JP2002100501A - 電子部品およびその実装体 - Google Patents

電子部品およびその実装体

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JP2002100501A
JP2002100501A JP2000288387A JP2000288387A JP2002100501A JP 2002100501 A JP2002100501 A JP 2002100501A JP 2000288387 A JP2000288387 A JP 2000288387A JP 2000288387 A JP2000288387 A JP 2000288387A JP 2002100501 A JP2002100501 A JP 2002100501A
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electronic component
external electrode
conductive adhesive
circuit board
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Takashi Kitae
孝史 北江
Hiroteru Takezawa
弘輝 竹沢
Tsutomu Mitani
力 三谷
Yukihiro Ishimaru
幸宏 石丸
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存安定性に優れ、実装後も多湿雰囲気、硫黄
雰囲気などの条件で良好な信頼性が得られる電子部品お
よび電子部品実装体の提供。 【解決手段】導電性接着剤が含まれた外部電極2を有す
る電子部品や電子部品実装体において、外部電極2に溶
出防止剤を含ませる。これにより、外部雰囲気に暴露さ
れている導電性フィラ10を保護することができ、劣化
を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部電極に導電性
接着剤が含まれた電子部品、その製造方法、その電子部
品を有する実装体、およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心が高まり、エレ
クトロニクス分野においてもリユース、リサイクル、環
境負荷物質の低減等が必須となってきている。実装技術
分野においても、これまで部品接続において長年使われ
てきたハンダが、環境に有害な鉛を含んでいるという理
由で撤廃の方向に進んでいる。そのため、鉛を用いな
い、いわゆる鉛フリー実装技術の確立が急務となってい
る。
【0003】ハンダ代替材料としては、主に鉛フリーハ
ンダおよび導電性接着剤が挙げられる。鉛フリーハンダ
はハンダ代替材料として浸透しつつあるが、使用温度が
上昇するため電子部品の耐熱性が問題となる場合があ
る。一方、導電性接着剤は接合部の柔軟性や実装温度の
低温化などのメリットがあり、近年注目されているハン
ダ代替材料の一つである。
【0004】導電性接着剤とは樹脂成分の中に導電性フ
ィラを分散させたものであり、樹脂の硬化によって導電
性フィラ同士が接触することで導電性が発現する。導電
性接着剤はこの性質を利用して、電子部品の電極と基板
電極間とに介在させることで、これらの電極間を電気的
に接続する。
【0005】ハンダは接続部分が合金であるため、繰り
返し加えられる応力などによって金属疲労破壊すること
が知られている。これに対して、導電性接着剤は樹脂に
よる接着のため比較的柔軟性を有しており、応力を緩和
することができる。また、樹脂の硬化温度が150℃付
近と比較的低温であるため、弱耐熱部品も利用できる。
【0006】このように、環境問題、接続信頼性、低温
実装などの面から導電性接着剤がハンダ代替材料として
期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現行の導
電性接着剤では初期強度がはんだと比べて低く、耐湿性
や耐熱衝撃性などの接続信頼性も十分でない場合がある
ため、導電性接着剤を電子部品の実際の実装形態に用い
ることができない場合があった。
【0008】強度不足の原因の一つとしては、電子部品
の外部電極を構成している金属と導電性接着剤の接着性
が良くないことが挙げられる。現在供給されている電子
部品の電極部分はハンダメッキ、スズメッキ、銀−パラ
ジウム合金などであるが、これらの電極は本来、ハンダ
接続を想定しているものである。そのため、現在一般に
供給されている電子部品を現行の導電性接着剤を用いて
基板に実装し、破壊試験を行った場合、電子部品の外部
電極と導電性接着剤との界面でクラックが生じることが
多い。
【0009】これらの問題点を改善する方法として、電
子部品の外部電極を導電性接着剤で形成することが提案
されている。これにより、接続体である導電性接着剤と
電子部品の外部電極とのなじみが良くなり、両者の接着
性が向上する。
【0010】このような目的で電子部品の外部電極上に
形成される導電性接着剤の多くは樹脂成分に導電性フィ
ラを含有することで構成される。導電性フィラは図13
に示すように、外部電極の表面に分散配置されること
で、外部雰囲気に露出している。なお、図13中、符号
100は外部電極であり、101は、外部電極表面に設
けられた導電性接着剤であり、102は導電性フィラで
あり、103は樹脂成分である。
【0011】しかしながら、導電性フィラとして金属或
いは金属メッキしたものを用いる場合には、外部雰囲気
によって酸化などの劣化が問題となってくる場合があ
る。また、導電性フィラは銀である場合が多く、その場
合には、硫黄雰囲気下においては導電性フィラ(銀)の
硫化による劣化も問題となってくる。そのため、外部電
極の表面に導電性接着剤層を設けた電子部品では、保存
管理に注意を払わなくてはならない場合があった。
【0012】さらには、実装後においても外部電極を構
成している導電性フィラの酸化或いは硫化を心配する必
要があった。更には湿度の高い雰囲気下で電圧が印加さ
れると、導電性フィラ(銀)が溶解、析出を繰り返し短
絡を起こすマイグレーションなどの問題も懸念される。
マイグレーションは銀を含む導電性フィラを用いている
場合、特に注意を払わなければならない。
【0013】本発明は、これらの問題を解決するため
に、導電性接着剤を含む外部電極を有する電子部品およ
びその実装体において、保存安定性に優れ、実装後も多
湿雰囲気、硫黄雰囲気などの条件で良好な信頼性が得ら
れるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、導電性接着剤が含まれた外部電極を有す
る電子部品であって、前記外部電極が溶出防止剤を含ん
でおり、このような形態をとることにより、導電性接着
剤中の導電性フィラを保護することができ、その酸化、
硫化を抑制することができる。そのため、保存安定性に
優れた電子部品を提供できる。また、実装後の電子部品
実装体においても、電子部品の外部電極に設けられた溶
出防止剤によって、酸化、硫化による劣化並びにマイグ
レーションを抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、導電性接着剤が含まれた外部電極を有する電子部品
であって、前記外部電極が溶出防止剤を含んでいること
に特徴を有しており、これにより次のような作用を有す
る。
【0016】すなわち、外部電極に溶出防止剤を含ませ
ることにより、外部電極内の導電性接着剤が含んでいる
導電性フィラの溶出は防止されて、マイグレーションが
抑えられることになる。なぜなら、溶出防止剤により、
高温高湿下でも導電性フィラの金属の溶出が防止される
ので、イオンマイグレーション反応を根本から防止する
ことができるためである。さらに、この電子部品を、硫
黄を含む気体中に放置しても導電性フィラの硫化が発生
せず、良好な接続信頼性を示す。なぜなら、導電性フィ
ラの溶出が防止されることにより、硫化反応を根本から
