JP5419115B1 - 注入材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジャッキで使用される性能を満たす注入材を提供する。
【解決手段】 注入材は、一対の支圧板によって挟まれたジャッキ本体の内部に、加圧された状態で注入され、一対の支圧板が互いに離れる方向にジャッキ本体を膨張させる。注入材は、85重量%以上の高炉セメントB種を含む粉末と、水とを有し、粉末および水の配合比が、下記式(I)の条件を満たす。下記式(I)において、Wは、水の重量であり、Pは、粉末の重量である。

【選択図】 図4

Description

本発明は、ジャッキに注入され、ジャッキを膨張させることによってジャッキに揚力を発生させる注入材に関する。
特許文献1には、揚力を発生させるフラットジャッキが記載されている。ここで、フラットジャッキは、ジャッキ本体を有しており、ジャッキ本体に流体を注入してジャッキ本体を膨張させることにより、フラットジャッキに揚力を発生させている。
特公昭48−019671号公報 特開平10−265184号公報(段落[0002]等)
特許文献1,2には、ジャッキ本体に注入される流体として、樹脂モルタル、液体、合成樹脂、セメントペーストを用いることが記載されている。ここで、ジャッキ本体に注入される流体は、揚力を与える構造物への性能や、作業性を含むフラットジャッキの性能を満足させるものである必要がある。
本発明は、一対の支圧板によって挟まれたジャッキ本体の内部に、加圧された状態で注入され、一対の支圧板が互いに離れる方向にジャッキ本体を膨張させる注入材である。注入材は、高炉セメントB種、減水剤、増粘剤、消泡剤および収縮低減剤からなる群から選択され、高炉セメントB種を85重量%以上含む粉末と、水とからなり、粉末および水の配合比が、下記式(I)の条件を満たす。
上記式(I)において、Wは、水の重量であり、Pは、粉末の重量である。
本発明の注入材を用いれば、ジャッキ本体の内部に注入材を加圧注入しやすくすることができるとともに、ジャッキ本体の内部で硬化した注入材の圧縮強度を確保しつつ、硬化後における注入材の収縮を抑制することができる。また、ジャッキ本体の内部における注入材の充填性を向上させて、ジャッキ本体の強度や耐久性を向上させることができる。支圧板およびジャッキ本体で構成されるジャッキは、構造物に対して揚力を与えた状態において、構造物からの荷重を受け続ける。このため、上述した性能を注入材に持たせることにより、ジャッキに適した注入材を提供することができる。
ここで、注入材の加圧注入は、まず、ジャッキ本体に接続された配管に高圧注入器を接続するとともに、高圧注入器に加圧ポンプを接続する。そして、高圧注入器に注入材を供給し、加圧ポンプで発生した圧力を用いて、高圧注入器から配管を介してジャッキ本体の内部に注入材を加圧注入することができる。
フラットジャッキの上面図である。 図1のA−A断面図である。 ジャッキ本体の断面図である。 フラットジャッキに注入材を注入するシステムを示す図である。 複数のフラットジャッキを用いた配管構成を示す図である。 フラットジャッキを膨張させたときの断面図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本実施例であるフラットジャッキの上面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。図1および図2は、フラットジャッキ1に後述する注入材を加圧注入する前の状態を示している。図1に示すように、フラットジャッキ1を上方(又は下方)から見たとき、フラットジャッキ1は、略円形に形成されている。
フラットジャッキ1は、ジャッキ本体10および一対の支圧板21を有する。ジャッキ本体10は、図3に示すように、ジャッキ本体10(フラットジャッキ1)の外周に沿ってリング状に形成された曲面部11を有する。また、ジャッキ本体10は、曲面部11の内側(ジャッキ本体10の内径側)において、一対の平坦部12を有する。ジャッキ本体10は、金属などで形成することができる。
