JP5424052B2 - 非水電解液二次電池及びその製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5424052B2
JP5424052B2 JP2010109567A JP2010109567A JP5424052B2 JP 5424052 B2 JP5424052 B2 JP 5424052B2 JP 2010109567 A JP2010109567 A JP 2010109567A JP 2010109567 A JP2010109567 A JP 2010109567A JP 5424052 B2 JP5424052 B2 JP 5424052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
positive electrode
negative electrode
electrode active
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010109567A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011238490A (ja
Inventor
保幸 大場
久 梅本
学 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010109567A priority Critical patent/JP5424052B2/ja
Publication of JP2011238490A publication Critical patent/JP2011238490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5424052B2 publication Critical patent/JP5424052B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、非水電解液二次電池及びその製造方法に関し、詳しくは負極として合金系材料(Mg,Ga,Al,Si,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi,Ag,Au,Zn,Cd,Hg,Cu,Vなどを含有)を用いた非水電解液二次電池及びその製造方法に関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話、デジタルカメラ等の携帯電子機器の普及に伴い、高エネルギー密度を有する小型大容量二次電池への要求が高まっている。また、環境問題の観点から、ハイブリッド車、電気自動車などのように、駆動用もしくは駆動補助用に高エネルギー密度を有する電池が求められている。これらの要求に応える二次電池の有力候補として正極活物質にコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム複合酸化物、負極活物質にグラファイト等の炭素材料を用いたリチウムイオン電池の開発が進んでおり、優れた安定性並びに高エネルギー密度の実現に向けた開発が行われてきた。黒鉛を負極として用いるリチウムイオン電池は1991年の商品化以来、エネルギー密度は2倍以上に向上したが、これは、電池内にどれだけ多くの活物質を詰め込むかという改良により達成されたものであり、エネルギー密度向上はほぼ限界に来たと思われる。しかし、電気自動車の駆動用などには更なるエネルギー密度向上が求められる。このような背景のもと、注目されているのが合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うリチウム合金負極である。この合金負極を負極材料に用いると、初回充電時の不可逆容量が非常に大きく負極側でLiが消費されてしまうため、正極側でLiが不足し過充電状態となってしまうことが大きな問題である。
このような課題を解決するために、従来、電極活物質層上にリチウム層を形成することによりLiが負極の不可逆容量に消費され正極の過充電状態を抑制する提案がされている(例えば、特許文献1参照)。
また、負極側にリチウムイオンをドーピングすることも提案されている。これにより、結果的にリチウムが負極の不可逆容量に消費され正極の過充電状態を抑制することができる(特許文献2参照)。
特開2008-305608号公報 特開2006-286921号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術のように、電極活物質層上にリチウム層を有する場合、電極上にリチウム金属が残ってしまう可能性がある。また、特許文献2に開示の技術のように、負極側にリチウムイオンをドーピングする場合、系にLi金属が取り残されてしまう。特許文献1や特許文献2に示されているようにリチウム金属が系に取り残されてしまうと、充電時にデンドライト状に析出し、セパレータを突き破って短絡の原因になるといった問題がある。
本発明は、上記実情に鑑み完成したものであり、負極活物質として合金系材料を採用した非水電解液二次電池について、初回充電時の大きな不可逆容量が負極において発生することにより正極側のLiが欠乏するという点に着目し、正極の過充電状態を抑制しつつリチウムの析出を抑制することで安全性の高い電池を提供することを解決すべき課題とする。また、そのような電池を製造する方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の非水電解液二次電池の特徴は、正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極とを有する二次電池であって、
前記正極及び前記負極の少なくとも一方は前記正極活物質の作動電位よりも低く前記負極活物質の作動電位よりも高い第2活物質を備え、
前記第2活物質の量は前記負極活物質の不可逆容量に相当する量又はそれ以上の量のリチウム量をもつように添加されることにある。
ここで、不可逆容量とは、初回充電容量から初回放電容量を引いたものであり初回放電時に可逆的にとりだすことが出来ない電気容量のことである。具体的には、以下の数式で表される。(不可逆容量)=(初回充電容量)−(初回放電容量)。
本発明では、正極活物質の作動電位よりも低く、負極活物質の作動電位よりも高く、リチウムを脱挿入可能な第2活物質を正極又は負極に含有させる。そのため、所定の電池反応が進行する際に作動電位が正極活物質及び負極活物質の作動電位の間にあり、不可逆容量に相当する量以上だけリチウムをもつ第2活物質における電池反応が優先的に進行する。そのため、正極の過充電状態を抑制できると共に系中にリチウム金属が取り残されることもなくなる。その結果、従来よりも安全性が高い非水電解液二次電池を提供できる。
