JP5416385B2 - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚染性に優れる塗料組成物に関する。
自動車車体等の被塗物に塗装される塗料には、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性、仕上り性等の塗膜性能に優れることが要求されている。
従来、上記被塗物用の塗料として、メラミン架橋系塗料が汎用されている。メラミン架橋系塗料は、水酸基含有樹脂及び架橋剤であるメラミン樹脂を含有する塗料であり、加熱硬化時の架橋密度が高く、耐擦り傷性、仕上り性等の塗膜性能に優れている。しかし、この塗料には、メラミン架橋結合が酸性雨により加水分解され易く、塗膜の耐酸性が劣るという問題がある。
特開平6−220397号は、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有オリゴエステル及びイソシアネートプレポリマーからなる二液型ウレタン架橋系塗料組成物を開示している。この塗料は、ウレタン架橋結合が加水分解され難いため塗膜の耐酸性に優れる。しかし、塗膜の耐擦り傷性は不十分である。
特開平6−220397号公報
本発明の目的は、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性、仕上り性のいずれにも優れる硬化塗膜を形成することができる塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、特定の水酸基価及び平均分子量を有する水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物、並びにポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して得られた反応生成物(a)のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる特定範囲の水酸基価及び数平均分子量の反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物により上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物とを水酸基過剰の条件でウレタン化反応してなる反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させてなる水酸基価40〜180mgKOH/gで且つ数平均分子量1000〜5000である反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として上記記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
特定の水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物並びに特定のポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して得られた反応生成物(a)のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる反応生成物(C)を含有する本発明の塗料組成物によれば、反応生成物(C)が水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物との相溶性が良好であることから、仕上り性の良好な塗膜を得ることができる。
また、反応生成物(C)により機械的強度等の塗膜物性を向上させることができ、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物の、又は反応生成物(C)とポリイソシアネート化合物の反応によるウレタン架橋結合、及び反応生成物(C)のカーボネート結合が酸による耐加水分解性に優れることから、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性等のいずれにも優れた硬化塗膜を形成することができるという効果を奏することができる。
以下、本発明の塗料組成物(以下、「本塗料」ということがある。)及び複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる水酸基価40〜180mgKOH/g及び数平均分子量1000〜5000の反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物である。
水酸基含有樹脂(A)
本発明の塗料組成物の水酸基含有樹脂(A)は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000の水酸基含有樹脂である。
水酸基含有樹脂(A)は水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000の範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂などをあげることができ、好ましいものとして、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂及び水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和単量体(M−1)及びその他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)を常法により共重合せしめることによって製造することができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)は、1分子中に水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物であり、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用するものである。該単量体としては、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。また、上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物としては他にε−カプロラクトンを開環縮合させた化合物、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等を挙げることができる。
上記のうち、炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体(1a)を、塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(1a)を構成成分とすることにより、得られる塗膜の高架橋密度化を図ることができることから、塗膜の耐擦り傷性向上の効果を得ることができる。
炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体としては、
例えば、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環縮合させた化合物などをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物
としては、具体的には上記したもののうち、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環縮合させた化合物としては、具体的には上記したもののうち、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFM−3」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等をあげることができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合は、単量体混合物全量に基づいて20〜50質量%、特に、25〜45質量%の範囲内であるのが好ましい。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合が20質量%未満となると、硬化塗膜の架橋が不十分となって、所定の耐擦り傷性が得られにくくなる場合がある。一方、50質量%を超えると、その他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)との相溶性や共重合反応性が低下し、さらに得られた水酸基含有アクリル樹脂の他成分(ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C))との相溶性が低下することにより、塗膜の仕上り外観が低下する場合がある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
