JP5422494B2 - 超電導線材の金属端子接合構造体、および超電導線材と金属端子の接合方法 - Google Patents

超電導線材の金属端子接合構造体、および超電導線材と金属端子の接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導線材の金属端子接合構造体、および超電導線材と金属端子の接合方法に関する。
近年になって発見されたRE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−x:REはYを含む希土類元素)は、液体窒素温度以上で超電導性を示すことから実用上極めて有望な素材とされており、これを線材に加工して電力供給用の導体として用いることが強く要望されている。酸化物超電導体を線材として製造する方法として、高強度で耐熱性もあり、線材に加工することが容易な金属を長尺のテープ状に加工し、この金属基材上に酸化物超電導体を薄膜状に形成する方法が研究されている。
酸化物超電導体を線材として得るためには、酸化物超電導薄膜(超電導層)上に銀や銅のような良導電性の金属層よりなる安定化層を設けるのが一般的である。安定化層は、超電導層が超電導状態から常電導状態に遷移しようとした時に、該超電導層の電流を転流させるバイパスとして機能する。
このような酸化物超電導導体を、線材として実用機器に応用するには、外部電源や回路と酸化物超電導線材を電気的に接続するための金属端子と酸化物超電導線材の接続技術の確立が不可欠である。
酸化物超電導線材と金属端子の接続方法としては、酸化物超電導体上に形成した銀又は銀合金からなる層上に、ハンダを介して金属端子を接続する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、金属端子の接続方法ではないが、酸化物超電導線材の接続技術として、テープ状の基材上に超電導層と安定化銀層とがこの順に設けられた2本の酸化物超電導線材同士を、安定化銀層の表面を対向させて、ハンダを介して接続する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開平9−97637号公報 特開2000−133067号公報
特許文献1に記載の技術のように、酸化物超電導線材に金属端子を接続する場合、ハンダを介して接続することが一般的である。
ハンダによる接続は簡便ではあるが、ハンダ接続部で電気抵抗(接続抵抗)が発生してしまうという問題がある。接続抵抗が大きくなると、抵抗が上昇してしまい、低損失という超電導線材が本来備えているべき特性を損なってしまう虞がある。また、接続抵抗によりハンダ接続部で発生するジュール熱が超電導層に伝導されると、超電導特性が低下してしまう可能性がある。接続抵抗によるジュール発熱の一例としては、酸化物超電導体が超電導状態となり抵抗が0になる液体窒素温度(約77K)において、1μΩの接続抵抗が金属端子と酸化物超電導線材との間に発生した場合、1kAの通電時には、1Wのジュール熱が発生することになる。そのため、ハンダの厚さをできるだけ薄くして接続抵抗を小さくすることが望まれる。
また、ハンダによる接続時に、ハンダの濡れ性が悪いと、良好な接続が得られにくくなり、接続抵抗が大きくなるという問題がある。
さらに、ハンダ接続時の加熱による接続部の熱が超電導層に伝わり、超電導特性が低下してしまう可能性もある。超電導特性の劣化を防ぐためには、短時間でのハンダ接続が望ましいが、短時間でのハンダ接続では良好な接続が得られにくくなり、接続抵抗の増加に繋がる場合がある。また、超電導層上に安定化層としての銀層が設けられ、該銀層上に銅テープがハンダを介して設けられているような酸化物超電導線材に対して、金属端子をハンダ接合する場合、ハンダ接続時の加熱により、銅テープと銀層のハンダ接合部が再溶融してしまい、銅テープが剥離してしまう可能性がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、剥離部分などの生じていない良好な接合状態であり、ハンダ接続部の電気抵抗の増加を抑制することが可能な超電導線材の金属端子接合構造体及び超電導線材と金属端子の接合方法を提供すること目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の超電導線材と金属端子の接合方法は、基材と、該基材上に中間層を介して設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた保護層とを備える超電導テープの該保護層上に、安定化材テープを接合して安定化材複合超電導テープとし、該安定化材複合超電導テープ上に金属端子を接合する超電導線材と金属端子の接合方法であって、前記安定化材テープは、一方の面に第1ハンダがメッキされ、且つ、他方の面に第2ハンダがメッキされており、前記超電導テープと前記安定化材テープは前記第1ハンダを介して接合され、
前記金属端子は、前記安定化材複合超電導テープ上に前記第2ハンダと第3ハンダとがこの順に介在されて接合されてなり、前記第2ハンダの融点T及び第3ハンダの融点Tが、前記第1ハンダの融点Tよりも低いことを特徴とする。
