JP5309786B2 - マイクロバルブ、マイクロポンプ、及びマイクロバルブの製造方法 - Google Patents

マイクロバルブ、マイクロポンプ、及びマイクロバルブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロバルブ、マイクロポンプ、及びマイクロバルブの製造方法に関するものである。
近年、基板内に反応室などの微細構造を設け、その微細構造中で物質の反応や合成、分析などの操作を行なえるように構成されたマイクロデバイスが製品化されている。このようなマイクロデバイスはラボ・オン・チップ(Lab−on−Chip)などと呼ばれている。また、携帯機器向け燃料電池の燃料を供給する流路などにもマイクロデバイスの応用が期待されている。
このようなマイクロデバイスには、液体や気体などの流体や微小液滴などを反応室に導くための微細流路が設けられる。また、流体の移送を制御するために微細流路の途中にマイクロバルブが設けられることもある。さらに、一部の流路の容積を変化させてポンプ室として機能させるダイヤフラム型のマイクロポンプが設けられたりすることもある。
ダイヤフラム型のマイクロポンプについての従来例を以下に示す。
例えば、特許文献1に、バイモルフ型圧電アクチュエータを設けたポンプ室と、ポンプ室の入り口及び出口にそれぞれ設けられた逆止弁とを備えたマイクロポンプが開示されている。
また、特許文献2には、ポンプ室の側面に互いに向き合って設けられた2つのユニモルフ型圧電アクチュエータと、ポンプ室の入り口及び出口にそれぞれ設けられた逆止弁とを備えたマイクロポンプが開示されている。
これらのマイクロポンプではポンプ室の入り口及び出口にそれぞれ逆止弁が設けられているので、ダイヤフラムの動きによりポンプ室の容積が変化しても流体が逆流することなく、効率よく流体を移送することが可能となる。
特開2006−220056号公報 特開2004−285883号公報
従来のマイクロポンプでは、逆止弁を基板上に流路と一体となって作りこむような技術ではなく、微細化が強く求められているラボ・オン・チップや燃料電池の分野では使いづらいという問題があった。
そこで本発明は、極微細なマイクロポンプに適用することができるマイクロバルブ及びそれを用いたマイクロポンプ並びにマイクロバルブの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明にかかるマイクロバルブは、絶縁層上に形成された半導体層と、上記半導体層の一部分が除去されて形成された第1半導体層除去部と、上記第1半導体層除去部の底面とは間隔をもって上記第1半導体層除去部を覆って上記半導体層上に形成されたカバー膜と、上記カバー膜の上記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第1開口と、上方から見て上記第1開口の少なくとも一部分を覆って上記カバー膜上に形成された可動膜と、を備え、上記可動膜は上記第1開口上に配置された上記可動膜の可動部分が上記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態に上記カバー膜に固定されており、上記可動膜の可動部分が上記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動して上記可動膜と上記カバー膜との間の隙間の大きさが変化することによって上記第1半導体層除去部と上記カバー膜上の空間との間でバルブとして機能するものである。
ここで、可動膜の可動部分がカバー膜の上面に対して略垂直方向に移動するとの意味は、片持ち状態にカバー膜に固定された可動膜の可動部分は移動可能になっているが、可動部の移動方向は、可動部分の先端が基端部を中心とする円弧上で移動すること、及び、可動部分自体の変形を考慮すると、カバー膜の上面に対して厳密には垂直方向ではないことを意味する。
本発明にかかるマイクロバルブの製造方法は、以下の工程(A)〜(E)をその順に含む。
(A)絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を上記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程、
(B)上記半導体層上に、上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び上記第1開口とは異なる位置で上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程、
(C)上記半導体層上及び上記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、上記可動膜を、上記第2開口を覆わず、かつ、上記可動膜の可動部分となる部分の端部が上記第1開口に位置する上記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程、
(D)上記半導体層を上記絶縁材料に対して選択的にエッチング可能な薬液を用いた等方性エッチング技術によって上記第1半導体層除去部の形成領域の上記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、可動膜形成工程(C)で可動膜の可動部分となる部分の端部が第1開口に位置する半導体層上に配置されるように可動部を形成しているので、第1半導体層除去部形成工程(D)で第1半導体層除去部の形成領域の半導体層を除去することにより、可動膜は片持ち状態にカバー膜に固定された状態になる。そして可動膜はその可動部分がカバー膜の上面に対して略垂直方向で移動できるように形成される。
本発明のマイクロバルブ及びマイクロバルブの製造方法では、半導体装置製造技術を用いてマイクロバルブを形成することができるので、極微細なマイクロポンプに適用することができるマイクロバルブを製造することができる。
本発明のマイクロバルブにおいて、上記可動膜は上方から見て上記第1開口を完全に覆っている例を挙げることができる。ただし、可動膜は上方から見て上記第1開口を完全には覆っていなくてもよい。
本発明にかかるマイクロポンプの第1態様は、本発明のマイクロバルブと、上記カバー膜の上記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に上記第1開口とは異なる位置で形成され、上記可動膜で覆われていない第2開口と、上記カバー膜上に形成され、上記第1開口又は上記第2開口のいずれかに連通する空洞を形成するための第1隔壁と、上記第1隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えている。
本発明にかかるマイクロポンプの第2態様は、本発明のマイクロバルブと、上記半導体層に上記第1半導体層除去部とは異なる位置で形成された第2半導体層除去部と、上記カバー膜が上記第2半導体層除去部の底面とは間隔をもって上記第2半導体層除去部上も覆っており、上記カバー膜の上記第2半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第3開口と、上記カバー膜上に形成され、上記第1開口及び上記第3開口の両方に連通する空洞を形成するための第2隔壁と、上記第2隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えている。
