JP5423388B2 - シリコン表面の清浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン原料の表面に付着した異物や、シリコン原料の汚染された表層を除去して、シリコン原料の表面を清浄化する方法に関するものである。
シリコンウェーハの原料となるポリシリコンは、先ず化学気相成長(CVD)法により棒状に製造される。具体的には、高温の真空CVD炉にシランガス及び水素ガスの混合ガスを流入させてポリシリコンを成長させる。棒状に成長したポリシリコンをCVD炉から取出すときに、さまざまな異物がポリシリコン表面に付着するおそれがあるとともに、棒状のポリシリコンを切断装置により所定の長さに切断してブロック状にする場合があり、このとき切断刃の成分がポリシリコンに付着したり或いはポリシリコンと反応する。また熱衝撃でポリシリコンに亀裂を入れることも行われる場合があり、このとき加熱装置の材料によって汚染されるおそれがある。更にこの熱処理されたブロック状のポリシリコンをタングステン・カーバイド(WC)など硬質の材料で作製されたハンマや破砕装置により直径1〜10cm程度の塊状に砕く場合がある。このときハンマや破砕装置を構成するWCなどの磨滅したものが塊状のポリシリコン表面に付着する。
このように塊状のポリシリコンの表面にはWC等の異物等が付着したり、これらの異物が高温でポリシリコンと反応して反応物が生成されたり、ポリシリコン中に拡散したり、或いはポリシリコン表面が酸化されて表面に酸化膜が形成される。このため、塊状のポリシリコンをフッ化水素酸と硝酸の混合水溶液に浸漬して、ポリシリコンの表層を溶解することにより、ポリシリコン表面の異物、ポリシリコンと反応して生成された反応物、ポリシリコン中への拡散物、表面酸化膜を除去する。その後、塊状のポリシリコンは袋などに詰められて半導体メーカに出荷される。
一方、回転する半導体ウェーハに、100μm又はそれ以下の直径を有する気泡を含有する清浄化液体を適用して、液状被膜を半導体ウェーハ上に形成させることにより、上記回転する半導体ウェーハを、反応性ガスを有するガス雰囲気に晒し、その後、上記液状被膜を除去する半導体を湿式化学的処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この処理方法では、気泡がオゾンを有し、半導体ウェーハがシリコンウェーハである。また清浄化液体が濃度0.02〜2%のフッ化水素であり、清浄化液体の温度は5〜70℃である。更に半導体ウェーハの湿式化学的処理を行う時間は30〜200秒間である。
このように構成された半導体の湿式化学的処理する方法では、酸性HF及びオゾンを含有する清浄化溶液の化学的作用と、清浄化液体中に形成される小さな気泡(マイクロバブル)の物理的作用とを組合せ、またマイクロバブルが清浄化液体を通して反応性ガスの輸送を加速させる。このマイクロバブルはシリコンウェーハの表面を腐蝕するHF含有及びオゾン含有の清浄化液体中でも使用され、シリコンウェーハ表面に付着した粒子がアンダカットされ、ウェーハ表面から剥離される。そして自由になった粒子はマイクロバブルに吸着され、液体の流れの中の気泡によって運び去られる。具体的には、清浄化液体中のマイクロバブルに含有されるオゾンはこのバブルの周囲の液体に急速に拡散する。これによりオゾン含有マイクロバブルは希薄なフッ化水素酸中でフッ化水素とオゾンとの混合物を形成する。ウェーハ表面の薄い二酸化ケイ素の層は混合物中のフッ化水素により溶解され、液体に晒されたシリコンは直ちにオゾンによって再び酸化される。上記2つの処理によりウェーハ表面が連続的に除去されるので、ウェーハ表面に付着した粒子はアンダカットされる。
特開2009−141347号公報(請求項1、2、6、9、12及び13、段落[0011]、[0013]、[0014]及び[0045]〜[0048])
上記塊状のポリシリコンをフッ化水素酸と硝酸の混合水溶液に浸漬して、ポリシリコン表面から異物等を除去する方法では、混合水溶液に濃度だけでなく総量も規制される窒素が含まれていため、使用後の混合水溶液中の窒素を例えば活性汚泥法により除去する必要がある。しかし、この活性汚泥法は窒素を捕食する菌を用いて窒素を除去するため、装置が大型化してしまい、また菌が死滅しないように管理することが難しいという問題点があった。また、上記従来の特許文献1に示された半導体ウェーハを湿式化学的処理する方法では、表面が平滑なシリコンウェーハ表面に付着した粒子を効率良く除去できるけれども、多くの凹凸を有する塊状のシリコン原料表面に付着した異物等を除去することはできない問題点がある。
具体的には、上記従来の特許文献1に示された処理方法では、ウェーハの回転により液状被膜に遠心力が作用してウェーハ上のマイクロバブルに強制的な移動が生じ、このマイクロバブルの移動によりウェーハ表面に付着した粒子を効率良く除去できる。しかし、多くの凹凸を有する塊状のシリコン原料の場合、このシリコン原料の回転により液状被膜に遠心力が作用する角度が凹凸に応じて異なるため、マイクロバブルの移動が妨げられたり、或いはシリコン原料の凹部から離れる方向や表面から剥離する方向に遠心力が働いてしまい、このマイクロバブルがシリコン原料表面の凹凸の凹部に進入し難いため、凹部に付着した粒子を除去することができない。