ここで、前記第2活物質の作動電位は、前記正極活物質の作動電位よりも0.2V以下で、前記負極活物質の作動電位よりも0.2V以上であることが望ましい。この程度の作動電位の差をもつ第2活物質を採用することで、より確実に過充電状態の抑制が実現できる。
また、前記第2活物質の表面は導電材が接触していることが望ましく、更には第2活物質の表面は導電材にて覆われていることが、より望ましい。第2活物質の表面は導電材が接触しているため、添加した第2活物質が初回充放電時に役割を果たした後に、導電ネットワークの構築に寄与することができる。従って、第2活物質を添加することにより、電池反応の反応速度が制限される問題がなくなる。
更に、前記第2活物質はチタン酸リチウムであることが望ましい。チタン酸リチウムは、充放電過程におけるX線回折による結晶構造の検討結果より、リチウムの挿入・脱離の間もピーク位置に変化がなく、結晶構造の変化も格子定数の変化も格子の膨張収縮も起こっていないことが報告されており、いわゆる、無歪み材料である。従って、リチウムと合金化反応により発生する大きな体積膨張を緩和するマトリックスとしても働くことが期待できる。また、無歪み材料であるため電極の構造が変化しにくく安定なサイクル特性が実現できる。更にチタン酸リチウムは安価な材料でありコストの面でも優れた性能を有している。
上記課題を解決する本発明の非水電解液二次電池の製造方法の特徴は、正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極とを有する非水電解液二次電池を製造する方法であって、
前記正極及び前記負極の少なくとも一方は前記正極活物質の作動電位よりも低く前記負極活物質の作動電位よりも高い第2活物質を備えた状態で、初回の充放電を行う工程をもち、
前記第2活物質の量は前記負極活物質の不可逆容量に相当する量又はそれ以上の量のリチウム量をもつように添加されることにある。
本発明では、正極活物質の作動電位よりも低く、負極活物質の作動電位よりも高く、リチウムを脱挿入可能な第2活物質を正極又は負極に含有させる。そのため、所定の電池反応が進行する際に作動電位が正極活物質及び負極活物質の作動電位の間にあり、不可逆容量に相当する量以上のリチウムをもつ第2活物質における電池反応が優先的に進行する。そのため、正極の過充電状態を抑制できると共に系中にリチウム金属が取り残されることもなくなる。その結果、従来よりも安全性が高い非水電解液二次電池が製造できる製造方法が提供できる。
実施例にて用いた試験電池(コイン型電池:正極に第2活物質を有するもの)の構造を概略的に示す縦断面図である。 実施例にて用いた試験電池(コイン型電池:負極に第2活物質を有するもの)の構造を概略的に示す縦断面図である。 実施例1の試験電池1における1サイクル目及び2サイクル目の充放電曲線である。
本発明の非水電解液二次電池及びその製造方法について以下実施形態に基づき詳細に説明を行う。
(非水電解液二次電池)
本発明の非水電解液二次電池は正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極と電解質とを有する。正極及び/又は負極は第2活物質を備えている。
負極は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができ、負極活物質の一部乃至全部として合金系材料を備えるものであれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。特に、負極活物質および結着剤を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
ここで、負極活物質が備える合金系材料としては、電池反応の進行に伴い、リチウム元素を吸蔵乃至脱離して合金化、化合物化、脱合金化、脱化合物化(合金化、化合物化を併せて本明細書では合金化等と称し、脱合金化、脱化合物化を併せて脱化合物化等とそれぞれ称することがある)できる材料である。本明細書において、「合金」には2種以上の金属元素からなるものに加え、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素との組み合わせからなるものも含むものとする。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、マグネシウム(Mg),ガリウム(Ga),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ヒ素(As),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),銀(Ag),金(Au),亜鉛(Zn),カドミウム(Cd),水銀(Hg),銅(Cu),バナジウム(V),インジウム(In),ホウ素(B),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ハフニウム(Hf)が例示でき、本実施形態の合金系材料はこれらの元素を単体又は合金にて含むことができる。
なかでも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体又は合金が好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)、又はこれらの合金である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、さらに、酸化物、硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物などの他の金属化合物が挙げられる。酸化物としては、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどが挙げられる。その他、比較的電位が卑でリチウムを吸蔵及び放出することが可能な酸化物として、例えば酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズなどが挙げられる。硫化物としてはNiS、MoSなどが挙げられる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
負極の集電体としては、たとえば、銅、ニッケルなどを網、パンチドメタル、フォームメタル、板状に加工した箔などを用いることができる。
