JP5423175B2 - 無方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5423175B2
JP5423175B2 JP2009149043A JP2009149043A JP5423175B2 JP 5423175 B2 JP5423175 B2 JP 5423175B2 JP 2009149043 A JP2009149043 A JP 2009149043A JP 2009149043 A JP2009149043 A JP 2009149043A JP 5423175 B2 JP5423175 B2 JP 5423175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
content
mass
less
oriented electrical
electrical steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009149043A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011006721A (ja
Inventor
昌浩 藤倉
義行 牛神
真一 金尾
鉄州 村川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2009149043A priority Critical patent/JP5423175B2/ja
Publication of JP2011006721A publication Critical patent/JP2011006721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5423175B2 publication Critical patent/JP5423175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、優れた磁気特性と共に高強度が求められる回転機のロータ用材料に適した無方向性電磁鋼板及びその製造方法に関する。
高速モータや大型モータのロータ用材料には、優れた磁気特性と共に高強度が求められる。無方向性電磁鋼板からロータ鉄心を作製する際には、所定の形状に加工された複数の無方向性電磁鋼板を積層し、これをかしめやボルト締め等により固定している。従って、鉄心には何らかの応力が外部から作用している。
このような応力により、無方向性電磁鋼板の鉄損及び磁束密度等の磁気特性が低下してしまう(非特許文献1)。そこで、圧縮応力に伴う性能の低下の抑制を図った技術が提案されている(特許文献1〜4)。
しかしながら、従来の種々の技術によっても圧縮応力に伴う磁気特性の低下を十分に抑制することは困難である。
また、これまで、高強度の無方向性電磁鋼板が開発されているが(特許文献5〜7)、これらの高強度の無方向性電磁鋼板においても圧縮応力に伴って磁気特性が低下してしまう。
特開2003−253404号公報 特開2005−307258号公報 特開2005−312155号公報 特開2008−189976号公報 特開2004−84053号公報 国際公開第2004/50934号 国際公開第2005/33349号
電学論A、117(1997)311
本発明の目的は、高強度を得ながら応力が作用した場合の磁気特性の低下を抑制することができる無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る無方向性電磁鋼板は、質量%で、Si:2.0%〜4.0%、Al:0.01%〜0.2%、Cu:0.5%〜2.0%、及びMn:0.2%〜1.0%を含有し、Cの含有量が0.0040%以下、Pの含有量が0.3%以下、Sの含有量が0.0040%以下、Nの含有量が0.0040%以下であり、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Si含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足し、磁歪定数λ100が35×10-6以下であり、内部に直径が1nm〜100nmの主としてCuからなる金属相が含まれていることを特徴とする。
0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
本発明に係る第1の無方向性電磁鋼板の製造方法は、質量%で、Si:2.0%〜4.0%、Al:0.01%〜0.2%、Cu:0.5%〜2.0%、及びMn:0.2%〜1.0%を含有し、Cの含有量が0.0040%以下、Pの含有量が0.3%以下、Sの含有量が0.0040%以下、Nの含有量が0.0040%以下であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を作製する工程と、前記鋼の熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得る工程と、前記熱間圧延板の冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得る工程と、前記冷間圧延板の仕上焼鈍を行う工程と、を有し、前記鋼のSi含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足し、前記仕上焼鈍の到達温度を700℃〜1150℃とし、前記仕上焼鈍の900℃から400℃までの冷却速度を10℃/sec以上とすることを特徴とする。
0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
本発明に係る第2の無方向性電磁鋼板の製造方法は、質量%で、Si:2.0%〜4.0%、Al:0.01%〜0.2%、Cu:0.5%〜2.0%、及びMn:0.2%〜1.0%を含有し、Cの含有量が0.0040%以下、Pの含有量が0.3%以下、Sの含有量が0.0040%以下、Nの含有量が0.0040%以下であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を作製する工程と、前記鋼の熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得る工程と、前記熱間圧延板の冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得る工程と、前記冷間圧延板の仕上焼鈍を700℃〜1150℃で行う工程と、前記仕上焼鈍の後に、前記冷間圧延板の時効処理を400℃〜700℃で行う工程と、を有し、前記鋼のSi含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足することを特徴とする。
