JP2019141878A - はんだペーストおよび実装構造体 - Google Patents

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直倫 大橋
康寛 鈴木
Yasuhiro Suzuki
康寛 鈴木
行壮 松野
Koso Matsuno
行壮 松野
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Abstract

【課題】導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線のような、溶融したはんだが濡れ難い配線への初期接合性が優れたはんだペーストを提供する。【解決手段】はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分を含むはんだペーストであって、前記はんだペーストにおける前記熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、前記はんだ粒子の融点よりも25℃以上低い、はんだペースト。【選択図】図1

Description

本発明は、はんだペーストおよびこれを用いて基材上の配線に電子部品が実装されている実装構造体に関する。
エレクトロニクス分野において、電子機器を衣服と一体化したり、肌に貼り付けたりして使用する、電子機器のウエアラブル化の研究開発および実用化が進んでいる。このようなウエアラブルデバイスは、柔軟性が要求される。その場合、回路基板を構成する基材や配線材についても柔軟な素材を使用する必要性が高まってきている。
特に、配線材(配線を形成する材料)およびそれにより形成される配線は、従来の金属配線回路では柔軟性がないものが多いため、柔軟な配線材および配線が開発されてきている。例えば、伸縮性を有する配線として、ポリウレタンなどの柔軟性を有する樹脂の分散液と導電性粒子とから構成される導電性ペーストを乾燥させて形成されたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。導電性粒子として、長軸が3μm以下、アスペクト比が10〜200の範囲内の微細な長尺粒子などが用いられると、導電性の高い配線材が得られるとされている。またこのような配線材には主としてポリウレタンなどの柔軟性樹脂が含まれるため、当該柔軟性樹脂が配線に柔軟性を付与しているものと考えられる。
このような導電性粒子および柔軟性樹脂から構成される配線と、電子部品の電極とを電気的に導通させる方法としては、概ね、次の2つの方法が考えられる。1つは、導電性粒子、樹脂および溶剤などから構成される導電性ペーストを用いて、配線に含まれる導電性粒子と電子部品の電極とを導電性ペーストの導電性粒子(実装時に溶融しない)を接触させて導通させる方法である。もう1つは、はんだ粒子と樹脂(フラックス成分)とから構成される従来のはんだペーストを用いて、配線に含まれる導電性粒子と電子部品の電極とを溶融したはんだによって双方へ濡れ拡がらせてはんだ接合することによって導通させる方法である。
特開2012−54192号公報
しかしながら、導電性粒子、樹脂および溶剤などから構成される導電性ペーストを用いて、配線に含まれる導電性粒子と電子部品の電極とを導通させる方法では、導電性ペーストの導電性粒子との接触により導通させるため、機械強度および温度サイクルなどの疲労試験に対する信頼性が懸念される。他方、はんだ粒子と樹脂(フラックス成分)とから構成されるはんだペーストを用いて、配線に含まれる導電性粒子と電子部品の電極とを導通させる方法では、溶融したはんだが、配線へ十分に濡れずに接合不良となり得ることを、本発明者らは見出した。本発明者らの知見によれば、かかる接合不良は、特に、配線に柔軟性を発揮させる柔軟性樹脂の配合割合が多い場合に顕著であり、配線の表面が柔軟性樹脂で被覆されている割合が高いことに起因するものであると考えられる。
本発明は、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線のような、溶融したはんだが濡れ難い配線への初期接合性が優れたはんだペーストおよびそれを用いて電子部品を実装した実装構造体を提供することを目的とする。
本発明の第1の要旨によれば、はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分を含むはんだペーストであって、前記はんだペーストにおける前記熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、前記はんだ粒子の融点よりも25℃以上低いはんだペーストが提供される。
本発明のはんだペーストは、はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分を含み、当該はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、はんだ粒子の融点よりも25℃以上低くなっている。そのため、本発明のはんだペーストを用いて、例えば基材上の配線に電子部品(より詳細には電子部品の電極、以下も同様)をはんだ付けする場合、本発明はいかなる理論によっても拘束されないが、次のように考えられる。まず、昇温により、はんだペースト中に含まれる熱硬化性樹脂が、未だ溶融していない複数のはんだ粒子を内部に分散させた連続相の形態のままで、硬化を開始して、配線と電子部品の電極との間を接着により固定する。