に設定され、かつダイアフラムシート
を膨らませるのに十分な力が働くよう、ダイアフラムシ
ートと、金属薄膜ヒータや電極を設計することが困難に
なる。上記圧力印加手段は、圧力、特に空気圧を利用す
るので、ダイアフラムシートに金属薄膜ヒータや電極な
どを形成する必要が無い。従って、設計が容易である。
【0040】本発明の請求項14に係わるマイクロバル
ブでは、上記ダイアフラムシートに面する上記流路の表
面は疎水性である。
【0041】流路を流れる流体が液体の場合、流路の表
面が疎水性であると、流体抵抗が大きい。このため、流
路がダイアフラムシートで完全に塞がれていなくても、
流体は流れなくなる。即ち、流路の表面が疎水性である
と、リーク量が小さくなる。また、流路に流体を流す力
が大きくても、安定して流路を塞ぐことができる。
【0042】本発明の請求項15に係わるマイクロバル
ブの製造方法では、上記ダイアフラムシートに面する上
記流路の表面は、ダイアフラムシートの当接力が小さく
なるよう形成されている。
【0043】流路の表面が、ダイアフラムシートの当接
力が小さくなるよう形成されていると、ダイアフラムシ
ートが流路を塞いだ状態にした後、再度塞いでいない状
態にする際、すぐにダイアフラムシートが流路から離れ
るためダイアフラムシートの応答性が良くなる。
【0044】本発明の請求項16に係わるマイクロバル
ブの製造方法は、第1の基板を用意し、この第1の基板
上に溝状の流路を形成する流路形成工程と、第2の基板
を用意する第2基板用意工程と、この第2の基板の表面
にダイアフラムシート層を積層する積層工程と、上記第
2の基板の一部を除去して、ダイアフラムシート層とは
反対側の第2の基板の表面からダイアフラムシート層に
至る孔を形成する工程であって、この孔に面するダイア
フラムシート層の部分は、孔の周縁により保持されたダ
イアフラムシートを形成するダイアフラムシート形成工
程と、上記ダイアフラムシートが流路を覆うよう、第1
の基板と第2の基板とを重ね合わせ、第1の基板と第2
の基板とを接合する接合工程と、を備えている。
【0045】このような製造方法を用いれば、マイクロ
バルブを容易に製造できる。
【0046】本発明の請求項17に係わるマイクロバル
ブの製造方法は、第2基板用意工程と積層工程との間
に、上記第2の基板の表面に高さ分布をもつ領域を形成
する高さ分布領域形成工程をさらに備えており、上記積
層工程では、この高さ分布をもつ領域に積層されたダイ
アフラムシート層の部分がこの領域の高さ分布に応じた
厚さ分布をもち、上記ダイアフラムシート形成工程で
は、孔は、ダイアフラムシート層とは反対側の第2の基
板の表面からダイアフラムシート層の上記厚さ分布をも
つ部分に至るよう、形成され、厚さ分布をもつ部分は、
孔の周縁により保持されたダイアフラムシートを形成す
る。
【0047】ダイアフラムシート層に厚さ分布をもつ領
域を形成するとき、第1の基板に流路を形成した後に第
1の基板にダイアフラムシート層を積層して厚さ分布を
もつ領域を形成すると、製造方法が複雑になる。上記製
造方法では、流路は第1の基板に形成され、一方ダイア
フラムシートは第2基板上に形成される。即ち、流路と
ダイアフラムシートとは独立して形成される。これは厚
さ分布をもつ領域の形成に適している。
【0048】有機膜は高さ分布をもつ領域の凹部では厚
く、凸部では薄く成膜される。これを利用すれば、所望
の厚さ分布をもつダイアフラムシートを容易に形成でき
る。
【0049】
【発明の実施の形態】図1〜図6を参照して、本発明の
実施の形態に係わるマイクロバルブおよびその製造方法
を説明する。先ず、図1(A)〜図1(D)を参照して
本発明の第1の実施の形態のマイクロバルブを説明す
る。図1(A)は塞がれていない状態のマイクロバルブ
の縦断面図である。図1(B)は図1(A)の1B−1
B線に沿って切断した横断面図である。図1(A)で切
断されて取り除かれた部分は復元されている。図1
(A)では流体は紙面左右方向に流れる。図1(B)で
は流体は紙面鉛直方向に流れる。
【0050】基礎基板として用いられている第1の基板
110の表面には溝状の流路111が形成されている。
流路111の内壁の表面には親水層が積層されている。
第1の基板110の表面上には柔軟な材料で形成された
ダイアフラムシート層100が積層されている。ダイア
フラムシート層100は有機材料で形成されていること
が好ましい。ダイアフラムシート層100の一部は流路
111の内壁の一部を形成している。この部分はダイア
フラムシート101として用いられている。
【0051】ダイアフラムシート層100の上には第2
の基板120が接合されている。第2の基板120に
は、上面からダイアフラムシート層100のダイアフラ
ムシート101に至る孔121が形成されている。ダイ
アフラムシート101の周縁は孔121の周縁を形成す
る第2の基板120の部分により保持されている。これ
により、ダイアフラムシート101を撓ませることがで
きる。
【0052】第2の基板120の上には第3の基板13
0が接合されている。第3の基板130には孔121か
ら第3の基板130の上面に至る孔131が形成されて
いる。孔121と孔131には所定の流体が満たされて
いる。孔131は圧力を発生する圧力発生手段(図示せ
ず)に接続されている。第2の基板120と第3の基板
130と圧力発生手段とは、ダイアフラムシート101
に圧力を印加して、これを流路111の内側に向かって
膨らませる駆動手段を形成している。駆動手段は好まし
くは、所定の流体として空気を用い、ダイアフラムシー
ト101に空気圧を印加する。
【0053】ダイアフラムシートを膨らませるために、
従来のマイクロバルブでは、ダイアフラムシート上に設
けられた金属薄膜ヒータを通電加熱し、熱膨張率の差を
利用してダイアフラムシートに力を加える。また、ダイ
アフラムシート上に設けた電極と、ダイアフラム上部も
しくは下部に対向させて設けた電極とに静電引力を働か
せることも考えられる。ダイアフラムシートに金属薄膜
ヒータや電極などを固定する場合、ダイアフラムシート