その他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)は、上記水酸基含有不飽和単量体(M−1)以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下(1)〜(8)に列挙する。
(1)酸基含有不飽和単量体:1分子中に1個以上の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸などの如きカルボキシル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどの如きスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系不飽和単量体などを挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記酸基含有不飽和単量体は(A)成分が架橋剤と架橋反応する時の内部触媒としても作用することができるものであり、その使用量は水酸基含有アクリル樹脂を構成するモノマー混合物全量に基づいて、0〜5質量%、特に、0.1〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート,tert−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
上記のうち、炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体(2a)を塗膜の耐汚染性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(2a)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、極性が低下することから、表面の平滑化による仕上り性の向上及び耐水性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基の代表例としては、イソボルニル基、トリシクロデカニル基及びアダマンチル基などを挙げることができる。
炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート等を挙げることができる。
炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等をあげることができる。
単量体(2a)を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
また、上記のうち、分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体(2b)を塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(2b)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTg及び極性が低下することから、柔軟性付与による塗膜の耐擦り傷性の向上及び表面の平滑化による仕上り性の向上効果を得ることができる。また、分岐構造を有していることから、直鎖状の炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体を構成成分とする場合にくらべて塗膜のTgの低下を抑えることができるため、耐酸性の向上の観点からも有利である。
分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)をあげることができる。
単量体(2b)を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(3)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等。これらのうち好ましいアルコキシシラン基含有不飽和単量体として、ビニルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構成成分とすることにより、水酸基とイソシアネート基との架橋結合に加え、アルコキシシラン基同士の縮合反応及びアルコキシシラン基と水酸基の反応による架橋結合を生成することができる。それにより、得られる塗膜の架橋密度が向上することから、耐酸性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。
アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜35質量%の範囲内であるのが好ましい。
(4)芳香族系不飽和単量体:例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
芳香族系不飽和単量体を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、また、高屈折率で疎水性の塗膜を得ることができることから、塗膜の光沢向上による仕上り性の向上、耐水性および耐酸性の向上という効果を得ることができる。
芳香族系不飽和単量体を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(5)グリシジル基含有不飽和単量体:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(6)窒素含有不飽和単量体:例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等。
(7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサティック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらのその他のビニルモノマー(M−2)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得ることができる。
耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚染性の塗膜性能と塗膜の仕上り性のいずれにも優れた塗料組成物とするための水酸基含有アクリル樹脂として、以下の組成の単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有含有アクリル樹脂を特に好ましいものとしてあげることができる。
1.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)水酸基含有不飽和単量体20〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜60質量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(α)。
2.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体3〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜77重量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(β)。
上記単量体混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得るための共重合方法は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の共重合方法を用いることができるが、なかでも有機溶剤中にて、重合開始剤の存在下で重合を行なう溶液重合法を好適に使用することができる。
上記溶液重合法に際して使用される有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、高沸点石油系溶剤)などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができるが、本塗料に使用される水酸基含有アクリル樹脂は高い水酸基価を有するため、樹脂の溶解性の点から高沸点のエステル系溶剤、ケトン系溶剤を使用することが好ましい。また、さらに高沸点の芳香族系溶剤を好適に組合せて使用することもできる。
