JP2008019113A - シリコン微粒子含有液の製造方法およびシリコン微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質化された単結晶シリコンに、該多孔質化された単結晶シリコンに対して実質的に不活性な液体を接触させながら、該多孔質化された単結晶シリコンの少なくとも一部を粉砕することにより、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程を含むことを特徴とするシリコン微粒子含有液の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、クロロポリシランを250〜1300℃の温度下で運動状態のシリコン種結晶に接触させて熱分解ないし水素還元させ、該種結晶表面にシリコンを析出させる粒状シリコンの製造方法が提供されている。
特許文献3には、外部加熱器が流動層下端部から上へ50mm以上離して設置され、平均粒子径100〜1,000μmの多結晶シリコン粒子からなり、反応器内径に対する静止層高の比が2〜4の流動層を有する反応器に、反応温度620〜750℃、圧力1〜5atmの条件下、シラン濃度15〜45体積%のシランと希釈ガスとの混合ガスを、流動層内のガス流速として0.3〜0.9m/sで供給することにより、気相中で種シリコン粒子を生成させる方法が開示されている。
作製し、該アモルファス酸化ケイ素膜に熱処理を施し、該酸化ケイ素膜内に粒子サイズ3.5nm以下のナノシリコンを形成し、次に該酸化ケイ素膜にフッ化水素酸処理を施して酸化ケイ素を除去することによりナノシリコンを露出させ、そのナノシリコンを溶液中に浸漬して溶液処理を施することにより付着した粒子を除去し、更に、溶液中のナノシリコンに攪拌処理を施し、ナノシリコンを基板から分離、離散させて、ナノシリコンが粒子単位で分散した溶液とした上で、溶液にろ過処理を施して、パウダー状のナノシリコンを得ることを特徴とするナノシリコンパウダーの製造方法が開示されている。
Si+2HF+(2−n)e+ → SiF2 +2H+ +ne-、
SiF2 +2HF → SiF4 +H2 SiF4 +2HF → H2 SiF6 又は、Si+
4HF+(4−λ)e+ → SiF4 +4H+ +λe-、
SiF4 +2HF → H2 SiF6
ここでe+ 及び、e- はそれぞれ、正孔と電子を表し、n及びλはそれぞれシリコン1原子が溶解するために必要な正孔の数であり、n>2又は、λ>4なる条件が満たされた場合に多孔質シリコンが形成される旨の記載がある。
本発明は、多孔質シリコンウエハを原材料として、効率的にシリコン微粒子含有液およびシリコン微粒子を製造する方法の提供を目的としている。
前記多孔質シリコンウエハは、シリコンウエハを陽極化成処理して調製されることが好ましい。
前記多孔質シリコンウエハの比表面積は50〜1000m2/gであることが好ましい
。
製造方法(a):多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性でありかつSiO2微粒子が分散した液体を接触させながら、該多孔質シリコンウ
エハの少なくとも一部を、該SiO2微粒子で研磨することにより粉砕して、シリコン微
粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程と、次いで該SiO2微粒子をフッ化水素で溶解させる工程とを含むことを特徴とするシリコン微粒子含
有液の製造方法。
エハの少なくとも一部を、該溶液に超音波を印加することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を前記液体中に分散させ、次いで該SiO2微
粒子をフッ化水素で溶解させる工程を含むことを特徴とするシリコン微粒子含有液の製造方法。
前記製造方法(a)および(c)は、フッ化水素および/または前記SiO2微粒子の
溶解物を含有する液を限外濾過することによって該フッ化水素および/または該溶解物を除去する工程をさらに含むことが好ましい。
(1)前記シリコン微粒子含有液に酸化剤を添加して、該シリコン微粒子表面に酸化被膜を形成する、
(2)次いで、酸化被膜が形成されたシリコン微粒子の含有液に酸化被膜溶解剤を添加して、該酸化被膜を溶解除去する。
また本発明の製造方法によれば、粒子径分布が調整されたシリコン微粒子またはシリコン微粒子含有液を容易に得ることができる。
[シリコン微粒子含有液の製造方法]
本発明のシリコン微粒子含有液の製造方法は、多孔質化された単結晶シリコンに、該多孔質化された単結晶シリコンに対して実質的に不活性な液体を接触させながら、該多孔質
化された単結晶シリコンの少なくとも一部を粉砕することにより、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程を含むことを特徴としている。