の伸び分布が適切に設定され、かつダイアフラムシート
を膨らませるのに十分な力が働くよう、ダイアフラムシ
ートと、金属薄膜ヒータや電極を設計することが困難に
なる。圧力印加手段は空気圧を利用するので、ダイアフ
ラムシート101に金属薄膜ヒータや電極などを形成す
る必要が無い。従って、設計が容易である。
【0054】流路111の断面の形状は矩形である。流
路111はダイアフラムシート101に対向している対
向面112と、対向面112と交差し、互いに対向する
2つの交差面113,114とを有している。対向面1
12と交差面113,114は流路111の長手方向に
延びている。
【0055】駆動手段によりダイアフラムシート101
に圧力が印加されていないとき、ダイアフラムシート1
01は流路111の長手方向に延びていて、平坦にされ
ている。このとき、流路111は塞がれておらず、流路
111に流体が流れる。図1(C)は塞がれた状態のマ
イクロバルブの縦断面図である。図1(D)は図1
(C)の1D−1D線に沿って切断した横断面図であ
る。図1(C)で切断されて取り除かれた部分は復元さ
れている。駆動手段によりダイアフラムシート101が
膨らまされると、ダイアフラムシート101は流路11
1の内壁112,113,114に押しつけられ、ダイ
アフラムシート101は流路111を塞ぐ。流体は流路
111を流れなくなる。
【0056】ダイアフラムシート101は、膨らんだと
きの伸び分布をダイアフラムシート101にわたって有
している。この伸び分布は、ダイアフラムシート101
が膨らんで流路111の内壁112,113,114に
押しつけられたときに、ダイアフラムシート101が内
壁112,113,114の形状に適合するよう、設定
されている。詳細には、ダイアフラムシート101の伸
び分布は、押しつけられたときに中央部102の伸びが
周縁部103の伸びよりも小さくなるよう、設定されて
いる。これにより、ダイアフラムシート101が膨らん
だとき、中央部102が対向面112に押しつけられる
とともに、周縁部103が交差面113,114に押し
つけられる。これを実現するために、中央部102の厚
さは周縁部103の厚さよりも大きくされている。中央
部102と周縁部103は同一の材料で形成されてい
る。
【0057】ダイアフラムシート101が膨らまされる
と、周縁部103は伸びる。伸びた周縁部103は交差
面113,114を覆う。この周縁部103は圧力によ
り交差面113,114に押しつけられる。このとき、
中央部102は対向面112に押しつけられる。この結
果、ダイアフラムシート101は内壁112,113,
114に適合する。このとき、ダイアフラムシート10
1は内壁に隙間なく密着する。
【0058】一般にダイアフラムシートは中央部が伸び
やすく周縁部は伸びにくい。膨らまされたときのダイア
フラムシートの断面形状は円弧状になる。流路の断面形
状が円弧状であれば、ダイアフラムシートは流路の内壁
に適合するため流路を塞ぐことができる。しかしなが
ら、本実施の形態のように流路断面が矩形状であると、
流路の角、即ちダイアフラムシートと対向する対向面
と、対向面と交差する交差面とが交差する部分に隙間が
できやすい。この隙間をなくすためにダイアフラムシー
トにより大きい圧力を印加すると、ダイアフラムにしわ
がよって重なり合い、さらに大きい圧力を印加しても隙
間をなくすことができなくなる場合がある。
【0059】本実施の形態では、上述したように、ダイ
アフラムシート101の中央部102の厚さは周縁部1
03の厚さよりも大きくされているので、ダイアフラム
シート101は安定して内壁に隙間なく密着する。従っ
て、マイクロバルブが塞がれた状態のときのリークを安
定して抑制することができる。
【0060】本実施の形態では、ダイアフラムシート1
01の中央部102の伸びを周縁部103の伸びよりも
小さくするために、中央部102の厚さは周縁部103
の厚さよりも大きくされているが、本発明はこれに限定
されない。例えば、中央部を形成する材料のヤング率
が、周縁部を形成する材料のヤング率よりも大きいダイ
アフラムシートを用意しても良い。また、ダイアフラム
シートの中央部に補強シートを積層しても良い。
【0061】流路111の内壁の表面に親水層が積層さ
れている。ダイアフラムシート101に面する流路11
1の表面にさらに疎水性膜を形成しても良い。これによ
り、ダイアフラムシート101により流路111が塞が
れたときに、僅かな隙間が生じても流体が流れなくな
る。また、流路111が塞がれた状態が安定して維持さ
れる。
【0062】さらにまたダイアフラムシート101に面
する流路111の表面のダイアフラムシートに対向する
領域にダイアフラムシートの当接力が小さくなる領域を
形成しても良い。これにより、ダイアフラムシートが流
路を塞いだ状態になったときダイアフラムシートが流路
表面に強固に付着するのを抑えられるので、再びダイア
フラムシートが流路を塞いでいない状態になる際、容易
にダイアフラムシートが流路から離れる。従って、ダイ
アフラムシートの応答性が良くなる。
【0063】次に、図2(A)〜図2(I)を参照し
て、第1の実施の形態のマイクロバルブを製造するため
の製造方法の実施の形態を説明する。先ず、第1の基板
110を用意し、第1の基板110上に溝状の流路11
1を形成する(流路形成工程)。図2(A)〜図2
(D)はそれぞれ、流路形成工程を説明するための第1
の基板110の断面図である。
【0064】流路111は第1の基板110上にエッチ
ングを利用して形成される。初めに、シリコンで形成さ
れた第1の基板110を用意し、第1の基板110上に
酸化シリコン膜201を堆積し、形成される流路111
に沿って酸化シリコン膜201の一部を除去して第1の
基板110の表面の一部202を露出させる(図2
(A))。酸化シリコン膜201の除去には半導体製造
に使われているフォトリソグラフィ技術を利用する。除
去されずに残った酸化シリコン膜201はエッチング時
にマスクとして働く。
【0065】次に、第1の基板110の表面202をK
OHやTMAH等のアルカリエッチング水溶液に浸して
