JP2004103706A - 半導体装置用テープキャリアおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁性フィルム上に施された銅箔をパターニングして微細配線パターンを形成し、そのインナーリードの先端部を絶縁性フィルムに設けたデバイスホール内に突出させ、絶縁性フィルム上でこのインナーリード部へ伸びるリードを覆うように所定の領域にソルダーレジストを塗布し、そのソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分にスズめっき層を形成した半導体装置用テープキャリアにおいて、ソルダーレジスト際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定める。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密電子部品であるTABテープキャリアのような半導体装置用テープキャリア及びその製造方法、特にその銅箔の配線パターンにスズめっきを行う際の銅の喰われ及びホイスカの発生を防止する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のTABテープキャリアの製造方法を、本発明の実施形態に係る図3を併用して説明する。
【0003】
図3に示すように、ポリイミドフィルムなどの絶縁性フィルム3に接着剤層2を介して銅箔1を貼り合わせ、この銅箔1をパターニングして銅リード21を含む配線パターン20を形成する。次いで、この配線パターン20のインナーリード21a、アウターリード21bなどの接続部分を除いた部分に、絶縁膜としてソルダーレジスト5を塗布する。このようにしてソルダーレジスト5を塗布した後、露出する部分である接続端子部分にスズめっき層7を形成する。これは、液中に銅の錯化剤を含有する置換析出型の無電解めっきを施して、配線パターン20上に置換金属を析出させる。
【0004】
しかし、ソルダーレジスト5を塗布し、乾燥硬化させた後スズめっきを行うと、ソルダーレジスト5の端部から配線パターンに沿ってソルダーレジストの下面にめっき液が浸入し、局部電池を形成してこの部分の銅が溶出する。
【0005】
そこで、パターンにめっきした後でソルダーレジストを塗布する等の工夫がなされているが、食われ部の生成を根本的になくすことは困難である。ちなみに、従来では、あまり細密性が要請されない電子部品の場合、Cu箔厚も厚かったため、食われはそれ程問題にならず、このため印刷位置の設定としては特に指定はなかった。
【0006】
他の問題点として、スズめっき皮膜は、スズめっき直後、放置するとホイスカ(ひげ状の結晶)が発生することが良く知られており、特に微細ピッチのパターンではホイスカの発生がショートの原因となるため、種々の検討が行われてきた。このスズホイスカの抑制手段としては、(1) 下地めっきとして、ニッケル、銅、鉛、はんだ、スズ−ニッケル合金、スズ−銅合金層を形成する。(2) めっき後にリフロー処理を施す。(3) めっき後に加熱してアニール処理を施す。(4) スズめっきを他のスズ−合金めっきまたは他の金属めっきに変更する。(5) スズめっきに数%以上鉛を含む半田めっきに変更する。等が知られている。
【0007】
しかし、上記(1) の下地めっきを施す手法は、下地めっき工程が付与されるのでコストが高くなる。上記(2) のめっき後にリフロー処理を施す方法は、最初に厚く均一なめっきを施したとしても、リフロー後はめっき厚にバラツキが生じてしまい、さらにスズめっき表面が酸化するという問題が生じる。上記(3) のめっき後にアニール処理を施す方法は、短期間ではホイスカ抑制効果があるが、6ケ月程度の長期間になると完全にホイスカの成長を防止することができないため、完全なホイスカ対策とはならないという問題がある。上記(4) 、(5) の手法は金めっき、半田めっきを行うことがあるが、金めっきはコスト高、半田めっきはめっき皮膜組成、膜厚のコントロールが難しい等の問題がある。
【0008】
また、こうしたホイスカの成長を制御する方法として、特開平5−33187号公報には、「銅又は銅合金の微細パターン上にスズめっきを施すに際し、まず厚さ0.15μm以上のスズめっきを施し、次いで加熱処理して該純スズ層をすべて銅素地とのCu−Sn拡散層とし、その上にスズめっきを施し、純スズめっき厚を0.15〜0.8μmとする」という技術が開示されている。すなわち、この従来技術は、スズめっき層を形成し、このスズめっき層を加熱処理してこのスズめっき層に銅を拡散させた後、再度めっき(フラッシュめっき)して、銅が拡散されたスズめっき層表面に純スズめっき層を形成してホイスカの形成を防止するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般にスズめっきは、耐食性、はんだ付け性に優れていることから電子部品に広く使用されている重要な技術の一つである。
【0010】