正極は、リチウムイオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができる正極活物質を備えていれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。特に、正極活物質、導電材および結着材を混合して得られた合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
正極活物質には、その活物質の種類で特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。たとえば、TiS、TiS、MoS、FeS、Li(1−x)MnO、Li(1−x)Mn、Li(1−x)CoO、Li(1−x)NiO、V等の化合物をあげることができる。ここで、xは0〜1を示す。また、これらの化合物の混合物を正極活物質として用いてもよい。さらに、Li1−xMn2+x、LiNi1−xCoなどのようにLiMn、LiNiOの遷移金属元素の一部を少なくとも1種類以上の他の遷移金属元素あるいはLiで置き換えたものを正極活物質としてもよい。
正極活物質としては、LiMn、LiCoO、LiNiO等のリチウムおよび遷移金属の複合酸化物がより好ましい。すなわち、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど活物質としての性能に優れているため、高い充放電効率と良好なサイクル特性とを有する電池が得られる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める作用を有する。結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
導電材は、正極の電気伝導性を確保する作用を有する。導電材としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質の1種または2種以上の混合したものをあげることができる。また、活物質の表面をカーボンコートすることもできる。カーボンコートする方法としては特に限定しないが、高分子化合物(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニルなど)などの炭素源と共に活物質を混合した後、焼成して炭化することにより、表面をカーボンコートすることもできる。焼成後は適宜粉砕操作などを行うこともできる。
また、正極の集電体としては、たとえば、アルミニウム、ステンレスなどの金属を網、パンチドメタル、フォームメタル、板状に加工した箔などを用いることができる。
第2活物質はリチウムイオンの授受が可能な材料であり、その作動電位が、正極材料に加え正極活物質よりも低電位で、負極活物質の作動電位よりも高電位である材料である。第2活物質は一種類の材料から形成しても良いし2以上の材料を混合して用いても良いし、別々の場所(層状としたり正負極の部位毎に分けたりする)に別々の形態で用いても良い。第2活物質としては先に正極活物質及び負極活物質として挙げた材料から選択することもできる。第2活物質の作動電位としては正極活物質の作動電位よりも0.2V低く、負極活物質の作動電位よりも0.2V高いことが望ましい。第2活物質としては特にチタン酸リチウムを採用することが望ましい。第2活物質を添加する量としては負極活物質の不可逆容量に相当する量又はそれ以上の量のリチウム量をもつように添加される。第2活物質にリチウムを含有させるための方法としては、リチウム元素を含まない状態で第2活物質を製造した後にリチウム金属を対極として反応を進行させる電気化学的方法によりリチウム元素を含有させることもできる。リチウム元素を後に添加させる方法を採用する場合には電極を形成した後に電気化学的方法により含有させることもできる。
第2活物質の添加は正極活物質及び/又は負極活物質に混合して行っても良いし、正極活物質及び/又は負極活物質とは別に添加しても良い。別に添加する場合には層状に添加することもできる。例えば、正極活物質(及び/又は負極活物質)と結着材と導電材とで活物質層を形成した上に、第2活物質と結着材と導電材とで第2の活物質層を形成することができる。第2活物質は表面に導電材が接触していることが好ましい。導電材としては先に正極、負極などにおいて例示した材料を採用することができる。特に第2活物質の表面は導電材にて被覆されていることが望ましい。第2活物質の表面を導電材にて被覆する程度としては充分に導電性が確保できる程度に添加することが望ましい。導電性が充分に確保できたかどうかは第2活物質を添加する前と同程度又はそれ以上にまで導電性が回復できる程度であるかどうかで判断する。
電解質としては特に限定しないが、有機溶媒などの溶媒に電解質を溶解させたもの、自身が液体状であるイオン液体、そのイオン液体に対して更に電解質を溶解させたものなどのような液体状のものの他、固体電解質であっても良い。
有機溶媒としては、通常リチウム二次電池の電解液に用いられる有機溶媒が例示できる。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等及びそれらの混合溶媒が適当である。 例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒を用いることにより、電解質の溶解性、誘電率および粘度において優れ、電池の充放電効率も高いので、好ましい。
イオン液体は、通常リチウム二次電池の電解液に用いられるイオン液体であれば特に限定されるものではない。例えば、イオン液体のカチオン成分としては、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムや、ジメチルエチルメトキシアンモニウムカチオン等が挙げられ、アニオン成分としは、BF4−、N(SOCF2−等が挙げられる。
電解質としては、特に限定されない。例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiSbF、LiSCN、LiClO、LiAlCl、NaClO、NaBF、NaI、これらの誘導体等の塩化合物が挙げられる。これらの中でも、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiCFSOの誘導体、LiN(CFSOの誘導体及びLiC(CFSOの誘導体からなる群から選ばれる1種以上の塩を用いることが、電気特性の観点からは好ましい。
