JP5426310B2 - 電子部品の実装方法および実装体 - Google Patents
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Description
導電性接着剤を用いた電子部品の実装方法としては、回路基板の電極上にペースト状の導電性接着剤を供給し、その上に電子部品のリード電極を配置する方法が一般的である。
ところが、冷暖を繰り返す環境(冷熱サイクル)下や高温高湿環境下では、金属メッキ中の金属と導電性接着剤に含まれる金属との接触電位差、水分などにより、金属メッキ部分にガルバニック腐食が生じる問題がある。該腐食が生じると、接続抵抗の著しい上昇、接着強度の低下等の問題が生じてしまう。
この問題に対し、特許文献1に記載の方法によれば、冷熱サイクル下における接続抵抗の上昇をある程度抑制できるものの、腐食自体の発生は充分には防止できなかった。また、特許文献2の方法によれば、電子部品のリード電極自体を導電性接着剤で形成する方法や、メッキ処理の施されていないリード電極を、メッキの代わりに導電性接着剤で被覆する方法が開示されている。しかし、一般的に市場に流通されている電子部品の電極は上述のように金属メッキ処理がされており、これらの方法では特定の部品のみにしか適用することができず、汎用性が低く、コストもかかる。
本発明は以下の構成を有する。
[1]金属メッキが施されているリード電極を備える電子部品を、導電性樹脂組成物を用いて回路基板に実装する方法であって、前記リード電極の、回路基板との接続部分の表面全体を導電性樹脂組成物で被覆する工程Aと、前記電子部品のリード電極と回路基板の電極とを導電性樹脂組成物を用いて接続する工程Bと、を有し、前記工程AおよびBでそれぞれ用いられる導電性樹脂組成物のうち、少なくとも前記工程Aで用いられる導電性樹脂組成物が防錆剤を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。
[2]前記防錆剤が、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体と、カルボン酸化合物と、アミン化合物とを含有する[1]に記載の実装方法。
[3]前記導電性樹脂組成物中の前記防錆剤の含有量が、該防錆剤を除く全成分100質量部に対して0.1〜3.0質量部である[1]または[2]に記載の実装方法。
[4]前記金属メッキが、スズを含む金属メッキである[1]〜[3]のいずれか一項に記載の実装方法。
[5]金属メッキが施されているリード電極を備える電子部品が回路基板に実装された実装体であって、前記リード電極の、回路基板との接続部分の表面全体が導電性樹脂材料で被覆されており、前記電子部品のリード電極と回路基板の電極とが導電性樹脂材料を用いて接続されており、少なくとも前記表面全体を被覆している導電性樹脂材料に防錆剤が含まれていることを特徴とする実装体。
また、本発明によれば、冷熱サイクル下においても、金属メッキが施されたリード電極が腐食されず、接続特性の良好な実装体を提供できる。
本発明の電子部品の実装方法は、金属メッキが施されているリード電極を備える電子部品を、導電性樹脂組成物を用いて回路基板に実装する方法であって、以下の工程Aと工程Bとを有し、該工程AおよびBでそれぞれ用いられる導電性樹脂組成物の両方または一方が防錆剤を含むことを特徴とする。
本発明に用いられる電子部品は、金属メッキが施されているリード電極(以下、メッキ電極と略す。)を備えるものであれば特に限定されず、例えば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−leaded)等の表面実装用の電子部品が挙げられる。これらの中でも特にQFPが好ましい。
メッキ電極の金属メッキとしては、特に限定されず、一般的にリード電極に用いられているものであってよい。具体的には、スズ、ニッケル等の金属を含むメッキが挙げられる。これらの中でも、スズを含む金属メッキが好ましい。メッキ電極の金属メッキがスズを含む場合、導電性樹脂組成物中の導電性粒子(特に銀を含む導電性粒子)との接触電位差が大きいことからガルバニック腐食が生じやすいが、本発明によれば、該腐食を効果的に防止できる。
工程Aでは、前記メッキ電極の、回路基板との接続部分の表面全体を導電性樹脂組成物で被覆する。具体的には、希釈した未硬化の導電性樹脂組成物を電極部分に転写することによって被覆すればよい。
被覆方法としては、例えば、希釈した導電性樹脂組成物にメッキ電極をディップ(浸漬)してもいいし、ディスペンスサー等で直接塗布してもよい。これらの中でも、被覆作業性と後述の電極間のショートの懸念を考慮した場合、ディップにより被覆する方法が好ましい。
