JP2019065638A - コンクリート、トンネル覆工体およびコンクリートの配合設計方法 - Google Patents

コンクリート、トンネル覆工体およびコンクリートの配合設計方法 Download PDF

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【課題】材料分離し難く、かつ必要な強度を確保し、なおかつ安価に製造することが可能なコンクリート、トンネル覆工体およびコンクリートの配合設計方法を提案する。【解決手段】セメントと、水と、細骨材と、粗骨材とを含有するコンクリートの配合設計方法であって、必要な強度および施工条件に応じたワーカビリティを確保することが可能なコンクリートの基本配合を決定する第一配合工程S1と、基本配合においてペースト中の空気量を増加させることで、基本配合中の単位水量を低下させたコンクリート配合を決定する第二配合工程S2を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート、トンネル覆工体およびコンクリートの配合設計方法に関する。
コンクリートは、固化後に必要な強度を発現するとともに、施工時に必要な施工性を確保できるように配合設計する。例えば、鉄筋が密に配筋されている場合や、狭隘な空間にコンクリートを打設する場合には、流動性が高い配合にする必要がある。また、ポンプ圧送する場合には、材料分離のし難い配合にする必要がある。また、近年は、骨材として砕石や砕砂を使用しているため、形状が不均一な骨材同士が互いに絡み合ってワーカビリティが低下することがないような配合にする必要がある。そのため、フレッシュコンクリートの施工性を確保することを可能とした配合設計方法が多数開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−17583号公報
コンクリートの流動性を高めるために、コンクリートの単位水量を増加させると、コンクリートが分離しやすくなるとともに、ブリーディング量が増加してしまう。
このような観点から、本発明は、材料分離し難く、かつ必要な強度を確保し、なおかつ安価に製造することが可能なコンクリートおよびコンクリートの配合設計方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のコンクリートは、ペースト中の空気の体積が、前記ペースト全体の体積の30%以上(ペースト中の空気の体積を前記ペースト全体の体積で除した値が0.3以上)であることを特徴とする。ここで、ペーストとは、セメントと水とを混合したセメントペーストのほか、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等の潜在水硬性粉体、石灰石微粉末などのセメントと同等ないしはそれ以上の粉末度を持つ材料と水との混合物を含むものとする。
本発明のコンクリートは、骨材中に砕石および砕砂のうちの少なくとも一方を含有していてもよい。また、本発明のコンクリートは、単位水量が150kg/m以下であるのが望ましい。また、コンクリート中の全骨材量に対る細骨材量の絶対容積比を百分率で表した値である細骨材率s/aが45%以下であってもよい。
また、混練直後から90分経過後の空隙体積保持率が、90%以上であるのが望ましい。
さらに、スランプが8cm以上、より好ましくは12cm以上であるのが望ましい。
かかるコンクリートは、従来の普通コンクリートのペースト中の空気量(16〜17%程度)よりもペースト中に多量の空気を含有しているので、少ない水量でも流動性を確保することができる。
すなわち、本発明では、空気によってペーストの体積をかさ増しすることで粗骨材同士の潤滑性確保に必要なペーストの体積を確保している。また、ペースト中の水分の一部が空気によって置換されているため、材料分離し難いコンクリートが生成される。
従来は、流動性を確保する為に水量とセメント量を増加させていたため必要以上の強度が発生していた。例えば、トンネル覆工体に必要な強度は18N/mm程度であるが、流動性の確保を目的として水量およびセメント量を増加させることで、32N/mm程度のコンクリートを使用する場合があった。一方、本発明のコンクリートは、流動性を確保するために必要以上に水量およびセメント量を増加させる必要がないため、適切な流動性を確保するとともに適切な強度を有したコンクリートを製造することができる。
ここで、参考として、単位水量170L、水セメント比55%、コンクリート中の空気量4.5%、セメント量309kgの一般的な普通コンクリートのペースト中の空気量を算出すると、以下の通り、16.7%になる。
単位セメント量:309÷3.1=99.7L(セメント密度=3.1)
ペースト体積:170+99.7=269.7L