本発明の目的は、窒素を含む硝酸を用いずに、表面に多くの凹凸を有するシリコン原料であっても或いはシリコン原料の表層中に異物が拡散しているシリコン原料であっても、このシリコン原料の表面に付着した異物又は表層に拡散した異物等を効率良く除去できる、シリコン表面の清浄化方法を提供することにある。
フッ化水素酸とマイクロバブル状態のオゾンと液中に溶存するオゾンとを含む種々の性状の清浄化水溶液を調製し、これらの清浄化水溶液に表面の凹凸の高低差が大きいシリコン原料を浸漬したところ、シリコン原料表面が清浄になる場合と清浄にならない場合があることが分かった。シリコン原料表面が清浄になる条件を特定すべく種々の実験を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明の第1の観点は、シリコン原料に清浄化水溶液を適用することによりシリコン原料の表面を清浄化する方法において、清浄化水溶液はマイクロバブル状態のオゾンと液中に溶存するオゾンとフッ化水素酸とを含み、上記マイクロバブルが平均直径1〜100μmで1〜20体積%のボイド率で清浄化水溶液中に分散し、清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を[HF](mol/リットル)とし、マイクロバブルのボイド率及び平均直径をそれぞれf(体積%)及びd(μm)とし、フッ化水素とマイクロバブルの混合比率に関する指数をAとするとき、清浄化水溶液がフッ化水素とマイクロバブルを次の式(1)に規定する組成で含みかつ混合比率指数Aが0.05〜0.3であることを特徴とする。
[HF]/([HF]+100f/d)=A (1)
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に清浄化水溶液のシリコン原料への適用方法は、シリコン原料を清浄化水溶液に浸漬する方法であるか或いは清浄化水溶液をシリコン原料に噴射する方法であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更にシリコン原料が表面に凹凸を有し、最大高さによってシリコン原料の表面粗さを表したとき、基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上であるシリコン原料を含むか、或いはシリコン原料が基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上である領域を含むことを特徴とする。ここで、シリコン原料が基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上である領域を含むとしたのは、ハンドリングミスのために破断したシリコンウェーハの例のように、その一部、即ち破断面の表面粗さを最大高さにより規定するためである。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にマイクロバブルの平均直径dが3〜30μmであることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にマイクロバブルのボイド率fが3〜17体積%であることを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更にシリコン原料に清浄化水溶液を適用するときの処理温度が0〜30℃であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の清浄化方法では、表面に高低差の大きい凹凸を有しかつその凹部に異物が付着しているシリコン原料であっても、マイクロバブルが凹部に速やかに進入して清浄化水溶液中に溶解して消失するので、この水溶液中に溶存する高濃度のオゾンの酸化力によりシリコン原料表面に薄いシリコン酸化膜が形成される。水溶液中に溶存するオゾンがシリコン酸化膜の形成に消費されてオゾン濃度が低下するとともに、上記シリコン酸化膜が水溶液中のフッ化水素により溶解されて凹部がエッチングされる。このとき凹部に付着していた異物がシリコン原料の表面から離脱する。またシリコン原料の表層中に拡散している異物は、シリコン原料表面近傍でのマイクロバブルの水溶液中への溶解と、この溶解により濃度の高くなった溶存オゾンによるシリコン酸化膜の形成と、水溶液中のフッ化水素によるシリコン酸化膜の溶解とを繰返すことにより、シリコン原料の表層がエッチングされる。このときシリコン原料の表層中に拡散している異物もシリコン原料から離脱する。この結果、表面に多くの凹凸を有するシリコン原料であっても、或いはシリコン原料の表層中に異物が拡散しているシリコン原料であっても、シリコン原料の表面に付着した異物又は表層に拡散した異物等を効率良く除去できる。更に塊状のポリシリコンをフッ化水素酸及び硝酸の混合水溶液に浸漬してポリシリコン表面から異物等を除去する従来の方法では、廃液処理のために装置が大型化し菌の死滅を阻止する管理が難しい活性汚泥法を用いる必要があったのに対し、本発明の清浄化方法では、窒素を含む硝酸を用いずにシリコン原料表面を清浄化することができるので、装置が大型化し菌の死滅を阻止する管理が難しい活性汚泥法を用いずに済む。
