JP2012169237A - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の酸化物超電導線材10は、テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と銀層14とがこの順に積層されて超電導積層体5が構成され、超電導積層体5の周面が半田層7を介して超電導積層体5より幅広の金属テープ1からなるカバー部材9で覆われており、金属テープ1の幅方向両端縁1P、1Qが超電導積層体5の基材11の他方の面11A側に配置され、金属テープ1の両端縁以外の部分で超電導積層体5の幅方向の側面と銀層14の表面が覆われてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
引用文献1のようにめっき処理して銅の安定化層を形成した構造では、銅めっき部に欠陥があるとめっき欠陥部から水分が浸入して酸化物超電導層に達し、酸化物超電導層が劣化してしまう虞がある。
引用文献2のように銀の安定化層上に銅製の安定化材テープを積層して銅の安定化層を形成する技術では、銅の安定化層にめっき欠陥部が形成される問題はない。しかし、銀の安定化層の上面のみが銅の安定化層で保護される構造であるため、水分によりダメージを受けやすい酸化物超電導層の側面が外部に露呈しているため、製造工程中などに水分が浸入することにより超電導特性の低下を引き起こす虞がある。
この場合、酸化物超電導線材において、基材の他方の面(裏面)が金属テープ(カバー部材)により被覆されず露出している部分の厚さは、他の部分よりも金属テープに被覆されてない分だけ薄くなっている。そして、線材の長手方向に沿って露出部分を底面とし、金属テープの幅方向両端縁を壁部とした溝を構成する。このように、線材の長手方向に沿う溝を備える構成となるため、酸化物超電導線材を巻銅などに巻回してコイル加工し、超電導コイルとする場合に、コイル径方向に隣接する超電導積層体間に位置する溝を、液体窒素などの冷媒の流路として利用することができ、超電導コイルの冷却効率を高めることができる。
この場合、万一、溶接後にコイル加工や巻線加工、ケーブル加工など、あるいは、保管環境などにおいて酸化物超電導線材が高温環境に曝されて半田層が溶融した場合にも、金属テープの幅方向の両端縁が超電導積層体の基材の他方の面(裏面)にレーザ溶接されているため、金属テープからなるカバー部材が超電導積層体から剥離することがない。従って、酸化物超電導層への水分の浸入をより確実に抑制できる。
この場合、金属テープが良導電性の安定化材テープであるので、酸化物超電導層が超電導状態から常電導状態に遷移しようとしたときに、金属テープからなるカバー部材が銀層とともに、酸化物超電導層の電流が転流するバイパスとして機能する。そのため、酸化物超電導を安定化する効果が向上する。
また、金属テープの幅方向の両端縁が超電導積層体の基材の他方の面(裏面)側に位置するように金属テープを超電導積層体の周面側に配置する構成であるため、万一、酸化物超電導線材が高温環境に曝されて金属テープの端部の剥離が起こった場合にも、酸化物超電導層まで水分が浸入することを抑制できる酸化物超電導線材を提供できる。
この場合、第4工程において半田を溶融凝固させる際に発生するフラックスを、金属テープの端縁から外部に逃がすことができる。そのため、金属テープと超電導積層体間に残留するフラックスを減らすことができ、フラックスの残留に起因する接合不良が起こりにくい。
さらに、基材の他方の面(裏面)の露出部分を底部とし、金属テープの両端縁を壁部とする溝を備える構成の酸化物超電導線材を製造できる。そのため、この酸化物超電導線材を巻銅などに巻回してコイル加工し、超電導コイルとする場合に、コイル径方向に隣接する超電導積層体間に位置する溝を、液体窒素などの冷媒の流路として利用することができ、超電導コイルの冷却効率を高めることができる。
この場合、金属テープの幅方向の両端縁が超電導積層体の基材の他方の面(裏面)にレーザ溶接された構造の酸化物超電導線材を製造できる。そのため、万一、溶接後にコイル加工や巻線加工、ケーブル加工など、あるいは、保管環境などにおいて酸化物超電導線材が高温環境に曝されて半田層が溶融した場合にも、金属テープからなるカバー部材が超電導積層体から剥離することがないので、酸化物超電導層への水分の浸入をより確実に抑制できる酸化物超電導線材を提供できる。