水酸基含有アクリル樹脂の共重合に際して使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのそれ自体既知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、架橋密度が低いために耐擦り傷性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。数平均分子量も上記と同様の条件で測定を行なった値である。
水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)として用い得る水酸基含有ポリエステル樹脂は、常法により、例えば、多塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応によって製造することができる。該多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられ、また、該多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフェノールA等のジオール類、およびトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のポリオール成分、並びに、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステ)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて、これらの化合物をポリエステル樹脂に導入しても良い。
ポリエステル樹脂へカルボキシル基を導入する場合、例えば、水酸基含有ポリエステルに無水酸を付加し、ハーフエステル化することで導入することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合があり、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
また、水酸基含有樹脂(A)には、いわゆるウレタン変性アクリル樹脂及びウレタン変性ポリエステル樹脂も包含される。
水酸基含有ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
ポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの3価以上のアルコールなどをあげることができる。高分子量のものとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどをあげることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどをあげることができる。また、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ポリオールも使用することができる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;などを挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合が、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)は単独で又は2種以上を併用して使用することができ、水酸基含有樹脂(A)としては、水酸基含有アクリル樹脂又は水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(B)
本発明の塗料組成物のポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、従来からポリウレタンの製造に使用されているものを使用することができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体などをあげることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどをあげることができる。
また、ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビュウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDIなどをあげることができる。
これらポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネート化合物のうち、耐擦り傷性、耐候性等の観点から、脂肪族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体を好適に使用することができる。
また、ポリイソシアネート化合物として、上記した1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした化合物であるブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、例えば、100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱することにより、イソシアネート基が再生し、水酸基と容易に反応することができる。かかるブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系などのブロック剤を挙げることができる。
ブロック化を行なう(ブロック剤を反応させる)にあたっては、必要に応じて溶剤を添加して行なうことができる。ブロック化反応に用いる溶剤としてはイソシアネート基に対して反応性でないものが良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、N−メチルピロリドン(NMP)のような溶剤をあげることができる。
ポリイソシアネート化合物(B)は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
反応生成物(C)
本塗料の反応生成物(C)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物とを水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる水酸基価40〜180mgKOH/gで且つ数平均分子量1000〜5000である反応生成物である。
反応生成物(C)の水酸基価は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性、得られる塗料組成物の硬化性及び得られる塗膜の耐擦傷性、耐酸性、耐水性等の点から40〜180mgKOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/gである。
反応生成物(C)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより合成することができる。
反応生成物(C)を合成するにはまず、反応生成物(a)を合成する。反応生成物(a)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応することにより合成することができる。
ポリカーボネートジオールは、通常、ジオールとカルボニル化剤とを重縮合反応させることにより得られる化合物である。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールのジオール成分としては、炭素数が2〜10、特に4〜8の2価のアルコールが好ましい。具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族系;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式系;p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール等の芳香族系;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオールをあげることができる。これらのジオールは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールとしては、耐久性及び硬度の観点から、1,6−ヘキサンジオールを含有するジオール成分とカルボニル化剤とを重縮合させてなるものが好ましい。
また、特に好ましいものとして、1,6−ヘキサンジオールを必須ジオール成分としてジオール成分を2種以上組合せて使用するものであって、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの組合せ、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールの組合せ、又は1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの組合せ等のジオール成分とカルボニル化剤とを重縮合させて得られるポリカーボネートジオールをあげることができる。