本発明のマイクロポンプは、本発明のマイクロバルブを用い、半導体装置製造技術を用いてマイクロポンプを形成することができるので、極微細なマイクロポンプを製造することができる。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、上記可動膜形成工程(C)で、上記可動膜を、上記可動膜の可動部分が上記第1開口に位置する上記半導体層上に配置され、かつ上記可動膜の可動部分の端部の一部又は全部が上記カバー膜上に配置されるように形成し、上記第1半導体層除去部形成工程(D)の後、以下の工程(E)を含むようにしてもよい。
(E)等方性エッチング技術によって上記カバー膜及び上記可動膜の一部分を除去する工程であって、上記カバー膜と上記可動膜の上記可動部分との間に隙間を形成する程度に上記カバー膜及び上記可動膜の一部分を除去する可動部分形成工程。
上記可動部分形成工程(E)を含む場合、上記可動膜形成工程(C)で上記可動膜を上記半導体層及び上記カバー膜に対して選択的にエッチング可能な絶縁材料によって形成し、上記可動部分形成工程(E)で等方性エッチング技術によって上記カバー膜の一部分を除去することによって上記隙間を形成するようにしてもよい。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、上記カバー膜形成工程(B)と上記可動膜形成工程(C)との間に、上記第1開口に位置する上記カバー膜と上記半導体層の境界の一部分又は全部を覆う隙間形成用半導体膜を上記カバー膜上及び上記半導体層上に形成する隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含み、上記可動膜形成工程(C)で、上記可動膜を、上記可動膜の可動部分の端部が上記隙間形成用半導体膜上に配置され、かつ上記隙間形成用半導体膜の一部分が露出するように上記カバー膜上及び上記隙間形成用半導体膜上に形成し、上記第1半導体層除去部形成工程(D)で上記半導体層を除去するのと同時に上記隙間形成用半導体膜を除去するようにしてもよい。
さらに、上記可動膜形成工程(C)で上記可動膜を上記半導体層及び上記カバー膜に対して選択的にエッチング可能な材料によって形成するようにしてもよい
本発明のマイクロバルブの製造方法において、上記可動部分形成工程(E)又は上記隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含む場合、上記可動膜形成工程(C)で上記第1開口の全部を覆うように上記可動膜を形成する例を挙げることができる。ただし、可動膜は必ずしも第1開口の全部を覆っている必要はなく、可動膜の一部分が第1開口の少なくとも一部分を覆っていればよい。
本発明にかかるマイクロバルブでは、絶縁層上に形成された半導体層と、上記半導体層の一部分が除去されて形成された第1半導体層除去部と、上記第1半導体層除去部の底面とは間隔をもって上記第1半導体層除去部を覆って上記半導体層上に形成されたカバー膜と、上記カバー膜の上記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第1開口と、上方から見て上記第1開口の少なくとも一部分を覆って上記カバー膜上に形成された可動膜と、を備え、上記可動膜は上記第1開口上に配置された上記可動膜の可動部分が上記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態に上記カバー膜に固定されており、上記可動膜の可動部分が上記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動して上記可動膜と上記カバー膜との間の隙間の大きさが変化することによって上記第1半導体層除去部と上記カバー膜上の空間との間でバルブとして機能するようにした。
本発明にかかるマイクロバルブの製造方法は、絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を上記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程(A)、上記半導体層上に、上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び上記第1開口とは異なる位置で上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程(B)、上記半導体層上及び上記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、上記可動膜を、上記第2開口を覆わず、かつ、上記可動膜の可動部分となる部分の端部が上記第1開口に位置する上記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程(C)、上記半導体層を上記絶縁材料に対して選択的にエッチング可能な薬液を用いた等方性エッチング技術によって上記第1半導体層除去部の形成領域の上記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程(D)をその順に含む。
本発明のマイクロバルブ及びマイクロバルブの製造方法では、半導体装置製造技術を用いてマイクロバルブを形成することができるので、極微細なマイクロポンプに適用することができるマイクロバルブを製造することができる。
本発明のマイクロバルブにおいて、上記可動膜は上方から見て上記第1開口を完全に覆っているようにすれば、第1半導体層除去部から第1開口を介してカバー膜の上方側へ移動した流体が第1半導体層除去部側へ逆流するのを低減できる。
本発明にかかるマイクロポンプの第1態様では、本発明のマイクロバルブと、上記カバー膜の上記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に上記第1開口とは異なる位置で形成され、上記可動膜で覆われていない第2開口と、上記カバー膜上に形成され、上記第1開口又は上記第2開口のいずれかに連通する空洞を形成するための第1隔壁と、上記第1隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えているようにした。
本発明にかかるマイクロポンプの第2態様では、本発明のマイクロバルブと、上記半導体層に上記第1半導体層除去部とは異なる位置で形成された第2半導体層除去部と、上記カバー膜が上記第2半導体層除去部の底面とは間隔をもって上記第2半導体層除去部上も覆っており、上記カバー膜の上記第2半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第3開口と、上記カバー膜上に形成され、上記第1開口及び上記第3開口の両方に連通する空洞を形成するための第2隔壁と、上記第2隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えているようにした。
本発明のマイクロポンプによれば、本発明のマイクロバルブを用い、半導体装置製造技術を用いてマイクロポンプを形成することができるので、極微細なマイクロポンプを製造することができる。
本発明のマイクロバルブの製造方法において、可動膜形成工程(C)で、可動膜を、可動膜の可動部分が第1開口に位置する半導体層上に配置され、かつ可動膜の可動部分の端部の一部又は全部がカバー膜上に配置されるように形成し、第1半導体層除去部形成工程(D)の後、カバー膜と可動膜の可動部分との間に隙間を形成する程度にカバー膜及び上記可動膜の一部分を除去する等方性エッチング技術によって可動部分形成工程(E)を含むようにすれば、可動膜の可動部分の平面寸法を第1開口の平面寸法よりも大きく形成することができる。これにより、可動膜の可動部分が第1半導体層除去部内に移動するのを防止できるという効果もある。