リチウム二次電池は正負極及び電解液の他、その他必要な部材を有することができる。その他必要な部材としては、セパレータ、ケースなどが例示できる。セパレータは正負極間に介装され、電気的な絶縁作用とイオン伝導作用とを両立する部材である。電解液が液状である場合にはセパレータは、液状の支持電解質を保持する役割をも果たす。セパレータとしては、多孔質合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔質膜が例示できる。更に、セパレータは、正極及び負極の間の絶縁を担保する目的で、正極及び負極の面積よりも更に大きい形態を採用することが好ましい。
(非水電解液二次電池の製造)
本実施形態の非水電解液二次電池の製造方法は正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極とを有する非水電解液二次電池を製造する方法である。具体的な製造方法としては、正極及び負極を形成後、セパレータを介して積層して形成した発電要素をケース内に収納した後、電解液を注入するといった通常の方法を例示することができる。ここで、正極、負極については非水電解液二次電池の欄において説明した構成を採用できるため、更なる説明は省略する。第2活物質の種類、添加量についても先に説明したものがそのまま採用できる。
本発明の非水電解液二次電池の製造方法は第2活物質を含有する状態で最初の充放電を行う工程を有する。ここで、最初の充放電とは電池の正負極を形成した後、最初に行う充放電のことであり、正負極が同じであればその他の構成要素が変わっていても良い。例えば、ケースの封止の有無や、電解液の入れ替えの有無はどのようなものであっても良い。
本発明の非水電解液二次電池及びその製造方法について以下実施例に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明にて使用する図面における各構成要素の大きさ、比率などは見やすいように適宜調節しており、その大きさは必ずしも厳格なものではない。
(実施例1)
(正極第1層の作製)
正極活物質としてのLiNiOを87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを10質量部と、結着材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量部と、結着材としてのポリエチレンオキシド(PEO)を1質量部と、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極集電体上に片面塗布し、乾燥することで正極第1層を形成した。正極第1層において正極活物質を添加する量は負極活物質の量に合わせて通常の方法により決定した(以下同じ)。
(正極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiFePO(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.2V低く、負極活物質の作動電位より3.15V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。ここで、LiFePOに対するカーボンコートはポリビニルアルコールと混合した後、焼成することでポリビニルアルコールを炭化し、粉砕することにより行った(以下の実施例においても第2活物質を形成する材料が異なる以外は同様の方法にてカーボンコートを行った。)この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第1層上に積層された正極第2層を形成した。第2活物質を添加する量は負極活物質において発生する不可逆容量に相当する量が添加されるように設定した(以下同じ)。なお、不可逆容量は予め実験により求めた。
(正極の作製)
正極合材(正極第1層と正極第2層とが積層されたもの。以下同じ。)の厚みが75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。
(負極の作製)
負極活物質としてのCuSn(合金系材料に相当)を85質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを5質量部と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を10質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極集電体上に片面塗布し、乾燥することで負極層を形成した。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の質量比で混合した有機溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で添加し電解液とした。
(コイン型電池の作製)
図1に示すように、調製した正極1(正極第1層11、正極第2層12)、負極2と調製した電解液と厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質膜からなるセパレータ7とを用いてコイン型電池50を製造した。正極1はアルミニウム集電体1aをもち、そのアルミニウム集電体1a上に正極第1層11、正極第2層12の順に活物質層が積層されている。負極2には銅集電体2aをもち、その銅集電体2a上に負極活物質層が積層されている。
これらの発電要素をステンレス製のケース(正極ケース4と負極ケース5から構成されている)中に収納した。正極ケース4と負極ケース5とは正極端子と負極端子とを兼ねている。正極ケース4と負極ケース5との間にはポリプロピレン製のガスケット6を介装することで密閉性と正極ケース4と負極ケース5との間の電気的な絶縁性とを担保した。以下、実施例2〜6、及び13においても図1に相当する構造をもつコイン型電池を作成した。
(実施例2)
(正極第1層の作製)
実施例1と同様に調製した。
(正極第2層の作製)
表面をカーボンコート(導電材に相当)をした第2活物質としてのLiFeSiO(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.82V低く、負極活物質の作動電位より2.53V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例3)
(正極第1層の作製)
実施例1と同様に調製した。
(正極第2層の作製)