本発明実施形態、実施例及び比較例の清浄化水溶液を調製するための装置とその装置で清浄化されたシリコン原料の処理工程を示す構成図である。 実施例1〜7と比較例1及び2の清浄化水溶液中のマイクロバブルの平均直径dを100μmとし混合比率指数Aを0.1としたときのマイクロバブルのボイド率と粒子除去率との関係を示す図である。 実施例8〜14と比較例3の清浄化水溶液中のマイクロバブルのボイド率fを1体積%とし混合比率指数Aを0.2としたときのマイクロバブルの平均直径と粒子除去率との関係を示す図である。 実施例15〜18及び比較例4〜7の清浄化水溶液中のマイクロバブルの平均直径dを40μmとしボイド率を2体積%としたときの混合比率指数Aと粒子除去率との関係を示す図である。 実施例19〜21の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を0.2mol/リットルとしマイクロバブルの平均直径dを10μm、50μm及び90μmとしたときのマイクロバブルのボイド率と粒子除去率との関係を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明は、シリコン原料を清浄化水溶液に浸漬することによりシリコン原料の表面を清浄化する方法である。上記清浄化水溶液は、マイクロバブル状態のオゾンと、液中に溶存するオゾンと、フッ化水素酸とを含む。またマイクロバブルは所定の平均直径及び所定のボイド率で清浄化水溶液中に分散する。このマイクロバブルの平均直径は1〜100μm、好ましくは3〜30μmであり、マイクロバブルのボイド率は1〜20体積%、好ましくは3〜17体積%である。
ここで、マイクロバブルの平均直径を1〜100μmの範囲内に限定したのは、1μm未満ではマイクロバブルが発生してから短時間で消失してしまう、即ちマイクロバブルが反応場近傍に到達する前にオゾンが液中に溶解してしまうため、オゾンを反応場に輸送する効果が乏しくなり、100μmを越えるとマイクロバブルがシリコン表面の凹凸の狭隘部の入口付近に長時間滞留し蓄積してフッ化水素が反応場に移動するのを阻害してしまうからである。またマイクロバブルのボイド率を1〜20体積%の範囲内に限定したのは、1体積%未満ではその他の条件が式(1)を満たしていてもシリコン原料表面のエッチング速度が低下し、かつエッチング後のシリコン表面にピッチングが認められ異物の除去率が低下してしまい、20体積%を越えるとマイクロバブルがシリコン表面の凹凸の狭隘部の入口付近に長時間滞留し蓄積してフッ化水素の狭隘部への拡散移動が阻害されてしまうからである。
なお、本発明におけるマイクロバブルの平均直径とは、マイクロバブルを含む水を扁平ガラスに入れてCCDカメラにより撮影し、写真に写った全てのマイクロバブルについて直径を実測して算術平均した直径をいう。また、ボイド率fとは、単位体積W0中に含まれるマイクロバブルの全体積W1の割合((W1/W0)×100%)をいう。更に、この実施の形態では、シリコン原料を清浄化水溶液に浸漬することによりシリコン原料の表面を清浄化したが、シリコン原料に清浄化水溶液を適用することによりシリコン原料の表面を清浄化できれば、清浄化水溶液をシリコン原料に噴射してもよい。
一方、清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を[HF](mol/リットル)とし、マイクロバブルのボイド率及び平均直径をそれぞれf(体積%)及びd(μm)とし、フッ化水素とマイクロバブルの混合比率に関する指数をAとするとき、清浄化水溶液がフッ化水素とマイクロバブルを次の式(1)に規定する組成で含みかつ混合比率指数Aが0.05〜0.3である。
[HF]/([HF]+100f/d)=A (1)
上記式(1)はマイクロバブルのボイド率fが大きくなるほどまた平均直径dが小さくなるほど、清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度を高くすることができることを示している。また式(1)中のf/dの係数100は実験により決定した。
なお、マイクロバブルの直径が小さくなるに従って、自己加圧効果によりマイクロバブルの周囲の液体がマイクロバブルを潰そうとする圧力が大きくなる。即ち、マイクロバブル内のオゾンを加圧する力はマイクロバブルの直径が小さくなればなるほど高くなる。液中に直径1μmのマイクロバブルを分散させると、約3気圧(約0.3MPa)の圧力上昇が生じるため、大気圧と合計して約4気圧(約0.4MPa)の圧力でオゾンを液中に溶解させる。また液中に直径10μmのマイクロバブルを分散させると、約0.3気圧(約0.03MPa)の圧力上昇が生じるため、大気圧と合計して約1.3気圧(約0.13MPa)の圧力でオゾンを液中に溶解させる。一方、圧力が大きいほどオゾンの液中への溶解度が高くなる。従って、一次近似を行うと、マイクロバブルの圧力に比例してオゾンの液中への溶解度が高くなる。