エッチングを行う。この結果、溝状の流路111が形成
される(図2(B))。上記エッチング液を用いると流
路111の断面形状は矩形になる。このエッチングでは
第1の基板110の表面に沿った方向へエッチングが進
行しにくいので、幅が比較的狭く、比較的深い流路11
1が形成される。従って、流路111は基板表面の溝幅
が細いにもかかわらず大きな流量を確保できる。このこ
とは、流路の集積化に有利である。本実施の形態ではア
ルカリエッチング水溶液を用いて断面形状が矩形の流路
を形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
フッ酸、硝酸、酢酸の混液等を用いて等方的にエッチン
グを行い、断面が半円形の流路を形成しても良い。
【0066】次に、酸化シリコン膜201を除去した後
(図2(C))、エッチングして形成した流路111の
表面に熱酸化処理等を施してここに酸化シリコン膜20
3を形成する(図2(D))。これにより、流路111
は親水化されるので、狭い流路111にサンプル溶液が
流れやすくなる。
【0067】本実施の形態ではシリコン基板にエッチン
グを用いて流路111を形成したが、本発明はこれに限
定されない。例えば、ガラス基板にエッチングを用いて
流路を形成しても良い。また、エッチングを行う代わり
に、積層技術を用いてシリコン基板やガラス基板に流路
を形成しても良い。また、PDMS、プラスチック等の
有機樹脂基板を成形して流路を形成しても良い。
【0068】次に、第2の基板120を用意する(第2
基板用意工程)。図2(E)は第2の基板120の断面
図である。用意された第2の基板120の表面は平坦で
ある。
【0069】この平坦な表面の一部に高さ分布をもつ領
域211を形成する(高さ分布領域形成工程)。領域2
11は、エッチングマスクのパターンを変えながら、エ
ッチングマスクのフォトリソグラフィと第2の基板12
0のエッチングとを何回か繰り返す等の処理を行うこと
により形成される。このとき、領域211が滑らかな曲
面にされるようにしても良いし、領域211が段付きを
有するようにしても良い。領域211は第2の基板12
0の平坦な表面にある窪み211を形成する。この窪み
211の中央部は周縁部よりも低い。
【0070】次に、第2の基板120の表面にダイアフ
ラムシート層100を積層する(積層工程)。図2
(F)は第2の基板120の断面図である。好ましく
は、ダイアフラムシート層100として有機膜が設けら
れる。有機膜を形成する有機系材料は、シリコーンゴ
ム、PDMS、フッ素樹脂等を含む。有機膜は、有機系
材料を第2の基板120の表面に塗布することにより設
けられる。ダイアフラムシート層100は窪み211側
に積層される。窪み211に積層されたダイアフラムシ
ート層100の部分101は、窪み211の高さ分布に
応じた厚さ分布をもつ。即ち、部分101の中央部10
2は周縁部103よりも厚い。
【0071】次に、第2の基板120の一部を除去して
ダイアフラムシートを形成する(ダイアフラムシート形
成工程)。図2(F)のように、ダイアフラムシート層
100とは反対側の第2の基板120の表面に、エッチ
ングマスク213を形成する。エッチングマスク213
側の第2の基板120の表面の内、高さ分布をもつ部分
101と対向する部分214は露出している。
【0072】次に、この露出した部分213をKOHや
TMAH等のアルカリエッチング水溶液に浸して第2の
基板120をエッチングすることにより、第2の基板1
20の表面部分214から、ダイアフラムシート層10
0の厚さ分布をもつ部分101に至る孔121を形成す
る。図2(G)は孔121が形成された第2の基板12
0の断面図である。図2(G)では、図2(F)に示さ
れた第2の基板120が上下逆転されて示されている。
厚さ分布をもつ部分101は孔121に面し、部分10
1は、孔121の周縁を形成する第2の基板120の部
分により保持されたダイアフラムシート101を形成す
る。この後、エッチングマスク213を除去する。
【0073】ダイアフラムシート形成工程では、エッチ
ング液でダイアフラムシート層100が侵されないよう
に、エッチングを行う前にダイアフラムシート層100
の表面を金属やガラス、樹脂等で保護しておくことが好
ましい。また、エッチングを用いて孔121を形成する
際に、第2の基板120だけでなくダイアフラムシート
層100もエッチングしないよう、積層工程の際に、ダ
イアフラムシート層100と第2の基板120の間に窒
化シリコン膜や酸化シリコン膜等のエッチングストップ
層を形成することが好ましい。この場合、エッチングス
トップ層はエッチング終了後に除去される。
【0074】次に、第3の基板130を用意する。図2
(H)は第3の基板の断面図である。第3の基板130
には、ダイアフラムシート101に圧力を印加するのに
用いられる孔131が第3の基板130を貫通するよう
設けられている。孔131の形成はアルカリエッチング
水溶液を用いたエッチングにより行っても良いし、超音
波、レーザー、サンドブラスト等により行っても良い。
また、有機材料基板を用意して孔131を成形しても良
い。
【0075】次に、ダイアフラムシート101が流路1
11を覆うよう、第1の基板110と第2の基板120
とを重ね合わせ、第1の基板110と第2の基板120
を接合する(接合工程)。これとともに、第3の基板1
30の孔131が第2の基板120の孔121と連通す
るよう、第2の基板120と第3の基板130を接合す
る。この結果、図1(A)及び図1(B)を用いて説明
した第1の実施の形態のマイクロバルブが完成する。基
板110,120,130の接合は、接着剤やはんだ等
の接着層をこれらの基板間に介在させることにより行っ
ても良い。また、陽極接合技術等により行っても良い。
シリコーンゴムは酸素プラズマ処理等により表面を活性
化させると、これを基板に接触させるだけで接合が行わ
れる。これを利用して、第1の基板110と第2の基板
120を接合しても良い。
【0076】本実施の形態の製造方法では、ダイアフラ
ムシート101の中央部102の伸びを周縁部103の