ここで、「回路基板との接続部分」とは、当該電子部品を回路基板に実装した際に、回路基板面に対して略平行に配置される部分を示す。
図1に、メッキ電極の回路基板との接続部分の表面全体を導電性樹脂組成物で被覆した例を示す。本例は、電子部品として、本体1と複数のメッキ電極2とを備えた電子部品を用いた例である。メッキ電極2は、本体1の側端から底面方向(回路基板4側)に伸び、途中(屈曲部2a)で外向き(本体1とは逆方向)に屈曲した形状を有する。メッキ電極2のうち、屈曲部2aから先端2bまでが「回路基板との接続部分」に該当し、この部分の表面全体が導電性樹脂組成物3で被覆されている。
この接続部分は、工程Bにて、導電性樹脂組成物を介して回路基板4の電極5と接続される。
回路基板の電極上にペースト状の導電性接着剤を供給し、その上に電子部品のリード電極(導電性樹脂組成物により被覆されていないリード電極)を配置する従来の方法では、導電性接着剤の該接続部分のうち、上側表面が露出した状態となるが、この上側表面も含め、接続部分の表面全体を導電性樹脂組成物で被覆することで、冷熱サイクル下においても、金属メッキが施されたリード電極が腐食されず、接続特性の良好となる。
また、メッキ電極2の形状として、屈曲部2aで外向き(本体1とは逆方向)に屈曲した形状を有するものを示したが、その他の形状、たとえば屈曲部2aで内向き(本体1方向)に屈曲した形状のものを用いてもよい。
導電性粒子としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、たとえば銀、銅、スズ、ニッケル、これらのうちの少なくとも1種の主成分とする合金等の金属からなる粒子(以下、金属粒子)、カーボン粒子等が挙げられる。金属粒子としては、銀粒子、銅粒子、銀メッキ銅粒子、ニッケル粒子等が好ましく、導電性の観点から、銀粒子が特に好ましい。これら導電性粒子は、1種でも2種以上を併用してもよい。
導電性粒子の形状としては、たとえば球状、略球形状、フレーク状等が挙げられる。これらの中でも、導電性、安定性の観点から、フレーク状または略球形状のものが好ましい。
バインダー樹脂として具体的には、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。これらバインダー樹脂は、1種でも2種以上を併用してもよい。
該他の成分として、防錆剤が挙げられる。本発明においては、上述したように、工程AおよびBでそれぞれ用いられる導電性樹脂組成物の両方または一方が防錆剤を含むことが必要である。特に、メッキ電極の腐食の抑制効果が高いことから、少なくとも、工程Aで用いる導電性樹脂組成物が防錆剤を含むことが好ましい。この場合、工程Bで用いる導電性樹脂組成物は、防錆剤を含んでもよく、含まなくてもよい。
これらのうち、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体は、主に冷熱サイクル下でのメッキ電極の腐食防止に寄与する。
ただしベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体を単独で配合すると、導電性樹脂組成物のバインダー樹脂と反応し、導電性樹脂組成物を増粘させ、保存安定性を低下させるおそれがある。また、導電性樹脂組成物を熱硬化、熱乾燥等のために加熱した際にバインダー樹脂と反応し、その結果、導電性樹脂組成物中のベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体の割合が減少して、腐食防止効果が充分に得られなくなる場合がある。
そこでカルボン酸化合物を併用することで、上述したような、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体とバインダー樹脂との反応を抑制でき、導電性樹脂組成物の保存安定性や腐食防止効果の低下を防ぐことができる。
しかしカルボン酸化合物を配合すると、導電性樹脂組成物が酸性寄りになり、腐食防止効果が損なわれるおそれがある。
そこでアミン化合物をさらに併用することで、導電性樹脂組成物を中性に調整でき、腐食防止効果が充分に発揮される。
導電性樹脂組成物中のベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体の含有量は、防錆剤を除く全成分100質量部に対して、0.04〜1.0質量部が好ましく、0.05〜0.8質量部がより好ましい。ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体の含有量が上記範囲の下限値未満であると、メッキ電極の腐食が充分に抑制されず、冷熱ヒートサイクル下での抵抗が上昇するおそれがある。一方、該含有量が上記範囲の上限値を超えると、導電性樹脂組成物の粘度が高くなり、均一な分散が困難になると共に、保存安定性が低下するおそれがある。
