JP2008189976A - 圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、応力が作用しても鉄損の劣化が小さい無方向性電磁鋼板を提供する事を目的としている。鉄心組み立てによる鉄損劣化を小さく抑えることが可能となり、最終的な機器の効率向上に寄与することができる。
【解決手段】C:0.002%以下、Si:0.1%以上、4.0%以下、Al:0.1%以上、4.0%以下、Mn:0.1%未満、かつ、Si+Al:2.0%以上、6.0%以下を含有し、板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である無方向性電磁鋼板。さらに、この鋼板の製造方法として、所定の成分の鋼を用いて熱延板焼鈍を省略して製造する方法と、85%以上の圧下率で冷延し製造する方法とがある。
【選択図】図1
【解決手段】C:0.002%以下、Si:0.1%以上、4.0%以下、Al:0.1%以上、4.0%以下、Mn:0.1%未満、かつ、Si+Al:2.0%以上、6.0%以下を含有し、板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である無方向性電磁鋼板。さらに、この鋼板の製造方法として、所定の成分の鋼を用いて熱延板焼鈍を省略して製造する方法と、85%以上の圧下率で冷延し製造する方法とがある。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種機器の鉄心材料として使用される無方向性電磁鋼板に関するものであり、特に焼き嵌めなどの固定によって鉄心に圧縮応力が作用する場合に、応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板を提供するものである。
近年の世界的な電力・エネルギー節減、地球環境保全の動きの中で、無方向性電磁鋼板が鉄心材料として使用される回転機、中、小型変圧器、電装品などの各種機器に対しても、高効率化の要請が強まっている。当然、鉄心材料である無方向性電磁鋼板に対しても性能向上、特に鉄損の低減が求められている。
周知の様に、無方向性電磁鋼板の鉄損低減に関しては数多くの手段がとられてきた。例えば渦電流損失低減の観点から、SiやAlの含有量を高め、固有抵抗を高める方法は一般的な方法である。またC、N、Sなどの不純物を極力減少させ高純度鋼化し、ヒステリシス損失を低減する方法も一般的である。また、特許文献1に記載されているREM添加技術のように、鋼を清浄化し結晶粒成長性を改善することによって、生産性の向上と鉄損低減を両立する方法も開発されている。
上記のような無方向性電磁鋼板の鉄損改善においては、通常、JISに規定された方法で鉄損が評価される。即ち、何の外力も加えない状態で、鋼板圧延方向および直角方向の、二方向の鉄損の平均値が測定されるのみである。しかしながら実際の鉄心では、鋼板は所定の形状に打ち抜かれた後積層され、ボルト締めやカシメなどの方法によって固定され、更にコンプレッサーモータなどでは、焼き嵌めにより外枠に固定される。これらボルト締め、かしめ、焼き嵌めなどは、鉄心に応力が作用することになるが、応力は鋼板の鉄損を大きく劣化させることが知られている。焼き嵌めされた鉄心について山本らは非特許文献1において、鉄心に対して鋼板面内の円周方向に圧縮応力が作用しており、この応力によって鉄心損失が増加していることを示している。このような課題に対して、特許文献2および特許文献3では、面内方向の圧縮応力に対して性能劣化の小さい無方向性電磁鋼板とその製造方法が開示されている。
本発明は、圧縮応力が作用しても、鉄損の劣化が小さい無方向性電磁鋼板を提供する事を目的としている。これにより、鉄心組み立てによる鉄損劣化は小さく抑えることができ、最終的にモーターなどの機器の効率向上に寄与する。
本発明者らは、鋼板の材料要因が鉄損の応力依存性に与える影響について検討を重ねた結果、鋼板の集合組織が応力下の鉄損に大きな影響を与えることを発見し、圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板を開発するに至った。本発明の要旨は板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である無方向性電磁鋼板とその製造方法である。その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなり、板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板。
(2)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板とし、表面スケールを酸洗により除去した後、1回の冷間圧延を施し最終板厚としてから、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板として、熱延板焼鈍を施し、表面スケールを酸洗により除去した後、85%以上の圧延率で冷間圧延し最終板厚として、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。
(1)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなり、板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板。