さらに、上記可動膜形成工程(C)で上記可動膜を上記半導体層及び上記カバー膜に対して選択的にエッチング可能な絶縁材料によって形成し、上記可動部分形成工程(E)で等方性エッチング技術によって上記カバー膜の一部分を除去することによって上記隙間を形成するようにすれば、可動膜とカバー膜を同じ材料で形成する場合に比べて可動膜の膜厚制御性を向上させることができる。
また、本発明のマイクロバルブの製造方法において、カバー膜形成工程(B)と可動膜形成工程(C)との間に、第1開口に位置するカバー膜と半導体層の境界の一部分又は全部を覆う隙間形成用半導体膜をカバー膜上及び半導体層上に形成する隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含み、可動膜形成工程(C)で、可動膜を、可動膜の可動部分の端部が隙間形成用半導体膜上に配置され、かつ隙間形成用半導体膜の一部分が露出するようにカバー膜上及び隙間形成用半導体膜上に形成し、第1半導体層除去部形成工程(D)で半導体層を除去するのと同時に隙間形成用半導体膜を除去するようにすれば、可動膜の可動部分の平面寸法を第1開口の平面寸法よりも大きく形成することができる。さらに、可動膜形成工程(C)よりも後の工程で、カバー膜及び可動膜に対するエッチング処理を行なわなくても可動膜の可動部分を形成することができ、カバー膜及び可動膜のエッチング処理による膜減りをなくすことによりカバー膜及び可動膜の寸法精度を向上させることができる。
さらに、可動膜形成工程(C)で可動膜を半導体層及びカバー膜に対して選択的にエッチング可能な材料によって形成するようにすれば、可動膜形成工程(C)で可動膜をパターニング形成する際にカバー膜の膜減りを低減することができ、カバー膜の寸法精度を向上させることができる。
また、可動部分形成工程(E)又は隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含む場合、可動膜形成工程(C)で第1開口の全部を覆うように可動膜を形成すれば、形成したマイクロバルブにおいて、第1半導体層除去部から第1開口を介してカバー膜の上方側へ移動した流体が第1半導体層除去部側へ逆流するのを低減できる。
図1はマイクロバルブの一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。
シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層(半導体層)1bからなるSOI(silicon on insulator)基板1のシリコン層1bに枠状の埋込み酸化膜(絶縁膜)3が形成されている。シリコン層1bの厚みは特に限定されるものではないが、例えば10nm(ナノメートル)〜100μm(マイクロメートル)、ここでは5μmである。ここで埋込み酸化膜3の材料として他の絶縁材料、例えばシリコン窒化膜を用いてもよい。
シリコン層1b上及び埋込み酸化膜3上にカバー膜5が形成されている。カバー膜5は例えばLOCOS(local oxidation of silicon)法によって形成されたシリコン酸化膜によって形成されている。カバー膜5の厚みは特に限定されるものではないが、例えば10nm〜100μm、ここでは1μmである。
埋込み酸化膜3で囲まれた部分のシリコン層1bが除去されて第1シリコン除去部(第1半導体層除去部)7が形成されている。第1シリコン除去部7上のカバー膜5は第1シリコン除去部7の底面とは間隔をもって第1シリコン除去部7を覆っている。カバー膜5の第1シリコン除去部7と対向する部分に第1開口5aと第2開口5bが互いに間隔をもって形成されている。第1開口5a、第2開口5bの平面寸法は例えば1μm×1μm〜1mm×1mm(ミリメートル)、ここでは20μm×20μmである。
カバー膜5上に第1開口5aを覆って可動膜9が形成されている。可動膜9は第1開口5a上に配置された可動膜9の可動部分9aがカバー膜5の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態にカバー膜5に固定されている。カバー膜5と可動部分9aとの間に隙間11が形成されている。可動膜9の厚みは例えば10nm〜100μm、ここでは500nmである。上方から見た可動膜9の可動部分9a部分の周縁部と第1開口部5aの周縁部との間隔(寸法L)は例えば1nm〜10μm、ここでは50nmである。また可動膜9の寸法Mは例えば100nm〜1mm、ここでは5μmである。
ここで、開口5a,5b及び可動膜9の平面形状は長方形に限定されるものではなく、他の形状、例えば円形、楕円系、三角形など、様々な形状が可能である。
図2は図1に示したマイクロバルブの動作を説明するための断面図であり、(A)はバルブが開いた状態、(B)はバルブが閉じた状態を示す。
(A)に示すように、開口部5bにつながる仮想線で示す流路13b内及び第1シリコン除去部7内の圧力が、開口部5aにつながる仮想線で示す流路13a内の圧力よりも大きいとき、可動膜9の可動部分9aは流体により押し上げられ、第1開口5aの上方側へ移動し、隙間11の間隔が大きくなる(白抜き矢印参照)。そして第1シリコン除去部7内の流体は第1開口5a及び隙間11を介して流路13aに流入する(黒色矢印参照)。
(B)に示すように、流路13a内の圧力が流路13b内及び第1シリコン除去部7内の圧力よりも小さいとき、可動膜9の可動部分9aは元の位置に戻り、隙間11の間隔が小さくなって、流路13aへ移動した流体が第1シリコン除去部7側へ逆流するのを防止する。また、流路13a内の流体によって可動膜9の可動部分9aがカバー膜5側へ押し付けられて、隙間11が製造時のときよりも小さくなる。
このように、このマイクロバルブの実施例は、可動膜9の可動部分9aが第1開口5aの上方側へ移動又は元に戻ることにより、バルブとして機能する。
図3は図1に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図中のかっこ数字は以下に説明する製造工程に対応している。図1及び図3を参照してこの実施例を説明する。
(1)シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1を準備する。写真製版技術及びエッチング技術によって、SOI基板1のシリコン層1bに第1シリコン除去部7(図1(B)参照)の形成領域を画定するためのトレンチ(溝)を形成する。そのトレンチに酸化膜を埋め込んで埋込み酸化膜3を形成する。
(2)LOCOS法によってシリコン層1b上にカバー膜5を形成する。カバー膜5には、上方から見て埋込み酸化膜3で囲まれた領域内に第1開口5aと第2開口5bを形成する。
(3)CVD(chemical vapor deposition)法によってシリコン層1b上及びカバー膜5上にシリコン窒化膜を形成する。そのシリコン窒化膜を写真製版技術及びエッチング技術によってパターニングして可動膜9を形成する(図1(B)も参照)。
(4)例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液を用いた等方性エッチング処理を施して、第1シリコン除去部7の形成領域のシリコン層1bを除去して第1シリコン除去部7を形成する。