防止できるためである。
【0017】なお、前記導電性フィラの溶出は外部電極
の表面部位で顕著に生じるため、請求項2に記載したよ
うに、溶出防止剤を外部電極の表面部位に設ければ、そ
の溶出防止効果や硫化防止効果はさらに顕著なものとな
る。
【0018】さらには、被実装部材と電子部品との間に
導電性接着剤からなる接続体を別途設けて、電子部品を
実装する場合においては、接続強度を高めるために、前
記外部電極内の導電性接着剤を電極の表面部位に設ける
構造が採られるが、その場合においては、請求項3に記
載したように、前記溶出防止剤を電極表面部位に設けら
れた導電性接着剤の表面部位に設ければ、その溶出防止
効果はさらに顕著なものになる。
【0019】さらには、請求項4に記載したように、前
記導電性接着剤のうち、少なくともその表面に露出して
いる導電性フィラを前記溶出防止剤で被覆すれば、その
溶出防止効果や硫化防止効果はさらに顕著なものになる
うえ、導電性フィラの酸化を抑制することもできるよう
になる。
【0020】溶出防止剤を添加する構造としては、この
他、請求項5に記載したように、溶出防止剤を導電性接
着剤に混合した状態で外部電極に設ける構造でもよい。
【0021】また、溶出防止剤の具体的な構造例として
は、請求項6に記載したように、金属錯体を含んだもの
でもよいし、請求項7に記載したように、樹脂成分を含
んだものでもよい。金属錯体は、金属と錯化剤とが反応
して生成する配位化合物であり、この反応は室温で速や
かに進行する。金属錯体は、金属と錯化剤との配位結合
が非常に強くて安定であり、金属との密着性に優れる。
したがって、溶出防止効果が大きく、耐イオンマイグレ
ーション性改善効果および耐硫化反応性改善効果が大き
い。なお、本発明に適用可能な金属錯体を形成するため
の錯化剤の配位子としては、アミノ酢酸基、アミノカル
ボキシル基、アルカノールアミン基、βジケトン基、β
ケトエステル基、ポリアミン基、イミダゾール基等が挙
げられる。
【0022】また、本発明で用いる溶出防止剤の具体例
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、金属アルコキ
シド類などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げら
れる。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、
メタクリル樹脂、ポリエチレン、アイオノマー、メチル
ペンテン樹脂、ポリアロマー、フッ素樹脂、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、変性
ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリフェニ
レンスルフィド等が挙げられる。金属アルコキシド類と
しては、シリコンテトラエトキシド、アルミニウムトリ
ブトキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられる。
【0023】また、マイグレーションは、導電性フィラ
として銀を含有する導電性接着剤において顕著に生じる
問題であるので、請求項8に記載したように、導電性接
着剤が導電性フィラとして銀を有するものである電子部
品において、本発明を実施すれば、その効果がさらに際
立つものとなる。
【0024】また、請求項9に記載したように、前記溶
出防止剤を水不溶物質にすれば、溶出防止剤が高温高湿
条件下でも溶け出さないため、溶出防止効果の低下が生
じにくく、イオンマイグレーション反応の抑制効果や、
導電性フィラの硫化抑制効果を長期にわたって維持する
ことができる。
【0025】本発明に使用できる水不溶性の溶出防止剤
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、金属アルコキ
シド類などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げら
れる。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、
メタクリル樹脂、ポリエチレン、アイオノマー、メチル
ペンテン樹脂、ポリアロマー、フッ素樹脂、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネー
ト、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンス
ルフィド等が挙げられる。金属アルコキシド類として
は、シリコンテトラエトキシド、アルミニウムトリブト
キシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられる。
【0026】また、請求項10に記載したように、前記
溶出防止剤を硫化水素または硫黄酸化物を含む水溶液に
不溶な物質とすると、硫化反応を防止する効果が大きく
なる。なぜなら、溶出防止剤の表面に、硫化水素または
硫黄酸化物が水溶液として凝縮した場合にも、溶出防止
剤が溶け出さないため、溶出防止効果の低下が起こりに
くいからである。
【0027】本発明に使用できる硫化水素または硫黄酸
化物を含む水溶液に対して不溶性の溶出防止剤として
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、金属アルコキシド類
などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂
としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ
スチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポ
リエチレン、アイオノマー、メチルペンテン樹脂、ポリ
アロマー、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレン
オキサイド、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられ
る。金属アルコキシド類としては、シリコンテトラエト
キシド、アルミニウムトリブトキシド、チタンテトラブ
トキシド等が挙げられる。
【0028】なお、本発明では、硫化水素または硫黄酸
化物を含む水溶液や水に対する不溶性とは、次のような
条件を満たすことをいう。すなわち、溶出防止剤を樹脂
から構成する場合には、24時間経過後の水や水溶液の
吸液量が0.5重量%以下であることを上記不溶性と規
定している。また、溶出防止剤を金属錯体から構成する
場合にはその溶解度(水100gに対する錯体の重量)
が1×10-5g未満であることを上記不溶性と規定して
いる。
【0029】本発明の請求項11に記載の発明は、導電
性接着剤が含まれた外部電極を有する電子部品の製造方
法であって、前記外部電極にキレート化剤を接触させ
て、その表面部位に金属錯体を含む溶出防止剤を形成す
ることに特徴を有しており、これにより次のような作用
を有する。すなわち、形成された溶出防止剤により、上
述した請求項1〜10に記載した発明と同様の作用効果
を発揮する。さらには、外部電極にキレート化剤を接触
させるだけであるので、比較的に簡単に溶出防止剤を形
成することができる。
【0030】また、請求項12に記載したように、キレ
ート化剤を混合した導電性接着剤を電子部品表面もしく
は外部電極表面に形成することにより、金属錯体が含ま
れた溶出防止剤を有する外部電極を形成するようにして
もよく、そうしても、比較的簡単に溶出防止剤を形成す
ることができる。
【0031】また、請求項13に記載したように、請求
項1ないし10のいずれかに記載の電子部品と、当該電
子部品を実装する回路基板とを有して電子部品実装体を
構成しても、請求項1ないし10のいずれかに記載の電
子部品と同様の作用効果を発揮することができる。
【0032】なお、請求項13の電子部品実装体では、
