JP5421321B2 - 玄米炊飯用天然調味液ならびにその粕を用いての液体肥料および発酵肥料製造法。 - Google Patents

玄米炊飯用天然調味液ならびにその粕を用いての液体肥料および発酵肥料製造法。 Download PDF

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Description

この発明は、玄米を炊飯する時に用い、玄米を柔らかく美味しく炊き上げ、栄養分を付加する天然調味液と、その粕を用いての液体肥料および発酵肥料を製造することに関する。
従来の炊飯は白米炊飯が主流で、ごく一部の人が玄米炊飯を行っているのが現状である。玄米炊飯をする人は、一晩水につけたり、その後ヨーグルトと藻塩を入れて炊飯したり、美味しい食べやすい玄米を炊き上げる炊飯器を用いている。また、調味液製造後の粕は廃棄物として処分されることも多く、有効に再利用されることが少ない。
特開2005−220004号公報
しかしながら、以上の技術によれば、まだまだ玄米食は食べにくく、重量換算で約10%の米ぬかを取り除き、白米に精米して食されている。そこで、この発明は、玄米炊飯時に玄米1合につき5cc加え、水量を玄米1合あたり80cc〜100cc多く入れることにより、従来のように給水時間を取らずすぐに炊飯しても、玄米を柔らかく美味しく炊き上げ、多くの人が玄米を常食できるようにし、玄米のもっている栄養に加えて天然調味液の栄養分を付加し、より豊かな食生活とする玄米の主食としての実用性を高める。さらに、予想されている食糧難を克服する一つの方法として、玄米のもつ栄養分を効率よく赤ちゃんからお年寄りまで人体に有効に消化吸収できるようにしていく、玄米炊飯用天然調味液を提供し、さらにその粕で液体肥料および発酵肥料を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するためにこの第一発明は、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と貝殻粉末とを布・不織布・網のいずれかで袋詰めし、食酢に沈め、抽出することを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液である。また、第二発明は、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と、貝殻粉末・甲殻細粒・魚骨細粒のいずれかもしくは複数とを布・不織布・網のいずれかで袋詰めし、ビニール袋で密封し、製品化することを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液製造剤である。
また、第三発明は、製造タンクに使用する食酢全量の約30%を入れ込み、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れ混ぜ合わせ、その後徐々に残りの約70%の食酢を加えながら攪拌した後、液体成分と粕を分離し、その液体成分を調味液とすることを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液である。
また、第四発明は、製造タンクに使用する食酢全量を入れ、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れよく混ぜ合わせ、その液体成分と固体成分(粕)を分離することなくペースト状態の液体を調味液とすることを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液である。
また、第五発明は、請求項3に記載の玄米炊飯用天然調味液の粕をカニ殻細粒・魚肥・動物性肥料のいずれかもしくは複数と混ぜ合わせ自然発酵させた後、その混合物を食酢・木酢・竹酢・水のいずれかもしくは複数に浸して溶液を抽出したものを液体肥料とし、かつ、その液体肥料の粕に新たにカニ殻細粒・魚肥・動物性肥料のいずれかもしくは複数を加え混ぜ合わせたものを発酵肥料として用いることを特徴とする液体肥料・発酵肥料製造法である。
第一発明によれば、布・不織布・網のいずれかに多量のガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と貝殻粉末を入れることができ、製造タンク内の食酢に沈めた後に急激な反応がおさまった時点で、布袋を縛っていた帯をほどき布袋の口を開け、攪拌棒を入れて攪拌させることができる。迅速に大量の調味液が製造でき、調味液をろ過する手間が最小限に抑えられる。
第二発明によれば、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と、貝殻粉末・甲殻細粒・魚骨細粒のいずれかもしくは複数とを布・不織布・網のいずれかで袋詰めし、ビニール袋で密封し、製品化することで、内容物が変質しにくく遠方への輸送や長期の保存にも耐えられ、使いたい時にビニール袋を開封し、使いたい分量を用い使用者の好みの食酢で漬け込み、調味液を製造することができる玄米炊飯用天然調味液製造剤となる。
第三発明によれば、最初に製造タンクに使用する食酢全量の約30%を入れ込み、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い酸性の溶液をつくることにより、アルカリ性の貝殻粉末の溶解も効率的に進み、粘性が高いので泡や気泡の発生も少なめに抑えられ、製造タンクの容量も最小限で済み、その後徐々に残りの約70%の食酢を加えながら攪拌するので、調味液と粕とをろ過する手間はかかるが、一番安定して短時間に高品質の玄米炊飯用天然調味液を製造することができる。
さらにこの第三発明では、特に液体成分と固体成分(粕)とを分離しないですべて含めて製品化し、使用者が玄米炊飯の際にこれが入った瓶を数回シェイクして液体成分と固体成分(粕)を混ぜ合わせて使用することでも、第一発明から第三発明までの方法で製造できる玄米炊飯用天然調味液と同様の効果を有する。
第四発明によれば、製造タンクに使用する食酢全量を入れ、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れよく混ぜ合わせ、その液体成分と固体成分(粕)を分離することなくペースト状態の液体をそのまま玄米炊飯用天然調味液とすることで、液体成分と固体成分(粕)とを分離する時間と労力の節約ができ、すばやく大量生産し、使用者に食酢と貝殻粉末とガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数の栄養成分を余すところなく供給できる。ペースト状になっているので、チューブに入れたりマヨネーズ瓶に入れたりして用いると使用者が使いやすく、シェイクする手間がいらない。