図3は、図2に示す構造のうち、ジャッキ本体10だけを示す図である。曲面部11は、一対の平坦部12と一体的に形成されている。ジャッキ本体10に注入材を加圧注入していない状態において、曲面部11は、一対の平坦部12に対して、図3の上下方向に膨らんでいる。言い換えれば、図3の上下方向における曲面部11の間隔は、図3の上下方向における一対の平坦部12の間隔よりも広がっている。
図3に示す曲面部11の断面形状は、円形に沿った形状に形成されている。曲面部11および平坦部12によって、注入材を収容するスペース(密閉空間)が形成される。図1に示すように、ジャッキ本体10の曲面部11には、注入管31および排出管32がそれぞれ接続されている。注入管31は、ジャッキ本体10の内部に注入材を加圧注入するために用いられる。注入管31の径は、図3の上下方向における曲面部11の間隔(言い換えれば、ジャッキ本体10の最大厚さ)よりも小さい。
ジャッキ本体10に注入材を加圧注入するとき、注入材は、加圧された状態でジャッキ本体10の内部に注入される。具体的には、図4に示すように、注入管31には高圧注入器41が接続され、高圧注入器41に注入材が供給される。ここで、注入管31には、ストップバルブ44が設けられている。高圧注入器41には、高圧ゴムホース42を介して、加圧ポンプ43が接続されている。これにより、加圧ポンプ43で発生した圧力を用いて、高圧注入器41に供給された注入材を、高圧注入器41からジャッキ本体10に加圧注入することができる。加圧ポンプ43としては、例えば、水圧を用いたポンプや、油圧を用いたポンプがある。
排出管32は、ジャッキ本体10から注入材や気泡(注入材の練混ぜ時に発生する気泡を含む)を排出するために用いられる。排出管32には、ストップバルブ45が設けられており、排出管32の一端に位置する排出口には、ストップバー46が装着される。排出管32の径は、図3の上下方向における曲面部11の間隔(言い換えれば、ジャッキ本体10の最大厚さ)よりも小さい。
ジャッキ本体10の内部に注入材を加圧注入する前には、ジャッキ本体10の内部に気泡が存在しているため、この気泡をジャッキ本体10の内部から排出させる必要がある。そこで、排出管32を用いれば、ジャッキ本体10の内部に注入材を加圧注入することに伴って、ジャッキ本体10の内部に存在する気泡を排出管32から排出させることができる。
また、後述するように、練混ぜによって注入材を生成するときには、練混ぜ時に気泡が発生することがあり、この気泡が注入材とともにジャッキ本体10の内部に進入するおそれがある。そこで、排気管32を用いることにより、ジャッキ本体10の内部に進入した気泡も排出させることができる。ここで、図4に示すように、排出管32にはストップバルブ45が設けられており、排出管32から気泡を排出するときには、ストップバルブ45が開いた状態となっている。
また、ジャッキ本体10の内部は、注入材で満たさなければならない。このため、排出管32から注入材が排出されることを確認することにより、ジャッキ本体10の内部が注入材で満たされていることを予測できる。このとき、ストップバルブ45は、開いた状態となっている。排出管32から注入材が排出されたことを確認した後は、図4に示すように、排出管32の排出口にストップバー46を装着する。また、ストップバルブ45を開いた状態から閉じた状態に切り替えることにより、ジャッキ本体10の内部に注入材を充填させることができる。
フラットジャッキ1は、構造物の間の限られたスペースに配置されるため、フラットジャッキ1から、作業スペースに配置される高圧注入器41や加圧ポンプ43までは、注入管31を延ばす必要がある。また、フラットジャッキ1の配置場所によっては、フラットジャッキ1が高圧注入器41よりも高い位置に配置されることがある。
このようなフラットジャッキ1の配置場所を考慮すると、ジャッキ本体10の内部に注入材を加圧注入するときには、注入管31の径(内径)を小さくしたほうが好ましい。すなわち、注入管31の径を小さくするほど、注入管31を介して、ジャッキ本体10の内部に注入材を注入しやすくなる。特に、注入管31の長さが長くなっても、注入管31を介して、ジャッキ本体10の内部に注入材を到達させやすくなる。