請求項14に記載したように、前記回路基板の基板電極
が溶出防止剤を含んでいれば、溶出防止効果および硫化
防止効果は顕著なものとなる。
【0033】また、このような電子部品実装体を製造す
る場合には、請求項15に記載したように、請求項1な
いし10のいずれかに記載のものでありかつ前記導電性
接着剤を未硬化状態にした電子部品と、回路基板とを用
意したうえで、前記回路基板の基板電極上に前記電子部
品の外部電極を当接させて、前記電子部品を前記回路基
板に実装する工程と、前記外部電極に含まれる導電性接
着剤を硬化させて、前記電子部品と前記回路基板とを電
気的に接続する工程と、を含んで、電子部品実装体の製
造方法を構成すればよい。
【0034】電子部品実装体の別の製造方法としては、
請求項16に記載したように、請求項1ないし10のい
ずれかに記載の電子部品と回路基板とを用意したうえ
で、前記回路基板の基板電極上に未硬化状態の導電性接
着剤からなる接続体を塗布形成する工程と、前記接続体
上に前記電子部品の外部電極を当接させて、前記電子部
品を前記回路基板に実装する工程と、前記接続体を硬化
させて前記電子部品と前記回路基板とを電気的に接続す
る工程と、を含んで電子部品実装体の製造方法を構成し
てもよい。
【0035】また、電子部品実装体としてその接続箇所
に溶出防止剤が形成されたものであっても上述した請求
項1〜10の電子部品と同様の作用効果を発揮すること
ができる。その場合の電子部品実装体の製造方法は、請
求項17の記載したように構成できる。すなわち、導電
性接着剤が含まれた外部電極を有する電子部品と回路基
板とを用意したうえで、前記回路基板の基板電極上に未
硬化状態の導電性接着剤からなる接続体を塗布形成する
工程と、前記接続体上に前記電子部品の外部電極を当接
させて、前記電子部品を前記回路基板に実装する工程
と、前記接続体を硬化させて、前記電子部品と前記回路
基板とを電気的に接続する工程と、前記外部電極をキレ
ート化剤によって処理することで、当該外部電極に、金
属錯体を含む溶出防止剤を形成する工程と、を含んで電
子部品実装体の製造方法を構成してもよい。
【0036】なお、請求項17に記載の電子部品実装体
の製造方法では、請求項18に記載したように、前記外
部電極をキレート化剤で処理すると同時に、前記接続体
の少なくとも一部分にキレート化剤で処理とてもよく、
そうすれば、さらに溶出防止効果は高まることになる。
【0037】同様の作用効果を生む電子部品実装体の製
造方法としては、請求項19に記載したようにしてもよ
い。すなわち、未硬化状態の導電性接着剤が含まれた外
部電極を有する電子部品と回路基板とを用意したうえ
で、前記回路基板の基板電極上に前記電子部品の外部電
極を当接させて前記電子部品を前記回路基板に実装する
工程と、前記導電性接着剤を硬化させて、前記電子部品
と前記回路基板とを電気的に接続する工程と、前記外部
電極をキレート化剤によって処理することで、当該外部
電極に、金属錯体を含む溶出防止剤を形成する工程と、
を含んで電子部品実装体の製造方法を構成してもよい。
【0038】請求項17ないし19のいずれかに係る電
子部品実装体の製造方法にあっては、請求項20に示す
ように、前記外部電極をキレート化剤で処理すると同時
に、前記基板電極の少なくとも一部分にキレート化剤で
処理すれば、溶出防止効果や硫化防止効果は、さらに顕
著なものとなる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について、図面
に基づいて詳細に説明する。
【0040】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の電子部品であるチップ型ジャンパー抵抗の断面図
を示したものである。本実施の形態の電子部品であるチ
ップ型ジャンパー抵抗は、セラミック素子1の両端に、
導電性接着剤を含む外部電極2を構成したのち、外部電
極2の表面をキレート化剤で処理することで、金属錯体
を含む溶出防止剤の膜(以下、溶出防止剤膜という)4
を形成している。
【0041】キレート処理前の外部電極2の表面は、従
来例で説明した図10に示すように、樹脂成分103と
導電性フィラ102とが露出しており、導電性フィラ1
02が外部雰囲気と接している。そのため外部雰囲気の
状態によって、導電性フィラ102が酸化或いは硫化な
どを起こして劣化する場合がある。本発明のようにキレ
ート化剤で処理することによって、図2に示すように、
導電性フィラ10の金属とキレート化剤とを反応させて
錯体からなる溶出防止剤を形成し、この溶出防止剤の膜
(溶出防止剤膜)4により導電性フィラ10表面を被覆
している。そのため、溶出防止剤膜4によって外部雰囲
気から導電性フィラ10を保護することができ、導電性
フィラ10の酸化、硫化等の劣化が防げる。よって、外
部電極2が導電性接着剤を含んて構成されている電子部
品(本実施形態ではチップ型ジャンパー抵抗)において
外部電極2に溶出防止剤膜4を形成することにより、保
存安定性に優れ、実装後の信頼性にも優れた電子部品と
することができる。
【0042】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2における電子部品であるQFP(Quad Flat Packag
e)型の半導体装置の要部の断面図を示したものである。
図3に示すように、本実施の形態2の電子部品(半導体
装置)では、パッケージ本体8から引き出されたリード
電極9の表面を導電性接着剤12で被覆している。そし
て、このような構成を有する半導体装置において、さら
に、導電性接着剤12の表面をキレート化剤で処理(浸
漬等によりキレート化剤にリード電極9(導電性接着剤
12)を接触させる処理)することで、導電性接着剤1
2中の導電性フィラ10とキレート化剤とを反応させて
錯体からなる溶出防止剤を形成し、この溶出防止剤の膜
(溶出防止剤膜)13により導電性フィラ10の表面を
被覆している。
【0043】このような構成であっても、実施の形態1
と同様、保存安定性に優れ、実装後の信頼性も優れた電
子部品とすることができる。
【0044】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
おける電子部品はチップ型ジャンパー抵抗であって、図
4に示すように、セラミック素子1の両端に外部電極2
0を有しているが、この外部電極20はキレート化剤
(図示む)を練り込んだ導電性接着剤21の成形体から
構成されている。これにより、外部電極20を構成する
導電性接着剤21は次のようになっている。すなわち、
導電性接着剤21は、図5に示すように、樹脂成分22
と導電性フィラ23とを主成分として含んで構成されて
いるが、この導電性接着剤21にキレート化剤を練り込
むことにより、キレート化剤と導電性フィラ23とを反
応させて錯体からなる溶出防止剤を形成し、この溶出防
止剤の膜(溶出防止剤膜)24によって導電性フィラ2
3の表面を被覆している。本実施形態では、キレート化
剤を導電性接着剤21に練り込むことにより、導電性接
着剤21の表面部位に存在する導電性フィラ23を含め
て、多数ある導電性フィラ23のほぼ全体を、それぞれ
溶出防止剤膜24により被覆することができる。
【0045】この構成であっても導電性接着剤表面に露
出した導電性フィラ23は溶出防止剤膜24に覆われ、
実施の形態1、2と同様、保存安定性に優れ、実装後の
信頼性も優れた電子部品となる。
【0046】以上、電子部品における本発明の各実施形
態を説明したが、本発明における溶出防止剤膜4、1
3、24として採用している金属錯体とは、キレート化
剤が金属に配位して生成する化合物である。キレート化
剤と金属との結合は非常に強いものが多く、高温高湿下
や硫化水素を含む雰囲気下でも金属がイオン化できず、
劣化やマイグレーションといった現象を抑制できる。
【0047】また、外部電極2、20やリード電極9の
一部もしくは全体を構成している導電性接着剤は、導電
