JP5418524B2 - 楽曲データ修正装置 - Google Patents
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Description
この種のカラオケ装置で演奏される一般的な楽曲には、当該カラオケ装置の利用者が歌唱する区間であって、歌詞が割り当てられた歌唱区間と、利用者が歌唱しない区間であって、歌詞が割り当てられていない非歌唱区間とが設けられている。
そこで、本発明は、カラオケ装置にて演奏される楽曲が歌いやすくなるように楽曲データを修正する技術を提供することを目的とする。
本発明の楽曲データ修正装置では、楽曲データ取得手段が、少なくとも1種類の楽器の音を出力可能なカラオケ装置にて演奏される楽曲を表す楽曲データを取得する。ただし、楽曲データは、該楽曲にて歌唱されるべき旋律を表す少なくとも一つのメロディラインの演奏を担当する各楽器の音であるメロディ楽器音、該メロディラインに対する少なくとも一つの副次的な旋律の演奏を担当する各楽器の音であるハーモニー伴奏楽器音、及び該楽曲のリズムを刻む楽器の音であるリズム楽器音について、それぞれ、個々の楽音の音高、及び演奏開始タイミングが規定された楽譜トラックを有している。
そして、本発明におけるデータ修正手段は、対象楽譜トラックに規定された楽音の音域の代表値である対象代表値が、対象音域における音域の代表値である音域代表値よりも高ければ、当該対象楽音の音高が修正前よりも高くなるように変更し、対象代表値が音域代表値よりも低ければ、当該対象楽音の音高が修正前よりも低くなるように変更しても良い(請求項4)。
なお、ここで言う音域の代表値とは、音域を代表する値であり、例えば、音域の中心値(重心)でも良いし、音域の下限値でも良いし、音域の上限値でも良い。
なお、本発明の楽曲データ修正装置においては、メロディラインとして、各々が異なる少なくとも二以上の旋律のそれぞれである歌唱旋律を含み、メロディ楽器音に対応する楽譜トラックが、歌唱旋律のそれぞれに対応して少なくとも二つ規定されていても良い。
[第一実施形態]
本発明が適用された楽曲データ修正装置は、カラオケ装置にて演奏される楽曲を表す楽曲データを修正する装置である。以下、楽曲データ修正装置にて修正した楽曲データを修正楽曲データと称す。
〈カラオケ装置について〉
図1に示すように、カラオケ装置10は、通信部11と、入力受付部12と、表示部13と、音声入力部14,15と、音声出力部16と、音源モジュール17と、記憶部18と、制御部20とを備えている。
入力受付部12は、外部からの操作に従って情報や指令の入力を受け付ける入力機器(例えば、リモートコントローラ)である。表示部13は、画像を表示する表示装置(例えば、液晶ディスプレイやCRT等)である。また、音声入力部14、15は、それぞれ、音声を電気信号に変換して制御部20に入力する装置(いわゆるマイクロホン)である。音声出力部16は、制御部20からの電気信号を音声に変換して出力する装置(いわゆるスピーカ)である。
〈MIDIアレンジ処理について〉
次に、制御部20が実行するMIDIアレンジ処理について説明する。
このMIDIアレンジ処理は、入力受付部12を介して起動指令が入力されると、実行が開始されるものである。
具体的には、音高が最低音高mpminよりも予め規定された音高α分低い音高を、音域最低値spminとして、音高が最高音高mpmaxよりも予め規定された音高α分高い音高を、音域最高値spmaxとして特定する。そして、それらの特定した音域最低値spminから音域最高値spmaxまでの音高範囲(ノートナンバーの範囲)を、対象音域として特定する。なお、音高αは、例えば、聴覚フィルタの半分の幅に対応する音高とすれば良い。
実施形態においては、ハーモニー伴奏楽器に対応する全ての楽譜トラックの中で、予め規定した規定条件を満たす楽譜トラックを、それぞれ、対象楽譜トラックとして特定する。実施形態における規定条件とは、ハーモニー伴奏楽器に対応する1つの楽譜トラックに規定されている全ての楽音のうち、音高が対象音域内に含まれる楽音(以下、特定楽音とする)の割合が予め規定された規定割合以上であることである。
〈シフト量導出処理について〉
次に、MIDIアレンジ処理のS150にて実行されるシフト量導出処理について説明する。
この図5に示すように、シフト量導出処理が起動されると、まず、対象音域の代表値(以下、音域代表値とする)spcを導出する(S210)。この音域代表値spcは、具体的には、下記(1)式に従って導出される。