この第一発明、第二発明、第三発明により製造された玄米炊飯用天然調味液および第四発明により製造されたペースト状態の玄米炊飯用天然調味液は、その調味液の中に多量に貝殻粉末から抽出されたカルシウムやミネラル分が溶け込んでいるので比重が20lで22Kgを上回るほどに重い。これらの発明では、貝殻粉末のもっている炭酸を放出させカルシウムやミネラル分を液体に溶け込ませているので、炊き上げるときの加熱により、カルシウムやミネラル分・かたい殻を構成するコンキオリン等の貝の特殊成分が遠赤外線作用を玄米にまんべんなく伝え、ガーリックパウダーの手の皮膜などを破壊させていく作用や食酢の浸透力と連動しながら、玄米の種皮を破り、ぬかに多く含まれる食物繊維が水を吸い、胚芽や胚乳での水の吸収も高め、ぬか・胚芽・胚乳という玄米の主要成分全てを柔らかく炊き上げる。炊きあがった玄米を食用油で高温でいためると、より遠赤外線作用が強まり、さらに柔らかく食べやすくなる。また、インスタントコーヒーを玄米炊飯用天然調味液の中に原材料として加えることにより、炊飯時や炊きあがった後の玄米食のガーリックのにおいを大幅に軽減させ、玄米のもつ本来の甘みとうま味を引き立たせる。
したがって、この玄米炊飯用天然調味液は、玄米炊飯時に玄米1合につき5cc加えることと、玄米1合につき水80cc〜100cc多く入れることで、すぐに吸水時間を取らずに炊飯しても、玄米を柔らかく美味しく炊き上げ、多くの人が玄米を常食できるようにし、玄米のもっている栄養に加えて天然調味液の栄養分を付加し、より豊かな食生活とする玄米の主食としての実用性を高める。さらに、この玄米炊飯用天然調味液は、将来予想されている食糧難を克服する一つの方法として、玄米のもつ栄養分を効率よく人体に有効に消化吸収できるようにしていくと同時に、有毒物質から放射性物質まで体外に排出させる働きをもつフィチン酸が特に玄米に多く含まれているため、多くの人たちに無理なく美味しく玄米を食べてもらうことで、フィチン酸の働きをさらに活用していくことができるようになる。
第五発明によれば、本発明の玄米炊飯用天然調味液の粕をほかの有機物と混ぜ合わせ自然発酵させることにより、粕のもっているミネラル分や有機酸、ガーリックパウダーの花や実をつける受精力を強める栄養成分やインスタントコーヒーの微生物の働きを活性化させる栄養素も加わり、有機物の分解も進み、栄養価の高い受精力の維持に役立つ非常に即効性のある液体肥料が製造できる。その液体肥料は、植物体が芽を伸ばしたい時にかけると、その芽の生長を助け、花をつけたい時にかけると、その花の受精力を高め、作物の生育ステージに応じて迅速に効果を発揮する。ミネラル分や微量要素が豊富な液体肥料であるが、肥料成分(窒素・りん酸・加里)は抽出されにくいので、液体肥料抽出後の粕は、もう一度他の有機物と混ぜ合わせ、発酵肥料を製造すると、粕を混ぜたといえども肥料成分(窒素・りん酸・加里)の高い速効性もある良い発酵肥料が製造できる。
この発明の一実施形態を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の一実施形態を示す平面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。
この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 この発明の製造過程を示す断面図である。 従来技術を示す断面図である。
この発明の一実施形態を、図1に示す。
この玄米炊飯用天然調味液を製造する方法はおおまかに分類すると次の3通りあるが、第一発明の方法は、図2から図4のとおりである。10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)30Kgと11(ガーリックパウダー)15Kgと12(インスタントコーヒー)1Kgをよく混ぜ合わせたものを7(布袋)に入れ込み、袋の口を13(帯)で縛り、さらに、14(吊り上げ滑車と布袋の接続部)と16(吊り上げ滑車)とを接続し、7(布袋)を吊り上げる。次に8(製造タンク)に9(食酢)90lをすべて入れ込み、図2のように、7(布袋)を8(製造タンク)の中の9(食酢)に浸していく。こうすると、アルカリ性物質である10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)と酸性物質である11(ガーリックパウダー)・12(インスタントコーヒー)・9(食酢)が酸アルカリの化学反応を起こし、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)に含まれる炭酸カルシウムが分解されて、炭酸の泡が多量に気散する。急激な反応がおさまった後、13(帯)をほどいて7(布袋)の口を開け図3のように17(攪拌棒)で7(布袋)の中の混合物を混ぜ合わせ、化学反応の円滑な促進を助ける。
すっかり7(布袋)を漬け込み、酸アルカリの化学反応が完全に鎮静化した後に、図4のように、7(布袋)を引き上げて1(玄米炊飯用天然調味液)をできるだけ出しきる。ここでできた1(玄米炊飯用天然調味液)を図1のように、2(玄米)を炊飯するときに用いる。2(玄米)を軽く水洗いした後、炊飯時に必要な4(水)、これは各炊飯器メーカーの玄米コースで定められた水量とさらに玄米1合につき80cc〜100cc増した水を入れ、図1のように2(玄米)1合につきこの1(玄米炊飯用天然調味液)5ccを加えてすぐに炊飯を開始する。
玄米炊飯用天然調味液を製造する第二発明の方法は、図5から図7のとおりである。不織布の袋に10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)660gと11(ガーリックパウダー)330gと12(インスタントコーヒー)22gの良く混ぜ合わせた混合物を全量入れる。20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)は、図5のように22(ビニール袋)に入れ密封する。こうすると、長時間経過した後でも内容物が変質しにくく、遠方への輸送にも適する。この20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)は、各家庭・各現場など必要とされる場所において22(ビニール袋)から取り出し、24(ガラス容器)に入れて使用してもらう。
