JP2003193420A - 載荷金属管の補強工法 - Google Patents

載荷金属管の補強工法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋梁のアーチリブのような載荷金属管に対
し,既設の状態で施工性よく,その耐荷性能や耐震性能
を向上させる。 【解決手段】 構造物の荷重を受けている既設金属管に
コンクリート打設口を設け,軽量骨材を配合し且つスラ
ンプフロー値が50cm以上の軽量・高流動コンクリー
トを前記のコンクリート打設口から該金属管内に注入
し,コンクリートの打設に伴って管内に存在した空気を
管外に追い出し,管内空間の実質上全てを単位容積質量
が1.8t/m3以下の軽量コンクリートで充填すること
からなる載荷金属管の補強工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,鋼管アーチ橋のア
ーチリブなどのように構造物の荷重を受けている載荷金
属管に対し,載荷状態のままで,その耐荷性能や耐震性
能を向上させる補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車荷重の増大に伴う供用時荷重の見
直しや,阪神淡路大震災での被災経験などから,補強が
必要な構造物は少なくないことが明らかとなってきた。
鋼管アーチ橋のアーチリブなどのように,構造物の荷重
を受けている金属管の場合でも同様である。このような
載荷金属管(鋼管)に対して,どのようにして耐荷・耐
震性能を向上させるかが課題となるが,管内にコンクリ
ートを充填する補強法が注目される。コンクリートの充
填によって管の座屈を防止し且つ剛性を高めることがで
きるであろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アーチリブのような鋼
管内にコンクリートを充填する場合には,コンクリート
充填による重量増加が下部構造に大きな影響を及ぼす。
コンクリートを充填すると部材の自重は例えば単位容積
質量で2.4〜3.0t/m3程度となり,そのうちコン
クリートが占める単位容積質量は2.2〜2.4t/m3
(普通コンクリートの場合)程度である。このため,補
強部位にとどまらず,下部構造などのその他の部位にま
で補強を行う必要が生ずる。しかし,この荷重増のため
に,基礎地盤などの下部構造をさらに補強しようとする
と容易なことではない。
【0004】単位容積質量の小さいコンクリートを充填
すれば,下部構造の補強を必要としない場合もあり得る
と考えられるが,軽量骨材を用いた単位容積質量の小さ
い通常の軽量コンクリートでは振動締固めを行わないと
鋼管とコンクリートを一体化することができない。しか
し,管径がそれほど大きくなく管長が長い既設アーチリ
ブなどでは,管内でコンクリートの振動締固めを行わせ
ることは実質的に不可能である。
【0005】したがって本発明の課題は,このような問
題を解決して,橋梁のアーチリブのような載荷金属管に
対し,既設の状態で施工性よく,その耐荷性能や耐震性
能を向上できる補強工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,構造物の荷重
を受けている既設金属管にコンクリート打設口を設け,
軽量骨材を配合し且つスランプフロー値が50cm以上
の軽量・高流動コンクリートを前記のコンクリート打設
口から該金属管内に注入し,コンクリートの打設に伴っ
て管内に存在した空気を管外に追い出し,管内空間の実
質上全てを単位容積質量が1.8t/m3以下の軽量コン
クリートで充填することからなる載荷金属管の補強工法
を提供するものである。金属管としては,鋼管アーチ橋
のアーチリブであることができ,この場合には,アーチ
リブの両裾底部から上方に向けて軽量・高流動コンクリ
ートを順次打ち継ぎ,最後に頂部のアーチクラウン部を
該コンクリートで充填する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明の補強工法を適用す
る鋼管アーチ橋の例を示した。補強対象とする鋼管製の
アーチリブ1は,本発明工法の実施の便宜上,その施工
部分を図の左側アーチ裾部1A,右側アーチ裾部1Bお
よび中央頂部のアーチクラウン部1Cに区分する。
【0008】図例のものでは,アーチ裾部1Aと1B