(5)例えばフッ酸溶液を用いた等方性エッチング処理を施してシリコン酸化膜からなるカバー膜5の一部分を除去する。このときのカバー膜5のエッチング量は、上方から見た可動膜9の可動部分9a部分の周縁部と第1開口部5aの周縁部との間隔(寸法L)に相当する酸化膜がエッチングされるだけの量以上である。ここで、シリコン窒化膜からなる可動膜9とシリコン酸化膜からなるカバー膜5の界面ではカバー膜5の他の面よりもエッチングが速く進む。このエッチング処理により、可動膜9の可動部分9aとカバー膜5との間に隙間11を形成する。また、このエッチング処理により、絶縁層1a及び埋込み酸化膜3の一部分も除去される。
このように、本発明のマイクロバルブ及びマイクロバルブの製造方法では、半導体装置製造技術を用いてマイクロバルブを形成することができるので、極微細なマイクロポンプに適用することができるマイクロバルブを製造することができる。
図4はマイクロバルブの他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
この実施例では、図1に示した実施例と比べて、隙間11を形成する際のシリコン酸化膜に対する等方性エッチング処理が行なわれておらず、絶縁膜1a及びカバー膜5に段差が形成されていない。また、可動膜9には、後述する隙間形成用シリコン膜に起因して段差が形成されている。
図5は図4に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図中のかっこ数字は以下に説明する製造工程に対応している。図6は隙間形成用シリコン膜の形成領域を説明するための平面図である。図4及び図5を参照してこの実施例を説明する。
(1)図3(1),(2)を参照して説明した上記工程(1),(2)と同じ工程により、シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1のシリコン層1bに埋込み酸化膜3を形成し、さらに第1開口5a及び第2開口5bをもつカバー膜5を形成する。CVD法により、第1開口5aに隣接するカバー膜5部分の一部分上又は全部分上に隙間形成用シリコン膜15を形成する。この実施例では、第1開口5aの3辺に隣接するカバー膜5部分を覆うように隙間形成用シリコン膜15を形成した。図6に示すように、隙間形成用シリコン膜15は、上方から見て、後工程で形成される可動膜9の形成領域からはみ出して配置される。隙間形成用シリコン膜15の厚みは例えば1nm〜10μm、ここでは100nmである。
(2)CVD法により、シリコン層1b上、カバー膜5上及び隙間形成用シリコン膜15上にシリコン窒化膜を形成する。そのシリコン窒化膜を写真製版技術及びエッチング技術によってパターニングして可動膜9を形成する。可動膜9は、図6に示すように、隙間形成用シリコン膜15の一部分が露出するようにしてカバー膜5上及び隙間形成用シリコン膜15上に形成される。カバー膜5には隙間形成用シリコン膜15に起因して段差が形成される。
(3)例えばTMAH溶液を用いた等方性エッチング処理を施して、第1シリコン除去部7の形成領域のシリコン層1bを除去して第1シリコン除去部7を形成する。このとき、隙間形成用シリコン膜15も同時に除去され、可動膜9とカバー膜5の間に隙間11が形成される。これにより、可動膜9に可動部分9aが形成される。
この実施例では、可動膜9を形成した後に、カバー膜5に対するエッチング処理を行なわなくても可動膜9の可動部分9aを形成することができるので、カバー膜のエッチング処理による膜減りをなくすことによりカバー膜の寸法精度、ひいては開口5a,5bの寸法精度を向上させることができる。
さらに、隙間11の寸法は、エッチング時間で決定されるのではなく、隙間形成用シリコン膜15の厚みによって決定されるので、隙間11の寸法精度を向上させることができる。
また、可動膜9の材料として、カバー膜5の材料とエッチング選択比が低い材料やカバー膜5と同じ材料を用いることもできる。可動膜9は単層膜であってもよいし、積層膜であってもよい。
図7はマイクロポンプの一実施例を示す断面図である。この実施例では図4に示したマイクロバルブを用いた。
シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1に、埋込み酸化膜3、開口部5a,5bをもつカバー膜5、第1シリコン除去部7及び、可動膜9が形成されてマイクロバルブ17が形成されている。可動膜9の可動部分9a部分とカバー膜5の間には隙間11が形成されている。
カバー膜5上にシリコン酸化膜19,21の積層膜からなる隔壁23aと23bが形成されている。
隔壁23a(第1隔壁)は第1開口5aに連通する空洞25aを形成している。隔壁23aには貫通孔からなる吐出口27aが形成されている。また、隔壁23aの上面には圧電素子29が形成されている。
隔壁23bは第2開口5bに連通する空洞25bを形成している。隔壁23bには貫通孔からなる吸入口27bが形成されている。
図8は図7に示したマイクロポンプの動作を説明するための断面図であり、(A)は吸引動作の状態、(B)は吐出動作の状態を示す。
マイクロポンプの吐出口27aには仮想線で示す流路31aが接続され、吸入口27bには仮想線で示す流路31bが接続されている。流路31aには逆止弁が設けられている。
(A)に示すように、圧電素子29を上側に凸の状態に変形させると、隔壁23aの上面が上側に凸の状態に変形され、空洞25aの容積が増加する。これにより、第1シリコン除去部7内の流体が第1開口5aを介して空洞25a内に流入する。このとき、可動膜9の可動部分9aは流体により押し上げられ、第1開口5aの上方側へ移動し、隙間11の間隔が大きくなる(白抜き矢印参照)。また、第1シリコン除去部7内の流体が空洞25a側へ移動することにより、流路31b内の流体が吸入口27bを介して空洞25b内に流入し、空洞25b内の流体が第2開口5bを介して第1シリコン除去部7内に流入する(黒色矢印参照)。
(B)に示すように、圧電素子29を下側に凸の状態に変形させると、隔壁23aの上面が下側に凸の状態に変形され、空洞25aの容積が(A)の状態に比べて減少する。これにより、空洞25a内の流体が吐出口27aを介して流路31aに流入する(黒色矢印参照)。このとき、可動膜9の可動部分9aは元の位置に戻り、さらに可動膜9の可動部分9aがカバー膜5側に押し付けられ、隙間11の間隔が小さくなって、流体が第1シリコン除去部7側へ逆流するのを防止する(白抜き矢印参照)。
このように、本発明のマイクロポンプによれば、本発明のマイクロバルブを用い、半導体装置製造技術を用いてマイクロポンプを形成することができるので、極微細なマイクロポンプを製造することができる。
図9は図8に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図中のかっこ数字は以下に説明する製造工程に対応している。図8を参照してこの実施例を説明する。
(1)図5(1)を参照して説明した上記工程(1)と同じ工程により、シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1に埋込み酸化膜3、第1開口5a及び第2開口5bをもつカバー膜5、隙間形成用シリコン膜15及び可動膜9を形成する。
(2)CVD法により、カバー膜5上、可動膜9上及び隙間形成用シリコン膜15上にポリシリコン膜を例えば200nmの膜厚に形成する。そのポリシリコン膜を写真製版技術及びエッチング技術を用いてパターニングしてポリシリコン膜33a,33bを形成する。ポリシリコン膜33a,33bは後工程で形成する空洞25a,25bに対応するものである。CVD法により、カバー膜5上及びポリシリコン膜33a,33bの表面にシリコン酸化膜19を例えば100nmの膜厚に形成する。ポリシリコン膜33a,33bの表面に形成するシリコン酸化膜19は熱酸化膜によって形成してもよい。写真製版技術及びエッチング技術により、ポリシリコン膜33a,33b上のシリコン酸化膜19にシリコンエッチング用開口19aを形成する。開口19aの平面寸法は例えば2μmである。図面では、ポリシリコン膜33a,33bに対してそれぞれ1箇所のシリコンエッチング用開口19aを形成しているが、ポリシリコン膜33a,33bに対して設けるシリコンエッチング用開口19aの個数は複数個であってもよい。
