JP5402262B2 - マイクロバルブ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
マイクロバルブを備えたマイクロデバイスとして、例えば特許文献1〜4に開示されたものがある。
特許文献3には、基板の上面に、流路及び弁を形成した第1層膜を貼り合わせ、第1層上面に、弁の直上に圧力室を形成した第2膜を貼り合わせ、圧力室を負圧にすることにより弁を持ち上げてバルブを開き、圧力室を正圧にすることによって弁を基板に押し付けてバルブを閉じる機能を備えたマイクロバルブが開示されている。
特許文献4のマイクロバルブでは、互いに対応する位置に貫通孔をもつ2枚の基板を貼り合わせ、一方の基板の貫通孔の開口に弁となる薄膜を基板と同一材料で形成しておくことにより、基板の接合面に対して略垂直な方向で弁が移動するマイクロバルブが開示されている。
しかし、特許文献1,2に開示されたマイクロバルブは、弁の開閉を圧電素子によって形成しているので、構造が複雑になっている。
特許文献3に開示されたマイクロバルブでは、弁の開閉を行なうために弁の直上に圧力室を設けているので、構造が複雑になっている。
特許文献4に開示されたマイクロバルブでは、バルブ自体は2枚の基板で形成することができるものの、バルブにつながる流路を形成するには、さらに1枚又は2枚の基板が必要になるので、構造が複雑になる。
また、上記のマイクロバルブは、いずれも製造工程が複雑で、2枚の基板を貼り合せるという単純さの中に、逆止弁構造を作りこむのが容易ではなかった。
また、上記主基板は上記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備え、上記溝の底面と上記弁体との間の空隙は、上記弁体下の上記第2主基板層が除去されて形成されているようにしてもよい。
その構造の一例として、上記弁体の上面は、上記弁体形成位置の上記第1主基板層の上面側の一部分が除去されて上記主基板の上記主面よりも下方位置に配置されている構成を挙げることができる。
また、上記溝の上記第2側壁に、上記弁体の自由端の上流側への移動量を規制するための突起部を備えているようにしてもよい。ここで、突起部は第2側壁の一部分を構成する。
(A)主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ主基板の上に、写真製版技術により、溝形成予定位置に開口部をもち、弁体形成予定位置を覆うフォトレジストパターンを形成する写真製版工程、
(B)異方性エッチング技術により、上記フォトレジストパターンをマスクにして、上記第1主基板層を上記第2主基板層に到達する深さまでエッチングして、上記第1主基板層からなる弁体と、溝形成予定位置に第1主基板層除去部分を形成し、その後、上記フォトレジストパターンを除去する第1エッチング工程、
(C)等方性エッチング技術により、上記第1主基板層をマスクにして、上記第1主基板層をエッチングしない条件で上記第2主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2主基板層除去部分を形成して上記第1主基板層除去部分及び上記第2主基板層除去部分からなる溝を形成するとともに、上記弁体下の第2主基板層を除去して上記溝の底面と上記弁体との間に空隙を形成する第2エッチング工程、
(D)上記主基板の上記主表面上にカバー基板を配置して上記溝を覆って流路を形成するカバー基板配置工程。
上記写真製版工程(A)で、上記第5主基板層上に上記フォトレジストパターンを形成し、
上記第1エッチング工程(B)で、上記フォトレジストパターンをマスクにして、異方性エッチング技術によって上記第5主基板層及び上記第4主基板層をエッチングして溝形成予定位置に第5主基板層除去部分及び第4主基板層除去部分を形成した後に連続して上記第1主基板層をエッチングして上記弁体及び上記第1主基板層除去部分を形成し、
上記第2エッチング工程(C)で、上記第1主基板層及び上記第5主基板層をマスクにして、上記第1主基板層及び上記第5主基板層をエッチングしない条件で上記第2主基板層をエッチングするのと同時に上記弁体上の上記第4主基板層もエッチングするようにしてもよい。
また、上記第1エッチング工程(B)の後、上記カバー基板配置工程(D)を行ない、その後、上記第2エッチング工程(C)を行なってもよい。
これにより、主基板及びカバー基板の2枚の基板のみでマイクロバルブを形成できる。さらに、弁体を外力により動かすための圧電素子等の素子がなくてもバルブを形成することができるので、構造が簡単になる。
その構造の一例として、弁体の上面は、弁体形成位置の第1主基板層の上面側の一部分が除去されて主基板の主面よりも下方位置に配置されているようにすれば、この構造は、エッチング処理によって弁体を形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって第1主基板層の所定位置を掘り下げることによって形成できるので、簡単な構造で実現できる。
また、溝の第2側壁に、弁体の自由端の上流側への移動量を規制するための突起部を備えているようにすれば、弁体の下流側の流体圧力が弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに、弁体の自由端が第2側壁から突出する突起部に当接する方向に移動して流路の幅を狭める機能を発揮するので、流体が下流から上流へと逆流することを防止することができる。
溝3の底面3c(露出している第3主基板層1cの表面)と、弁体5との間には空隙7が形成されている。空隙7の寸法は第2主基板層1bの厚みと同じである。