単位空気量(コンクリート中の空気量):0.0045m=45L
∴ペースト中の空気量:45/269.7×100%=16.7%
また、本発明のコンクリートの配合設計方法は、セメントと、水と、細骨材と、粗骨材とを含有するコンクリートの配合設計方法であって、必要な強度および施工条件に応じたワーカビリティを確保することが可能なコンクリートの基本配合を決定する第一配合工程と、前記基本配合においてペースト中の空気量を増加させることで前記基本配合中の単位水量を低下させたコンクリート配合を決定する第二配合工程を備えていることを特徴とする。前記第二配合工程では、単位水量とともに前記基本配合中の細骨材率を低下させることができる。また、前記ペースト中の空気量はAE減水剤の添加量により調整する。
かかるコンクリートの配合設計方法によれば、必要な強度等を確保可能な基本配合を決定した後、基本配合においてコンクリート中の水分量の一部を空気に置き換えることで、単位水量を低下させて、材料分離し難いコンクリートの配合を得られる。また、当該配合設計に基づいて製造されるコンクリートは、ペースト中の空気量を増加させているため、必要なワーカビリティも確保できる。なお、空気に置換できる水分量は、基本配合においてワーカビリティを確保するために添加した水分量の一部である。
本発明のコンクリートおよびコンクリートの配合設計方法によれば、材料分離し難く、かつ必要な強度を確保できる。
また、コンクリート中の水分量の一部を空気に置き換えてコンクリート中の単位水量を減らすことで、コンクリート部材の軽量化(簡素化)が可能となり、ひいては、耐震設計上有利な構造を構築することができる。
また、単位水量を減らして軽量化された当該コンクリートをプレキャスト部材に適用すれば、運搬時や施工時の負担を軽減することが可能となる。
また、コンクリート中の単位水量を減らすことで、水を確保し難い場所においてコンクリートを生産する場合に、水を確保するための手間の低減化が可能となる。
また、コンクリート中の単位水量が少なければ、施工時の耐凍害性が向上する。
また、水和反応に必要な水分量を確保したまま、コンクリート中の水分量を空気に置き換えているため、必要な強度(耐久性)を確保することができる。
また、ペースト中の水分を空気に置き換えていることで、時間経過に伴う質量の変化を小さくすること(乾燥収縮を改善すること)が可能となった。
また、ペースト中の空気量を増加させることで、中性化の進行を改善させることができる。
また、ペースト中の空気量を増加させて、単位水量を減らした場合であっても、コンクリート部材の長さ変化及び電気詠動に対して変化は生じない。
また、ペースト中の空気量を増加させることで、ブリーディング率、ブリーディング量ともに低下することが確認でき、ひいては、ポンプ圧送性および圧送後の品質向上を見込むことができる。
また、構造部材ではない箇所のコンクリートの場合には、水とともにセメント量も減少させることもできる。こうすることで、COの排出量を減らすことが可能となる。
本発明の実施形態に係るコンクリート配合設計方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における実施例のスランプの経時変化を示すグラフである。 同実施例のコンクリート中の空気量の経時変化を示すグラフである。 同実施例の各試料のブリーディング率およびブリーディング量の違いを示すグラフである。 同実施例の各試料の圧縮強度およびヤング率を示すグラフである。 同実施例の各試料の質量変化と材齢の関係を示すグラフである。
本実施形態では、トンネルの覆工体を構成するためのコンクリートについて説明する。コンクリートは、セントル内に充填するための流動性を有している。本実施形態のコンクリートは、セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、AE剤等の混和剤とを混合することにより生成されており、ペースト(セメントペースト)中の空気の体積が、ペースト全体の体積の30%以上となるように配合する。
本実施形態では、骨材として、砕石および砕砂を使用する。また、コンクリート中の全骨材量に対する細骨材量の絶対容積比を百分率で表した値である細骨材率は45%以下とする。なお、骨材を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、砕石および砕砂のうちのいずれか一方のみを使用してもよい。