性フィラ10、23が混練されている。導電性フィラ1
0、23としては金、銀、銅、ニッケル、スズ、鉛など
の金属やその合金、或いはメッキされたものが使用され
ている場合と、非金属であるカーボン粒子などが用いら
れている場合がある。その中でも最も一般的なものは銀
フィラであって、比抵抗が低く、価格的にも安定してい
る。このような理由から、現在、導電性接着剤として用
いられるもののほとんどは、導電性フィラ10、23と
して銀を使用している。しかしながら銀は、硫化水素
などの硫黄を含む化合物と反応して劣化する硫化現象、
電圧が印加された状態で陽極に存在する銀が溶解し、
陰極側に移動、析出し、最終的には電極間を短絡させる
まで析出が進むマイグレーション現象、という2つの現
象が起こりやすい。
【0048】これに対して、本発明の各実施の形態に説
明したように、外部電極2、20やリード電極9の一部
もしくは全部を構成する導電性接着剤が銀を主成分とす
る導電性フィラ10、23を含んでいる場合、本発明の
溶出防止剤膜4、13、24を外部電極2、20やリード
端子9上の導電性接着剤12に形成することによって、
これらの問題を解決できる。
【0049】キレート化剤の官能基としては、水酸基、
アミノ基、カルボキシル基、チオール基、スルフォニル
基、ホスホニル基、イミダゾールやピリジンなどの窒素
含有芳香族、カルボニル結合、エーテル結合、アミド結
合、スルフィド結合などの酸素原子、窒素原子、リン原
子或いは硫黄原子を含有する基などが挙げられる。
【0050】なお、溶出防止剤膜4、13、24を形成
させるためのキレート化剤の具体例としては以下のよう
なものが挙げられる。
【0051】アントラニル酸、2−アミノペリミジン、
ガロイル没食子酸、キサントゲン酸カリウム、オキシ
ン、キナルジン酸、クペロン、エチレンジアミン、エチ
レンジアミン四酢酸、4−クロロ−3−メチル−5−ニ
トロベンゼンスルホン酸、サリチルアルデヒドオキシ
ム、ジアンチピリルメタン、ジエチルジチオカルバミド
酸、p−ジメチルアミノベンジリデンローダニン、ジメ
チルグリオキシム、シュウ酸、シンコニン、N−シンナ
モイル−N−フェニルヒドロキシルアミン、チオアセト
アミド、チオナリド、チオ尿素、テトラフェニルホウ
酸、トリメチルフェニルアンモニウム、1−ニトロソ−
2−ナフトール、ニトロン、ネオクペロン、ビスムチオ
ールII、p−ヒドロキシフェニルアルソン酸、8−ヒ
ドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸、ピロ
ガロール、1−ピロリジンカルボジチオ酸、フェニルア
ルソン酸、フェニルチオダントイン酸、フェニルフルオ
ロン、α−フリルジオキシム、ブルジン、ベンジジン、
N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン、α
−ベンゾインオキシム、β−ナフトキノン、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、ローダミンB等。
【0052】なお、キレート化剤は金属部分と反応して
金属錯体からなる溶出防止剤膜4、13、24を形成する
が、金属以外の部分、例えば電子部品の素子部分(セラ
ミック素子1、パッケージ本体8)や外部電極2、20
を構成している導電性接着剤や、リード電極9を覆って
いる導電性接着剤12の樹脂部分11などにキレート化
剤が残っていても構わない。もちろんこのような部分で
は金属がないので金属錯体の溶出防止剤膜は形成されな
い。
【0053】なお、外部電極2、20、リード電極9
(導電性接着剤12)の一部分だけに溶出防止剤膜4を
設けていても構わない。このような形態であっても接続
信頼性の向上が図れる。
【0054】各実施の形態の溶出防止剤膜4、13、2
4は水不溶性である。溶出防止剤膜4、13、24を構成
する金属錯体においては、金属とキレート化剤の結合は
非常に強固であり、金属がイオン化することは困難であ
る。しかしながら、金属錯体の中にはそれ自体がイオン
性物質として存在するものもある。その場合、高温高湿
条件下で、一旦形成された錯体が剥がれ落ちて、硫化や
イオンマイグレーションに対する防止効果が低下する場
合がある。したがって、溶出防止剤膜4、13、24が
水不溶性である場合に、硫化やイオンマイグレーション
の防止効果を長期間にわたって保持できる。
【0055】溶出防止剤膜4、13、24を形成する方
法としては、キレート化剤を導電性フィラ(金属)に接
触させれば良く、その方法は特に問わない。その場合、
適当な溶媒にキレート化剤を溶かすか或いは懸濁させた
表面処理液が好ましく利用できる。さらには、前記表面
処理液を電子部品の電極部に噴霧、塗布するか、或いは
電子部品を前記表面処理液に浸漬するなどし、その後乾
燥して溶媒を蒸発させることによって導電性フィラ(金
属)表面上に溶出防止剤膜4、13、24を形成させる方
法が簡便で、かつ均一な膜として形成できる。
【0056】なお、キレート化剤で処理する際の処理温
度は特に問わない。キレート処理液を使用している場合
には室温から溶媒の沸点以下が望ましい。また、溶媒を
乾燥させる方法としては室温放置、加熱、減圧など特に
問わない。
【0057】溶媒としては水、アルコール類、エーテル
類、エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族
炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、これらの混合溶媒
などを用いることができる。好ましくはキレート化剤が
均一に溶解している方が金属表面上に均一な膜が形成で
きる。
【0058】本発明において、従前の製法に従い、キレ
ート化処理の前に外部電極2を酸処理、アルカリ処理、
脱脂等の前処理を行っても構わない。処理方法は導電性
フィラ10や樹脂成分11の種類などにより適切な方法
を選んで行える。
【0059】以上は、外部電極2、20やリード電極9
として少なくともその表面に導電性接着剤を有する電子
部品に対して、溶出防止剤膜4、13、24を設けるこ
とに特徴のある実施形態であった。
【0060】次に、電子部品実装体における実施形態を
説明する。電子部品実装体において、その電子部品の外
部電極2に溶出防止剤を設けるには、次の3通りのよう
にすることが考えられる。 (1−1)電子部品の外部電極(導電性接着剤)2やリ
ード電極9上の導電性接着剤12にキレート化処理を施
して溶出防止剤膜4、13を形成した後、回路基板に実
装する方法。すなわち、上述した実施の形態1、2の電
子部品を用いて電子部品実装体を形成する方法。 (1−2)予め、キレート化処理剤を練り込むことで、
導電性フィラ23に溶出防止剤膜24を形成させた導電
性接着剤21により、外部電極20を形成した電子部品
を回路基板に実装する方法。すなわち、上述した実施の
形態3の電子備品を用いて実装体を形成する方法。 (1−3)電子部品実装体を作成した後、電子部品の外
部電極2にキレート化処理する方法。
【0061】ここで、少なくとも、その表面部位が導電
性接着剤で構成された外部電極2、20やリード電極9
を有する電子部品を回路基板に実装するには、次の2通
りの方法が考えられる。 (2−1)電子部品と回路基板との間に、接続体として
導電性接着剤を別途設けて、実装する方法。 (2−2)接続体として、電子部品の外部電極2、20
やリード電極9を構成している導電性接着剤により実装
する方法。
【0062】以上のことから分かるように、本発明の電
子部品実装体の製造方法は、これら実装方法のすべての
組み合わせが考えられ、計6通りの実装方法が提案でき
る。
【0063】以下に図を参照して電子部品実装体におけ
る本発明の実施形態をその製造工程を中心にして説明す
る。
【0064】(実施の形態4)図6は実施の形態4の電
子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体的