またマイクロバブル状のオゾンと液中に溶存するオゾンとフッ化水素酸とを含む清浄化水溶液にシリコン原料を浸漬すると、この清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度が相対的に高い場合には、シリコン原料表面近傍のマイクロバブルがその表面に向って急速に移動し、反応場至近でマイクロバブル中のオゾンが清浄化水溶液に溶解するため、シリコン原料表面のエッチング速度が速くなる。しかし、この場合、シリコン原料表面に孔食(こうしょく)が生じ、この孔食により形成されたピット内に金属不純物が残存するため、シリコン原料表面を完全に清浄化することは困難である。ここで、清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度が相対的に高い場合に、孔食が発生するメカニズムは次の通りであると推察される。清浄化水溶液中のフッ化水素がこの液に溶存しているオゾンより極めて多い場合(フッ化水素の濃度≫オゾンの濃度)、オゾンの酸化力によりシリコン原料表面に酸化膜が少しでも形成されると、液中に多量に存在するフッ化水素が直ぐにその酸化膜を溶解してしまう。金属不純物粒子とシリコン原料表面との間に薄い酸化膜が形成されるけれども、この酸化膜は極めて薄いため、金属粒子とシリコン原料表面との間に電流が流れて局部的に電池が形成される。このため、金属粒子とシリコン原料表面との間でエッチング現象が発生し、金属粒子を除去できずにシリコン原料表面にピッチング現象が起こってしまう。なお、清浄化水溶液に溶存しているオゾンが液中のフッ化水素より極めて多い場合(オゾンの濃度≫フッ化水素の濃度)、先ず液中に多量に存在するオゾンによりシリコン原料表面に酸化膜が生成され、その後、液中に少量しか存在しないフッ化水素が酸化膜を溶かそうとする。酸化膜は電気的に絶縁膜であるため、この絶縁膜が比較的厚く形成されてしまうと、金属粒子が存在しても局部的な電荷の流れが生じず、電池が構成されず、孔食は発生しない。
一方、マイクロバブル状のオゾンと液中に溶存するオゾンとフッ化水素酸とを含む清浄化水溶液にシリコン原料を浸漬すると、清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度が相対的に低い場合には、シリコン原料表面は一様に腐蝕する。しかし、フッ化水素の濃度が低いと、酸化膜の溶解速度が律速となるため、シリコン原料表面の酸化膜のエッチング速度が遅くなる。更に二次的な原因として、マイクロバブルの運動方向がランダムとなり、マイクロバブル中のオゾンが反応場至近で清浄化水溶液に選択的に溶解することがないため、エッチング速度が極めて遅くなり、シリコン原料表面を清浄化するのに長時間を要する。ここで、清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度が相対的に低い場合に、マイクロバブルの運動方向がランダムとなるのは次の理由に基づくものと推察される。清浄化水溶液中に溶存しているオゾンがシリコン原料表面を酸化すると、オゾンが消費されて、シリコン表面ではオゾンの濃度が薄くなるので、オゾンがシリコン原料表面に向って濃度拡散する。一方、シリコン酸化膜とマイクロバブルはともにプラスの電位を持ち、両者の間には斥力が働く。即ち、濃度勾配はオゾンをシリコン原料表面に向って移動させる方向であるけれども、電位的には反発し合っているため、マイクロバブルの運動方向はアトランダムになる。上述のことから、清浄化水溶液中のフッ化水素濃度とオゾン濃度とオゾン内包マイクロバブルの平均直径との間にシリコン原料表面を清浄化する条件があることを見出し、また清浄化水溶液中のオゾン濃度とオゾン内包マイクロバブルのボイド率とがほぼ比例することを見出して、式(1)を導出した。
なお、マイクロバブルは、液のpHが4以下であるとプラスの電位を持ち、液のpHが4を越えるとマイナスの電位を持つ。またシリコンは液のpHに拘らずマイナスの電位を持つ。更にシリコン酸化膜(SiO2)は、マイクロバブルと同様に、液のpHがフッ化水素酸の酸性の領域であるとプラスの電位を持ち、液のpHがそれよりも高くなるとマイナスの電位を持つ。清浄化水溶液中のフッ化水素の濃度が薄いと、シリコン酸化膜が優先的に生成されるので、シリコン酸化膜とマイクロバブルはともにプラスの電位を持ち、両者の間には斥力が働く。フッ化水素の濃度が濃くなると、フッ化水素がシリコン酸化膜を直ぐに溶解してしまうので、マイナスの電位を持つシリコンとプラスの電位を持つマイクロバブルとが互いに引き合う。
一方、シリコン原料としては、CVD法により棒状に製造されたポリシリコンを砕いた塊状のポリシリコン、鋳造されたシリコンインゴット、チョクラルスキー法又はフローティングゾーン法により引上げられたシリコン単結晶棒、シリコンウェーハ、又はこれらのシリコン部品の加工中に発生する端材、破損品、回収残材等が挙げられる。これらのシリコン原料は表面に凹凸を有し、最大高さによってシリコン原料の表面粗さを表したとき、基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上であるシリコン原料を含む。或いはハンドリングミスのために破断したシリコンウェーハのように、その一部、即ち破断面について、最大高さによってシリコン原料の表面を表したとき、基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上である領域を含むシリコン原料も含む。このような表面粗さの大きなシリコン原料にも本発明の清浄化方法を適用できる。またシリコン原料に清浄化水溶液を適用するときの処理温度は0〜30℃、好ましくは10〜25℃である。ここで、処理温度を0℃以上に限定したのは、0℃未満では反応速度が小さくなり過ぎてしまうためである。好ましい反応速度は10℃以上で得られる。また処理温度を30℃以下に限定したのは、30℃を越えるとオゾンの溶解度が低くなり過ぎてしまうためである。好ましい溶解度は25℃以下で得られる。