しかしながら、従来技術においては、配線パターン上にソルダーレジストを塗布して硬化させた後にスズめっきを行い、さらに加熱処理してこのスズめっき層に銅を拡散させた後、この銅が拡散されたスズめっき層の表面に再度スズめっき層を形成している。従って、加熱処理を挟んで一回目のスズめっきと二回目のスズめっきとを行わなければならず、より簡易、且つ効果的にホイスカを抑制する製造方法の提供が望まれている。
【0011】
ところで、半導体装置用テープキャリアとしては、絶縁性フィルムに設けるデバイスホール6を、図3の如く、その中に半導体素子(半導体チップ)10を収納し得る大きさに形成し、インナーリードの先端部を、この収納した半導体素子の電極に圧着し得るように構成したものがある。
【0012】
発明者等の認識によれば、かかるテープキャリアをスズめっき液に浸漬した場合、このスズめっき液はテープキャリアの一方の面に対して略垂直方向に流動しているため、貫通孔であるデバイスホール付近は、他の部分に比べ、めっき液の流れが速くなる傾向にある。
【0013】
このため、上記構造のTABテープキャリアの場合、図4に示すように、銅リード21におけるソルダーレジスト5下方の際部1aだけでなく、ポリイミド樹脂製絶縁性フィルム3と銅箔との界面1bにおいて、無電解スズめっきする際に銅が過剰溶解11し、リード強度を低下させるという問題がある。
【0014】
また、一般に無電解スズめっきは銅との置換で析出するが、この場合、無電解スズめっきの前処理液がソルダーレジスト5の下方は浸透しにくく、銅表面に有機物の残さ、汚染物等が残り、無電解スズめっき時に反応速度が著しく速くなり、銅が過剰に溶解する場合がある。
【0015】
さらに最近微細パターン化の要求が強くなっており、めっき面積がより小さくなっていることから、めっき面積の大きいところと微細な部分で、無電解スズめっき時に反応速度に差が生じる。特に微細部では無電解スズめっきの反応速度が速くなり銅が過剰溶解しリード強度が低下する。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ソルダーレジスト下方、リード配線部、絶縁性フィルムと銅箔の界面での銅の過剰溶解を防止するところにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、下地貴金属めっきや合金めっきを施さずに、安価、且つスズめっきの特性を損なわずに、スズめっきのホイスカを抑制し、高い信頼性を有する半導体装置用テープキャリアを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0019】
請求項1の発明に係る半導体装置用テープキャリアは、絶縁性フィルム上に施された銅箔をパターニングして微細配線パターンを形成し、そのインナーリードの先端部を絶縁性フィルムに設けたデバイスホール内に突出させ、絶縁性フィルム上でこのインナリード部へ伸びるリードを覆うように所定の領域にソルダーレジストを塗布し、そのソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分にスズめっき層を形成した半導体装置用テープキャリアにおいて、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定めたことを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、スズめっき層の厚さは0.2〜1.0μmであり、これを熱処理して厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層にしたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法は、絶縁性フィルム上に施された銅箔をパターニングして微細配線パターンを形成し、そのインナーリードの先端部を絶縁性フィルムに設けたデバイスホール内に突出させ、絶縁性フィルム上でこのインナリード部へ伸びるリードを覆うように所定の領域にソルダーレジストを塗布した半導体装置用テープキャリアの製造方法において、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定め、このテープを、めっき液がデバイスホールを貫通して流動するように置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬し、ソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分にスズめっき層を形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明は、請求項3記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、前記スズめっき層を加熱処理することにより、厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μm純スズ層にしたことを特徴とする。このソルダーレジスト塗布液中には、樹脂成分の他に、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤、溶剤、及び弾性を有する微粒子等を含んでも良い。