主基板1の主表面、すなわち第1主基板層1aの上面にカバー基板13が貼り付けられている。図1では、わかりやすいようにカバー基板13を主基板1とは離して描いている。
第3主基板層1cとしては例えばシリコンなどが挙げられる。その厚みは、例えば400μm(マイクロメートル)〜3mm(ミリメートル)で、ここでは700μmである。
第1主基板層1aとしては例えばポリシリコン膜やシリコン窒化膜、シリコン酸化膜が挙げられる。その膜厚は、例えば10μm〜1000μmで、ここでは100μmである。
溝3の段差部11の寸法(第2主基板層1bの側面から第1主基板層1aの側面までの長さ)は、例えば0.3μm〜30μmで、ここでは3μmである。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端の下部が紙面左側へ移動するが、その移動量は、突起部9によって規制される。これにより、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
また(4)の工程と(5)の工程の順序を入れ替えても構わない。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ移動するが、その移動量は、突起部9によって規制される。これにより、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
この実施例では、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙19が形成されているので、図1に示した実施例に比べて弁体5の開き具合が大きくなり、バルブが開いた状態でより多くの流体を流すことができる。
また(4)の工程と(5)の工程の順序を入れ替えても構わない。
弁体5と突起部23との間には第2空隙29が形成されている。第2空隙29の寸法は第4主基板層1dの厚みと同じである。
主基板1の主表面、すなわち第5主基板層1eの上面にカバー基板13が貼り付けられている。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ移動するが、その移動量は、突起部9(図11〜13も参照)によって規制される。これにより、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
この実施例では、弁体5の上面とカバー基板13との間に第2空隙29(図11〜13参照)が形成されているので、図1に示した実施例に比べて弁体5の開き具合が大きくなり、バルブが開いた状態でより多くの流体を流すことができる。
(5)主基板1をフッ酸溶液に浸漬して第2主基板層1b及び第4主基板層1dを等方的にエッチングする。第2主基板層1b及び第4主基板層1dのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、弁体5の下に位置する第2主基板層1b、及び弁体5と第2突起部23の間の第4主基板層1dはすべて除去され、空隙7,29が形成される。また、溝3内壁に露出している第2主基板層1b及び第4主基板層1dの側面がエッチングされて後退し、段差部11,27を形成する。
また工程(5)と工程(6)の順序を入れ替えても構わない。
主基板31の主表面、すなわち第1主基板層31aの上面にカバー基板13が貼り付けられている
溝3の段差部11の寸法(第2主基板層31bの側面から第1主基板層31aの側面までの長さ)は、例えば0.3μm〜30μmで、ここでは3μmである。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、弁体5が開き、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
(2)写真製版技術により、第1主基板層31a上に、図16〜18に示した溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15を形成する。
(4)既知の方法にてフォトレジストパターン15を除去する。主基板31を4−メチル水酸化アンモニウム水溶液(TMAH)に浸漬して、第2主基板層31bを等方的にエッチングする。第2主基板層31bのエッチング量は、弁体5の厚みの半分以上であればよい。これにより、溝3が形成されるとともに、弁体5の下に位置する第2主基板層31bはすべて除去され、空隙7が形成される。また、第1主基板層31aの側面下に段差部11が形成される。
(A)に示すように、弁体5に対して紙面左側の流路内の圧力が紙面右側に比べて高い状態では、流体は図中矢印のように紙面左側から右側へと流れる。(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ移動するが、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
その実施例の一例を以下に説明する。
この実施例は、図10を参照して説明した製造工程において、溝3及び弁体5の形成位置を画定するためのフォトレジストパターン15(工程(2))のパターンを変更することにより、同製造工程と同様にして形成できる。
(B)に示すように、弁体5に対して紙面右側の流路内の圧力が紙面左側に比べて高い状態では、弁体5の自由端が紙面左側へ移動するが、その移動量は、側壁3bによって規制される。これにより、弁体5の開き具合は(A)の状態よりも小さくなり、流体が紙面右側から左側へ逆流するのを抑制する。
このように、弁体5及び突起部9は、流路を流れる流体を一方向にのみ流す逆止弁の機能を有する。
例えば、弁体5は溝3の側壁に対して45°の角度で延伸している。弁の厚みは5μm、長さは400μm、幅寸法は80μmである。掘下げ部17の深さは第1主基板層1aの表面から10μmである。