多孔質化された単結晶シリコンの比表面積が大きい程、研磨(具体的には機械研磨)などで取り除かれるシリコン粒子の粒子径が小さくなる傾向があるため、多孔質化された単結晶シリコンの単位質量当たりの表面積(比表面積)は、好ましくは50〜1000m2
/g、さらに好ましくは300〜1000m2/gである。また、例えば、多孔質化され
た単結晶シリコンの比表面積がこの範囲にあると、直径2〜5nmの微細なシリコン微粒子が得られ、このようなシリコン微粒子は蛍光体として好適に用いることができる。
単結晶シリコンとしては、多孔質化可能なシリコンであれば使用することができ、汎用的に用いられ入手し易い点で、シリコンウエハが好ましい。この単結晶シリコンとしては、シリコンウエハ、特にp型シリコンウエハが適しているが、正孔を注入したn型シリコンウエハなども用いることができる。
状の単結晶シリコンが用いられる。
ドープされたシリコンウエハが好ましい。
あり、より好ましくは1〜30Ωmの範囲にある。1×10-3Ωm未満では、本発明の製造方法によって製造されるシリコン微粒子中に不純物元素が残存する場合があり、1×102Ωmを超えると、多孔質化が生じ難くなる傾向にある。
単結晶シリコンを多孔質化する方法としては、処理操作の簡便性から陽極化成処理が好ましい。
しては、水、メタノール、エタノールなどの、フッ化水素が溶解しやすく、かつシリコンを直接酸化させない溶媒が使用され、通常はフッ化水素、純水および有機溶媒の混合液などが使用される。
ル(C2H5OH)=1:1:1、フッ化水素(HF):水(H2O)=1:1、フッ化水素
(HF):水(H2O):メタノール(CH3OH)=1:1:1、あるいはフッ化水素(HF):水(H2O):酢酸(CH3COOH)=1:1:0.1の質量比で各成分が混合された溶媒が挙げられる。
液の温度は、好ましくは5〜80℃である。
上記陽極化成処理によって、シリコンウエハには、通常は、平均600オングストローム程度の径の孔が形成される。
本発明においては、多孔質シリコンウエハ、好ましくは上述のように陽極化成処理によって多孔質化されたシリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性な液体(以下「不活性液体」ともいう。)」を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を粉砕することによって、シリコン微粒子を生成させる。
る。
製造方法(a);
この製造方法(a)は、多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性でありかつSiO2微粒子が分散した液体(以下「SiO2微粒子分散液」ともいう。)を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を、該SiO2
微粒子で研磨(具体的には機械研磨)することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を前記液体(SiO2微粒子分散液)中に分散させ、次い
で該SiO2微粒子をフッ化水素酸で溶解させることを特徴としている。
この製造方法(a)において、多孔質シリコンウエハを粉砕する操作の具体例としては、たとえば以下の(a1)および(a2)が挙げられる。
(a1):研磨装置にセットした多孔質シリコンウエハをSiO2微粒子の分散液に浸漬
し、この状態で、研磨パッドを使用して、基板荷重0.01〜0.1MPa、テーブル回転速度30〜120rpmの条件下で多孔質シリコンウエハの研磨を行なう。
(a2):研磨装置に多孔質シリコンウエハをセットし、該多孔質シリコンウエハの機械研磨しようとする面に、SiO2微粒子の分散液を5〜100ml/分の速度で供給しな
がら、研磨パッドを使用して、基板荷重0.01〜0.1MPa、テーブル回転速度30〜120rpmで研磨を行なう。
このSiO2微粒子は、多孔質化されたシリコンウエハ表面を研磨する研磨剤として機
能する。このため、SiO2微粒子の平均粒子径は、シリコンウエハの多孔質化の程度や
得ようとするシリコン微粒子の大きさにもよるが、たとえば5〜100nmであり、好ましくは25〜80nmである。平均粒子径が5nm未満では、シリコン粒子の粉砕に時間が掛かかる傾向にあり、平均粒子径が100nmを超えると余分な研磨傷などを多孔質シリコンウエハ上に生じさせ、そこから粗大Si粒子が形成される場合がある。
心沈降式測定法によって測定できる。
(1)TEM測定用メッシュの上にゾル状の被測定粒子を滴下・乾燥させて測定試料を作成
する。
(2)透過型電子顕微鏡(型番H−800、日立製作所製)を使用して、倍率200,000〜500,000倍で測定試料を撮影する。
(3)次いで、撮影された画像の中から無作為に250個の粒子を選択し、それらの画像上