また、フラットジャッキ1が高圧注入器41よりも高い位置に配置されていても、注入管31の径を小径化することにより、ジャッキ本体10の内部に注入材を到達させやすくなる。ここで、注入管31の径が大径化すれば、ジャッキ本体10の内部まで注入材を高圧注入させにくくなってしまう。特に、フラットジャッキ1が高圧注入器41よりも高い位置に配置されていると、注入材の自重や、注入管31の内部における摩擦抵抗などの影響を受けて、ジャッキ本体10の内部まで注入材が到達しにくいことがある。
さらに、注入管31の径を小径化することにより、注入管31を軽量化させたり、曲げ配管を容易に行ったりできるなど、注入管31を配置しやすくなる。すなわち、注入管31の径を大径化させてしまうと、注入管31が配置されるスペースによっては、注入管31を配置できなくなってしまう。また、注入管31を所望の経路に沿って配置しにくくなってしまう。
一方、複数のフラットジャッキ1を用いるときには、図5に示すように、注入管31を配置することができる。図5に示す構成では、注入管31が、いわゆるトーナメント型に配置されている。具体的には、隣り合う2つのフラットジャッキ1が注入管31aによって接続されており、2つのフラットジャッキ1を接続する注入管31aには、配管継手47aを介して、他の注入管31bが接続されている。注入管31bには、配管継手47bを介して、他の注入管31cが接続されており、注入管31cには、高圧注入器41が接続されている。
なお、図5に示す構成では、4つのフラットジャッキ1を用いた場合について説明しているが、これに限るものではない。すなわち、フラットジャッキ1の数(20数台まで可能)に応じて、図5に示す構成と同様の構成によって、注入管31を配置することができる。
図5に示すように、注入管31(注入管31a〜31c)を配置することにより、高圧注入器41から複数のフラットジャッキ1に対して均等に注入材を高圧注入することができる。また、図5に示すように、注入管31を配置すると、注入管31の長さが長くなりやすくなる。このため、上述したように、注入管31の径を小径化することにより、注入管31を介して、複数のジャッキ本体10の内部に高圧用注入材を確実に到達させやすくすることができる。
ここで、図6に示すように、ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入すると、ジャッキ本体10を膨張させることができる。曲面部11や平坦部12の板厚は、ジャッキ本体10の膨張を許容することができる厚さに設定されている。ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入し続ければ、図6に示すように、一対の平坦部12は、互いに離れる方向に変位する。ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入した後は、図4に示す注入管31に設けられたストップバルブ44を開いた状態から閉じた状態に切り替える。これにより、注入管31から高圧注入された注入材23が漏れてしまうことを防止できる。
図6に示す状態は、ジャッキ本体10の内部に最大量の注入材23を加圧注入した状態である。本実施例のフラットジャッキ1では、ジャッキ本体10の内部に加圧注入される注入材23の量に応じて、図2に示す状態および図6に示す状態の間において、フラットジャッキ1の揚程量を調節することができる。ここで、図2に示す状態では、揚程量が最も小さくなっており、図6に示す状態では、揚程量が最も大きくなっている。
本実施例では、曲面部11に対して、注入管31および排出管32を図1に示す位置に接続しているが、これに限るものではない。曲面部11に対する注入管31の接続位置や、曲面部11に対する排出管32の接続位置は、適宜設定することができる。すなわち、注入管31は、ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入することができればよい。また、排出管32は、ジャッキ本体10の外部に気泡や注入材23を排出することができればよい。
フラットジャッキ1は、図2の上下方向において、ジャッキ本体10を挟む位置に、一対の支圧板21を有する。支圧板21は、ジャッキ本体10における曲面部11および平坦部12に接触している。また、支圧板21は、例えば、モルタルで形成することができる。モルタルとしては、例えば、セメントモルタルを用いたり、合成樹脂を含んだ樹脂モルタルを用いたりすることができる。