には、電子部品の外部電極2に溶出防止剤を膜状に設け
た(溶出防止剤膜4)後、別途設けた導電性接着剤から
なる接着体3を用いて実装する製造方法の工程図であ
る。本実施形態は、上述した(1−1)と(2−1)の
方法の組み合わせである。
【0065】図6(a)に示すように、基板電極5を有
する回路基板6を用意したうえで、図6(b)に示すよ
うに、基板電極5上に半硬化状態(Bステージ状態)の
導電性接着剤からなる接続体3をパターン形成する。一
方、図6(c)に示すように、チップ型ジャンパー抵抗
等からなる電子部品を用意する。この電子部品は、セラ
ミック素子1の両端に導電性接着剤12(半硬化状態で
も硬化状態でもよいが、取り扱い性からみて硬化状態が
好ましい)からなる外部電極2を設けて構成されてい
る。そして、図6(d)に示すように、この電子部品の
外部電極2をキレート化剤により処理することで、その
表面に溶出防止剤を膜状に設ける(溶出防止剤膜4)。
そして、図6(e)に示すように、電子部品を、回路基
板6の基板電極5上に実装して、接続体3を加熱により
硬化させて外部電極2と基板電極5とを電気的に接続す
る。
【0066】(実施の形態5)図7は実施の形態5の電
子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体的
には、キレート化剤を練り込んだ導電性接着剤21で外
部電極20を形成した電子部品を用意し、半硬化状態の
導電性接着剤からなる接続体3を用いて実装する製造方
法の工程図である。本実施形態は、上述した(1−2)
と(2−1)の方法の組み合わせである。
【0067】図7(a)に示すように、基板電極5を有
する回路基板6を用意したうえで、図7(b)に示すよ
うに、基板電極5上に半硬化状態(Bステージ状態)導
電性接着剤からなる接続体3をパターン形成する。一
方、図7(c)に示すように、チップ型ジャンパー抵抗
等からなる電子部品を用意する。この電子部品は、セラ
ミック素子1の両端に導電性接着剤21(半硬化状態で
も硬化状態でもよいが、取り扱い性からみて硬化状態が
好ましい)からなる外部電極20を設けて構成されてい
る。導電性接着剤21は、キレート化剤を練り込むこと
で導電性フィラの表面に予め溶出防止剤24が膜状に設
けられている(図5参照)。このように構成された電子
部品を、図7(d)に示すように、回路基板6の基板電
極5上に実装して、接続体3を加熱により硬化させて外
部電極2と基板電極5とを電気的に接続する。
【0068】(実施の形態6)図8は実施の形態6の電
子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体的
には、導電性接着剤からなる接続体3を用いて、電子部
品を基板6上に実装した後、電子部品の外部電極2をキ
レート化剤で処理する製造方法の工程図である。本実施
形態は、上述した(1−3)と(2−1)の方法の組み
合わせである。
【0069】図8(a)に示すように、基板電極5を有
する回路基板6を用意したうえで、図8(b)に示すよ
うに、基板電極5上に半硬化状態(Bステージ状態)の
導電性接着剤からなる接続体3をパターン形成する。一
方、図8(c)に示すように、チップ型ジャンパー抵抗
等からなる電子部品を用意する。この電子部品は、セラ
ミック素子1の両端に導電性接着剤12(半硬化状態で
も硬化状態でもよいが、取り扱い性からみて硬化状態が
好ましい)からなる外部電極2を設けて構成されてい
る。このように構成された電子部品を、図8(d)に示
すように、回路基板6の基板電極5上に実装して接続体
3を加熱により硬化させて外部電極2と基板電極5とを
電気的に接続する。そののち、図8(e)に示すよう
に、電子部品の外部電極2をキレート化剤で処理して、
外部電極2の表面部位(特に、露出している導電性フィ
ラ10)に溶出防止剤を膜状に設ける(溶出防止剤膜
4)。
【0070】図6〜図8を参照して説明した実施の形態
4〜6の製造方法によれば、外部電極2、20が導電性
接着剤12、21で形成されている電子部品を、基板電
極5に別途設けた導電性接着剤からなる接続体3によ
り、基板電極5に接続した電子部品実装体において、外
部電極2、20の少なくとも一部に溶出防止剤を膜状
(溶出防止剤膜4、24)を有するものができあがる。
【0071】(実施の形態7)図9は実施の形態7の電
子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体的
には、電子部品として、導電性接着剤12からなる外部
電極2を備えたものを用意し、さらには、外部電極2を
キレート化剤で処理することで、外部電極2の表面部位
に溶出防止剤を膜状(溶出防止剤膜4)に設けたのち、
外部電極2を構成している導電性接着剤12を接続体に
して、電子部品を回路基板に実装する製造方法の工程図
である。本実施形態は、上述した(1−1)と(2−
2)の組み合わせである。
【0072】図9(a)に示すように、チップ型ジャン
パー抵抗等からなる電子部品を用意する。この電子部品
は、セラミック素子1の両端に導電性接着剤12からな
る外部電極2を設けて構成されている。このとき、外部
電極2を構成する導電性接着剤12は接着可能なよう
に、半硬化状態(Bステージ状態)にしておく。
【0073】このように構成された電子部品の外部電極
2をキレート化剤で処理することで、図9(b)に示す
ように、外部電極2の表面部位(特に、露出している導
電性フィラ10(図2参照))に溶出防止剤を膜状に設
ける(溶出防止剤膜4)。そして、このようにして構成
した電子部品を、図9(c)に示すように、回路基板6
の基板電極5上に搭載し、さらに、図9(d)に示すよ
うに、外部電極2を構成する導電性接着剤12を加熱硬
化することで、外部電極2と基板電極5とを電気的に接
続する。
【0074】(実施の形態8)図10は実施の形態8の
電子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体
的には、キレート化剤を練り込むことで、導電性フィラ
23に膜状に溶出防止剤(溶出防止剤膜24(図5参
照))を設けた導電性接着剤21で外部電極20を形成
した電子部品を用意したうえで、導電性接着剤21を接
続体にして回路基板6に電子部品を実装する製造方法の
工程図である。本実施形態は、上述した(1−2)と
(2−2)の方法の組み合わせである。
【0075】まず、チップ型ジャンパー抵抗等からなる
電子部品を用意する。この電子部品は、セラミック素子
1の両端に導電性接着剤21からなる外部電極20を設
けて構成されている。このとき、外部電極20を構成す
る導電性接着剤21は接着可能なように、半硬化状態
(Bステージ状態)にしておく。また、導電性接着剤2
1は、キレート化剤を練り込むことで導電性フィラ23
の表面に予め溶出防止剤が膜状に設けられている(溶出
防止剤膜24(図5参照))。
【0076】このように構成された電子部品を、図10
(a)に示すように、回路基板6の基板電極5上に搭載
し、さらに、図10(b)に示すように、外部電極20
を構成する導電性接着剤21を加熱硬化することで、外
部電極20と基板電極5とを電気的に接続する。
【0077】(実施の形態9)図11は実施の形態9の
電子部品実装体の製造工程をそれぞれ示しており、具体
的には、電子部品の外部電極2を構成している導電性接
着剤12を接続体として用いて、電子部品を回路基板6
上に実装したのち、電子部品の外部電極2をキレート化
剤で処理する電子部品実装体の製造方法の工程図であ
る。本実施形態は、上述した(1−3)と(2−2)の
方法の組み合わせである。
【0078】図11(a)に示すように、基板電極5を
有する回路基板6を用意する。一方、図11(b)に示
すように、チップ型ジャンパー抵抗等からなる電子部品
を用意する。この電子部品は、セラミック素子1の両端
に導電性接着剤12からなる外部電極2を設けて構成さ
れている。このとき、外部電極2を構成する導電性接着
剤12は接着可能なように、半硬化状態(Bステージ状