(3)例えばTMAH溶液を用いた等方性エッチング処理を施して、シリコンエッチング用開口19aを介してポリシリコン膜33a,33b、隙間形成用シリコン膜15、シリコン層1bを除去して、空洞25a,25b、隙間11及び第1シリコン除去部7を形成する。水洗処理を施した後、IPA(イソプロピルアルコール)を用いて乾燥処理を施す。
(4)CVD法により、シリコン酸化膜21を例えば10μmの膜厚に形成し、シリコン酸化膜19,21からなる隔壁23a,23bを形成する。このとき、シリコン酸化膜21により、シリコンエッチング用開口19aが埋められる。
(5)隔壁23a上に圧電素子29を形成する。写真製版技術及びエッチング技術を用いて、隔壁23aに吐出口27aを形成し、隔壁23bに吸入口27bを形成する。
この製造方法の実施例では、隙間形成用シリコン膜15を用いて隙間11を形成しているが、図3を用いて説明した実施例と同様にしてカバー膜5に対する等方性エッチング処理によって隙間11を形成するようにしてもよい。
また、隔壁23a,23bをシリコン酸化膜19,21の積層膜によって形成しているが、隔壁の材料及び構造はこれに限定されるものではなく、他の絶縁膜によって形成してもよい。例えば、隔壁をシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の単層膜によって形成してもよいし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜、2層以上のシリコン窒化膜などによって形成してもよい。
また、圧電素子29はシリコン酸化膜19と21の間に形成してもよい。
図7に示した実施例では、圧電素子29が隔壁23aに設けられているが、図10に示すように圧電素子29は隔壁23bに設けられていてもよい。この場合、隔壁23bが本発明のマイクロバルブの第1隔壁を構成する。また、隔壁23bに設けられた吸入口27bに接続される流路には逆止弁が設けられる。
図11はマイクロポンプのさらに他の実施例を示す断面図である。この実施例では図4に示したマイクロバルブと同じ構造をもつマイクロバルブを2つ設けた。図8に示した実施例と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。この実施例は図9を参照して説明した実施例と同様の製造工程によって形成することができる。
シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1に、埋込み酸化膜3、開口部5a,5bをもつカバー膜5、第1シリコン除去部7、及び可動膜9が形成されてマイクロバルブ17が形成されている。可動膜9の可動部分9a部分とカバー膜5の間には隙間11が形成されている。
マイクロバルブ17の形成位置とは異なる位置で、シリコン層1bに枠状の埋込み酸化膜35が形成されている。埋込み酸化膜35で囲まれた部分のシリコン層1bが除去されて第2シリコン除去部(第2半導体層除去部)37が形成されている。第2シリコン除去部37上のカバー膜5は第2シリコン除去部37の底面とは間隔をもって第2シリコン除去部37を覆っている。カバー膜5の第2シリコン除去部37と対向する部分に第3開口5cと第4開口5dが互いに間隔をもって形成されている。
カバー膜5上に第4開口5dを覆って可動膜39が形成されている。可動膜39の一部分は第4開口5d上に配置された可動部分39a部分が第4開口5dの上方側へ移動できるようにカバー膜5には固定されていない。カバー膜5と可動部分39aとの間に隙間11が形成されている。
埋込み酸化膜33、開口部5c,5dをもつカバー膜5、第2シリコン除去部37及び可動膜39によって第2マイクロバルブ41が形成されている。第2マイクロバルブ41は第1マイクロバルブ17と同様の構造をもっている。
カバー膜5上にシリコン酸化膜19,21の積層膜からなる隔壁23a,23b,23cが形成されている。
隔壁23a(第2隔壁)は第1開口5a及び第3開口5cの両方に連通する空洞25aを形成している。隔壁23aの上面には圧電素子29が形成されている。
隔壁23bは第2開口5bに連通する空洞25bを形成している。隔壁23bには貫通孔からなる吸入口27bが形成されている。
隔壁23cは第4開口5dに連通する空洞25cを形成している。隔壁23cには貫通孔からなる吐出口27aが形成されている。
図12は図11に示したマイクロポンプの動作を説明するための断面図であり、(A)は吸引動作の状態、(B)は吐出動作の状態を示す。
(A)に示すように、圧電素子29を上側に凸の状態に変形させると、隔壁23aの上面が上側に凸の状態に変形され、空洞25aの容積が増加する。これにより、第1シリコン除去部7内の流体が第1開口5aを介して空洞25a内に流入する(黒色矢印参照)。このとき、マイクロバルブ17の可動膜9の可動部分9aは流体により押し上げられ、第1開口5aの上方側へ移動する(白抜き矢印参照)。これにより、マイクロバルブ17の隙間11の間隔が大きくなる。また、マイクロバルブ41の可動膜9の可動部分9aはカバー膜5側へ押し付けられる(白抜き矢印参照)。これにより、マイクロバルブ41の隙間11は小さくなる(白抜き矢印参照)。また、第1シリコン除去部7内の流体が空洞25a側へ移動することにより、図示しない流路から流体が吸入口27bを介して空洞25b内に流入し、空洞25b内の流体が第2開口5bを介して第1シリコン除去部7内に流入する(黒色矢印参照)。
(B)に示すように、圧電素子29を下側に凸の状態に変形させると、隔壁23aの上面が下側に凸の状態に変形され、空洞25aの容積が(A)の状態に比べて減少する。これにより、空洞25a内の流体が第3開口5cを介して第2シリコン除去部37に流入し、第2シリコン除去部37内の流体が第4開口5dを介して空洞25c内に流入し、空洞25c内の流体は吐出口27aから図示しない流路へ吐出される(黒色矢印参照)。このとき、マイクロバルブ41の可動膜39の可動部分39aは流体により押し上げられ、第4開口5dの上方側へ移動する(白抜き矢印参照)。これにより、マイクロバルブ41の隙間11の間隔が大きくなる。また、マイクロバルブ17の可動膜9の可動部分9aは元の位置に戻り、さらに可動膜9の可動部分9aがカバー膜5側に押し付けられ、隙間11の間隔が小さくなって、流体が第1シリコン除去部7側へ逆流するのを防止する(白抜き矢印参照)。
このように、本発明のマイクロポンプによれば、本発明のマイクロバルブを用い、半導体装置製造技術を用いてマイクロポンプを形成することができるので、外部に逆止弁を設けることなく極微細なマイクロポンプを製造することができる。
図11に示した実施例では、容積が変化する空洞25a内にマイクロバルブ17の可動膜9が配置されているが、図13に示すように、マイクロバルブ17の可動膜9を、隔壁23dによって形成された容積が変化する空洞25dとは別途設けられた空洞23a内に配置してもよい。
また、図14に示すように、図13に示した実施例に対して、容積が変化する空洞25dに可動部分43aをもつ可動膜43を備え、隔壁23aにも圧電素子29を設けるようにしてもよい。この実施例において、隔壁23a,23dを互いに逆方向に変形させるように2つの圧電素子29,29を動作させるように制御すれば、図11、図13に示した実施例に比べて流体を送る能力が増す。