その後、更なる昇温によりはんだ粒子の融点に達すると、はんだ粒子が溶融する。このとき、熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部により、複数のはんだ粒子において溶融したはんだが互いに結合して1つの球状になることを妨げることができ、複数のはんだ粒子において溶融したはんだは、熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部中で互いに部分的に結合して、はんだからなる導電部を形成し得る。この結果、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線のような、溶融したはんだが濡れ難い配線に対しても、電子部品を、かかる導電部を介した金属接合により効果的に接合することができ、優れた初期接合性を達成することができる。
本発明の1つの態様において、該はんだペーストは、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線に対して電子部品を金属接合させるために使用され得る。
本発明の上記態様において、前記導電性粒子が、Ag、Cu、Ni、AuおよびSnからなる群から選択される1以上の金属を含み得る。
本発明の上記態様において、前記柔軟性樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂およびポリビニルブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含み得る。
本発明の1つの態様において、前記はんだ粒子が、Sn−Bi系の合金組成を有し得る。
本発明の1つの態様において、前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含み得る。
本発明の1つの態様において、前記硬化剤が、イミダゾール系化合物を含み得る。
本発明のもう1つの要旨によれば、前記はんだペーストを用いて、基材上の配線に電子部品が実装されている実装構造体が提供される。
本発明の1つの態様において、前記実装構造体は、前記はんだペーストから形成された、前記電子部品と前記配線とを金属接合する接合部を含み、該接合部は、前記熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部と、前記連続相部中に存在するはんだからなる導電部とを含み得る。
本発明によれば、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線のような、溶融したはんだが濡れ難い配線への初期接合性が優れたはんだペーストおよびそれを用いて電子部品を実装した実装構造体が提供される。
本発明の1つの実施形態におけるはんだペーストを用いて基板の配線に電子部品が実装されている実装構造体の概略断面図である。 従来のはんだペーストを用いて基板の配線に電子部品が実装されている実装構造体の概略断面図である。
以下、本発明の1つの実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
<はんだペースト>
本実施形態におけるはんだペーストは、はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分を含み、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、はんだ粒子の融点よりも25℃以上低くなっている。はんだペーストは、必要に応じてその他の成分をさらに含んでもよい。はんだペーストの組成について、以下、各々詳細に説明する。
(はんだ粒子)
本実施形態におけるはんだ粒子は、はんだ合金から実質的に構成される粒子であり、場合により表面に酸化膜等が存在していてもよい。はんだ合金の合金組成としては、特に限定されないが、例えば、Sn系の合金組成を用いることができる。はんだ粒子は、単一種のSn系の合金組成を有するはんだ粒子であっても、または互いに異なるSn系の合金組成を有するはんだ粒子の2種以上の混合物であってもよい。Sn系の合金組成は、例えば、Sn−Bi系、Sn−In系、Sn−Bi−In系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系、Sn−Cu−Bi系、Sn−Ag−Cu−Bi系、Sn−Ag−In系、Sn−Cu−In系、Sn−Ag−Cu−In系およびSn−Ag−Cu−Bi−In系からなる群から選ばれる少なくとも1つの合金組成であってよい。より具体的には、Sn系の合金組成は、好ましくは、Sn−Bi系の42Sn−58Bi、42Sn−57Bi−1.0Ag、16Sn−56Bi−28Inなどであってよい。しかし、合金組成は、主にはんだ付けされるべき被接合部材(本実施形態では配線および電子部品)の耐熱性を勘案して適宜選択され得る。
本明細書におけるはんだ粒子の合金組成は、はんだ粒子に含まれる元素の元素記号をハイフンで結んで表記している。本明細書中、はんだ粒子の合金組成を説明するのに、金属元素の直前に数値または数値範囲を示すことがあるが、これは、当該技術分野において一般的に使用されているように、合金組成中に占める各元素の質量%(=重量%)を数値または数値範囲で示すものである。はんだ粒子は、列挙した元素で実質的に構成されている限り、不可避的に混入する微量金属であって、例えばNi、Zn、Sb、Cuなどである金属を含んでいてもよい。