態)にしておく。このように構成された電子部品を、図
11(c)に示すように、回路基板6の基板電極5上に
実装したのち、外部電極2を構成する導電性接着剤12
を加熱硬化することで、外部電極2と基板電極5とを電
気的に接続する。そして、図11(d)に示すように、
電子部品の外部電極2をキレート化剤で処理して、外部
電極2の表面部位(特に、露出している導電性フィラ
4)に、溶出防止剤を設ける(溶出防止剤膜4)。
【0079】図9〜図11を参照して説明した実施の形
態7〜9の製造方法によれば、外部電極2が導電性接着
剤12、21で形成されている電子部品を、外部電極2
を形成している導電性接着剤12、21を接続体として
用い、基板電極5に接続した電子部品実装体において、
外部電極2の少なくとも一部(例えば、表面部位)に溶
出防止剤を設けた(例えば、溶出防止剤膜4、24)を
有するものができあがる。
【0080】図8を参照して説明した実施の形態6の製
造方法においては、電子部品の外部電極2にキレート処
理を施すことで溶出防止剤(溶出防止剤膜4)を設ける
際に、同時に接続体3にもキレート処理を施して溶出防
止剤を設けるのが望ましい。そうすれば、外部電極2と
接続体3との両方に溶出防止剤が設けられることになる
ので、電子部品の外部電極2だけでなく接続体3の接続
信頼性も確保できる。
【0081】同様に、図8を参照して説明した実施の形
態6の製造方法および図11を参照して説明した実施の
形態9の製造方法においては、電子部品の外部電極2を
キレート処理を施して溶出防止剤(溶出防止剤膜4)を
設ける際に、同時に基板電極5にもキレート処理を施し
て溶出防止剤を設けるのが望ましい。そうすれば、外部
電極2だけでなく、基板電極5の接続信頼性も確保でき
る。
【0082】これらの実施の形態4〜9の製造方法で作
製した電子部品実装体において、外部電極2を構成して
いる導電性接着剤12、21の導電性フィラ10、23
に銀を含む場合、硫化やマイグレーションを予防する方
法として、本発明の溶出防止剤4、13、24を形成さ
せる方法が好ましく利用できることは前述したとおりで
ある。
【0083】また前述したように、実施の形態4〜9の
製造方法で作製した電子部品実装体において、外部電極
2を構成している導電性接着剤12、21だけでなく、
導電性接着剤からなる接続体3、或いは基板電極5にも
溶出防止剤を設けることにより、電子部品実装体の接続
信頼性がさらに向上する。
【0084】なお、本発明における電子部品の外部電極
2を構成している導電性接着剤12、21においては、
その成分である導電性フィラ10、23は、金、銀、
銅、鉛、スズ、ニッケル、パラジウム、白金、およびこ
れらの合金、混合物など、その種類や形状は問わない。
その中でも銀を含む導電性フィラ10、23は硫化およ
びイオンマイグレーションの問題が起こりやすいので、
本発明のごとく、溶出防止剤を設ける意義は大きい。
【0085】なお、外部電極2を構成している導電性接
着剤12、21の樹脂成分11としてはエポキシ樹脂、
アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ウレタン樹脂など、その種類は問わない。
【0086】なお、電子部品の外部電極2は一層以上な
ら構わない。二層以上の場合は、外部電極2の内層の仕
様は特に問わない。最も最外殻の層が導電性接着剤で形
成されていれば良い。これは回路基板6の基板電極5の
場合も同様である。
【0087】接続体3として用いる導電性接着剤の導電
性フィラおよび樹脂成分に関しても、特にその種類など
は問わない。
【0088】本発明における電子部品としてはチップ型
ジャンパー抵抗やQFP(Quad FlatPackage)型の半導体
装置について説明したが、その他にもコンデンサー、コ
イル、半導体等、一般的に電子部品として用いられてい
るものであれば、その種類や形状は限定されない。
【0089】同様に、本発明の電子部品実装体における
回路基板6に関してもガラスエポキシ基板やセラミック
基板など、その種類は問わない。
【0090】なお、実装方法に関しても、片面実装、両
面実装など、その実装方法は特に問わない。
【0091】
【実施例】まず、本発明の実施例および比較例の評価方
法について述べる。電子部品の保存安定性については、
高温高湿下で加速試験を行った。また、電子部品実装体
については硫化試験とマイグレーション試験を行った。
電子部品実装体の試験サンプルとしては、実施の形態4
(図6(e)参照)、実施の形態5(図7(d)参
照)、実施の形態7(図9(d)参照)、実施の形態8
(図10(b)参照)の構造のものを採用した。また、
回路基板6としては金メッキ電極を有するガラスエポキ
シ基板を、接続体3として用いる導電性接着剤としては
銀フィラを含有する熱硬化性エポキシ樹脂系導電性接着
剤をそれぞれ用いた。以下に試験条件を示す。
【0092】(1)部品保存試験 電子部品を高温高湿条件(85℃、85%RH)下に3
00時間放置し、その後、取り出して電子部品の抵抗値
を測定した。
【0093】(2)硫化試験 電子部品実装体を硫化水素雰囲気(40℃、90%R
H、硫化水素3ppm)下に96時間放置し、接続抵抗
の変化を測定した。
【0094】(3)マイグレーション試験 基板電極間(図4における左右の基板電極5、5の間)
にDC5Vの電圧を印加し、高温高湿条件(85℃、8
5%RH)下に500時間放置した後、取り出して電子
部品の外部電極2からマイグレーションが起こっている
かどうか目視で確認した。
【0095】以下、本発明の実施例について詳細に説明
する。
【0096】(実施例1)銀フィラを含有する熱硬化性
エポキシ樹脂系導電性接着剤12を用いて外部電極2を
形成している1608サイズチップ型ジャンパー抵抗を
用意した。また、キレート化処理液としてアントラニル
酸のエタノール溶液を用意した。この電子部品をキレー
ト処理液に浸漬し、外部電極2に溶出防止剤(溶出防止
剤膜4)を膜状に形成した。この電子部品を部品保存試
験した。
【0097】(実施例2)銀フィラを含有する熱硬化性
エポキシ樹脂系導電性接着剤に3%アントラニル酸を練
り込むことで溶出防止剤(溶出防止剤膜24)を設けた
導電性接着剤21で外部電極20が形成されている16
08サイズチップ型ジャンパー抵抗を用意した。この電
子部品を部品保存試験した。
【0098】(実施例3)外部電極2が銀フィラを含有
する熱可塑性ウレタン樹脂系導電性接着剤で形成されて
いる1608サイズチップ型ジャンパー抵抗を用意し
た。また、キレート化処理液としてアントラニル酸のエ
タノール溶液を用意した。この電子部品をキレート処理
液に浸漬し、外部電極2に溶出防止剤(溶出防止剤膜
4)を設けた。この電子部品を部品保存試験した。
【0099】(実施例4)実施例1に従って形成した電
子部品を用い、図6を参照して説明した実施の形態4の
製造方法に従って電子部品実装体を作成した。すなわ
ち、基板電極5上に導電性接着剤からなる接続体3を設
け、そこに溶出防止剤膜4を設けた電子部品を実装し、
150℃/30分で接続体3を硬化させた。
【0100】(実施例5)実施例2に従って形成した電
子部品を用い、図7を参照して説明した実施の形態5の
製造方法に従って電子部品実装体を作成した。すなわ
ち、基板電極5上に導電性接着剤からなる接続体3を設
け、そこにキレート化剤を練り込んだ外部電極20を有
する電子部品を実装し、150℃/30分で接続体3を
硬化させた。
【0101】(実施例6)図8を参照して説明した実施
の形態6の製造方法に従って電子部品実装体を作成し
た。すなわち、基板電極5上に導電性接着剤からなる接
続体3を設け、そこに導電性接着剤からなる外部電極2
を有する電子部品を実装し、150℃/30分で接続体
3を硬化させた。そして、この電子部品実装体をキレー
ト化処理液であるアントラニル酸エタノール溶液に浸漬
し、外部電極2に金属錯体からなる溶出防止剤膜4を形
成した。この際、接続体3や基板電極5にも溶出防止剤