カルボニル化剤としては、例えば、通常用いられるアルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート及びホスゲン等の1種又は2種以上を組合せて使用することができる。これらのうち好ましいものとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等をあげることができる。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールとしては、50℃における粘度が10000mPa・s以下であるものを使用するのが好ましい。50℃における粘度が10000mPa・sを超えると取り扱いが困難となる場合があり、また、得られる反応生成物(C)が、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性が不良となるため、塗膜の光沢低下又は白濁等が生じることにより塗膜の仕上り性が不良となる場合がある。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの粘度は50℃において、より好ましくは8000mPa・s以下、さらに好ましくは5000mPa・s以下である。なお、粘度は50℃でB型粘度計を用いて6rpmの条件で測定した値である。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、塗膜の耐酸性及び耐擦り傷性の点から、好ましくは300〜2000、より好ましくは500〜1800、さらに好ましくは700〜1500である。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールとしては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製のT−5650J(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオール)、T−4671(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオール);宇部興産社製のUM−90(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール)などをあげることができる。
反応生成物(a)の合成に用いられる両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物としては、
例えば、日清紡社製のカルボジイミド化合物である「カルボジライトV−01」、「カルボジライトV−05」等をあげることができる。
これらのうち、耐候性及び塗膜の耐擦り傷性等の点から、「カルボジライトV−05」を好適に用いることができる。
これら両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物は、単独でもしくは2種以上を適宜選択して使用することができる。
反応生成物(a)は、通常、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の末端イソシアネート基がポリカーボネートジオールの水酸基と反応してウレタン結合が生成した構造の化合物が得られるような条件で合成される。
反応は、60〜120℃の温度で3〜6時間程度の条件でウレタン化反応させることにより行うことができる。
上記ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物は、当量比(両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物のNCO基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が水酸基過剰条件でウレタン化反応させることにより合成することができる。該当量比は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の仕上り性、耐酸性等の点から、好ましくは0.2〜0.7、より好ましくは0.3〜0.6、さらに好ましくは0.4〜0.5である。
該当量比が低いほど反応生成物(a)中に未反応のポリカーボネートジオールが残存することになるが本発明においては、通常、未反応のポリカーボネートジオールを分離することなく、残存ポリカーボネートジオールを含んだ反応生成物(a)を使用することができる。
反応生成物(C)は、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得ることができる。
ヒドロキシ酸としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等を使用することができる。
これらのうち、塗膜の耐擦り傷性等の点から、12−ヒドロキシステアリン酸を好適に用いることができる。
これらのヒドロキシ酸は、必要に応じて単独でもしくは2種以上を適宜選択して使用することができる。
反応生成物(C)は、通常、上記反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸のカルボキシル基を付加反応させることにより、反応生成物(a)のカルボジイミド基
に、ヒドロキシ酸が付加した構造の化合物が得られるような条件で合成される。
反応は、60〜140℃の温度で2〜5時間程度の条件で付加反応させることにより行うことができる。
上記反応生成物(a)とヒドロキシ酸は、当量比(ヒドロキシ酸のカルボキシル基/反応生成物(a)中のカルボジイミド基)が0.5〜1.0で付加反応させることにより合成することができる。該当量比は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の耐酸性、耐水性等の点から、好ましくは0.6〜0.9、より好ましくは0.65〜0.8である。
反応生成物(C)の水酸基価は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の耐擦傷性、耐酸性、耐水性等の点から、40〜180mgKOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/g、より好ましくは60〜130mgKOH/gである。
反応生成物(C)の数平均分子量は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性、得られる塗膜の耐擦り傷性、硬度、耐候性、仕上り性等の点から、1000〜5000、好ましくは1500〜4500、より好ましくは1800〜4000である。
なお、本発明において、上記水酸基価及び数平均分子量は、未反応の化合物(残存ポリカーボネートジオール等)も含んだ反応生成物(C)としての値である。
本発明の塗料組成物において、塗膜の硬化性や耐擦傷性等の観点から、水酸基含有樹脂(A)及び反応生成物(C)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲内である。
本発明の塗料組成物中の水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C)の量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部を基準として、不揮発分として、水酸基含有樹脂(A)が30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%、ポリイソシアネート化合物(B)が20〜65質量%、好ましくは30〜55質量%、反応生成物(C)が3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%の範囲内であるのが適している。
その他の成分
本塗料は、前記水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C)を必須成分とする塗料組成物であって、通常、有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて、その他の硬化触媒、顔料、顔料分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤など通常、塗料の分野で用いられる塗料用添加剤を含有することができる。
上記硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒、第三級アミンなどを挙げることができる。