また、一般的なコンクリートの単位水量が175〜185kg/mであるのに対し、本実施形態のコンクリートの単位水量は、150kg/m以下であっても水和反応に必要な水分を確保できる。コンクリートの単位水量を150kg/m以下にすることで、材料分離し難く、かつ、ブリーディング量を抑えたコンクリートを生成することができる。なお、コンクリートの単位水量として、「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事」(日本建築学会)では、最大単位水量を185kg/m(水セメント比=65%(標準)、55%(長期))としている。また、「コンクリート標準示方書」(土木学会)では、単位水量上限を175kg/mとしている(水セメント比65%以下、コンクリート中の空気量4〜7%)。
また、本実施形態は、一般的なコンクリートでと同様に目標スランプを8cm以上として配合を決定している。
さらに、本実施形態では、AE剤の添加量を調整することで、混練直後から90分経過後の空気体積保持率が、90%以上になるようにする。
本実施形態のコンクリートの配合設計は、図1に示すように、第一配合工程S1と、第二配合工程S2とを備えている。
第一配合工程S1では、コンクリートの基本配合を決定する。基本配合は、トンネルの覆工体として必要な強度を確保するとともに、セントル内に充填するために必要なワーカビリティを確保することが可能な配合とする。
まず、基本配合の設計に必要な条件を設定する(準備作業S11)。設計条件は、コンクリート部材の設計強度等の特性値や、コンクリートの打設箇所の施工条件(配筋や、打設空間の大きさ等)等に基づいて設定する。
次に、コンクリートの仮配合を決定する(仮配合決定作業S12)。仮配合決定作業S12では、経験則に基づいて、コンクリート部材の特性値に応じた水セメント比、施工条件に応じたワーカビリティ等とともに、細骨材率と単位水量を決定する。
続いて、仮配合決定作業S12において設定した細骨材率が最適細骨材率になるように調整する(骨材調整作業S13)。
そして、コンクリートが所定のスランプ(目標スランプ:8cm以上、より好ましくは12cm以上)を確保できるように、単位水量を調整すると、基本配合が決定する(単位水量調整作業S14)。このとき、セントルにコンクリートを打設する際の圧送性と、セントル内への充填性を確保できるようにする。なお、基本配合におけるコンクリート中の空気量は、ペースト全体の体積に対する空気の割合(ペースト中の空気量)が16%程度(コンクリート全体の体積に対する空気の割合(コンクリート中の空気量):約4.5%)である。
第二配合工程S2では、基本配合において、ペースト中の水分量の一部を空気に置き換えることで、基本配合中の単位水量を低下させたコンクリート配合を決定する。すなわち、第二配合工程S2では、強度発現性とワーカビリティ(流動性および材料分離抵抗性)に着目しての水を空気に置換して、単位水量を低下させる。
ペースト中の空気量の体積は、ペースト全体の体積に対して、30%以上、好ましくは40〜51%に設定する。また、コンクリート中の空気量を増加させるとともに、所定のスランプ(8cm以上、より好ましくは12cm以上)を維持させた状態で、基本配合中の単位水量と細骨材率を下げる。本実施形態では、AE減水剤の添加量により調整する。また、必要に応じてセメント量等も調整して、所望の強度(例えば、材齢28日圧縮強度が18N/mm以上)を確保する。
本実施形態のコンクリートによれば、従来の普通コンクリートよりもペースト中に多量の空気を含有しているので、少ない水量でも流動性を確保することができる。流動性を確保するためには、骨材同士が互いに干渉することなく回転または移動することができるスペース(ペースト体積)が必要である。本実施形態のコンクリートは、空気によってペーストの体積をかさ増しすることで粗骨材同士の潤滑性確保に必要なペーストの体積を確保している。また、ペースト中の余分な水分(流動性を確保するための水分の一部であって、水和反応に必要な水分以外の水分)が空気によって置換されているため、材料分離し難いコンクリートが生成される。したがって、本実施形態のコンクリートによれば、普通コンクリートとして必要な強度を確保しつつ、施工に必要な流動性を確保し、なおかつ、材料分離や乾燥収縮ひび割れなどを抑制することができる。ここで、コンクリート(高流動コンクリート)のペースト中の水分には、セメントの水和反応に必要なものと、流動性を確保するためのものがあり、このうち、流動性を確保するための水分は、コンクリートの硬化過程では材料分離の基となり、硬化後は耐久性低下を招く恐れがある。また、混練後90分以上経過した後でも、90%以上のコンクリート中の空気量(混練直後のコンクリート中の空気量A/混練後90分経過後のコンクリート中の空気量A>90%)を保持できる配合にすることで、コンクリートの施工性および耐久性を確保している。ここで、Aは、混練直後に測定したコンクリート中の空気量であり、Aは、混練後容器(いわゆるトロ舟)内で所定時間(90分間)静置した後、撹拌してから測定したコンクリート中の空気量である。
また、コンクリート中の空気量を増加させることで、コンクリート部材の軽量化を図ることが可能となる。
