JP5423143B2 - 燃料電池用膜−電極接合体、その製造方法、および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜−電極接合体、その製造方法、および燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用膜−電極接合体、その製造方法、および燃料電池に関するものである。
燃料電池は、一般に、起動と停止とを繰り返して用いられると共に、種々の環境条件において用いられるものであるため、充分な耐久性を有することが望まれている。燃料電池の耐久性を向上させるための構成としては種々のものが提案されているが、その一つとして、固体高分子型燃料電池において、カソード触媒層と電解質膜との間に緩衝層を設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−236631号公報 特開2007−103089号公報 特開2008−066251号公報
燃料電池の耐久性に大きく影響する要因の一つとして、低温条件下で燃料電池を停止したときに、電解質膜中に残存する水に起因して、電極内で凍結が起こる問題がある。電極内で凍結が起こると、電極が損傷して、電池性能が低下すると共に燃料電池の耐久性が低下する可能性がある。このような電解質膜中に残存する水に起因する凍結の問題は、例えば、燃料電池の停止時に燃料電池内のガス流路を掃気して、電解質膜中の水分量を低減させることによって抑制可能となる。しかしながら、停止時に掃気を行なったとしても、掃気が不十分な場合には、上記した電解質膜中に残存する水に起因する凍結の問題が生じる場合がある。また、停止時の掃気は装置全体のエネルギ効率の低下を伴うと共に、停止後に長時間掃気を行なう動作が継続することは、使用者に違和感を与える場合があるため、燃料電池内の水分量低下を実現するためであっても、長時間の掃気を行なう構成は採用し難い場合がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池の低温停止時において、エネルギ消費を抑えつつ、電解質膜に残存する水によって引き起こされる凍結に起因した燃料電池の性能低下および耐久性低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[形態1]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、
前記第1の工程で作製した同じ前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、
高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも低い温度での加熱および加圧を行ないながら転写する第4の工程と
を備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
[形態2]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、
前記第1の工程で作製した同じ前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、
高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも短い時間の加熱および加圧によって転写する第4の工程と
を備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
[形態3]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、第1の触媒インクを作製する第1の工程と、
前記第1のインクと同じ組成のインクであって、前記電極材料を混合する時間が、前記第1の触媒インクを作製するときの混合時間よりも長い第2の触媒インクを作製する第2の工程と、
高分子電解質から成る電解質膜上に、前記第1の触媒インクを用いてアノードを形成し、前記第2の触媒インクを用いてカソードを形成する第3の工程と
を備える膜−電極接合体の製造方法。
形態1ないし3いずれかに記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法によれば、各電極の体積に対する、高分子電解質に介在されて触媒担持粒子間に形成される細孔の容積の総量の割合である空隙率が、カソードよりもアノードの方が高い燃料電池用膜−電極接合体を得ることができる。そのため、このような燃料電池用膜−電極接合体を備える燃料電池を、氷点下の低温条件下において停止する際には、カソードに先駆けてアノードが損傷することになり、その結果、燃料電池全体の性能低下および耐久性の低下を抑制することができる。
[適用例1]
燃料電池用膜−電極接合体であって、
電解質膜と、
前記電解質膜上に形成され、触媒金属を担持した導電性粒子から成る複数の触媒担持粒子と、高分子電解質と、を備えると共に、前記高分子電解質に介在された前記複数の触媒担持粒子間に細孔が形成された多孔質な一対の電極と、
を備え、
前記一対の電極の一方であるアノードは、前記一対の電極の他方であるカソードに比べて、各電極の体積に対する前記細孔の容積の割合である空隙率が高い
燃料電池用膜−電極接合体。
適用例1に記載の燃料電池用膜−電極接合体によれば、アノードにおける空隙率がカソードにおける空隙率よりも高いため、このような燃料電池用膜−電極接合体を備える燃料電池を、氷点下の低温条件下において停止する際に、アノードの細孔内で、カソードの細孔内に優先して氷の成長が起こる。そのため、カソードに先駆けてアノードが損傷することになり、その結果、燃料電池全体の性能低下および耐久性の低下を抑制することができる。
[適用例2]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、第1の触媒インクを作製する第1の工程と、前記第1の触媒インクよりも、前記触媒担持粒子に対する前記高分子電解質の割合が高くなるように、前記触媒担持粒子と前記高分子電解質とを含む電極材料を混合して、第2の触媒インクを作製する第2の工程と、高分子電解質から成る電解質膜上に、前記第1の触媒インクを用いてアノードを形成し、前記第2の触媒インクを用いてカソードを形成する第3の工程と、を備える膜−電極接合体の製造方法。