この場合、金属テープが良導電性の安定化材テープであるので、酸化物超電導層が超電導状態から常電導状態に遷移しようとしたときに、金属テープからなるカバー部材が銀層とともに、酸化物超電導層の電流が転流するバイパスとして機能する。そのため、酸化物超電導を安定化する効果が向上した酸化物超電導線材を提供できる。
図1は本発明に係る酸化物超電導線材の第1実施形態を模式的に示す概略断面図であり、図2は図1に示す酸化物超電導線材に組み込まれている超電導積層体の一例構造を示す断面斜視図である。
基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。下限値以上とすることで強度が一層向上し、上限値以下とすることでオーバーオールの臨界電流密度を一層向上させることができる。
中間層12は、単層でも良いし、複数層でも良い。例えば、前記金属酸化物からなる層(金属酸化物層)は、結晶配向性を有していることが好ましく、複数層である場合には、最外層(最も酸化物超電導層13に近い層)が少なくとも結晶配向性を有していることが好ましい。
このように基材11とベッド層との間に拡散防止層を介在させることにより、中間層12を構成する他の層や酸化物超電導層13等を形成する際に、必然的に加熱されたり、熱処理される結果として熱履歴を受ける場合に、基材11の構成元素の一部がベッド層を介して酸化物超電導層13側に拡散することを効果的に抑制することができる。基材11とベッド層との間に拡散防止層を介在させる場合の例としては、拡散防止層としてAl2O3、ベッド層としてY2O3を用いる組み合わせを例示することができる。
キャップ層の材質は、上記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO2、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3、Ho2O3、Nd2O3等が例示できる。キャップ層の材質がCeO2である場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
キャップ層は、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが好ましい。
中間層12が、前記金属酸化物層の上にキャップ層が積層された複数層構造である場合には、キャップ層の厚さは、通常は、0.1〜1.5μmである。
酸化物超電導層13は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法;化学気相成長法(CVD法);塗布熱分解法(MOD法)等で積層でき、なかでもレーザ蒸着法が好ましい。
酸化物超電導層13の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導層13上に銀層14を備える構成とする理由としては、銀は良導電性かつ酸化物超電導層13と接触抵抗が低くなじみの良い点、及び、酸化物超電導層13に酸素をドープするアニール工程においてドープした酸素を酸化物超電導層13から逃避し難くする性質を有する点を挙げることができる。
本実施形態の酸化物超電導線材10において、金属テープ1が良導電性の安定化材テープよりなることが好ましい。
金属テープ1が良導電性の安定化材テープよりなる場合、酸化物超電導層13が超電導状態から常電導状態に遷移しようとしたときに、金属テープ1からなるカバー部材9が銀層14とともに、酸化物超電導層13の電流が転流するバイパスとして機能する。金属テープ1が良導電性の安定化材テープよりなることにより、酸化物超電導線材10が安定化され好ましい。
金属テープ1(カバー部材9)の厚さは特に限定されず、適宜調整可能であるが、金属テープ1が良導電性の安定化材テープより構成される場合、その厚さを10〜300μmとすることができ、後述する酸化物超電導線材10の製造方法における金属テープ1の折り曲げ時の取り扱い性を考慮すると、20〜100μmの範囲が好ましく、20〜50μmの範囲がより好ましい。
半田層7の厚さは、特に限定されず、適宜調整可能であるが、例えば、2〜20μm程度とすることができる。