は,両者とも,さらにステップ1〜6に区分されてお
り,これらの部分では,橋下に設置したブーム付コンク
リートポンプ車2Aと2Bにより,下から上に順に(ス
テップ1から6に順に),両方のアーチ裾部とも打設時
期をほぼ同じくしてリブ内に軽量・高流動コンクリート
を充填してゆく。これによって,アーチクラウン部1C
が未打設となるが,次に橋面上に設置したブーム付コン
クリートポンプ車2Cによって,裾側からステップ7〜
9に区分された順に,リブ内にコンクリートを充填して
ゆく。
【0009】図2は,図1のアーチリブの左半身を示し
たものである。図中の〜は図1のステップ1〜9で
打設する範囲(ブロック)を示している。橋下または橋
面のどのポンプ車を使用するにしろ,ステップ1〜8
(〜のブロック)は,打設範囲より高い位置に設け
たコンクリート打設口3a〜3fから軽量・高流動コン
クリートを打設範囲に流し込む。そのさい,各打設ブロ
ックにおいて,コンクリート打設口3a〜3fよりやや
高い位置に空気孔4a〜4fが設けておく。このよう
に,やや勾配が急な打設ブロック〜では,コンクリ
ートの流動性を利用した高所からの「流し込みコンクリ
ート打設方法」を採用する。図2において,この区間を
「自重充填」と記してある。この自重充填を図の左半身
と図示しない右半身について終えると,次にステップ9
(ブロック)では「圧入充填」(図2参照)を行う。
【0010】すなわち,打設ブロックではほぼ水平に
近い。ほぼ水平な管内に軽量・高流動コンクリートを流
し込む場合には,気泡空隙(コンクリート中の気泡とは
異なり,管内壁とコンクリートとの接合面に発生する気
泡状の空隙)が発生するおそれがあることを本発明者ら
は実験的に確認した。管壁とコンクリートの接合面に気
泡状の空隙が発生すると,この部分に応力集中をもたら
すことがある。このため,コンクリートポンプ車の圧力
を利用した圧入打設方法(逆巻き)を採用して管とコン
クリートとの一体化を図る。
【0011】実際には,この打設ブロックでは,管壁
に設けるコンクリート投入口3gの位置を,コンクリー
ト打設レベル(管内壁の最高位置)よりも下方に設け
る。そして,このコンクリート投入口3gには,1〜2
m程度の高さの打設用パイプ(図示しない)を立ち上げ
ておき,この打設用パイプに遮断弁(図示しない)を介
装しておく。これにより,投入口付近でのポンプ圧力の
不慮の減少等によるコンクリートの緩みや戻りを防止す
る。
【0012】このようにしてアーチリブ内に軽量・高流
動コンクリートの注入を終了するが,このコンクリート
がリブの内部空間に隙間や空隙なく充填されていること
が肝要である。このためには,材料分離が生ぜず且つ良
好な流動性を有するコンクリートを使用することはもち
ろんのこと,各ブロックごとにおいて充填性を確認する
ことも必要である。この確認のために,空気孔はもとよ
りその他の適切な箇所にコンクリート流出口を設け,そ
の流出口にパイプや透明ホースを取付けて空気の排出を
図るとともに,これらから流出するコンクリートの性状
により充填状況の観察を行う。また,打音により空隙の
有無を確認することも有益である。
【0013】アーチリブ内にコンクリートを充填する
と,その重量増加による基礎構造部6A,6B等の影響
が懸念されるところであるが,補強対象とする鋼管アー
チ橋の地盤から見て,コンクリートを充填したあとの部
材自重が単位容積質量で2.02.5t/m3程度であれ
ば,該基礎構造物に対して殆んど補強を必要としない事
例は数多くあり得る。しかし,このためには,コンクリ
ートの自重を単位容積質量で(硬化状態)1.9t/m3
以下とする必要がある。
【0014】加えて,この軽量化のために軽量骨材を配
合しても,材料分離することなくアーチリブ内を流動す
る良好な流動性,さらには締固めを必要としない自己充
填性を具備し,硬化状態では補強工法に資することがで
きるに十分な強度を発現する軽量・高流動コンクリート
でなければならない。
【0015】従来より,アーチリブ内に軽量・高流動コ
ンクリートを充填した事例がなく,その充填性の評価指
標も不明であるが,前記のような状況から,高い流動
性,材料分離抵抗性,自己充填性,構造体として要求さ
れる圧縮強度が15〜60N/mm2で単位容積質量が
1.4〜1.9t/m3の諸性質を同時に満足することが
少なくとも必要である。
【0016】軽量・高流動コンクリートは,一般に,自