24(ガラス容器)に20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)を入れた後、各人がお好みの9(食酢)2lを徐々に図6のように入れ込んでゆく。20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)と9(食酢)が触れ合うと、とたんに10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)のアルカリ性と11(ガーリックパウダー)・12(インスタントコーヒー)・9(食酢)の酸性が酸アルカリの化学反応を起こし、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)に多量に含まれる炭酸カルシウムから炭酸が抜けて、不織布の袋から炭酸の気泡が出てくるので、24(ガラス容器)の蓋は完全に閉めず、空気の出入り口を多少確保しておく。20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)は、最初の化学反応が激しいうちは9(食酢)に浮いているが、化学反応が鎮静化してくるにつれて徐々に9(食酢)の中に沈んでゆく。
20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)を9(食酢)に浸けこんでから5日から一週間すると、図7のように24(ガラス容器)の底に19(沈殿物)がたまり、この20(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋)も9(食酢)の中にほぼ沈む。24(ガラス容器)の底の19(沈殿物)を入れないようにろ過して、その溶液だけを別の容器に移してもらうと、この発明の1(玄米炊飯用天然調味液)の出来上がりである。この後は図1で示される第一発明の方法と同様に、1(玄米炊飯用天然調味液)を玄米一合につき5cc加え、さらに玄米1合につき水を80cc〜100cc加え入れて炊飯すると、柔らかく美味しい玄米が炊きあがる。
玄米炊飯用天然調味液を製造する第三発明の方法は、図8から図13のとおりである。図8のように、8(製造タンク)に9(食酢)30lを入れ、その後すぐに11(ガーリックパウダー)15Kgと12(インスタントコーヒー)1Kgを入れ、よく攪拌する。その後、図9のように10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)30Kgを8(製造タンク)内に入れ、もう一度よく混ぜ合わせる。こうすると、アルカリ性である10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)と酸性である11(ガーリックパウダー)・12(インスタントコーヒー)・9(食酢)が酸アルカリの化学反応を起こし、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)に多量に含まれる炭酸カルシウムが軟化・分解され、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)から炭酸が抜けて、図10のように27(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢を混ぜ合わせた時にでる混合物の泡)が急激に発生し溶液が膨張する。ただ、この第三発明の製造方法の場合には、あらかじめよく攪拌しているのでこの化学反応は急激で激しいが、鎮静化も早い。
この後も、9(食酢)は20lずつ3回に分けてこの8(製造タンク)内に入れるが、前の化学反応が静まり急激な泡立ちがおさまったら、9(食酢)を注ぎ、よく攪拌することを繰り返す。図11のように合計90lの9(食酢)を全量注ぎ入れ攪拌した後、約12時間そのまま放置すると、図12のように液体成分・1(玄米炊飯用天然調味液)と固体成分・18(玄米炊飯用天然調味液をつくった後の天然調味液を含む粕)が8(製造タンク)の中で分離される。図13のようにこの8(製造タンク)を斜めに傾けて、底のどろどろした固体成分・18(玄米炊飯用天然調味液をつくった後の天然調味液を含む粕)が入らないように上澄みの液体成分・1(玄米炊飯用天然調味液)のみを簡易にろ過して1(玄米炊飯用天然調味液)として使用する。さらに、底のどろどろした固体成分・18(玄米炊飯用天然調味液をつくった後の天然調味液を含む粕)もしっかりろ過してなるべく1(玄米炊飯用天然調味液)として使用する。
このようにして製造した1(玄米炊飯用天然調味液)を、図1のように、3(炊飯器)に軽く水洗いした2(玄米)と炊飯時に必要な4(水)、すなわち各炊飯器メーカーの玄米コースで定められた水量とさらに玄米1合につき80cc〜100cc増した水を入れた後、2(玄米)1合につき1(玄米炊飯用天然調味液)5ccを計りいれ、直ちにスタートボタンを押して炊飯を始める。
玄米炊飯用天然調味液を製造する第四発明の方法は、図8から図10のとおりである。図8のように、8(製造タンク)に9(食酢)28lを入れ、その後すぐに11(ガーリックパウダー)15Kgと12(インスタントコーヒー)1Kgを入れ、よく攪拌する。その後、図9のように10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)20Kgを8(製造タンク)内に入れ、もう一度よく混ぜ合わせる。こうすると、アルカリ性である10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)と酸性である11(ガーリックパウダー)・12(インスタントコーヒー)・9(食酢)が酸アルカリの化学反応を起こし、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)に多量に含まれる炭酸カルシウムが軟化・分解され、10(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末)から炭酸が抜けて、図10のように27(カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢を混ぜ合わせた時にでる混合物の泡)が急激に発生し溶液が膨張する。しかし、9(食酢)の液量が少ないので、この化学反応は急激で激しいが、泡立ちは少ない。
第四発明では、第三発明の製造工程の途中で作業を終了し、液体成分・1(玄米炊飯用天然調味液)と固体成分・18(玄米炊飯用天然調味液をつくった後の天然調味液を含む粕)を分離しないでそれらが均一に含まれるように1(玄米炊飯用天然調味液)として製品化する。その1(玄米炊飯用天然調味液)は、茶褐色のどろっとしたペースト状態の液体で、第一発明から第三発明までの1(玄米炊飯用天然調味液)が、黒っぽい澄んだ琥珀色のサラサラとした液体であるのと比べると、ずいぶん見た目が異なる。
