JP2010048177A - マイクロバルブ、マイクロポンプ、及びマイクロバルブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁層1a上に形成されたシリコン層1bと、シリコン層1bの一部分が除去されて形成された第1シリコン除去部7と、第1シリコン除去部7の底面とは間隔をもって第1シリコン除去部7を覆ってシリコン層1b上に形成されたカバー膜5と、カバー膜5の第1シリコン除去部7と対向する部分の一部分に形成された第1開口5aと、上方から見て第1開口5aの少なくとも一部分を覆ってカバー膜5a上に形成された可動膜9を備えている。可動膜9は第1開口5a上に配置された可動膜9の可動部分9aがカバー膜5の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態にカバー膜5に固定されている。可動部分9aが移動して可動膜9とカバー膜5との間の隙間の大きさが変化することによって第1半導体層除去部7とカバー膜5上の空間との間でバルブとして機能する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に、バイモルフ型圧電アクチュエータを設けたポンプ室と、ポンプ室の入り口及び出口にそれぞれ設けられた逆止弁とを備えたマイクロポンプが開示されている。
また、特許文献2には、ポンプ室の側面に互いに向き合って設けられた2つのユニモルフ型圧電アクチュエータと、ポンプ室の入り口及び出口にそれぞれ設けられた逆止弁とを備えたマイクロポンプが開示されている。
ここで、可動膜の可動部分がカバー膜の上面に対して略垂直方向に移動するとの意味は、片持ち状態にカバー膜に固定された可動膜の可動部分は移動可能になっているが、可動部の移動方向は、可動部分の先端が基端部を中心とする円弧上で移動すること、及び、可動部分自体の変形を考慮すると、カバー膜の上面に対して厳密には垂直方向ではないことを意味する。
(A)絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を上記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程、
(B)上記半導体層上に、上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び上記第1開口とは異なる位置で上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程、
(C)上記半導体層上及び上記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、上記可動膜を、上記第2開口を覆わず、かつ、上記可動膜の可動部分となる部分の端部が上記第1開口に位置する上記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程、
(D)半導体層と絶縁材料に対するエッチング選択比の高い薬液を用いた等方性エッチング技術によって上記第1半導体層除去部の形成領域の上記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程。
(E)等方性エッチング技術によって上記カバー膜及び上記可動膜の一部分を除去する工程であって、上記カバー膜と上記可動膜の上記可動部分との間に隙間を形成する程度に上記カバー膜及び上記可動膜の一部分を除去する可動部分形成工程。
本発明にかかるマイクロバルブの製造方法は、絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を上記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程(A)、上記半導体層上に、上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び上記第1開口とは異なる位置で上記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程(B)、上記半導体層上及び上記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、上記可動膜を、上記第2開口を覆わず、かつ、上記可動膜の可動部分となる部分の端部が上記第1開口に位置する上記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程(C)、半導体層と絶縁材料に対するエッチング選択比の高い薬液を用いた等方性エッチング技術によって上記第1半導体層除去部の形成領域の上記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程(D)をその順に含む。
本発明のマイクロバルブ及びマイクロバルブの製造方法では、半導体装置製造技術を用いてマイクロバルブを形成することができるので、極微細なマイクロポンプに適用することができるマイクロバルブを製造することができる。
本発明にかかるマイクロポンプの第2態様では、本発明のマイクロバルブと、上記基板に上記第1半導体層除去部とは異なる位置で形成された第2半導体層除去部と、上記カバー膜が上記第2半導体層除去部の底面とは間隔をもって上記第2半導体層除去部上も覆っており、上記カバー膜の上記第2半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第3開口と、上記カバー膜上に形成され、上記第1開口及び上記第3開口の両方に連通する空洞を形成するための第2隔壁と、上記第2隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えているようにした。