伸びよりも小さくするために、中央部102の厚さを周
縁部103の厚さよりも大きくするための工程を備えて
いる。しかしながら、マイクロバルブの製造方法はこれ
に限定されない。例えば、中央部を形成する材料のヤン
グ率が、周縁部を形成する材料のヤング率よりも大きく
するための工程を備えていても良い。また、ダイアフラ
ムシートの中央部に補強シートを積層する工程を備えて
いても良い。
【0077】本実施の形態の製造方法では、流路形成工
程にて流路111を親水化している。流路形成工程の後
に、流路111の表面の一部に疎水性膜を形成する工程
をさらに設けても良い。疎水性膜が形成される流路11
1の部分は接合工程にてダイアフラムシート101に対
向させる。疎水性膜が形成されれば、ダイアフラムシー
ト101により流路111が塞がれたときに、僅かな隙
間が生じても流体が流れなくなる。また、流路111が
塞がれた状態が安定して維持される。
【0078】疎水性膜を形成するには、フッ素樹脂を塗
布した後、レジストパターンを形成してこれをマスクと
して酸素プラズマによりフッ素樹脂をエッチングし、レ
ジストパターンを剥離すれば良い。また、レジストパタ
ーンを形成してからフッ化炭素系のガスをプラズマ放電
することでテフロン(登録商標)状の膜を成膜し、レジ
ストパターンを除去しても良い。
【0079】さらにまた流路形成工程の後に、流路11
1の表面のダイアフラムシートに対向領域の一部にダイ
アフラムシートの当接力が小さくなる領域を形成する工
程を設けても良い。ダイアフラムシートの当接力が小さ
くなる領域を形成すれば、ダイアフラムシート101が
流路111を塞いだとき、強固に固着することがなくな
るので、再びダイアフラムシート101が流路111を
塞いでいない状態にする際にすぐダイアフラムシート1
01が流路111から離れる。従って、応答良く流体を
流すことができる。
【0080】ダイアフラムシートの当接力を小さくする
材料としては、疎水性膜として上述したフッ素樹脂膜や
テフロン状の膜がそのまま利用できる。従って、上述し
た疎水性膜の形成工程を用いて流路のダイアフラムシー
トに対向する部分にフッ素樹脂膜やテフロン状の膜を形
成すれば、ダイアフラムシートの当接力を小さくする領
域を流路上のダイアフラムシートに対向する領域に形成
することができる。
【0081】次に、図3(A)〜図3(D)を参照して
別の実施の形態の製造方法を説明する。この別の実施の
形態の製造方法は、上記実施の形態の製造方法と基本的
に同じものである。この別の実施の形態の製造方法が上
記実施の形態の製造方法と異なる点は、この別の実施の
形態の製造方法が別の第2基板用意工程、積層工程及び
ダイアフラムシート形成工程を備えていることである。
【0082】第2の基板120を用意する(第2基板用
意工程)。図3(A)は第2の基板120の断面図であ
る。用意された第2の基板120の上に例えば窒化シリ
コン膜や酸化シリコン膜等のエッチングストップ層30
1を形成する。形成されたエッチングストップ層301
の一部の上に高さ分布をもつ領域302を形成する(高
さ分布領域形成工程)。高さ分布は、エッチングストッ
プ層301の表面に対向する側から見て、領域302の
中心部が周縁部よりも低くなるよう、設定する。
【0083】領域302はフォトリソグラフィ技術を用
いて形成される。先ず、エッチングストップ層301の
一部の上にフォトレジストを塗布する。フォトマスクと
して透過率の分布をもつものを用意する。エッチングス
トップ層301の表面に対向する側から見て、塗布され
たフォトレジストの中心部に対向する部分の透過率は周
縁部に対向する部分の透過率よりも大きい。本フォトマ
スクを用いて露光及び現像すると、領域302として用
いられるレジストパターン302が形成される。
【0084】次に、エッチングストップ層301の上に
有機材料を用いてダイアフラムシート層100を積層す
る(積層工程)。図3(B)は第2の基板120の断面
図である。レジストパターン302に積層されたダイア
フラムシート層100の部分101は、レジストパター
ン302の高さ分布に応じた厚さ分布をもつ。即ち、部
分101の中央部102は周縁部103よりも厚い。
【0085】次に、第2の基板120の一部を除去して
ダイアフラムシートを形成する(ダイアフラムシート形
成工程)。図3(B)のように、ダイアフラムシート層
100とは反対側の第2の基板120の表面に、エッチ
ングマスク303を形成する。エッチングマスク303
側の第2の基板120の表面の内、高さ分布をもつ部分
101と対向する部分304は露出している。
【0086】次に、この露出した部分304からエッチ
ングすることにより、第2の基板120の表面部分30
4からエッチングストップ層301に至る孔305を形
成する。図3(C)は孔305が形成された第2の基板
120の断面図である。図3(C)では、図3(B)に
示された第2の基板120が上下逆転されて示されてい
る。この後、孔305に面するエッチングストップ層3
01の部分とエッチングマスク303を除去する。
【0087】次に、レジストパターン302を除去し
て、第2の基板120の表面からダイアフラムシート層
100の厚さ分布をもつ部分101に至る孔121を形
成する。図3(D)は孔121が形成された第2の基板
120の断面図である。厚さ分布をもつ部分101は、
孔121の周縁を形成する第2の基板120の部分によ
り保持されたダイアフラムシート101を形成する。
【0088】次に、図4(A)及び図4(B)を参照し
て本発明の第2の実施の形態のマイクロバルブを説明す
る。本実施の形態の構成が第1の実施の形態の構成と異
なる点は、ダイアフラムシートの構成である。本実施の
形態において、第1の実施の形態の図1(A)〜図1
(D)を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構
成部材は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示
していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を
省略する。
【0089】図4(A)はダイアフラムシート401の
平面図である。流路の断面形状は矩形である。ダイアフ
ラムシートは、フレーム部と、このフレーム部の周りに
広がっている膜部とを有している。ダイアフラムシート
401は、これの中央部に配置される矩形の第1の膜部
402を有している。第1の膜部402の周囲には、第
1の膜部402の対向する2つの辺からそれぞれ間隔を
おいて延びている2つの第2の膜部403と、第1の膜
部402の残りの2つの辺からそれぞれ間隔をおいて延
びている2つの第3の膜部404とが配置されている。
これらの膜部402,403,404の間にはこれらの
境界に沿ってフレーム部405が延びている。
【0090】フレーム部405の厚さは、膜部402,
403,404の厚さよりも大きい。ダイアフラムシー
ト401が膨らまされたとき、膜部402,403,4
04は伸びるが、フレーム部405の伸びは小さい。こ
れにより、膨らまされたダイアフラムシート401の形
状はフレーム部405により規定される。即ち、2つの
第2の膜部403は伸びてそれぞれ流路111の2つの
交差面113,114(図1(B)参照)に押しつけら
れる。第1の膜部402はほとんど伸びずに対向面11
2に押しつけられる。第3の膜部404は流路111を
遮断する。結局、ダイアフラムシート401は流路11
1の内壁の形状に応じて変形し、流路111の内壁に隙
間なく密着する。膜部402,403,404及びフレ
ーム部405の形状及び配置は、膨らまされたダイアフ
ラムシート401が上記のように変形するよう設定され
ている。
【0091】シリコン基板の(100)面をKOH等の
アルカリエッチング水溶液でエッチングすると極めて狭
く深い流路を形成することができる。これは集積率を高
くするのに利用される。流路がこのように極めて狭く深
い場合、厚さ分布をもたない従来のダイアフラムシート
は、流路の内壁の角を塞ぐことができない。ダイアフラ
ムシート401はこのような従来のダイアフラムシート
で塞ぐことができない部分にも隙間なく密着することが
できる。また、ダイアフラムシートがしわ状に変形して
流路を完全に閉じることができなくなるようなことがな
い。
【0092】図4(B)はダイアフラムシートの別の例
の平面図である。流路の断面形状は半円形である。ダイ
アフラムシート411は間隔をおいて配置されている円
弧状の2つのフレーム部415を有している。2つのフ
レーム部415は、これらの円弧に囲まれたそれぞれの
部分が互いに反対に向くよう配置されている。2つのフ
レーム部415の間には第4の膜部412が広がってい
る。2つのフレーム部415に囲まれた部分には第5の
膜部413が広がっている。
【0093】フレーム部415の厚さは、膜部412,
413の厚さよりも大きい。フレーム部415は図4
(A)を参照して説明したダイアフラムシート401の
フレーム部405と同じ作用をもつ。ダイアフラムシー
ト411が膨らまされると、第4の膜部412は伸びて
流路の内壁に押しつけられる。第5の膜部413は流路
を遮断する。この結果、ダイアフラムシート401は流
路の内壁に隙間なく密着する。
【0094】本実施の形態で用いられるダイアフラムシ
ートを製造するには、第2の基板の表面に高さ分布をも
つ領域を形成する高さ分布領域形成工程で、この領域の
高さ分布をフレーム部の形状に応じて適切に設定する。
例えば、この領域に、フレーム部に対応する部分に沿っ
て溝を形成する。
【0095】本実施の形態では、フレーム部の伸びを膜
部の伸びよりも小さくするために、フレーム部の厚さは
膜部の厚さよりも大きくされているが、本発明はこれに
限定されない。例えば、フレーム部を形成する材料のヤ
ング率が、膜部を形成する材料のヤング率よりも大きい
ダイアフラムシートを用意しても良い。また、ダイアフ
ラムシートのフレーム部に補強シートを積層しても良
い。
【0096】次に、図5(A)及び図5(B)を参照し
て本発明の第3の実施の形態のマイクロバルブを説明す
る。図5(A)はマイクロバルブの平面図である。図5
(B)は図5(A)の5B−5B線で切断した断面図で
ある。本実施の形態のマイクロバルブの構成は第1の実
施の形態のマイクロバルブと基本的に同じである。異な
る点は、本実施の形態のマイクロバルブが図5(A)の
ように1つの流路540から分岐した3つの流路51
1,514,517を有していることである。
【0097】図5(B)のように、基礎基板として用い
られている第1の基板510上には溝状の流路511,
514,517が形成されている。第1の基板510上
には流路511,514,517を横断して覆うよう、
ダイアフラムシート層500が積層されている。ダイア
フラムシート層500の流路511,514,517に
対向する部分501,504,507は、それぞれ流路
511,514,517の内壁の一部を形成している。
部分501,504,507はそれぞれダイアフラムシ
ート501,504,507として用いられる。
【0098】ダイアフラムシート層500の上には第2
の基板520が接合されている。第2の基板520に
は、上面から、ダイアフラムシート層500のダイアフ
ラムシート501,504,507を含む部分に至る1
つの孔521が形成されている。ダイアフラムシート層
500のこの部分の周縁は孔521の周縁を形成する第
2の基板120の部分により保持されている。第2の基
板520の上には圧力を印加するための孔531が形成
された第3の基板530が接合されている。第1の実施
の形態と同様に、孔531は圧力発生手段に接続されて
おり、第2の基板120と第3の基板130と圧力発生
手段とは駆動手段を形成している。ダイアフラムシート
501,504,507には等しい圧力が印加される。
尚、図5(A)では第2の基板520及び第3の基板5
30が取り除かれている。
【0099】ダイアフラムシート層500は、ダイアフ
ラムシート501,504,507を含む部分にわたっ
て圧力を印加されたときの伸び分布を有している。即