本発明の超電導線材と金属端子の接合方法において、前記第1ハンダの融点T、前記第2ハンダの融点T、前記第3ハンダの融点Tが、250℃>T>T=Tの関係を満たすことが好ましい。
本発明の超電導線材と金属端子の接合方法において、前記安定化材複合超電導テープは、前記超電導テープの前記保護層上に、前記安定化材テープを前記第1ハンダ側を接触させて重ね合わせ、一対の加熱・加圧ロールにより加熱及び加圧して形成され、前記第2ハンダの厚さが10μm以下であることも好ましい。
本発明の超電導線材の金属端子接合構造体は、基材と、該基材上に中間層を介して設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた保護層とを備える超電導テープと、該超電導テープの前記保護層上に第1ハンダを介して設けられた安定化材テープと、該安定化材テープ上に第2ハンダと第3ハンダとをこの順に介在させて設けられた金属端子とを備えてなり、前記安定化材テープは、一方の面に前記第1ハンダがメッキされ、且つ、他方の面に前記第2ハンダがメッキされており、前記第2ハンダの融点T及び第3ハンダの融点Tが、前記第1ハンダの融点Tよりも低いことを特徴とする。
本発明の超電導線材の金属端子接合構造体において、前記第1ハンダの融点T、前記第2ハンダの融点T、前記第3ハンダの融点Tが、250℃>T1>T2=T3の関係を満たすことが好ましい。
本発明の超電導線材の金属端子接合構造体において、前記第2ハンダの厚さが10μm以下であることも好ましい。
本発明の超電導線材と金属端子の接合方法は、超電導テープ上に、予め一方の面に第1ハンダがメッキされ、他方の面に第2ハンダがメッキされた安定化材テープを、第1ハンダを介して設け、さらに、安定化材テープ上の第2ハンダ上に第3ハンダを介して金属端子を接続する構成とした。安定化材テープ上の第2ハンダは、従来の方法のように手ハンダではなく安定化材テープ上において薄く均一にメッキされているため、第3ハンダの濡れ性が向上して、金属端子を安定して良好に接続することができる。従って、従来の方法のように手ハンダによりハンダを介して金属端子を接続する場合と比較して、良好な接合状態として接続部の電気抵抗が増加することを抑制することができる。
また、本発明の超電導線材と金属端子の接合方法は、安定化材テープと金属端子とを接合する第2ハンダ及び第3ハンダの融点が、超電導テープと安定化材テープとを接合する第1ハンダの融点よりも低くなる構成とした。これにより、金属端子のハンダ接合時の加熱により、第1ハンダが溶融して安定化材テープが超電導テープより剥離することを抑制することができる。
さらに、本発明の超電導線材と金属端子の接合方法において、第1ハンダの融点T、第2ハンダの融点T、第3ハンダの融点Tが、250℃>T>T=Tの関係を満たすような構成とした場合、第1〜第3ハンダの接合時の加熱が伝熱して超電導層が劣化し、超電導特性が低下することを抑制することができる。
本発明の超電導線材と金属端子の接合方法において、超電導テープと安定化材テープとを第1ハンダを介して重ね合わせて一対の加熱・加圧ロールにより加熱及び加圧して接合する場合、第2ハンダの厚さを10μm以下の構成とすることが好ましい。このような構成とすることにより、超電導テープと安定化材テープとを加熱・加圧ロールに通過させる際に、第1ハンダよりも融点の低い第2ハンダが溶融して流動して安定化材テープの側部や超電導テープ側へと流出することを抑制することができる。また、第2ハンダの厚さを10μm以下とすることにより、ハンダ接合部の接続抵抗の増大を抑えることもでき、かつ、超電導線材を薄型化して機械的強度の悪化を抑制することもできる。
本発明の超電導線材の金属端子接合構造体は、安定化材テープ上にメッキされた第2ハンダ上に、第3ハンダを介して金属端子を設ける構成とした。安定化材テープ上の第2ハンダは、メッキにより広く均一に形成されているため、その上に設けられる第3ハンダの濡れ性が向上し、金属端子の接続状態を安定して良好な状態とすることができる。従って、接続部の電気抵抗の増加を抑制可能な超電導線材の金属端子接合構造体とすることができる。
また、本発明の超電導線材の金属端子接合構造体において、第2ハンダの厚さを10μm以下の構成とした場合、ハンダ接合部の接続抵抗の増大を抑えることもでき、かつ、超電導線材を薄型化して機械的強度の悪化を抑制することもできる。
本発明の超電導線材の金属端子接合構造体の第1実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の本発明の超電導線材と金属端子の接合方法に使用される製造装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る超電導線材の金属端子接合構造体の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る超電導線材の金属端子接合構造の第1実施形態を示す概略斜視図である。図1に示す本実施形態の超電導線材の金属端子接合構造10は、長尺の超電導テープ1と、超電導テープ1上に設けられたハンダ付き安定化材テープ2より構成される安定化材複合超電導テープ5と、安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5の端部上に、第3ハンダ7を介して設けられた金属端子8とを備えて構成されている。