シフト量導出処理の後に移行するMIDIアレンジ処理のS160では、対象楽譜トラックそれぞれに対し、シフト量導出処理で導出されたシフト量kiに基づいて、対象楽譜トラックに規定された全楽音(即ち、対象楽音)の音高を変更する。
以上説明したように、カラオケ装置10では、取得楽曲データを構成する楽譜トラックの中で、ハーモニー伴奏楽器音に対応する楽譜トラックを特定し、その特定した楽譜トラックのそれぞれが規定条件を満たすか否かを判定する。この判定の結果、規定条件を満たす楽譜トラック(即ち、対象楽譜トラック)については、対象音域に重なる楽音が低減するように、当該楽譜トラックに規定された楽音の音高を、オクターブ単位でシフトして楽曲データを修正する。ただし、規定条件とは、楽譜トラックに規定されている全ての楽音の音高についての度数分布において、当該楽譜トラックに規定された全楽音の度数の総計に対して特定楽音の度数の総計が占める割合が、規定割合以上となることである。
[第一実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態のMIDIアレンジ処理によって生成される修正楽曲データは、音高がメロディ音域内に含まれるハーモニー伴奏楽器音を低減できる。
[第一実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
上記第一実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
〈MIDIアレンジ処理について〉
次に、本実施形態におけるMIDIアレンジ処理について説明する。
本実施形態におけるMIDIアレンジ処理は、入力受付部12を介して起動指令が入力されると、実行が開始されるものである。
本実施形態のS460では、具体的に、S450にて導出した瞬時音高周波数vf0tを、下記(4)式に代入して、瞬時音高差dntを導出する。ただし、添え字tは、1つの単位区間に含まれる単位時間(t=1〜m)を表し、n0tは、当該単位区間における楽音の各単位時間での音高を表す。
具体的に本実施形態のS470では、第一実施形態における対象音域と同様、最低音高mpminよりも予め規定された音高α分低い音高を、音域最低値spminとして、最高音高mpmaxよりも予め規定された音高α分高い音高を、音域最高値spmaxとして特定する。そして、その特定した音域最低値spminから音域最高値spmaxまでの音高範囲(以下、基準範囲とする)を音高差分DNに基づいて補正した音高範囲を、対象音域として特定する。
一方、音高差分DNに基づく補正のうち、後者の方法の場合、(8)式に基づいて、新たな音域最低値spmin'を導出し、(9)式に基づいて、新たな音域最高値spmax'を導出する。ただし、本実施形態においては、(8)式で導出される音域最低値spmin'が最低音高mpminより高い音高である場合、最低音高mpminを音域最低値spmin'とし、(9)式で導出される音域最高値spmax'が最高音高mpmaxよりも低い音高である場合、最高音高mpmaxを音域最高値spmax'とする。
すなわち、この方法では、図10(A)に示す基準範囲を音高差分DNシフトすることで、図10(B)に示す対象音域が特定される。
[第二実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態のMIDIアレンジ処理によれば、取得楽曲データに基づく楽曲の演奏中に、当該楽曲を修正することができる。
[第二実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
上記第二実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
〈MIDIアレンジ処理について〉
次に、本実施形態におけるMIDIアレンジ処理について説明する。
本実施形態におけるMIDIアレンジ処理は、入力受付部12を介して起動指令が入力されると、実行が開始されるものである。
そして、楽曲データに基づいて、対象楽曲が演奏されるように、再生演奏処理を制御部20に実行させる再生指令を出力する(S640)。この再生指令によって実行される再生演奏処理は、少なくとも楽曲データ(ここでは、取得楽曲データ、及び後述するS730で生成される修正楽曲データのうちの一方)を読み込み、その読み込んだ楽曲データに対応する特定楽曲の演奏を実行し、演奏音を音声出力部16から放音すると共に、歌詞データに基づく歌詞を表示部13に表示する周知の処理である。ただし、本実施形態における再生演奏処理では、楽曲データを、対象楽曲の時間軸に沿って予め規定された単位区間毎に読み込み、特定楽曲の演奏を単位区間毎に実行可能とされている。