[適用例3]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも低い温度での加熱および加圧を行ないながら転写する第4の工程とを備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
[適用例4]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも短い時間の加熱および加圧によって転写する第4の工程とを備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
[適用例5]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも低い圧力での加圧および加熱を行ないながら転写する第4の工程とを備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
[適用例6]
燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、第1の触媒インクを作製する第1の工程と、触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を、前記第1の触媒インクを作製する際に前記電極材料を混合した時間よりも長い時間混合して、第2の触媒インクを作製する第2の工程と、高分子電解質から成る電解質膜上に、前記第1の触媒インクを用いてアノードを形成し、前記第2の触媒インクを用いてカソードを形成する第3の工程とを備える膜−電極接合体の製造方法。
適用例2ないし6いずれかに記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法によれば、各電極の体積に対する、高分子電解質に介在されて触媒担持粒子間に形成される細孔の容積の総量の割合である空隙率が、カソードよりもアノードの方が高い燃料電池用膜−電極接合体を得ることができる。そのため、このような燃料電池用膜−電極接合体を備える燃料電池を、氷点下の低温条件下において停止する際には、カソードに先駆けてアノードが損傷することになり、その結果、燃料電池全体の性能低下および耐久性の低下を抑制することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、上記した各適用例に係る燃料電池用膜−電極接合体の製造方法によって製造した膜−電極接合体や、このような膜−電極接合体を備える燃料電池などの形態で実現することが可能である。
単セル10の概略構成を表わす断面模式図である。 MEA30の製造方法を表わす工程図である。 基材上に形成された電極の様子を模式的に表わす説明図である。 燃料電池を停止したときの凍結の様子を模式的に表わす説明図である。 電極表面の様子をレーザ顕微鏡で観察した結果を示す説明図である。 含水処理および低温処理を施した電極を調べた結果を示す説明図である。 低温処理の様子を模式的に表わす説明図である。 低温処理後のMEAの剥離率を調べた結果を表わす説明図である。 低温停止時にカソード側端部を加熱する構成を表わす説明図である。
A.燃料電池構成:
図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料電池用膜−電極接合体の製造方法により製造された膜−電極接合体を備える単セル10の概略構成を表わす断面模式図である。単セル10は、電解質膜20と、電解質膜20の各々の面上に形成された電極であるアノード21およびカソード22と、電極を形成した上記電解質膜20を両側から挟持するガス拡散層23,24と、ガス拡散層23,24のさらに外側に配設されたガスセパレータ25,26と、を備えている。
本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、電解質膜20は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜とすることができ、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。アノード21およびカソード22は、触媒として、例えば白金、あるいは白金合金を備えている。より具体的には、アノード21およびカソード22は、上記触媒を担持したカーボン粒子と、電解質膜20を構成する高分子電解質と同様の高分子電解質と、を備えている。電解質膜20と、アノード21およびカソード22とは、MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)30を構成している。MEA30の製造工程については、後に詳述する。
ガス拡散層23,24は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発泡金属によって形成することができる。本実施例のガス拡散層23,24は、いずれも、平坦な板状部材として形成されている。このようなガス拡散層24は、電気化学反応に供されるガスの流路になると共に、集電を行なう。
ガスセパレータ25,26は、ガス不透過な導電性部材、例えば圧縮カーボンやステンレス鋼から成る部材によって形成される。ガスセパレータ25,26は、それぞれ所定の凹凸形状を有している。この凹凸形状によって、ガスセパレータ25とガス拡散層23との間には、水素を含有する燃料ガスが流れる単セル内燃料ガス流路47が形成される。また、上記凹凸形状によって、ガスセパレータ26とガス拡散層24との間には、酸素を含有する酸化ガスが流れる単セル内酸化ガス流路48が形成される。