での粒子径をノギスで測定し、その測定値と撮影倍率とから実際の粒子径を算出する。なお、画像上での粒子形状が真円ではない場合には、長径を粒子径とする。
(4)実際の粒子径の平均値を平均粒子径として採用する。
SiO2微粒子の平均粒子径は、遠心沈降式測定法で測定する場合には、具体的には、
自然/遠心沈降式粒度分布測定装置CAPA-700(株式会社堀場製作所製)によって測定することができる。
この製造方法(a)においてSiO2微粒子の分散媒としては、前記のシリコンウエハ
に対して実質的に不活性な液体(前記不活性液体)であって、かつ、シリコンウエハの粉砕を実質的に阻害せず、シリコン微粒子の生成後にSiO2微粒子の溶解に用いられるフ
ッ化水素酸との反応性を実質的に有さない液体が用いられる。このような液体(分散媒)としては、次工程の制御の観点からは純水および水溶性アルコールが好ましい。
より好ましくは10〜20質量%である。SiO2微粒子濃度が1質量%未満では、シリ
コン粒子の粉砕に時間が掛かる傾向にあり、50質量%を超えると、次工程においてSiO2微粒子の除去のためのHF量や処理時間が多く掛かる傾向にある。
また、前記SiO2微粒子分散液は、分散剤、シリコン微粒子の分散剤、研磨促進剤、
界面活性剤、安定剤などの添加剤を含有していてもよい。
この製造方法(a)においては、SiO2微粒子の生成後に、不要となった該SiO2微粒子を、フッ化水素を含有した溶液で溶解させる。
じたシリコン微粒子を含有する分散液を回収し、この中に市販のフッ化水素酸を添加して、SiO2微粒子を溶解させる。
水素に換算して好ましくは5〜500質量部である。
SiO2微粒子の溶解に要する時間、あるいはSiO2微粒子を溶解させる際の温度などの条件は格別に制限はされず、SiO2微粒子の濃度、フッ化水素の濃度等に応じて、適
宜設定することができ、たとえば時間を0.1〜2時間、温度を5〜80℃とすることができる。
ば限外濾過法が挙げられ、限外濾過法によってSiO2微粒子の溶解物および/または未
反応のフッ化水素を含有する液と生成されたシリコン微粒子とを分離することができる。
未反応のフッ化水素を含有する液に対して、限外濾過および希釈を1回または複数回施すことによって、SiO2微粒子の溶解物および/または未反応のフッ化水素の濃度が低減
され、好ましくはこれらの物質をほとんど含まないシリコン微粒子含有液を得ることができる。
この製造方法(b)は、多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性である液体(前記不活性液体)を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を、前記液体に超音波を印加することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を前記液体中に分散させることを特徴としている。
液体を接触させ、この不活性液体に超音波を印加することによって、該多孔質シリコンウエハからシリコン微粒子を削り取る。
この超音波としては、シリコン微粒子を生成させることのできるエネルギーを有していれば特に限定されず、従来公知の超音波発生装置により発生する超音波を適用することができる。このような超音波発生装置として、例えば、磁歪型の超音波発生装置、電歪型の超音波発生装置などを挙げることができる。これらの超音波発生装置においては、電歪材または磁歪材からなる振動子に対して、高周波変動電界または磁界を作用させて超音波帯周波数で機械的な振動を発生させ、その振動を拡大するためのホーン及び導波筒を用いて所望の位置に振動を導き、外部の媒体中に超音波を放射する。
この製造方法(c)は、多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性でありかつSiO2微粒子が分散した液体(前記SiO2微粒子分散液)を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を、該SiO2微粒子分散液に
超音波を印加することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を前記SiO2微粒子分散液中に分散させ、次いで該SiO2微粒子を溶解させることを特徴としている。
音波をかけてこの分散液中のSiO2微粒子を多孔質シリコンウエハに衝突させることに
よって、この多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を粉砕してシリコン微粒子を生成させる。
<生成物(シリコン微粒子含有液)>
前記製造方法(a)、(b)または(c)などによって、シリコン微粒子含有液が調製される。生成するシリコン微粒子の平均粒子径は、製造条件にもよるが、通常は2〜100nm、好ましくは2〜50nmである。また、このシリコン微粒子含有液中のシリコン微粒子濃度は、例えば0.01〜0.05質量%である。