本発明のマイクロポンプによれば、本発明のマイクロバルブを用い、半導体装置製造技術を用いてマイクロポンプを形成することができるので、極微細なマイクロポンプを製造することができる。
シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層(半導体層)1bからなるSOI(silicon on insulator)基板1のシリコン層1bに枠状の埋込み酸化膜(絶縁膜)3が形成されている。シリコン層1bの厚みは特に限定されるものではないが、例えば10nm(ナノメートル)〜100μm(マイクロメートル)、ここでは5μmである。ここで埋込み酸化膜3の材料として他の絶縁材料、例えばシリコン窒化膜を用いてもよい。
このように、このマイクロバルブの実施例は、可動膜9の可動部分9aが第1開口5aの上方側へ移動又は元に戻ることにより、バルブとして機能する。
さらに、隙間11の寸法は、エッチング時間で決定されるのではなく、隙間形成用シリコン膜15の厚みによって決定されるので、隙間11の寸法精度を向上させることができる。
また、可動膜9の材料として、カバー膜5の材料とエッチング選択比が低い材料やカバー膜5と同じ材料を用いることもできる。可動膜9は単層膜であってもよいし、積層膜であってもよい。
シリコン層(図示は省略)、絶縁層1a、シリコン層1bからなるSOI基板1に、埋込み酸化膜3、開口部5a,5bをもつカバー膜5、第1シリコン除去部7及び、可動膜9が形成されてマイクロバルブ17が形成されている。可動膜9の可動部分9a部分とカバー膜5の間には隙間11が形成されている。
隔壁23a(第1隔壁)は第1開口5aに連通する空洞25aを形成している。隔壁23aには貫通孔からなる吐出口27aが形成されている。また、隔壁23aの上面には圧電素子29が形成されている。
隔壁23bは第2開口5bに連通する空洞25bを形成している。隔壁23bには貫通孔からなる吸入口27bが形成されている。
また、隔壁23a,23bをシリコン酸化膜19,21の積層膜によって形成しているが、隔壁の材料及び構造はこれに限定されるものではなく、他の絶縁膜によって形成してもよい。例えば、隔壁をシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜の単層膜によって形成してもよいし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜、2層以上のシリコン窒化膜などによって形成してもよい。
また、圧電素子29はシリコン酸化膜19と21の間に形成してもよい。
隔壁23a(第2隔壁)は第1開口5a及び第3開口5cの両方に連通する空洞25aを形成している。隔壁23aの上面には圧電素子29が形成されている。
隔壁23bは第2開口5bに連通する空洞25bを形成している。隔壁23bには貫通孔からなる吸入口27bが形成されている。
隔壁23cは第4開口5dに連通する空洞25cを形成している。隔壁23cには貫通孔からなる吐出口27aが形成されている。
この実施例では、上方から見て可動膜9の可動部分9aの先端が第1開口5a上に配置されており、可動膜9は開口5aの全部を覆っていない。
この実施例では、上方から見て可動膜9の可動部分9aの両側面が第1開口5a上に配置されており、可動膜9は開口5aの全部を覆っていない。この実施例においても図15に示した実施例と同様にマイクロバルブとして機能する。
図15、図16に示した実施例の構造は、図4に示した実施例と同様の構造にも適用できる。
この実施例では、可動膜9の可動部分9aの端部が第1開口5a上に配置されている。
このように、このマイクロバルブの実施例は、可動膜9の可動部分9aが第1開口5aの上方側へ移動又は第1シリコン除去部7側へ移動することにより、バルブとして機能する。
その後、上記実施例と同様にして可動膜の形成工程以降の工程を行なうことにより、マイクロバルブを形成することができる。
ここではカバー膜45の材料としてシリコン酸化膜を用いたが、他の絶縁材料、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。
カバー基板49は、吐出口27aを形成するために凹部49cの底部に設けられた貫通孔と、吸入口27bを形成するために凹部49bの底部に設けられた貫通孔を備えている。図21の平面図では吐出口27a及び吸入口27bは仮想線で示されている。
この実施例のマイクロポンプは、予め加工形成されたカバー基板49をカバー膜5上に貼り付けることによって形成することができるので、隔壁に関して、複雑な半導体装置製造工程を用いることなく、マイクロポンプを製造することができる。
さらに、エッチング用開口5eを備えていることにより、シリコンエッチング処理を行なう際にシリコン層1bを除去しやすくなる。
また、シリコン除去部7,37の平面形状は四角形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、シリコン除去部を上方から見て1回又は複数回屈曲させて流体を所定の位置に導く流路として用いることも可能である。
1a 絶縁層
1b シリコン層
3,35 埋込み酸化膜
5,45 カバー膜
5a,45a 第1開口
5b,45b 第2開口
5c 第3開口
7 第1シリコン除去部
9,39,43 可動膜
9a,39a,43a 可動部分
11 隙間
15 隙間形成用シリコン膜
17 マイクロバルブ