さらに、単セル10の外周部には、単セル内燃料ガス流路47および単セル内酸化ガス流路48におけるガスシール性を確保するために、ガスケット等のシール部材が配置されている(図示せず)。また、燃料電池が、上記した単セル10を複数積層したスタック構造を有する場合には、このスタック構造の外周部には、単セル10の積層方向と平行であって燃料ガスあるいは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが形成される(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各単セル10に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内燃料ガス流路47内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各単セル10に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内酸化ガス流路48内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。
B.MEA30の製造方法:
図2は、MEA30の製造方法を表わす工程図である。MEA30を製造する際には、まず、電解質膜20となる固体高分子電解質から成る膜を用意する(ステップS100)。本実施例では、既述したように、フッ素系の高分子電解質膜を用いている。
次に、電極を形成するための第1および第2の触媒インクを作製する(ステップS110)。第1の触媒インクは、アノード21を作製する際に用いるものであり、第2の触媒インクは、カソード22を作製するために用いるものである。これら第1および第2の触媒インクは、既述した触媒担持カーボン粒子と、電解質膜20と同様のフッ素系高分子電解質とを含有しており、カーボン粒子の重量に対する高分子電解質の乾燥重量の割合(以下、電解質/カーボン値と呼ぶ)が、互いに異なっている。
触媒担持カーボン粒子は、例えばカーボンブラックから成るカーボン粒子を、白金化合物の溶液(例えば、テトラアンミン白金塩溶液やジニトロジアンミン白金溶液や白金硝酸塩溶液、あるいは塩化白金酸溶液など)中に分散させて、含浸法や共沈法、あるいはイオン交換法によって作製する。このようにして作製した白金担持カーボン粒子を、水および有機溶剤からなる適当な溶媒中に分散させると共に、既述したフッ素系高分子電解質を含有する電解質溶液をさらに混合することで、触媒インクが得られる。本実施例では、第1の触媒インクと第2のインクとでは、白金担持カーボン粒子に対する溶媒の割合は同じとなっている。そして、第1の触媒インクは、既述した電解質/カーボン値が0.75となるように各材料を混合して作製しており、第2の触媒インクは、電解質/カーボン値が1.0となるように各材料を混合して作製している。
次に、上記各々の触媒インクを所定の基材上に塗布して、基材上に、第1の触媒インクから成る第1の電極層と、第2の触媒インクから成る第2の電極層と、を別々に形成する(ステップS120)。触媒インクを塗布する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る基材を用いることができる。触媒インクの基材上への塗布は、例えば、スプレー法や、スクリーン印刷、あるいは、ドクターブレード法や、インクジェット法により行なうことができる。これらの方法を用いることで、触媒インクを所望の厚みに塗布することができる。上記のように触媒インクを塗布した後に、塗布した触媒インクを乾燥させることにより、触媒インク中の溶媒が気化する。このように触媒インク中の溶媒が気化により除去されることで、残った複数の触媒担持カーボン粒子が、高分子電解質に介在されつつ3次元的に分散配置された状態になる。そして、高分子電解質によって介在される触媒担持カーボン粒子間において、3次元的に連通した細孔が、電極層全体としてほぼ均一に形成された状態となる。このようにして、基材上には、多孔質な第1および第2の電極層が形成される。図3は、基材上に形成された電極層の様子を模式的に表わす説明図である。
ここで、既述したように、第1の触媒インクと第2の触媒インクとでは、電解質/カーボン値が異なっている。電解質/カーボン値がより小さい触媒インクを用いて電極層を形成すると、得られる電極層では、触媒担持カーボン粒子間に介在する高分子電解質量が少なくなることにより、触媒担持カーボン粒子間に形成される細孔の容積が、より大きくなる。したがって、電解質/カーボン値の異なる第1および第2の触媒インクを用いて電極層を形成すると、電解質/カーボン値がより小さい第1の触媒インクによって形成された第1の電極層の方が、第2の電極層よりも、各電極層の体積(各電極層全体が占める空間の体積)に対する、電極層中の細孔容積の総量の割合(以下、空隙率と呼ぶ)が高くなる。
次に、基材上に形成した第1の電極層および第2の電極層を、それぞれ、ステップS100で用意した電解質膜20の各面上に熱圧転写し、その後に基材を剥離して、電解質膜20上にアノード21およびカソード22を形成し(ステップS130)、MEA30を完成する。このとき、第1の電極層を熱圧転写して成る電極を、アノード21と成し、第2の電極層を熱圧転写して成る電極を、カソード22と成す。なお、本実施例では、第1の電極層の熱圧転写の条件と、第2の電極層の熱圧転写の条件とは、同じとしている。これにより、高分子電解質に介在されたカーボン粒子間に、3次元的に連通している細孔が形成された電極が電解質膜上に形成されたMEA30が得られる。上記3次元的に連通している細孔は、各電極において、電解質膜との界面側表面から、ガス拡散層との界面側表面まで、全体として連通しており、各電極が備える触媒金属に対して給排されるガスの通り道となる。また、カーボン粒子は、触媒金属とガス拡散層23,24との間の電子の通り道を形成する。また、各電極が備える高分子電解質は、触媒金属と電解質膜20との間のプロトンの通り道を形成する。燃料電池が発電する際には、アノード21に対して燃料ガスが供給されると共にカソード22に対して酸化ガスが供給されることにより、以下に示す電気化学反応が進行する。以下の(1)式はアノード21で進行する反応を表わし、(2)式はカソード22で進行する反応を表わし、(3)式は燃料電池全体で進行する反応を表わす。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