ガラス基板13の上面のポンプ室33に対応する位置に圧電素子39が設けられている。圧電素子39の大きさはポンプ室33とほぼ同じである。圧電素子39は、ポンプ室33上のガラス基板13を上方側に凸の状態に変形させ、もしくは、ポンプ室33上のガラス基板13を下方側に凸の状態に変形させ、又はその両方の方向に変形させる機能を有する。
1a 第1主基板層
1b 第2主基板層
1c 第3主基板層
1d 第4主基板層
1e 第5主基板層
3 溝
3a 溝の第1側壁
3b 溝の第2側壁
3c 溝の底面
5 弁体
7 空隙
9 突起部
11 段差部
13 カバー基板
15 フォトレジストパターン
17 掘下げ部
19 第2空隙
29 第2空隙
31 主基板
31a 第1主基板層
31b 第2主基板層
31c 第2空隙形成用主基板層
Claims (15)
- 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な膜厚をもち、
前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
前記溝の底面と前記弁体との間の空隙は、前記第2主基板層の表面側の一部分が除去されて形成されており、
前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁から離れる方向に移動し、
前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接する方向に移動することを特徴とするマイクロバルブ。 - 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な膜厚をもち、
前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
前記主基板は前記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備え、
前記溝の底面と前記弁体との間の空隙は、前記弁体下の前記第2主基板層が除去されて形成されており、
前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁から離れる方向に移動し、
前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接する方向に移動することを特徴とするマイクロバルブ。 - 前記弁体と前記カバー基板との間に第2空隙が形成されている請求項1又は2に記載のマイクロバルブ。
- 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な膜厚をもち、
前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
前記弁体と前記カバー基板との間に第2空隙が形成されており、
前記弁体の上面は、前記弁体形成位置の前記第1主基板層の上面側の一部分が除去されて前記主基板の前記主面よりも下方位置に配置されており、
前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁から離れる方向に移動し、
前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接する方向に移動することを特徴とするマイクロバルブ。 - 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な膜厚をもち、
前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
前記弁体と前記カバー基板との間に第2空隙が形成されており、
前記主基板は、前記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備え、
前記第5主基板層の上面が前記主基板の前記主面を構成し、
前記主基板の溝は少なくとも前記第5主基板層、前記第4主基板層及び前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体上の前記第4主基板層が除去されており、
前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁から離れる方向に移動し、
前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接する方向に移動することを特徴とするマイクロバルブ。 - 主面に溝を有する主基板と、その主基板の主面に貼り合わされるカバー基板とを備え、主基板の溝がカバー基板で覆われて流路が形成されており、その流路内に弁体が配置されてなるマイクロバルブにおいて、
前記主基板は、主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもち、
前記主基板の溝は少なくとも前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体は、前記第1主基板層と同じ材料からなり、前記溝の第1側壁から突出し、前記第1側壁に対向する前記溝の第2側壁とは間隔をもって形成されており、
前記弁体は前記流路内を流れる流体圧力で変形可能な膜厚をもち、
前記溝の底面と前記弁体との間に空隙があり、
前記弁体と前記カバー基板との間に第2空隙が形成されており、
前記主基板は、前記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備え、
前記第2空隙形成用主基板層の上面が前記主基板の前記主面を構成し、