各支圧板21の内部には、金属製メッシュ22が配置されている。金属製メッシュ22は、ジャッキ本体10の平坦部12に沿った二次元平面内に配置されており、支圧板21を補強するために用いられる。なお、支圧板21を補強することができれば、いかなる構成であってもよく、金属製メッシュ22を用いなくてもよい。例えば、支圧板21の内部に、ガラスファイバを埋設することもできる。なお、支圧板21自体の強度が十分であれば、金属製メッシュ22などを省略して、支圧板21を補強しなくてもよい。
上述したフラットジャッキ1は、例えば、2つの構造物の間に配置され、フラットジャッキ1の上方に位置する構造物に対して揚力を与えるために用いられる。すなわち、注入材23の加圧注入によって、ジャッキ本体10を膨張させることにより、構造物に対して揚力を与えることができる。構造物に揚力を与えた後、注入材23は硬化する。これにより、フラットジャッキ1は、構造物に揚力を与えたままの状態で硬化させて、構造物からの荷重を受け続けることになる。
次に、ジャッキ本体10の内部に加圧注入される注入材23について説明する。
上述したように、注入材23は、硬化性を有しており、85重量%以上の高炉セメントB種を含む原料粉末と、水とを混ぜることによって構成されている。高炉セメントとは、ポルトランドセメントに高炉スラグ(鉱滓)の粉末を混合することによって得られるセメントである。高炉セメントB種は、30〜60重量%の高炉スラグを混合したセメントである。
原料粉末のうち、高炉セメントB種を除く成分としては、調整剤を適宜用いることができる。調整剤としては、例えば、減水剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤を用いることができる。これらの調整剤としては、公知の材料を適宜用いることができる。なお、高炉セメントB種だけで構成された原料粉末(高炉セメントB種:100重量%)と水とを混ぜて、注入材23を生成することもできる。
本実施例で用いられる注入材23では、原料粉末および水が以下の配合条件(1)を満たすように配合されている。
上記条件(1)において、Wは、注入材23における水の配合量(重量[kg])を示し、Pは、注入材23における原料粉末の配合量(重量[kg])を示す。
注入材23は、フラットジャッキ1で好適に用いられるために、以下に示す項目(a)〜(d)に関する性能を満たしている必要がある。
(a):流動性
(b):圧縮強度
(c):収縮性
(d):充填性
(流動性について)
ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入するときには、注入管31および排出管32の内部において、注入材23を加圧流動させる必要がある。ここで、注入材23の流動性(フロー値)が低下してしまうと、注入管31や排出管32の内部において、注入材23が詰まりやすくなってしまい、ジャッキ本体10の内部に注入材23を確実に加圧注入できなくなってしまう。
注入材23における水および原料の配合比(100×W/P)が35重量%よりも低いと、注入材23の流動性(フロー値)が低下しやすくなり、注入管31の配管長や、注入管31の配管形状によっては、注入管31の内部が注入材23によって閉塞されてしまう。特に、注入管31の配管長が長くなるほど、また、注入管31の配管形状が複雑になるほど、注入管31の内部において、注入材23による閉塞が発生しやすくなってしまう。
一方、注入材23における水および原料の配合比(100×W/P)が35重量%以上であれば、注入材23の流動性(フロー値)が低下しすぎてしまうことを抑制でき、注入管31の配管長や配管形状に関わらず、注入管31の内部が、注入材23によって閉塞されることを防止できる。これにより、ジャッキ本体10の内部に注入材23を効率良く加圧注入することができ、ジャッキ本体10の内部を注入材23で満たしやすくなる。このように、ジャッキ本体10に対する注入材23の注入性能を確保する上では、配合比(100×W/P)が35重量%以上であることが好ましい。
(圧縮強度について)