表面をカーボンコート(導電材に相当)をした第2活物質としてのV(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.35V低く、負極活物質の作動電位より3.0V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて3.25Vまで定電流充電を行いV2O5中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例4)
(正極第1層の作製)
実施例1と同様に調製した。
(正極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiTi12(作動電位が、正極活物質の作動電位より2.05V低く、負極活物質の作動電位より1.3V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量部と、結着材としてのポリエチレンオキシド(PEO)を1質量部と、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.55Vまで定電流充電を行いLi4Ti5O12中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例5)
(正極第1層の作製)
実施例1と同様に調製した。
(正極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをした酸化チタン(TiO(B))(作動電位が、正極活物質の作動電位より2.0V低く、負極活物質の作動電位より1.75V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを1質量部と、結着材としてのPEOを1質量部と、結着材としてのPTFEを1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.6Vまで定電流充電を行いTiO2(B)中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例6)
(正極第1層の作製)
実施例1と同様に調製した。
(正極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたNb(作動電位が、正極活物質の作動電位より1.85V低く、負極活物質の作動電位より1.5V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを1質量部と、結着材としてのPEOを1質量部と、結着材としてのPTFEを1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.75Vまで定電流充電を行いNb2O5中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例7)
(正極の作製)
正極活物質としてのLiNiOを87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを10質量部と、結着材としてのCMCを1質量部と、結着材としてのPEOを1質量部と、結着材としてのPTFEを1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極集電体上に片面塗布し、乾燥することで正極を形成した。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。
(負極第1層の作製)
負極活物質としてのCuSnを85質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを5質量部と、結着材としてのPVdFを10質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極集電体上に片面塗布し、乾燥することで負極層を形成した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiFePO(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.2V低く、負極活物質の作動電位より3.15V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
コイン型電池は、図2に示すように、調製した正極1、負極2(負極第1層21、負極第2層22)と調製した電解液と厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質膜からなるセパレータ7とを用いてコイン型電池60を製造した。なお図1に示すものに相当する部材については同じ符号を採用した。正極1はアルミニウム集電体1aをもち、そのアルミニウム集電体1a上に活物質層が積層されている。負極2には銅集電体2aをもち、その銅集電体2a上に負極第1層21、負極第2層22の順に積層されている。
これらの発電要素をステンレス製のケース(正極ケース4と負極ケース5から構成されている)中に収納した。正極ケース4と負極ケース5とは正極端子と負極端子とを兼ねている。正極ケース4と負極ケース5との間にはポリプロピレン製のガスケット6を介装することで密閉性と正極ケース4と負極ケース5との間の電気的な絶縁性とを担保した。以下、実施例7〜12においても図2に相当する構造をもつコイン型電池を作成した。
(実施例8)
(正極の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第1層の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiFeSiO(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.82V低く、負極活物質の作動電位より2.53V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例9)
(正極の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第1層の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたV(作動電位が、正極活物質の作動電位より0.35V低く、負極活物質の作動電位より3.0V高い)を80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて3.25Vまで定電流充電を行いV2O5中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例10)
