JP2017212034A - 酸化物超電導線材及びその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合材のはみ出しを抑制することが可能な酸化物超電導線材及びその製造方法を提供する。【解決手段】テープ状の基材11の表面上に、中間層12と酸化物超電導層13と保護層14とが設けられた超電導積層体15と、超電導積層体15の周囲において、少なくとも超電導積層体15の酸化物超電導層13上に積層された保護層14側と超電導積層体15の両側側面とを覆う、金属テープからなる金属安定化層19と、超電導積層体15と金属安定化層19とを接合する接合材16とを備え、金属安定化層19は、超電導積層体15と対向しない外側の面に、接合材16が付着しない非付着性金属層18を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導線材及びその製造方法に関する。
REBaCu(REは希土類元素)で表記されるRE系(Y系)酸化物超電導体を用いた超電導線材の構造として、金属テープなどの基材上に中間層を介し、酸化物超電導層を成膜した後、酸化物超電導層の上に保護層を形成した構造が採用されている。
金属安定化層で酸化物超電導体を覆う構成の酸化物超電導線材の一例として、銅等の金属テープを用いて、テープ状の基材とその上の酸化物超電導層及び保護層(超電導積層体)を、横断面でC字型に包み込むように覆った構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−11860号公報
酸化物超電導体は水分により劣化しやすいため、水分の多い環境に放置した場合、超電導特性が劣化するおそれがある。そのため、金属テープ等の金属安定化層で酸化物超電導層を覆い、SnやSn−Pb等のはんだ(接合材)を用いて金属安定化層を超電導積層体に接合する構造が望ましい。
接合不良により金属テープと超電導積層体との間に空間が空いていると、外部の水分や冷却時に使用する液体窒素(冷媒)の侵入が起こる可能性がある。そのため、あらかじめ充分な量の接合材を金属テープと超電導積層体との間に充填する必要がある。しかし、接合材の量が少しでも過剰であると、金属テープの合わせ目から過剰の接合材がはみ出して、金属テープの外周に付着するおそれがある。
長尺の超電導線材を製造する際、温度、湿度、材料の位置等がわずかに変動することで、接合材のはみ出しが不規則に生じると、超電導線材の外周に形成された凹凸が、外観不良となること、寸法公差を満たさなくなること、凹凸が周囲と接触して金属テープが損傷すること等の原因となるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接合材のはみ出しを抑制することが可能な酸化物超電導線材及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、テープ状の基材の表面上に、中間層と酸化物超電導層と保護層とが設けられた超電導積層体と、前記超電導積層体の周囲において、少なくとも前記超電導積層体の前記酸化物超電導層上に積層された前記保護層側と前記超電導積層体の両側側面とを覆う、金属テープからなる金属安定化層と、前記超電導積層体と前記金属安定化層とを接合する接合材とを備え、前記金属安定化層は、前記超電導積層体と対向しない外側の面に、前記接合材が付着しない非付着性金属層を備えることを特徴とする酸化物超電導線材を提供する。
前記非付着性金属層としては、アルミニウム又はアルミニウム合金が挙げられる。
また、本発明は、テープ状の基材の表面上に、中間層と酸化物超電導層と保護層とが設けられた超電導積層体を準備する工程と、片面に、接合材が付着しない非付着性金属層を備える金属テープを準備する工程と、前記金属テープを、前記非付着性金属層が前記超電導積層体と対向しない外側の面となり、前記超電導積層体の周囲において、少なくとも前記超電導積層体の前記酸化物超電導層上に積層された前記保護層側と前記超電導積層体の両側側面とを覆うように配置し、前記金属テープを金属安定化層として前記接合材により前記超電導積層体に接合する工程と、を有することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法を提供する。
前記接合材による接合が可能な金属テープに前記非付着性金属層を圧延加工することにより、前記非付着性金属層を備える金属テープを形成することもできる。
本発明によれば、金属テープは、超電導積層体と対向しない外側の面に、接合材が付着しない非付着性金属層を備えるので、接合材のはみ出しを抑制することができる。
本発明の酸化物超電導線材の一例を示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、本実施形態の酸化物超電導線材の一例の断面図を示す。この断面図は、酸化物超電導線材の長手方向に垂直な断面の構造を模式的に示している。酸化物超電導線材10は、超電導積層体15と、超電導積層体の周囲に設けられた金属安定化層19と、超電導積層体15と金属安定化層19とを接合する接合材16とを含む。
超電導積層体15は、テープ状の基材11と、基材11の片側の面(表面)上に、中間層12と酸化物超電導層13と保護層14がこの順に積層された構成を有する。基材11、中間層12、酸化物超電導層13、保護層14等の各層が積層される方向が厚さ方向である。幅方向は、長手方向及び厚さ方向に垂直な方向である。