また、上記の実施例では、可動膜9,39は上方から見て開口5a,5dの全部を覆っているが、可動膜9,39は少なくとも5a,5dの一部分を覆っていればよい。
図15は、マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。
この実施例では、上方から見て可動膜9の可動部分9aの先端が第1開口5a上に配置されており、可動膜9は開口5aの全部を覆っていない。
この実施例では、可動膜9は開口5aの全部を覆っていないが、可動部分9aが上方側へ移動して第1シリコン除去部7から第1開口5aを介してカバー膜5の上方側へ移動する流体量に比べて、可動部分9aが元に戻ったときにカバー膜5の上方側から第1開口5aを介して第1シリコン除去部7へ移動する流体量が少なくなるのでマイクロバルブとして機能する。
図16は、マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。
この実施例では、上方から見て可動膜9の可動部分9aの両側面が第1開口5a上に配置されており、可動膜9は開口5aの全部を覆っていない。この実施例においても図15に示した実施例と同様にマイクロバルブとして機能する。
図15、図16に示した実施例の構造は、図4に示した実施例と同様の構造にも適用できる。
図17は、マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。
この実施例では、可動膜9の可動部分9aの端部が第1開口5a上に配置されている。
図18は図17に示したマイクロバルブの動作を説明するための断面図であり、(A)はバルブが開いた状態、(B)はバルブが閉じた状態を示す。
(A)に示すように、開口部5bにつながる仮想線で示す流路13b内及び第1シリコン除去部7内の圧力が、開口部5aにつながる仮想線で示す流路13a内の圧力よりも大きいとき、可動膜9の可動部分9aは流体により押し上げられ、第1開口5aの上方側へ移動し、隙間11の間隔が大きくなる(白抜き矢印参照)。そして第1シリコン除去部7内の流体は第1開口5a及び隙間11を介して流路13aに流入する(黒色矢印参照)。
(B)に示すように、流路13a内の圧力が流路13b内及び第1シリコン除去部7内の圧力よりも小さいとき、可動膜9の可動部分9aは流体により押し下げられ、第1シリコン除去部7側へ移動し、隙間11の間隔が小さくなって、流路13aへ移動した流体が第1シリコン除去部7側へ逆流するのを低減する。
このように、このマイクロバルブの実施例は、可動膜9の可動部分9aが第1開口5aの上方側へ移動又は第1シリコン除去部7側へ移動することにより、バルブとして機能する。
図19は図17に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図中のかっこ数字は以下に説明する製造工程に対応している。図17及び図19を参照してこの実施例を説明する。
(1)シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1を準備する。写真製版技術及びエッチング技術によって、SOI基板1のシリコン層1bに第1シリコン除去部7(図1(B)参照)の形成領域を画定するためのトレンチ(溝)を形成する。そのトレンチに酸化膜を埋め込んで埋込み酸化膜3を形成する。
(2)LOCOS法によってシリコン層1b上にカバー膜5を形成する。カバー膜5には、上方から見て埋込み酸化膜3で囲まれた領域内に第1開口5aと第2開口5bを形成する。
(3)CVD法によってシリコン層1b上及びカバー膜5上にシリコン窒化膜を形成する。そのシリコン窒化膜を写真製版技術及びエッチング技術によってパターニングして可動膜9を形成する(図17(B)も参照)。可動膜9の可動部分となる部分はシリコン層1b上に形成されている。
(4)例えばTMAH溶液を用いた等方性エッチング処理を施して、第1シリコン除去部7の形成領域のシリコン層1bを除去して第1シリコン除去部7を形成する。これにより、可動膜9は肩持ち状態にカバー膜5に固定された状態になり、可動膜9の可動部分9aが形成される。
図18及び図19を参照して説明した実施例では、可動膜9の材料としてシリコン酸化膜からなるカバー膜5とはエッチング選択比が高いシリコン窒化膜を用いているが、可動膜9の材料としてシリコン酸化膜を用いてもよいし、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜の積層膜を用いてもよい。
上記の実施例では、カバー膜としてLOCOS法によって形成された酸化膜を用いているが、カバー膜はこれに限定されるものではない。例えば、シリコン層上にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる絶縁膜を形成し、その絶縁膜を写真製版技術及びエッチング技術を用いて開口を形成したものをカバー膜として用いてもよい。ここで、エッチング方法はウエットエッチングであってもよいし、ドライエッチングであってもよい。図20を参照してLOCOS法によって形成された酸化膜以外の絶縁膜によってカバー膜を形成する方法の一例を説明する。
図20は製造方法の実施例の一部分であって他のカバー膜形成工程を説明するための工程断面図である。図中のかっこ数字は以下に説明する製造工程に対応している。
(1)シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1のシリコン層1bに第1シリコン除去部7の形成領域を画定するための埋込み酸化膜3を形成する。シリコン層1b上及び埋込み酸化膜3上にシリコン酸化膜45cを形成する。シリコン酸化膜45cの膜厚は例えば10nm〜100μm、ここでは1μmである。
(2)写真製版技術によってシリコン酸化膜45上にフォトレジスト47を形成する。フォトレジスト47には、上方から見て埋込み酸化膜3で囲まれた領域内に第1開口用開口47aと第2開口用開口47bを形成する。
(3)例えばウエットエッチング技術により、フォトレジスト47をマスクにしてシリコン酸化膜45cの一部分をエッチング除去する。これにより、上方から見て埋込み酸化膜3で囲まれた領域内に第1開口45aと第2開口45bが形成される。これによりシリコン酸化膜45cからカバー膜45を形成する。
(4)フォトレジスト47を除去する。
その後、上記実施例と同様にして可動膜の形成工程以降の工程を行なうことにより、マイクロバルブを形成することができる。
ここではカバー膜45の材料としてシリコン酸化膜を用いたが、他の絶縁材料、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。
上記の実施例では、本発明のマイクロバルブ及びマイクロポンプをSOI基板に形成しているが、本発明のマイクロバルブ及びマイクロポンプが形成される基板はこれに限定されるものではなく、絶縁層上に半導体層が形成された基板であれば本発明のマイクロバルブ及びマイクロポンプを形成することができる。例えば、シリコン基板に絶縁層を形成し、その上に多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜を形成したものや、ガラス基板上などの絶縁基板上に多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜を形成したものなどを挙げることができる。