(正極の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第1層の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiTi12(作動電位が、正極活物質の作動電位より2.05V低く、負極活物質の作動電位より1.30V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを3質量部と、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を3質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.55Vまで定電流充電を行いLi4Ti5O12中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例11)
(正極の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第1層の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたTiO(B)(作動電位が、正極活物質の作動電位より2.00V低く、負極活物質の作動電位より1.35V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを3質量部と、結着材としてのSBRを3質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.6Vまで定電流充電を行いTiO2(B)中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例12)
(正極の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第1層の作製)
実施例7と同様に調製した。
(負極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたNb(作動電位が、正極活物質の作動電位より1.85V低く、負極活物質の作動電位より1.50V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを3質量部と、結着材としてのSBRを3質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極第1層上に塗布し、乾燥することで負極第2層を形成した。
(負極の作製)
負極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで負極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.75Vまで定電流充電を行いNb2O5中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(実施例13)
(正極第1層の作製)
正極活物質としてのカーボンコートをしたLiFePOを80質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、結着材としてのPVdFを8質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極集電体上に片面塗布し、乾燥することで正極第1層を形成した。
(正極第2層の作製)
第2活物質としてのカーボンコートをしたLiTi12(作動電位が、正極活物質の作動電位より1.85V低く、負極活物質の作動電位より1.30V高い)を87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを7質量部と、結着材としてのCMCを1質量部と、結着材としてのPEOを1質量部と、結着材としてのPTFEを1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極第1層上に塗布し、乾燥することで正極第2層を形成した。
(正極の作製)
正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。そして、対極をLi金属で25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて1.55Vまで定電流充電を行いLi4Ti5O12中にあらかじめ、Cu6Sn6合金の初回不可逆容量に相当するリチウム量を供給しておいた。
(コイン電池の作成)
負極及び電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。
(比較例1)
正極活物質としてのLiNiOを87質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを10質量部と、結着材としてのCMCを1質量部と、結着材としてのPEOを1質量部と、結着材としてのPTFEを1質量部とを水に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を正極集電体上に片面塗布し、乾燥することで正極層を形成した。正極合材厚みは75μmとなるようプレスした。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。
負極活物質としての天然黒鉛を98質量部と、結着材としてのPVdFを2質量部とを有機溶媒に混合・分散させ、均質な塗料液を調製した。この塗料液を負極集電体上に片面塗布し、乾燥することで形成した。負極の厚みは75μmとなるよう調整した。その後、所定のサイズに裁断することで正極を作製した。電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。コイン型電池は基本的な構造としては、図1に示すものを採用し、その正極についてのみ図2に示すものを採用した。以下の比較例についても同じ構造をもつコイン型電池を採用した。
(比較例2)
正極は比較例1と同様に調製した。負極は実施例1の負極と同様に調製した。電解液については、実施例1と同じものを用いてコイン型電池を製造した。正極活物質の量は負極活物質の量に対応して算出した量に加え、負極活物質における不可逆容量に相当する量を加えた量とした。
正極活物質、負極活物質、及び第2活物質として用いた材料について作動電位を表1に示す。
Figure 0005424052
(コイン型電池評価)