膜4を形成した。
【0102】(実施例7)実施例3に従って形成した電
子部品を用い、図9を参照して説明した実施の形態7の
製造方法に従って電子部品実装体を作成した。すなわ
ち、電子部品の外部電極2を構成している導電性接着剤
12を接続体として用いて、電子部品を基板電極5上に
実装した。外部電極2を構成している導電性接着剤12
は熱可塑性のため、高温時では柔らかい状態となり、常
温に戻すことによって再硬化する。この性質を利用し、
150℃/30分間の加熱処理を施すことによって基板
電極5と外部電極2とを電気的に接続した。
【0103】(比較例1)外部電極2が銀フィラを含有
する熱硬化性エポキシ樹脂系導電性接着剤で形成されて
いる1608サイズチップ型ジャンパー抵抗からなる電
子部品を用意して、この電子部品を部品保存試験した。
【0104】(比較例2)外部電極2が銀フィラを含有
する熱可塑性ウレタン樹脂系導電性接着剤で形成されて
いる1608サイズチップ型ジャンパー抵抗を用意し
て、この電子部品を部品保存試験した。
【0105】(比較例3)実施例1と同じ1608サイ
ズジャンパーチップ抵抗からなる電子部品を用意した。
そして、この電子部品を、図12に示す従来の方法に従
って回路基板6に実装し、150℃/30分で接続体3
を硬化させた。この電子部品実装体は溶出防止剤膜を有
していない。具体的には、図12(a)に示すように、
基板電極5を有する回路基板6を用意したうえで、図1
2(b)に示すように、基板電極5上に半硬化状態(B
ステージ状態)導電性接着剤からなる接続体3をパター
ン形成する。一方、図12(c)に示すように、チップ
型ジャンパー抵抗等からなる電子部品を用意する。この
電子部品は、セラミック素子105の両端に導電性接着
剤101(半硬化状態でも硬化状態でもよいが、取り扱
い性からみて硬化状態が好ましい)からなる外部電極1
00を設けて構成されている。導電性接着剤101は、
溶出防止剤を有していない。このように構成された電子
部品を、図12(d)に示すように、回路基板6の基板
電極5上に実装して、接続体3を加熱により硬化させて
外部電極2と基板電極5とを電気的に接続する。
【0106】(比較例4)実施例3と同じ1608サイ
ズチップ型ジャンパー抵抗からなる電子部品を用意し
た。そして、この電子部品の外部電極2を構成している
導電性接着剤を接続体として用いて、電子部品を基板電
極5上に実装した。そして、150℃/30分の加熱処
理を施すことによって基板電極5と外部電極2とを電気
的に接続した。この電子部品実装体は溶出防止剤膜4を
有していない。
【0107】以上のように作成した電子部品、および電
子部品実装体について硫化試験およびマイグレーション
試験を行った。
【0108】初めに電子部品について行った部品保存試
験の結果をまとめて表1に示す。
【0109】
【表1】
【0110】表1に示すように、実施例1〜3では部品
保存試験後もほとんど抵抗値の変化は見られなかった
が、比較例1および2では抵抗値が大きく上昇した。こ
のことから、溶出防止剤膜4、24で導電性フィラ10、
23を保護することによって保存安定性の良い電子部品
を提供できることがわかる。
【0111】
【表2】
【0112】次に、電子部品実装体の評価試験結果につ
いて考察する。表2に示すように、実施例4、5では、
硫化試験後に若干の抵抗値の増加が見られが、比較例
3、4と比べて溶出防止剤膜4の効果が見られた。実施
例4、5における若干の抵抗値の上昇は、導電性接着剤
からなる接続体3によるものと考えられる。実施例6に
おいては、硫化試験後に大きな抵抗値の変化は見られな
い。実施例6は接続体3や基板電極5にも溶出防止剤膜
4を形成したためと思われる。実施例7の場合にも、ま
ったく抵抗値の上昇は見られなかった。
【0113】一方、比較例3および4では抵抗値の大き
な上昇が確認された。これは、外部電極2を構成してい
る銀フィラが硫化して抵抗値が上昇したのが原因と思わ
れる。
【0114】マイグレーション試験においては、実施例
4〜7の電子部品実装体では、外部電極2を構成してい
る導電性接着剤からの銀の析出はまったく見られなかっ
た。一方、比較例3、4では外部電極2を構成する導電
性接着剤からと思われる帯状の銀の析出が見られた。
【0115】以上のように、外部電極2が導電性接着剤
12、21で形成されている電子部品においては、外部
電極2をキレート化処理して溶出防止剤膜4、24を形
成することによって、従来例と比べて保存安定性、耐硫
化性、耐マイグレーション性が大幅に改善されることが
わかった。
【0116】
【発明の効果】以上のように、外部電極が導電性接着剤
で形成されている電子部品において、外部電極に溶出防
止剤膜を設けることによって、導電性フィラの酸化、硫
化による劣化を防ぎ、保存安定性に優れた電子部品を提
供できる。また、本発明の電子部品を用いた電子部品実
装体においては、導電性フィラの劣化だけでなく、マイ
グレーションも防ぐことができ、高い接続信頼性が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である電子部品(チップ
型ジャンパー抵抗)の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1、2の電子部品の外部電極やリー
ド電極に溶出防止剤を設けた状態を示す要部拡大模式図
である。
【図3】本発明の実施の形態2である電子部品(QFP
型の半導体装置)の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3である電子部品(チップ
型ジャンパー抵抗)の構成を示す断面図である。
【図5】実施の形態3の電子部品の外部電極に溶出防止
剤を設けた状態を示す要部拡大模式図である。
【図6】本発明の実施の形態4の電子部品実装体の製造
方法の各製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5の電子部品実装体の製造
方法の各製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態6の電子部品実装体の製造
方法の各製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態7の電子部品実装体の製造
方法の各製造工程を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態8の電子部品実装体の製
造方法の各製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態9の電子部品実装体の製
造方法の各製造工程を示す断面図である。
【図12】従来例の電子部品実装体の製造方法の各製造
工程を示す断面図である。
【図13】従来例の電子部品の外部電極やリード電極の
要部拡大模式図である。
【符号の説明】
1 セラミック素子 2 外部電極 3 接
続体 4 溶出防止剤膜 5 基板電極 6 回
路基板 8 パッケージ本体 9 リード電極 10 導
電性フィラ 11 樹脂成分 12 導電性接着剤 13
溶出防止剤膜 20 外部電極 21 導電性接着剤 22
樹脂成分 23 導電性フィラ 24 溶出防止剤膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/60 311 H01G 1/035 C H05K 3/32 1/14 V (72)発明者 三谷 力 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石丸 幸宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E028 AA10 BB01 CA02 DA01 JA13 JC02 JC11 5E032 AB10 BB01 CA02 CC07 CC11 5E082 AA01 AB03 BC36 BC40 GG10 GG11 GG12 GG26 GG28 MM24 5E319 AA03 AA07 AB03 AB06 BB11 5F044 KK01 LL07 QQ06