23a,23b,23c,25d 隔壁
25a,25b,25c,25d 空洞
29 圧電素子
37 第2シリコン除去部
41 第2マイクロバルブ
49 カバー基板(隔壁)
Claims (10)
- 絶縁層上に形成された半導体層と、
前記半導体層の一部分が除去されて形成された第1半導体層除去部と、
前記第1半導体層除去部の底面とは間隔をもって前記第1半導体層除去部を覆って前記半導体層上に形成されたカバー膜と、
前記カバー膜の前記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第1開口と、
上方から見て前記第1開口の少なくとも一部分を覆って前記カバー膜上に形成された可動膜と、を備え、
前記可動膜は前記第1開口上に配置された前記可動膜の可動部分が前記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動できるように片持ち状態に前記カバー膜に固定されており、
前記可動膜の可動部分が前記カバー膜の上面に対して略垂直方向で移動して前記可動膜と前記カバー膜との間の隙間の大きさが変化することによって前記第1半導体層除去部と前記カバー膜上の空間との間でバルブとして機能するマイクロバルブ。 - 前記可動膜は上方から見て前記第1開口を完全に覆っている請求項1に記載のマイクロバルブ。
- 請求項1又は2に記載のマイクロバルブと、
前記カバー膜の前記第1半導体層除去部と対向する部分の一部分に前記第1開口とは異なる位置で形成され、前記可動膜で覆われていない第2開口と、
前記カバー膜上に形成され、前記第1開口又は前記第2開口のいずれかに連通する空洞を形成するための第1隔壁と、
前記第1隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えたマイクロポンプ。 - 請求項1又は2に記載のマイクロバルブと、
前記基板に前記第1半導体層除去部とは異なる位置で形成された第2半導体層除去部と、
前記カバー膜が前記第2半導体層除去部の底面とは間隔をもって前記第2半導体層除去部上も覆っており、前記カバー膜の前記第2半導体層除去部と対向する部分の一部分に形成された第3開口と、
前記カバー膜上に形成され、前記第1開口及び前記第3開口の両方に連通する空洞を形成するための第2隔壁と、
前記第2隔壁の壁面を変形させるための圧電素子と、を備えたマイクロポンプ。 - 以下の工程(A)〜(D)をその順に含むマイクロバルブの製造方法。
(A)絶縁層上に形成された半導体層に第1半導体層除去部の形成領域を画定するための溝を前記絶縁層に到達させて形成し、その溝に絶縁膜を埋め込む第1半導体層除去部形成領域画定工程、
(B)前記半導体層上に、前記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第1開口及び前記第1開口とは異なる位置で前記第1半導体層除去部の形成領域内に配置された第2開口もつカバー膜を絶縁材料によって形成するカバー膜形成工程、
(C)前記半導体層上及び前記カバー膜上に絶縁材料からなる可動膜を形成する工程であって、前記可動膜を、前記第2開口を覆わず、かつ、前記可動膜の可動部分となる部分の端部が前記第1開口に位置する前記半導体層上に配置されるように形成する可動膜形成工程、
(D)半導体層と絶縁材料に対するエッチング選択比の高い薬液を用いた等方性エッチング技術によって前記第1半導体層除去部の形成領域の前記半導体層を除去して第1半導体層除去部を形成する第1半導体層除去部形成工程。 - 前記可動膜形成工程(C)で、前記可動膜を、前記可動膜の可動部分が前記第1開口に位置する前記半導体層上に配置され、かつ前記可動膜の可動部分の端部の一部又は全部が前記カバー膜上に配置されるように形成し、前記第1半導体層除去部形成工程(D)の後、以下の工程(E)を含む請求項5に記載のマイクロバルブの製造方法。
(E)等方性エッチング技術によって前記カバー膜及び前記可動膜の一部分を除去する工程であって、前記カバー膜と前記可動膜の前記可動部分との間に隙間を形成する程度に前記カバー膜及び前記可動膜の一部分を除去する可動部分形成工程。 - 前記可動膜形成工程(C)で前記可動膜を前記半導体層及び前記カバー膜とはエッチング選択比が高い絶縁材料によって形成し、
前記可動部分形成工程(E)で等方性エッチング技術によって前記カバー膜の一部分を除去することによって前記隙間を形成する請求項6に記載のマイクロバルブの製造方法。 - 前記カバー膜形成工程(B)と前記可動膜形成工程(C)との間に、前記第1開口に位置する前記カバー膜と前記半導体層の境界の一部分又は全部を覆う隙間形成用半導体膜を前記カバー膜上及び前記半導体層上に形成する隙間形成用半導体膜形成工程(B1)を含み、
前記可動膜形成工程(C)で、前記可動膜を、前記可動膜の可動部分の端部が前記隙間形成用半導体膜上に配置され、かつ前記隙間形成用半導体膜の一部分が露出するように前記カバー膜上及び前記隙間形成用半導体膜上に形成し、
前記第1半導体層除去部形成工程(D)で前記半導体層を除去するのと同時に前記隙間形成用半導体膜を除去する請求項5に記載のマイクロバルブの製造方法。 - 前記可動膜形成工程(C)で前記可動膜を前記半導体層及び前記カバー膜に対してエッチング選択比が高い材料によって形成する請求項8に記載のマイクロバルブの製造方法。
- 前記可動膜形成工程(C)で前記第1開口の全部を覆うように前記可動膜を形成する請求項6から9のいずれか一項に記載のマイクロバルブの製造方法。
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