コイン型電池は、25℃の雰囲気で、1C相当の電流値(1Cは電池容量を1時間で放電できる電流値)にて4.1Vまで定電流定電圧充電した。その後、電池を分解し得られた正極を作用極に、対極、参照極をリチウム、電解液をエチレンカーボネート(EC)とジエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の質量比で混合した有機溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で添加した電解液を用いて三極セルを作製し、開回路電圧を測定した。その結果を、初期正極充電電圧とした。評価結果を表2に示す。
Figure 0005424052
表2から明らかなように、負極活物質として合金系材料(CuSn)を用いた比較例2の試験電池では負極活物質として炭素系材料(天然黒鉛)を用いた比較例1の試験電池に比べて初期正極充電電圧が高くなっていることが分かった。すなわち、比較例2の試験電池は、初期の充電において正極が過充電状態になっていることを示している。一方、実施例1〜6及び13の試験電池のように、正極材料よりも低電位で作動する第2活物質を正極に層状に添加したり、実施例7〜12の試験電池のように、負極材料よりも高電位で作動する第2活物質を負極側に層状にして添加したりすることで、第2活物質を添加しない比較例2の試験電池に比べ初期正極充電電圧が低くなり過充電状態が抑制されていることが分かる。これは実施例13の試験電池においても過充電が抑制できていることから、活物質の種類によらず、正極活物質よりも作動電位が低く、負極活物質よりも作動電位が高い第2活物質を正負極の少なくとも一方に添加することにより過充電が抑制できることが分かった。
図3に実施例1(LiNiO+LiFePO/LiPFEC(30)DEC(70)/CuSn)の1サイクル目と2サイクル目の充放電曲線を示す。1サイクル目はLiFePOの充電反応が見られるが、放電反応は見られなかった。また、2サイクル目以降はLiFePOの充放電反応は見られなかった。したがって、LiFePOから脱離したLiが負極の不可逆容量に消費され、その後はLiNiOのみが充放電されていることを確認できた。実施例2〜実施例12でも同様の結果が得られており、合金系負極材料を用いる系にリチウム挿入脱離可能な活物質を添加したことで、添加した化合物中のLiが初回充電時の負極での不可逆容量分に消費され、その結果、正極の過充電状態を抑制できることが示された。
(変形例1)
本変形例では、実施例の試験電池では電極を層状の構造にしているのに対して、第2活物質を正負極の何れかの活物質に所定の割合で混合して電極を作製し、評価したところ、実施例と同様の結果が得られた。
(変形例2)
各実施例における正極活物質として、LiNi1/3Mn1/3Co1/3(3.95V vs. Li/Li)などのLiNiOよりも高電位で作動する材料を採用することにより、第2活物質としてLiNiOを採用することができる。つまり、本発明の非水電解液二次電池に含まれる材料のうち、どの材料が正極活物質(又は負極活物質)であるか、又は、第2活物質であるかは、その材料単独では決定できず、他の材料の作動電位との比較により決定される。
1…正極 1a…正極集電体 2…負極 2a…負極集電体 3…電解液 4…正極ケース 5…負極ケース 6…ガスケット 7…セパレータ 10…コイン型の非水電解液二次電池

Claims (5)

  1. 正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極とを有する非水電解液二次電池であって、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方は前記正極活物質の作動電位よりも低く前記負極活物質の作動電位よりも高い第2活物質を備え、
    前記第2活物質の量は前記負極活物質の不可逆容量に相当する量又はそれ以上の量のリチウム量をもつように添加されることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記第2活物質の作動電位は、前記正極活物質の作動電位よりも0.2V以下で、前記負極活物質の作動電位よりも0.2V以上である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記第2活物質の表面は導電材が接触している請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記第2活物質はチタン酸リチウムである請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の非水電解液二次電池。
  5. 正極活物質を備える正極と、合金系材料を含む負極活物質を備える負極とを有する非水電解液二次電池を製造する方法であって、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方は前記正極活物質の作動電位よりも低く前記負極活物質の作動電位よりも高い第2活物質を備えた状態で、初回の充放電を行う工程をもち、
    前記第2活物質の量は前記負極活物質の不可逆容量に相当する量又はそれ以上の量のリチウム量をもつように添加されることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
JP2010109567A 2010-05-11 2010-05-11 非水電解液二次電池及びその製造方法 Active JP5424052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010109567A JP5424052B2 (ja) 2010-05-11 2010-05-11 非水電解液二次電池及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010109567A JP5424052B2 (ja) 2010-05-11 2010-05-11 非水電解液二次電池及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011238490A JP2011238490A (ja) 2011-11-24