己充填性を有する高流動コンクリート(いわゆるハイパ
フォマンスコンクリート)の技術と,建築分野を中心に
開発されている軽量骨材コンクリートの技術を組み合わ
せればよいとも考えられるが,セメントペーストより密
度の小さい軽量骨材を使用する場合には,流動性を高め
ると材料分離が顕著となるので,本発明工法の適用に
は,特別の配慮が必要である。
【0017】以下に,本発明の載荷金属管の補強工法に
使用する軽量・高流動コンクリートについて説明する。
【0018】まず,軽量骨材とペーストとの材料分離が
発生のを防止しながら高い流動性と自己充填性を満足さ
せるために,モルタル自身の軽量化を図る。すなわち,
軽量粗骨材とモルタル(空気量を含む)の密度差を小さ
くする。実際にはその密度差を0.4g/cm3以下とす
る。そのために次の手法を採用する。 (1) セメントに加えてフライアッシュやシリカフューム
などの密度の小さい粉体を相当量配合してモルタルの密
度を下げる。好ましくは市場で安価に入手できるフライ
アッシュがよい。 (2) 空気量を4〜10%混入してモルタルの密度を下げ
る。 (3) 細骨材の一部もしくは全部を軽量細骨材してモルタ
ルの密度を下げる。
【0019】この手法により,軽量粗骨材との密度差を
殆んどなくすことができ,場合によってはその差を皆無
とすることが可能であり,密度差による分離が生じない
軽量コンクリートとすることができる。
【0020】このほかにも,ペーストの粘性をコントロ
ールすることにより,材料分離抵抗性を向上させ,これ
によって軽量粗骨材の浮き上がりを抑制することもでき
る。このためには, (4) 水粉体容積比を下げてペーストの粘性を調整する。 (5) バイオポリマー系の増粘剤,好ましくはウエランガ
ムを配合してペーストの粘性を調整する。という手法を
採用するのがよい。
【0021】なお,(3) のように「軽量細骨材」を使用
した場合には,モルタル中で材料分離が生ずる,すなわ
ち,モルタル中のペーストと軽量細骨材の密度差によっ
て,軽量細骨材が浮き上がる現象が起きることがある
が,この場合も,前記の (1)〜(2) および (4)〜(5) の
手法を採用することによって,これを抑制することがで
きる。
【0022】次に,軽量骨材を使用しても,構造体とし
ての圧縮強度15〜60N/mm2を安定して確保する
ために, (6) 水結合材比を70%以下とする。 (7) コンクリート中の空気量を10%以下とする。とく
に,セメントに加えて結合材の一部としてフライアッシ
ュやシリカフュームを使用した場合には,これらの粉体
が他の結合材よりも密度が小さくかつポゾラン反応よる
硬化体を形成するので,軽量で強固なコンクリートを得
ることができる。
【0023】ポンプ施工する場合には,その圧によって
軽量骨材の内部空隙に吸水し,圧送中にコンクリートの
流動性が失われることがある。また金属管内への注入距
離が長くなったり圧力充填する場合にも同様の現象が起
きる。このようなことを抑制するために, (8) 配合する前の軽量骨材を十分にプレソーキングまた
はプレウェッテイングして軽量骨材内部の空隙を予め水
で満たしておく。 (9) ウエランガムを添加する。ウエランガムを添加して
おくと,骨材内部の空隙に圧入され難いような自由水
(粘りのある水)がコンクリート中に形成されるので,
圧を受けて軽量骨材が吸水する余地がある場合でも,そ
の吸水を防止できる。
【0024】また,軽量骨材では表面水率や含水率の測
定が複雑になり,このため生コンクリート工場での製造
時にコンクリート中の水量管理が難しく,このために自
己充填性の変動が大きくなる。また,本発明では高い流
動性を付与するために高性能AE減水剤の使用が前提と
なり,この混和剤が温度依存性があるので,外気温やコ
ンクリート温度によってコンクリート性状が変化する。
このようなコンクリート性状の変化を抑制するために, (10)バイオポリマー系の増粘剤(ウエランガム)を添加
する。ウエランガムを添加すると,外気温やコンクリー
ト温度に関わらずペーストの粘性を一定に保つことがで
き,このために高性能AE減水剤の温度依存性も緩和す
ることができる。また,実際の練混ぜに供する軽量骨材
の含水率や表面水率は刻々と変化するが,ウエランガム
の添加によってそのような変化が生じていてもその変化
を緩和することが可能となる。したがって,骨材の性状