超電導テープ1は、長尺テープ状の基材11上に、中間層12、超電導層13及び保護層14がこの順に積層されて構成されている。
基材11は、通常の超電導線材の基材として使用し得るものであれば良く、長尺のプレート状又はシート状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。耐熱性の金属の中でも、合金が好ましく、ニッケル(Ni)合金又は銅(Cu)合金がより好ましい。なかでも、市販品であればハステロイ(商品名、ヘインズ社製)が好適であり、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。
基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。下限値以上とすることで強度が一層向上し、上限値以下とすることでオーバーオール臨界電流密度を一層向上させることができる。
中間層12は、超電導層13の結晶配向性を制御し、基材11中の金属元素の超電導層13への拡散を防止するものであり、また、基材11と超電導層13との物理的特性(熱膨張率や格子定数等)の差を緩和するバッファー層として機能する。中間層12の材質は、物理的特性が基材11と超電導層13との中間的な値を示す金属酸化物が好ましい。中間層12の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物が例示できる。
中間層12は、単層でも良いし、複数層でも良い。例えば、前記金属酸化物からなる層(金属酸化物層)は、結晶配向性を有していることが好ましく、複数層である場合には、最外層(最も超電導層13に近い層)が少なくとも結晶配向性を有していることが好ましい。
中間層12と基材11との間には、ベッド層が介在されていてもよい。ベッド層は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層は、必要に応じて配され、例えば、イットリア(Y)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)等から構成される。このベッド層は、例えばスパッタリング法等の成膜法により形成され、その厚さは例えば10〜200nmである。
さらに、本発明においては、基材11とベッド層との間に拡散防止層が介在された構造としても良い。拡散防止層は、基材11の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、あるいは希土類金属酸化物等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。なお、拡散防止層の結晶性は問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
このように基材11とベッド層との間に拡散防止層を介在させることにより、後述する中間層12や超電導層13等の他の層を形成する際に、必然的に加熱されたり、熱処理される結果として熱履歴を受ける場合に、基材11の構成元素の一部がベッド層を介して超電導層13側に拡散することを効果的に抑制することができる。基材11とベッド層との間に拡散防止層を介在させる場合の例としては、拡散防止層としてAl、ベッド層としてYを用いる組み合わせを例示することができる。
また中間層12は、前記金属酸化物層の上に、さらにキャップ層が積層された複数層構造でも良い。キャップ層は、超電導層13の配向性を制御する機能を有するとともに、超電導層13を構成する元素の中間層12への拡散や、超電導層13積層時に使用するガスと中間層12との反応を抑制する機能等を有するものである。また、キャップ層は前記金属酸化物層により配向性が制御される。
キャップ層は、前記金属酸化物層の表面に対してエピタキシャル成長し、その後、横方向(面方向)に粒成長(オーバーグロース)して、結晶粒が面内方向に選択成長するという過程を経て形成されたものが好ましい。このようなキャップ層は、前記金属酸化物層よりも高い面内配向度が得られる。
キャップ層の材質は、上記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等が例示できる。キャップ層の材質がCeOである場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
中間層12の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良いが、通常は、0.1〜5μmである。
中間層12が、前記金属酸化物層の上にキャップ層が積層された複数層構造である場合には、キャップ層の厚さは、通常は、0.1〜1.5μmである。