燃料電池を組み立てるには、上記のように作製したMEA30が備えるそれぞれの電極上に、ガス拡散層23,24を重ね合わせ、その結果得られた積層体を、さらにガスセパレータ25,26によって挟持することにより、単セル10を製造することができる。そして、複数の単セル10を積層し、複数の単セル10の積層体のさらに外側に、接続端子を有する集電板、絶縁板、およびエンドプレートをさらに積層することによって、スタック構造を有する燃料電池を得ることができる。
C.低温停止時における電極の凍結:
図4は、氷点下の低温条件下において燃料電池を停止したときの、凍結の様子を模式的に表わす説明図である。図4においては、燃料電池内の様子として、MEA30の様子のみを示している。図4(A)は、燃料電池が備える電極が、既述した触媒担持カーボン粒子間に形成される細孔を備える様子を表わしている。固体高分子型燃料電池においては、電解質膜が水を含有すると共に、発電に伴ってカソードにおいて水が生じる。そのため、MEA30内は、ある程度の水分を含有する状態となっており、氷点下の低温条件下において燃料電池の発電が停止されると、電極内の細孔において、氷核が形成される(図4(B)参照)。このように細孔内で氷核が形成されると、主として電解質膜20中の水が電極へと染み出して氷核周辺に集まり、柱状の氷として成長する(いわゆる、凍上現象)。電極が有する細孔内で氷が成長する様子を、図4(C)に示す。このように細孔内で氷が成長することにより、電極内で上記凍上現象が生じた部位が、例えば部分的に浮き上がって、損傷する場合がある。なお、図4では、一方の電極が備える細孔において、氷の成長が進行する様子を例示しているが、このような現象は、いずれの電極においても生じ得る。
このような電極内での氷の成長を引き起こす氷核の生成は、電極内における空隙率が高いほど起こりやすい。本実施例の燃料電池では、アノード21を形成するための第1の触媒インクにおける電解質/カーボン値を、カソード22を形成するための第2の触媒インクにおける電解質/カーボン値よりも小さくすることによって、アノード21の空隙率をカソード22の空隙率よりも大きくしている。そのため、氷点下の低温条件下において燃料電池を停止する際には、アノード21の方がカソード22よりも、電極内での氷核の生成および氷の成長が起こりやすくなる。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、アノード21における空隙率がカソード22における空隙率よりも高くなるように各電極を形成しているため、氷点下の低温条件下において燃料電池を停止する際に、アノード21側の細孔内で優先的に氷の成長が起こる。そのため、カソード22に先駆けてアノード21が損傷することになり、その結果、燃料電池全体の性能低下を抑制することができる。
電極内で氷が成長することにより、例えば電極の一部分が浮き上がると、そのような部位では、他の電極部分との間の連続性が損なわれ、電気化学反応が進行する場として機能し難くなる可能性がある。すなわち、電極内部で氷の成長が進行すると、電極内で、実際に電気化学反応が進行する場が減少して、電池性能の低下が引き起こされる可能性がある。ここで、燃料電池内で進行する電気化学反応は、既述したように、アノードで進行する水素の酸化反応と、カソードで進行する酸素の還元反応とを含む。これらの反応のうち、一般には、水素の酸化反応の方が酸素の還元反応よりも過電圧が小さい(活性化過電圧が低い)という性質を有している。すなわち、電気化学反応を進行させる際に電極活物質を活性化するために必要となる余分なエネルギの量が、アノードの方がカソードよりも小さい。そのため、アノードの方が、カソードに比べて、電気化学反応が進行する場が減少することに起因する性能低下の影響が小さくなる。
本実施例では、既述したように、アノード21の空隙率をカソード22の空隙率よりも高めることによって、アノード21の方がカソード22よりも、凍結に起因する電極の損傷が起きやすい構造としている。そのため、氷点下の低温条件下において燃料電池を停止することにより、電解質膜等が含有する水に起因して電極内部で凍結が起こる場合であっても、電気化学反応の場が減少することによる性能低下の影響を受けにくいアノードを優先的に損傷させることができる。このようにアノードを優先的に損傷させることにより、燃料電池全体の性能低下を抑制し、燃料電池全体の耐久性を高めることができる。
なお、例えば燃料電池の起動と停止とを繰り返すことにより、燃料電池の内部温度が上昇と下降を繰り返すと、電極と電解質膜との熱膨張率の違い等に起因して、電極内部には、経年劣化としての空隙が生じる。このように、電極においては、製造当初に触媒担持カーボン間に形成された細孔に加えて、上記のように空隙(欠陥)が経時的に生じることにより、電極における空隙率は次第に上昇する。経時的に生じた空隙もまた、氷の成長が進行し易い場となり、低温条件下において燃料電池を停止する際には、上記空隙に起因して電極に損傷が生じる可能性がある。しかしながら、このような経時的に生じる空隙は、両極においてほぼ偏り無く生じるものであるため、経時的に空隙が増加しても、アノードの空隙率をカソードよりも高めて燃料電池を製造していた場合には、アノードの方が空隙率が高い状態を保つことができる。そのため、本実施例の燃料電池では、アノード21の方が低温条件下で燃料電池を停止する際に損傷し易い状態が維持され、低温条件下で発電停止した際に生じる凍結に起因する性能低下を抑制する効果も維持することができる。