本発明のシリコン微粒子含有液の製造方法は、粗大シリコン微粒子を除去することにより、シリコン微粒子含有液中のシリコン微粒子を平均粒子径2〜10nmの範囲に整粒する工程をさらに含んでいてもよい。
また、沈降分級法とは、水中またはアルコール等の有機溶媒を含む水分散媒中に微小粒
子を加えて、その粒子の沈降速度の違いにより粗大粒子を分離または分別する方法である。
本発明のシリコン微粒子含有液の製造方法は、生成されたシリコン微粒子の粒子径を調整する工程をさらに含んでいてもよい。
(1)前記シリコン微粒子が分散してなる液に酸化剤を添加して、該シリコン微粒子表面に酸化被膜を形成する、
(2)次いで、酸化被膜が形成されたシリコン微粒子を含む液に酸化被膜溶解剤を添加して、該酸化被膜を溶解除去する。
、シリコン微粒子100質量部に対して通常は1〜100質量部である。1質量部未満では、シリコン微粒子を充分に酸化できない場合があり、100質量部を超えると酸化被膜が過度に厚くなり粒子径の微調整が困難となる傾向にある。
シリコン微粒子に酸化被膜が形成された後には、溶解剤を添加して、この酸化被膜を除去する。溶解剤の添加量は、格別に限定されるものではなく、酸化被膜が除去され、粒子径調整されたシリコン微粒子の所望量に応じて使用される。
本発明のシリコン微粒子の製造方法は、上述した本発明の製造方法によって調整されたシリコン微粒子含有液から、分散媒等を除去する工程を含むことを特徴としている。この分散媒等には前記分散媒が含まれているが、この他にも、SiO2微粒子の溶解に用いた
フッ化水素溶液や添加剤などが含まれる場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
<陽極化成処理>
p型シリコンウエハ(縦5cm×横5cm×厚さ600μm、ドープ剤:B(ボロン)、ドープ量:1×1015〜1×1016 atoms/cm3、比抵抗:1〜30Ωcm)の陽極化成処理を行った。陽極化成処理に用いた装置の模式図を図1に示す。
また陽極化成処理条件の詳細は以下のとおりである。
電流密度:25mA/cm2、
陽極化成溶液:フッ化水素酸(HF濃度:10質量%)、
陽極化成処理時間:1時間
この陽極化成処理により、厚さが約100μmの多孔質シリコンウエハが得られた。こ
の多孔質シリコンウエハの多孔率は約65%、比表面積は500m2/gであった。
測定した。
(1)陽極化成処理前後のシリコンウエハの重量を測定する。
(2)FIB(型番FD-2000A 日立製作所社製)により陽極化成処理後のシリコンウエハの
断面加工・断面観察を行い、その断面SIM像(走査型イオン顕微鏡像)から陽極化成されたシリコンウエハの任意の箇所の厚みを5点測定し、その平均値を陽極化成処理後のシリコンウエハの厚さとした。
(3)陽極化成処理前後での重量差および体積差から、単位体積あたりの陽極化成により失われたシリコン質量を算出し、この値およびシリコンの密度から多孔率を算出する。
(1)陽極化成処理後のシリコンウエハの比表面積を、110℃で20時間乾燥した後、約2mm□の大きさに切り分けた。
(2)切り分けた陽極化成処理後のシリコンウエハ(以下「サンプル」ともいう。)を1g秤量し、比表面積測定装置(湯浅アイオニクス製、マルチソーブ12)の測定用のセルに挿入した。
(3)比表面積測定値の安定性向上のため、ヘリウム雰囲気下で、130℃で、10分間該サ
ンプルを乾燥させ、その表面の水分を離脱させた。
(4)該サンプルの窒素吸着量を測定し、BET法により陽極化成処理後のシリコンウエハの比表面積を算出した。
陽極化成処理後のシリコンウエハの比表面積から陽極化成処理前のシリコンウエハの比表面積を引いて得られた値を、多孔質シリコンウエハの比表面積と定義した。
ナノファクター社製研磨装置NF300(基盤荷重0.05MPa、回転速度60rpm)を使用して、前記多孔質シリコンウエハを10分間機械研磨した。研削中、シリカゾル(SiO2の平均粒子径=25nm、分散媒=純水、SiO2濃度=10質量%、液量=100ml)を、研磨スラリータンクから前記研磨装置に搭載した研磨パッドの中心付近に10mL/minで滴下供給し、研磨装置のドレインから研磨スラリータンクに回収し循環させた。
前記シリコン微粒子の含有液を48時間静置後、沈殿物を除去した。次に、限外濾過(分画分子量6,000)および純水10Lでの希釈を施すことにより、この液に含まれる
フッ化水素の大半を除去し、シリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を得た。
H−800(株式会社日立製作所製、加速電圧200KV、分解能:0.2nm、撮影倍
率250、000倍)を使用した。以下の実施例2〜5でも同様の方法(TEM観察法)でシリコン微粒子の平均粒子径を測定した。