このようにして製造した1(玄米炊飯用天然調味液)を、図1のように、3(炊飯器)に軽く水洗いした2(玄米)と炊飯時に必要な4(水)、すなわち各炊飯器メーカーの玄米コースで定められた水量とさらに玄米1合につき80cc〜100cc増し加えた水を入れた後、第一発明から第三発明の1(玄米炊飯用天然調味液)と同じ2(玄米)1合につき5ccを計りいれ、つけ置きをしないですぐにスタートボタンを押して炊飯を始める。
なお、第一発明から第四発明までの方法で製造した玄米炊飯用天然調味液を用いての炊飯の詳細は以下のとおりである。▲1▼軽く水洗いした玄米を、吸水時間をおかずそのまま炊飯器に移す。その後、玄米モードのある炊飯器ならば、玄米モードの水量まで通常と同量の水を入れる。▲2▼さらに、玄米1合につき80cc〜100ccの水を炊飯器の中に加え入れる。(玄米モードのない炊飯器や圧力鍋など他の炊飯器具の場合には、炊飯に必要な水の量は玄米1合につき310cc〜330ccが目安である。)▲3▼次に、牛乳(低脂肪乳や加工乳より普通牛乳がよい)又は50%以上の果汁の入ったぶどうジュースを玄米1合につき5cc〜10cc入れる。ここで牛乳又はぶどうジュースを入れるのは、原材料で使用しているガーリックパウダーのにおいを抑えるためである。(炊飯時や炊けた玄米ごはんでのガーリックパウダーのにおいが気にならない場合には、使用しなくてもよい。また、原材料の重量比率で1%以上インスタントコーヒーを使い製造した玄米炊飯用天然調味液には、牛乳又はぶどうジュースを添加しなくてもガーリックパウダーのにおいは気にならない程度になる。加えて、第四発明の玄米炊飯用天然調味液では、炊飯時や炊けた玄米ごはんには、ガーリックパウダーのにおいは感じ取れない。)▲4▼ここで、本発明の玄米炊飯用天然調味液を、玄米1合につき5cc炊飯器の中に入れる。そして、炊飯器の中の牛乳又はぶどうジュースや玄米炊飯用天然調味液が入っている水は、かき混ぜずに、そのまま放置することもなく、すぐスイッチを押して炊飯を開始する。(第四発明で製造される玄米炊飯用天然調味液や第一発明から第三発明までの製造過程で出された玄米炊飯用天然調味液の粕を使用する場合には、成分が均一に炊飯器内の水に混じるように、ある程度かき混ぜるほうがよい。)
玄米炊飯用天然調味液を用いての▲1▼〜▲4▼までの炊飯過程で特に必要な事柄は、▲2▼の炊飯で使用する水の量を増やすことと、▲4▼の玄米炊飯用天然調味液を入れた後にかき混ぜずにすぐ炊飯することである。▲2▼の過程で水を増やさずに玄米炊飯用天然調味液だけを添加して炊飯すると、炊飯器のふたを開けた時に通常出る湯気も出ないほど水分不足になって、炊けた玄米ごはんもかたく、ガーリックライスのようににんにく臭と苦みがある玄米ごはんになってしまう。また、▲4▼の過程で炊飯器の中の牛乳又はぶどうジュースや玄米炊飯用天然調味液を入れた水をかき混ぜてしまうと、玄米炊飯用天然調味液内のカルシウムやミネラル分・かたい殻を構成するコンキオリン等の貝の特殊成分が炊飯器の底に沈んでしまい、玄米を柔らかく炊き上げる効果を半減させてしまう。加えて、牛乳又はぶどうジュースや玄米炊飯用天然調味液を加えたままで時間をおくと、炊飯器内の水分が変質して、柔らかく美味しく玄米ごはんを炊く作用が失われるだけでなく、食中毒の原因になる可能性もある。そこで、▲1▼〜▲4▼までの手順をきちんと守り、玄米を炊飯する必要がある。
さて、ここまで、第一発明から第三発明の方法で玄米炊飯用天然調味液を製造した後には、第一発明の方法では7(布袋)内や8(製造タンク)内、第二発明の方法では不織布の袋の中や24(ガラス容器)内、第三発明の方法では8(製造タンク)内にそれぞれ19(沈殿物)やどろどろとした固体成分・18(玄米炊飯用天然調味液をつくった後の天然調味液を含む粕)として「粕」が残る。これらのクリーム色をした水分を含んだ固形物は、「粕」ではあるが、第一発明から第三発明で得られた液体成分の1(玄米炊飯用天然調味液)や第四発明で製造した黒っぽい茶褐色のどろっとしたペースト状態の1(玄米炊飯用天然調味液)のように、玄米炊飯時に玄米1合につき水を80cc〜100cc増やした後、玄米1合につき5cc添加することで、玄米を柔らかくする効果を持っている。ただ、その効果は、上記の1(玄米炊飯用天然調味液)よりは劣り、玄米ごはんの食感にザラザラ感が残る。炊く時や炊きあがった玄米ごはんにはガーリックパウダーのにおいはほとんど感じない程度になるが、貝殻粉末のにおいが強調されて出てくる。これらの難点は存在するが、この「粕」に液体成分に抽出しきれなかった貝殻粉末のカルシウムやミネラルなどの栄養素が多く含まれていることは明らかで、それらを効率的に食用として活用するのであれば、「粕」もまた1(玄米炊飯用天然調味液)といえる。
第五発明では、この「粕」を農業用資材を製造することに用いる。すなわち、粕を集めてさらにろ過して、1(玄米炊飯用天然調味液)である液体成分をできるだけ抽出した後の粕を用いて、液体肥料ならびに発酵肥料を製造するのである。この製造過程は以下のようである。
玄米炊飯用天然調味液を搾りとった粕20Kgに対し、31(カニ殻細粒)20Kgと32(魚骨細粒)10Kgを加え、よく攪拌し、混合物を作る。この混合物を34(コンクリートの床)の上に直に堆積させていく。すべての搾り粕を31(カニ殻細粒)や32(魚骨細粒)と混ぜ合わせて、混合物の大きな山を作る。それを一週間ほど放置しておくと、冬季でも60℃〜70℃の自然発酵の発熱が起こり、図14のように33(堆積物から出る発酵熱の湯気)が出だし、この33(堆積物から出る発酵熱の湯気)がでる状態が一週間から10日続く。このように、長期間自然発酵することで、31(カニ殻細粒)や32(魚骨細粒)等の比較的硬い有機物の軟化分解も進む。
33(堆積物から出る発酵熱の湯気)がほぼおさまった時点で、図15のように8(製造タンク)の中に35(玄米炊飯用天然調味液をつくった後のしぼり粕とカニ殻細粒と魚骨細粒を混ぜ合わせて自然発酵させた後の堆積物)100Kgを入れ、36(竹酢)140lを徐々に加え、その都度よく攪拌する。有機酸で36(竹酢)のように酸度の高い液体を入れて攪拌すると、より炭酸の気泡が出やすく、35(玄米炊飯用天然調味液をつくった後のしぼり粕とカニ殻細粒と魚骨細粒を混ぜ合わせて自然発酵させた後の堆積物)の分解もより進む。この35(玄米炊飯用天然調味液をつくった後のしぼり粕とカニ殻細粒と魚骨細粒を混ぜ合わせて自然発酵させた後の堆積物)はもう十分発酵させてあるため、漬け込む時間は2〜3日でも、十分に液体肥料として良品を作ることが可能な製造方法である。