上記のように、本実施例の燃料電池では、製造時におけるアノード21の空隙率をカソード22の空隙率よりも高くすることによって、アノード21側で優先的に氷の成長を進行させ、氷の成長に起因する電極の損傷をアノード21で優先的に起こして、燃料電池の性能低下を抑制している。ここで、実際の燃料電池の発電停止時における電解質膜では、カソード側の表面近傍の方がアノード側の表面近傍よりも水分量が多く、アノード側よりもカソード側へと電解質膜から水が染み出しやすい状態となっている。そのため、電解質膜においてカソード側の方が水分量が多い状態であっても、アノード側へと積極的に水を染み出させてアノードで優先的に凍結が進行可能となるように、アノードの空隙率を、カソードの空隙率よりも充分に大きく設定することが望ましい。なお、電解質/カーボン値を低くしすぎる場合には、触媒担持カーボン粒子間に介在する高分子電解質量が不十分となることによって、電極内におけるプロトン移動の効率が不十分となる場合がある。また、電解質/カーボン値を低くしすぎる場合には、触媒担持カーボン粒子間を高分子電解質によって介在した電極の構造全体の強度が不十分となる可能性があり、その結果、低温条件下での停止に起因する損傷に先駆けて、例えば電極の厚み方向に亀裂が生じる等の損傷が電極において進行する可能性がある。このようなプロトン移動効率の低下や電極強度の低下は、望ましくない電池性能の低下を引き起こし得る。そのため、電極性能を充分に確保するためには、電極を形成する触媒インクにおいては、電解質/カーボン値は、いずれの電極についても0.6を越えることが好ましい。
さらに、本実施例の燃料電池によれば、アノード21の空隙率をカソード22の空隙率よりも高めることによって、電極内での凍結に起因する電池性能の低下を抑制しているため、凍結を抑制するために発電停止時に燃料電池内のガス流路を掃気する動作を短時間化し、あるいは不要とすることができる。したがって、発電停止時の動作を簡素化することができると共に、掃気に起因するエネルギ消費を抑制可能となることにより、装置全体のエネルギ効率の低下を抑制することができる。
D.実施例のMEAの評価結果:
既述した実施例に則して実験例のMEAを作製し、比較例1,2のMEAと共に、低温処理による電極損傷の程度を評価した。各MEAは、電極を形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値のみが異なっている。各MEAの作製条件は、以下の通りである。
実験例:
ステップS100では、既述したように、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂から成る電解質膜20を用意した。ステップS110では、電解質溶液として、ナフィオン溶液(デュポン社製)を用い、触媒担持カーボン粒子としては、白金の担持量が50wt%である白金担持カーボン粒子を用いた。このステップS110では、電解質溶液と触媒担持カーボン粒子と溶媒とを混合・攪拌して、第1および第2の触媒インクを調製した。このとき、アノード21を作製するための第1の触媒インクは、電解質/カーボン値が0.75となるように調製し、カソード22を作製するための第2の触媒インクは、電解質/カーボン値が1.0となるように調製した。
ステップS120では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の基材上に、第1および第2の触媒インクをバーコータで塗布し、120℃のホットプレート上で乾燥させて、第1の電極層および第2の電極層を形成した。ステップS130では、上記基材上に形成した各電極層を、電解質膜20と重ね合わせて、電解質膜20上に熱圧転写した。熱圧転写は、温度100℃、圧力3MPa、時間50分の条件にて行なった。
比較例1:
比較例1のMEAは、ステップS110において、第1の触媒インクのみを用意し、この第1の触媒インクによって両方の電極を形成したこと以外は、上記実験例のMEAと同様にして作製した。すなわち、比較例1のMEAは、電解質/カーボン値が0.75である触媒インクを用いて、アノードおよびカソードを形成した。
比較例2:
比較例2のMEAは、ステップS110において、第2の触媒インクのみを用意し、この第2の触媒インクによって両方の電極を形成したこと以外は、上記実験例のMEAと同様にして作製した。すなわち、比較例2のMEAは、電解質/カーボン値が1.0である触媒インクを用いて、アノードおよびカソードを形成した。
上記実験例のMEAおよび比較例1,2のMEAにおいて、電極表面の様子をレーザ顕微鏡で観察した結果を、図5に示す。図5(A)は、実験例のMEAにおけるアノード表面を観察した様子を表わし、図5(B)は、実験例のMEAにおけるカソード表面を観察した様子を表わす。いずれも、レーザ顕微鏡で観察した像と共に、レーザ顕微鏡を用いて得られた、表面の粗さ測定を行なうための測定断面曲線を併せて示している。図5のレーザ顕微鏡で観察した像は、2値化を行なって、表面における欠陥の様子を比較するために用いた。ここで、電極表面の欠陥とは、高分子電解質に介在されるカーボン粒子間に形成される細孔の内の、電極表面に窪みとして形成される部分が、電極表面の像において影となって観察されるものをいう。したがって、上記単位面積当たりの欠陥数が多いほど、電極内における空隙率が高いと評価することができる。図5のレーザ顕微鏡で観察した像においては、観察された主要な欠陥を、破線で囲んで示している。図5に示すように、電解質/カーボン値の小さいアノード表面の方が、カソード表面よりも、欠陥が多く形成されて表面が粗い(微細な凹凸が多く形成されている)ことが確認された。なお、比較例1のMEAが備える各電極表面は、実験例のMEAが備えるアノードの表面と同程度の表面粗さを示し、比較例2のMEAが備える各電極表面は、実験例のMEAが備えるカソードの表面と同程度の表面粗さを示した(データ示さず)。
上記実験例のMEAおよび比較例1,2のMEAについて、水分を与える含水処理を施した後に、さらに所定の低温処理を施し、その後に電極の劣化状態を調べた結果を、図6に示す。図6(A)は、実験例のMEAについての結果を示し、図6(B)は、比較例1のMEAについての結果を示し、図6(C)は、比較例2のMEAについての結果を示す。図6(A)〜(C)では、各々のMEAが備えるアノード表面およびカソード表面を、実体顕微鏡で観察して得られた像を、2値化して示している。上記した含水処理は、MEAに対して一定量の水を噴霧することによって行なった。上記所定の低温処理は、含水させた各々のMEA(温度は室温である約20℃)を、液体窒素を用いて−30℃に冷却し、−30℃の状態を3分間保持し、その後、液体窒素の供給を止めて放置し、上記室温へと昇温させることによって行なった。図7は、低温処理の様子を模式的に表わす説明図である。図7に示すように、支持台上にMEAを配置し、支持台の下に液体窒素を供給することにより、MEAを直接液体窒素に接触させることなく、液体窒素の蒸気によってMEAの冷却を行なった。MEAが実際に充分に冷却されていることは、熱電対によってMEAの上面温度と下面温度とを測定することによって確認した。