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性接着剤が含まれた外部電極を有す
    る電子部品であって、 前記外部電極が溶出防止剤を含んでいる、 ことを特徴とする電子部品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤を前記外部電極の表面部位に設ける、 ことを特徴とする電子部品。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子部品であって、 前記導電性接着剤を前記外部電極の表面部位に設けると
    ともに、前記溶出防止剤を前記導電性接着剤の表面部位
    に設ける、 ことを特徴とする電子部品。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子部品であって、 前記導電性接着剤のうち、少なくともその表面に露出し
    ている導電性フィラを前記溶出防止剤で被覆する、 ことを特徴とする電子部品。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤を前記導電性接着剤に混合した状態で、
    前記外部電極に設ける、 ことを特徴とする電子部品。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤は金属錯体を含んだものである、ことを
    特徴とする電子部品。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤は樹脂成分を含んだものである、 ことを特徴とする電子部品。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記導電性接着剤は銀を含んだ導電性フィラを有するも
    のである、 ことを特徴とする電子部品。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤は水不溶物質である、 ことを特徴とする電子部品。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の電子部品であって、 前記溶出防止剤は硫化水素または硫黄酸化物を含む水溶
    液に不溶な物質である、 ことを特徴とする電子部品。
  11. 【請求項11】 導電性接着剤が含まれた外部電極を有
    する電子部品の製造方法であって、 前記外部電極にキレート化剤を接触させて、その表面部
    位に金属錯体を含む溶出防止剤を形成する、 ことを特徴とする電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 導電性接着剤が含まれた外部電極を有
    する電子部品の製造方法であって、 キレート化剤を混合した導電性接着剤を電子部品表面も
    しくは外部電極表面に形成することにより、金属錯体が
    含まれた溶出防止剤を有する外部電極を形成する、 ことを特徴とする電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の電子部品と、当該電子部品を実装する回路基板とを有
    する、 ことを特徴とする電子部品実装体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の電子部品実装体で
    あって、 前記回路基板の基板電極は、溶出防止剤を含んでいる、 ことを特徴とする電子部品実装体。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    のものでありかつ前記導電性接着剤を未硬化状態にした
    電子部品と、回路基板とを用意したうえで、前記回路基
    板の基板電極上に前記電子部品の外部電極を当接させ
    て、前記電子部品を前記回路基板に実装する工程と、 前記外部電極に含まれる導電性接着剤を硬化させて、前
    記電子部品と前記回路基板とを電気的に接続する工程
    と、 を含むことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の電子部品と回路基板とを用意したうえで、前記回路基
    板の基板電極上に未硬化状態の導電性接着剤からなる接
    続体を塗布形成する工程と、 前記接続体上に前記電子部品の外部電極を当接させて、
    前記電子部品を前記回路基板に実装する工程と、 前記接続体を硬化させて前記電子部品と前記回路基板と
    を電気的に接続する工程と、 を含むことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
  17. 【請求項17】 導電性接着剤が含まれた外部電極を有
    する電子部品と回路基板とを用意したうえで、前記回路
    基板の基板電極上に未硬化状態の導電性接着剤からなる
    接続体を塗布形成する工程と、 前記接続体上に前記電子部品の外部電極を当接させて、
    前記電子部品を前記回路基板に実装する工程と、 前記接続体を硬化させて、前記電子部品と前記回路基板
    とを電気的に接続する工程と、 前記外部電極をキレート化剤によって処理することで、
    当該外部電極に、金属錯体を含む溶出防止剤を形成する
    工程と、 を含むことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の電子部品実装体の
    製造方法であって、 前記外部電極をキレート化剤で処理すると同時に、前記
    接続体の少なくとも一部分にキレート化剤で処理する、 ことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
  19. 【請求項19】 未硬化状態の導電性接着剤が含まれた
    外部電極を有する電子部品と回路基板とを用意したうえ
    で、前記回路基板の基板電極上に前記電子部品の外部電
    極を当接させて前記電子部品を前記回路基板に実装する
    工程と、 前記導電性接着剤を硬化させて、前記電子部品と前記回
    路基板とを電気的に接続する工程と、 前記外部電極をキレート化剤によって処理することで、
    当該外部電極に、金属錯体を含む溶出防止剤を形成する
    工程と、 を含むことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項17ないし19のいずれかに記
    載の電子部品実装体の製造方法であって、 前記外部電極をキレート化剤で処理すると同時に、前記
    基板電極の少なくとも一部分にキレート化剤で処理す
    る、 ことを特徴とする電子部品実装体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004287A1 (fr) * 2006-07-05 2008-01-10 Ablestik (Japan) Co., Ltd. Adhésif conducteur
JP2008263013A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミック電子部品
JP2008305841A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Fujikura Kasei Co Ltd 電子部品の製造方法およびこれより製造された電子部品
JP2011082456A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Fujikura Kasei Co Ltd 電子部品の実装方法および実装体

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