この後、8(製造タンク)内にある液体成分(液体肥料)と固体成分(液体肥料を抽出した後の粕)をろ過・分離して、液体成分は液体肥料として製品化し、固体成分(液体肥料を抽出した後の粕)はさらに発酵肥料を作るための材料として用いる。
その液体肥料を抽出した後の粕100Kgに対し、新たに31(カニ殻細粒)150Kgを加え混ぜ合わせたものを、発酵肥料として製品化する。
実施形態の効果
この実施形態によれば、この玄米炊飯用天然調味液を製造する方法は大まかに4通りであるが、いずれの方法においてもその製造方法には長所・短所が存在する。
第一発明の、吊り上げ滑車で布袋を吊り上げて食酢の入ったタンクに布袋を浸していく図2から図4の方法は、大量生産が可能であったり、後から粕をろ過する必要はあまりないという長所を持つ半面、布袋の開口部を開けたり閉めたりして(閉める場合は内容物の噴出を防ぐために行う)調節しつつ攪拌棒で攪拌しながら玄米炊飯用天然調味液の製造を行うことが、手間である。
次に、第二発明の、不織布にカキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリック−パウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れビニール袋に密封し、使いたい時にそのビニール袋からカキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋を取り出して食酢に浸ける図5から図7の方法は、次のような長所がある。一つには、カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋を入手した人が、世界中のどこにいても好みの食酢と容器を用意するだけで手軽に簡単に玄米を柔らかく美味しく食べるための玄米炊飯用天然調味液をつくりだすことができる点。二つには、その玄米炊飯用天然調味液の製造量の多い少ないの調節や使用する食酢の選択が使用者の自由裁量でできる点。三つには、カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋は、ティーパックのように持ち運びが容易で、ビニール袋の中に密封状態であれば長期間の保存にも耐えうるので、携帯用として有効である点である。
短所としては、不織布の袋を用いるため、あまり内容物の重量が重すぎると袋が破損して中のカキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリック−パウダーとインスタントコーヒーの混合物が飛び出してしまう点、また、不織布内の内容物が沢山であると食酢がしみ込むまでに時間がかかる点である。この打開策としては、大量に玄米炊飯用天然調味液を製造したい場合には、この比較的少量の内容物が入った第二発明の不織布の袋を複数個使用して製造されることをお勧めする。
図8から図13に示されている第三発明の方法、すなわち製造タンクに使用する食酢の約30%を入れ、ガーリックパウダーとインスタントコーヒーを溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中にカキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末を入れ混ぜ合わせ、その後3回に分けて残りの約70%の食酢を加えながら攪拌した後、液体成分と粕を分離し、その液体成分を玄米炊飯用天然調味液とする方法については、以下のような長所と短所がある。
長所の一つ目は、短時間で効率よく確実に各素材の栄養分を液体に移行させることができる点である。二つ目は、抽出し終わった粕が液体肥料や発酵肥料に加工するのに十分な量をその場で確保できる点である。短所としては、一つ目に、よく攪拌する手間がかかる点、二つ目に、液体成分(玄米炊飯用天然調味液)と粕を分離・ろ過するのに時間や手間がかかる点があげられる。
しかし、この玄米炊飯用天然調味液製造に必要な原材料をすべて一度に混ぜ合わせると莫大な量の炭酸の気泡が発生して、中の溶液が急激に膨張するので、内容物が吹きこぼれないためには巨大なタンク等の設備が必要となってしまう。そこで、食酢を数回にわけて注ぎ入れることや酸アルカリの化学反応を促進するために攪拌棒で攪拌することは、無駄な経費をかけないですむ点で必要不可欠な作業といえる。
そこで、液体成分(玄米炊飯用天然調味液)と粕を分離・ろ過するのに必要な時間や手間を省き、すべての成分を均一に混ぜ合わせて製品化することによって、第三発明の短所を克服することが出来る。この場合、使用者が玄米炊飯の際にこの玄米炊飯用天然調味液が入った瓶を数回シェイクして液体成分と固体成分(粕)を混ぜ合わせて使用することが必要となる。この長所としては、上澄みの液体成分には抽出しきれなかった貝殻粉末のカルシウムやミネラルなどの栄養素をも有効に食用として活用することができることがあげられる。
また、第一発明から第三発明によって液体の玄米炊飯用天然調味液をとった後の「粕」についても、第三発明の未分離の玄米炊飯用天然調味液の場合と同じように、やはり玄米炊飯の時に玄米1合につき水を80cc〜100cc増やしたうえで、玄米1合につき5cc添加して炊飯することで、玄米を柔らかくする効果を発揮する。この長所としては、液体成分に抽出しきれなかった貝殻粉末のカルシウムやミネラルなどの栄養素を残らず食用として活用できる点である。また、炊飯時や炊きあがった玄米ごはんにはガーリックパウダーのにおいはほとんど感じられない。短所としては、液体の玄米炊飯用天然調味液より玄米ごはんを柔らかくする効果が出にくく、その食感に貝殻粉末のザラザラ感が出てしまうことや炊く時や炊きあがった玄米ごはんに貝殻粉末のにおいが強調されてしまうことである。
ペースト状態の玄米炊飯用天然調味液をつくる方法、すなわち製造タンクに使用する食酢全量を入れ、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れよく混ぜ合わせ、その液体成分と固体成分(粕)を分離することなくペースト状態の液体を調味液とする第四発明の方法には、以下のような長所と短所がある。
長所の一つ目は、液体成分と固体成分(粕)を分離する手間がないため、そこで費やされる多くの時間や労働力が不要となり、低コストで製造し、低価格で使用者に提供することが出来る点である。二つ目は、粕をこす際の熟練の技も必要なく、だれがつくっても均一な製品に仕上がる点である。三つ目は、短時間のうちに簡単に大量生産が可能になる点である。