(2)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板とし、表面スケールを酸洗により除去した後、1回の冷間圧延を施し最終板厚としてから、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板として、熱延板焼鈍を施し、表面スケールを酸洗により除去した後、85%以上の圧延率で冷間圧延し最終板厚として、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明の無方向性電磁鋼板をモーターの鉄心材料として用いた場合、鉄心に圧縮応力が作用しても鉄心の鉄損劣化は小さく、最終的にモーターの効率向上に寄与することができる。また、モーターの鉄心に限らず、鋼板に圧縮応力が作用するような種々の使用状態に対して、電磁鋼板の素材性能を維持し、機器の性能向上に寄与することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、面内圧縮応力による鉄損劣化を小さくするため、鋼板の板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下であることを特徴としている。
まず、その根拠を示す。Cを0.001%、Siを1.0%、Alを1.2%、Mnを0.05%含有する鋼を2.2mmに熱延後、熱延板焼鈍、冷延、仕上げ焼鈍を施し無方向性電磁鋼板を作製した。その際、熱延板焼鈍および冷延の条件を種々変化させ、鋼板の集合組織を変化させた。最終板厚は0.35mm〜0.8mmである。鋼板から、55mm×55mmの板を圧延方向0°、45°、90°方向に切り出し、磁気測定用の試料とした。磁気測定には、鋼板の断面に圧縮応力を付加させながら磁気測定ができる双ヨーク式のHコイル法単板試験機を用いた。圧縮応力は最大で50MPaとし、応力の方向と励磁方向は平行である。
図1に50MPaの応力付加による1.5T、50Hzのヒステリシス損失の増加量を、{111}面X線ランダム強度比に対して整理した。ヒステリシス損は二周波法(50Hz、60Hz)で求め、{111}面強度比は板厚中心層の測定値である。応力付加によるヒステリシス損増加量は{111}面強度比が大きいほど小さく、特に2.5以上とすることによってその効果が顕著である。したがって本発明においては{111}面のX線ランダム強度比を2.5以上とする。また、面強度比が10.0を超えるとこの効果は飽和するので、本発明では{111}面強度比を10.0以下とする。また、{111}面強度比の増加はヒステリシス損失の増加を引き起こすので、好ましくは{111}面強度比を8.0以下とする。
上述したように{111}面強度比を増加させると、応力が作用していない状態でヒステリシス損失が増加してしまう。本発明では応力無付加でのヒステリシス損失の増加を渦電流損失の低減により補償する。その本発明の材料設計指針を図2に模式的に示す。図2において(a)は従来技術の材料設計指針を示す図であり、(b)は本発明による材料設計指針を示す図である。図2(a)の従来技術での鉄損を、応力無付加の状態で全鉄損10、そのうちヒステリシス損失を5とし、応力下ではヒステリシス損が10に増加し、全鉄損15となる。本発明では、図2(b)に示すように、応力感受性を小さくするため{111}面強度比を増加させる。そのため応力無付加状態のヒステリシス損失は6と従来技術より大きくなるが、その増加分を、渦電流損失を小さくすることで補償し、全鉄損を従来技術と同等の10、13、15に抑えることができる。本技術の鋼板は一方応力下ではによるヒステリシス損失の増加が小さくいため、応力下のヒステリシス損は9と従来技術に比べて小さい。そのため応力下の全鉄損をは13とする事ができる。このように、応力によるヒステリシス損失の感受性の小さい本発明の鋼板は、応力下のみならず応力無付加状態でも鉄損が小さい鋼板とする事ができる。渦電流損の低減には、SiやAlの含有率を増加させる方法や、板厚を薄くする方法がある。
次に、本発明の鋼成分の限定理由について述べる。
Cは鉄損を増加させる有害な元素であり、磁気時効の原因ともなるので、0.002%以下とする。
Siは、固有抵抗を増大させて渦電流損失を減少させる元素である。その効果を享受するには、0.1%以上含有させる必要がある。ただし含有量が増えすぎると、磁束密度の低下に加え、冷延性の低下を招き、更にコストも上昇するので、4.0%以下とする。
AlもSiと同様、固有抵抗を増大させる元素であり、0.1%以上含有させる必要がある。一方、増えすぎると磁束密度を低下し、降伏比の減少も招いて加工性を劣化させるため4.0%以下とする。
Mnは固有抵抗を増大させる元素である一方、{111}集合組織を減少させるので、本発明では0.1未満とする。
Si+Alは2.0%以上、6.0%以下とする。先に述べたように、本発明ではヒステリシス損失の増加を補償するために渦電流損を低減する必要がある。固有抵抗を増加させ渦電流損を低減するためにSi+Alを2.0%以上とした。一方Si+Alが多すぎると、飽和磁化の減少を引き起こし、冷延性の低下を招き、更にコストも上昇するので6.0%以下とした。
それ以外の元素は特に規定するものではないが、表層からの窒化を防ぐ目的でSn、Sb、Cuなどの元素を適当量添加したりする事はできる。またSやN、Ti、などのように介在物を生成し磁気特性や結晶粒成長性に悪影響を与える元素は、極力低減することが望ましい。REMを添加してSやTiを固定し、鋼の清浄化を図ることも当然可能である。
次に本発明の鋼板を得るための製造方法について説明する。
製造方法のひとつは、製鋼工程において所定の元素を添加したスラブを、熱間圧延により熱延板とし、熱延板焼鈍を行わずに、その表面スケールを酸洗により除去した後、1回の冷間圧延を施し最終板厚としてから、再結晶のための仕上げ焼鈍を施す製造方法である。熱延板焼鈍を省略することによって、{111}面強度比を大きくする事ができる。
また別の方法は、製鋼工程において所定の元素を添加したスラブを、熱間圧延により熱延板とし、熱延板焼鈍を施し、表面スケールを酸洗により除去した後、85%以上の圧延率で冷間圧延し最終板厚として、再結晶のための仕上げ焼鈍を施す方法である。冷延率を85%以上とする事によって、{111}面強度比を大きくする事ができる。
上記それぞれの方法で限定されない製造条件は、{111}面強度比と鉄損値のバランスをとる様、またリジングなどの材料欠陥が発生しない様、適宜決定する。
本発明の実施例を示す。
(実施例1)