なお、清浄化水溶液を調製するために図1に示す装置10を用いることができる。この装置10では、マイクロバブル発生器11でオゾンを内包するマイクロバブルを純水に分散させて、マイクロバブルが分散されかつ溶存オゾンを含む純水(オゾン内包マイクロバブルを分散したオゾン水)を調製し、このオゾン水をエッチング槽12に貯留した後に所定の濃度のフッ化水素酸を所定量だけ供給して混合する。これにより清浄化水溶液が調製される。また、フッ化水素酸に耐え得るマイクロバブル発生器を製作できれば、エッチング槽に貯留したフッ化水素酸に直接オゾンを内包するマイクロバブルを導入してもよい。
このように構成された清浄化方法によるシリコン原料表面の清浄化原理を説明する。先ず表面に高低差の大きい凹凸を有しかつその凹部に異物が付着しているシリコン原料であっても、プラスの電位を持つマイクロバブルがマイナスの電位を持つシリコンに引き寄せられ、マイクロバブルが凹部に速やかに進入して清浄化水溶液中に溶解して消失するので、この部分(反応場)の溶存オゾンの濃度が高くなり、この溶存オゾンの酸化力によりシリコン原料表面に薄いシリコン酸化膜が形成される。次に水溶液中に溶存するオゾンがシリコン酸化膜の形成に消費されてオゾン濃度が低下すると、上記シリコン酸化膜が清浄化水溶液中のフッ化水素により溶解されて凹部がエッチングされる。このとき凹部に付着していた異物がシリコン原料の表面から離脱する。またシリコン原料の表層中に拡散している異物は、シリコン原料表面近傍でのマイクロバブルの水溶液中への溶解と、この溶解により濃度の高くなった溶存オゾンによるシリコン酸化膜の形成と、清浄化水溶液中のフッ化水素によるシリコン酸化膜の溶解とを繰返すことにより、シリコン原料の表層がエッチングされる。このときシリコン原料の表層中に拡散している異物もシリコン原料から離脱する。また異物がシリコン原料と反応してシリコン原料の表層中に生成された反応物は、上記シリコン原料の表層中に拡散している異物と同様に、シリコン原料の表層のエッチングにより、シリコン原料から離脱する。更にシリコン原料表面が酸化されて表面に形成されたシリコン酸化膜は、清浄化水溶液中のフッ化水素により溶解されて除去される。この結果、表面に多くの凹凸を有するシリコン原料であっても、表層中に異物が拡散しているシリコン原料であっても、表層中に反応物が生成されたシリコン原料であっても、或いは表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン原料であっても、シリコン原料の表面に付着した異物、表層に拡散した異物、表層に生成された反応物、或いは表面に形成されたシリコン酸化膜を効率良く除去できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。図1に示す装置10を用いて、シリコン原料の表面を清浄化した。この装置10は、オゾンを内包するマイクロバブルを純水に分散させるマイクロバブル発生器11と、このマイクロバブルが分散されかつ溶存オゾンを含む純水とフッ化水素酸とを混合して得られた清浄化水溶液を貯留するエッチング槽12とを備える。マイクロバブル発生器11には脱気純水槽13とオゾン発生器14とを接続した。脱気純水槽13には真空脱気した純水を貯留し、オゾン発生器14には酸素ボンベ16を接続した。またオゾン発生器14としては360mg/Nm3の濃度のオゾンガスを発生可能なものを用いた。
マイクロバブル発生器11では、脱気純水槽13から供給された純水中に、オゾン発生器14から供給されたマイクロバブル状態のオゾン(オゾン内包マイクロバブル)を導入して、オゾン内包マイクロバブルが分散しかつ液中にオゾンが溶存した純水(オゾン内包マイクロバブルを分散したオゾン水)を調製した。マイクロバルブの純水への導入直後は、オゾンが純水に溶解するため、マイクロバブルを純水に導入する時間が長ければ長いほど、マイクロバブルのボイド率と溶存オゾンの濃度とが釣り合い、安定したボイド率になるけれども、経済性及び実用性を考慮して上記導入時間を30分間とした。これによりほぼ安定したボイド率が得られた。またマイクロバブル発生器11としては、細孔膜式、旋回せん断式及びベンチュリ式の3種類を用意し、マイクロバブルの平均直径に応じて使い分けた。細孔膜式マイクロバブル発生器は平均直径が1〜10μmであるマイクロバブルを発生することが可能であり、旋回せん断式マイクロバブル発生器は平均直径が数10μmであるマイクロバブルを発生することが可能であり、ベンチュリ式マイクロバブル発生器は平均直径が100μm前後であるマイクロバブルを発生することが可能である。なお、必要に応じて、上記マイクロバブル発生器11で調製されたオゾン内包マイクロバブルを分散したオゾン水を静置槽17に貯留したり、或いは遠心分離器18に掛けた。即ち、上記オゾン水に過大な直径の気泡が混入している場合に、このオゾン水を静置槽17に貯留して静置した。これにより過大な直径の気泡を浮上させて排除した。また、上記オゾン水におけるマイクロバブルのボイド率が所定値に達していない場合に、このオゾン水を遠心分離器18に掛けて所望のボイド率になるようにマイクロバブルを濃縮した。