<超音波処理>
図2に示すように、容器4の中央部に設置された試料台7上に、多孔質シリコンウエハ2を、その陽極化成処理された面が水平かつ上向きとなるように静置し、さらにその上に超音波発生装置(カイジョー社製ホーン型超音波装置C−5281)のホーン部1を垂直に設置した。
散液3を0.5ml/分の速度で滴下し、滴下された液滴が多孔質シリコンウエハ2上およびホーン部1に接触した状態を維持しながら、超音波発生装置のホーン部1から多孔質シリコンウエハ2に対して超音波を印加した。この超音波処理は40分間行った。飛散したシリカ微粒子分散液3は、全てドレイン5に回収し、ポンプ6を経て循環させて、再びノズル8から多孔質シリコンウエハ2上に供給した。
多孔質シリコンウエハ;
電流密度を50mA/cm2に変更した以外は実施例1と同様の陽極化成処理を行って得られた、縦5cm×横5cm×厚さ約100μm、多孔率約40%、比表面積100m2/g
の多孔質シリコンウエハを使用した。
使用したSiO2微粒子分散液の詳細は以下のとおりである。
SiO2微粒子の平均粒子径=25nm
分散媒=純水
SiO2微粒子濃度=10質量%
SiO2微粒子の分散安定剤=アンモニア(0.2質量%)
pH=9.5(5質量%アンモニウム水溶液で調整した。)
液量=20ml
超音波処理;
超音波処理条件の詳細は以下のとおりである。
超音波の周波数;19.5kHz
超音波ホーンの先端径;7mm
超音波処理の終了後、生成したシリコン微粒子を含有するSiO2微粒子分散液3を全
て回収した。
SiO2微粒子含有液を合計200ml調製した。このSiO2微粒子含有液に対し、20mlの49%HF水溶液を温度20℃にて添加し、シリコン微粒子含有液を得た。
前記シリコン微粒子の含有液を48時間静置後、沈殿物を除去した。次に、限外濾過(分画分子量 6,000)および純水10Lでの希釈を施すことにより、この液に含まれ
るフッ化水素を除去し、シリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を得た。
[実施例3]
SiO2微粒子含有液20mlを純水20mlに変更し、超音波処理時間を40分間か
ら60分間に変更した以外は実施例2と同様の方法により、シリコン微粒子0.1gを得た。
[実施例4]
(実施例4a)
HF濃度を25質量%とした以外は実施例1の陽極化成処理と同様の方法によって、厚さが約100μm、多孔率約50%、比表面積200m2/gの多孔質シリコンウエハを
得た。
さらに、このシリコン微粒子含有液を、乾燥機を用いて、Ar雰囲気(Arガスを流し、酸素を除去した雰囲気)下、150℃で3時間乾燥させて、シリコン微粒子0.1gを得た。
<粒子径調整>
(実施例4b)
実施例4aと同様の方法でシリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を調製した。このシリコン微粒子含有液に、該液中のHNO3濃度が0.1質量%とな
るようにHNO3を添加し、室温で1分間攪拌することにより、シリコン微粒子の表面を
酸化処理した。
り、この液に含まれるHNO3の大半を除去し、再び、シリコン微粒子が0.5質量%含
まれるシリコン微粒子含有液を得た。次いで、酸化被膜溶解剤として、フッ化水素酸(HF濃度25%)を該シリコン微粒子含有液の2倍量(体積比)添加して、酸化被膜を除去し、前記と同様に限外濾過を行なって、シリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を得た。
上述した方法(TEM観察法)でシリコン微粒子の平均粒子径を測定したところ、このシリコン微粒子の平均粒子径は6nmであった。
実施例4bと同様の方法で、平均粒子径が6nmのシリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を調製した。このシリコン微粒子含有液に、該液中のHNO3
濃度が0.1質量%となるようにHNO3を添加し、室温で1分間攪拌することにより、
シリコン微粒子の表面を酸化処理した。
り、この液に含まれるHNO3の大半を除去し、再び、シリコン微粒子が0.5質量%含
まれるシリコン微粒子含有液を得た。次いで、酸化被膜溶解剤として、フッ化水素酸(HF濃度25%)を該シリコン微粒子含有液の2倍量(体積比)添加して、酸化被膜を除去し、前記と同様に限外濾過を行なって、シリコン微粒子が0.5質量%含まれるシリコン微粒子含有液を得た。
上述した方法(TEM観察法)でシリコン微粒子の平均粒子径を測定したところ、このシリコン微粒子の平均粒子径は4nmであった。
2・・・シリコンウエハー
3・・・シリカ微粒子分散液
4・・・容器
5・・・ドレイン
6・・・ポンプ
7・・・試料台
8・・・ノズル
Claims (13)