導電性樹脂組成物中のカルボン酸化合物の含有量は、防錆剤を除く全成分100質量部に対して、0.03〜1.0質量部が好ましく、0.04〜0.8質量部がより好ましい。カルボン酸化合物の含有量が上記範囲の下限値未満であると、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体とバインダー樹脂との反応を抑制しにくくなり、導電性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがある。一方、該含有量が上記範囲の上限値を超えると、導電性樹脂組成物の導電性が悪くなるおそれがある。
導電性樹脂組成物中のアミン化合物の含有量は、防錆剤を除く全成分100質量部に対して、0.03〜1.0質量部が好ましく、0.04〜0.8質量部がより好ましい。アミン化合物の含有量が上記範囲の下限値未満であると、導電性樹脂組成物を中性に調整できず、電極の腐食の発生を抑制しにくくなるおそれがある。一方、該含有量が上記範囲の上限値を超えると、アミン化合物とバインダー樹脂が反応し、導電性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがある。
たとえば前記バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化剤を配合してもよい。硬化剤としては、該熱硬化性樹脂と反応し得るものであればよく、公知の硬化剤のなかから、使用するバインダー樹脂に応じて適宜選択できる。例えばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などが挙げられる。これら硬化剤は、1種でも2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて、適量の有機溶剤を含有することができる。たとえば、後述のメッキ電極の被覆に適した粘度に調整するためでもよいし、導電性樹脂組成物を構成する各成分を均一に混合するためや、原料に元々含まれている有機溶剤に由来するものであってもよい。有機溶剤としては、本発明の属する分野で一般的に用いられる公知の有機溶剤の中から適宜選択し使用できる。
たとえばQFP等の表面実装用の電子部品においては通常、矩形の本体の各辺に複数の端子(リード電極)が設けられており、このような電子部品の端子をディップにより被覆する場合、被覆後、各端子の表面を被覆する導電性樹脂組成物同士が接触しない状態であることが必要である。そのため、工程Aで用いる導電性樹脂組成物の粘度は、被覆後において、各端子の表面を被覆する導電性樹脂組成物同士が接触せず、かつ個々の端子表面を均一に被覆できる程度の粘度であることが好ましい。かかる観点から、この場合の被覆用導電性樹脂組成物の粘度としては、0.01〜200dPa・sが好ましい。該粘度が上記範囲の下限値未満であると、メッキ電極表面に充分に付着せず、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。一方、該粘度が上記範囲の上限値を超えると、部分的に厚く被覆されたり、隣接する端子間で導電性樹脂組成物同士が接触し、回路がショートしてしまうおそれがある。
ディスペンサー等で直接塗布する場合は、塗布後に導電性樹脂組成物が流れないよう、ディップの場合よりも高粘度のものを用いることが好ましい。
工程Bでは、前記メッキ電極と回路基板の電極とを導電性樹脂組成物を用いて接続する。
工程Bで用いる回路基板は、通常、前記メッキ電極を備えた電子部品が実装される回路基板として用いられているものであればよく、公知のプリント配線基板が利用できる。例えば、紙−フェノール基板、ガラス−エポキシ基板、セラミック基板等のリジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。
工程Bで用いる導電性樹脂組成物としては、前記工程Aで挙げた導電性樹脂組成物と同様のものが挙げられる。
工程Bで用いる導電性樹脂組成物は、上述したように、前記防錆剤を含んでもよい。
工程Bにおいて、導電性樹脂組成物としては、工程Aと同じ組成のものを用いてもよく、異なる組成のものを用いてもよく、メッキ電極と回路基板の電極との接続方法等を考慮して適宜設定すればよい。