はんだ粒子の融点は、はんだ粒子の試料の加熱昇温過程での状態変化を観察したときの、融け始めと理解されるときの温度を意味し、示差走査熱量計(DSC)、TG−DTAなどを使用して測定することができる。
はんだ粒子の平均粒径は、例えば10μm〜35μm、特に15μm〜30μm、より特に20μm〜25μmの範囲以内にある。本明細書において平均粒径とは、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒径(D50)である。かかる平均粒径は、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置または電子走査顕微鏡を用いて測定することができる。
本実施形態におけるはんだペーストの全質量に対するはんだ粒子の含有量は、40重量%〜95重量%、より好ましくは50重量%〜90重量%、さらに好ましくは60重量%〜82重量%の範囲以内にある。含有量がこのような範囲にあることにより、接合部の高い接続信頼性を実現することができる。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態における熱硬化性樹脂としては、所定の官能基を構造内に有し、加熱による硬化が可能である樹脂をいう。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、またはオキセタン樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、はんだペーストの硬化物の物性向上を考慮すると、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。より好ましくは、エポキシ樹脂は、はんだ粒子などの他の成分を容易に分散させることができるよう、常温で液状である。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミノプロパン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、またはノボラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。
本実施形態のはんだペーストに含まれる熱硬化性樹脂の種類およびその含有量は、はんだ粒子の合金組成、ペーストに含まれる後述する硬化剤の種類およびその含有量、ならびに他の添加剤などの要素に応じて、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点よりも25℃以上低くなるように、適宜選択および調整され得る。
1例を挙げると、はんだ粒子がSn−Bi系の合金組成を有し、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用い、硬化剤としてイミダゾール系化合物を用いる場合、はんだペーストの全質量に対する熱硬化性樹脂の含有量を、例えば5重量%〜30重量%、特に10重量%〜25重量%、より特に12重量%〜20重量%の範囲以内にすることによって、接合部の接続信頼性をも向上させることができる。
(硬化剤)
本実施形態における硬化剤としては、使用する熱硬化性樹脂に応じて、一般的な硬化剤を使用することができる。例えば、イミダゾール系化合物、チオール系化合物、変性アミン系化合物、多官能フェノール系化合物および酸無水物系化合物からなる群から選ばれる化合物を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤は、はんだペーストの使用条件下および用途などに応じて、適宜好適なものが選択される。特に、本実施形態におけるはんだペーストでは、低温硬化用途が重要となるため、イミダゾール系化合物が好ましい。イミダゾール系化合物としては、例えば、2MZ、C11Z、2PZ、2E4MZ、2P4MZ、1B2MZ、1B2PZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、2PZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CNS、C11Z−CNS、2MZ−A、C11Z−A、2E4MZ−A、2P4MHZ、2PHZ、2MA−OK、2PZ−OK(いずれも四国化成工業株式会社製)などの市販品や、これらのイミダゾール系化合物をエポキシ樹脂と付加させた化合物を使用することができるが、これらに限定されない。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質などで被覆してマイクロカプセル化したものを用いることもできる。
本実施形態のはんだペーストに含まれる硬化剤の種類およびその含有量は、はんだ粒子の合金組成、ペーストに含まれる前述した熱硬化性樹脂の種類およびその含有量、ならびに他の添加剤などの要素に応じて、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点よりも25℃以上低くなるように、適宜選択および調整され得る。さらに、硬化剤の含有量は、従来技術に基づき、熱硬化性樹脂の官能基当量に応じても適宜調整され得る。
(活性剤成分)
