JP5424592B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、画素外のAD変換回路を画素内に単に取り込んだだけでは、アンプ等のアナログ回路がまだ画素外に残っているため、アナログ回路の雑音の影響を十分に抑制することは難しくその改善が望まれている。
例えば、特許文献1には、電荷をAPD(Avalanche Photo Diode)で増幅した後にパルス信号に変換し、これを1ビットメモリに記憶し、画素外部のカウンタで電荷数を記録する固体撮像装置が開示されている。
また、特許文献2には、電荷により量子ドットのコンダクタンス(gm)を変化させて電流をオン/オフさせることにより、電荷毎にパルスを発生させる方法が開示されている。
また、特許文献2に開示されている固体撮像装置のように量子ドットを用いる場合には高い駆動電圧を必要としないが、量子ドットは安定的に製造することが難しいため、各画素で特性を一様に揃えることは難しくその改善が望まれている。
1)基板と、前記基板の表面に形成された光電変換領域と、前記基板の表面に形成され、前記光電変換領域の一部を露出させると共に他の部分を囲い、所定の電圧が印加されているドレインと、前記光電変換領域が露出している領域において前記基板の表面から突出する細長形状を有し、前記細長形状の一部が、前記光電変換領域で発生した電荷を蓄積するゲートとなる電荷集中領域である細長部と、前記基板の上方に設けられ、前記細長部における前記電荷集中領域とは異なる他の領域に接続するソースと、を備え、前記ドレイン,前記電荷集中領域,及び前記ソースを有すると共に前記ドレイン及び前記ソースをそれぞれ端子とする2端子構造のセンサ部が構成され、前記ソースから出力され、前記光電変換領域で発生した電荷が前記電荷集中領域に蓄積され、その電荷数に応じて変化するソース電圧から、前記電荷集中領域に前記電荷の蓄積があったか否かをデジタル信号として出力する回路部であって、かつ、前記電荷集中領域に蓄積されている電荷が排出されて、リセットされるように、前記ソースに印加する電圧を制御する回路部をさらに備えた固体撮像装置。
2)前記回路部は、前記ソースに一端が接続されたコンデンサと、前記ソースに一端が接続され、他端に第1の電圧が印加されてオン状態となる第1のスイッチと、前記ソースに一端が接続され、他端に前記第1の電圧とは異なる値の第2の電圧が印加されてオン状態となる第2のスイッチと、前記ソースに一端が接続されたインバータ部と、前記インバータ部の他端に一端が接続されたメモリ部と、前記メモリ部の他端に一端が接続された第3のスイッチと、前記第3のスイッチの他端に一端が接続されたアンプと、を備える1)記載の固体撮像装置。
まず、本発明に係る固体撮像素子の実施例について図1〜図4を用いて説明する。
図1は本発明に係る固体撮像素子の実施例を説明するための模式的断面図であり、同図中の(a)は固体撮像素子の光電変換領域及びセンサ部近傍を示すものであり、(b)は(a)のセンサ部20を拡大したものである。
また、半導体基板1の表面には、光電変換領域3の一部を露出させ、他の部分を囲うようにドレイン2となるn型領域が形成されている。
ドレイン2(n型領域)は、例えば幅W2が4μm,深さD2が3μm,ドーパント濃度が1×1016cm−3〜1×1018cm−3の範囲内の値を有するものである。
光電変換領域3が露出している領域には、半導体基板1の表面から突出する細長部10が形成されている。
センサ部20は、例えば破線で囲った領域で示すように、ドレイン2及び細長部10を有して構成されており、光電変換領域3で発生した電荷(この例ではホール)を検出するものである。
固体撮像素子30は、これら光電変換領域3及びセンサ部20が画素毎に形成されたものである。
図1(b)に示すように、細長部10は、光電変換領域3が露出している領域における半導体基板1の表面上に順次形成された、第1のシリコン部11,ゲート12となるp+型の電荷集中領域,第2のシリコン部13,及びソース14を有して構成されている。