0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
本発明によれば、組成が適切に調整され、かつ、磁歪定数λ100が適切に規定されているため、応力の作用に伴う磁気特性の低下を抑制することができる。従って、モータ等の電気機器の効率の向上等に寄与することができる。また、適切な量のCuが含有されているため、高い強度を得ることもできる。
外部磁場の大きさと歪との大きさとの関係を示すグラフである。 Si含有量及びAl含有量と磁歪定数λ100との関係を示すグラフである。 応力が作用していない場合の外部磁場の大きさと磁束密度との関係(磁化曲線)を示すグラフである。 応力が作用している場合の外部磁場の大きさと磁束密度との関係(磁化曲線)を示すグラフである。 図3(a)と図3(b)との差分を示すグラフである。 応力が作用していない場合の磁束密度と鉄損W10/50との関係を示すグラフである。 応力が作用している場合の磁束密度と鉄損W10/50との関係を示すグラフである。 図4(a)と図4(b)との差分を示すグラフである。
先ず、本願発明者が本発明に至った過程について説明する。
磁性材料には磁歪とよばれる性質があり、その程度を示す指標の一つとして物理定数である磁歪定数λ100が用いられる。磁歪定数λ100は、結晶中に自発磁化が存在しない状態から、自発磁化が<100>方向を向いたときに生じる<100>方向の歪の大きさを示す。従って、磁歪定数λ100が大きいほど、磁気特性と弾性との相互作用が大きく、応力の作用により磁気特性が大きく変動することになる。
本願発明者は、無方向性電磁鋼板においても磁歪定数λ100が変化するのではないか、変化するのであれば、磁歪定数λ100を小さくすることにより、磁気特性の低下を抑制することができるのではないかと考え、無方向性電磁鋼板における磁歪定数λ100の変化について検討を行った。なお、磁歪に関する一般式を得るためには、更に磁歪定数λ110又は磁歪定数λ111が必要であるが、本願発明者の検討の対象とする無方向性電磁鋼板では、<100>方向が磁化容易方向であるため、この検討では、磁歪定数λ100のみに着目した。
また、本願発明者は、この検討に際し、Fe、Si及びAlを主成分とする無方向性電磁鋼板と磁歪定数λ100との関連性に関する公知技術があるか調査したが、Fe−Si-Al三元系合金で0質量%<Si、Al≦4質量%の範囲では、磁歪定数λ100の測定結果を示す公知技術は見つからなかった。
そして、本願発明者は、以下に示すような実験を行った。
(実験1)
先ず、表1に示す組成のインゴットを溶製し、このインゴット中に存在する大きな結晶粒から、厚さが30μm、幅が1mm、長さが10mmの板状の単結晶試料を切り出した。なお、表1に示す組成の残部は、Fe及び不可避的不純物である。このとき、単結晶試料の長手方向の方位を<001>方向とし、表面の方位を(110)面又は(100)面とし、誤差は3°以内とした。次いで、乾燥水素中で800℃、2時間の焼鈍を施した。
Figure 0005423175
そして、各試料について、最大で20kOeの外部磁場を長手方向(L方向)又は幅方向(C方向)に印加し、静電容量法によって長手方向の歪を測定した。静電容量法とは、コンデンサを形成する電極に対象の試料を固定し測定する方法で、試料の歪を電極間距離の変化に伴う静電容量の変化として捕らえることを原理としている。次いで、各試料について、磁場の大きさと、長手方向に印加した場合の長手方向の歪(磁場印加方向と平行な方向の歪)εLとの関係を示すグラフ、及び磁場の大きさと、幅方向に印加した場合の長手方向の歪(磁場印加方向に垂直な方向の歪)εCとの関係を示すグラフを作成した。グラフの例として試料No.3について、図1(a)に、磁場の大きさと歪εLとの関係を示すグラフの例を示し、図1(b)に、磁場の大きさと歪εCとの関係を示すグラフの例を示す。
次いで、各試料について、上記の2つのグラフから磁歪定数λ100を求めた。このとき、0kOe〜5kOeの部分の測定結果を0kOeに内挿したときに得られる値を、歪εLのグラフ、歪εCのグラフの夫々において、εL0、εC0とし、「(2/3)(εL0−εC0)」で表わされる磁歪定数λ100を求めた。この結果を表2に示す。磁歪定数λ100がこのようにして求められることは、文献「磁気工学の基礎II(共立全書)」に記載されている。なお、0kOe〜5kOeの部分の測定結果を0kOeに内挿したのは、5kOeを超える外部磁場では、体積磁歪が生じる可能性があり、この影響を排除するためである。
Figure 0005423175
更に、Si含有量及びAl含有量と磁歪定数λ100との関係を整理したところ、図2(a)に示す結果が得られた。この結果から、無方向性電磁鋼板においても磁歪定数λ100が変化するといえる。
また、Si含有量及びAl含有量と固有抵抗との関係を図2(a)に示す結果に加えると、図2(b)のグラフが得られる。図2(b)に示す関係から、固有抵抗を一定としながら磁歪定数λ100を低下させるためには、多くの場合、Si含有量を増加させ、Al含有量を低下させればよいといえる。
(実験2)
次に、表3に示すように、磁歪定数λ100が相違する試料を作製した。このとき、固有抵抗は51μΩcmと一定にした。試料の作製に当たっては、先ず、表3に示す組成のインゴットを溶製し、このインゴットに対し、加熱温度が1100℃、仕上温度が850℃、仕上厚が2.3mmの熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得た。次いで、この熱間圧延板に1000℃、2分間の焼鈍を施し、その後、酸洗いを施し、0.35mmまで冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得た。続いて、この冷間圧延板に1000℃、30秒間の仕上焼鈍を施し、その後、55mm×55mmの正方形板状に圧延方向を辺の方向に合わせて切り出し、750℃、2時間の歪取り焼鈍を施した。
Figure 0005423175
各試料について、圧縮応力のある場合と無い場合の鉄損と磁化力を測定した。磁場印加方向は正方形試料の辺の方向であり、圧延方向、圧延直角方向に二回測定を行い、その平均をとった。応力は磁場励磁方向と平行に、50MPaの圧縮応力を印加した。周波数は50Hzとした。この結果(磁化曲線:磁化力Hと磁束密度Bmとの関係を示す曲線)を図3に示す。図3(a)は、圧縮応力を印加しなかった場合の磁化曲線を示し、図3(b)は、50MPaの圧縮応力を印加した場合の磁化曲線を示す。図3(c)は、図3(a)に示す磁化曲線と図3(b)に示す磁化曲線との差分を示す。