本実施形態における活性剤成分は、金属酸化膜を除去する機能を有する限り任意の適切なものであり得、種類は限定されない。例えば、はんだペーストを加熱する温度域において、被接合部材である電子部品の電極、配線(より詳細には後述する導電性粒子)および/またははんだ粒子表面に存在し得る酸化膜を除去する還元力を有する有機酸、アミンのハロゲン塩、またはアミン有機酸塩などが用いられ得る。有機酸としては、例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸もしくはステアリン酸、不飽和脂肪族モノカルボン酸であるクロトン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸であるシュウ酸、L(−)−リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸もしくはセバシン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸であるマレイン酸もしくはフマル酸、芳香族系カルボン酸であるフタルアルデヒド酸、フェニル酪酸、フェノキシ酢酸もしくはフェニルプロピオン酸、エーテル系ジカルボン酸であるジグリコール酸、その他の有機酸であるアビエチン酸、または、アスコルビン酸などが挙げられる。アミンのハロゲン塩としては、例えば、アミン塩酸塩であるエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩もしくはグルタミン酸塩酸塩、または、アミン臭化水素酸塩であるジエチルアミン臭化水素酸塩もしくはシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩などが挙げられる。これらの成分は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの成分、特に好ましくは有機酸をはんだペーストに含ませることで、優れたフラックス作用、すなわち、はんだペーストが塗布される金属表面に生じた酸化皮膜を除去するという還元作用、および、溶融はんだの表面張力を低下させて、はんだの接合金属表面への濡れ性を促進する作用を発揮させることができる。また、有機酸の中でも、グルタル酸またはアジピン酸は、フラックス作用に優れ、化合物としての安定性が高いため、より好ましい。活性剤成分の含有量は、従来技術に基づき、熱硬化性樹脂の官能基当量に応じて適宜調整され得る。
(その他の成分)
本実施形態のはんだペーストは、必要に応じて改質剤または添加剤などの他の成分をさらに含んでいてもよい。例えば、はんだペーストの配線上への印刷形状を保持するために、粘度調整剤またはチクソ性付与剤として、無機系または有機系の添加剤を使用することができる。例えば、無機系であれば、シリカまたはアルミナなどを用いることができる。有機系であれば、固形のエポキシ樹脂、低分子量のアマイド、ポリエステル類、またはヒマシ油の有機誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本実施形態のはんだペーストは、硬化剤に加えて、硬化促進剤をも含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、3級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7や1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5などの環状アミン類およびそれらのテトラフェニルボレート塩、トリブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類、トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートやテトラ(n−ブチル)ホスホニウムテトラフェニルボレートなどの4級ホスホニウム塩、Feアセチルアセトナートなどの金属錯体およびそれらのアダクト化合物を用いることができる。
本実施形態におけるはんだペーストは、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度(Tp)が、はんだ粒子の融点(MP)よりも25℃以上低い。当該ピーク温度をはんだ粒子の融点から差し引いた値(ΔT=MP−Tp)は、25℃以上、例えば27℃、29℃または30℃以上で、かつ、60℃以下、特に50℃以下、より特に40℃以下、更に36℃以下であり得る。
ここで、本明細書において、「はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度」とは、はんだペーストの試料の加熱昇温過程での状態変化を観察したときの、硬化反応のピーク(発熱ピーク)と理解されるときの温度を意味し、示差走査熱量計(DSC)を用いて、具体的には、窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分の条件下で測定される。
本実施形態におけるはんだペーストは、まず、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分、ならびに必要に応じて含まれる他の成分を秤量し混合して、フラックスを作成し、次いで、そのフラックスに前述したはんだ粒子を添加して混合/混練することによって調製することができる。あるいは、本実施形態におけるはんだペーストは、はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分、ならびに必要に応じて含まれる他の成分を秤量してこれを一度に、または任意の適切な順序で混合/混練することによって調製することもできる。