ち、ダイアフラムシート501の厚さは、ダイアフラム
シート504の厚さよりも小さく、ダイアフラムシート
504の厚さは、ダイアフラムシート507の厚さより
も小さい。
【0100】ダイアフラムシート501,504,50
7は所定の開閉圧力よりも大きい圧力が印加されたとき
にそれぞれ流路を塞いだ状態になる。ダイアフラムシー
ト層500の伸び分布は、ダイアフラムシート501,
504,507のそれぞれの開閉圧力が互いに異なるよ
う、設定されている。より厚いダイアフラムシートほ
ど、圧力を印加されたときに撓みにくいので、より厚い
ダイアフラムシートほど、より大きい開閉圧力をもつ。
【0101】ダイアフラムシート501,504,50
7がこのように構成されていることにより、流路51
1,514,517のそれぞれの開閉状態は印加される
圧力に応じて変わる。表1は、印加圧力に対する流路5
11,514,517の開閉状態を表す表である。
【0102】
【表1】
【0103】表1において「閉」は流路が塞がれた状態
を示しており、「開」は流路が塞がれていない状態を示
している。ダイアフラムシート501,504,507
に等しく小さい印加圧力aを印加したときには、流路5
11,514,517は全て塞がれていない状態にな
る。印加圧力aよりも大きくかつ、最も薄いダイアフラ
ムシート501の開閉圧力よりも大きくかつ、ダイアフ
ラムシート504の開閉圧力よりも小さい印加圧力bを
印加すると、流路511は塞がれた状態になり、残りの
流路514,517は塞がれていない状態になる。印加
圧力cはダイアフラムシート504の開閉圧力よりも大
きくかつ、ダイアフラムシート507の開閉圧力よりも
小さい圧力であり、印加圧力dはダイアフラムシート5
01,504,507のそれぞれの開閉圧力よりも大き
い圧力である。このようにして、印加圧力に応じて開閉
状態の複数の組み合せが実現される。この組み合せは全
ての組み合せを含んでいないが、実用上必要な組み合せ
を含んでいる。
【0104】1つの流路から分岐した複数の流路に1つ
ずつ第1の実施の形態のようなマイクロバルブを設ける
場合、分岐した流路を離間させる必要がある。本実施の
形態のマイクロバルブでは、接近した複数の流路にダイ
アフラムシートを設けることができる。これは集積化に
は有利である。
【0105】本実施の形態では、それぞれのダイアフラ
ムシートに異なる開閉圧力をもたせるために、それぞれ
厚さの異なるダイアフラムシートを用いているが、本発
明はこれに限定されない。例えば、それぞれ異なるヤン
グ率をもつ材料で形成されたダイアフラムシートを用い
ても良い。また、厚さの異なる複数の補強シートを用意
し、それぞれのダイアフラムシートにこれらを固定して
も良い。
【0106】本実施の形態のマイクロバルブは分岐した
流路を3つ備えているが、2つ備えていても良いし、4
つ以上備えていても良い。また、本実施の形態のマイク
ロバルブは厚さの異なるダイアフラムシートを有してい
るが、これらのダイアフラムシートと同じ厚さをもつダ
イアフラムシートをさらに有していても良い。
【0107】次に、図6を参照して本発明の第4の実施
の形態のマイクロバルブを説明する。本実施の形態の構
成は、基本的に第3の実施の形態の構成と同じである。
尚、本実施の形態において、第3の実施の形態の図5
(A)及び図5(B)を参照して説明した構成部材と実
質的に同一の構成部材は、第3の実施の形態の対応する
構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付し
て詳細な説明を省略する。
【0108】本実施の形態の構成が第3の実施の形態の
構成と異なる点は、ダイアフラムシート層と流路の構成
である。本実施の形態では、第3の実施の形態と同様
に、第1の基板510に分岐した3つの流路611,6
14,617が形成されている。図6はマイクロバルブ
の断面図である。図6の視点は図5(B)の視点とほぼ
同じである。第1の基板510の上にはダイアフラムシ
ート層600が積層されている。ダイアフラムシート層
600の流路611,614,617に対向する部分
は、ダイアフラムシート601,604,607を形成
している。ダイアフラムシート601,604に面して
いる流路611,614の部分の幅は互いに異なってい
る。流路611の幅は流路614の幅よりも小さい。こ
れらに対向するダイアフラムシート601,604の厚
さは等しい。
【0109】ダイアフラムシート601,604に所定
の開閉圧力よりも大きい圧力が印加されたとき、流路6
11,614に流体が流れなくなる。流路614と比較
して幅が狭い流路611は比較的大きい流体抵抗をも
つ。このため、流路611は、ダイアフラムシート60
1が僅かに膨らんだだけで流体が流れなくなる。即ち、
ダイアフラムシート601に印加される開閉圧力は、ダ
イアフラムシート604に印加される開閉圧力よりも小
さい。言い換えると、流路611,614のそれぞれ幅
は、ダイアフラムシート601,604のそれぞれの開
閉圧力が互いに異なるよう、設定されている。このよう
にして、印加圧力に応じて流路611,614の開閉状
態の複数の組み合せが実現される。
【0110】残りの流路617の幅は流路614の幅と
等しい。流路617に対向しているダイアフラムシート
607の厚さはダイアフラムシート601,604の厚
さよりも大きい。このため、ダイアフラムシート607
の開閉圧力はダイアフラムシート601,604の開閉
圧力よりも大きい。印加圧力に対する開閉状態の組み合
せは、第3の実施の形態と同様になる。詳細には、この
組み合せは、表1において「流路511、流路514、
流路517」を「流路611、流路614、流路61
7」に置き換えて得られた表で表される。
【0111】尚、本発明は上述した実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0112】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
マイクロバルブには、ダイアフラムシートに対向する流