また、上記の実施例では、半導体層としてシリコン層を用いているが、シリコン層はシリコン単結晶膜、多結晶シリコン膜、アモルファスシリコン膜のいずれであってもよい。また、他の半導体材料、例えばII−VI族半導体膜(ZeSe、CdS、ZnOなど)、III−V族半導体膜(GaAs、InP、GaNなど)、IV族化合物半導体(SiC、SiGeなど)からなる半導体層を用いてもよい。
また、上記の実施例では、シリコン材料をエッチングするための薬液としてTMAH溶液を用いているが、シリコン材料をエッチングするための他の薬液、例えばKOH(水酸化カリウム)なども利用できる。
また、上記の実施例では、可動膜9の材料としてシリコン窒化膜を用いているが、可動膜9の材料は、これに限定されるものではなく、シリコン層をエッチングするための薬液、例えばTMAH溶液やKOH溶液に対して耐エッチング性があればいずれの材料でもよい。例えば可動膜9の材料としてシリコン酸化膜や、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜などを挙げることができる。
図21はマイクロポンプのさらに他の実施例を示す図であり、平面図とその平面図のA−A位置での断面を示している。この実施例では、図11に示した実施例と同様に図4に示したマイクロバルブと同じ構造をもつマイクロバルブを2つ設けた。図11に示した実施例と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。この実施例において、マイクロバルブ17,41の構造は図11に示した実施例と同様である。
マイクロバルブ17において可動膜9と第1開口5aの組が2組設けられている。上方から見て埋込み酸化膜3の内側に位置するカバー膜5に4つの第2開口5bが設けられている。埋込み酸化膜3の内側に位置するカバー膜5には開口5a,5bとは異なる位置でエッチング用開口5eも形成されている。
マイクロバルブ41において可動膜39と第4開口5dの組が2組設けられている。上方から見て埋込み酸化膜33の内側に位置するカバー膜5に4つの第3開口5cが設けられている。埋込み酸化膜33の内側に位置するカバー膜5には開口5c,5dとは異なる位置でエッチング用開口5eも形成されている。
上方から見て埋込み酸化膜3,33の内側に位置するカバー膜5に設けられたエッチング用開口5eは、シリコン除去部7,37を形成するためのシリコンエッチング処理の際に、カバー膜5に設けられた開口に露出されるシリコン層1bの面積を大きくするためのものである。これにより、図3(5)を参照して説明した上記工程(5)や、図5(3)を参照して説明した上記工程(3)と同様の工程によってシリコンエッチング処理を行なう際にシリコン層1bを除去しやすくなる。
カバー膜5の上に空洞25a,25b,25cを形成するためのカバー基板49が貼り付けられている。図21の平面図ではカバー基板49を図示していない。カバー基板49の下面(カバー膜5側の面)に、空洞25aを形成するための凹部49a、空洞25bを形成するための凹部49b、及び、空洞25cを形成するための凹部49cが形成されている。カバー基板49は本発明のマイクロポンプの隔壁を構成する。図21の平面図では凹部49a,49b,49cは仮想線で示されている。
凹部49aは開口5a,5c上に位置している。凹部49bは第2開口5b上に位置している。凹部49cは第4開口5d上に位置している。
カバー基板49は、吐出口27aを形成するために凹部49cの底部に設けられた貫通孔と、吸入口27bを形成するために凹部49bの底部に設けられた貫通孔を備えている。図21の平面図では吐出口27a及び吸入口27bは仮想線で示されている。
エッチング用開口5eはカバー基板49の下面によって覆われている。したがって、シリコン除去部7,37及び空洞25a,25b,25cに導入された流体がエッチング用開口5eを介して外部に漏れることはない。
カバー基板49の上面(カバー膜5とは反対側の面)に凹部49aの底部のカバー基板49部分を変形させて空洞25aの容積を変化させるための圧電素子29が設けられている。
カバー基板49は例えばガラス基板によって形成されている。ここでカバー基板49の材料は、圧電素子によって基板の一部分を変形させることができる材料であればどのような材料であってもよく、例えば半導体基板であってもよい。
この実施例のマイクロポンプの動作は、図12を参照して説明した動作と同様である。
この実施例のマイクロポンプは、予め加工形成されたカバー基板49をカバー膜5上に貼り付けることによって形成することができるので、隔壁に関して、複雑な半導体装置製造工程を用いることなく、マイクロポンプを製造することができる。
さらに、エッチング用開口5eを備えていることにより、シリコンエッチング処理を行なう際にシリコン層1bを除去しやすくなる。
この実施例よりも前に説明した上記実施例において、上方から見て枠状の埋込み酸化膜の内側にエッチング用開口部を形成することや、マイクロポンプの隔壁を形成するためにカバー基板を用いることを適用できること適用することができる。
また、図21に示したエッチング用開口5eの配置や個数は一例であり、設計に応じて種々の変更が可能である。
また、シリコン除去部7,37の平面形状は四角形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、シリコン除去部を上方から見て1回又は複数回屈曲させて流体を所定の位置に導く流路として用いることも可能である。
また、空洞25bは吸入口27bに接続され、空洞25cは吐出口27aに接続されているが、空洞25b,25cをSOI基板1に設けられた他の構造部、例えばシリコン層1bの一部分が除去されて形成された容器に接続することもできる。
以上、本発明の実施例を説明したが、材料、形状、配置等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
マイクロバルブの一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。 図1に示したマイクロバルブの動作を説明するための断面図であり、(A)はバルブが開いた状態、(B)はバルブが閉じた状態を示す。 図1に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロバルブの他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。 図4に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 隙間形成用シリコン膜の形成領域を説明するための平面図である。 マイクロポンプの一実施例を示す断面図である。 図7に示したマイクロポンプの動作を説明するための断面図であり、(A)は吸引動作の状態、(B)は吐出動作の状態を示す。 図8に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 マイクロポンプの他の実施例を示す断面図である。 マイクロポンプのさらに他の実施例を示す断面図である。 図11に示したマイクロポンプの動作を説明するための断面図であり、(A)は吸引動作の状態、(B)は吐出動作の状態を示す。 マイクロポンプのさらに他の実施例を示す断面図である。 マイクロポンプのさらに他の実施例を示す断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。 マイクロバルブのさらに他の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図である。 図17に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 図17に示したマイクロバルブを形成するための製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 製造方法の実施例の一部分であって他のカバー膜形成工程を説明するための工程断面図である。 マイクロポンプのさらに他の実施例を示す図であり、平面図とその平面図のA−A位置での断面を示している。