実施例では、細長部10の長さL10を0.2μmとし、幅W10を0.01μmとした。また、第2のシリコン部13の長さL13を0.1μmとし、細長部10近傍におけるドレイン2の深さD2aを0.1μmとした。
これにより、ゲート12/ソース14間のポテンシャルの変化を小さくすることができるので、センサ部20の電荷検出感度をゲートとソースとが直接接触しているものよりも向上させることができる。
図2は、細長部10の不純物プロファイル(シミュレーション値)を示す図であり、縦軸は不純物濃度を示し、横軸は細長部の先端部を0(ゼロ)基準とした細長部の長手方向の位置を示したものである。なお、図2の縦軸において、例えば“1.0e+12”の表記は“1.0×1012(cm−3)”を簡略化して表したものであり、“1.0e+16”の表記は“1.0×1016(cm−3)”を簡略化して表したものである。また、シミュレーションの条件(ソース用の不純物注入条件)として、ソース用不純物(ドーパント)を砒素(As)、加速電圧を50KeV,ドーズ量を1×1014cm−2とし、電荷集中領域(ゲート12)の不純物濃度を2×1018cm−3としている。
図3は、図2に示した不純物プロファイルにおいて、電荷集中領域(ゲート)にホール(電荷)がある場合とない場合とのソース電圧とソース電流との関係を示す図である。なお、図3の縦軸において、例えば“1.E+12”の表記は“1.0×1012(A)”を簡略化して表したものであり、“1.E+16”の表記は“1.0×1016(A)”を簡略化して表したものである。
図3に示すように、ソースにマイナスの電圧を印加するとソース電流が発生する。ホール(電荷)がある場合は電荷がない場合に比べてソース電流の値が約5桁大きくなり、大きな増幅率が得られることがわかる。
図4は、電荷集中領域(ゲート)におけるソース電圧とホール数との関係を示す図である。ホール数は、電荷集中領域の体積と電荷集中領域における電荷濃度とから、電荷集中領域における全電荷量を算出し、それをホール1個の電荷量で除算することにより算出したものである。
なお、ホール数は通常正の整数(自然数)で表されるが、図4ではソース電圧とホール数との関係をわかりするために小数点以下を四捨五入せずに表している。
図4に示すように、ホール数は、ソース電圧が−0.2V〜−2.18Vの範囲内では2個以下になり、ソース電圧が−1.3V〜−2.05Vの範囲内では1個以下になる。
図5は本発明に係る固体撮像装置の実施例における1画素の構成とこの画素と接続する各配線との関係を示す回路図である。図6は図5に示す固体撮像装置の動作方法を説明するためのタイミングチャートである。
固体撮像素子30の細長部10におけるソース14は、コンデンサC1,第1のスイッチSW1,及び第2のスイッチSW2の各一端側,並びにインバータを構成しているp型MOSFET112及びn型MOSFET114のゲート共通接続点にそれぞれ接続されている。
また、固体撮像素子30のドレイン2は、画素外からこのドレイン2に例えば0.6Vの電圧が印加される配線に接続されている。
第1のスイッチSW1の他端側は例えば0Vの配線に接続されており、第2のスイッチSW2の他端側は例えば−5Vの電圧が印加される配線に接続されている。
また、第1のスイッチSW1はセット配線に、第2のスイッチSW2はリセット配線にそれぞれ接続されており、セット配線に画素外から電圧を印加することによって第1のスイッチSW1をオン(またはオフ)することができ、リセット配線に外部から電圧を印加することによって第2のスイッチSW2をオン(またはオフ)することができる。
メモリ116からの出力信号は第3のスイッチSW3とアンプ118とを直列に介して出力線120より画素外に出力される。
図7〜図14は、本発明に係る固体撮像素子の製造方法、特にその主要構成部であるセンサ部における細長部の製造方法の実施例を説明するための模式的断面図であり、各図はその製造過程をそれぞれ示すものである。
半導体基板41,光電変換領域42,及びドレイン43は、上述した固体撮像素子30の半導体基板1,光電変換領域3,及びドレイン2にそれぞれ対応するものであり、これら光電変換領域3,42及びドレイン2,43は、例えばイオン注入を行った後に熱処理することによって形成することができる。