基材11は、テープ状の金属基材であり、厚さ方向の両側に、それぞれ主面(表面及びこれに対向する裏面)を有する。基材11を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜500μmの範囲である。基材11の裏面、側面、またはその両方には、接合性を改善するため、Ag,Cu等の金属薄膜をスパッタ等により形成してもよい。
中間層12は、基材11と酸化物超電導層13との間に設けられる。中間層12は、多層構成でもよく、例えば基材11側から酸化物超電導層13側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。
拡散防止層は、基材11の成分の一部が拡散し、不純物として酸化物超電導層13側に混入することを抑制する機能を有する。拡散防止層の材質としては、例えば、Si、Al、GZO(GdZr)等が挙げられる。拡散防止層の厚さは、例えば10〜400nmである。
ベッド層は、基材11と酸化物超電導層13との界面における反応を低減し、ベッド層の上に形成される層の配向性を向上するために用いられる。ベッド層の材質としては、例えばY、Er、CeO、Dy、Eu、Ho、La等が挙げられる。ベッド層の厚さは、例えば10〜100nmである。
配向層は、その上のキャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、例えば、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。この配向層はIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法で形成することが好ましい。
キャップ層は、上述の配向層の表面に成膜されて、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。キャップ層の材質としては、例えば、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等が挙げられる。キャップ層の厚さは、50〜5000nmの範囲が挙げられる。
酸化物超電導層13は、酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、特に限定されないが、例えば一般式REBaCuで表される酸化物超電導体(RE123)が挙げられる。希土類元素REとしては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。酸化物超電導層13の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。酸化物超電導層13は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、パルスレーザ堆積法(PLD法)、化学気相成長法(CVD法)、有機金属塗布熱分解法(MOD法)等で積層することができる。
保護層14は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層13と保護層14の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層14の材質としては、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、金と銀との合金、その他の銀合金、銅合金、金合金などが挙げられる。保護層14は、少なくとも酸化物超電導層13の表面(厚さ方向で、基材11側に対する反対側の面)を覆っている。さらに、保護層14が、酸化物超電導層13の側面、中間層12の側面、基材11の側面、基材11の裏面から選択される領域の一部または全部を覆ってもよい。
金属安定化層19は、超電導積層体15の周囲で、基材11の表面側に積層された酸化物超電導層13上の保護層14側から幅方向に屈曲した断面形状を有する金属テープからなる。これにより、酸化物超電導層13の側面を安定に覆うことができるため、酸化物超電導線材10の耐水性を向上することができる。金属安定化層19に用いられる材料は、常電導状態への転移時に発生する過電流を転流させるバイパスのメイン部として機能する必要があるため、良導電性の金属層を含むことが好ましい。良導電性の金属として、銅(Cu)、銅合金(Cu−Zn、Cu−Ni、Cu−Al等)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等の金属が挙げられる。
金属安定化層19は、超電導積層体15と対向しない外側の面に、接合材16が付着しない非付着性金属層18を備える。また、超電導積層体15と対向する内側の面に、接合材16による接合が可能な付着性金属層17を有する。付着性金属層17が金属テープからなり、付着性金属層17を構成する金属テープの片面に、非付着性金属層18が積層されてもよい。非付着性金属層18を積層する方法としては、圧延加工、めっき、スパッタ、蒸着、溶射などの1種または2種以上の方法が挙げられる。付着性金属層17としては、銅、銅合金等が挙げられる。付着性金属層17と非付着性金属層18との厚さの比率は特に限定されず、同等でも異なってもよい。