中間層12は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシストスパッタ法(以下、IBAD法と略記する)、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;熱塗布分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。特に、IBAD法で形成された前記金属酸化物層は、結晶配向性が高く、超電導層13やキャップ層の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、結晶の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる中間層12は、IBAD法における配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
超電導層13は通常知られている組成の超電導体からなるものを広く適用することができ、酸化物超電導体からなるものが好ましい。具体的には、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のものが例示できる。また、その他の酸化物超電導体、例えば、BiSrCan−1Cu4+2n+δなる組成等に代表される臨界温度の高い他の酸化物超電導体からなるものを用いても良いのは勿論である。
超電導層13は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法、化学気相成長法(CVD法)、熱塗布分解法(MOD法)等で積層でき、なかでもレーザ蒸着法が好ましい。
超電導層13の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
超電導層13上に積層されている保護層14はAgなどの良電導性かつ超電導層13と接触抵抗が低くなじみの良い金属材料からなる層として形成される。保護層14の厚さは1〜30μmとすることが好ましい。保護層14は、公知の方法で形成することができるが、中でもスパッタ法で形成することが好ましい。
超電導テープ1の保護層14上に積層されているハンダ付き安定化材テープ2は、安定化材テープ21と、安定化材テープ21の一方の面にメッキされた第1ハンダ21Aと、安定化材テープ21の他方の面にメッキされた第2ハンダ21Bとで構成されている。ハンダ付き安定化材テープ2は、超電導テープ1の保護層14上に、第1ハンダ21A、安定化材テープ21、第2ハンダ21Bの順となるよう積層されている。
安定化材テープ21は、長尺テープ状である良導電性の金属材料からなり、超電導層13が超電導状態から常電導状態に遷移しようとしたときに、保護層14とともに、超電導層13の電流が転流するバイパスとして機能する。
長尺テープ状の安定化テープ21を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、銅、黄銅(Cu−Zn合金)等の銅合金、ステンレス等の比較的安価なものを用いるのが好ましく、中でも高い導電性を有し、安価であることから銅がより好ましい。安定化テープ21の厚さは10〜300μmとすることが好ましい。下限値以上とすることにより超電導層13を安定化する一層高い効果が得られ、上限値以下とすることで超電導線材を薄型化できる。
第1ハンダ21の融点T、第2ハンダ21Bの融点T、第3ハンダ7の融点Tは、T>T、Tの関係を満たすことが好ましく、250℃>T>T=Tの関係を満たすことが好ましい。
第1ハンダ21Aは、後述する第2ハンダ21Bよりも融点Tが高いものであれば特に限定されないが、融点Tが250℃以下のハンダを用いることが好ましい。第1ハンダ21Aの融点Tが250℃以下のハンダを用いることにより、後述の超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2との複合化時に、ハンダ付けの熱により超電導層13が劣化することを抑止することができる。第1ハンダ21Aとしては、例えば、Sn−Cu系合金、Sn−Ag系合金等の無鉛ハンダが挙げられる。第1ハンダ21Aは、安定化材テープ21の一方の面にメッキ法により形成されている。第1ハンダ21Aの厚さは適宜調整可能であり、特に限定されないが、10μm以下とすることにより、線材を薄型化することができるため好ましい。
第2ハンダ21Bは、第1ハンダ21Aよりも融点Tが低いものであれば特に限定されず、例えば、Pb−Sn系合金等の共晶ハンダ、Sn−Bi系合金等の無鉛ハンダが挙げられる。第1ハンダ21Bは、安定化材テープ21の第1ハンダ21Aがメッキされた面とは反対側の面(他方の面)にメッキ法により形成されている。第2ハンダ21Bを設けることにより、超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とを一体化した安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5に、金属端子8を第3ハンダ7を介して接合する際に、超電導線材5の最上面に形成された第2ハンダ21B上に第3ハンダ7が安定して均一に濡れ広がり、第3ハンダ7の濡れ性を向上させることができ、超電導線材5と金属端子8との接続状態が良好となり、接続抵抗の増大を抑制することができる。