路の部分に突出部が設けられていないので、流路のこの
部分で流体抵抗が変わらず、また流体中の成分の一部が
ここに留まったり、マイクロバルブが詰まったりしな
い。また、流路の断面が矩形であってもリーク発生量が
少ない。また、流路の集積度が高い。また、分岐された
それぞれの流路に1つずつマイクロバルブを設けること
なく、流体を指定流路に導入できる。さらに、本マイク
ロバルブの製造方法を用いれば、以上のようなマイクロ
バルブを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるマイクロバ
ルブの断面図であり、(A)は塞がれていない状態の縦
断面図、(B)は(A)の1B−1B線に沿って切断し
た横断面図、(C)は塞がれた状態の縦断面図、(D)
は(C)の1D−1D線に沿って切断した横断面図。
【図2】本発明の実施の形態における製造方法のそれぞ
れの工程を説明するための図であり、(A)〜(D)は
第1の基板の断面図、(E)〜(G)は第2の基板の断
面図、(H)は第3の基板の断面図。
【図3】(A)〜(D)は本発明の別の実施の形態にお
ける製造方法の工程を説明するための第2の基板の断面
図。
【図4】(A)は本発明の第2の実施の形態におけるマ
イクロバルブに用いられるダイアフラムシートの一例の
平面図、(B)はダイアフラムシートの別の例の平面
図。
【図5】(A)は本発明の第3の実施の形態におけるマ
イクロバルブの平面図、(B)は(A)の5B−5B線
で切断した断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるマイクロバ
ルブの断面図。
【図7】従来のマイクロバルブの断面図。
【符号の説明】 100 ダイアフラムシート層 101 ダイアフラムシート 102 中央部 103 周縁部 110 第1の基板、基礎基板 111 流路 112 対向面 113,114 交差面 120 第2の基板 121 孔 130 第3の基板 131 孔 211 高さ分布をもつ領域 302 高さ分布をもつ領域 401 ダイアフラムシート 402 第1の膜部 403 第2の膜部 404 第3の膜部 405 フレーム部 411 ダイアフラムシート 412 第4の膜部 413 第5の膜部 415 フレーム部 500 ダイアフラムシート層 501,504,507 ダイアフラムシート 510 第1の基板 511,514,517 流路 520 第2の基板 521 孔 530 第3の基板 531 孔 540 流路 600 ダイアフラムシート層 601,604,607 ダイアフラムシート 611,614,617 流路

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎基板と、 この基礎基板に設けられた流路と、 この流路の内壁の一部を形成しているダイアフラムシー
    トと、 このダイアフラムシートを上記流路の内側に向かって膨
    らませて流路の内壁に押しつけ、ダイアフラムシートに
    流路を塞がせる駆動手段と、 を備えており、 上記ダイアフラムシートは、膨らんだときの伸び分布を
    ダイアフラムシートにわたって有しており、この伸び分
    布は、ダイアフラムシートが膨らんで流路の内壁に押し
    つけられたときに、ダイアフラムシートがこの押しつけ
    られた内壁の形状に適合するよう、設定されていること
    を特徴とするマイクロバルブ。
  2. 【請求項2】 上記流路の内壁は、流路の長手方向に延
    びており、上記ダイアフラムシートに対向している対向
    面と、流路の長手方向に延びており、この対向面と交差
    し、互いに対向する2つの交差面とを有しており、 ダイアフラムシートの上記伸び分布は、ダイアフラムシ
    ートが膨らんで流路の内壁に押しつけられたときに中央
    部の伸びが周縁部の伸びよりも小さくなるよう、設定さ
    れており、 ダイアフラムシートが膨らんだとき、ダイアフラムシー
    トの中央部が流路の対向面に押しつけられるとともに、
    ダイアフラムシートの周縁部が流路の交差面に押しつけ
    られることを特徴とする請求項1に記載のマイクロバル
    ブ。
  3. 【請求項3】 上記ダイアフラムシートの中央部の厚さ
    は、周縁部の厚さよりも大きく、上記ダイアフラムシー
    トが膨らんで流路の内壁に押しつけられたときに中央部
    の伸びは周縁部の伸びよりも小さくなることを特徴とす
    る請求項2に記載のマイクロバルブ。
  4. 【請求項4】 上記ダイアフラムシートの中央部のヤン
    グ率は、周縁部のヤング率よりも大きく、上記ダイアフ
    ラムシートが膨らんで流路の内壁に押しつけられたとき
    に中央部の伸びは周縁部の伸びよりも小さくなることを
    特徴とする請求項2に記載のマイクロバルブ。
  5. 【請求項5】 上記ダイアフラムシートの中央部には、
    補強シートが固定されており、上記ダイアフラムシート
    が膨らんで流路の内壁に押しつけられたときに中央部の
    伸びは周縁部の伸びよりも小さくなることを特徴とする
    請求項2に記載のマイクロバルブ。
  6. 【請求項6】 上記ダイアフラムシートは、フレーム部
    と、このフレーム部の周りに広がっている膜部とを有し
    ており、 上記ダイアフラムシートが膨らんで流路の内壁に押しつ
    けられたときに、フレーム部の伸びが膜部の伸びよりも
    小さくなり、この結果ダイアフラムシートの形状が規定
    されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロバル
    ブ。
  7. 【請求項7】 上記フレーム部の厚さは、上記膜部の厚
    さよりも大きく、上記ダイアフラムシートが膨らんで流
    路の内壁に押しつけられたときに膜部の伸びはフレーム
    部の伸びよりも大きくなることを特徴とする請求項6に
    記載のマイクロバルブ。
  8. 【請求項8】 上記フレーム部のヤング率は、上記膜部