[実施例1]
以下、本実施形態のコンクリートの性状を確認するために実施した実験結果について説明する。本実験では、ペースト(セメントペースト)全体の体積に対して、ペースト中の空気量の体積が31%(試料1)、40%(試料2)、51%(試料3)の試料を作成し、各試料のスランプおよびペースト中の空気量の経時変化、ブリーディング率を計測した。また、比較例(試料A)として、通常の配合の普通コンクリート(ペースト中の空気量16%)についても同様に測定を行った。
各試料の配合を、表1に示す。
Figure 2019065638
図2に示すように、ペースト中の空気量を増加させた各配合(試料1〜3)は、混練後90分経過しても、試料A(普通コンクリート)と同等のスランプを確保できる結果となった。したがって、ペースト中の水分を空気に置き換えた場合であっても、ワーカビリティが低下しないことが確認できた。
また、図3に示すように、各配合(試料1〜3、A)は、混練後90分経過しても、90%程度(L91〜L93、L9A)以上のコンクリート中の空気量を保持できた。コンクリート中の空気量を保持することで、ワーカビリティを保持し、ひいては、圧送時等のコンクリート打設時の施工性を確保することができる。なお、図3中の破線L91、L92,L93及びL9Aは、各配合の混練直後(0分)のコンクリート中の空気量に対する90%の空気量を示している。
さらに、図4に示すように、試料1と試料Aとを比較すると、ブリーディング率、ブリーディング量ともに大きな変化はなかった。そのため、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させても、ポンプ圧送性および圧送後の品質が大幅に低下しないことが確認できた。また、試料2,3は、試料Aと比較して、ブリーディング率、ブリーディング量ともに低下することが確認できた。そのため、ペースト中の空気量を40%以上に増加させることで、ポンプ圧送性および圧送後の品質向上を見込むことができる。
一方、各試料について、材齢7日および28日の圧縮強度およびヤング率を測定したところ、図5に示すように、実施例(試料1〜3)は、比較例(試料A)に比べて強度が低下することがないことが確認できた。したがって、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させた場合であっても、コンクリート部材として必要な強度を確保できることが確認できた。
また、各試料(試料1〜3)について、質量の変化を測定したところ、図6に示すように、比較例(試料A)よりも変化が小さいことが確認できた。このことから、ペースト中の空気量を増加させることで、乾燥収縮が改善されることが分かる。
コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させた各配合(試料1〜3)について、材齢0〜91日の長さ変化と、電気泳動を測定したところ、表2、3に示すように、試料A(普通コンクリート)と略変わらない結果となった。したがって、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させて単位水量を減らした場合であっても、長さ変化および電気泳動に対して従来のコンクリートと同等の配合となることが確認できた。
一方、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させた各配合(試料1〜3)について、経過時間28日と56日の中性化深さを測定したところ、中性化の進行は確認できなかった。したがって、中性化が進行する従来のコンクリート(試料A)に比べて、改善されることが確認できた。
Figure 2019065638
Figure 2019065638
Figure 2019065638
[実施例2]
練上がり時のスランプが18cmになるように配合された、コンクリート中の空気量が10%以上のコンクリート(試料4)のコンクリート性状を確認した実験結果について説明する。当該コンクリート(試料4)の配合を表5に示す。なお、表5における試料Bは、比較例として、コンクリート中の空気量が4.5%で、かつ、練り上がり時のスランプが18cmになるように配合されたコンクリートである。
Figure 2019065638
表6には、試料4および試料Bの圧縮強度およびヤング率を示す。また、表7に、試料4のスランプ、コンクリート中の空気量、単位容積質量および温度の経時変化を示す。さらに、表8に試料4および試料Bの中性化試験結果を示す。