第2ハンダ21Bの厚さは10μm以下とすることが好ましい。第2ハンダ21Bの厚さを10μm以下とすることにより、後述する超電導線材と金属端子の接合方法において、超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とを重ね合わせて加熱・加圧ロールを通過させる際に、第1ハンダ21Aよりも融点の低い第2ハンダ21Bが溶融して流動し、安定化材テープ21の側部や超電導テープ1側へと流出することを抑制することができる。また、第2ハンダ21Bの厚さを10μm以下とすることにより、線材を薄型化できるだけでなく、ハンダ接合部の接続抵抗の増大も抑えることができる。
第3ハンダ7は、第1ハンダ21Aよりも融点Tが低いものであれば特に限定されず、第2ハンダ21Bと同様のものを用いることができる。中でも、第2ハンダ21Bと同じ組成のハンダより形成されていることにより、製造コストを抑え、簡便に製造することができるため好ましい。第3ハンダ7は手ハンダにより形成されていてもよく、金属端子8の一方の面にメッキ法により形成されていてもよい。第3ハンダ7の厚さは特に限定されないが、厚さが薄い方が、メッキ接合部の接続抵抗の増加を抑えることができるため好ましく、例えば2〜10μmとすることが好ましい。
第2ハンダ21Bの融点Tおよび第3ハンダ7の融点Tを第1ハンダ21Aの融点Tよりも低く設定することにより、安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5に金属端子8を接合する際の加熱時に、第1ハンダ21Aが溶融して安定化材テープ21が超電導テープ1から剥離することを抑止することができる。
金属端子8は、高い導電性を有する金属より形成されていることが好ましく、例えば、金、白金、銀、銅、またはこれらの金属を少なくとも1種含む合金が挙げられ、中でも銅が好ましい。金属端子3のサイズは、特に限定されず、適宜調整可能である。また、金属端子8には、金属端子8と外部励磁用電源を導通させるためのリード部(図示略)が形成されていることが好ましい。
本実施形態の超電導線材の金属端子接合構造体10は、安定化材テープ21上にメッキされた第2ハンダ21B上に、第3ハンダ7を介して金属端子8を設ける構成とした。安定化材テープ21上の第2ハンダ21Bは、メッキにより安定化材テープ21の上面全部に均一に形成されているため、その上に設けられる第3ハンダ7の濡れ性が向上し、金属端子8の接続状態を安定して良好な状態とすることができる。従って、接続部の電気抵抗の増加を抑制可能な超電導線材の金属端子接合構造体とすることができる。
また、本実施形態の超電導線材の金属端子接合構造体において、第2ハンダ21Bの厚さを10μm以下の構成とした場合、ハンダ接合部の接続抵抗の増大を抑えることもでき、かつ、超電導線材5を薄型化して機械的強度の悪化を抑制することもできる。
次に、本発明の超電導線材の金属端子接続構造体の製造方法である、本発明の超電導線材と金属端子の接合方法の一実施形態について説明する。
まず、前述した構成の超電導テープ1と、ハンダ付き安定化材テープ2を用意する。次いで、超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とを、超電導テープ1の保護層14と、ハンダ付き安定化材テープ2の第1ハンダ21Aとが接するように重ね合わせて接合する。超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2との接合には、図2に示すような構成の製造装置を用いることが好ましい。
図2は、本実施形態の超電導線材と金属端子の接合方法において、安定化材複合超電導テープの製造に使用される製造装置の一例を示す概略構成図である。
図2に示す製造装置は、超電導テープ1を送り出す送出リール9aと、ハンダ付き安定化材テープ9bを送り出す送出リール9bと、送出リール9a及び送出リール9bより送り出された超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とを加熱する予熱炉3と、予熱炉3で加熱された超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とが重ね合わせられた被複合化材6を加熱及び加圧する一対の加熱・加圧ロール4、4と、加熱・加圧ロール4、4により加熱及び加圧された安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5を巻き取る巻き取りリール(図示略)より構成されている。