図3(a)に示すように、圧縮応力が印加されていない状態では、磁化曲線に大きな相違は生じなかった。一方、50MPaの応力が印加された状態では、図3(b)に示すように、磁歪定数λ100が低い試料ほど、小さな外部磁場で所定の磁束密度を得ることができた。このような傾向は、図3(c)に示すグラフに顕著に表れている。この結果から、磁歪定数λ100が低い無方向性電磁鋼板ほど、所定のトルクを得るために必要な磁化力を小さくすることができるといえる。
また、各試料について、磁束密度Bmと鉄損Wとの関係も測定した。この結果を図4に示す。図4(a)は、圧縮応力を印加しなかった場合の測定結果を示し、図4(b)は、50MPaの圧縮応力を印加した場合の測定結果を示す。図4(c)は、図4(a)に示す測定結果と図4(b)に示す測定結果との差分を示す。
固有抵抗が一定(51μΩcm)であるため、図4(a)に示すように、圧縮応力が印加されていない状態では、鉄損Wに大きな相違は生じなかった。一方、50MPaの応力が印加された状態では、図4(b)に示すように、磁歪定数λ100が低い試料ほど、一定の磁束密度下における鉄損Wが小さくなった。このような傾向は、図4(c)に示すグラフに顕著に表れている。この結果から、磁歪定数λ100が低い無方向性電磁鋼板ほど、応力が作用するモータ等の鉄心に用いられた場合の鉄損の上昇を抑制できるといえる。
このような実験1及び実験2の結果から、無方向性電磁鋼板においては、多くの場合、Si含有量を増加させ、Al含有量を低下させることにより、固有抵抗を一定としながら磁歪定数λ100を低下させることができ、応力に伴う磁化特性(鉄損W10/50、磁束密度等)の低下を抑制することができるといえる。
(実験3)
次に、表4に示すように、磁歪定数λ100が相違する試料を作製した。このとき、固有抵抗は約51μΩcmとした。試料の作製に当たっては、先ず、表4に示す組成のインゴットを溶製し、このインゴットに対し、加熱温度が1100℃、仕上温度が850℃、水冷後巻取り温度が550℃、仕上厚が2.0mmの熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得た。次いで、この熱間圧延板に900℃、1分間の焼鈍を施し、その後、酸洗いを施し、0.35mmまで冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得た。続いて、この冷間圧延板に900℃、950℃又は1000℃で、1秒間の仕上焼鈍を施し、20℃/secの速度で冷却した。
Figure 0005423175
次いで、冷間圧延板からJIS5号引張試験片を切り出し、引張試験を行った。
また、仕上焼鈍板から55mm×55mmの正方形板状試験片を切り出し磁気測定に供した。各試料について、圧縮応力のある場合と無い場合の鉄損と磁化力を測定した。磁場印加方向は正方形試料の辺の方向であり、圧延方向、圧延直角方向に二回測定を行い、その平均をとった。応力は磁場励磁方向と平行に、50MPaの圧縮応力を負荷した。外部磁場の周波数は400Hz、最大磁束密度は1.0Tとし、鉄損W10/400を測定した。また、圧縮応力を負荷しない場合の鉄損W10/400も測定した。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0005423175
表5に示すように、試料No.31において試料No.32よりも高い強度を得ることができた。固有抵抗及びCuの含有量がほぼ一定の場合、Si含有量が高く、Al含有量が低いほど、高い強度が得られる。
また、表5に示すように、鉄損W10/400に実験2と同様の傾向が見られた。つまり、圧縮応力が負荷されていない状態では、鉄損W10/400に大きな相違は生じなかったが、50MPaの応力が負荷された状態では、磁歪定数λ100が低い試料No.31において試料No.32よりも鉄損W10/400が小さくなった。
(実験4)
次に、仕上焼鈍の温度を900℃のみとしたことを除いて試料No.31と同様の処理を経て複数の試料を作製した。次いで、各試料に300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、又は800℃で10分間の時効処理を行った。そして、各試料について、実験3と同様の測定を行った。この結果を表6に示す。
Figure 0005423175
表6に示すように、時効処理を行うことにより降伏点及び引張強度が上昇した。但し、時効処理の温度が800℃になると、降伏点が急激に低下した。また、引張強度は700℃及び800℃の時効処理温度で低めになった。
このような実験3及び実験4の結果から、高い強度を得るためにCuを析出させた場合でも、実験1及び実験2で明らかになった傾向に影響が及ぶことは少ないと考えられる。つまり、Si含有量を増加させ、Al含有量を低下させることにより、固有抵抗を一定としながら磁歪定数λ100を低下させ、更に、Cuの析出強化を利用すれば、高い強度を得ながら、応力に伴う磁化特性の低下を抑制することができるといえる。
ここで、本発明に係る無方向性電磁鋼板の成分及びその数値限定理由について説明する。
[Si:2.0質量%〜4.0質量%]
Siは、鋼の固有抵抗を増加させ、また、鉄損を低減する作用を呈する。この作用を得るためには、2.0質量%以上含まれている必要がある。その一方で、Siが4.0質量%を超えて含有されていると、鋼が脆化し、圧延性が低下する。従って、Siの含有量は2.0質量%〜4.0質量%とする。更に、大きな固有抵抗と高い圧延性をバランス良く得るため、Siの含有量は、好ましくは2.3質量%〜3.8質量%であり、更に好ましくは2.5質量%〜3.6質量%である。
[Al:0.01質量%〜1質量%]
上述のように、Al含有量が低いほど、応力負荷状態では鉄損が低くなる傾向がある。そして、この傾向はAl含有量が1質量%以下の場合に顕著となる。その一方で、Alは、鋼の固有抵抗を増加させ、また、脱酸材としても機能する。この作用を得るためには、0.01質量%以上含まれている必要がある。従って、Alの含有量は0.01質量%〜1質量%とする。Al含有量は少ないほど応力負荷状態の鉄損が低くなるので、好ましくは0.01質量%〜0.4質量%、更に好ましくは0.01質量%〜0.2質量%である。
[Si含有量とAl含有量との関係]