【0023】
<発明の要点>
テープキャリアをスズめっき液に浸漬した際に、このスズめっき液はテープキャリアの一方の面に対して略垂直方向に流動しているため、貫通孔であるデバイスホール付近は、他の部分に比べ、めっき液の流れが速くなる傾向にある。そのため、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm未満とした場合には、デバイスホール付近におけるめっき液の流速によって、ソルダーレジストと銅箔の界面における反応速度が増大し、銅の過剰溶解現象が顕著にあらわれる。
【0024】
これに対し、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上とした場合には、上記印刷位置がデバイスホールの端部からある程度離間していることから、前者に比べめっき液の流速に伴う銅の過剰溶解現象を低減することができる。
【0025】
そこで本発明では、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定め、このテープを、めっき液がデバイスホールを貫通して流動するように置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬し、ソルダーレジスト下方、微細リード配線部、ポリイミドフィルムと銅の界面での銅の過剰溶解を防止するものである。
【0026】
また本発明では、ソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分に厚さ0.2〜1.0μmのスズめっき層を形成し、得られたスズめっき層を加熱処理することにより、厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層とにする。これによれば、スズめっき層を加熱処理しているため、ホイスカの発生が抑えられると共に、従来の一回目のスズめっき層を全て銅素地とのCu−Sn拡散層とする場合のように、二回目のスズめっきを施す必要がないので、安価、且つ容易に高信頼性の半導体装置用テープキャリアを得ることができる。
【0027】
純スズ層の厚さを0.15〜0.8μmとした理由は、0.15μm未満の場合はインナリードのボンディング性が困難となり、0.8μmを超えると、めっきだれを生じ、短絡の原因となるからである。また、スズ−銅合金層の厚さを0.20μm以上とした理由は、ホイスカ抑制効果が不十分となるからである。
【0028】
このように本発明によれば、下地貴金属めっきや合金めっきを施さずに、安価でスズめっきの特性を損なわずに、スズめっきのホイスカを抑制し、高い信頼性を有する半導体装置用テープキャリアを提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。ここでは本発明の半導体装置用テープキャリアの代表例として、TABテープキャリアの製造方法について、工程順に図1を参照にして説明する。
【0030】
図1に示すように、半導体素子を収納し得る大きさのデバイスホール6を設けたポリイミド樹脂製の絶縁性フィルム3に、接着剤層2を介して銅箔1を貼り合わせる(図1(a))。この銅箔1をパターニングして銅リード21を含む微細配線パターン20を形成し、配線体テープとする。すなわち、ポリイミド樹脂上に接着剤層2を介して施された銅箔1にフォトレジスト4をコートし(図1(b))、露光、現像、エッチング、剥膜処理により微細配線パターン20を形成する(図1(c))。ここで、微細配線パターン20の銅リード21は、そのインナーリード21aの先端部が、絶縁性フィルム3に設けたデバイスホール6内に突出する形となる。
【0031】
次いで、絶縁性フィルム3上でインナリード部へ伸びる銅リード21を覆うように所定の領域にソルダーレジスト5を塗布する。このソルダーレジスト5の塗布液中には、ウレタン系、ポリイミド系、アクリル系、エポキシ系からなる群から選択されるいずれか一つ以上の熱硬化性樹脂を含むものであってもよい。また、ソルダーレジストの塗布液中には、樹脂成分の他に、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤、溶剤、及び弾性を有する微粒等を含んでも良い。すなわち、上記配線体テープにおける配線パターン20のインナーリード21a、アウターリード21bを除いた部分に、絶縁膜としてソルダーレジスト5を塗布する(図1(d))。すなわち、液状のエポキシ系ソルダーレジスト(インク)をスクリーン印刷法により印刷コートし、このインクをポストキュア(加熱硬化)することで、配線パターン上に絶縁保護膜層を形成する。ここでは、塗布後すぐにインラインベーク(120℃、2〜3分)を施すことで、ソルダーレジストが流れ出す前に仮乾燥して流れ出しを抑え、次いで、本ベークをソルダレジストの硬化条件(150℃、90分)で行う。
【0032】
このソルダーレジスト5の印刷に際しては、ソルダーレジスト5の印刷位置が、図2(a)(b)から良く判るように、デバイスホール6の端部(開口縁部)6aから所定距離d=0.05mm以上離れた所に来るように塗布し、塗布後加熱硬化させる。