超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2とを一体化させて安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5を製造するには、超電導テープ1の保護層14と、ハンダ付き安定化材テープ2の第1ハンダ21Aとが向かい合わせになる状態として、予熱炉3内に搬送し、これらのテープ1、2を第1ハンダ21Aの融点T以上に加熱し、予熱炉で加熱されて重ね合わせられた超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2である被複合化材6を、一対の加熱・加圧ロール4、4を通過させ加圧すると共に、第1ハンダ21Aの融点T以下に冷却し、加熱下で第1ハンダ21Aを凝固させ、超電導テープ1とハンダ付き安定化材テープ2を接合し、安定化材複合超電導テープ(超電導テープ)5を高速で連続生産することができる。
予熱炉3における加熱温度は、第1ハンダ21Aの融点T以上であれば特に限定されないが、加熱による超電導テープ1の超電導層13の劣化や、ハンダ付き安定化材テープ2の第2ハンダ21Bの流動損失を抑制することができるため、240〜300℃とすることが好ましい。
加熱・加圧ロール4、4における加熱温度は、第1ハンダ21Aの融点T以下であれば特に限定されないが、160〜220℃とすることが好ましい。
加熱・加圧ロール4、4の材質としては、加圧ロールとして通常使用されるものを用いることができるが、超電導テープ1の超電導層13の加圧による劣化を抑制することができるため、シリコーンゴム等の軟材質のものが好ましい。また、シリコーンゴム等の軟材質のものより加熱・加圧ロール4、4が形成されていることにより、ゴムの硬さを調整することにより、第1ハンダ21Aの凝固位置の最適化が容易となり、良好な接合界面を得ることができる。
加熱・加圧ロール4、4における加圧時の圧力は、特に限定されないが、超電導テープ1の超電導層13の劣化を防ぐことができるため、10〜200MPaとすることが好ましい。
本実施形態においては、前述の如く、安定化材テープ21にメッキされた第2ハンダ21Bの厚さを10μm以下とすることにより、被複合化材6が加熱・加圧ロール4、4を通過する際に、第1ハンダ21Aよりも融点の低い第2ハンダ21Bが溶融して流動し、安定化材テープ1の側面や、被複合化材6の周囲に流出し、第2ハンダ21Bが損失してしまうことを抑止することができる。さらに、第1ハンダ21Aの厚さを10μm以下とすることにより、超電導線材5を薄型化することができる。
加熱・加圧ロール4、4による加圧下での第1ハンダ21Aの凝固を効果的に行うためには、第1ハンダ21Aが凝固温度に下がるタイミングで、被複合化材1が加熱・加圧ロール4、4付近に来るように、温度勾配とテープ線速(搬送速度)とを調整する必要がある。図2に示す本実施形態の製造装置では、予熱炉3の出口側を嘴状に細く延ばし、加熱・加圧ロール4、4の噛み合い位置の手前20mm以内の位置で、予熱した被複合化材6が予熱炉3から出て、直ちに、加熱・加圧ロール4、4に巻き込まれる構造としている。これにより、予熱炉3内で融点T以上に加熱された第1ハンダ21Aが、加熱・加圧ロール4、4の手前で凝固しない構造となっている。また、テープ線速を上げることにより、第1ハンダ21Aの凝固位置をより下流側にすることができる。テープ線速は、50m/h以上とすることが好ましい。
また、本実施形態において安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5の製造にしようされる製造装置は、図2に示す製造装置に限定されず、加熱・加圧ロール4、4の後段に、段差ロールを設けることもできる。段差ロールを設けることにより、接合された安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5が、加熱・加圧ロール4、4上で接地した状態でテンションがかかる長さ(接地領域)を確保することができる。これにより、第1ハンダ21Aの凝固位置が、ロール4、4の噛み合い位置よりも後方になってしまった場合にも、大きな剥がれを生じることなく、被複合化材6を接合することができる。
以上により、安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5を製造することができる。
次いで、安定化材複合超電導テープ(超電導線材)5の第2ハンダ21B上に、第3ハンダ7を介して金属端子8を接合する。
超電導線材5への第3ハンダ7により金属端子8は、通常のハンダ付けにより行うことができ、手ハンダで接合してもよいし、金属端子8の接合面に第3ハンダ7を予めメッキしておき、超電導線材5の第2ハンダ21B面上へ第3ハンダ7が形成された面が接するように金属端子8を設置して加熱後に冷却して接合してもよい。
本実施形態の超電導線材と金属端子の接合方法では、超電導線材5の上面に、メッキ法により形成された第2ハンダ21Bが形成されているため、第2ハンダ21B上に第3ハンダ7を均一に濡れ広がらせることができるため、第3ハンダ7の濡れ性を向上させることができ、超電導線材5と金属端子8とのハンダ接合面が均一となり、良好な接続状態とすることができる。これにより、従来の方法のように、手ハンダで直接接合する場合と比較して、製造工程による接合状態のばらつきが起こることを抑制し、安定して均一に良好な接続状態で超電導線材5と金属端子8とを接合することができる。また、超電導線材と金属端子の接続状態を良好とすることができるため、接続抵抗の増大を抑制することができる。