また、金属テープ1からなるカバー部材9は、酸化物超電導層13がクエンチ(常電導転移)した場合に電流のバイパスとして機能して酸化物超電導線材10を安定化させる働きをするため、銅層14の表面14A上の金属テープ1が剥離し難い構造とすることが望ましい。本実施形態の酸化物超電導線材10は、金属テープ1の幅方向の両端縁1P、1Qが、超電導積層体5の両側面から回り込んで基材11の裏面11A側に達する構成であって、カバー部材9は超電導積層体5の両端を抱え込むような形であるため、万一、金属テープ1に部分的な剥離が生じた場合にも、銀層14の表面14A側の金属テープ1まで剥離しにくく、安定化の効果が高い。
図4は本発明に係る酸化物超電導線材の製造方法の一実施形態の工程を説明するための工程説明図である。
本実施形態の酸化物超電導線材の製造方法は、テープ状の基材11の一方の面上に中間層12と酸化物超電導層13と銀層14とがこの順に積層されてなる超電導積層体5と、超電導積層体5よりも幅広で、且つ片面に半田層7aが形成された金属テープ1を準備する第1工程と、超電導積層体5の銀層14上に半田層7aを介して金属テープ1を積層する第2工程と、金属テープ1を超電導積層体5の幅方向の側面に沿って折り曲げた後に超電導積層体5の基材11の他方の面(裏面)11Aに沿って折り曲げて、金属テープ1の幅方向両端縁1P、1Qを基材11の他方の面(裏面)11A側に被せてカバー部材9を形成する第3工程と、半田層を7a溶融凝固させて超電導積層体5の外周面にカバー部材9を半田層7を介して接合する第4工程と、を備える。
次に、図4(a)に示す如く金属テープ1の半田層7a上に超電導積層体5を銀層14を下にした状態で積層する(第2工程)。ここで、金属テープ1の幅は、超電導積層体5よりも幅広(幅方向の長さが長い)のものを使用し、金属テープ1の両側の端縁1P、1Qが超電導積層体5の外側に位置するように配置する。
さらに、露出部11aを底部とし、金属テープ1の両端縁1P、1Qを壁部とする溝3を備える構成の酸化物超電導線材を製造でき、この酸化物超電導線材を巻銅などに巻回してコイル加工し、超電導コイルとする場合に、図3に示す如くコイル径方向に隣接する超電導積層体5、5間に位置する溝3を、液体窒素などの冷媒の流路として利用することができ、超電導コイルの冷却効率を高めることができる。
このような構成の酸化物超電導線材10Bも、上記第1実施形態の酸化物超電導線材10と同様に、酸化物超電導層13が外部から遮蔽された構成が実現できるため、酸化物超電導層13への水分の浸入を抑え、酸化物超電導層13が水分によりダメージを受けて超電導特性が劣化することを防ぐことができる。また、本実施形態の酸化物超電導線材10は、金属テープ1の端縁1P2と1Q2の重なり部分も半田付けできる構成であるので、金属テープ1の端部がより剥がれ難くなる。
このような構成の酸化物超電導線材10Cも、上記第1実施形態の酸化物超電導線材10と同様に、酸化物超電導層13が外部から遮蔽された構成が実現できるため、酸化物超電導層13への水分の浸入を抑え、酸化物超電導層13が水分によりダメージを受けて超電導特性が劣化することを防ぐことができる。
このような構成の酸化物超電導線材10Dも、上記第1実施形態の酸化物超電導線材10と同様に、酸化物超電導層13が外部から遮蔽された構成が実現できるため、酸化物超電導層13への水分の浸入を抑え、酸化物超電導層13が水分によりダメージを受けて超電導特性が劣化することを防ぐことができる。また、金属テープ1の端縁1P4、1Q4の突合せ部分まで半田付けできるので、金属テープ1の端部がより剥がれ難くなる。
また、万一、溶接後にコイル加工や巻線加工、ケーブル加工など、あるいは、保管環境などにおいて酸化物超電導線材10Eが高温環境に曝されて半田層7が溶融するなどの現象を起こした場合であっても、金属テープ1の幅方向の両端縁1P、1Qが超電導積層体5の基材11の裏面11Aにレーザ溶接部25P、25Qにより接合されているため、金属テープ1からなるカバー部材9が超電導積層体5から剥離することがない。従って、酸化物超電導層への水分の浸入をより確実に抑制できる。さらに、酸化物超電導線材10Eは、上記第1実施形態の酸化物超電導線材10よりも、超電導積層体5とカバー部材5との接合構造が強固となるため、より高い機械強度を有する。