硬化触媒として上記したこれらの化合物は単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜5質量部、好ましくは0.1〜4質量部程度である。
顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの着色顔料(D);タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料;アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などのメタリック顔料などをあげることができる。
上記したこれらの顔料は単独で又は2種以上使用することができる。顔料の含有量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜200質量部、好ましくは1〜100質量部程度である。
また、着色顔料の含有量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜150質量部、好ましくは1〜100質量部程度である。
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等の紫外線吸収剤をあげることができる。
紫外線吸収剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部、特に0.2〜5質量部、さらに特に0.3〜2質量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄変性の面から好ましい。
光安定剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤をあげることができる。
光安定剤の塗料組成物中の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部、特に0.2〜5質量部、さらに特に0.3〜2質量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄変性の面から好ましい。
本発明の塗料組成物は(B)成分であるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がブロック化されていないものである場合には、貯蔵安定性から、水酸基含有樹脂(A)及び反応生成物(C)と、ポリイソシアネート化合物(B)とが分離した2液型塗料であり、使用直前に両者を混合して使用することが好適である。
塗料組成物の塗装方法
本塗料を適用する被塗物としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であるのが好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等であってもよい。
また、被塗物としては、上記車体や金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。更に、被塗物としては、上記車体、金属基材等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成されたものであってもよい。
本塗料の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法でウエット塗膜を形成することができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。このうちエアスプレー塗装が特に好ましい。本塗料の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10〜50μm程度となる量とするのが好ましい。
また、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装及び回転霧化塗装する場合には、本塗料の粘度を、該塗装に適した粘度範囲、通常、フォードカップNo.4粘度計において、20℃で15〜60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
被塗物に本塗料を塗装してなるウエット塗膜の硬化は、加熱することにより行われ、加熱は公知の加熱手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。加熱温度は、60〜180℃、好ましくは90〜150℃の範囲内にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが15〜30分間の範囲内であるのが好適である。
本塗料は、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性及び仕上り性のいずれにも優れる硬化塗膜を得ることができることから、上塗りトップクリヤコート塗料として好適に用いることができる。本塗料は、自動車用塗料として特に好適に用いることができる。
複層塗膜形成方法
上塗りトップクリヤコート塗料として、本塗料が塗装される複層塗膜形成方法として、
被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として本発明の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法をあげることができる。
具体的には、例えば、電着塗装及び/又は中塗り塗装が施された被塗物上に、溶剤型又は水性のベースコート塗料を塗装し、該塗膜を硬化させることなく、必要に応じてベースコート塗料中の溶媒の揮散を促進させるために例えば、40〜90℃で3〜30分間程度のプレヒートを行なった後、その未硬化のベースコート塗膜上にクリヤコート塗料として本塗料の塗装を行った後、ベースコートとクリヤコートを一緒に硬化させる2コート1ベーク方式の複層塗膜形成方法をあげることができる。
また、3コート2ベーク方式又は3コート1ベーク方式の上塗り塗装におけるトップクリヤコート塗料としても好適に使用することができる。
上記で用いられるベースコート塗料としては、従来から公知の通常の熱硬化型ベースコート塗料を使用することができ、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂系などの基体樹脂にアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物等の硬化剤を基体樹脂が含有する反応性官能基と適宜組合せてなる塗料を使用することができる。
また、ベースコート塗料としては、環境問題、省資源等の観点から、有機溶剤の使用量の少ないハイソリッド型のものが望ましく、更に水性塗料又は粉体塗料を用いることもできる。
複層塗膜形成方法において、クリヤコートを2層以上塗装する場合、本塗料以外に、クリヤコート塗料として、従来から公知の通常の熱硬化型クリヤコート塗料を使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとし、また、塗膜の膜厚はいずれも硬化塗膜に基づくものである。
水酸基含有樹脂(A)の製造例
製造例1〜9
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコにエトキシエチルプロピオネート31部を仕込み、窒素ガス通気下で155℃に昇温した。155℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、下記表1に示すモノマーと重合開始剤からなる組成配合の滴下モノマー混合物を4時間かけて滴下した。155℃で窒素ガスを通気しながら2時間熟成させた後、100℃まで冷却し、酢酸ブチル32.5部で希釈することにより、固形分60%の塗料用樹脂を得た。得られた塗料用樹脂の質量固形分濃度(%)及び樹脂性状値を下記表1に示す。
なお、表1におけるガラス転移温度(℃)は、下記式によって算出した。
1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・・・
Tg(℃)=Tg(K)−273
各式中、W1、W2、・・は共重合に使用されたモノマーのそれぞれの質量分率、T1、T2、・・はそれぞれの単量体のホモポリマ−のTg(K)を表わす。なお、T1、T2、・・は、Polymer Handbook(Second Edition,J.Brandup・E.H.Immergut編)による値である。
Figure 0005416385
反応生成物(C)の製造例
製造例10〜17
