JP5422583B2 - インペラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心圧縮機、その他の回転機械に用いられるインペラ(回転翼)の製造方法に関する。
例えば遠心圧縮機のインペラ10は、図4に示すように、遠心圧縮機の回転主軸に固着し回転される片面が先薄に湾曲するディスク11と、ディスク11の湾曲面と対峙する形状のカバー12と、ディスク11とカバー12の湾曲面間を渦形に仕切るように設けられる多数のブレード13とにより構成されている。
このインペラ10は、ディスク11と、カバー12と、ブレード13とを、個別に製作し相互に接合し組付ける3ピース型と呼ばれるもの、カバー12とブレード13(または、ディスク11とブレード13)とを一体に作製し、これとは個別に作製されたディスク11(または、カバー12)とを接合する2ピース型と呼ばれるものがある。3ピース型及び2ピース型のいずれのインペラ10も、接合は溶接又はろう付けにより行われる。接合を溶接又はろう付けのいずれかで行うかは、インペラ10のサイズ、強度等によって定められる。なお、図4に示すインペラ10は、2ピース型を示しており、ディスク11と、ブレード13と一体に作製されたカバー12とが、ろう付け部14により接合されている例を示している。
ろう付けによる接合は、接合すべき部材間(例えば、ディスク11とブレード13の間)に、例えばAu−Ni合金からなるろう材を介在させた状態で、ろう材の溶融温度以上のろう付け温度まで昇温し、定められた時間の保持を経て冷却する、という熱サイクルを有している。
ろう付けによる接合には以下の利点がある。
ろう付け温度とインペラ10を構成する材料(析出硬化型ステンレス鋼)の固溶化熱処理の温度を同温度域とすることができるので、ろう付けのための熱処理と固溶化熱処理とを兼ねることができる。
また、溶接により作製されるインペラ10に比較し、変形が少なく、アンバランスも少ない。
さらに、真空下でろう付け処理がなされるため、処理後のインペラ10の表面は清浄化され、後に酸化皮膜を除去する工程を削減できるとともに、要求される寸法精度を確保しやすい。
このような利点を有するろう付けによるインペラの製造方法が、特許文献1に開示されている。
ろう材の液相よりもわずかに低い温度で焼入れ処理を始めていたが、これではろう付け接合部の強度が不十分であり、その結果、ろう付け接合部にクラックが入ることがある、というそれまでのろう付け方法の問題を解消することを、特許文献1は目的としている。
特許文献1は、その図6に代表例が示されるろう付け熱サイクルを提案している。当該図6において、ろう材の液相または液相線温度、約華氏1850度(1010℃)まで約6時間かけてろう付けされる組付け体を加熱し、その温度で約1時間保持する。この昇温の過程の華氏1200度(650℃)の温度で約1時間の保持を行っている。さらに、ろう付け組付け体を約2時間かけて約華氏1300度(704.4℃)まで冷却し、その後、組付け体を約華氏350度(176.7℃)の温度まで1時間かけて下げてガス焼入れする。この熱サイクルにより、回転翼組付け体は熱誘導歪みを示さず、ろう付け接合部すべてが堅固であり、クラックが生じなかったことを、特許文献1は述べている。なお、特許文献1は、インペラの各部材を構成するステンレス鋼としてJIS SUS630を、また、ろう材として80%〜85%の金(Au)と15%〜20%のニッケル(Ni)とを含有する合金(以下、Ni−Au合金と略記することがある)を推奨している。本願明細書において、%は質量を意味する。
特表2003−531731号公報
以上のように、特許文献1によると、クラックを生じさせることなくインペラをろう付け法により作製できるとされている。