管理が煩雑な軽量骨材コンクリートの製造性が非常に良
好となる。
【0025】以上のような (1)〜(10)の処法を採用する
ことによって,高い流動性(スランプフロー値で50c
m以上),材料分離抵抗性,自己充填性,構造体として
要求される圧縮強度16〜60N/mm2の強度,並び
に単位容積質量1.4〜1.9t/m3の軽量性を有し,
製造時の品質変動が少なく,長距離圧送が可能で金属管
等の狭くて長い閉塞空間に圧入施工しても管壁との接合
面に空隙を生ずることなく金属管とコンクリートとを一
体化できる軽量・高流動性コンクリートが得られるの
で,本発明の載荷金属管の補強工法に有利に使用するこ
とができる。
【0026】そのさい,使用する軽量骨材とては,比較
的安価で入手が容易な軽量骨材例えばアサノライトやメ
サライトを使用することができ,ポンプ施工を行う場合
にはこれをプレソーキング,プレウェッテイングする。
ポンプ施工を行わない場合には絶乾もしくは気乾状態の
ものを使用できる。これらの軽量骨材の使用にあたって
肝要なことは,絶乾比重で0.8〜1.3g/cm3程度,吸
水率2〜8%程度の軽量骨材を使用することができる
が,前記のように,軽量粗骨材として配合したときにモ
ルタルとの密度差が0.4g/cm3以下となるように,ま
た軽量粗骨材として配合したときにペーストとの密度差
が0.4g/cm3以下となるようにすることである。
【0027】また,少ない単位水量で高い流動性を維持
するために高性能AE減水剤を使用することが不可欠で
あるが,使用できる高性能AE減水剤としては,市販の
ポリカルボン酸系,メラミンスルホン酸系またはナフタ
レンスルホン酸系のものが使用できる。好ましいのはポ
リカルボン酸系またはナフタレンスルホン酸系のもので
ある。さらに,前記のように空気量を調整するために,
空気量調整剤を配合する。セメント,フライアッシュ,
高炉スラグ微粉末,シリカフューム等の粉体使用量につ
いては,材料分離抵抗性を付与するうえで400〜70
0kg/m3とするのがよい。
【0028】以下に試験例を挙げる。
【0029】試験には表1に使用材料を記した。粗骨材
および細骨材とも軽量骨材である。これらの材料を,表
2に示すコンクリート配合で練り混ぜ,「高流動(1) 」
「高流動(2) 」および「自己充填」の3種類のコンクリ
ートを製造し,そのフレッシュ性状と硬化性状につい
て,表3に示す項目の試験を行った。表4にフレッシュ
性状の測定結果を,表5に硬化性状の測定結果を示し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】表4および表5の結果に見られるように,
各配合のコンクリートとも,本発明で目標としているス
ランプフロー,単位容積質量,空気量および圧縮強度を
満足している。自己充填性については,軽量骨材を用い
た場合の評価試験値が存在しないので,表6として挙げ
た普通骨材を用いた場合の評価試験値(土木学会の「高
流動コンクリート施工指針」のうちの「高流動コンクリ
ートの自己充填性のランクと各評価試験値」を参考にし
て,表4の結果を評価すると,「高流動(1) 」と「高流
動(2) 」のものは,表6の自己充填性のランク3の条件
の一部を満足しない結果となったが,「自己充填」のも
のは,表6の自己充填性のランク3の条件の全てを満足
するものとなった。
【0036】さらに,透明アクリル板を用いて作成した
400×200×高さ1000mmの直方体の型枠を,
傾斜角度30度に傾けた状態で,型枠上面に設けたコン
クリート注入口(90mmφ)から前記のコンクリート
を流し込み,型枠への充填状況を観察したところ,3種
ともすみずみまで充填されたが,「自己充填」のものは
「高流動(1) 」と「高流動(2) 」のものよりも,打設面
がより水平面を保つ状況が観察され,小さい流動勾配で
良好に充填されることがわかった。「高流動(1) 」と
「高流動(2) 」のものも5秒間のバイブレータの使用に
より良好な充填性を得ることができることがわかった。
脱型後の供試体外観を調べると,「自己充填」のものは
気泡がなく角部が鋭角的に充填されていたのに対し,他
の2体では側面に気泡が散見され,「高流動(1) 」では
勾配下側角部に粗骨材が露出している状況が観察され
た。さらに供試体断面を切断して骨材分布を観察したと
ころ,「自己充填」のものは他の2体のものに比べて粗