非付着性金属層18を構成する金属(非付着性金属)としては、接合材16に対する非付着性、非付着性金属層18の導電性などを考慮して適宜選択することができる。非付着性金属の具体例としては、アルミニウム、ステンレス、ベリリウム、クロム、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステン、ジルコニウム、これらの1種又は2種以上を含む合金(アルミニウム合金等)が挙げられる。
付着性金属層17は、酸化物超電導層13上に積層された保護層14の表面を覆う表面部17aと、超電導積層体15の両側面を覆う側面部17bと、基材11の裏面を覆う裏面部17cとを含む。金属テープを幅方向に折り曲げ成形することにより、表面部17aの幅方向の両側にそれぞれ側面部17b及び裏面部17cをこの順で有することができる。裏面部17cは、基材11の裏面の幅方向の両端部を覆うように、金属テープの幅方向の両端部から構成することが好ましい。裏面部17cは、基材11の裏面上の両側端縁から幅方向の中央部に向けて延在することができる。
フォーミングの具体例として、平坦な金属テープの上に超電導積層体を配置した後、フォーミングロール等を用いて、金属テープの幅方向の両端部をそれぞれ超電導積層体の側面に向けて折り曲げ、さらに、金属テープの幅方向の両端部を基材裏面に向かって折り曲げる工程が挙げられる。フォーミングによれば、同様の断面形状が酸化物超電導線材の長手方向に連続した製品を効率よく製造することができる。
金属安定化層19の材料として準備される金属テープの幅は、超電導積層体15の外周よりも短いことが好ましい。これにより、金属テープが超電導積層体15の外周を囲むように成形したとき、金属テープの幅方向の両端部同士が重なり合わないので、金属安定化層19が超電導積層体15から浮き上がりにくくなる。
金属安定化層19は、接合材16により、超電導積層体15と接合される。例えば、表面部17aと保護層14との間に接合材16aが設けられる。また、側面部17bと超電導積層体15の側面との間に接合材16bが設けられる。また、裏面部17cと基材11の裏面との間に接合材16cが設けられる。また、裏面部17cの両端部の間(合わせ目)には接合材16dが設けられる。
接合材16dの形状は、金属安定化層19の外面から突出した形状、外面から凹んだ形状、外面と同一平面状が挙げられる。酸化物超電導線材10の外周の寸法精度を向上するには、合わせ目の凹凸を低減することが好ましい。接合材16dと付着する金属安定化層19の幅方向の端部では、少なくとも一部に付着性金属層17が露出することが好ましく、金属安定化層19の幅方向の端部に非付着性金属層18を設けなくてもよい。
接合材16(16a,16b,16c,16d)としては、例えばSn−Pb系、Pb−Sn−Sb系、Sn−Pb−Bi系、Bi−Sn系、Sn−Cu系、Sn−Pb−Cu系、Sn−Ag系などの半田、Sn、Sn合金、In、In合金、Zn、Zn合金、Ga、Ga合金などの金属が挙げられる。接合材の融点は、例えば500℃以下、さらには300℃以下が挙げられる。
超電導積層体15と金属安定化層19とを接合材16により接合する工程において、接合材16が、あらかじめ金属安定化層19の片面(付着性金属層17側の内面)に積層されていてもよい。この場合、超電導積層体15と接合するための金属安定化層19を構成する金属テープは、接合材16と付着性金属層17と非付着性金属層18とを有する積層体とすることができる。裏面部17cの両端部の間(合わせ目)に設けられる接合材16dは、接合材16が溶融して超電導積層体15と付着性金属層17との間から外側に押し出されて形成されてもよく、接合後に外部から供給されてもよい。超電導積層体15と付着性金属層17とを対向させた後で、両者の間に接合材16a,16b,16cの一部又は全部を供給することもできる。
本実施形態によれば、金属安定化層19を構成する金属テープは、超電導積層体15と対向しない外側の面に非付着性金属層18を備えるので、接合材16が非付着性金属層18側の外面に付着せず、接合材16のはみ出しを抑制することができる。
合わせ目からはみ出した余分な接合材16は、掻き取り(ヘラ、スクレーパ等)、吸い取り(真空、減圧、銅線等)などにより容易に除去することができる。
接合後に不足した接合材16dの一部又は全部を外部から供給する場合にも、接合材16dが非付着性金属層18側の外面に付着することを抑制することができる。
本実施形態により、金属安定化層19が確実に超電導積層体15に接合され、外観が良好で、寸法のばらつきが低減された酸化物超電導線材10を得ることができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
酸化物超電導線材は、外部端子を有することができる。外部端子を有する箇所では、他の箇所と異なる断面構造を有してもよい。例えば、外部端子の接続箇所では非付着金属層を省略又は部分的に除去することができる。
本実施形態の酸化物超電導線材を用いて、超電導ケーブル、超電導コイル等を作製することができる。例えば超電導コイルを作製するには、酸化物超電導線材を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状(多層巻きコイル)とした後、巻き付けた酸化物超電導線材を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させて酸化物超電導線材を固定することができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