ところが、特許文献1の熱サイクルによるろう付けを行った場合に、ろう材を介して接合されているはずのディスク11とブレード13の間に熱処理中の発生温度差によりギャップが生じる可能性があることが判明した。このギャップが生じている部分はろう材を介した接合がなされていない(ろう付け不良)ことになるので、ギャップの発生が顕著なインペラは不良品として扱われるか、改めてろう付けが行われる。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、ろう付け不良を低減できるインペラの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らはろう付け不良の原因を究明するために、いくつかの方向から検討を行った。そうしたところ、ろう付けの熱サイクルの過程において、インペラに温度分布が生じていることが確認された。インペラ内に温度分布が生じると、それに応じて生じた熱変形量の差異によって接合界面の間隙が拡張されることがある。熱サイクルで溶融したろう材は毛細管現象により当該間隙に保持されるが、この間隙が拡がりすぎると、保持がかなわなくなったろう材が外部に漏れ出てしまう。
そこで本発明者らは、当該間隙の拡張を抑えることに着目してさらに検討を加えることで、以下の通りの本発明を着想した。
本発明は、少なくとも2つのインペラ構成部材の接合部分にるろう材を介在させた組付け体に熱サイクルを施して接合するインペラの製造方法に関するものであり、この熱サイクルに特徴を有している。
本発明による熱サイクルは、保持温度まで温度を上げる昇温過程Iと、ろう材の溶融温度以上の温度域の保持温度で保持を行う保持過程IIと、保持温度から室温まで温度を下げる降温過程IIIと、を備えている。
昇温過程は、昇温速度を20〜100℃/hr.とする。
昇温過程において、温度を維持する、第1の中間保持と第2の中間保持を設ける。第1の中間保持は500〜850℃の温度域で行われる。第2の中間保持は850〜950℃の温度域(ただし、850℃を含まず)で行なわれる。
また、昇温過程において、第2の中間保持の後の950℃を超える温度域では、第2の中間保持の前よりも遅い速度で昇温を行う。ただし、このときの速度も20〜200℃/hr.の範囲内にあることを前提とする。
本発明の保持過程における保持温度は、1000〜1050℃の範囲から選択される。
本発明の降温過程において、降温速度が20〜100℃/hr.とし、保持温度から950℃までは、それ以下の降温速度よりも遅い速度で降温される、本発明の目的を達成する上でことが好ましい。
本発明によれば、ろう付け熱サイクルの昇温過程の昇温速度を制御するとともに、中間保持を設けることで、構成部材の熱変形によるろう付け界面にギャップが生じるのを回避し、ろう材不良を抑制する。
本実施形態におけるインペラの製造工程を示すフローチャートである。 本実施形態におけるろう付け(固溶化熱処理)時の熱サイクルの1パターンを示す図である。 ろう付け(固溶化熱処理)時の熱サイクルを変動させて得た試料のろう付け状況の観察結果を示す表である。 遠心圧縮機のインペラの一例を示し、(a)は平面図、(b)はインペラのブレード沿いの半断面図である。
以下、実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。なお、以下説明する一連の工程を図1に示しているので、参照願いたい。
本実施形態は、図4に示す2ピース型のインペラを例にして説明する。ただし、ブレード13をディスク11と一体に形成される2ピース型のインペラ、あるいは3ピース型のインペラを製造する場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。
<カバー用、ディスク用の素材>
ディスク11用、カバー12用の素材が各々用意される。この素材は、棒状の鋼材として提供される。この素材は、基本的にはSUS630で規定される以下の化学組成(質量%)を有している。SUS630は、固溶化熱処理によりCuを基地中に固溶させ、その後の時効硬化熱処理により微細なCu−Ni金属間化合物を析出させることにより鋼の強度を向上させる析出硬化型のステンレス鋼である。なお、以下の元素以外に、SUS630の特性を向上させ得る元素を含んでいてもよい。
<SUS630 化学組成(参考値)>
Cr;15.5%〜17.5%(好ましくは15.5%〜17.0%)
Ni;3.0%〜5.0%(好ましくは3.5%〜4.5%)
Cu;3.0%〜5.0%(好ましくは3.0%〜4.0%)
Nb+Ta;0.15%〜0.40%(好ましくは0.3%〜0.40%)
C;0.07%以下