上述のように、磁歪定数λ100は低いことが好ましく、磁歪定数λ100が35×10-6以下の場合に、特に磁気特性が応力の影響を受けにくくなる。このとき、Si含有量(質量%)を[Si]、Al含有量(質量%)を[Al]と表わすと、次式(1)が成り立つ。
0.7[Si]−[Al]≧−0.6・・・(1)
また、磁歪定数λ100がより低い30×10-6以下の場合、次式(2)が成り立つ。
0.7[Si]−[Al]≧0.4・・・(2)
また、磁歪定数λ100が更に低い25×10-6以下の場合、次式(3)が成り立つ。
0.7[Si]−[Al]≧1.4・・・(3)
Si含有量とAl含有量との関係は、式(1)を満たしている必要があり、式(2)を満たしていることが好ましく、式(3)を満たしていることがより好ましい。
また、鉄心には高い固有抵抗が要求され、固有抵抗は35μΩcm以上であることが好ましい。次式(4)が満たされるときに固有抵抗が35μΩcm以上になりやすい。
12.4[Si]+10[Al]≧25.1・・・(4)
一方、無方向性電磁鋼板では、添加元素が過剰に添加されると加工性が低下することがある。次式(5)が満たされるときに高い加工性を確保しやすい。
12.4[Si]+10[Al]≦55.1・・・(5)
従って、Si含有量とAl含有量との関係に関し、次式(6)が満たされていることが好ましい。
25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1・・・(6)
[Cu:0.5質量%〜4.0質量%]
Cuは、鋼中に析出して強度を向上させる作用を呈する。この作用を得るためには、0.5質量%以上含まれている必要がある。その一方で、Cuが4.0質量%を超えて含有されていると、磁気特性に影響が及んで鉄損が上昇したり、圧延時に割れ及び疵が生じたりすることがある。従って、Cuの含有量は0.5質量%〜4.0質量%とする。Cu量が過剰だと、製造条件によっては、鋼は割れやすくなるので、好ましくは0.5質量%〜2.0質量%、更に好ましくは0.5質量%〜1.8質量%とする。
[Mn:0.05質量%〜1.0質量%]
Mnは、鋼の固有抵抗を高め、また、硫化物を粗大化して無害化する作用を呈する。この作用を得るためには、0.05質量%以上含まれている必要がある。その一方で、Mnが1.0質量%を超えて含有されていると、磁束密度の低下及びコストの上昇を招くと共に冷延時に割れやすくなるなど、加工性も劣化する。従って、Mnの含有量は0.05質量%〜1.0質量%とする。Mn量が過剰だと、鋼は、製造条件によっては割れやすくなるので、好ましくは0.1質量%〜0.8質量%、更に好ましくは0.1質量%〜0.5質量%である。
[C:0.0040質量%以下]
Cは、鉄損を上昇させる作用を呈する。従って、Cの含有量は0.0040質量%以下とする。より好ましくは0.0020質量%以下である。下限は0質量%を含む。つまり、Cが全く含有されていなくてもよい。
[P:0.3質量%以下]
Pは、集合組織を改善したり、打ち抜き性を改善したり、機械的強度を向上させる作用を呈する。但し、Pは必ずしも含有されている必要はなく、0.3質量%を超えて含有されていると、鋼が脆化する。従って、Pの含有量は0.3質量%以下とする。好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは0.05質量以下である。
[S:0.0040質量%以下]
Sは、Mn及びCu等と結合して微細析出物を形成し、結晶粒の成長を阻害する。そして、結晶粒の成長が阻害されると、磁気特性が低下してしまう。このような作用は、Sが0.0040質量%を超えて含有されている場合に顕著となる。従って、Sの含有量は0.0040質量%以下とする。より好ましくは0.0030質量%以下である。下限は0質量%を含む。
[N:0.0040質量%以下]
Nは、Al、Ti及びB等と結合して微細析出物を形成し、結晶粒の成長を阻害する。そして、結晶粒の成長が阻害されると、磁気特性が低下してしまう。このような作用は、Nが0.0040質量%を超えて含有されている場合に顕著となる。従って、Nの含有量は0.0040質量%以下とする。より好ましくは0.0030質量%以下である。下限は0質量%を含む。つまり、Nが全く含まれていなくてもよい。
[希土類金属(REM):0.0010質量%〜0.0300質量%]
REMは、Sを、REM−S又はREM−O−Sとして固定し、硫化物の微細析出を抑制する作用を呈する。この作用を得るためには、REMが0.0010質量%以上含有されている必要がある。そしてSを固定する能力はREM量に比例して高まるため、REMの下限値は0.0020質量%以上が好ましく、0.0030質量%以上がさらに好ましい。その一方で、0.0300質量%を超えて含有されていても、上記の作用は飽和してしまいコストが上昇するだけである。従って、REMの含有量は0.0300質量%以下であることが好ましい。なお、ここでいうREMとは、原子番号が57のLaから原子番号が71のRuまでの15元素に、原子番号が21のSc及び原子番号が39のYを加えた合計で17元素の総称を意味する。
[Ti:0.0010質量%〜0.0100質量%]
Al含有量が数100ppm以下のように低い場合、N含有量によってはAlN析出物が微細に析出することがあり、この結果、結晶粒の成長が阻害され、磁気特性が低下することがある。しかしながら、REMが含有され、かつ、Tiが含有されている場合には、AlN析出物の析出が抑制されることが判明した。これは、TiがNと結合してTiNが生成され、このTiNがREM−S及び/又はREM−O−S等の介在物と複合析出するためであると考えられる。このような作用を得るためには、Tiが0.0010質量%以上含有されていることが好ましい。0.0015質量%以上含有されているとさらに好ましい。その一方で、Tiが0.0100質量%を超えて含有されていると、固溶Tiが仕上焼鈍後の鋼板内に残存し、歪取り焼鈍時にTiC析出物等として析出して、結晶粒の成長が阻害されることがある。従って、Tiの含有量は0.0100質量%以下であることが好ましい。なお、REMが添加されていない場合は、Ti含有量は少なければ少ないほど好ましい。従って、REM含有量が0.0010質量%以下の場合は、Ti含有量は0.0040質量%以下とし、より好ましくは0.0030質量%以下、更に好ましくは0.0015質量%以下である。なお、下限は0質量%を含む。つまり、Tiが全く含まれていなくてもよい。
[B:0.0005質量%〜0.0050質量%]