具体的に本実施形態のS690では、S670で推定された第一歌声音高vf01と、当該第一歌声音高vf01に対応する楽音、即ち、ガイドメロディを形成し、当該単位区間に相当する楽音の音高n01との音高差(以下、第一中間差分と称す)DNmを導出する。これと共に、S680で推定された第二歌声音高vf02と、当該第二歌声音高vf02に対応する楽音、即ち、コーラス旋律を形成し、当該単位区間に相当する楽音の音高n02との音高差(以下、第二中間差分と称す)DNcを導出する。
ただし、本実施形態において、第一中間差分DNmを導出する方法及び第二中間差分DNcを導出する方法のそれぞれは、第二実施形態のMIDIアレンジ処理におけるS460で音高差分DNを導出する方法と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
ここで、図14は、本実施形態において、対象音域を特定する手法を示した説明図である。
続いて、対象楽譜トラックを全て特定する(S710)。この対象楽譜トラックを特定する方法は、第二実施形態のMIDIアレンジ処理におけるS480、及び第一実施形態のMIDIアレンジ処理におけるS140と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
このS740での判定の結果、全ての楽音について、演奏が完了していなければ(S740:NO)、S650へと戻る。ただし、再生演奏処理では、現サイクルにて読み込んだ単位区間の次の単位区間について楽曲データを読み込み、特定楽曲を演奏する。このとき読み込まれる楽曲データは、S730にて生成された修正楽曲データであり、その修正楽曲データが有する規定条件を満たすハーモニー伴奏楽器音は、先のS730にて音高がシフトされたものである。
[第三実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態のMIDIアレンジ処理によれば、複数人が特定楽曲を歌唱した場合に、特定楽曲のメロディラインを構成する楽音の音高を、より正確に歌唱できない歌唱者が発した声の音高に応じて、音域最低値及び音域最高値を規定することができる。
[第三実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
上記第三実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (8)
- 少なくとも1種類の楽器の音を出力可能なカラオケ装置にて演奏される楽曲を表し、該楽曲にて歌唱されるべき旋律を表す少なくとも一つのメロディラインの演奏を担当する各楽器の音であるメロディ楽器音、該メロディラインに対する少なくとも一つの副次的な旋律の演奏を担当する各楽器の音であるハーモニー伴奏楽器音、及び該楽曲のリズムを刻む楽器の音であるリズム楽器音について、それぞれ、個々の楽音の音高、及び演奏開始タイミングが規定された楽譜トラックを有した楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
少なくとも前記楽曲データ取得手段で取得した楽曲データに基づいて、前記メロディ楽器音に対応する楽譜トラックに規定された楽音の最低音高から最高音高までの音高範囲であるメロディ音域を含むように規定された音域最低値から音域最高値までの音域である対象音域を特定する対象音域特定手段と、
前記ハーモニー伴奏楽器音に対応する各楽譜トラックに規定された楽音の中で、音高が、前記対象音域特定手段で特定された対象音域内である特定楽音を特定し、その特定した特定楽音を少なくとも含む楽音である対象楽音を特定する対象楽音特定手段と、
前記対象音域との重なりが低減するように、前記対象楽音特定手段で特定された対象楽音の音高をオクターブ単位で変更することで、前記楽曲データ取得手段で取得した楽曲データを修正した修正楽曲データを生成するデータ修正手段と
を備えることを特徴とする楽曲データ修正装置。 - 前記対象楽音特定手段は、