上述したように、フラットジャッキ1では、注入材23が硬化することにより、所定の圧縮強度が発現する。2つの構造物の間に配置され、所定の圧縮強度が発現したフラットジャッキ1は、揚力を発生させた状態で、構造物からの荷重を受け続けることになる。このため、フラットジャッキ1の圧縮強度が低下してしまうと、構造物に対して揚力を与え続けることができなくなってしまう。ここで、フラットジャッキ1の圧縮強度は、硬化後における注入材23の圧縮強度に依存する。
注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%よりも高いと、硬化後における注入材23の圧縮強度が、フラットジャッキ1に要求される圧縮強度の下限値よりも低下してしまう。このように、硬化後における注入材23の圧縮強度が低下してしまうと、フラットジャッキ1の性能(すなわち、揚力保持)を満足できなくなってしまう。
一方、注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%以下であれば、硬化後における注入材23の圧縮強度が、フラットジャッキ1に要求される圧縮強度の下限値よりも低下しなくなる。このような配合比の注入材23を用いれば、構造物に対して揚力を与えながら、構造物からの荷重を受け続けることができ、フラットジャッキ1の性能(すなわち、揚力保持)を満足させることができる。このように、フラットジャッキ1の強度性能を確保する上では、配合比(100×W/P)が40重量%以下であることが好ましい。
(収縮性について)
ジャッキ本体10の内部に加圧注入された注入材23は、時間の経過とともに硬化することになるが、硬化に伴って注入材23が収縮してしまうと、フラットジャッキ1の揚力が低下してしまう。すなわち、ジャッキ本体10の内部に注入材23を加圧注入して、フラットジャッキ1の揚程量を調節しても、注入材23が収縮してしまうと、注入材23の硬化後に揚程量が低下してしまう。この場合には、フラットジャッキ1の揚程量が、予め調節した値からずれてしまう。また、プレロード工法において、構造物に予め揚力を与えておく場合には、注入材23の収縮によって、揚力の低下を招いてしまう。このように、注入材23が収縮してしまうと、構造物に対して所望の揚力を与え続けることができなくなってしまう。そこで、注入材23としては、硬化に伴って収縮しにくいものであることが好ましい。
注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%よりも高いと、ジャッキ本体10の内部に加圧注入された注入材23が硬化するときに、注入材23が収縮しやすくなってしまう。一方、注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%以下であれば、ジャッキ本体10の内部において、注入材23の収縮が発生しにくくなる。このように、注入材23の硬化に伴う収縮を抑制する上では、配合比(100×W/P)が40重量%以下であることが好ましい。
(充填性について)
充填性とは、ジャッキ本体10の内部における注入材23の充填性である。ジャッキ本体10の内部に注入材23を注入したときには、ジャッキ本体10の内部が注入材23によって満たされている必要がある。ジャッキ本体10の内部に注入材23を注入しても、ジャッキ本体10の内部に空隙が発生してしまうと、支圧板21を介したジャッキ本体10の受圧面積が変動しやすく、偏荷重に伴う悪影響が発生しやすくなる。また、ジャッキ本体10における荷重の支持性能を低下させてしまう。なお、上述した圧縮強度(硬化後における注入材23の強度)を担保していても、ジャッキ本体10の内部に発生した空隙によって、ジャッキ本体10における荷重の支持性能が低下してしまう。
ここで、注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%よりも高いと、排出管32から注入材や気泡を排出させながら、ジャッキ本体10の内部に注入材23を注入しても、ジャッキ本体10の内部に空隙が発生しやすくなる。注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が35重量%よりも低いときも、ジャッキ本体10の内部に空隙が発生しやすくなる。一方、注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)が40重量%以下であり、35重量%以上であれば、ジャッキ本体10の内部に注入材23を注入したときに、ジャッキ本体10の内部に空隙が発生することを防止できる。