TiがREMと共に含有されている場合と同様に、Bが含有されている場合にも、AlN析出物の析出が抑制されることが判明した。これは、BがNと結合して粗大なBN析出物が生じるためである。このような作用を得るためには、Bが0.0005質量%以上含有されていることが好ましい。その一方で、Bが0.0050質量%を超えて含有されていると、鋼が脆化する。従って、Bの含有量は0.0050質量%以下であることが好ましい。好ましくは0.0010質量%〜0.0030質量%である。
[Sn、Sb:総計で0.01質量%〜0.10質量%]
Sn及びSbは、集合組織を改善したり、焼鈍時の窒化及び酸化を抑制したりする。このような作用を得るためには、Sn及び/又はSbが総計で0.01質量%以上含有されていることが好ましい。その一方で、Sn及び/又はSbが総計で0.10質量%を超えて含有されていると、へげ疵が生じることがある。従って、Sn及びSbの含有量は総計で0.10質量%以下であることが好ましい。好ましくは0.03質量%〜0.08質量%である。
本発明に係る無方向性電磁鋼板には、これらの成分が含有されており、残部はFe及び不可避的不純物からなる。
また、この無方向性電磁鋼板中には、径が1nm〜100nmの主としてCuからなる金属相(析出物)が含まれている。このような金属相は強度の向上に寄与し、その径が小さいほど高い効果が得られるが、1nm未満としても、その効果はほとんど飽和してしまう。一方、径が100nmを超えていると、高い強度を得ることが困難である。この金属相の径は、好ましくは1nm〜50nmであり、更に好ましくは1nm〜20nmである。また、強度向上のためには金属相の個数密度も重要である。少なくとも1個/μm3以上とすることが好ましく、10個/μm3以上とすることがより好ましく、100個/μm3以上とすることが更に好ましい。また、1000個/μm3以上とすることがより一層好ましく、10000個/μm3以上とすることが更に一層好ましい。これらの直径及び個数密度は、例えば電子顕微鏡で定量化が可能である。
また、この無方向性電磁鋼板は、高強度化の主な手段に結晶粒径の微細化を利用しないため、無方向性電磁鋼板を構成するフェライト相の結晶粒の平均粒径を磁気特性の観点から好ましい範囲に調整することができる。好ましい結晶粒径は周波数に依存して変化するが概略50μm未満の場合、鉄損が大きくなる傾向がある。一方、200μmを超えても鉄損の低減の効果が飽和してしまう。従って、好適な平均結晶粒径の範囲は50μm〜200μmであり、好ましくは80μm〜180μm、更に好ましくは80μm〜150μmである。
また、この無方向性電磁鋼板の引張強度は500MPa以上であることが好ましい。回転機(ロータ)内の磁石を保持する無方向性電磁鋼板のブリッジ部には回転による遠心力が作用する。このような用途においても、500MPa以上の引張強度があれば、十分に対応することが可能である。
次に、このような無方向性電磁鋼板を製造する2種類の方法について説明する。
第1の方法では、先ず、上記の成分を含むスラブ(鋼)を作製し、このスラブの熱間圧延を行い、更に、冷間圧延を行う。この冷間圧延は、1回のみ行ってもよく、中間焼鈍を間に挟みながら複数回行ってもよい。なお、冷間圧延は、熱間圧延後にそのまま行ってもよく、焼鈍又は自己焼鈍を経て行ってもよい。そして、冷間圧延後に、仕上焼鈍を施し、絶縁皮膜を塗布する。仕上焼鈍では、到達温度を700℃〜1150℃とし、冷却時の900℃〜400℃の範囲における冷却速度を10℃/sec以上とする。
仕上焼鈍では、フェライト相を再結晶させ適切な結晶粒径に成長させると共に、Cuを固溶し冷却過程で析出させる。適切なフェライト結晶粒径を得、Cuを十分固溶させるために到達温度は700℃以上とする。また、到達温度をあまり高くすると、フェライト粒径やCuの固溶に対する温度の効果は飽和し、設備コストが上昇する。このため、到達温度は1150℃以下とする。また、冷却速度が10℃/sec未満であると、Cu析出物が粗大化してしまい、十分な強度を得ることができなくなる。靱性及び延性が低下することもある。従って、仕上焼鈍の冷却速度は10℃/sec以上とする。なお、冷却速度が50℃/sec以上であると、Cuが析出せずに固溶体となることがある。従って、冷却速度は、50℃/sec以下であることが好ましい。
第2の方法では、先ず、上記の成分を含むスラブ(鋼)を作製し、このスラブの熱間圧延を行い、更に、冷間圧延を行う。この冷間圧延は、1回のみ行ってもよく、中間焼鈍を間に挟みながら複数回行ってもよい。なお、冷間圧延は、熱間圧延後にそのまま行ってもよく、焼鈍又は自己焼鈍を経て行ってもよい。そして、冷間圧延後に、仕上焼鈍を施し、絶縁皮膜を塗布する。仕上焼鈍では、到達温度を700℃〜1150℃とする。また、仕上焼鈍の際に、又は仕上焼鈍の後に、400℃〜700℃で時効処理を行う。仕上焼鈍後に時効処理を行う場合は、鉄心を形成するために複数枚の無方向性電磁鋼板を積層した後で時効処理を行ってもよい。
上記第一の方法と同じ理由で、仕上焼鈍の到達温度は700℃〜1150℃とする。時効処理の温度が400℃未満であると、Cuが十分に析出しないことがある。一方、時効処理の温度が700℃を超えると、Cu析出物が粗大化してしまい、十分な強度を得ることができなくなる。従って、時効処理の温度は、400℃〜700℃とする。時効処理の時間は10秒〜1000時間が好ましい。10秒未満ではCuの析出が不十分であり、1000時間以上ではCuの析出が粗大となり、どちらの場合も十分な強度が得られないことがある。
このようにして、上記の無方向性電磁鋼板を製造することができる。なお、製造方法はこのようなものに限定されない。
なお、電磁鋼板の特性に関し、交流励磁に伴う寸法の変化のことを磁歪と称することがあるが、このような寸法の変化は、電磁鋼板を構成する結晶の方位及び集合組織に依存する現象であり、物質定数である磁歪定数との関連はない。
(実施例1)
表7に示すように、磁歪定数λ100が相違する試料を作製した。試料の作製に当たっては、先ず、表7に示す組成のインゴットを溶製し、このインゴットに対し、加熱温度が1100℃、仕上温度が850℃、仕上厚が2.3mmの熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得た。次いで、この熱間圧延板に1000℃、2分間の焼鈍を施し、その後、酸洗いを施し、0.35mmまで冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得た。続いて、950℃、30秒間、900℃〜400℃の領域の冷却速度が20℃/secの仕上焼鈍を冷間圧延板に施した。その後、磁気測定用に55mm×55mmの正方形板状の試料を切り出し、750℃、2時間の歪取り焼鈍を施し、磁気測定に供した。