上記マイクロバブル発生器11で調製され、必要に応じて過大な直径の気泡が除去され又はマイクロバブルが濃縮されたオゾン内包マイクロバブル分散オゾン水の一部を扁平ガラス容器19に取出して、このオゾン水中のマイクロバブルの平均直径及びボイド率を測定した。具体的には、オゾン内包マイクロバブルを分散したオゾン水の一部を透明な扁平ガラス容器19に入れ、この容器の外側から顕微鏡用対物レンズを用いCCDカメラで速やかに撮影し、画像上でマイクロバブルの平均直径とボイド率をそれぞれ測定した。
エッチング槽12には、上記マイクロバブル発生器11で調製され、必要に応じて過大な直径の気泡が除去され又はマイクロバブルが濃縮されたオゾン内包マイクロバブル分散オゾン水の残部を供給した後、このオゾン水に市販のフッ化水素酸(濃度60%)をポリエチレン製メスシリンダで所定の割合になるように量り取って混合した清浄化水溶液を貯留した。このエッチング槽12にはマグネチックスターラーからなる撹拌機21を設け、この撹拌機21により清浄化水溶液を均一に混合した。オゾン内包マイクロバブル分散オゾン水中のマイクロバブルのボイド率は、このオゾン水へのフッ化水素酸の混合により変わるため、清浄化水溶液中のマイクロバブルのボイド率に換算した。
<実施例1〜7>
図1に示す装置10を用いて7種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径dを100μm(ベンチュリ式のマイクロバブル発生器を使用)とし、式(1)の混合比率指数Aを0.1とした状態で、上記マイクロバブルのボイド率fが1、3、5、10、15、17及び20体積%である7種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化疎水溶液を実施例1〜7とした。なお、実施例1〜7の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度はそれぞれ0.1、0.33、0.56、1.1、1.7、1.9及び2.2mol/リットルであった。
<比較例1及び2>
図1に示す装置10を用いて2種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径dを100μm(ベンチュリ式のマイクロバブル発生器を使用)とし、式(1)の混合比率指数Aを0.1とした状態で、上記マイクロバブルのボイド率fが0体積%及び21体積%である2種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化疎水溶液を比較例1及び2とした。なお、比較例1及び2の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度はそれぞれ0及び2.3mol/リットルであった。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜7と比較例1及び2の清浄化水溶液に、白金粒子を表面に付着することにより強制汚染させたシリコン原料を浸漬してシリコン原料表面をエッチングし、エッチング処理前後のシリコン原料の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、表面の白金粒子の個数密度から粒子除去率(%)を算出した。具体的には、先ず鋳造したポリシリコンブロックを破砕して、重さ約10gの塊状のポリシリコンを2個作製し、これらの塊状のポリシリコンを平均粒径約0.5μmの白金粒子の懸濁液に浸漬した後、懸濁液中から取出し乾燥することにより、2個のシリコン原料(塊状のポリシリコン)を作製した。これらのシリコン原料のうちの一方を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、表面の白金粒子の個数密度を測定した。次いで2個のシリコン原料のうち他方を、2リットルの清浄化水溶液を貯留したエッチング槽に10分間浸漬し、この清浄化水溶液を撹拌しながらエッチング処理した後、洗浄ビンを用い純水で洗浄した。次にこの洗浄したシリコン原料の表面をSEMで観察し、表面の白金粒子の個数密度を測定した。更にエッチング処理前の白金粒子の個数密度とエッチング処理後の白金粒子の個数密度の差から粒子除去率(%)を算出した。その結果を図2に示す。なお、本明細書で使用される白金粒子の平均粒径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(日機装製マイクロトラックFRA)にて測定し、粒子径基準を個数として演算した50%平均粒子径(D50)をいう。このレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置による個数基準平均粒径の値は、走査型電子顕微鏡(日立製S−800)により観察した画像において、任意の50個の粒子について粒径を実測したときのその平均粒径とほぼ一致する。
図2から明らかなように、比較例1及び2の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%未満と低かったのに対し、実施例1〜7の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%以上と高くなった。特に実施例2〜6の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は60%以上と高くなった。