さらに、本実施形態の超電導線材と金属端子の接続方法では、第2ハンダ21Bの融点Tおよび第3ハンダ7の融点Tを第1ハンダ21Aの融点Tよりも低く設定することにより、超電導線材5に金属端子8を接合する際の加熱時に、第1ハンダ21Aが溶融して安定化材テープ21が超電導テープ1から剥離することを抑止することができる。
以上、本発明の超電導線材の金属端子接続構造体、及び、超電導線材と金属端子の接合方法について説明したが、上記実施形態において、超電導線材の金属端子接続構造体の各部、超電導線材と金属端子の接合方法に使用される装置の各部の構成は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
「超電導テープの作製」
幅10mm、厚さ0.1mmのテープ状のハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)製の基板上に、イオンビームアシストスパッタ法(IBAD法)により1.2μm厚のGdZr(GZO:中間層)を形成した上に、パルスレーザー蒸着法(PLD法)により1.0μm厚のCeO(キャップ層)を成膜した。次いでCeO層上にPLD法により1.0μm厚のGdBaCu(超電導層)を形成し、さらに超電導層上にスパッタ法により10μm厚の銀層(保護層)を形成して超電導テープを作製した。
「超電導線材(安定化材複合超電導テープ)の作製」
厚さ100μm、幅10mmの銅製テープの一方の面に、第1ハンダとしてSn−Cu合金(融点235℃)を厚さ2〜4μmでメッキし、第2ハンダとしてSn−Pb−Ag合金(融点180〜190℃)を厚さ2〜4μmでメッキしたハンダ付き安定化材テープを準備した。
次に、図2に示す装置を用いて、超電導テープの銀層(保護層)上にハンダ付き安定化材テープの第1ハンダ側を接合して超電導線材を作製した。なお、超電導テープとハンダ付き安定化材テープの接合は、熱炉温度260℃とし、加熱・加圧ロールはシリコーンゴム製として、加熱温度220℃、圧力100MPaで加熱及び加圧し、線速100m/hで行った。作製後の超電導線材の第2ハンダ面を観察したところ、剥がれや損失もなく、均一な状態であった。
「超電導線材と金属端子の接合」
上記で作製した超電導線材の第2ハンダ上の端部に、幅10mm、高さ1mm、長さ50mmの銅製金属端子の一部を第3ハンダとしてSn−Pb−Ag合金(融点180〜190℃)を用い、厚さ約10μmで手ハンダにより接合した。なお、ハンダ接合部は、超電導線材の端部より幅1.0mm、長さ50mmの領域とした。
また、上記と同じ手順により、さらに3個の超電導線材と金属端子接合構造体を作製し、計4個の超電導線材と金属端子接合構造体を得た。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で超電導テープを作製し、この超電導テープの銀層(保護層)上に、幅10mmの銅製テープをSn−Cu合金(融点234℃)のハンダを介して接合することにより超電導線材を作製した。
次に、作製した超電導線材の銅製テープ上の端部に、幅10mm、高さ1mm、長さ50mmの銅製金属端子の一部を、Sn−Pb−Ag合金(融点180〜190℃)を用い、厚さ約10μmで手ハンダにより接合した。なお、ハンダ接合部は、超電導線材の端部より幅1.0mm、長さ50mmの領域とした。
また、上記と同じ手順により、さらに3個の超電導線材と金属端子接合構造体を作製し、計4個の超電導線材と金属端子接合構造体を得た。
「評価」
実施例1および比較例2で作製した超電導線材と金属端子接合構造体について、超電導線材と金属端子を機械的に力を加えることで剥離させ、ハンダ接合部(幅1.0mm×長さ50mm)の光沢の違いを顕微鏡で観察し、ハンダ接合部における接合部の面積Pと非接合部の面積Q(光沢の異なる部分)を求め、ハンダ接合部における接合面積の割合P/(P+Q)×100(%)を算出した。結果を表1に示す。なお、表1において、サンプル1〜4は、上記実施例及び比較例において、1回目〜4回目に作製した各超電導線材と金属端子接合構造体を示す。
Figure 0005422494
本発明に係る実施例1の超電導線材と金属端子の接続方法では、比較例1よりも、ハンダ接合部に広い面積で接合されており、また、製造工程によるばらつきも少なく、良好な接合状態が安定して得られることが明らかである。
(実施例2)
上記実施例1と同様にして超電導テープを複数本作製した。
次に、厚さ100μm、幅10mmの銅製テープの一方の面に、第1ハンダとしてSn−Cu合金(融点234℃)を厚さ2〜4μmでメッキし、第2ハンダとしてSn−Pb−Ag合金(融点180〜190℃)を表2記載の厚さでメッキしたサンプル1〜5のハンダ付き安定化材テープを準備した。
次に、図2に示す装置を用いて、超電導テープの銀層(保護層)上にサンプル1〜5のハンダ付き安定化材テープの第1メッキ側を接合してサンプル1〜5の超電導線材を作製した。なお、超電導テープとハンダ付き安定化材テープの接合は、予熱炉温度260℃とし、加熱・加圧ロールはシリコーンゴム製として、加熱温度220℃、圧力100MPaで加熱及び加圧し、線速100m/hで行った。