符号の説明
1 SOI基板
1a 絶縁層
1b シリコン層
3,35 埋込み酸化膜
5,45 カバー膜
5a,45a 第1開口
5b,45b 第2開口
5c 第3開口
7 第1シリコン除去部
9,39,43 可動膜
9a,39a,43a 可動部分
11 隙間
15 隙間形成用シリコン膜
17 マイクロバルブ
23a,23b,23c,25d 隔壁
25a,25b,25c,25d 空洞
29 圧電素子
37 第2シリコン除去部
41 第2マイクロバルブ
49 カバー基板(隔壁)

Claims (10)

  1. 絶縁層上に形成された半導体層と、
    前記半導体層の一部分が除去されて形成された第1半導体層除去部と、
    前記第1半導体層除去部の底面とは間隔をもって前記第1半導体層除去部を覆って前記半導体層上に形成されたカバー膜と、
    前記カバー膜の前記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第1開口と、
    上方から見て前記第1開口の少なくとも一部分を覆って前記カバー膜上に形成された可動膜と、を備え、
    前記可動膜は前記第1開口上に配置された前記可動膜の可動部分が前記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態に前記カバー膜に固定されており、
    前記可動膜の可動部分が前記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動して前記可動膜と前記カバー膜との間の隙間の大きさが変化することによって前記第1半導体層除去部と前記カバー膜上の空間との間でバルブとして機能するマイクロバルブ。
  2. 前記可動膜は上方から見て前記第1開口を完全に覆っている請求項1に記載のマイクロバルブ。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロバルブと、
    前記カバー膜の前記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に前記第1開口とは異なる位置で形成され、前記可動膜で覆われていない第2開口と、
    前記カバー膜上に形成され、前記第1開口又は前記第2開口のいずれかに連通する空洞を形成するための第1隔壁と、
    前記第1隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えたマイクロポンプ。
  4. 請求項1又は2に記載のマイクロバルブと、
    前記半導体層に前記第1半導体層除去部とは異なる位置で形成された第2半導体層除去部と、
    前記カバー膜が前記第2半導体層除去部の底面とは間隔をもって前記第2半導体層除去部上も覆っており、前記カバー膜の前記第2半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第3開口と、
    前記カバー膜上に形成され、前記第1開口及び前記第3開口の両方に連通する空洞を形成するための第2隔壁と、
    前記第2隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えたマイクロポンプ。
  5. 以下の工程(A)〜(D)をその順に含むマイクロバルブの製造方法。
    (A)絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を前記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程、
    (B)前記半導体層上に、前記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び前記第1開口とは異なる位置で前記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程、
    (C)前記半導体層上及び前記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、前記可動膜を、前記第2開口を覆わず、かつ、前記可動膜の可動部分となる部分の端部が前記第1開口に位置する前記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程、
    (D)前記半導体層を前記絶縁材料に対して選択的にエッチング可能な薬液を用いた等方性エッチング技術によって前記第1半導体層除去部の形成領域の前記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程。
  6. 前記可動膜形成工程(C)で、前記可動膜を、前記可動膜の可動部分が前記第1開口に位置する前記半導体層上に配置され、かつ前記可動膜の可動部分の端部の一部又は全部が前記カバー膜上に配置されるように形成し、前記第1半導体層除去部形成工程(D)の後、以下の工程(E)を含む請求項5に記載のマイクロバルブの製造方法。
    (E)等方性エッチング技術によって前記カバー膜及び前記可動膜の一部分を除去する工程であって、前記カバー膜と前記可動膜の前記可動部分との間に隙間を形成する程度に前記カバー膜及び前記可動膜の一部分を除去する可動部分形成工程。
  7. 前記可動膜形成工程(C)で前記可動膜を前記半導体層及び前記カバー膜に対して選択的にエッチング可能な絶縁材料によって形成し、
    前記可動部分形成工程(E)で等方性エッチング技術によって前記カバー膜の一部分を除去することによって前記隙間を形成する請求項6に記載のマイクロバルブの製造方法。
  8. 前記カバー膜形成工程(B)と前記可動膜形成工程(C)との間に、前記第1開口に位置する前記カバー膜と前記半導体層の境界の一部分又は全部を覆う隙間形成用半導体膜を前記カバー膜上及び前記半導体層上に形成する隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含み、
    前記可動膜形成工程(C)で、前記可動膜を、前記可動膜の可動部分の端部が前記隙間形成用半導体膜上に配置され、かつ前記隙間形成用半導体膜の一部分が露出するように前記カバー膜上及び前記隙間形成用半導体膜上に形成し、
    前記第1半導体層除去部形成工程(D)で前記半導体層を除去するのと同時に前記隙間形成用半導体膜を除去する請求項5に記載のマイクロバルブの製造方法。
  9. 前記可動膜形成工程(C)で前記可動膜を前記半導体層及び前記カバー膜に対して選択的にエッチング可能な材料によって形成する請求項8に記載のマイクロバルブの製造方法。
  10. 前記可動膜形成工程(C)で前記第1開口の全部を覆うように前記可動膜を形成する請求項6から9のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
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