本実施形態のはんだペーストは、ペースト中の硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点よりも25℃以上低くなっており、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線のような、溶融したはんだが濡れ難い配線に対して電子部品を金属接合させるために好適に用いられ得、初期接合性が優れ、かつ疲労試験に対する信頼性が高い接合部を実現することができる。
<はんだペーストを用いて電子部品が実装された実装構造体>
本実施形態の実装構造体は、上述したはんだペーストを用いて、基材上の配線に電子部品が実装されてなるものである。
より詳細には、図1に示すように、本実施形態の実装構造体10は、電子部品1(図示する態様ではチップ部品であり、より詳細には図中にハッチングで示した電極)と基材3上の配線2(より詳細にはその電極領域)とを金属接合する接合部6を含む。この接合部6は、上述したはんだペーストから形成されたものであって、熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部4と、連続相部4中に存在するはんだからなる導電部5とを含むものである。
次に、本実施形態の実装構造体10を作製(または製造)する具体的な方法の1例を示す。
まず、導電性粒子と柔軟性樹脂(または柔軟性樹脂分散液)とを含む配線材(配線2を形成し得る材料または混合物)を基材3上に所定のパターンで塗布して乾燥させて、配線2を形成しておく。
導電性粒子は、例えばAg、Cu、Ni、AuまたはSnなどの金属を含んでおり、導電特性を有する粒子であればよい。例えば、Ag、Cu、Ni、AuまたはSn単体の金属微粉末、またはAg、Cu、Ni、AuおよびSnからなる群から選択される1以上の金属の合金および複合体などの金属微粉末などが挙げられる。また、樹脂などの有機物または金属以外の無機物をコアとして、前述の金属の成分をコーティングしたものでもよい。導電性粒子の形状は、球状、針状(楕円球状)、フレーク(鱗片)状、不定形状などが挙げられ、特に限定されない。導電性粒子の大きさは、その形状が球状のものである場合、好ましくは平均粒径が0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5〜5μmである。導電性粒子の形状が細長いものである場合、好ましくはその長軸は3μm以下であり、アスペクト比が10〜200の範囲内の微細な長尺粒子である。また、導電性粒子(例えば、金属微粉末)は、粒子同士が密着するのを防ぐために高級脂肪酸や天然高分子化合物などの分散剤でコーティングされていてもよい。
ここで、柔軟性樹脂とは、必要に応じて溶媒に分散させ、導電性粒子と混合することによって、柔軟性(または可撓性)を有する配線2を形成させることが可能となる樹脂のことをいう。柔軟性(または可撓性)を有する配線2とは、配線2をその下の基材3とともに湾曲させたときにおいても、配線2の導電性が実質的に損なわれないものを意味する。例えば、前述した特許文献1に記されているような柔軟性樹脂を使用できる。柔軟性樹脂としては、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂またはポリビニルブチラール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、このような配線材には、Ag粒子などの金属粒子と柔軟性樹脂分散液とから構成される市販の製品、例えば後述の実施例で用いているセメダイン社製のSX−ECA48などをそのまま使用してもよい。
上述したはんだペーストは、柔軟性樹脂の配合割合が特に多い配線2(または配線材)に対して適用されることによって、はんだが十分に濡れずに接合不良となるという問題をより効果的に解消させることができるため、好適に効果を発揮することができる。
基材3は、配線2が形成可能であり、電子部品1が実装可能な基板として機能するものならば、どのようなものを用いても構わない。例えば、基材3としては、紙、布(例えば、綿布、ポリエステル布)、樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル、ポリビニルブチラール)などからなるものが挙げられる。これは、前述したように、上述したはんだペーストが柔軟性を有する配線2において適用されることによって、より好適に効果を発揮し、そのような配線2などは特に衣服や肌に貼り付けて使用するようなウエアラブルデバイスとしての利用が想定されるためである。
配線材を基材3上へ塗布する方法は、従来公知の任意の方法を用いればよく、特に限定されない。例えば、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スタンピング、ディスペンス、スキ−ジ印刷、シルクスクリ−ン印刷、噴霧、刷毛塗り、またはコーティングなどが挙げられる。配線材を乾燥する方法も、従来公知の任意の方法を用いればよく、特に限定されない。例えば、塗布された基材3を、非酸化性雰囲気下、大気下、真空雰囲気下、酸素もしくは混合ガス雰囲気下、または気流中などの雰囲気下などで、20℃〜100℃で、0.2〜50時間において、加熱などを行って乾燥させればよい。
電子部品1は、表面実装(SMT(Surface mount technology))用の部品であり得る。かかる電子部品1としては、例えばチップ部品、半導体部品などが挙げられる。チップ部品は、例えばチップ抵抗部品、コンデンサなどであってよい。