フラットジャッキ1で用いられる注入材23は、上述したすべての性能を満たしている必要がある。このため、配合比(100×W/P)は、35重量%以上であって、40重量%以下である必要がある。
次に、注入材23の実験結果について説明する。
配合比(100×W/P)が互いに異なる注入材A〜Gを用意し、圧縮強度、体積変化および配管の閉塞性に関する実験を行った。注入材A〜Gは、下記表1に示す配合比で生成した。ここで、すべての注入材A〜Gについては、施工の汎用性を考慮し、原料粉末の重量を一定(20[kg])とした。
原料粉末としては、85重量%の高炉セメントB種を用いた。高炉セメントB種を除く、残りの成分(15重量%)については、上述した4種類の調整剤を用いた。具体的には、調整剤として、減水剤、増粘剤、消泡剤および収縮低減剤を用いた。
減水剤は、注入材23に含まれる水分量を低下させ、注入材23における水分量を微調整するために用いられる。増粘剤は、注入材23に粘性を与え、注入材23の粘度を微調整するために用いられる。消泡剤は、注入材23に含まれる気泡を除去するために用いられる。上述したように、練混ぜによって注入材23を生成するときには、気泡が発生することがあるため、消泡剤を用いることにより、注入材23に含まれる気泡を除去しやすくなる。収縮低減剤は、注入材23が硬化するときの収縮を抑制するために用いられる。すなわち、収縮低減剤は、注入材23の収縮量を微調整するために用いられる。
注入材A〜Gを生成する方法としては、まず、各注入材A〜Gで用いられる重量の水を練り容器に入れた。水の入った練り容器に、各注入材A〜Gで用いられる原料粉末を投入しながら、ハンドミキサを用いて撹拌することにより、練混ぜを行った。練混ぜを行う時間は、3分間とした。練混ぜを3分間行った後のものを、注入材A〜Gとした。
図4に示すように、高圧注入器41および加圧ポンプ43を組み合わせた機器を用いて、各注入材A〜Gをジャッキ本体10の内部に加圧注入した。具体的には、高圧注入器41から注入管31を介してジャッキ本体10の内部に各注入材A〜Gを加圧注入し、排出管32から各注入材A〜Gが排出されているか否かを確認した。注入管31および排出管32としては、内径が7[mm]、外径が10[mm]の配管を用いた。注入管31の配管長は、現場で配置される可能性がある長さ(40[m])とした。また、各注入材A〜Gを注入管31に加圧注入するときの加圧ポンプ43の圧力としては、最大注入圧力を15[MPa]とした。
各注入材A〜Cを用いたときには、注入管31の内部が閉塞されていることを確認した。このため、注入管31を長くしても、注入管31の内部が各注入材A〜Cによって閉塞されてしまう。また、外気温度が上昇したときには、各注入材A〜Cに含まれる水分が蒸発しやすくなり、注入管31の内部が各注入材A〜Cによって閉塞されやすくなってしまう。
このように、注入材A〜Cを用いると、注入管31の途中において、注入材A〜Cが詰まってしまい、ジャッキ本体10の内部に注入材A〜Cが十分に注入されていなかった。一方、各注入材D〜Gを用いたときには、排出管32から各注入材D〜Gが排出され、ジャッキ本体10の内部に各注入材D〜Gが注入されていることを確認できた。
次に、ジャッキ本体10の内部に各注入材A〜Gを注入し、最大の揚程量(図6に示す状態)となるようにジャッキ本体10を膨らませた。ここで、注入材A〜Cについては、注入管31の配管長を実際には設定されない程度に極力短くして、ジャッキ本体10の内部に注入材A〜Cを注入するようにした。この状態において、ジャッキ本体10の圧縮強度を測定した。圧縮試験機としては、JIS B7733に規定しているものを用いた。ここで、ジャッキ本体10の内部に各注入材A〜Gを注入した後であって、2日後(材齢2日)および28日後(材齢28日)のそれぞれにおいて、ジャッキ本体10の圧縮強度を測定した。