作製したサンプル1〜5の各超電導線材の第2ハンダ面を観察することにより、以下の基準で判定した。結果を表2に示す。
○:剥がれや損失もなく、均一な状態であった。
×:剥がれや損失(線材側面部へのハンダの流動)があり、不均一な状態であった。
Figure 0005422494
表2の結果より、第2ハンダの厚さを10μm以下とすることにより、加熱・加圧ロールを通過させて超電導テープとハンダ付き安定化材テープとを接合する際に、第2ハンダが溶融して流動し、当該テープ側面側へと流動するなどし、第2ハンダの形成不良が起こることを抑制できることが確認された。
さらに、上記で作製したサンプル1〜3の超電導線材の第2ハンダ上の端部に、幅10mm、高さ1mm、長さ50mmの銅製金属端子の一部を第3ハンダとしてSn−Pb−Ag合金(融点180〜190℃)を用い、厚さ約10μmで手ハンダにより接合することにより、サンプル1〜5の超電導線材と金属端子接合構造体を作製した。なお、ハンダ接合部は、超電導線材の端部より幅10mm、長さ50mmの領域とした。
次に、実施例1と同様の手法により、サンプル1〜3の超電導線材と金属端子接合構造体の接合状態を観察した。その結果、第2ハンダの厚さを10μm以下とすることにより、加熱・加圧ロールを使用して製造される安定化材複合超電導テープの安定化材テープ上面には、剥がれや損失もなく均一な状態で第2ハンダが形成された状態にあるため、第2ハンダ上に第3ハンダを介して金属端子を接合すると、第3ハンダの濡れ性が向上してハンダ接合部が良好な接合状態となることが確認された。
1…超電導テープ、2…ハンダ付き安定化材テープ、3…予熱炉、4…加熱・加圧ロール、5…安定化材複合超電導テープ(超電導線材)、6…被複合化材、7…第3ハンダ、8…金属端子、10…金属端子接合構造体、11…基材、12…中間層、13…超電導層、14…保護層、21…安定化材テープ、21A…第1ハンダ、21B…第2ハンダ。

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上に中間層を介して設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた保護層とを備える超電導テープの該保護層上に、安定化材テープを接合して安定化材複合超電導テープとし、
    該安定化材複合超電導テープ上に金属端子を接合する超電導線材と金属端子の接合方法であって、
    前記安定化材テープは、一方の面に第1ハンダがメッキされ、且つ、他方の面に第2ハンダがメッキされており、
    前記超電導テープと前記安定化材テープは前記第1ハンダを介して接合され、
    前記金属端子は、前記安定化材複合超電導テープ上に前記第2ハンダと第3ハンダとがこの順に介在されて接合されてなり、
    前記第2ハンダの融点T及び第3ハンダの融点Tが、前記第1ハンダの融点Tよりも低いことを特徴とする超電導線材と金属端子の接合方法。
  2. 前記第1ハンダの融点T、前記第2ハンダの融点T、前記第3ハンダの融点Tが、250℃>T>T=Tの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の超電導線材と金属端子の接合方法。
  3. 前記安定化材複合超電導テープは、前記超電導テープの前記保護層上に、前記安定化材テープを前記第1ハンダ側を接触させて重ね合わせ、一対の加熱・加圧ロールにより加熱及び加圧して形成され、
    前記第2ハンダの厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導線材と金属端子の接合方法。
  4. 基材と、該基材上に中間層を介して設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた保護層とを備える超電導テープと、
    該超電導テープの前記保護層上に第1ハンダを介して設けられた安定化材テープと、
    該安定化材テープ上に第2ハンダと第3ハンダとをこの順に介在させて設けられた金属端子とを備えてなり、
    前記安定化材テープは、一方の面に前記第1ハンダがメッキされ、且つ、他方の面に前記第2ハンダがメッキされており、
    前記第2ハンダの融点T及び第3ハンダの融点Tが、前記第1ハンダの融点Tよりも低いことを特徴とする超電導線材の金属端子接合構造体。
  5. 前記第1ハンダの融点T、前記第2ハンダの融点T、前記第3ハンダの融点Tが、250℃>T1>T2=T3の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の超電導線材の金属端子接合構造体。
  6. 前記第2ハンダの厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の超電導線材の金属端子接合構造体。
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