次に、基材3上の配線2の所定領域、すなわち、電子部品1の電極が接合されるべき電極領域(「ランド」とも呼ばれ得る)に、上述したはんだペーストを塗布する。はんだペーストの塗布は、例えば、スクリーン印刷などの方法において、上記電極領域に対応する位置に貫通孔を設けたメタルマスクを、配線2が形成された基材3に重ねた後、メタルマスクの表面にはんだペーストを供給し、スキージで貫通孔に充填することによって行うことができる。その後、メタルマスクを離すと、上記電極領域ごとにはんだペーストが塗布された配線2を備える基材3を得ることができる。
その後、はんだペーストが未硬化状態のうちに、電子部品1の電極(例えば端子)と配線2の電極領域とが、はんだペーストを介して対向するように、例えばチップマウンターなどを用いて、電子部品1を基材3上の配線2上に配置する。
この状態で、電子部品1が配線2上に配置された基材3を、例えばリフロー炉内で所定の温度プロファイルに従って、はんだペースト中のはんだ粒子の融点以上に加熱してはんだ付けする。はんだペーストにおいては、熱硬化性樹脂の連続相に、はんだ粒子、硬化剤および活性剤成分(ならびに存在する場合には他の成分)が分散しているものと理解される。前述したように、本実施形態で用いるはんだペーストは、熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点よりも25℃以上低いことを特徴としている。そのため、このはんだ付け工程において、加熱により周囲温度(リフロー炉内の温度)が上昇して、まず、熱硬化性樹脂の硬化開始温度に達した段階で、はんだペースト中に含まれる熱硬化性樹脂が、はんだ粒子を内部に分散させた連続相の形態のままで、硬化反応を開始し、次いで、硬化反応のピーク温度に達し、熱硬化性樹脂の硬化が進むとともに、樹脂の粘度が徐々に上昇する。さらに、熱硬化性樹脂と配線2との接着力および熱硬化性樹脂と電子部品1との接着力も増していき、配線2と電子部品1とが固定される。硬化反応のピーク温度ははんだ粒子の融点より25℃以上低く、この温度では、はんだ粒子は未だ溶融していない。その後、周囲温度が更に上昇してはんだ粒子の融点に達した段階で、はんだ粒子が溶融する。この段階では、はんだ粒子の周囲の熱可塑性樹脂の硬化が十分に進みその粘度が高くなっており、熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部4が形成され(このとき、熱硬化性樹脂の硬化は終了していても、終了していなくてもよい)、かかる連続相部4により、複数のはんだ粒子において溶融したはんだが互いに結合して1つの球状に溶け合う(濡れ合う)ことを妨げることができ、複数のはんだ粒子において溶融したはんだは、上記連続相部4中で互いに部分的に結合して溶け合う状態となり、概ね、元の複数のはんだ粒子の輪郭に従った形状となり得、配線2との接合面および電子部品1(より詳細には電極)との接合面においては、一部はんだが濡れ拡がり得る(以下、粒状はんだとも言うが、本実施形態はこれに限定されない)。本実施形態において、配線2は、導電性粒子(例えばAg粒子)および柔軟性樹脂を含む配線材から形成され、配線2の表面が柔軟性樹脂で被覆されている割合が高い。しかし、本実施形態によれば、上記連続相部4により、複数のはんだ粒子において溶融したはんだが互いに結合して1つの球状に溶け合う(濡れ合う)ことを妨げることができ、配線2との接合面においては、配線2の表面で露出している導電性粒子に対して濡れ得る。その後、周囲温度が低下すると(このとき、熱硬化性樹脂の硬化は終了している)、溶融したはんだがかかる形状(粒状はんだの塊)で固化して、導電部5が形成される。この導電部5ははんだ(金属)から成り、電子部品1の電極(金属)と接合され、かつ、配線2の導電性粒子(金属)と接合され、これにより、電子部品1と配線2とが導電部5を介して金属接合される。
この結果、本実施形態の実装構造体10によれば、初期接合性が優れ、かつ疲労試験に対する信頼性が高い接合部6で、配線2と電子部品1とを電気的に導通させることができる。
これに対して、はんだ粒子と樹脂(フラックス成分)とから構成される従来のはんだペーストを用いて同様にはんだ付けを行った場合、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線に対して、図2に示すように、電子部品21を適切に金属接合することができない。図2は、従来のはんだペーストを用いて基材23の配線22に電子部品21が実装された実装構造体の概略断面図である。図2では、球状はんだ25が基材23上の配線22と電子部品21(チップ部品)とを接合しているが、球状はんだ25では、電子部品21を配線22に適切に金属接合できず、初期接合性が悪く、疲労試験に対する信頼性が低い(図2で中、硬化後の樹脂部分は示さず)。従来のはんだペーストを用いてはんだ付けする場合、はんだペーストに含まれる樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点より高いため、加熱により周囲温度(リフロー炉内の温度)が上昇すると、まず、はんだ粒子が溶融する。この段階では、はんだ粒子の周囲に存在し得る樹脂は、未だ粘度が低く(硬化反応が十分進行しておらず)、複数のはんだ粒子において溶融したはんだが互いに結合して1つの球状に溶け合う(濡れ合う)。しかし、導電性粒子と柔軟性樹脂とから構成される配線22の表面は、前述したとおり、柔軟性樹脂で被覆されている割合が高く、溶融したはんだが濡れにくいため、はんだ粒子の溶融時に溶融はんだが1つの球状となり、配線22と金属接合を形成できず、はじかれている状態となる。この結果、図2に示すような球状はんだ25が形成されると考えられる。