本実施形態の酸化物超電導線材10Eを製造するには、まず、上記第1実施形態の酸化物超電導線材10の製造方法と同様に、図4に示す製造工程の第4工程まで全て行い、超電導積層体5がカバー部材9で被覆された超電導線材を作製する。次に、得られた超電導線材のカバー部材9の両端縁である金属テープ1の幅方向の両端縁1P、1Qを基材11の裏面11Aにレーザ溶接する。
レーザ溶接時にレーザ照射される金属テープ1の両端縁11P、11Qの表面粗さRaは、10μm以上100μm以下とすることが好ましい。このような表面粗さRaとすることにより、金属テープが銅等の反射率の高い金属材料より構成される場合にも、汎用のレーザーを使用して、良好な製造速度で溶接を行うことができるため好ましい。また、金属テープにより反射されるレーザ光を低減できるので、レーザ加工機へのレーザ光の反射も低減され、レーザ加工機がレーザ光により劣化しやすくなることを抑制できる。なお、本発明において、表面粗さRaとは、算術表面粗さRa(JIS B0601−1994)を表す。
同様に、金属テープ1の端縁1Qにレーザ光Lを照射することにより、金属テープ1の端縁1Qおよびその下の基材11が局部的に溶融・凝固され、レーザ溶接されてレーザ接合部25Qが形成される。
レーザのスポット径10〜200μm程度でレーザ溶接を行うことにより、形成されるレーザ溶接部25P、25Qの幅も10〜300μm程度となる。
幅10mm、厚さ0.1mmのハステロイC276(米国ヘインズ社製商品名)製の金属基材の上に、IBAD法により1.2μm厚のGd2Zr2O7(GZO)なる組成の中間層を形成し、さらにこの中間層の上にPLD法により1.0μm厚のCeO2なる組成のキャップ層を成膜した。次に、このキャップ層の上にPLD法により1.0μm厚のGdBa2Cu3O7−xなる組成の酸化物超電導層を形成し、さらにこの酸化物超電導層の上にスパッタ法により10μm厚の銀層を形成した。得られた積層体を長手方向に沿って裁断することにより、幅5mm、長さ10m、液体窒素温度(77K)における臨界電流値Ic0=100Aの超電導積層体を作製した。
(実施例1)
片面に厚さ5μmのスズめっき(融点230℃;半田層)が形成された幅10mm、厚さ50μmの銅製テープ(金属テープ)を用い、図4(a)に示すように、金属テープである銅製テープのスズめっき上に、上記で作製した超電導積層体を銀層が下になるように積層し、加熱・加圧ロールに通過させて銀層と銅製テープをスズの半田層を介して接合した。加熱・加圧は、シリコン製ロールを用い、加熱温度240℃、加圧力10〜20MPa、線速(線材搬送速度)100m/hで行った。
次に、図4(b)に示すように銅製テープをスズめっき側を内側にして、超電導積層体の側面に沿わせて折り曲げた後、基材の裏面側に沿わせて折り曲げることにより図4(c)に示す構造の被覆体を作製した。その後この被覆体を加熱・加圧ロールに通過させることにより、スズめっきを溶融凝固させて、図1に示す構造の酸化物超電導線材を作製した。加熱・加圧は、シリコン製ロールを用い、加熱温度240℃、加圧力10〜20MPa、線速(線材搬送速度)100m/hで行った。
得られた酸化物超電導線材において、銅製テープの幅方向両端縁は基材の裏面側に位置して半田により密着していた。
片面に厚さ5μmのスズめっき(融点230℃;半田層)が形成された幅13mm、厚さ50μmの銅製テープ(金属テープ)を用い、図4(a)に示すように、金属テープである銅製テープのスズめっき上に、上記で作製した超電導積層体を銀層が下になるように積層し、加熱・加圧ロールに通過させて銀層と銅製テープをスズの半田層を介して接合した。加熱・加圧は、シリコン製ロールを用い、加熱温度240℃、加圧力10〜20MPa、線速(線材搬送速度)100m/hで行った。
次に、図4(b)に示すように銅製テープをスズめっき側を内側にして、超電導積層体の側面に沿わせて折り曲げた後、基材の裏面側に沿わせて折り曲げて銅製テープの一方の端縁と他方の端縁を約1mm重ね合わせて被覆体を作製した。その後この被覆体を加熱・加圧ロールに通過させることにより、スズめっきを溶融凝固させて、図5に示す構造の酸化物超電導線材を作製した。加熱・加圧は、シリコン製ロールを用い、加熱温度240℃、加圧力10〜20MPa、線速(線材搬送速度)100m/hで行った。
上記で作製した超電導積層体を硫酸銅水溶液のめっき浴に浸漬させて、電気めっきにより超電導積層体の外周に厚さ20μmの銅のめっき層を形成することにより、酸化物超電導線材を作製した。