一方、ポリエチレン袋法を用いて、材齢2日における各注入材A〜Gの体積変化を測定した。ポリエチレン袋法では、所定量の各注入材A〜Gをポリエチレン製の袋に投入し、界面をマーキングしておく。そして、2日後における界面の位置を確認する。各注入材A〜Gが収縮していれば、2日後における界面の位置が、予めマーキングした位置よりも低い位置となる。ここで、2日後における界面の位置が、マーキングした位置よりも低いときには、体積変化が「有」と評価し、2日後における界面の位置が、マーキングした位置よりも低下していないときには、体積変化が「無」と評価した。
一方、材齢28日において、各注入材A〜Gが注入されたジャッキ本体10を切断し、ジャッキ本体10の内部における各注入材A〜Gの充填性を確認した。ジャッキ本体10を切断したときの断面は、図6に示す断面に相当する。
注入材F,Gを注入したジャッキ本体10では、平坦部12に沿って、厚さが1〜5[cm]の空隙層が存在していることを確認した。注入材A〜Cを注入したジャッキ本体10では、平坦部12に沿って、複数の空隙が存在(点在)していることを確認した。ここで、ジャッキ本体10は、一対の平坦部12を有しているが、ジャッキ本体10の上部に位置する一方の平坦部12に沿って、空隙層又は、複数の空隙が発生していた。
上述したように、注入材F,Gは、注入材A〜Eに比べて流動性(フロー値)が高くなる。このため、注入材F,Gを用いたときには、ジャッキ本体10の内部に注入材F,Gを注入しやすくなるが、流動性(フロー値)が高くなるほど、ジャッキ本体10の内部に進入した気泡をジャッキ本体10の外部に排出しにくくなる。
このため、排出管32を用いて、注入材F,Gを排出させたとしても、ジャッキ本体10の内部に、多くの気泡が残りやすくなり、これらの気泡が集まって上述した空隙層を発生させてしまったものと考える。
また、注入材A〜Cを用いたときには、ジャッキ本体10の内部に注入材A〜Cを注入できたとしても、注入後に、注入材A〜Cに混在していた気泡(練混ぜ作業に伴って発生した複数の細かい気泡を含む)がジャッキ本体10の上方に向かって移動し、上述した複数の空隙を発生させてしまったものと考える。
一方、注入材D,Eを注入したジャッキ本体10では、注入材F,Gを用いたときに確認された空隙層や、注入材F,Gを用いたときに確認された複数の空隙が存在していなかった。ここで、空隙層や複数の空隙が存在していない状態を充填性が「○」と評価し、空隙層が存在している状態を充填性が「×」と評価し、複数の空隙が点在している状態を充填性が「△」と評価した。
上述した各試験の結果を下記表2に示す。ここで、原料粉末に含まれる調整剤の配合比を変えても、下記表2と同様の結果が得られた。また、原料粉末として、高炉セメントB種だけを用いても、下記表2と同様の結果が得られた。
上記表2に示す実験結果によれば、注入材23における水および原料粉末の配合比(100×W/P)を、35重量%以上であって40重量%以下の範囲内で設定すれば、ジャッキ本体10の内部に注入材を加圧注入しやすく、注入材が加圧注入されたジャッキ本体10の圧縮強度や揚力を確保することができる。また、ジャッキ本体10の内部における注入材23の充填性を向上させることができ、ジャッキ本体10の強度や耐久性を向上させることができる。
ここで、35重量%以上であって40重量%以下の範囲内であれば、配合比(100×W/P)を適宜設定することができる。具体的には、外気温度、注入管31の長さ、フラットジャッキ1で適用される構造物の種類などを考慮して、配合比(100×W/P)を適宜設定することができる。
1:フラットジャッキ、10:ジャッキ本体、11:曲面部、12:平坦部、
21:支圧板、22:金属製メッシュ、23:注入材、31:注入管、32:排出管、
41:加圧ポンプ、42:ストップバー

Claims (1)

  1. 一対の支圧板によって挟まれたジャッキ本体の内部に、加圧された状態で注入され、前記一対の支圧板が互いに離れる方向に前記ジャッキ本体を膨張させる注入材であって、
    高炉セメントB種、減水剤、増粘剤、消泡剤および収縮低減剤からなる群から選択され、前記高炉セメントB種を85重量%以上含む粉末と、水とからなり
    前記粉末および前記水の配合比が、下記式(I)の条件を満たす、

    ここで、Wは、前記水の重量であり、Pは、前記粉末の重量である、
    ことを特徴とする注入材。
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