各試料について、圧縮応力のある場合と無い場合の鉄損及び磁化力を測定した。周波数は50Hz、磁束密度は1.0Tとした。磁場印加方向は正方形試料の辺の方向であり、圧延方向、圧延直角方向に二回測定を行い、その平均をとった。応力は磁場励磁方向と平行に、50MPaの圧縮応力を負荷した。更に、仕上焼鈍後の鋼板からJIS5号試験片を切り出し、機械特性も測定した。この結果を表7に示す。
Figure 0005423175
表7に示すように、実施例No.A1〜A28では、良好な磁気測定の結果が得られた。特に実施例No.A27及びA28で優れた結果が得られた。
一方、比較例No.B1では、Si含有量が本発明範囲の下限未満であるので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。比較例No.B2では、Si含有量が本発明範囲の上限を超えているので、冷間圧延時に割れが生じて試料を作製することができなかった。比較例No.B3では、Al含有量が本発明範囲の下限未満であるので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。比較例No.B4では、Al含有量が本発明範囲の上限を超えているので、応力印加に伴う磁気特性の低下が顕著であった。比較例No.B5では、Cu含有量が本発明範囲の下限未満であるので、強度が低かった。比較例No.B6では、Cu含有量が本発明範囲の上限を超えているので、加工性が低下し、冷間圧延を行うことができなかった。比較例No.B7では、Mn含有量が本発明範囲の下限未満であるので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。比較例No.B8では、Mn含有量が本発明範囲の上限を超えているので、冷間圧延時に割れが生じて試料を作製することができなかった。比較例No.B9では、C含有量が本発明範囲の上限を超えているので、時間の経過に付随して磁気特性が低下する磁気時効という現象が生じた。比較例No.B10では、P含有量が本発明範囲の上限を超えているので、冷間圧延時に割れが生じて試料を作製することができなかった。比較例No.B11では、S含有量が本発明範囲の上限を超えているので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。比較例No.B12では、N含有量が本発明範囲の上限を超えているので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。比較例No.B13では、磁歪定数が本発明範囲の上限を超えているので、応力印加に伴う磁気特性の低下が顕著であった。比較例No.B14では、Cuからなる金属相の平均直径が本発明範囲の下限未満であるので、機械的強度が低かった。比較例No.B15では、Cuからなる金属相の平均直径が本発明範囲の上限を超えているので、機械的強度が低かった。比較例No.B16では、N含有量が本発明範囲の上限を超えているので、応力印加なしの状態での鉄損W10/50が大きかった。
(実施例2)
表7中の実施例No.A28の組成のインゴットを溶製し、このインゴットに対し、加熱温度が1100℃、仕上温度が850℃、仕上厚が2.3mmの熱間圧延を行うことにより熱間圧延板を得た。次いで、この熱間圧延板に1000℃、2分間の焼鈍を施し、その後、酸洗いを施し、0.35mmまで冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得た。続いて、この冷間圧延板に表8に示す条件で仕上焼鈍を施し、一部の冷間圧延板には、更に表8に示す条件で10分間の時効処理を施した。そして、実施例1と同様にして磁気特性及び機械特性を測定した。この結果を表8に示す。
Figure 0005423175
表8に示すように、実施例No.C1〜C7では、良好な磁気測定の結果が得られた。特に実施例No.C6及びC7で優れた結果が得られた。
一方、比較例No.D1〜D5では、十分な結果が得られなかった。

Claims (12)

  1. 質量%で、
    Si:2.0%〜4.0%、
    Al:0.01%〜0.2%、
    Cu:0.5%〜2.0%、及び
    Mn:0.2%〜1.0%
    を含有し、
    Cの含有量が0.0040%以下、
    Pの含有量が0.3%以下、
    Sの含有量が0.0040%以下、
    Nの含有量が0.0040%以下であり、
    残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    Si含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足し、
    磁歪定数λ100が35×10-6以下であり、
    内部に直径が1nm〜100nmの主としてCuからなる金属相が含まれていることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
    0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
    25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
  2. 質量%で、
    REM:0.0010%〜0.0300%を含有することを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
  3. 質量%で、
    Ti:0.0010%〜0.0100%を含有することを特徴とする請求項2に記載の無方向性電磁鋼板。
  4. 質量%で、
    B:0.0005%〜0.0050%を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
  5. Sn及びSbからなる群から選択された少なくとも1種を総計で0.01質量%〜0.10質量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
  6. フェライト単相の金属組織から構成され、
    平均結晶粒径が50μm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
  7. 質量%で、
    Si:2.0%〜4.0%、
    Al:0.01%〜0.2%、
    Cu:0.5%〜2.0%、及び
    Mn:0.2%〜1.0%