たとえば後述するように、メッキ電極と回路基板の電極との接続の際、該導電性樹脂組成物を回路基板の電極上に供給し、そこにメッキ電極を配置する場合、工程Bで用いる導電性樹脂組成物としては、回路基板上に供給するのに適したレオロジーを得るために、通常、前記工程Aで説明した、ディップにより被覆する場合の導電性樹脂組成物の粘度よりも高粘度(たとえば200〜15000dPa・s程度)のものが好ましく用いられる。同様の理由から、導電性粒子として球形状または/および略球形状の粒子を含むことが好ましい。また、接着特性、耐熱特性の観点から、バインダー樹脂として、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
具体的には、たとえば回路基板の電極上に導電性樹脂組成物を供給し、該導電性樹脂組成物上に前記メッキ電極を配置する方法が挙げられる。
導電性樹脂組成物の供給方法としては、たとえばメタルマスクを用いたスクリーン印刷等により印刷する方法、ディスペンサー等を用いて塗布する方法などが挙げられる。
配置後、熱風循環乾燥炉、リフロー炉、等で導電性樹脂組成物を硬化し、本発明の実装方法が完了する。
本発明の実装体は、前記メッキ電極を備える電子部品が回路基板に実装された実装体であって、前記メッキ電極の、回路基板との接続部分の表面全体が導電性樹脂材料で被覆されており、該導電性樹脂材料の少なくとも一部に防錆剤を含むことを特徴とする。
該電子部品、回路基板、防錆剤としては、それぞれ、前記本発明の実装方法で挙げたものと同様のものが挙げられる。
導電性樹脂材料としては、前記導電性樹脂組成物、該導電性樹脂組成物に由来する材料等が挙げられる。該材料としては、導電性樹脂組成物に含まれる成分が加熱等により反応して生成した反応生成物が挙げられる。該反応生成物としては、たとえばバインダー樹脂として熱硬化性樹脂を含む場合は、該導電性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。
他の実装方法としては、たとえば、前記工程Aおよび工程Bを逆の順番で行う方法が挙げられる。
具体的には、前記電子部品のメッキ電極と回路基板の電極とを導電性樹脂組成物を用いて接続する工程(以下、工程B’という。)と、前記メッキ電極の、回路基板との接続部分の表面の露出部分を導電性樹脂組成物で被覆する工程(以下、工程A’という。)とを有し、前記工程B’およびA’でそれぞれ用いられる導電性樹脂組成物の両方または一方が防錆剤を含む実装方法が挙げられる。
工程B’は、電子部品として、メッキ電極の、回路基板との接続部分の表面全体が導電性樹脂組成物で被覆されていないものを用いる以外は前記工程Bと同様にして実施できる。
工程B’により回路基板の電極に接続されたメッキ電極は、回路基板との接続部分の表面の一部が露出した状態である。そのため、工程A’にてその露出部分を導電性樹脂組成物で被覆することで、該メッキ電極の、回路基板との接続部分の表面全体が導電性樹脂組成物で被覆された状態となる。
工程A’における被覆方法としては、たとえば該メッキ電極にディスペンサー等で導電性樹脂組成物を直接塗布する方法等が挙げられる。
<製造例1:防錆剤を含む導電性樹脂組成物(1)の調製>
液状エポキシ樹脂12g、フレーク状銀粉と略球形状銀粉の混合粉82g、液状フェノールノボラック樹脂7.0g、イミダゾール系硬化剤1.0g、ベンゾトリアゾール1.0g、オクタン酸0.2gおよびトリエタノールアミン0.3gを3本ロールミルで混練して目的の導電性樹脂組成物(1)を得た。
該導電性樹脂組成物(1)をブルックフィールドHBDV−I(S14ロータ、5rpm、23℃)により測定したところ、工程Aで用いる場合、1.0dPa・s(ジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し粘度を調整した)、工程Bで用いる場合、5000dPa・sであった。
ベンゾトリアゾール、オクタン酸およびトリエタノールアミンを配合しない以外は製造例1と同様にして目的の導電性樹脂組成物(2)を得た。
該導電性樹脂組成物(2)の粘度を、実施例1と同様に測定したところ、1.0dPa・s(ジエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し粘度を調整した)、工程Bで用いる場合5000dPa・sであった。
ポリエステル樹脂(2−ブトキシエチルアセテート31%溶液)96.8g、フレーク状銀粉70g、2−ブトキシエチルアセテート7.2g、ベンゾトリアゾール1.7g、オクタン酸0.34gおよびトリエタノールアミン0.51gを3本ロールミルで混練して目的の導電性樹脂組成物(3)を得た。