JP5424052B2 true JP5424052B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=45326251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010109567A Active JP5424052B2 (ja) 2010-05-11 2010-05-11 非水電解液二次電池及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5424052B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6254258B2 (ja) * 2013-07-30 2017-12-27 エルジー・ケム・リミテッド 非可逆添加剤が含まれている二次電池用正極合剤
JP5643996B1 (ja) * 2013-08-22 2014-12-24 株式会社豊田自動織機 正極活物質層上に熱暴走抑制層を具備する正極を有するリチウムイオン二次電池
WO2015056412A1 (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 株式会社豊田自動織機 リチウムイオン二次電池
JP2015225761A (ja) * 2014-05-27 2015-12-14 株式会社カネカ 電極活物質混合物、それを用いて作製した電極及び非水電解質二次電池

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3287376B2 (ja) * 1994-03-16 2002-06-04 エフ・ディ−・ケイ株式会社 リチウム二次電池とその製造方法
JP4210892B2 (ja) * 2000-03-30 2009-01-21 ソニー株式会社 二次電池
JP2002203557A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Sony Corp 非水電解質二次電池
JP4910235B2 (ja) * 2001-02-09 2012-04-04 パナソニック株式会社 リチウム二次電池及びその製造法
JP3726958B2 (ja) * 2002-04-11 2005-12-14 ソニー株式会社 電池
JP5188677B2 (ja) * 2005-12-21 2013-04-24 三星エスディアイ株式会社 リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法
JP2007173134A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池の電極用材料、リチウムイオン電池の電極形成用スラリーおよびリチウムイオン電池
JP2008016446A (ja) * 2006-06-09 2008-01-24 Canon Inc 粉末材料、粉末材料を用いた電極構造体及び該電極構造体を有する蓄電デバイス、並びに粉末材料の製造方法
JP5288448B2 (ja) * 2008-04-11 2013-09-11 Necエナジーデバイス株式会社 非水電解質二次電池
JP5360871B2 (ja) * 2008-10-21 2013-12-04 Necエナジーデバイス株式会社 非水系電解質リチウムイオン二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011238490A (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11183714B2 (en) Hybrid metal-organic framework separators for electrochemical cells
JP5882516B2 (ja) リチウム二次電池
US10727535B2 (en) Electrolyte system for silicon-containing electrodes
US10673046B2 (en) Separator for lithium metal based batteries
CN112313819B (zh) 制造用于锂二次电池的负极的方法和制造锂二次电池的方法
JP4710916B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、これを用いた非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池
JP5029540B2 (ja) 正極活物質、これを用いた正極および非水電解質二次電池
JP4022889B2 (ja) 電解液および電池
US10418668B2 (en) Electrolyte system including complexing agent to suppress or minimize metal contaminants and dendrite formation in lithium ion batteries
US11114696B2 (en) Electrolyte system for lithium-chalcogen batteries
JP2001325988A (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
CN101355146A (zh) 负极、电池以及制造它们的方法
JP6998335B2 (ja) 負極活物質材料及び蓄電デバイス
JP2009187940A (ja) 正極活物質、並びにこれを用いた正極および非水電解質二次電池
CN110556521B (zh) 硅阳极材料
KR101352672B1 (ko) 이차전지용 음극 활물질
JP2005071678A (ja) 電池
CN102214818A (zh) 电池
JP5424052B2 (ja) 非水電解液二次電池及びその製造方法
JP2003123767A (ja) 集電体,電極および電池
JP2006134758A (ja) 二次電池
JP2014053154A (ja) 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池
JP5590418B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4798420B2 (ja) 二次電池
JP5327531B2 (ja) 非水電解液電池用電極及び非水電解液電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131113

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5424052

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250