四つ目は、ふつうの「お酢」と本発明の玄米炊飯用天然調味液との違いを消費者(まだ玄米炊飯用天然調味液を使って玄米炊飯をしたことがない人)が視覚ではっきり認識できる点である。第一発明から第三発明までの液体の玄米炊飯用天然調味は「黒っぽい澄んだ琥珀色のサラサラとした液体」という形状であるため、ふつうのお酢と同じだと消費者に誤認されやすい。その食品表示を見ても、風味づけのために貝殻粉末やインスタントコーヒーが少し使われ、においづけのためにガーリックパウダーが少し使われている「お酢」という印象で、見た目の印象でその品質も商品価値も判断されやすい。カキ殻粉末もホタテ貝殻粉末も食品添加物に分類されるので、JAS法の食品表示ではどんなに多く含有していても、最後尾に表示する決まりである。反対に、この第四発明のペースト状の玄米炊飯用天然調味液の場合には「茶褐色のどろっとしたペースト状態の液体」であるため、「お酢」とは明らかに区別される。見た目で不要だと判断され、購買意欲にマイナスの影響を与える要因にならない。ペースト状になっているので、チューブに入れたりマヨネーズ瓶に入れたりして用いると使用者が使いやすく、シェイクする手間がいらない。
五つ目は、食酢と貝殻粉末とガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数の栄養成分を100%製品化するので、第一発明から第三発明までの液体のみの玄米炊飯用天然調味液よりもさらに多くの栄養素を含む点である。六つ目は、液体のみの玄米炊飯用天然調味液とはまた違った風味の濃い玄米ごはんを味わえる点である。
欠点としては、一つ目に、精製されていないため第一発明から第三発明までの液体のみの玄米炊飯用天然調味液よりも、玄米を食べやく柔らかくする効果が劣る点である。二つ目にガーリックパウダーのにおいは気にならないが、かえって貝殻粉末のにおいがする点である。三つ目に玄米の食感に、固形成分由来のザラザラ感が出る点である。また、固形成分の食味も加わるので、その玄米ごはんの美味しさの判断は人によって異なる。
以上のような製造過程を経て、つくりだされた玄米炊飯用天然調味液であるが、この効果は次のようである。以下の効果は、第一発明から第三発明で製造できる液体の玄米炊飯用天然調味液ならびに第三発明で液体成分と固体成分(粕)を分離しないでそのまま使用する形の玄米炊飯用天然調味液ならびに第四発明で得られるペースト状態の玄米炊飯用天然調味液に加え、第一発明から第三発明の製造工程ででた玄米炊飯用天然調味液をしぼりとった後の粕もその効果を少なからず有することを、特に明記しておく。
すなわち、一つ目として、1合の玄米につき目安として5ccの玄米炊飯用天然調味液を添加して炊飯するが、水を入れてすぐに吸水時間を取らずに炊飯しても、玄米が従来の炊飯方法よりも格段にやわらかくなり、甘味やうま味が強くなる点があげられる。玄米を洗って炊飯器のスイッチを押すまでに5分もかからず、忙しい現代人の時間の短縮にも役立つ。どんな炊飯器具を使っても炊き方の手順を守ればだれでも食べやすい柔らかさの玄米ごはんを炊くことができる。加えて、本発明の玄米炊飯用天然調味液を用いて炊飯した玄米ごはんは、赤ちゃんの離乳食からお年寄りの介護食まで、幅広い年齢層の人の主食に適して柔らかく、消化が良い。とくに、病中・病後の人や虚弱体質の人や妊娠中・授乳期の女性や育ち盛りの子供たちやスポーツ・体を使って仕事をしている人、さらには、玄米嫌いの人や発芽玄米や分づき米を食べている人や野菜嫌いの人や肉や魚を良く食べる人や好んで喫煙や飲酒をよくする人にも、食べやすさや栄養面だけでなく、健康維持のために本発明の玄米炊飯用天然調味液を用いて炊飯した消化吸収の良い玄米ごはんを食することは、有益である。
二つ目として、玄米そのものの体内への吸収率を高め、さらにこの調味液の天然素材のもっている栄養価も玄米と一緒に摂取することができる点があげられる。
玄米炊飯用天然調味液をカキ殻粉末を用いて製造した場合とホタテ貝殻粉末を用いて製造した場合の食品栄養成分は、次のとおりである。(いずれも第三発明によって製造された液体のみの粕の入らない玄米炊飯用天然調味液である。)
すなわち、カキ殻粉末の場合、熱量55kcal/100ml・たんぱく質2.4g/100ml・脂質0.1g/100ml未満・炭水化物11.3g/100ml・水分82.9g/100ml・灰分3.4g/100ml・カルシウム810mg/100ml・鉄1.9mg/100mlである。また、ホタテ貝殻粉末の場合には、熱量58kcal/100ml・たんぱく質2.1g/100ml・脂質0.3g/100ml・炭水化物11.6g/100ml・水分81.3g/100ml・灰分4.7g/100ml・ナトリウム860mg/100ml・カルシウム1100mg/100ml・鉄2.6mg/100ml・亜鉛0.1mg/100ml未満である。(カキ殻粉末の場合、ナトリウムと亜鉛の分析値は、分析依頼をしていないため不明である。)
大さじ一杯(15cc)に含まれるカルシウム量が、カキ殻粉末使用の玄米炊飯用天然調味液であれば121.5mg,ホタテ貝殻粉末使用の玄米炊飯用天然調味液であれば165mgとなり、普通牛乳のコップ一杯(200cc)に含まれるカルシウム量110mgより多い。(普通牛乳のカルシウム量は『2011食品標準成分表 最新版』社団法人全国調理師養成施設協会 発行より抜粋)カルシウムは玄米にはほとんど存在しない栄養素である。しかし、本発明の玄米炊飯用天然調味液には、豊富に含まれている。
また、農薬や放射性物質等の有害物質を体外へ排出する人体に良い働きをするフィチン酸は、玄米のぬか部分に多く含まれるが、同時に鉄分の体内への吸収を阻害する働きもある。しかし、本発明の玄米炊飯用天然調味液には、以上のような高い数値の鉄が含有されているため、玄米ごはんを食べ続けることで不足していく鉄分を補い、玄米をさらに栄養価に優れた完全食品へと近付けていく手助けができる。
三つ目として、玄米を精米するときに今まで取り除かれていた重量換算約10%の米ぬかを食用として美味しく効果的に利用することができ、大多数の家庭や外食産業でこの玄米炊飯用天然調味液を利用して玄米食が主流になっていけば、将来予想されている食糧不足の時には、同じお米の収量で重量換算約10%多くお米を食料として確保できている計算となる。
近年、自然環境の変化に伴い、世界各地で小麦やトウモロコシなどの穀物の不作が続いている。加えて、インドや中国など日本以外の国でも食糧輸入の需要が高まって、これまで日本に流れていた食糧が今までのように供給されにくくなってきている。そのような状況の中、食料自給率の低い我が国で唯一100%自給している米の需要は将来拡大していくと考えられる。食糧自給率を上げるためにFOOD ACTION NIPPONの国民運動も推進されており、実際米をごはんとしてだけでなく米粉として、麺やパンやお菓子等あらゆる料理に応用して使用して新商品が続々と発売されている現状である。