ハステロイからなるテープ状の基材上にスパッタ法によりAlの拡散防止層と、Yのベッド層を形成した。ベッド層の上に、IBAD法によりMgOの配向層を形成した。その上にPLD法によりCeOのキャップ層を形成した。次いで、パルスレーザ蒸着法により、GdBaCuからなる酸化物超電導層を形成し、その上にスパッタ法によりAgの保護層を形成して、超電導積層体を得た。
金属安定化層として使用する金属テープは、Alが約10μm、Cuが約10μm、Snが2μmの複合金属テープである。厚さ20μm、幅8mmの銅テープを基材とし、その片面に厚さ20μmのアルミニウムテープを圧延加工により圧着して、銅とアルミニウムの2層の合計厚さを20μmとした。さらに、銅側表面に厚さ2μmのSnめっきを施して、上記の複合金属テープを得た。
幅4mmの超電導積層体に対し、上記の複合金属テープを連続的に折り曲げて成形して、超電導積層体の周囲を複合金属テープの成形体で覆った構造体を得た。その後、加熱したロールで複合金属テープの成形体を超電導積層体の外周に連続的に圧着することにより、複合金属テープのSn層を溶融させ、金属テープを超電導積層体の外周に接合して、酸化物超電導線材を作製した。
実施例1により作製した酸化物超電導線材の外観を確認したところ、金属安定化層の外周にはみ出したSnの付着は見られなかった。
(比較例1,2)
比較用の金属安定化層として、厚さ20μm、幅8mmの銅テープの片面又は両面にSnめっきを施し、複合金属テープを得た。
比較例1では、銅テープの片面にSnめっきを施した複合金属テープを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化物超電導線材を作製した。
比較例1により作製した酸化物超電導線材の外観を確認したところ、金属安定化層の外周にはみ出したSnが不規則に付着し、Cu色の部分とSn色の部分が混在し、外観不良となった。
比較例2では、銅テープの両面にSnめっきを施した複合金属テープを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化物超電導線材を作製した。
比較例2により作製した酸化物超電導線材の外観を確認したところ、金属安定化層の外周は一様にSn色であるものの、接合時に合わせ目からはみ出したSnが不規則に付着し、バリ状の凹凸が点在していた。
(幅寸法の対比)
実施例1及び比較例1,2の酸化物超電導線材の幅寸法を、長手方向に連続的に測定して、幅寸法の平均値と標準偏差を測定した。
実施例1では、幅寸法の平均値は4.1mm、標準偏差は0.02mmであった。
比較例1では、幅寸法の平均値は4.1mm、標準偏差は0.03mmであった。
比較例2では、幅寸法の平均値は4.3mm、標準偏差は0.12mmであった。
SnをCuテープの両面にめっきした金属安定化層を用いた比較例2では、Snのはみ出しと、外周にめっきされていたSnが溶融後に不規則に再凝固したことによって、幅の平均値がわずかに大きくなり、幅寸法の標準偏差(ばらつき)も大きくなった。
Cuテープの外面にAlを積層した金属安定化層を用いた実施例1では、幅の平均値と標準偏差は小さく、寸法精度の高い酸化物超電導線材が得られた。
10…酸化物超電導線材、11…基材、12…中間層、13…酸化物超電導層、14…保護層、15…超電導積層体、16…接合材、17…付着性金属層、18…非付着性金属層、19…金属安定化層。

Claims (4)

  1. テープ状の基材の表面上に、中間層と酸化物超電導層と保護層とが設けられた超電導積層体と、
    前記超電導積層体の周囲において、少なくとも前記超電導積層体の前記酸化物超電導層上に積層された前記保護層側と前記超電導積層体の両側側面とを覆う、金属テープからなる金属安定化層と、
    前記超電導積層体と前記金属安定化層とを接合する接合材とを備え、
    前記金属安定化層は、前記超電導積層体と対向しない外側の面に、前記接合材が付着しない非付着性金属層を備えることを特徴とする酸化物超電導線材。
  2. 前記非付着性金属層が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材。
  3. テープ状の基材の表面上に、中間層と酸化物超電導層と保護層とが設けられた超電導積層体を準備する工程と、
    片面に、接合材が付着しない非付着性金属層を備える金属テープを準備する工程と、
    前記金属テープを、前記非付着性金属層が前記超電導積層体と対向しない外側の面となり、前記超電導積層体の周囲において、少なくとも前記超電導積層体の前記酸化物超電導層上に積層された前記保護層側と前記超電導積層体の両側側面とを覆うように配置し、前記金属テープを金属安定化層として前記接合材により前記超電導積層体に接合する工程と、
    を有することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。
  4. 前記接合材による接合が可能な金属テープに前記非付着性金属層を圧延加工することにより、前記非付着性金属層を備える金属テープを形成することを特徴とする請求項3に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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