<実施例8〜14>
図1に示す装置10を用いて7種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルのボイド率fを1体積%とし、式(1)の混合比率指数Aを0.2とした状態で、上記マイクロバブルの平均直径dが1、3、5、10、30、50及び100μm(細孔膜式、旋回せん断式及びベンチュリ式のマイクロバブル発生器を適宜使用)である7種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化疎水溶液を実施例8〜14とした。なお、実施例8〜14の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度はそれぞれ25、8.3、5.0、2.5、0.83、0.50及び0.25mol/リットルであった。
<比較例3>
図1に示す装置10を用いて1種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルのボイド率fを1体積%とし、式(1)の混合比率指数Aを0.2とした状態で、上記マイクロバブルの平均直径dが200μm(ベンチュリ式のマイクロバブル発生器を使用)である1種類の清浄化水溶液を2リットル調製した。この清浄化疎水溶液を比較例3とした。なお、比較例3の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度は0.13mol/リットルであった。
<比較試験2及び評価>
実施例8〜14と比較例3の清浄化水溶液に、白金粒子を表面に付着することにより強制汚染させたシリコン原料を浸漬してシリコン原料表面をエッチングし、エッチング処理前後のシリコン原料の表面をSEMで観察し、表面の白金粒子の個数密度から粒子除去率(%)を算出した。具体的には、比較試験1と同様にしてエッチング処理前の白金粒子の個数密度とエッチング処理後の白金粒子の個数密度の差から粒子除去率(%)を算出した。その結果を図3に示す。
図3から明らかなように、比較例3の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%未満と低かったのに対し、実施例8〜14の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%以上と高くなった。特に実施例9〜12の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は60%以上と高くなった。
<実施例15〜18>
図1に示す装置10を用いて4種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径d及びボイド率fをそれぞれ40μm(旋回せん断式のマイクロバブル発生器を適宜使用)及び2体積%とした状態で、式(1)の混合比率指数Aが0.05、0.1、0.2及び0.3である4種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化疎水溶液を実施例15〜18とした。なお、実施例15〜18の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度はそれぞれ0.26、0.56、1.3及び2.1mol/リットルであった。
<比較例4〜7>
図1に示す装置10を用いて4種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径d及びボイド率fをそれぞれ40μm(旋回せん断式のマイクロバブル発生器を使用)及び2体積%とした状態で、式(1)の混合比率指数Aが0.01、0.03、0.33及び0.39である4種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化疎水溶液を比較例4〜7とした。なお、比較例4〜7の清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度はそれぞれ0.051、0.15、2.5及び3.2mol/リットルであった。
<比較試験3及び評価>
実施例15〜18と比較例4〜7の清浄化水溶液に、白金粒子を表面に付着することにより強制汚染させたシリコン原料を浸漬してシリコン原料表面をエッチングし、エッチング処理前後のシリコン原料の表面をSEMで観察し、表面の白金粒子の個数密度から粒子除去率(%)を算出した。具体的には、比較試験1と同様にしてエッチング処理前の白金粒子の個数密度とエッチング処理後の白金粒子の個数密度の差から粒子除去率(%)を算出した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、比較例4〜7の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%未満と低かったのに対し、実施例15〜18の清浄化水溶液でエッチング処理したシリコン原料の粒子除去率は30%以上と高くなった。
<実施例19>