    を含有し、
    Cの含有量が0.0040%以下、
    Pの含有量が0.3%以下、
    Sの含有量が0.0040%以下、
    Nの含有量が0.0040%以下であり、
    残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を作製する工程と、
    前記鋼の熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得る工程と、
    前記熱間圧延板の冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得る工程と、
    前記冷間圧延板の仕上焼鈍を行う工程と、
    を有し、
    前記鋼のSi含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足し、
    前記仕上焼鈍の到達温度を700℃〜1150℃とし、
    前記仕上焼鈍の900℃から400℃までの冷却速度を10℃/sec以上とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
    0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
    25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
  8. 質量%で、
    Si:2.0%〜4.0%、
    Al:0.01%〜0.2%、
    Cu:0.5%〜2.0%、及び
    Mn:0.2%〜1.0%
    を含有し、
    Cの含有量が0.0040%以下、
    Pの含有量が0.3%以下、
    Sの含有量が0.0040%以下、
    Nの含有量が0.0040%以下であり、
    残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を作製する工程と、
    前記鋼の熱間圧延を行うことにより、熱間圧延板を得る工程と、
    前記熱間圧延板の冷間圧延を行うことにより、冷間圧延板を得る工程と、
    前記冷間圧延板の仕上焼鈍を700℃〜1150℃で行う工程と、
    前記仕上焼鈍の後に、前記冷間圧延板の時効処理を400℃〜700℃で行う工程と、
    を有し、
    前記鋼のSi含有量を[Si]、Al含有量を[Al]と表したときに式(1)及び式(6)を満足することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
    0.7[Si]−[Al]≧−0.6 ・・・ 式(1)
    25.1≦12.4[Si]+10[Al]≦55.1 ・・・ 式(6)
  9. 前記鋼は、質量%で、
    REM:0.0010%〜0.0300%を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  10. 前記鋼は、質量%で、
    Ti:0.0010%〜0.0100%を含有することを特徴とする請求項9に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  11. 前記鋼は、質量%で、
    B:0.0005%〜0.0050%を含有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  12. 前記鋼は、Sn及びSbからなる群から選択された少なくとも1種を総計で0.01質量%〜0.10質量%含有することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP2009149043A 2009-06-23 2009-06-23 無方向性電磁鋼板及びその製造方法 Active JP5423175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009149043A JP5423175B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 無方向性電磁鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009149043A JP5423175B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 無方向性電磁鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011006721A JP2011006721A (ja) 2011-01-13
JP5423175B2 true JP5423175B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=43563696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009149043A Active JP5423175B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 無方向性電磁鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5423175B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9452654B2 (en) 2009-01-07 2016-09-27 Fox Factory, Inc. Method and apparatus for an adjustable damper
EP2985360B1 (en) 2013-04-09 2018-07-11 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Non-oriented magnetic steel sheet and method for producing same
US11299792B2 (en) 2014-12-24 2022-04-12 Posco Non-oriented electrical steel sheet and manufacturing method therefor
JP6627226B2 (ja) * 2015-02-24 2020-01-08 日本製鉄株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法