試料Bでは、流動性の確保を目的とした水量の増加に対する材料分離抵抗性を確保するためにセメント量を増加させているため(表5参照)、必要以上にコンクリートの強度が増加してしまう(表6参照)。一方、試料4は、セメント量および水量を減らしているため(表5参照)、フレッシュ性状(スランプ)が同等の試料Bに比べて低い強度のコンクリートを製造することができる(表6参照)。すなわち、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させることで、トンネル覆工体用や、空隙充填用のコンクリートとしてのフレッシュ性および強度を確保したコンクリートを配合できることが確認できた。一方、コンクリート中の空気量を変化させることなくフレッシュ性を確保しようとすると、コンクリートの強度を必要以上に増加させることになり、その結果、材料費が増加する。
表7に示すように、試料4は、練上がり90分後であっても、コンクリート中の空気量、単位容積質量および温度に大幅な変化が生じない。そのため、コンクリート中(ペースト中)の空気量を増加させることで、トンネル覆工体の施工におけるセントルを利用したコンクリート打設等において、打設不良が生じ難いことが確認できた。
表8に示すように、試料Bと比較して、ペースト中の空気量を増加させる試料4の配合によって中性化深さが改善されることが確認できた。
Figure 2019065638
Figure 2019065638
Figure 2019065638
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、トンネルの覆工体を構成するコンクリートについて説明したが、コンクリートの用途は限定されるものではない。例えば、高密度配筋の壁部材や、大体積部材等に適用してもよい。また、コンクリートの配合(空気量や細骨材率等)は、施工条件やコンクリートの用途等に応じて適宜決定すればよい。
前記実施形態では、基本配合のペースト中の空気量を増加させるとともに、単位水量を減少させることで、コンクリートの強度を低下させることなく、材料分離し難く、施工性に優れたコンクリートを製造する場合について説明したが、コンクリートの用途等に応じて、セメント量を変化させてもよい。すなわち、例えば間詰め材等、構造部材ではない箇所のコンクリートの場合には、水とともにセメント量も減少させることで、材料分離し難く、かつ、施工性に優れ、なおかつ、コスト削減を可能としたコンクリートを配合してもよい。
前記実施形態では、ペーストがセメントペーストである場合について説明したが、ペーストは、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等の潜在水硬性粉体を含むものであってもよい。
S1 第一配合工程
S2 第二配合工程

Claims (10)

  1. ペースト中の空気の体積が、前記ペースト全体の体積の30%以上であることを特徴とする、コンクリート。
  2. 砕石および砕砂のうちの少なくとも一方を含有していることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート。
  3. 単位水量が150kg/m以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のコンクリート。
  4. 細骨材率が45%以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコンクリート。
  5. 混練直後から90分経過後の空隙体積保持率が、90%以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンクリート。
  6. スランプが8cm以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコンクリート。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のコンクリートを打設してなることを特徴とする、トンネル覆工体。
  8. セメントと、水と、細骨材と、粗骨材とを含有するコンクリートの配合設計方法であって、
    必要な強度および施工条件に応じたワーカビリティを確保することが可能なコンクリートの基本配合を決定する第一配合工程と、
    前記基本配合において、前工程で得たワーカビリティを確保される範囲でペースト中の空気量を増加させることで、前記基本配合中の単位水量を低下させたコンクリート配合を決定する第二配合工程を備えていることを特徴とする、コンクリートの配合設計方法。
  9. 前記第二配合工程において、前記基本配合中の細骨材率を低下させることを特徴とする、請求項8に記載のコンクリートの配合設計方法。
  10. 前記ペースト中の空気量は、AE剤の添加量により調整することを特徴とする、請求項8または請求項9に記載のコンクリートの配合設計方法。
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