- 多孔質化された単結晶シリコンに、該多孔質化された単結晶シリコンに対して実質的に不活性な液体を接触させながら、該多孔質化された単結晶シリコンの少なくとも一部を粉砕することにより、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程を含むことを特徴とするシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 前記多孔質化された単結晶シリコンが、多孔質シリコンウエハであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 前記多孔質シリコンウエハが、シリコンウエハを陽極化成処理して調製されることを特徴とする請求項2に記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 前記シリコンウエハがp型シリコンウエハであることを特徴とする請求項3に記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 前記多孔質シリコンウエハの比表面積が50〜1000m2/gであることを特徴とす
る請求項2〜4のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。 - 多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性でありかつSiO2微粒子が分散してなる液体を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なく
とも一部を、該SiO2微粒子で研磨することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成さ
せると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程と、
次いで該SiO2微粒子をフッ化水素で溶解させる工程と
を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。 - 多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性である液体を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なくとも一部を、該溶液に超音波を印加することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を該液体中に分散させる工程を含むことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 多孔質シリコンウエハに、該多孔質シリコンウエハに対して実質的に不活性でありかつSiO2微粒子が分散してなる液体を接触させながら、該多孔質シリコンウエハの少なく
とも一部を、該溶液に超音波を印加することにより粉砕して、シリコン微粒子を生成させると共にこのシリコン微粒子を前記液体中に分散させ、次いで該SiO2微粒子をフッ化
水素で溶解させる工程を含むことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。 - 粗大シリコン微粒子を除去することにより、シリコン微粒子を平均粒子径2〜10nmの範囲に整粒する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- 前記SiO2微粒子の溶解を、フッ化水素を前記SiO2微粒子100質量部に対して5〜1000質量部使用して、5〜80℃で、0.1〜2時間行なうことを特徴とする請求項6または8に記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。
- フッ化水素および/または前記SiO2微粒子の溶解物を含有する液を限外濾過するこ
とによって該フッ化水素および/または該溶解物を除去する工程をさらに含むことを特徴
とする請求項10に記載のシリコン微粒子含有液の製造方法。 - 下記操作(1)および(2)を1回または複数回行ってシリコン微粒子の粒子径を調製する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のシリコン微粒子含有液の製造方法;
(1)シリコン微粒子含有液に酸化剤を添加して、該シリコン微粒子表面に酸化被膜を形成する、
(2)次いで、酸化被膜が形成されたシリコン微粒子の含有液に酸化被膜溶解剤を添加して、該酸化被膜を溶解除去する。 - 請求項1〜12のいずれかに記載されたシリコン微粒子含有液の製造方法により得られたシリコン微粒子含有液から、シリコン微粒子の分散媒を除去することを特徴とするシリコン微粒子の製造方法。
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