図6(A)〜(C)に示すように、電解質/カーボン値が0.75である触媒インクを用いて作製した電極は、含水処理および低温処理を施すと、電極表面において、剥離した箇所が多く見られた。これに対して、電解質/カーボン値が1.0である触媒インクを用いて作製した電極では、含水処理および低温処理を施しても、電極表面において剥離はほどんど見られなかった。図6では、低温処理を施した後の電極表面の実体顕微鏡像を2値化した上で、電極の剥離部分の面積を測定し、電極面における所定面積内での剥離部分の面積の割合である剥離率を求めた結果を、併せて示している。図6に示した各像では、剥離部分を破線で囲んで示している。
実験例のMEAでは、電解質/カーボン値が0.75であるアノードの剥離率は11%となり、電解質/カーボン値が1.0であるカソードの剥離率は0%であった。実験例のアノードと同様の電極を両極に備える比較例1のMEAでは、各電極の剥離率は、8%と4%であった。実験例のカソードと同様の電極を両極に備える比較例2のMEAでは、各電極の剥離率は、いずれも0%であった。
このように、アノードを形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値をカソード側よりも低くすることにより、含水状態のMEAを低温処理することによって生じる電極剥離を、アノード側で優先的に生じさせることができることが確認された。したがって、実施例の構成を備えることにより、燃料電池の低温停止時における電極内での氷の成長に起因するカソードの劣化を抑制し、電池性能をより長く維持することが可能になることが確認された。なお、比較例2では、いずれの電極も剥離率は0%であったが、比較例2の構成では、双方の電極で同様に経年劣化が進行することになる。そのため、経年劣化により電極内の空隙が増加したときには、凍結に起因する電極の損傷がアノードとカソードとで同様に進行することになるため、カソードの劣化を抑えることができず、カソードの劣化に従って電池性能も大きく低下することになる。
図8は、カソードを形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値が1.0であって、アノードを形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値が0.5、0.75、1.0のいずれかである3種類のMEAについて、上記した含水処理および低温処理を行ない、剥離率を調べた結果を表わす説明図である。アノードを形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値が0.75である試料は、既述した実験例のMEAと同じものである。また、アノードを形成するための触媒インクにおける電解質/カーボン値が1.0である試料は、既述した比較例2のMEAと同じものである。
図8中、横軸は、含水処理および低温処理を行なう前の各MEAについて、表面のレーザ顕微鏡像を2値化することによって観察される単位面積当たりの欠陥の数を示している。ここで、電極表面の欠陥とは、既述したように、高分子電解質に介在されるカーボン粒子間に形成される細孔の内の、電極表面に形成される部分が、電極表面の像において影となって観察されるものをいう。なお、図8では、各試料について求めた剥離率をプロットした各点において、アノードを形成するために用いた触媒インクにおける電解質/カーボン値を、カッコを付して併記している。また、図8中、縦軸は、含水処理および低温処理を行なった後の各MEAが備えるアノードについて、実体顕微鏡で表面を観察し、既述したように剥離率を求めた値を表わす。
図8に示すように、アノード側の電解質/カーボン値が1.0である比較例2のMEA(比較例2)のアノードでは、レーザ顕微鏡像において欠陥は観察されなかったが、アノード側の電解質/カーボン値がより大きなMEAのアノードでは、電解質/カーボン値が小さいほど、観察された欠陥の数は多くなった。そして、アノード側の電解質/カーボン値が1.0のMEAでは、アノードにおける剥離率はほぼ0であったが、アノード側の電解質/カーボン値が0.75のMEAも、0.5のMEAも、共に、アノードにおける剥離率は大きな値を示した。なお、いずれのMEAにおいても、電解質/カーボン値が1.0である触媒インクを用いて形成したカソード側の剥離率は、ほぼ0であった。このように、各電極における電解質/カーボン値を上記数値範囲とする場合には、含水処理および低温処理を施したときに、アノード側が優先的に損傷される効果が得られることが確認された。
なお、上記のように、触媒インクの電解質/カーボン値を調節することによってアノードの空隙率を高め、凍結に起因する電極の損傷をアノード側で優先的に生じさせることができる効果においては、電極の厚みは殆ど影響しなかった。すなわち、塗布する触媒インク量を調節して電極の厚みを変更しても、凍結に起因する電極の損傷の生じやすさは、殆ど影響を受けなかった(データ示さず)。したがって、凍結に起因する電極の損傷の程度は、電極における細孔容積の総量ではなく、電極における空隙率によって定まると考えることができる。
電解質/カーボン値が異なる触媒インクを用いて形成した電極における空隙率の違いは、図5に示したように、電極表面をレーザ顕微鏡で観察することによって、あるいは、測定断面曲線を利用した表面の粗さ測定によって、検出することができる。あるいは、各電極全体の空隙率は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて電極内の細孔容積を測定することによって求めることも可能である。