上記ポリエステル樹脂は、溶液としての配合量である。
導電性樹脂組成物(3)は一般的にはフレキシブル基板に用いられる。
該導電性樹脂組成物(3)の粘度を、実施例1と同様に測定したところ、150dPa・sであった。
電子部品として、スズメッキされたリード電極(リード電極の材質:銅)を備えたQFP、回路基板として、ガラス−エポキシ基板表面に回路電極(回路電極の材質:銅)が形成されたものを用い、以下の手順で実装体を得た。
まず、電子部品のリード電極を、導電性樹脂組成物(1)中にディップし、図1に示すように被覆した(工程A)。
別途、回路基板の電極上に導電性樹脂組成物(1)をスクリーン印刷により印刷し、そこに前記電子部品のリード電極を配置した後、200℃×10分間加熱硬化させて実装体を得た(工程B)。
工程A、Bで用いる導電性樹脂組成物を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして実装体を得た。
工程Aを行わなかった以外は実施例1と同様にして実装体を得た。
工程A、Bで用いる導電性樹脂組成物を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして実装体を得た。
作製した実装体を、10mAの一定電流を流しながら、−65℃の環境下で30分間放置し、次に常温で5分間放置した後に125℃の環境下で30分間放置し、さらに常温で5分間放置する操作を1サイクルとし、これを2500サイクル行った。この間、一分毎に電圧値を測定した。その結果を図2〜7に示す。図2〜7は、横軸に経過時間(サイクル数)、縦軸に測定電圧(V)をとって作成したグラフである。
また、その結果から、下記評価基準により、冷熱サイクル下における接続特性を評価した。その結果を表2に示す。
[評価基準]
○:2500サイクル実施後の電圧値の、初期電圧値からの変化率が+100%以内。
×:2500サイクル実施後の電圧値の、初期電圧値からの変化率が+100%越。
前記冷熱サイクル試験後(2500サイクル実施後)の実装体を割断し、リード電極と回路基板との接続部分の断面写真をSEM(走査電子顕微鏡、日本電子社製「JSM−6360LV」、倍率200倍(比較例1のみ100倍))にて撮影した。撮影した断面写真を図8に示す。
また、該断面写真から、下記評価基準により、外観を評価した。その結果を表2に示す。
[評価基準]
○:メッキ部分の腐食およびメッキと導電性樹脂組成物との界面に空隙がない。
△:メッキ部分の腐食が若干みられるがメッキと導電性樹脂組成物との界面に空隙がなく接続が取れている。
×:メッキ部分は腐食しておりメッキと導電性樹脂組成物との界面に空隙がある。
一方、工程Aを行わなかった比較例1、工程A、Bともに防錆剤を含まない導電性樹脂組成物を用いた比較例2は、100〜500サイクル程度の冷熱サイクルでリード電極の腐食が生じ、測定電圧が大幅に増大していた。
Claims (5)
- 金属メッキが施されているリード電極を備える電子部品を、導電性樹脂組成物を用いて回路基板に実装する方法であって、
前記リード電極の、回路基板との接続部分の表面全体を導電性樹脂組成物で被覆する工程Aと、前記電子部品のリード電極と回路基板の電極とを導電性樹脂組成物を用いて接続する工程Bと、を有し、
前記工程AおよびBでそれぞれ用いられる導電性樹脂組成物のうち、少なくとも前記工程Aで用いられる導電性樹脂組成物が防錆剤を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。 - 前記防錆剤が、ベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体と、カルボン酸化合物と、アミン化合物とを含有する請求項1に記載の実装方法。
- 前記導電性樹脂組成物中の前記防錆剤の含有量が、該防錆剤を除く全成分100質量部に対して0.1〜3.0質量部である請求項1または2に記載の実装方法。
- 前記金属メッキが、スズを含む金属メッキである請求項1〜3のいずれか一項に記載の実装方法。
- 金属メッキが施されているリード電極を備える電子部品が回路基板に実装された実装体であって、
前記リード電極の、回路基板との接続部分の表面全体が導電性樹脂材料で被覆されており、前記電子部品のリード電極と回路基板の電極とが導電性樹脂材料を用いて接続されており、
少なくとも前記表面全体を被覆している導電性樹脂材料に防錆剤が含まれていることを特徴とする実装体。
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