Si;1.0%以下
Mn;1.0%以下
P;0.004%以下
S;0.03%以下
残部;Feおよび不可避不純物
<鍛造−切削>
ディスク11用、カバー12用の素材は、各々鍛造、切削により、ディスク11、カバー12の形状に加工される。カバー12はブレード13を一体的に備えているものであるから、ブレード13を形成するために切削加工が施される。
<組付け>
各々作製されたディスク11と、ブレード13一体のカバー12と、を各々の接合面側を突き合わせて組付け体を得る。なお、カバー12はブレード13側をディスク11の接合面側に対向させる。この突合せ面には、ろう材を配置させる。この際、ろう付け後のろう材の厚さを確保するために、ディスク11とカバー12の突合せ面における間隔を保持するように治具を用いることができる。
<ろう材>
本実施の形態で用いられるろう材は、AuをベースとしてNiを含む合金である。この金ろう材は、15〜20%のNiを含み、残部がAu及び不可避不純物からなる。この組成範囲とすることにより、母材(ディスク11及びブレード13)に対する濡れ性が良好であり、かつ、高い接合強度を得ることができる。この金ろう材は、融点(液相線温度)がSUS630の固溶化熱処理の保持温度よりも低い900〜1050℃程度のものを用いる。この金ろう材は、好ましくは16〜19%Ni−81〜84%Au、より好ましくは17.5〜18.5%Ni−81.5〜82.5%Auの化学組成を有する。この金ろう材は、典型的には18%のNi−Auの組成を有し、900〜1000℃程度の融点を有している。
ディスク11とカバー12の突合せ面に介在されるろう材の形態は任意である。例えば、薄片、薄帯、線状材、粉末、ペーストの形態など、ろう付けにおいて公知のいずれのものであってもよい。ただし、継手部分の靭性を確保するために設定されるろう付け後のろう材の厚さを満足できるものである必要がある。
<熱処理(ろう付け熱サイクル)>
ディスク11とカバー12(ブレード13)をろう材を介して組み付けた後に、組付け体を加熱炉内に挿入して熱処理を行う。熱処理は、図1にも示されるように、固溶化熱処理と時効硬化熱処理の2段からなり、真空下で行われる。ろう付け熱サイクルは、この固溶化熱処理と兼ねて行われる。以下では、ろう付け熱サイクルと総称する。時効硬化熱処理は、ろう付け熱サイクル(固溶化熱処理)が終了した後に行うことができるし、ろう付け熱サイクルの降温過程で行うこともできる。以下、一連の熱処理の好適な条件を説明する。
[ろう付け熱サイクル]
ろう付け熱サイクルは、図2に示すように、昇温過程(I)、保持過程(II)及び降温過程(III)に区分することができる。
昇温過程は、通常、室温から開始され、保持温度まで炉内(組付け体)の温度を上げる。
[昇温過程]
本実施形態は、この昇温過程の昇温速度を20〜100℃/hr.とする。昇温過程に組付け体の中に温度分布を生じさせないか、生じたとしてもろう材が接合界面から漏れ出さない程度に抑えるためである。
組付け体に温度分布を生じさせないためには昇温速度を遅くすればいいが、遅すぎるとろう付け熱サイクルに時間がかかりすぎてインペラ10の製造コストを上げてしまう。また、遅い昇温速度を制御するのは容易ではなく、加熱炉を高価なものにする必要がある。したがって、昇温速度は20℃/hr.以上とする。好ましい昇温速度の下限は30℃/hr.、さらに好ましい昇温速度の下限は50℃/hr.である。
一方、昇温速度が速くなると、組付け体に生じる温度分布が大きくなるので、本発明では昇温速度の上限を100℃/hr.以下に設定する。好ましい昇温速度の上限は80℃/hr.、さらに好ましい昇温速度の上限は70℃/hr.である。
昇温過程に要する時間は、昇温速度、次に説明する中間保持に要する時間、あるいはインペラ10のサイズに起因するので一義的に定めることはできないが、インペラ10の製造コストをも考慮すると、50時間以下にすることが望まれる。
以上の昇温速度は、昇温過程の全域に適用されるものである。つまり、昇温を開始した時点から、保持温度(保持過程)に達するまでの間に適用される。ただし、この昇温速度は、次に説明する中間保持の間は適用されない。また、昇温速度は一定である必要はなく、20〜100℃/hr.の範囲で変動させることができる。典型的には、900℃〜950℃を超える温度域では、それ以下の温度域よりも遅い昇温速度を選択すること、が掲げられる。