前記ハーモニー伴奏楽器音に対応する個々の楽譜トラックに規定された全楽音のうち、前記特定楽音の占める割合が予め規定された規定割合以上である楽譜トラックそれぞれを表す対象楽譜トラックを特定し、その特定した対象楽譜トラックに規定された全ての楽音を、前記対象楽音とすることを特徴とする請求項1に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記データ修正手段は、
前記修正楽曲データにおける対象楽譜トラックに規定された全楽音のうち、前記特定楽音が占める割合が、予め規定された特定割合以下となるまで繰り返し、前記修正楽曲データを生成することを特徴とする請求項2に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記データ修正手段は、
前記対象楽譜トラックに規定された楽音の音域の代表値である対象代表値が、前記対象音域における音域の代表値である音域代表値よりも高ければ、前記対象楽音の音高が修正前よりも高くなるように変更し、前記対象代表値が前記音域代表値よりも低ければ、前記対象楽音の音高が修正前よりも低くなるように変更することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記楽曲データ取得手段で取得した楽曲データ、及び前記データ修正手段で修正された修正楽曲データのうちの少なくとも一方に基づいて、該楽曲データ及び該修正楽曲データのうちの少なくとも一方に対応する楽曲である特定楽曲を演奏する楽曲演奏手段と、
前記楽曲演奏手段での特定楽曲の演奏中に入力される音声の波形を表す音声波形データを取得する音声データ取得手段と、
少なくとも、前記音声データ取得手段で取得した音声波形データに基づいて、前記特定楽曲に規定された少なくとも1つの時間長である単位時間における前記音声の音高を表す歌唱音高を特定する音高特定手段と、
前記音高特定手段で特定された歌唱音高と、前記メロディ楽器音に対応する楽譜トラックに規定され、かつ該単位時間に対応する楽音の音高との差分である音高差分を導出する音高差分導出手段と
を備え、
前記対象音域特定手段は、
前記音高差分導出手段で導出した音高差分に基づいて、前記音域最低値及び前記音域最高値を規定することを特徴とする請求項1に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記メロディラインとして、各々が異なる少なくとも二以上の旋律のそれぞれである歌唱旋律を含み、
前記メロディ楽器音に対応する楽譜トラックは、前記歌唱旋律のそれぞれに対応して少なくとも二つ規定されており、
前記音声データ取得手段は、
各歌唱旋律に対して歌唱した音声の波形を表す音声データを、それぞれ、前記音声波形データとして取得し、
前記音高特定手段は、
前記音声データのそれぞれに基づいて、各音声の音高を表す音声音高を、前記歌唱音高として特定し、
前記音高差分導出手段は、
前記音声音高のそれぞれと、該音声音高に対応する歌唱旋律の楽譜トラックに規定され、かつ該音声音高における単位時間に対応する楽音それぞれの音高との差分それぞれを表す中間差分を導出し、その導出された中間差分の中で、絶対値が最大である中間差分を前記音高差分として導出することを特徴とする請求項5に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記音域最低値として前記最低音高よりも低い音高が、前記音域最高値として前記最高音高よりも高い音高が、予め規定されており、
前記対象音域特定手段は、
前記音域最低値が、前記音高差分の大きさに比例してより低い音高となるように、新たな音域最低値を規定し、
前記音域最高値が、前記音高差分の大きさに比例してより高い音高となるように、新たな音域最高値を規定する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の楽曲データ修正装置。 - 前記音域最低値として前記最低音高よりも低い音高が、前記音域最高値として前記最高音高よりも高い音高が、予め規定されており、
前記対象音域特定手段は、
前記音域最低値から前記音高差分シフトした音高を、新たな音域最低値として規定し、
前記音域最高値から前記音高差分シフトした音高を、新たな音域最高値として規定する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の楽曲データ修正装置。
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