E.低温停止時の温度制御:
既述したように、実際の燃料電池の発電停止時における電解質膜では、カソード側の表面近傍の方がアノード側の表面近傍よりも水分量が多く、アノードに対してよりもカソードに対して、電解質膜から水が染み出しやすい状態となっている。そのため、本実施例のようにアノードの空隙率をカソードの空隙率よりも高めることによって、アノードで優先的に氷の成長を起こさせる場合には、その効果を高めるために、低温停止時の燃料電池中の電解質膜において、カソード側からアノード側への水の移動を促す構成を設けることが望ましい。電解質膜内においてカソード側からアノード側への水の移動を促す構成の一例として、以下に、燃料電池スタックのカソード側端部を加熱する構成について説明する。
図9は、燃料電池の低温停止時にカソード側端部を加熱する構成を表わす説明図である。スタック構造を有する燃料電池では、複数の単セル10が直列に接続されるように積層されている。ここで、スタックの端部のうち、最も端部寄りに配置された単セルにおいて外側に配置された電極がカソードとなる端部をカソード側端部と呼び、最も端部寄りに配置された単セルにおいて外側に配置された電極がアノードとなる端部をアノード側端部と呼ぶ。図9に示す燃料電池では、そのカソード側端部において、例えばカソード側端部に配置されたエンドプレート内に、カソード側端部を加熱するためのヒータが設けられている。燃料電池を停止させると、燃料電池全体が次第に降温し、通常は、その両端部から徐々に温度が低下する。これに対して、図9に示すようにカソード側端部にヒータを設け、燃料電池の停止時にカソード側端部を加熱する場合には、カソード側端部からアノード側端部に向かって徐々に温度が低下するように、燃料電池内部において温度勾配を形成することができる。
ここで、一般に、水は、温度の高いところから低いところに向かって移動することが知られている。単セル10内、特に電解質膜内においても、温度が高い部位と低い部位とがある場合には、温度の高い部位から低い部位へと水が移動する。そのため、図9に示すように燃料電池の停止時にカソード側端部を加熱する場合には、燃料電池を構成する各々の単セルにおいて、電解質膜内ではカソード側表面近傍からアノード側表面近傍に向かって水が移動する。これにより、電解質膜のアノード側表面近傍では水分量が増加し、電解質膜からアノードに向かって、さらに水が染み出しやすくなる。その結果、アノードで優先的に氷の成長を起こさせることができる効果を高めることができ、凍結に起因するカソードの損傷を抑制する効果を、さらに高めることができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
実施例では、アノード21を形成する第1の触媒インクと、カソード22を形成する第2の触媒インクとの間で、電解質/カーボン値を異ならせることによって、両電極の空隙率を異ならせたが、異なる構成としても良い。例えば、アノードおよびカソードを形成するために、同じ触媒インクを用いて基材上に電極層を形成し、基材上に形成した電極層を電解質膜上に熱圧接合する際の条件を異ならせることによって、アノードとカソードの空隙率を異ならせることとしても良い。異ならせるべき熱圧接合の際の条件としては、プレス温度、プレス時間、あるいはプレス圧力を挙げることができる。
例えば、電解質膜上にアノードを形成する際のプレス温度を、カソードを形成する際のプレス温度よりも低くすればよい。これにより、アノードにおける電解質膜との界面近傍の空隙率を、カソードにおける電解質膜との界面近傍の空隙率よりも小さくすることができ、その結果、アノード全体の空隙率をカソード全体の空隙率よりも低くすることができる。
また、電解質膜上にアノードを形成する際のプレス時間を、カソードを形成する際のプレス時間よりも短くすればよい。あるいは、電解質膜上にアノードを形成する際のプレス圧力を、カソードを形成する際のプレス圧力よりも低くしてもよい。これにより、アノードにおける電解質膜との界面近傍の空隙率を、カソードにおける電解質膜との界面近傍の空隙率よりも低くすることができる。また、上記のようにプレス時間やプレス圧力を異ならせる場合には、電解質膜との界面近傍以外の領域においても、アノードの空隙率をカソードの空隙率よりも低くすることができる。
なお、上記のように電極を熱圧接合する際の条件を異ならせる場合には、電解質膜上に各電極を接合する際に、アノードの接合をカソードの接合よりも後に行なえばよい。これにより、カソード接合時のプレス条件の影響を、アノードが受けることを抑制可能となる。上記のように電極を熱圧接合する際の条件を異ならせた場合にも、得られたMEAにおけるアノードおよびカソードの空隙率は、例えば水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて電極内の細孔容積を測定することによって求めることができる。また、プレス時間やプレス圧力を異ならせる場合のように、電極全体の空隙率を異ならせることができる場合には、実施例と同様に、各電極における電解質膜と接しない側の表面をレーザ顕微鏡などで観察することによっても、各電極の空隙率の違いを検出することができる。
あるいは、基材上の電極層のプレス条件以外の条件を異ならせることによって、アノードの空隙率とカソードの空隙率とを異ならせることとしても良い。例えば、アノードを形成するための第1の触媒インクと、カソードを形成するための第2の触媒インクとで、触媒インクを調製する際の攪拌時間や攪拌強度を異ならせることによって、攪拌の程度を異ならせても良い。具体的には、アノードを形成するための第1の触媒インクを調製する際の攪拌時間をより短くする、あるいは、攪拌強度をより弱くすればよい。これによって、第1の触媒インクにおける触媒担持カーボン粒子の分散状態が低くなり、得られるアノードにおける触媒担持カーボン粒子間に形成される細孔容積が大きくなって、アノードにおける空隙率を高めることができる。
また、アノードの空隙率がカソードの空隙率よりも高くなるように各電極を形成する際には、既述した各条件、すなわち、触媒インクにおける電解質/カーボン値や、熱圧接合する際の条件や、触媒インクの攪拌条件などを適宜組み合わせることとしても良い。