TWI613299B (zh) * 2015-04-27 2018-02-01 新日鐵住金股份有限公司 無方向性電磁鋼板
KR101901313B1 (ko) 2016-12-19 2018-09-21 주식회사 포스코 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
TWI658152B (zh) * 2017-03-07 2019-05-01 日商新日鐵住金股份有限公司 無方向性電磁鋼板及無方向性電磁鋼板之製造方法
KR102107439B1 (ko) 2017-07-19 2020-05-07 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 무방향성 전자 강판

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004084053A (ja) * 2002-06-26 2004-03-18 Nippon Steel Corp 磁気特性の著しく優れた電磁鋼板とその製造方法
JP4380199B2 (ja) * 2003-03-31 2009-12-09 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4341386B2 (ja) * 2003-03-31 2009-10-07 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4670230B2 (ja) * 2003-06-16 2011-04-13 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板
KR100772243B1 (ko) * 2003-10-06 2007-11-01 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 고강도 전자 강판 및 그 제조 방법
JP4424075B2 (ja) * 2004-06-02 2010-03-03 住友金属工業株式会社 無方向性電磁鋼板および時効熱処理用無方向性電磁鋼板、ならびにそれらの製造方法
JP4696750B2 (ja) * 2005-07-25 2011-06-08 住友金属工業株式会社 時効熱処理用無方向性電磁鋼板の製造方法
JP4349340B2 (ja) * 2005-08-04 2009-10-21 住友金属工業株式会社 Cu含有無方向性電磁鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011006721A (ja) 2011-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5423175B2 (ja) 無方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP5609003B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
EP3176279B1 (en) Non-oriented electrical steel sheet and method for producing the same, and motor core and method of producing the same
KR102516331B1 (ko) 무방향성 전기 강판과 그 제조 방법 및 모터 코어와 그 제조 방법
JP6226072B2 (ja) 電磁鋼板
KR100753940B1 (ko) 압연 방향의 자기 특성이 우수한 무방향성 전자 강판과 그제조 방법
JPWO2018179871A1 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法、モータコアの製造方法およびモータコア
EP3572545B1 (en) Non-oriented electromagnetic steel sheet and production method therefor
JP6500980B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
KR101620768B1 (ko) 전기 강판
JP6480446B2 (ja) 無方向性の電磁鋼片または電磁鋼板、およびこれから製造された部品、並びに無方向性の電磁鋼片または電磁鋼板の製造方法
JPWO2019182022A1 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP6903996B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP6801464B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP2008189976A (ja) 圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP6638359B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4681687B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
CN113166876A (zh) 无取向电工钢板及其制造方法
JP2016183359A (ja) Fe系金属板
JP4740400B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP4646872B2 (ja) 軟磁性鋼材、並びに軟磁性部品およびその製造方法
JP2014122405A (ja) らせんコア用無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2002115034A (ja) 無方向性電磁鋼板とその冷延用素材ならびにその製造方法
WO2023282072A1 (ja) 無方向性電磁鋼板とその製造方法
KR102656381B1 (ko) 무방향성 전자기 강판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131111

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5423175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350