本発明に係るはんだペーストを用いて電子部品、具体的にはチップ抵抗部品が基板上の配線に接合された実装構造体の初期接合性を評価した。以下に、実施例および比較例を示す。下記の本発明の実施例および比較例の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。
<はんだペーストの材料およびその調製>
はんだ粒子は、はんだ合金組成42Sn−58Biを有する球形粒子を用いた。このはんだ粒子の平均粒径は25μmであり、融点(MP)は139℃であった。
熱硬化性樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である三菱化学社製の806を用いた。さらに、はんだ粒子の金属酸化膜除去のための活性剤成分(有機酸)としてグルタル酸を用い、粘度調整剤としてヒマシ油系チクソ剤であるエレメンティス・ジャパン社製のTHIXCIN Rも用いた。
硬化剤については、実施例1〜4および比較例1〜4の各々について、イミダゾール系硬化剤である、2P4MZ、2E4MZ、2PZ、2MZ−CN、2PZ−OK、2MA−OK、2P4MHZまたは2PHZ(いずれも四国化成工業社製)の各々を用いた(下記に示す表1参照)。
まず、後に添加するはんだ粒子の粉末100重量部に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂15重量部に、ヒマシ油系チクソ剤を0.1重量部添加して、140℃で加熱撹拌することで、ヒマシ油系チクソ剤を溶解させた。その後、室温まで放冷した。そこへ、実施例1〜4および比較例1〜4について各々のイミダゾール系硬化剤を1.4重量部、グルタル酸を5重量部添加し、真空プラネタリーミキサーで10分間混練して、エポキシ樹脂中に均一に分散させて、樹脂混合物を得た。この樹脂混合物中に、さらに、はんだ粒子の粉末100重量部を添加して、真空プラネタリーミキサーで30分間混練することで実施例1〜4および比較例1〜4について各々のはんだペーストを得た。
<評価用実装構造体の作製>
上記のとおりに調製した実施例1〜4および比較例1〜4についての各々のはんだペーストを用いて、配線材を用いて配線を形成した基材上にチップ抵抗部品を実装して、実装構造体を作製した。以下、詳細に説明する。
配線材は、Ag粒子と柔軟性樹脂分散液とから構成されるセメダイン社製のSX−ECA48を使用した。基材である0.1mm厚のPETフィルム上に配線材を50μm厚のメタルマスクを用いて、3216サイズ(3.2mm×1.6mmサイズ)のチップ抵抗部品の電極サイズ(1.8mm×0.9mm)に対応する電極領域と、該電極領域から抵抗値測定用に引き出した幅0.3mmおよび長さ10mmの引き出し領域とを印刷した。配線材を印刷した箇所を85℃で30分加熱することで、配線の形成を完了させた。
次に、実施例1〜4および比較例1〜4の各々のはんだペーストを、上記の通り配線を形成した基板に対して、配線の電極領域の上に、上記チップ抵抗部品の電極の配線サイズに合わせて、厚み0.1mmのメタルマスクを介して印刷した。そして、その上に、3216サイズのチップ抵抗部品をマウントし、リフロー炉に160℃で6分間の加熱条件で通炉させることにより、チップ抵抗部品の接合を完了させ、実施例1〜4および比較例1〜4の各々の評価用実装構造体を作製した。
<評価>
上述した実施例1〜4および比較例1〜4の評価用実装構造体の初期接合性の評価を、抵抗値測定によって行った。接合部部分の抵抗値が、3Ω未満のものを○(合格)、3Ω以上のものを×(不合格)として判定した。上述したとおり、実施例1〜4および比較例1〜4の各々のはんだペーストおよび評価用実装構造体について、硬化剤以外の成分の種類および全ての成分の配合量は同一であり、作製方法なども同様である。
はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度(Tp)は、実施例1〜4および比較例1〜4のために各々調整したはんだペーストの試料を、示差走査熱量計(DSC)を用いて、発熱ピークを示すときの温度として求めた値である。測定は窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分の条件で行った。使用したはんだ粒子の融点(MP=139℃)から、熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度(Tp)を差し引いた値(ΔT=MP−Tp)を求めた。
これらの結果を以下の表1に示す。
Figure 2019141878
上記の実施例および比較例の結果について考察する。
実施例1〜4の表1の結果から分かるとおり、はんだペーストに含まれる各々の硬化剤による熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度(Tp)が、はんだ粒子の融点(MP)より25℃以上低い場合(ΔTが25℃以上である場合)、3216サイズのチップ抵抗部品の接合部部分の抵抗値が低くなっており、十分な金属接合を形成している。すなわち、はんだ粒子の状態としては、1つの球状となっておらず、数個のはんだ粒子に由来するはんだが溶け合って繋がっているような状態(粒状はんだの塊)となっていると推測される。