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、下記表2に示すポリカーボネートジオール、カルボジライトV−05(日清紡社製、商品名、カルボジイミド化合物)、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶剤)を仕込み、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。100℃に達した後、5時間反応させ、NCO価が0になったことを確認した後、下記表2に示すヒドロキシ酸を加え、120℃に昇温し5時間反応させることにより、各反応生成物(C)の溶液No.1〜8を得た。得られた各反応生成物溶液の質量固形分濃度(%)及び特数値も併せて下記表2に示す。
表2における(*1)〜(*3)は、それぞれ下記の意味を有し、また、ポリカーボネートジオールの粘度は50℃でB型粘度計を用いて6rpmの条件で測定した値である。
(*1)T−5650J:旭化成ケミカルズ社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800、粘度860mPa・s、水酸基価140mgKOH/g、固形分100%。
(*2)UM−90:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量900、粘度7000mPa・s、水酸基価124mgKOH/g、固形分100%。
(*3)PC−N:ジオール成分として1,6−ヘキサンジオール及び3−メチルペンタンジオール、カルボニル化剤としてジフェニルカーボネートを用いて合成したポリカーボネートジオール、数平均分子量380、粘度120mPa・s、水酸基価260mgKOH/g、固形分100%。
Figure 0005416385
塗料組成物の製造
実施例1〜9及び比較例1〜9
上記製造例1〜17で得られた水酸基含有樹脂、反応生成物溶液及び後記表3に記載の原材料を用いて、後記表3に示す配合にてディスパーを用いて攪拌して混合し、塗料化を行い各塗料組成物No.1〜18を得た。なお、表3に示す各塗料組成物の配合は各成分の固形分質量比であり、(*4)〜(*7)は、それぞれ下記の意味を有する。
(*4)N−3300:住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%、NCO含有率21.8%。
(*5)UV1164:チバガイギー社製、紫外線吸収剤。
(*6)HALS292:チバガイギー社製、光安定剤。
(*7)BYK−300:商品名、ビックケミー社製、表面調整剤。
上記実施例1〜9及び比較例1〜9で得られた各塗料組成物No.1〜18は、酢酸ブチルを添加してフォードカップ#No.4を用いて20℃で25秒の粘度に調整した。
試験板の作成
実施例1〜9及び比較例1〜9で得られた上記各塗料組成物No.1〜18の粘度調整したものを使用して、それぞれについて以下の様にして試験板を作製した。
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(関西ペイント社製、商品名、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚が20μmになるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラックTP−65−2(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。該塗膜上に水性メタリックベースコートWBC713T#202(関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系自動車用上塗ベースコート塗料、黒塗色)を膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で10分間プレヒートを行なった後、未硬化の該塗膜上に上記実施例及び比較例にて製造、粘度調整した各塗料組成物No.1〜18を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱してこの両塗膜を一緒に硬化させることにより試験板を得た。得られたそれぞれの試験板を常温で7日間放置してから下記塗膜性能試験を行なった。
性能試験結果
耐擦り傷性:ルーフにニチバン社製耐水テープにて試験板を貼りつけた自動車を、20℃±5℃の条件下、洗車機で15回洗車を行なった後の試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定し、試験前の20°光沢値に対する光沢保持率(%)により評価した。該光沢保持率が高いほど耐擦り傷性が良好であることを表わす。洗車機は、ヤスイ産業社製「PO20 FWRC」を用いた。
耐酸性:40%硫酸を各試験板の塗膜上に0.4cc滴下し、60℃に加熱したホットプレート上で15分間加熱した後、試験板を水洗した。硫酸滴下箇所のエッチング深さ(μm)を表面粗度計(東京精密社製、表面粗さ形状測定機 『サーフコム570A』)を用いて、カットオフ0.8mm(走査速度0.3mm/sec、倍率5000倍)の条件で測定することにより耐酸性の評価を行なった。エッチング深さが小さいほど耐酸性が良好であることを表わす。
仕上り性(光沢):試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定して評価した。
耐汚染性:各試験塗板をサンシャインウエザオメーター(スガ試験機社製、促進耐侯性試験機)中で600時間試験後、各試験塗板に、泥土、カーボンブラック、鉱油及びクレーの混合物からなる汚染物質をネルに付着させて各試験塗板の塗面に軽くこすりつけた。これを20℃で75%RHの恒温恒湿室中に24時間放置後、塗面を流水で洗浄し、塗膜の汚染度を塗板の明度差(ΔL)により下記の基準により評価した。ΔL値が小さいほど耐汚染性は良好である。ΔLは以下の式で求めた。
ΔL=(耐汚染性試験前のL値)−(耐汚染性試験後のL値)
L値はCR−200(ミノルタカメラ社製の色差計)を用いて測定した。
◎:ΔL<0.2、○:0.2≦ΔL<1、△:1≦ΔL<2、×:2≦ΔL。
なお、耐汚染性の試験においては、リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(関西ペイント社製、商品名、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚が20μmになるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラックTP−65−2(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料、白塗色)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた塗膜上に、上記実施例及び比較例にて製造、粘度調整した各塗料組成物を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱して硬化させることにより得られた試験板を使用し、同様にそれぞれの試験板を常温で7日間放置してから耐汚染性の試験を行なった。
上記性能試験結果を併せて表3に示す。
Figure 0005416385
Figure 0005416385

Claims (6)

  1. 水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物とを水酸基過剰の条件でウレタン化反応してなる反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させてなる水酸基価40〜180mgKOH/gで且つ数平均分子量1000〜5000である反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. 水酸基含有樹脂(A)が水酸基含有アクリル樹脂である請求項1に記載の塗料組成物。
  3. ポリイソシアネート化合物(B)として、脂肪族ジイソシアネート又はこれらの誘導体を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. ヒドロキシ酸が、12−ヒドロキシステアリン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. さらに、着色顔料を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. 被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
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