[中間保持]
昇温過程において、温度を維持する、第1の中間保持と第2の中間保持を設ける。なお、第1の中間保持と第2の中間保持を、中間保持、と総称する。第1の中間保持は500〜850℃の温度域で行われる。第2の中間保持は850〜950℃の温度域(ただし、850℃を含まず)で行われる。なお、第1の中間保持と第2の中間保持を合わせて、中間保持、と総称する。
上述したように、昇温過程において組付け体に温度分布を生じさせないために、昇温速度を100℃/hr.以下に設定するが、これだけでは温度分布を回避するには十分ではない。そこで本発明は、中間保持を導入して、組付け体を均一な温度分布に近づける。
本実施形態では、中間保持を第1の中間保持と第2の中間保持から構成する。このように二段階の中間保持を設けるのは、いずれか一方のみでは、ろう付け不良の抑制が不十分なためである。すなわち、昇温過程において、相対的に温度が高くなるほど組付け体に生じる温度分布は大きくなるので、高い温度域に中間保持を設けることは組付け体の温度均一化にとって有効である。しかし、相対的に低い温度域で組付け体に温度分布が生じてしまうと、その時点で接合界面にギャップが生じてしまい、高い温度域で温度均一化を図ったとしても、昇温工程における変形によりろう付け面ギャップの増化および設置ろう材の位置づれ等により、適正なろう付けが行えないこととなる可能性がある。特に、SUS630のように析出硬化型のステンレス鋼は、時効温度を超えると急激に強度が低下して変形しやすくなるので、昇温過程で時効温度を通過する際に、ギャップが拡大するおそれがある。本実施形態は、このような観点から、第1の中間保持と第2の中間保持を二段階にしている。
第1の中間保持は、500℃未満の温度では組付け体の温度分布が小さいために、中間保持を行ってもそれに見合う効果が得られない。また、850℃を超えてしまうと、上述した相対的に低い温度でのギャップ低減の効果が得られない。そこで、第1の中間保持は500〜850℃の温度域で行う。第1の中間保持は、好ましくは550〜750℃の温度域で行い、さらに好ましくは550〜700℃の温度域で行う。
第1の中間保持における保持時間は、組付け体のサイズなどに応じて定められるべきであるが、短時間では温度均一化の効果が不十分であり、また、温度均一化はインペラの単位板厚当たりに対してほぼ一定の時間で達成されることから、インペラの厚さを考慮し1〜10時間程度に設定している。この保持時間は、第2の中間保持についても同様である。
第1の中間保持は、異なる温度で2段階又はそれ以上の保持を行うことを許容する。また、第1の中間保持を行うことを前提として、500℃未満の温度域で保持を行うことを本発明は許容する。
第2の中間保持は、850℃以下の温度では上述した相対的に高い温度でのギャップ低減の効果が得られない。また、950℃を超えてしまうと、ろう材の溶融が始まってしまい、保持をする意味が小さくなる。そこで、第2の中間保持は850〜950℃の温度域で行う。第2の中間保持は、好ましくは860〜940℃の温度域で行い、さらに好ましくは880〜920℃の温度域で行う。
第2の中間保持も、異なる温度で2段階又はそれ以上の保持を行うことを許容する。
[徐加熱]
第2の中間保持の後から保持過程に移行するまでは、昇温速度を、第2の中間保持より前の昇温速度よりも遅くする。第2の中間保持の後はろう材が溶融し始めているので、組付け体に温度分布を生じさせないために、できるだけ昇温速度を抑えるのである。ただし、この場合の昇温速度も20〜100℃/hr.の範囲から選択されることは守られる。
[保持過程(固溶化熱処理)]
保持過程は、母材(インペラ10)を固溶化熱処理の保持としての機能とともに、ろう材を溶融させる機能を備えている。
保持過程における保持温度は、1000〜1050℃の範囲から選択される。この保持温度の範囲は、基本的には、SUS630の熱処理を規定するJIS G4303に準じている。