図1に示す装置10を用いて11種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を0.2mol/リットルとし、清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径dを10μmとした状態で、マイクロバブルのボイド率を0.1〜1体積%まで0.1体積%毎に増やした11種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化水溶液を実施例19とした。
<実施例20>
図1に示す装置10を用いて11種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を0.2mol/リットルとし、清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径dを50μmとした状態で、マイクロバブルのボイド率を0.3〜3体積%まで0.3体積%毎に増やした11種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化水溶液を実施例20とした。
<実施例21>
図1に示す装置10を用いて11種類の清浄化水溶液を調製した。清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を0.2mol/リットルとし、清浄化水溶液中に分散するオゾン内包マイクロバブルの平均直径dを90μmとした状態で、マイクロバブルのボイド率を0.7〜7体積%まで0.7体積%毎に増やした11種類の清浄化水溶液をそれぞれ2リットルずつ調製した。これらの清浄化水溶液を実施例21とした。
<比較試験4及び評価>
実施例19〜21の清浄化水溶液に、白金粒子を表面に付着することにより強制汚染させたシリコン原料を浸漬してシリコン原料表面をエッチングし、エッチング処理前後のシリコン原料の表面をSEMで観察し、表面の白金粒子の個数密度から粒子除去率(%)を算出した。具体的には、比較試験1と同様にしてエッチング処理前の白金粒子の個数密度とエッチング処理後の白金粒子の個数密度の差から粒子除去率(%)を算出した。その結果を図5に示す。なお、図5において、Xは実施例19における式(1)の100f/d=0.5〜3.5の範囲を示し、Yは実施例20における式(1)の100f/d=0.5〜3.5の範囲を示し、Zは実施例21における式(1)の100f/d=0.5〜3.5の範囲を示す。
図5から明らかなように、実施例19の最も粒子除去率が高くなるボイド率fの範囲がXの範囲の範囲と略一致し、実施例20の最も粒子除去率が高くなるボイド率fの範囲がYの範囲の範囲と略一致し、実施例21の最も粒子除去率が高くなるボイド率fの範囲がZの範囲の範囲と略一致した。
一方、式(1)は次の式(2)のように変形できる。
100f/d=[HF](1−A)/A (2)
また式(2)にA=0.05〜0.3を代入すると次の式(3)のように変形できる。
[HF](1-0.3)/0.3≦100f/d≦[HF](1-0.05)/0.05 (3)
更に式(3)に[HF]=0.2を代入すると、0.47≦100f/d≦3.8となり、これを丸めると、0.5≦100f/d≦3.5となる。従って、図5から式(1)の混合比率指数Aの範囲を0.05〜0.3とすると、即ち100f/d≒0.5〜3.5とすると、粒子除去率が高くなることが分かる。

Claims (6)

  1. シリコン原料に清浄化水溶液を適用することによりシリコン原料の表面を清浄化する方法において、
    前記清浄化水溶液はマイクロバブル状態のオゾンと液中に溶存するオゾンとフッ化水素酸とを含み、
    前記マイクロバブルが平均直径1〜100μmで1〜20体積%のボイド率で前記清浄化水溶液中に分散し、
    前記清浄化水溶液中のフッ化水素のモル濃度を[HF](mol/リットル)とし、前記マイクロバブルのボイド率及び平均直径をそれぞれf(体積%)及びd(μm)とし、前記フッ化水素と前記マイクロバブルの混合比率に関する指数をAとするとき、前記清浄化水溶液が前記フッ化水素と前記マイクロバブルを次の式(1)に規定する組成で含みかつ前記混合比率指数Aが0.05〜0.3である
    ことを特徴とするシリコン表面の清浄化方法。
    [HF]/([HF]+100f/d)=A (1)
  2. 前記清浄化水溶液の前記シリコン原料への適用方法は、前記シリコン原料を前記清浄化水溶液に浸漬する方法であるか或いは前記清浄化水溶液を前記シリコン原料に噴射する方法である請求項1記載のシリコン表面の清浄化方法。
  3. 前記シリコン原料が表面に凹凸を有し、最大高さによって前記シリコン原料の表面粗さを表したとき、基準長さ2.5mmに対して前記凹凸の最大高さが10μm以上であるシリコン原料を含むか、或いは前記シリコン原料が基準長さ2.5mmに対して凹凸の最大高さが10μm以上である領域を含む請求項1又は2記載のシリコン表面の清浄化方法。
  4. 前記マイクロバブルの平均直径dが3〜30μmである請求項1記載のシリコン表面の清浄化方法。
  5. 前記マイクロバブルのボイド率fが3〜17体積%である請求項1記載のシリコン表面の清浄化方法。
  6. 前記シリコン原料に前記清浄化水溶液を適用するときの処理温度が0〜30℃である請求項1又は2記載のシリコン表面の清浄化方法。
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