JP5194927B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、変圧器の鉄心材料に供して好適な方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
電圧変換用の大型変圧器や柱上変圧器には、そのエネルギーロスを低減するために、方向性電磁鋼板が使用されている。方向性電磁鋼板は、ゴス方位と呼ばれる{110}<001>方位を有する粒のみを選択的に巨大成長させることによって、鉄の磁化容易軸である<001>方位を一方向に配向させ、鉄損と呼ばれるエネルギーロスを低減している。
鉄損は、低いほど好ましいため、<001>方位の配向度を改善するだけでなく、たとえば磁区細分化処理と呼ばれる処理を鋼板に施すことによって、磁区幅を減少させ、励磁時の磁壁の移動距離を短くすることで低鉄損化を達成している。
磁区細分化処理方法としては、<001>方位に配向している圧延方向とほぼ垂直に物理的な溝や歪を導入させる方法が一般的であり、かような方法として、突起を有するロールで圧下する方法(特許文献1)、プラズマ照射により熱歪を導入する方法(特許文献2)、レーザ照射により熱歪を導入する方法(特許文献3)および化学的にエッチングする方法(特許文献4)等が開発されている。
特開昭60−96719号公報 特公平7−72300号公報 特公昭58−26405号公報 特公平6−57857号公報
その他、鋼板の表面を鏡面のように平滑化することで、磁壁移動時の障害を除去し、移動を円滑にせしめて低鉄損化する方法も知られている。鏡面化の方法としては、焼鈍分離剤として使用しているMgO中に種々の添加剤を加えて、フォルステライトと地鉄との界面の結合を弱くすることで、フォルステライト形成後に剥離させる方法(特許文献5,6)、フォルステライト被膜が形成した後に物理的もしくは化学的に被膜を除去する方法(特許文献7)および焼鈍分離剤としてフォルステライトを形成しない酸化物や無機物を使用する方法(特許文献8,9)等が提案されている。
特開平2−228481号公報 特開平7−173642号公報 特公平3−74488号公報 特開平5−156362号公報 特開平5−43943号公報
上述したとおり、方向性電磁鋼板を製造する場合には、通常、鋼板をコイル状に巻いた状態で焼鈍炉で長時間処理するバッチ式の仕上焼鈍が施されている。この場合、鋼板同士の密着を防止するために焼鈍分離剤と呼ばれる、高温でも安定な無機物を使用することが一般的である。しかしながら、現在、製造方法が確立されているMgO以外のものを焼鈍分離剤として用いた場合、二次再結晶が発現しないという問題や、焼鈍分離剤が持ち込んだ水分に起因して磁気特性が劣化するという問題が生じていた。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、従来の焼鈍分離剤を用いたバッチ式の仕上焼鈍に替えて、焼鈍分離剤を用いない連続式の仕上焼鈍の適用を可能ならしめた新しい方向性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、様々な問題の根源である焼鈍分離剤を極力使用しないフォルステライト被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、鋼成分中のSやSeを極限まで低減することにより、純化焼鈍の負荷が大幅に軽減され、その結果、焼鈍分離剤を用いた従来のバッチ式での純化焼鈍に替えて、短時間の連続焼鈍の使用が可能になることの知見を得た。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.10%以下、Si:2.0〜8.0%、Mn:0.005〜1.0%、N:5〜70ppmを含有し、かつAlを100ppm以下、S,Seをそれぞれ10ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、熱延板焼鈍を施したのち、または、熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで一次再結晶焼鈍後、1000℃以下の温度で5時間以上の二次再結晶焼鈍を施し、その後1100℃以上の温度で30分以下の連続式の仕上焼鈍を施すことを特徴とする、フォルステライト被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法。
2.前記連続式の仕上焼鈍において、焼鈍雰囲気をAr雰囲気とすることを特徴とする上記1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
3.前記連続式の仕上焼鈍において、物理蒸着法や化学蒸着法を用いて、鋼板表面に無機物の被膜を形成することを特徴とする上記1または2記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