F2.変形例2:
実施例では、基材上に形成した電極層を電解質膜上に転写することによって電極を形成したが、異なる構成としても良い。例えば、触媒インクを、電解質膜上あるいはガス拡散電極上に直接塗布することによって、電極を形成することもできる。この場合にも、アノードを形成するための第1の触媒インクと、カソードを形成するための第2の触媒インクとで、電解質/カーボン値や、攪拌の程度を異ならせることにより、アノードの空隙率をカソードの空隙率よりも高めることができる。触媒インクを電解質膜上やガス拡散電極上に塗布する方法としては、触媒インクを基材上に塗布するための既述した方法と同様の方法を用いることができる。
F3.変形例3:
実施例では、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質と共に溶媒を含有する触媒インクを形成し、この触媒インクを塗布することによって電極となる層を形成したが、異なる構成としても良い。例えば、粉体状の電極材料を用いることとしても良い。具体的には、例えば、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質とを用いて実施例と同様の触媒インクを作製し、この触媒インクを用いて例えばスプレードライ法によって造粒することによって、多孔質な粉体状の電極材料を作製する。そして、得られた粉体状の電極材料を、静電スクリーン法あるいは静電スプレー法などの静電的な方法で電解質膜上に塗布し、加熱や加圧を行なうことにより、電解質膜上に電極を定着することができる。このとき、上記造粒の条件や塗布の条件を適宜設定することにより、アノードの空隙率をカソードの空隙率よりも高めるならば、実施例と同様の効果を得ることができる。
F4.変形例4:
実施例では、各電極は、触媒担持カーボン粒子を備えることとしたが、触媒担持粒子として、異なる種類の導電性粒子を用いることとしても良い。例えば、電子伝導性を有するセラミック(金属酸化物)微粒子上に、触媒を担持させることとしても良い。また、実施例では、電解質膜20および電極が備える電解質として、パーフルオロスルホン酸系電解質を用いたが、異なる種類の固体高分子電解質を用いても良い。例えば、炭化水素系固体高分子電解質を用いることができる。このような場合にも、本発明を適用して電極を形成することで、燃料電池の性能低下を抑制して耐久性を向上させる同様の効果が得られる。
10…単セル
20…電解質膜
21…アノード
22…カソード
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
30…MEA
47…単セル内燃料ガス流路
48…単セル内酸化ガス流路

Claims (6)

  1. 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
    触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、
    前記第1の工程で作製した同じ前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、
    高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも低い温度での加熱および加圧を行ないながら転写する第4の工程と
    を備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  2. 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
    触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、触媒インクを作製する第1の工程と、
    前記第1の工程で作製した同じ前記触媒インクを基材上に塗布して、前記基材上に、アノードとなる触媒層およびカソードとなる触媒層を形成する第2の工程と、
    高分子電解質から成る電解質膜の一方の面上に、前記基材上に形成した前記カソードとなる触媒層を、加熱および加圧しながら転写する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記電解質膜の他方の面上に、前記基材上に形成した前記アノードとなる触媒層を、前記第3の工程よりも短い時間の加熱および加圧によって転写する第4の工程と
    を備える燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  3. 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
    触媒金属を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、高分子電解質と、を含む電極材料を混合して、第1の触媒インクを作製する第1の工程と、
    前記第1のインクと同じ組成のインクであって、前記電極材料を混合する時間が、前記第1の触媒インクを作製するときの混合時間よりも長い第2の触媒インクを作製する第2の工程と、
    高分子電解質から成る電解質膜上に、前記第1の触媒インクを用いてアノードを形成し、前記第2の触媒インクを用いてカソードを形成する第3の工程と
    を備える膜−電極接合体の製造方法。
  4. 燃料電池用膜−電極接合体であって、
    請求項1ないしいずれか記載の膜−電極接合体の製造方法により製造された膜−電極接合体。
  5. 請求項記載の燃料電池用膜−電極接合体を備える燃料電池。
  6. 請求項記載の燃料電池であって、
    前記燃料電池の発電停止時において、少なくとも氷点下の低温条件下では、前記燃料電池内でカソード側の方がアノード側よりも高温となるように温度勾配を形成する温度勾配形成部を備える
    燃料電池。
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