本発明の玄米炊飯用天然調味液を用いて玄米を炊飯することも、食べにくいとされる玄米食を広め、有用なぬかを食用に効率的に取り入れる方法を提供することになる。
四つ目として、食料が不足する際には、米だけが不足するだけでなくあらゆる食糧が不足することが考えられるが、その際にひとりの人間が一日に必要な栄養素を得るための効率的な方法として、この玄米炊飯用天然調味液を使った玄米食なら、白米食と比べれば重量換算をさらに上回る栄養素を確保することができる。この玄米炊飯用天然調味液を使った玄米食は、食糧難を克服する一つの方法となりえる。
災害時に備えて、玄米を備蓄する地方公共団体は多いが、毎年の避難訓練で玄米ごはんを食べるのがかたくて美味しくなく苦痛だと言っている人がいた。また、戦時中に兵隊として召集されて玄米を食べていた人が、その当時の玄米の食感を記憶していて、玄米ごはん自体敬遠して食べないと言っていた。
しかし、実際問題として、自然災害でも人的災害でも食糧不足になった場合には、限られた食糧でいかに多くの人々の健康を維持し、活力と気力を回復し、困難を乗り超えていく心と体をつくっていくかが重要な問題となる。色や見た目は白米とは違っていても、白米おにぎりよりも栄養価に優れ、農薬や放射性物質等有害物質を体外に排出して健康維持にも役立ち、どんな人でも食べやすい柔らかさ・美味しさの玄米おにぎりであれば、多くの人に受け入れて食べてもらえる。災害に備えて、玄米とともに本発明の玄米炊飯用天然調味液を備蓄し、予測不能の事態に対しても、本発明を利用していただきたい。
五つ目として、本発明の玄米炊飯用天然調味液は、玄米炊飯だけでなくその他の料理に天然調味料として使用することができる。これは、第一発明から第三発明で製造できる液体の玄米炊飯用天然調味液ならびに第三発明で液体成分と固体成分(粕)を分離しないでそのまま使用する形の玄米炊飯用天然調味液ならびに第四発明で得られるペースト状態の玄米炊飯用天然調味液の三種類の玄米炊飯用天然調味液を他の料理に応用して試用してみた場合に得られた結果である。調味料としての玄米炊飯用天然調味液の効果は、特に第一発明から第三発明で得られる「黒っぽい澄んだ琥珀色のサラサラとした液体」の玄米炊飯用天然調味液に以下の効果が高い。
第一に煮物やスープ料理で水1lに対し玄米炊飯用天然調味液を5cc入れて使用することで、料理の素材を通常の時間よりも早く柔らかくできる。第二に焼き物で、肉や魚や野菜を炒める前に玄米炊飯用天然調味液で浸けこんだり、炒めている時にかけることで、その素材のうま味を引き出し、その臭みがとれる。第三にラーメンやうどんやそばのつゆに玄米炊飯用天然調味液を入れると、素材のうま味を引き立て、めんつゆの風味が増す。第四にしょうゆやその他の調味料と合わせて玄米炊飯用天然調味液をそのまま刺身や餃子のつけだれにしたり、丼物の味付けに加えると、素材の美味しさが引き立ち、減塩効果を発揮する。第五に出来上がった料理やインスタント食品に玄米炊飯用天然調味液をかけると、ガーリックの効いた味わい深い風味が増し加えられ、新しいうま味と風味を料理に添えることができる。また、ジャムやお菓子に隠し調味料としてごく少量使用することで、そのジャムやお菓子の甘さや風味を増し、お茶やコーヒーや味噌汁やホットミルクに玄米炊飯用天然調味液をほんの一滴入れることで、飲み物や汁物のコクが増し、新しい風味を提案できる。
玄米炊飯だけでなく、このように多彩な料理に活用できることは、玄米炊飯用天然調味液そのものの効果であるが、その原材料としてアルカリ性の貝殻粉末をガーリックパウダー・インスタントコーヒー・食酢の酸性物が溶かし込み、より貝殻粉末の成分の抽出や体内への吸収を促すからだと考えられる。この原材料にもそれぞれ以下のような効果や特徴がある。
まず、貝殻粉末の場合、どの貝殻でも基本的には、炭酸カルシウムの結晶とコンキオリンと呼ばれるたんぱく質を主とする物質の複合体である殻本体とキチン質の殻皮とから成っていて、各種ミネラルも多く含まれている。酸アルカリの化学反応を用いて製造するこの玄米炊飯用天然調味液製造時においては、炭酸が抜けることによって液体成分に貝殻粉末のもっているカルシウムやミネラル分が溶解抽出されていくと推測できる。また、ホタテやカキの殻は古くから薬用として用いられたり、貝の殻は食品添加物としても使われている。
ガーリックパウダーには、ビタミンBの効果を高めたり、強い殺菌作用もある硫化アリルが含まれており、糖質とビタミンB群・ミネラル分も多い。肉や魚や貝類等の生臭さを抑える矯臭作用があり、酸度が強いので、貝殻の分解に役立つ。人体への影響としては、疲労回復・脚気・神経痛・整腸・便秘・精力増強・がん予防・風邪の予防・結核・喘息にも効果が期待できる。ただ、デメリットとしてカルシウムが少ない点があげられるが、この玄米炊飯用天然調味液においては、カキ殻粉末やホタテ貝殻粉末のもつカルシウム分でそのデメリットも補うことができる。
インスタントコーヒーには、ガーリックパウダーのにおいを抑えるフラン類が含まれているため消臭作用があり、ナイアシンを含むビタミンBやトリゴネリン・有機酸・遊離脂肪酸・カフェイン・タンニンなどの栄養素がある。インスタントコーヒーに含まれるカフェインには、脂肪を分解する働きがあるため、白米に比べ3倍の脂質をもつ玄米の分解には有効である。料理の隠し味として幅広く調理に使われており素材の旨みを引き出したり一段と香ばしく玄米を炊き上げる利点もある。
食酢には強い殺菌作用があり、お米を炊飯する場合少量の酢を入れておくと、夏場でもごはんがすえにくく、魚のにおい消しになったり、小魚を酢につけると骨まで軟らかくなり食べやすくなる浸透力がある。
貝殻粉末と食酢を混ぜ合わせるだけで調味液を作ると、においに生臭さが残ったり味に苦味がでる。また、玄米が柔らかく炊きあがりにくい。
そこで、貝殻粉末とガーリックパウダーと食酢を用いて調味液を作ると、貝殻粉末の生臭さはほぼ消えるが、ガーリックパウダーの臭気が玄米を炊飯器で炊くときに強烈に漂い、炊きあがってからも多少そのにおいは残っていく。においのほかは、食べやすい柔らかさでほぼ美味しく食べられる。
さらに、貝殻粉末とインスタントコーヒーと食酢を用いて調味液を作ると、炊飯器での炊飯時のにおいはほぼなくなり、炊きあがった玄米は甘みやうま味がでて美味しい。ただ、インスタントコーヒーをあまり多く使うと胚芽の食感につぶつぶ感・かたい感じが残り少し食べにくく、色はかなりコーヒー色に着色されてしまう。