【0033】
その後、銅リード21に安定した接合性を与えるため、ソルダーレジスト5の形成されていない接続部分、すなわちインナーリード21a及びアウターリード21bの部分に、無電解スズめっきにより、厚さ0.2〜1.0μmの純スズめっき層7を形成する(図1(e))。このスズめっきは、液中に銅の錯化剤を含有する置換析出型の無電解めっきを施して、配線パターン20上に置換金属を析出させることで行なう。その際、配線体テープは、めっき液がデバイスホール6を貫通して流動する向きとなるようにして、置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬する。次いで、得られたスズめっき層7を加熱処理することにより、厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層8と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層7aとにする。
【0034】
上記テープキャリアの半導体素子(ICチップ)10への実装作業は、図3に示すように、半導体素子10をデバイスホール6に位置するように配置し、デバイスホール6に突出したインナーリード21aと半導体素子10の電極(金バンプ)9を位置合わせした後、ボンディングツールにより圧着する。半導体素子10の電極9には金バンプが形成されており、加熱された状態で銅リード21に圧着されるとスズめっきが溶融し、金−スズ合金が形成し、電極9とインナーリード21aが接合される。
【0035】
上記のようにソルダーレジスト5の際部の印刷位置をデバイスホール6の端部6aから0.05mm以上離れた所に定め、このテープを、めっき液がデバイスホールを貫通して流動するように置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬することにより、図4に示す、銅リード21におけるソルダーレジスト5下方の際部1aおよびポリイミド樹脂製絶縁性フィルム3との銅箔界面1bでの銅の過剰溶解11を防止することができる。
【0036】
また、スズめっき層7を加熱処理して、スズ−銅合金層8を0.20μm以上、純スズ層7aを0.15〜0.80μmとすることにより、下地貴金属めっきや合金めっきを施さずに、安価でスズめっきの特性を損なわずに、スズめっきのホイスカを抑制し、高い信頼性を有する半導体装置用テープキャリアを提供することができる。
【0037】
ここで、ソルダーレジスト5の印刷位置をデバイスホール6の端部6aから0.05mm以上離す理由は、0.05mm未満であると銅喰われ11(図4)が過剰となり、リード折り曲げ強度が低下するからである。また、ソルダーレジスト5の印刷後、スズめっきする際の純スズ層7aの厚さを0.15〜0.8μmの範囲とした理由は、0.15μm未満の場合はインナリードのボンディング性が困難となり、0.8μmを超えるとめっきだれを生じ、短絡の原因となる。さらにスズ−銅合金層8の厚さを0.20μm以上とした理由は、0.20μm未満ではホイスカ抑制効果が不十分となるからである。
【0038】
本発明の効果を確認するため、スズめっき条件を変えて表1に示すサンプル1〜6を作成し、その銅過剰溶解性(喰われ量、リード破断折り曲げ回数)を評価した。
【0039】
【表1】
【0040】
まず、厚さ25μmの銅箔1全面に接着剤層2を介して,ポリイミド樹脂製絶縁性フィルム3から成る基材テープをラミネートにより、貼り合せる(図1(a))。その後、接着剤硬化のための170℃×5hrのキュアを行なう。その後、所定のレジスト4を塗布して乾燥し(図1(b))、所定の配線リードパターンを有するフォトマスクを通して露光、現像させた後、エッチングを行いリード21を含む微細配線パターン20を作製した(図1(c))。次に、この銅の微細配線パターン20が形成された半導体装置用テープキャリアの銅配線パターン20上の一部分、つまりインナーリード21a、アウターリード21b等の接続部分を除いた領域に、ソルダーレジスト5を印刷した後(図1(d))、露出する部分である接続端子部分に0.3〜0.81μmのスズめっき層7を形成し(図1(e))、そしてこれを100℃〜150℃で5分〜90分加熱処理することにより、純スズ層7aを0.2〜0.3μm、スズ−銅合金層(スズ合金層)8を0.22μm形成させたものを作製した。ここでサンプル1〜サンプル6として、ソルダーレジスト5の印刷位置をデバイスホール6の端部から−0.1〜0.3mmの範囲で変化させたもの、正確には−0.1、0.00、0.03、0.05、0.10、0.30mmとしたものを作製し、銅の過剰溶解性を断面観察による喰われ量の測定とリード破断折り曲げ回数の測定を行なった。
【0041】
表1より、ソルダーレジスト5の印刷位置がデバイスホールの端部から0.05mm未満(サンプル1〜3)であると、喰われ量が増大し、リード破断折り曲げ回数が低下するが、0.05mm以上としたもの(サンプル4〜6)については、喰われ量が3.3〜3.5μmと少なく、リード破断折り曲げ回数も8回と高いことが明らかになった。
【0042】