骨材が一様に分布している状況が観察され,材料分離が
生じていないことが確認された。
【0037】以上の試験結果を参考にして,表6の配合
のコンクリートを現場練りした。使用材料は表1に記載
したものと同じであり,練り混ぜは1バッチ当り1.1
3として4バッチ合わせとした。練り混ぜ手順は,材
料投入(G+S+C+FA)→空練り15秒→混練水投
入(W+Ad)→300秒練り混ぜ→排出とした。生コ
ンクリートの出荷時,アジテータ車で40分間運搬後の
荷降し時,ポンプ圧送後(ポンプ車のブームを床面から
8mの高さに立てて圧送し,ホースの筒先を床面から7
5cm離してその筒先からコンクリート吐出),および
流動後(型枠のコンクリート注入口にホースの筒先を接
続して注入したもの)について,それぞれ試料を採取
し,フレッシュ性状と硬化性状を測定した。その結果を
表7および表8に示した。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】表7および表8の結果は,このコンクリー
トで図1の施工を実施する場合の管理目標値であるスラ
ンプフロー(JSCE−F503)=650±50m
m,500mmフロー到達時間=3〜15秒,空気量
(JISA1116)=6.0±1.5%,単位容積質量
(JISA1116)=1.8t/m3以下,V75漏斗流
下試験(土木学会基準案)=13±5秒,U型充填性試
験(土木学会基準案)=300mm以上(障害R2 ),
圧縮強度(JISA1108)=18N/mm2以上を
コンクリート荷降し時において全て満足した。ポンプ圧
送後では流動性は多少小さくなったが,十分なポンプ圧
送性および自己充填性を有することは前例の試験結果か
ら明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると
鋼管アーチ橋のアーチリブなどのように構造物の荷重を
受けている載荷金属管に対し,載荷状態のままで,その
耐荷性能や耐震性能を向上させることができる。また,
本発明工法は,基礎構造などへの負荷が小さい,振動締
固めを要しない,ポンプ圧送できるなどの点で,施工性
および経済性に優れており,補強を必要とする載荷金属
管を経済的に補強できる点で,建築・土木構造物の保全
に多大の貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の載荷金属管の補強工法を鋼管アーチ橋
のアーチリブに適用する場合の施工例を示す図である。
【図2】図1のアーチリブの左半身部の詳細を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 アーチリブ 2 ブーム式ポンプ車 3 コンクリート打設口 4 空気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 昇 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 柳井 修司 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 北原 稔 千葉県市原市八幡海岸通3番地 Fターム(参考) 2D059 BB31 GG40 2E176 AA07 BB29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の荷重を受けている既設金属管に
    コンクリート打設口を設け,軽量骨材を配合し且つスラ
    ンプフロー値が50cm以上の軽量・高流動コンクリー
    トを前記のコンクリート打設口から該金属管内に注入
    し,コンクリートの打設に伴って管内に存在した空気を
    管外に追い出し,管内空間の実質上全てを単位容積質量
    が1.8t/m3以下の軽量コンクリートで充填すること
    からなる載荷金属管の補強工法。
  2. 【請求項2】 載荷金属管は,鋼管アーチ橋のアーチリ
    ブである請求項1に記載の載荷金属管の補強工法。
  3. 【請求項3】 アーチリブの両裾底部から上方に向けて
    軽量・高流動コンクリートをアーチリブ内に順次打ち継
    ぎ,最後に頂部のアーチクラウン部を該コンクリートで
    充填する請求項2に記載の載荷金属管の補強工法。
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