上記で作成した超電導積層体の銀層の上に厚さ100μm、幅5mmの銅製テープを実施例1と同じスズめっきを用いて半田付けして貼り合わせることにより、酸化物超電導線材を作製した。
実施例1と同様にして、超電導積層体を金属テープである銅製テープで被覆し、図1及び図4(c)に示す構成の超電導線材を作製した。次に、図9(a)に示すように、金属テープ(銅製テープ)の幅方向の両端縁を、表面に凹凸加工された加圧ローラーにより圧力10〜20MPaで加圧しながら、長手方向に回転走行させて、金属テープ(銅製テープ)の両端縁の表面粗さRaを50μmに加工した。次に、図9(b)に示すように、金属テープ(銅製テープ)の幅方向の両端縁について、夫々、金属テープの端部から20μmの位置にレーザを照射してレーザ溶接することにより、金属テープの両端縁と基材の裏面とを接合して、図8及び図9(c)に示す構造の酸化物超電導線材を作製した。形成されたレーザ溶接部は、幅80μmであり、基材の約半分の深さまで達していた。なお、レーザ溶接は次の条件で行った。
使用レーザ:ファイバーレーザ(波長1065nm、出力300W)、スポット径:50μm、溶接速度:30m/分、アシストガスとして窒素ガスを溶接部に吹きつけながら溶接を行った。
Claims (8)
- テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と銀層とがこの順に積層されて超電導積層体が構成され、該超電導積層体の周面が半田層を介して該超電導積層体より幅広の金属テープからなるカバー部材で覆われており、前記金属テープの幅方向両端縁が前記超電導積層体の前記基材の他方の面側に配置され、該金属テープの両端縁以外の部分で前記超電導積層体の幅方向の側面と前記銀層の表面が覆われてなることを特徴とする酸化物超電導線材。
- 前記超電導積層体の前記基材の他方の面の一部が前記金属テープに覆われず露出するように、前記金属テープの幅方向両端縁を前記基材の他方の面側に離間して配置させてなることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材。
- 前記基材の他方の面側に配置された金属テープの一部と、前記基材の他方の面の一部とが、レーザ溶接部により接合されてなることを特徴とする請求項2に記載の酸化物超電導線材。
- 前記金属テープが、良導電性の安定化材テープであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材。
- テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と銀層とがこの順に積層されてなる超電導積層体と、該超電導積層体よりも幅広で、且つ片面に半田層が形成された金属テープを準備する第1工程と、
前記超電導積層体の前記銀層上に前記半田層を介して前記金属テープを積層する第2工程と、
前記金属テープを前記超電導積層体の幅方向の側面に沿って折り曲げた後に該超電導積層体の前記基材の他方の面に沿って折り曲げて、該金属テープの幅方向両端縁を前記基材の他方の面側に配置してカバー部材を形成する第3工程と、
前記半田層を溶融凝固させて、前記超電導積層体の外周面に前記カバー部材を前記半田層を介して接合する第4工程と、を備えることを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。 - 前記第3工程において、前記基材の他方の面の一部が前記金属テープに覆われず露出するように、前記金属テープの幅方向両端縁を前記超電導積層体の前記基材の他方の面側に離間して配置することを特徴とする請求項5に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
- 前記第4工程後に、前記基材の他方の面側に配置された金属テープの一部と、前記基材の他方の面の一部とを、レーザ溶接することを特徴とする請求項6に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
- 前記金属テープが、良導電性の安定化材テープであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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