C:0.0020%、Si:3.1%、Al:1.1%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を2.3mmに熱間圧延し、熱延板焼鈍を施すことなく、酸洗後、冷間圧延し0.5mm厚(圧延率は78.3%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表1に示す。
(実施例1)
C:0.0020%、Si:3.1%、Al:1.1%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を2.3mmに熱間圧延し、熱延板焼鈍を施すことなく、酸洗後、冷間圧延し0.5mm厚(圧延率は78.3%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表1に示す。
また比較例として、C:0.0020%、Si:3.0%、Al:0.6%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を2.3mmに熱間圧延し、1000℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗以降は実施例と同様に作製した材料についても、各特性を同表に示す。
応力無付加状態の鉄損W15/50は、実施例、比較例とも同等の値であるが、50MPaの圧縮応力下では実施例の材料の方が低い鉄損である事が分かる。
(実施例2)
C:0.0020%、Si:3.1%、Al:1.1%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を3.0mmに熱間圧延し、1000℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗、冷間圧延し0.35mm厚(圧延率は88.3%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表2に示す。
(実施例2)
C:0.0020%、Si:3.1%、Al:1.1%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を3.0mmに熱間圧延し、1000℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗、冷間圧延し0.35mm厚(圧延率は88.3%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表2に示す。
また比較例として、C:0.0020%、Si:3.0%、Al:0.6%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1.8mmに熱間圧延し、1000℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗、冷間圧延し0.35mm厚(圧延率は80.5%)とし、仕上げ焼鈍を施した材料についても各特性を同表に示す。
応力無付加状態の鉄損W15/50は、実施例、比較例とも同等の値であるが、50MPaの圧縮応力下では実施例の材料の方が低い鉄損である事が分かる。
(実施例3)
C:0.0010%、Si:2.0%、Al:0.3%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を2.5mmに熱間圧延し、800℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗、冷間圧延し0.25mm厚(圧延率は90%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表3に示す。
(実施例3)
C:0.0010%、Si:2.0%、Al:0.3%、Mn:0.05%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を2.5mmに熱間圧延し、800℃、2分の熱延板焼鈍を施し、酸洗、冷間圧延し0.25mm厚(圧延率は90%)とした。その後900℃、30秒の仕上げ焼鈍を行い、55mmSST試料を切り出し、磁気測定に供した。{111}面反射強度と、応力無付加状態および50MPaの圧縮応力下の鉄損W15/50、更に応力負荷によるW15/50の増加量を表3に示す。
また比較例として、同一の成分の鋼を3.5mmに熱間圧延し、圧延率92.9%の冷間圧延を施し実施襟と同じ0.25mm厚の鋼板を得た。熱延板焼鈍や仕上げ焼鈍の条件は同じである。この鋼板の{111}面反射強度は11.1であり、本願発明の範囲から逸脱する。表3に特性を示す。
実施例の応力無付加状態の鉄損W15/50は比較例と比べて小さい事が分かる。50MPaの圧縮応力下ででも実施例の方が鉄損は低い。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなり、板厚中心層における板面と平行な{111}面のX線ランダム強度比が2.5以上、10.0以下である圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板。 - 質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板とし、表面スケールを酸洗により除去した後、1回の冷間圧延を施し最終板厚としてから、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 質量%で、
C:0.002%以下、
Si:0.1%以上、4.0%以下、
Al:0.1%以上、4.0%以下、
Mn:0.1%未満、かつ、
Si+Al:2.0%以上、6.0%以下、
を含有し、残部Feおよび不可避不純物元素からなるスラブを、熱間圧延により熱延板として、熱延板焼鈍を施し、表面スケールを酸洗により除去した後、85%以上の圧延率で冷間圧延し最終板厚として、再結晶のための仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする圧縮応力による鉄損劣化の小さい無方向性電磁鋼板の製造方法。
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