前記主基板の溝は少なくとも前記第2空隙形成用主基板層及び前記第1主基板層が前記第2主基板層に到達する深さで除去されて形成されたものであり、
前記弁体上を含む前記溝上の前記第2空隙形成用主基板層が除去されており、
前記弁体の上流側の流体圧力が前記弁体の下流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁から離れる方向に移動し、
前記弁体の下流側の流体圧力が前記弁体の上流側の流体圧力よりも大きいときに前記弁体の自由端が前記第2側壁に当接する方向に移動することを特徴とするマイクロバルブ。 - 前記弁体は、上方から見て、前記溝の幅寸法よりも長い長さをもって前記弁体の自由端が基端部よりも下流側に位置するように傾斜して形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
- 前記溝の前記第2側壁に、前記弁体の自由端の上流側への移動量を規制するための突起部を備えている請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロバルブ。
- 請求項1に記載のマイクロバルブの製造方法であって、以下の工程(A)〜(D)をその順に含むマイクロバルブの製造方法。
(A)主面側から順に第1主基板層、第2主基板層の積層構造をもつ主基板の上に、写真製版技術により、溝形成予定位置に開口部をもち、弁体形成予定位置を覆うフォトレジストパターンを形成する写真製版工程、
(B)異方性エッチング技術により、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記第1主基板層を前記第2主基板層に到達する深さまでエッチングして、前記第1主基板層からなる弁体と、溝形成予定位置に第1主基板層除去部分を形成し、その後、前記フォトレジストパターンを除去する第1エッチング工程、
(C)等方性エッチング技術により、前記第1主基板層をマスクにして、前記第1主基板層をエッチングしない条件で前記第2主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2主基板層除去部分を形成して前記第1主基板層除去部分及び前記第2主基板層除去部分からなる溝を形成するとともに、前記弁体下の第2主基板層を除去して前記溝の底面と前記弁体との間に空隙を形成する第2エッチング工程、
(D)前記主基板の前記主表面上にカバー基板を配置して前記溝を覆って流路を形成するカバー基板配置工程。 - 前記第1エッチング工程(B)で、前記第1主基板層のエッチングに連続して前記第2主基板層の一部分もエッチングする、請求項9に記載のマイクロバルブの製造方法。
- 前記主基板として前記第2主基板層の下層に第3主基板層をさらに備えたものを用い、
前記第2エッチング工程(C)で、前記第2主基板層をエッチングする際に、前記第3主基板層を前記溝の深さ方向のエッチングストッパー層として用いる、請求項9又は10に記載のマイクロバルブの製造方法。 - 前記写真製版工程(A)で、前記フォトレジストパターンを形成する前に、写真製版技術及びエッチング技術によって少なくとも前記弁体形成予定位置の前記第1主基板層の表面を掘り下げる工程を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
- 前記主基板として、前記第1主基板層上に形成された第4主基板層と、その上に形成された第5主基板層をさらに備えたものを用い、
前記写真製版工程(A)で、前記第5主基板層上に前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1エッチング工程(B)で、前記フォトレジストパターンをマスクにして、異方性エッチング技術によって前記第5主基板層及び前記第4主基板層をエッチングして溝形成予定位置に第5主基板層除去部分及び第4主基板層除去部分を形成した後に連続して前記第1主基板層をエッチングして前記弁体及び前記第1主基板層除去部分を形成し、
前記第2エッチング工程(C)で、前記第1主基板層及び前記第5主基板層をマスクにして、前記第1主基板層及び前記第5主基板層をエッチングしない条件で前記第2主基板層をエッチングするのと同時に前記弁体上の前記第4主基板層もエッチングする、請求項9から11のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。 - 前記第1エッチング工程(B)の後、前記第2エッチング工程(C)を行なわずに前記カバー基板配置工程(D)を行ない、その後、前記第2エッチング工程(C)を行なう請求項9〜13のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
- 前記主基板として、上方から見た前記弁体の厚みの半分よりも厚い膜厚で前記第1主基板層上に形成された第2空隙形成用主基板層をさらに備えたものを用い、前記第1エッチング工程(B)で、異方性エッチング技術により、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記第2空隙形成用主基板層及び前記第1主基板層をエッチングして、溝形成予定位置に第2空隙形成用主基板層除去部分及び前記第1主基板層除去部分を形成し、かつ前記弁体を形成し、
前記第2エッチング工程(C)で、前記溝の外の前記第2空隙形成用主基板層が残存し、前記弁体上の前記第2空隙形成用主基板層及び前記弁体下の前記第2主基板層が除去される条件で、前記第2主基板層及び前記第2空隙形成用主基板層に対して同時に前記等方性エッチングを行なう、請求項9又は10に記載のマイクロバルブの製造方法。
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