4.前記鋼スラブが、さらに質量%で、Ni:0.010〜1.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.50%、Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%、Mo:0.005〜0.10%およびNb:0.003〜0.10%のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明に従い、鋼スラブの成分中とくにS,Seを極限まで低減し、かつ仕上焼鈍温度を低温化することによって、純化焼鈍の負荷を大幅に軽減することができ、その結果、従来バッチ式で焼鈍分離剤を必須としていた純化焼鈍を、短時間の連続焼鈍で代替することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明の基礎となった実験について説明する。なお、成分に関する「%」および「ppm」表示は特に断らない限り質量%、質量ppmを意味するものとする。
<実験1>
C:200ppm、Si:3.24%、Mn:0.08%、Cr:0.03%、Sb:0.04%、Al:80ppmおよびN:35ppmを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、連続鋳造にて製造し、1225℃のスラブ加熱後、熱間圧延により2.2mmの厚さとした。なお、スラブから採取したサンプルでSおよびSeの分析を行ったが、どちらも5ppm以下で分析限界以下であった。
ついで、1100℃で30秒の熱延板焼鈍後、冷間圧延により板厚:0.23mmの最終冷延板に仕上げた。その後、均熱条件が900℃で20秒の再結晶焼鈍を施した後、950℃で50時間保定する二次再結晶焼鈍を行った。この二次再結晶焼鈍は、950℃と低温であるため、焼鈍分離剤は使用しなかった。その後、Ar雰囲気中にて、種々の温度で10分の連続式仕上焼鈍を行った。
得られた方向性電磁鋼板からサンプルを採取し、かかるサンプルの鉄損W17/50 をJIS C 2550に記載の方法で測定した結果を、図1に示す。
同図に示したとおり、仕上焼鈍を1100℃以上の温度とすることによって磁気特性が改善されている。
また、得られたサンプルの地鉄中の成分分析を行ったところ、地鉄中のN量が磁気特性と相関があることが判明した。
すなわち、仕上焼鈍温度が1100℃未満の場合には、地鉄中にNが7〜22ppm残存していたが、1100℃以上の場合には5ppm未満(分析限界)であった。おそらく、地鉄中にNが残存することで窒化物を形成され、これが磁気特性を劣化させていたと考えられる。
ところで、SやSeは溶鋼段階で低減できるが、溶鋼状態のような高温で大気に触れる限り、Nが溶鋼中に含有されるのは避けられず、少なくとも5ppm未満まで低減することは困難である。
従って、鋼スラブ段階でS,Seをできる限り低減しておき、仕上焼鈍(純化焼鈍)はNを純化する条件に特化してすれば、良好な磁気特性を保持したまま生産性の向上が図れることになる。
そこで、鋼スラブ段階でS,Seを極力低減しておき、仕上焼鈍(純化焼鈍)をNの純化に好適な条件について研究を重ねた結果、本発明に想到したのである。
以下、本発明において、鋼スラブの成分組成を前記の範囲に限定した理由について述べる。
C:0.10%以下
Cは、γ変態の促進により熱延後の組織を均質化させ、磁気特性を改善させる有用元素であるが、含有量が0.10%を超えると、磁気時効の起こらない50ppm以下まで低減することが困難になるので、C量は0.10%以下に限定した。
Si:2.0〜8.0%
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を改善させるために必要な元素であるが、含有量が2.0%未満では十分な効果が得難く、一方8.0%を超えると鋼の加工性が劣化し、圧延が困難になるため、Si量は2.0〜8.0%の範囲に限定した。
Mn:0.005〜1.0%
Mnは、熱間加工性を改善するために必要な元素であるが、含有量が0.005%に満たないとその添加効果に乏しく、一方1.0%を超えると製品板の磁束密度が低下するので、Mn量は0.005〜1.0%の範囲に限定した。
N:5〜70ppm
Nは、磁気特性劣化の主因と考えられる。本発明に従えば、仕上焼鈍時に効果的にNを低減できるとはいえ、含有量が70ppmを超えていると仕上焼鈍時に十分なNの低減が難しく磁気特性の劣化が避け難いので、上限を70ppmとする。一方、素材段階でN量が5ppm未満の場合には、とくに本発明を適用する必要はないので、N量の下限は5ppmとした。
Al:100ppm以下
Al含有量が100ppmを超える場合は、二次再結晶温度が高温化し、二次再結晶焼鈍で焼鈍分離剤が必要となるため、Al量は100ppm以下に制限した。
S,Se:それぞれ10ppm以下
本発明において、SおよびSeは、素材段階で極力低減しておくことが重要である。SやSeが素材中に多量に含有されていると、仕上焼鈍時に地鉄中から排除するのに長時間を要し、また二次再結晶温度を高温化して焼鈍分離剤の使用が必要にもなるので、連続式仕上焼鈍の適用が難しくなる。
それ故、本発明では、SおよびSeは、それぞれ10ppm以下に制限したのである。
以上、必須成分および抑制成分について説明したが、本発明ではその他にも、集合組織を改善して磁気特性を向上させる観点から、以下の元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.010〜1.50%
Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる上で有用な元素である。しかしながら、含有量が0.010%未満では磁気特性の向上量が小さく、一方1.50%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので、Niは0.010〜1.50%の範囲で含有させることが好ましい。
Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.50%
Cr,CuおよびPはいずれも、鉄損の改善に有用な元素であるが、それぞれ含有量が下限に満たないとその添加効果に乏しく、一方上限を超えると二次再結晶粒の発達が抑制され、磁気特性が劣化するので、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。
Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%、Mo:0.005〜0.10%、Nb:0.003〜0.10%
Sn,Sb,Bi,MoおよびNbはいずれも、磁束密度を向上させる有用元素であるが、それぞれ含有量が下限に満たないとその添加効果に乏しく、一方上限を超えると二次再結晶粒の発達が抑制され磁気特性が劣化するので、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。
なお、上掲した選択成分は、いずれか一種を単独で添加しても、また複合して添加したもいずれでもよい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
上記の好適成分組成範囲に調整したスラブを、通常の造塊法、連続鋳造法で製造する。また、100 mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
次に、スラブは、通常は加熱して熱間圧延に供するが、鋳造後加熱せずに直ちに熱延に供してもよい。また、薄鋳片の場合には熱間圧延してもよいし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。熱間圧延前のスラブ加熱温度は、Al,N,S,Seを低減したインヒビター成分を含まない成分系であることから、従来必須であったインヒビターを固溶させるための高温焼鈍を必要とせず、1250℃以下の低温とすることがコストの面で望ましい。
ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。良好な磁性を得るためには、熱延板焼鈍温度は800℃以上1150℃以下が好適である。熱延板焼鈍温度が800℃未満であると熱延でのバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を実現することが困難になり二次再結晶の発達が阻害される。一方、熱延板焼鈍温度が1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎることため、整粒の一次再結晶組織を実現する上で極めて不利となる。
熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延により最終板厚に仕上げたのち、一次再結晶焼鈍を施す。冷間圧延工程において、温度を100〜300℃に上昇させて行うことや、冷間圧延途中で100〜300℃の範囲での時効処理を1回または複数回行うことは、磁気特性を向上させる上で有効である。一次再結晶焼鈍は、脱炭を必要とする場合には雰囲気を湿潤雰囲気とするが、脱炭を必要としない場合は乾燥雰囲気で行っても良い。一次再結晶焼鈍後に、浸珪法によってSi量を増加させる技術を併用してもよい。
二次再結晶焼鈍は、二次再結晶発現のために700℃以上で行う必要があり、また二次再結晶を完了させるためには5時間以上保持する必要がある。さらに、焼鈍温度が1000℃を超えると焼鈍分離剤が必要となり、焼鈍分離剤の影響で磁気特性が劣化する場合があるので、本発明では1000℃以下に限定する。ただし、本発明の主眼は、焼鈍分離剤適用の要否ではなく、あくまで磁気特性の劣化防止であるので、磁気特性上とくに問題が生じなければ、少量の焼鈍分離剤を塗布して二次再結晶焼鈍を行っても差し支えない。
その後、バッチ式でない連続式で仕上焼鈍を施す。仕上焼鈍温度は、前掲図1に示した理由により1100℃以上とする。仕上焼鈍温度の上限についてはとくに制限はないが、1300℃を超えると鋼板の強度低下に起因した板破断等のトラブルが懸念されるので、1300℃程度とすることが好ましい。また、連続式の焼鈍であるため、焼鈍時間が30分を超えると生産性が著しく阻害されるので、30分以内に制限される。磁気特性の観点からは5分以上が望ましいが、操業の観点からは10分以下の短時間が望ましい。
上記の連続式仕上焼鈍において、焼鈍雰囲気はAr雰囲気とすること好ましい。というのは、Ar雰囲気とすることにより、鋼板中のNの低減を促進する効果が期待されるからである。
なお、仕上焼鈍雰囲気としてはAr以外に、H2やHe等の希ガスを適用することもできる。
また、この連続式仕上焼鈍時に、物理蒸着法や化学蒸着法を用いて、鋼板の表面に無機物を蒸着させコーティングを形成することが、鋼板に張力を付与して鉄損の低減を図る上で有効である。