保持過程の後の冷却過程は、昇温過程と同様に組付け体の温度分布を抑えるために、20〜100℃/hr.の範囲の速度とすることが好ましい。また、この冷却速度であれば、SUS630においてCuを基地中に固溶させるという固溶化熱処理の目的を達成できる。
この昇温過程において、保持温度から950℃までは、それ以下の降温速度よりも遅い速度で降温されることが好ましい。これは、昇温過程において、950℃を超える温度域でそれ以前よりも遅い速度で昇温することと同じ趣旨である。この趣旨をより明確にするために、950℃近傍、具体的には900〜1000℃の範囲で保持を設けることもできる。
また、降温過程において、発生応力が、ろう材強度以下となり、損傷無く、変形が許容内となる温度域(たとえば600℃以下)まで温度が下がった後には、冷却用のガスを供給するなどして、降温速度を100℃/hr.以上にすることもできる。
上述した金ろう材は、融点が900〜1050℃であるから、降温過程も含めた固溶化熱処理の過程で、ろう材は溶融・凝固してディスク11とカバー12をろう付けする。なお、組織をマルテンサイト化するためにはMf点(マルテンサイト変態終了温度)まで低下させる必要があり、その温度は組成及び冷却速度に依存するが100〜140℃であり、保持後はこの温度以下に冷却する必要がある。
<時効硬化熱処理>
以上で、ろう付け(固溶化熱処理)が終わると、次いで、時効硬化熱処理を行う。
時効硬化熱処理は、JIS G4303に準じて行う。JIS G4303は、得たい引張強度、耐力に応じて時効硬化熱処理の温度を区分しているが、本発明はいずれの温度も採用できるし、JIS G4303で規定される温度域の間の温度を採用することもできる。
<実験例>
図4に示す形態のディスク11と、ブレード13が一体的に形成されたカバー12とを用意し、ディスク11とブレード13との間にろう材(厚さ:100μm)を介在させて、種々の条件でろう付け(固溶化熱処理)を行い、その後、ろう付けの状態を水深超音波探傷で確認し、以下の基準で評価した。
○:ろう付け不良観察されず △:ろう付け不良が点在
×:ろう付け不良が散在
用いたディスク11、カバー12(ブレード13)を構成する鋼材の化学組成及びろう材の組成は以下の通りである。また、ろう付け(真空下)の条件は、図3に示すとおりである。
鋼材の化学組成(JIS SUS630準拠):
Cr;15.5%、Ni;4.3%、Cu;3.5%、Nb+Ta;0.35%
C;0.05% Si;0.25%、 Mn;0.8%、P;0.0035%、S;0.007%
残部;Feおよび不可避不純物
ろう材の組成:18%Ni−82%Au
以上の結果に基づいて、本発明者らは、ろう付け(固溶化熱処理)時の熱サイクルの条件を本発明のように特定した。
10 インペラ
11 ディスク
12 カバー
13 ブレード
14 ろう付け部

Claims (2)

  1. 少なくとも2つのインペラ構成部材の接合部分にろう材を介在させた組付け体に熱サイクルを施して接合するインペラの製造方法であって、
    前記熱サイクルは、
    保持温度まで温度を上げる昇温過程と、
    前記ろう材の溶融温度以上の温度域の保持温度で保持を行う保持過程と、
    前記保持温度から室温まで温度を下げる降温過程と、を備え、
    前記昇温過程は、
    昇温速度が20〜100℃/hr.であるとともに、
    温度を維持する、第1の中間保持と第2の中間保持を備え、
    前記第1の中間保持は500〜850℃の温度域で行われ、
    前記第2の中間保持は850〜950℃の温度域(ただし、850℃を含まず)で行われ、
    前記第2の中間保持の後の950℃を超える温度域では、前記第2の中間保持の前よりも遅い速度で昇温が行われ、
    前記保持過程における保持温度は1000〜1050℃の範囲から選択される、
    ことを特徴とするインペラの製造方法。
  2. 前記降温過程において、
    降温速度が20〜100℃/hr.であり、
    前記保持温度から950℃までは、それ以下の降温速度よりも遅い速度で降温される、
    請求項1に記載のインペラの製造方法。
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