    のヤング率よりも大きく、上記ダイアフラムシートが膨
    らんで流路の内壁に押しつけられたときに膜部の伸びは
    フレーム部の伸びよりも大きくなることを特徴とする請
    求項6に記載のマイクロバルブ。
  9. 【請求項9】 上記フレーム部には、補強シートが固定
    されており、上記ダイアフラムシートが膨らんで流路の
    内壁に押しつけられたときに膜部の伸びはフレーム部の
    伸びよりも大きくなることを特徴とする請求項6に記載
    のマイクロバルブ。
  10. 【請求項10】 基礎基板と、 この基礎基板上に設けられた溝状の複数の流路と、 これらの流路を覆うよう上記基礎基板上に積層されてい
    る1つのダイアフラムシート層と、 上記複数の流路の内壁の一部をそれぞれ形成するととも
    に、ダイアフラムシート層の一部をそれぞれそれぞれ形
    成する複数のダイアフラムシートと、 上記それぞれのダイアフラムシートに上記それぞれの流
    路の外側から等しい圧力を印加し、それぞれのダイアフ
    ラムシートをそれぞれの流路の内側に向かって膨らま
    せ、それぞれのダイアフラムシートにそれぞれの流路を
    塞がせる圧力印加手段と、 を備えており、 上記ダイアフラムシート層は、ダイアフラムシートを含
    む部分にわたって圧力を印加されたときの伸び分布を有
    しており、 上記ダイアフラムシートは、所定の開閉圧力よりも大き
    い圧力が印加されたときにそれぞれ流路を塞いだ状態に
    なり、 上記ダイアフラムシート層の上記伸び分布は、それぞれ
    のダイアフラムシートのそれぞれの開閉圧力が互いに異
    なるよう、設定されていることを特徴とするマイクロバ
    ルブ。
  11. 【請求項11】 基礎基板と、 この基礎基板上に設けられ、流体を流す溝状の複数の流
    路と、 これらの流路を覆うよう上記基礎基板上に積層されてい
    る1つのダイアフラムシート層と、 上記複数の流路の内壁の一部をそれぞれ形成するととも
    に、ダイアフラムシート層の一部をそれぞれそれぞれ形
    成する複数のダイアフラムシートと、 上記それぞれのダイアフラムシートに上記それぞれの流
    路の外側から等しい圧力を印加し、それぞれのダイアフ
    ラムシートをそれぞれの流路の内側に向かって膨らま
    せ、それぞれのダイアフラムシートにそれぞれの流路を
    塞がせる圧力印加手段と、 を備えており、 上記それぞれのダイアフラムシートに面しているそれぞ
    れの流路の部分の幅が互いに異なっており、 上記ダイアフラムシートに所定の開閉圧力よりも大きい
    圧力が印加されたとき、それぞれ流路に流体が流れなく
    なり、 上記複数の流路のそれぞれ幅は、それぞれのダイアフラ
    ムシートのそれぞれの開閉圧力が互いに異なるよう、設
    定されていることを特徴とするマイクロバルブ。
  12. 【請求項12】 上記ダイアフラムシートは、有機膜を
    含んでいることを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    か1項に記載のマイクロバルブ。
  13. 【請求項13】 上記圧力印加手段は、上記ダイアフラ
    ムシートに空気圧を印加して、上記流路の内側に向かっ
    て膨らませることを特徴とする請求項1乃至12のいず
    れか1項に記載のマイクロバルブ。
  14. 【請求項14】 上記ダイアフラムシートに面する上記
    流路の表面は疎水性であることを特徴とする請求項1乃
    至13のいずれか1項に記載のマイクロバルブ。
  15. 【請求項15】 上記ダイアフラムシートに面する上記
    流路の表面は、ダイアフラムシートの当接力が小さいこ
    とを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載
    のマイクロバルブ。
  16. 【請求項16】 第1の基板を用意し、この第1の基板
    上に溝状の流路を形成する流路形成工程と、 第2の基板を用意する第2基板用意工程と、 この第2の基板の表面にダイアフラムシート層を積層す
    る積層工程と、 上記第2の基板の一部を除去して、ダイアフラムシート
    層とは反対側の第2の基板の表面からダイアフラムシー
    ト層に至る孔を形成する工程であって、この孔に面する
    ダイアフラムシート層の部分は、孔の周縁により保持さ
    れたダイアフラムシートを形成するダイアフラムシート
    形成工程と、 上記ダイアフラムシートが流路を覆うよう、第1の基板
    と第2の基板とを重ね合わせ、第1の基板と第2の基板
    とを接合する接合工程と、 を備えていることを特徴とするマイクロバルブの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 第2基板用意工程と積層工程との間
    に、上記第2の基板の表面に高さ分布をもつ領域を形成
    する高さ分布領域形成工程をさらに備えており、 上記積層工程では、この高さ分布をもつ領域に積層され
    たダイアフラムシート層の部分がこの領域の高さ分布に
    応じた厚さ分布をもち、 上記ダイアフラムシート形成工程では、孔は、ダイアフ
    ラムシート層とは反対側の第2の基板の表面からダイア
    フラムシート層の上記厚さ分布をもつ部分に至るよう、
    形成され、 厚さ分布をもつ部分は、孔の周縁により保持されたダイ
    アフラムシートを形成することを特徴と請求項16に記
    載のマイクロバルブの製造方法。
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JP2018171660A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 住友理工株式会社 流体デバイス用シリコーン部材およびその製造方法

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