従って、ソルダーレジスト5の際部の印刷位置は、デバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に在ることが、銅の過剰溶解を防止する上で重要なことが判る。なおスズ−銅合金層(スズ合金層)8の厚さを0.15〜0.25μmの範囲で変更させてみたが、0.20μm未満のものはホイスカ抑制効果が不十分となった。
【0043】
銅箔1の厚さが12μmのテープキャリアで、表1と同様なサンプルを作成し、その銅過剰溶解性(喰われ量、リード破断折り曲げ回数)を評価したところ、ほぼ同様な結果が得られた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定めたので、置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬し、めっき液がデバイスホールを貫流動した際の、ソルダーレジスト下方、微細リード配線部、ポリイミドフィルムと銅の界面での銅の過剰溶解、及び微細リード部での銅の過剰溶解を抑制することができる。
【0045】
また、ソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分に厚さ0.2〜1.0μmのスズめっき層を形成し、これを熱処理して厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層にしたので、スズめっき以外の金属めっきを行わなくても、比較的安価でスズのホイスカを抑制することができ、高い信頼性を有したスズめっき皮膜が得られる。
【0046】
従って、本発明によれば、銅の過剰溶解を抑制し、しかもスズのホイスカを抑制した高い信頼性を有する半導体装置用テープキャリアを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法を工程毎に示した断面図である。
【図2】本発明の半導体装置用テープキャリアのソルダーレジスト印刷位置を示したもので、(a)はそのテープキャリアの概略平面図、(b)はそのA部拡大図である。
【図3】本発明の半導体装置用テープキャリアにICチップを搭載して半導体装置を構成した組立図である。
【図4】銅の過剰溶解現象を示した断面図である。
【符号の説明】
1 銅箔
2 接着剤層
3 ポリイミド樹脂製絶縁性フィルム
4 フォトレジスト
5 ソルダーレジスト
6 デバイスホール
6a 端部
7 純スズめっき層
7a 純スズ層
8 スズ−銅合金層
9 電極
10 半導体素子
11 銅の過剰溶解部
20 配線パターン
21 銅リード
21a インナーリード
21b アウターリード
Claims (4)
- 絶縁性フィルム上に施された銅箔をパターニングして微細配線パターンを形成し、そのインナーリードの先端部を絶縁性フィルムに設けたデバイスホール内に突出させ、絶縁性フィルム上でこのインナリード部へ伸びるリードを覆うように所定の領域にソルダーレジストを塗布し、そのソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分にスズめっき層を形成した半導体装置用テープキャリアにおいて、
ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定めたことを特徴とする半導体装置用テープキャリア。 - 請求項1記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、
前記スズめっき層の厚さは0.2〜1.0μmであり、これを熱処理して厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層にしたことを特徴とする半導体装置用テープキャリア。 - 絶縁性フィルム上に施された銅箔をパターニングして微細配線パターンを形成し、そのインナーリードの先端部を絶縁性フィルムに設けたデバイスホール内に突出させ、絶縁性フィルム上でこのインナリード部へ伸びるリードを覆うように所定の領域にソルダーレジストを塗布した半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
ソルダーレジストの際部の印刷位置をデバイスホールの端部から0.05mm以上離れた所に定め、
このテープを、めっき液がデバイスホールを貫通して流動するように置換析出型の無電解スズめっき液に浸漬し、ソルダーレジストから露出しているインナーリードを含むリード部分にスズめっき層を形成したことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項3記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記スズめっき層を加熱処理することにより、厚さ0.20μm以上のスズ−銅合金層と、その下方の厚さ0.15〜0.8μmの純スズ層にしたことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。
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