その後、光電変換領域42上及びドレイン43上に、第1の絶縁膜44を例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成する。
実施例では、第1の絶縁膜44としてシリコン窒化膜(SiN)を用い、厚さt44を0.2μmとした。
実施例では、第1の穴45の直径D45を0.09μmとした。
実施例では、第2の絶縁膜47としてシリコン酸化膜(SiO2)を用い、厚さt47を0.04μmとした。
サイドスペーサ48が形成された第1の穴45の内径D48は0.01μmに小径化される。
即ち、サイドスペーサ48は、第1の穴45を小径化するためのものであり、後述するシリコン柱部50をより細く形成するためのものである。
実施例では、ゲート52を形成するためのイオン注入の条件として、注入イオンをボロン(B)、加速電圧を30KeV,ドーズ量を5×1012cm−2とした。
ゲート52,第1のシリコン部51,及び第2のシリコン部53は、上述したゲート12,第1のシリコン部11,及び第2のシリコン部13(図1参照)にそれぞれ対応するものである。
その後、ソース57に例えば1000℃で30秒間の熱処理を施すことにより、注入されたイオンが活性化するため、ソース57は安定した導電性が得られる。
また、ゲート52,ソース57,及びドレイン43はジャンクションFETとして機能する。
後述する固体撮像素子70は、これら光電変換領域42及びセンサ部60が画素毎に形成されたものである。
その後、第3の絶縁膜62及び第1の絶縁膜44を貫通してドレイン43を露出させる第2の穴63、及び第3の絶縁膜62を貫通してソース57を露出させる第3の穴64をそれぞれ形成する。
さらに、第3の絶縁膜62上に、第2の穴63及び第3の穴64を埋めるパターン化された金属配線層65を形成する。
これら第3の絶縁膜62,第2の穴63,第3の穴64,及び金属配線層65は周知の方法を用いて形成することができる。
これにより、ゲート52/ソース57間のポテンシャルの変化を小さくすることができるので、センサ部60の電荷検出感度をゲートとソースとが直接接触しているものよりも向上させることができる。
Claims (2)
- 基板と、
前記基板の表面に形成された光電変換領域と、
前記基板の表面に形成され、前記光電変換領域の一部を露出させると共に他の部分を囲い、所定の電圧が印加されているドレインと、
前記光電変換領域が露出している領域において前記基板の表面から突出する細長形状を有し、前記細長形状の一部が、前記光電変換領域で発生した電荷を蓄積するゲートとなる電荷集中領域である細長部と、
前記基板の上方に設けられ、前記細長部における前記電荷集中領域とは異なる他の領域に接続するソースと、
を備え、
前記ドレイン,前記電荷集中領域,及び前記ソースを有すると共に前記ドレイン及び前記ソースをそれぞれ端子とする2端子構造のセンサ部が構成され、
前記ソースから出力され、前記光電変換領域で発生した電荷が前記電荷集中領域に蓄積され、その電荷数に応じて変化するソース電圧から、前記電荷集中領域に前記電荷の蓄積があったか否かをデジタル信号として出力する回路部であって、かつ、
前記電荷集中領域に蓄積されている電荷が排出されて、リセットされるように、前記ソースに印加する電圧を制御する回路部を
さらに備えた固体撮像装置。 - 前記回路部は、
前記ソースに一端が接続されたコンデンサと、
前記ソースに一端が接続され、他端に第1の電圧が印加されてオン状態となる第1のスイッチと、
前記ソースに一端が接続され、他端に前記第1の電圧とは異なる値の第2の電圧が印加されてオン状態となる第2のスイッチと、
前記ソースに一端が接続されたインバータ部と、
前記インバータ部の他端に一端が接続されたメモリ部と、
前記メモリ部の他端に一端が接続された第3のスイッチと、
前記第3のスイッチの他端に一端が接続されたアンプと、
を備える請求項1記載の固体撮像装置。
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