一方、比較例1〜4の表1の結果から分かるとおり、はんだペーストに含まれる各々の硬化剤による熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、はんだ粒子の融点マイナス20℃以上、特に、はんだ粒子の融点マイナス10℃以上(比較例2〜4)である場合、3216サイズのチップ抵抗部品の接合部部分の抵抗値が非常に高くなっていた。これは、複数のはんだ粒子が溶融し、1つの球状となっているためと推測される。
実施例1〜4では、はんだが溶融した時点において、熱硬化性樹脂の硬化は既に始まっており硬化ピークも経ているため、樹脂が増粘して、各部材(チップ抵抗部品、配線部分)と接着している。そのため、はんだが1つの球状とならず、複数の粒状はんだが配線表面で一部露出している導電性粒子やチップ抵抗部品の電極へ濡れることで、配線とチップ抵抗部品電極とが金属接合により接合して、接合抵抗が目標の範囲に入ったと考えられる。
一方、比較例1〜4では、はんだが溶融した時点において、周囲の熱硬化性樹脂の硬化が十分に進んでおらず、粘度が低い状態である。そのため、溶融したはんだは配線表面を覆っている樹脂へ濡れないために、溶融はんだとなって濡れ合うことで1つの球状となり、配線と金属接合を十分に形成できず、接合抵抗が目標に達しなかったものと考えられる。これは、配線表面の一部分には導電性粒子が露出してはいるが、溶融はんだ同士で濡れ合う力が強いためと考えられる。
また、本実施例1〜4および比較例1〜4では、融点139℃のはんだ組成42Sn−58Biを用いて初期接合性の効果の検証を行ったが、効果を発揮する要因が上述のはんだの溶融および金属接合の状態における差異に因るものであることを考慮すると、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点より25℃以上低い場合であれば、同様の効果を奏するものと考えられる。すなわち、はんだ組成をSn−Bi以外とした場合でも、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度がはんだ粒子の融点より25℃以上低い場合であれば、Agなどの金属粒子を含む導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線に対し、接合抵抗が低い良好な接合を形成できる。さらに、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度は、はんだペーストに含まれる硬化剤(および必要に応じた硬化促進剤)の種類とその含有量、ならびに熱硬化性樹脂の種類とその含有量などにも影響され得るため、様々な調整手法があり得る。
本発明のはんだペーストは、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線と、電子部品の電極とを電気的に導通させるための有効な接合材料となり得る。特に、衣服や肌に貼り付けて使用するようなウエアラブル機器のような、柔軟な電子機器での利用が想定される。
1 電子部品(チップ部品)
2 配線
3 基材
4 連続相部(熱硬化性樹脂の硬化物を含む)
5 導電部(はんだ)
6 接合部
10 実装構造体
21 電子部品(チップ部品)
22 配線
23 基材
25 球状はんだ

Claims (9)

  1. はんだ粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤および活性剤成分を含むはんだペーストであって、
    前記はんだペーストにおける前記熱硬化性樹脂の硬化反応のピーク温度が、前記はんだ粒子の融点よりも25℃以上低い、
    はんだペースト。
  2. 該はんだペーストは、導電性粒子および柔軟性樹脂を含む配線に対して電子部品を金属接合させるために使用される、請求項1に記載のはんだペースト。
  3. 前記導電性粒子が、Ag、Cu、Ni、AuおよびSnからなる群から選択される1以上の金属を含む、請求項2に記載のはんだペースト。
  4. 前記柔軟性樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂およびポリビニルブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項2または3に記載のはんだペースト。
  5. 前記はんだ粒子が、Sn−Bi系の合金組成を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだペースト。
  6. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
  7. 前記硬化剤が、イミダゾール系化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のはんだペースト。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のはんだペーストを用いて、基材上の配線に電子部品が実装されている実装構造体。
  9. 前記実装構造体は、前記はんだペーストから形成された、前記電子部品と前記配線とを金属接合する接合部を含み、
    該接合部は、前記熱硬化性樹脂の硬化物を含む連続相部と、前記連続相部中に存在するはんだからなる導電部とを含む、
    請求項8に記載の実装構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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