かような無機物のコーティングの形成は、Nの純化が終了している焼鈍の後半段階が好適ある。
なお、上記した仕上焼鈍は、一般的な方向性電磁鋼板では必須の工程である平坦化焼鈍を兼ねることができるが、仕上焼鈍の後で別途、平坦化焼鈍を行っても差し支えない。
また、鋼板を積層して使用する場合には、鉄損を改善するために、平坦化焼鈍前またはその後に、鋼板表面に絶縁コーティングを施すことが有効である。鉄損低減のためには、張力コーティングを付与することが望ましい。
実施例1
C:400ppm、Si:3.19%、Mn:0.15%、Sb:0.045%、Sn:0.032%、Mo:0.04%、Al:80ppmおよびN:35ppmを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、連続鋳造にて製造し、1350℃でスラブ加熱後、熱間圧延により2.0mmの厚さとした。スラブから採取したサンプルでSおよびSeの分析を行った結果、それぞれ8ppm、5ppm以下(分析限界以下)であった。
ついで、1100℃で20秒の熱延板焼鈍後、1回目の冷間圧延により0.45mmの中間厚さとした。ついで、1000℃で60秒の中間焼鈍後、2回目の冷間圧延により0.20mmの最終板厚に仕上げた。その後、均熱条件が850℃で90秒の再結晶焼鈍を施した後、875℃で50時間保定する二次再結晶焼鈍を行った。この二次再結晶焼鈍では、焼鈍分離剤は使用しなかった。ついで、仕上焼鈍としてAr雰囲気下で連続式仕上焼鈍を行った。このときの仕上焼鈍温度と時間は表1に記載の条件とした。
かくして得られた方向性電磁鋼板から磁気測定用のサンプルを採取し、JIS C 2550に記載の方法に準拠して磁気特性(鉄損W17/50)を測定を行った。また、Nの含有量についても調査した。
得られた結果を、表1に併記する。
Figure 0005194927
同表から明らかなように、本発明に従い、素材成分を調整した上で、1100℃以上、30分以下という適切な条件で連続式仕上焼鈍を行った場合には、良好な磁気特性を得ることができた。
実施例2
表2に示す成分組成になる鋼スラブを、連続鋳造にて製造し、1400℃でスラブ加熱後、熱間圧延により2.2mmの厚さとした。ついで、1100℃で35秒の熱延板焼鈍後、冷間圧延により0.20mmの最終板厚に仕上げた。その後、均熱条件が900℃で15秒の再結晶焼鈍を施した後、1000℃で25時間保定する二次再結晶焼鈍を行った。その後、1200℃で10分の連続式仕上焼鈍を行った。この仕上焼鈍の際、化学蒸着法によりTiNを鋼板表層に蒸着させてコーティングとした。
かくして得られた方向性電磁鋼板から磁気測定用のサンプルを採取し、JIS C 2550に記載の方法に準拠して磁気特性(鉄損W17/50)を測定を行った。また、Nの含有量についても調査した。
得られた結果を、表2に併記する。
Figure 0005194927
同表に示したとおり、本発明に従い、素材成分を適正に調整すると共に、1100℃以上、30分以下という適切な条件で連続式仕上焼鈍を行った場合には、良好な磁気特性が得られることが分かる。
仕上焼鈍温度と鉄損との関係を示した図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.10%以下、Si:2.0〜8.0%、Mn:0.005〜1.0%、N:5〜70ppmを含有し、かつAlを100ppm以下、S,Seをそれぞれ10ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、熱延板焼鈍を施したのち、または、熱延板焼鈍を施すことなく、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終冷延板とし、ついで一次再結晶焼鈍後、1000℃以下の温度で5時間以上の二次再結晶焼鈍を施し、その後1100℃以上の温度で30分以下の連続式の仕上焼鈍を施すことを特徴とする、フォルステライト被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記連続式の仕上焼鈍において、焼鈍雰囲気をAr雰囲気とすることを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記連続式の仕上焼鈍において、物理蒸着法や化学蒸着法を用いて、鋼板表面に無機物の被膜を形成することを特徴とする請求項1または2記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼スラブが、さらに質量%で、Ni:0.010〜1.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.50%、Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%、Mo:0.005〜0.10%およびNb:0.003〜0.10%のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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