実施形態のように、貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢を用いて玄米炊飯用天然調味液を作った場合には、炊飯器での炊飯時のにおいも大幅に軽減され、炊きあがった玄米は柔らかく、甘みとうま味がしっかりでて、臭みや悪いにおいはほとんどなくなる。それでも、ガーリックパウダーのにおいが気になる場合には、実施形態のように牛乳又は50%以上の果汁の入ったぶどうジュースを玄米炊飯用天然調味液とともに玄米炊飯時に入れると、においは気にならないほどになる。色は、牛乳を入れた場合には玄米を炊飯した場合と変わらないが、50%以上の果汁の入ったぶどうジュースを使用すると、少しピンク色に染まった玄米ごはんになる。
ここまでは、貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢を用いて製造した玄米炊飯用天然調味液の効果を述べてきたが、これからは、その粕を用いて製造した液体肥料ならびに発酵肥料の効能について詳しく説明する。
液体肥料に関して言えば、第一に、カニ殻細粒や魚肥や動物性肥料と玄米炊飯用天然調味液のしぼり粕とを長時間高温で発酵させることにより、より食酢や木酢や竹酢や水への栄養分の移行がしやすくなる点。第二に、玄米炊飯用天然調味液のしぼり粕に残っていたミネラル分とガーリックパウダー等の植物体への花や実をつける受精力をつける力を強くする栄養素、インスタントコーヒーのもっている発酵促進力や微生物を活性化させる力などが加わり、さらに食酢の浸透力等が付加される点。この二点により植物に液体肥料としてかけた時に、より複合的な効果を与え、植物体の根を強くし、気候の変化等のストレスにも耐えうる丈夫な植物体にしていき、植物体の樹力の勢いを増し、さらに花や実をつける受精力を上げることができるのである。
加えて、原材料のすべての素材が有機物のため、植物体自体のバランスがくずれにくく、虫や病気による害も受けにくくなる点が利点としてあげられる。
発酵肥料に関して言うと、栄養価が高く種菌を含んだ液体肥料の水分がまだ残っている粕と、新たなカニ殻細粒をよく混ぜ合わせることにより、新たなカニ殻細粒に種菌や液体肥料の水分が移行し、さらなる種菌の増殖とカニ殻細粒の分解が進む。ゆえに、根元の土に元肥や追肥で施肥すると、根に優しく根が傷まず、根からの肥料分ならびにミネラル分の吸収もスムーズに行われる。また、組織のかたいカニ殻細粒・魚骨・動物性骨粒などの肥料を使いこの発酵肥料を仕上げると、組織の軟化が進み、より肥料成分を植物体が吸収しやすくなり、ミネラル等の微量要素も植物へ有効に効果的に使われる肥料となる。
他の実施形態
【0058】
図1の実施形態では、炊飯器を用いて玄米を炊飯していたが、他の実施形態では、圧力鍋などどんな炊飯器具をつかったものでも良い。
また、図1の実施形態では、玄米炊飯の時にこの玄米炊飯用天然調味液が使われていたが、他の実施形態では、煮物やスープ料理や焼き物の浸けこみだれや焼き肉のたれ、ラーメンのスープやうどんやそばのつゆ、つけだれや隠し味として、料理に使う調味料のひとつとして使用するものでも良い。
【符号の説明】
1 玄米炊飯用天然調味液
2 玄米
3 炊飯器
4 水
5 計量スプーン
6 玄米炊飯用天然調味液が入ったボトル
7 布袋
8 製造タンク
9 食酢
10 カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末
11 ガーリックパウダー
12 インスタントコーヒー
13 帯
14 吊り上げ滑車と布袋の接続部
15 吊り上げ滑車のフック
16 吊り上げ滑車
17 攪拌棒
18 玄米炊飯用天然調味液をつくった後の玄米炊飯用天然調味液を含んだ粕
19 沈殿物
20 カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーの混合物を入れた不織布の袋
21 袋の口を閉じている紐
22 ビニール袋
23 圧着面
24 ガラス容器
25 食酢を入れた容器
26 玄米炊飯用天然調味液をつくった後の混合物が入った不織布の袋
27 カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢を混ぜ合わせた時に出る混合物の泡
28 カキ殻粉末又はホタテ貝殻粉末とガーリックパウダーとインスタントコーヒーと食酢の混合物
29 液体容器
30 玄米炊飯用天然調味液をつくった後のしぼり粕とカニ殻細粒と魚骨細粒を混ぜ合わせた堆積物
31 カニ殻細粒
32 魚骨細粒
33 堆積物から出る発酵熱の湯気
34 コンクリートの床
35 玄米炊飯用天然調味液をつくった後のしぼり粕とカニ殻細粒と魚骨細粒を混ぜ合わせて自然発酵させた後の堆積物
36 竹酢
37 一晩水につけた後の玄米
38 ヨーグルト
39 スプーン

Claims (5)

  1. ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と貝殻粉末とを布・不織布・網のいずれかで袋詰めし、食酢に沈め、抽出することを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液。
  2. ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数と、貝殻粉末・甲殻細粒・魚骨細粒のいずれかもしくは複数とを布・不織布・網のいずれかで袋詰めし、ビニール袋で密封し、製品化することを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液製造剤。
  3. 製造タンクに使用する食酢全量の約30%を入れ込み、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れ混ぜ合わせ、その後徐々に残りの約70%の食酢を加えながら攪拌した後、液体成分と粕を分離し、その液体成分を調味液とすることを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液。
  4. 製造タンクに使用する食酢全量を入れ、ガーリックパウダー・インスタントコーヒーのいずれかもしくは複数をそのタンクの中に溶かし込み粘性の高い溶液をつくり、その中に貝殻粉末を入れよく混ぜ合わせ、その液体成分と固体成分(粕)を分離することなくペースト状態の液体を調味液とすることを特徴とすることにより製造された玄米炊飯用天然調味液。
  5. 請求項3に記載の玄米炊飯用天然調味液の粕をカニ殻細粒・魚肥・動物性肥料のいずれかもしくは複数と混ぜ合わせ自然発酵させた後、その混合物を食酢・木酢・竹酢・水のいずれかもしくは複数に浸して溶液を抽出したものを液体肥料とし、かつ、その液体肥料の粕に新たにカニ殻細粒・魚肥・動物性肥料のいずれかもしくは複数を加え混ぜ合わせたものを発酵肥料として用いることを特徴とする液体肥料・発酵肥料製造法。
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