JP5416385B2 - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents
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Description
従来、上記被塗物用の塗料として、メラミン架橋系塗料が汎用されている。メラミン架橋系塗料は、水酸基含有樹脂及び架橋剤であるメラミン樹脂を含有する塗料であり、加熱硬化時の架橋密度が高く、耐擦り傷性、仕上り性等の塗膜性能に優れている。しかし、この塗料には、メラミン架橋結合が酸性雨により加水分解され易く、塗膜の耐酸性が劣るという問題がある。
また、反応生成物(C)により機械的強度等の塗膜物性を向上させることができ、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物の、又は反応生成物(C)とポリイソシアネート化合物の反応によるウレタン架橋結合、及び反応生成物(C)のカーボネート結合が酸による耐加水分解性に優れることから、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性等のいずれにも優れた硬化塗膜を形成することができるという効果を奏することができる。
本発明の塗料組成物は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる水酸基価40〜180mgKOH/g及び数平均分子量1000〜5000の反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物である。
水酸基含有樹脂(A)
本発明の塗料組成物の水酸基含有樹脂(A)は、水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000の水酸基含有樹脂である。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和単量体(M−1)及びその他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)を常法により共重合せしめることによって製造することができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)は、1分子中に水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物であり、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用するものである。該単量体としては、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。また、上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物としては他にε−カプロラクトンを開環縮合させた化合物、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等を挙げることができる。
上記のうち、炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体(1a)を、塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(1a)を構成成分とすることにより、得られる塗膜の高架橋密度化を図ることができることから、塗膜の耐擦り傷性向上の効果を得ることができる。
炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体としては、
例えば、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環縮合させた化合物などをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物
としては、具体的には上記したもののうち、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートをあげることができる。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合は、単量体混合物全量に基づいて20〜50質量%、特に、25〜45質量%の範囲内であるのが好ましい。
水酸基含有不飽和単量体(M−1)の配合割合が20質量%未満となると、硬化塗膜の架橋が不十分となって、所定の耐擦り傷性が得られにくくなる場合がある。一方、50質量%を超えると、その他の共重合可能な不飽和単量体(M−2)との相溶性や共重合反応性が低下し、さらに得られた水酸基含有アクリル樹脂の他成分(ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C))との相溶性が低下することにより、塗膜の仕上り外観が低下する場合がある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート,tert−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
上記のうち、炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体(2a)を塗膜の耐汚染性を向上させる観点から好適に使用することができる。単量体(2a)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、極性が低下することから、表面の平滑化による仕上り性の向上及び耐水性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基の代表例としては、イソボルニル基、トリシクロデカニル基及びアダマンチル基などを挙げることができる。
分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体の具体例としては、上記したもののうち、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)をあげることができる。
単量体(2b)を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(3)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等。これらのうち好ましいアルコキシシラン基含有不飽和単量体として、ビニルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構成成分とすることにより、水酸基とイソシアネート基との架橋結合に加え、アルコキシシラン基同士の縮合反応及びアルコキシシラン基と水酸基の反応による架橋結合を生成することができる。それにより、得られる塗膜の架橋密度が向上することから、耐酸性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。
アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構成成分とする場合、その配合割合は、単量体混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜35質量%の範囲内であるのが好ましい。
芳香族系不飽和単量体を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、また、高屈折率で疎水性の塗膜を得ることができることから、塗膜の光沢向上による仕上り性の向上、耐水性および耐酸性の向上という効果を得ることができる。
(5)グリシジル基含有不飽和単量体:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
これらのその他のビニルモノマー(M−2)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得ることができる。
耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚染性の塗膜性能と塗膜の仕上り性のいずれにも優れた塗料組成物とするための水酸基含有アクリル樹脂として、以下の組成の単量体(M−1)及び(M−2)からなる単量体混合物を共重合して得られる水酸基含有含有アクリル樹脂を特に好ましいものとしてあげることができる。
1.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)水酸基含有不飽和単量体20〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜60質量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(α)。
2.(イ)芳香族系不飽和単量体及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ロ)分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和単量体3〜40質量%、(ハ)炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和単量体3〜50質量%、(ニ)共重合可能なその他の不飽和単量体0〜77重量%からなる単量体混合物を共重合してなり、かつ、上記(イ)及び(ロ)成分の合計質量が上記単量体混合物100質量部を基準として、20〜70質量部である水酸基含有アクリル樹脂(β)。
これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができるが、本塗料に使用される水酸基含有アクリル樹脂は高い水酸基価を有するため、樹脂の溶解性の点から高沸点のエステル系溶剤、ケトン系溶剤を使用することが好ましい。また、さらに高沸点の芳香族系溶剤を好適に組合せて使用することもできる。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であり、さらに好ましくは5000〜30000の範囲内である。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)として用い得る水酸基含有ポリエステル樹脂は、常法により、例えば、多塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応によって製造することができる。該多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられ、また、該多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフェノールA等のジオール類、およびトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のポリオール成分、並びに、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステ)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて、これらの化合物をポリエステル樹脂に導入しても良い。
ポリエステル樹脂へカルボキシル基を導入する場合、例えば、水酸基含有ポリエステルに無水酸を付加し、ハーフエステル化することで導入することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合があり、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
また、水酸基含有樹脂(A)には、いわゆるウレタン変性アクリル樹脂及びウレタン変性ポリエステル樹脂も包含される。
水酸基含有ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
ポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの3価以上のアルコールなどをあげることができる。高分子量のものとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどをあげることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどをあげることができる。また、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ポリオールも使用することができる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;などを挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは100〜170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場合が、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は−40℃〜85℃、特に−30℃〜80℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)は単独で又は2種以上を併用して使用することができ、水酸基含有樹脂(A)としては、水酸基含有アクリル樹脂又は水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(B)
本発明の塗料組成物のポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、従来からポリウレタンの製造に使用されているものを使用することができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体などをあげることができる。
また、ポリイソシアネート化合物として、上記した1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした化合物であるブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
ポリイソシアネート化合物(B)は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
反応生成物(C)
本塗料の反応生成物(C)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物とを水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得られる水酸基価40〜180mgKOH/gで且つ数平均分子量1000〜5000である反応生成物である。
反応生成物(C)の水酸基価は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性、得られる塗料組成物の硬化性及び得られる塗膜の耐擦傷性、耐酸性、耐水性等の点から40〜180mgKOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/gである。
反応生成物(C)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応して反応生成物(a)を合成し、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより合成することができる。
反応生成物(C)を合成するにはまず、反応生成物(a)を合成する。反応生成物(a)は、ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を水酸基過剰の条件でウレタン化反応することにより合成することができる。
ポリカーボネートジオールは、通常、ジオールとカルボニル化剤とを重縮合反応させることにより得られる化合物である。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールのジオール成分としては、炭素数が2〜10、特に4〜8の2価のアルコールが好ましい。具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族系;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式系;p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール等の芳香族系;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオールをあげることができる。これらのジオールは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールとしては、耐久性及び硬度の観点から、1,6−ヘキサンジオールを含有するジオール成分とカルボニル化剤とを重縮合させてなるものが好ましい。
また、特に好ましいものとして、1,6−ヘキサンジオールを必須ジオール成分としてジオール成分を2種以上組合せて使用するものであって、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの組合せ、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールの組合せ、又は1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの組合せ等のジオール成分とカルボニル化剤とを重縮合させて得られるポリカーボネートジオールをあげることができる。
カルボニル化剤としては、例えば、通常用いられるアルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート及びホスゲン等の1種又は2種以上を組合せて使用することができる。これらのうち好ましいものとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等をあげることができる。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールとしては、50℃における粘度が10000mPa・s以下であるものを使用するのが好ましい。50℃における粘度が10000mPa・sを超えると取り扱いが困難となる場合があり、また、得られる反応生成物(C)が、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性が不良となるため、塗膜の光沢低下又は白濁等が生じることにより塗膜の仕上り性が不良となる場合がある。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの粘度は50℃において、より好ましくは8000mPa・s以下、さらに好ましくは5000mPa・s以下である。なお、粘度は50℃でB型粘度計を用いて6rpmの条件で測定した値である。
反応生成物(C)の合成に用いられるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、塗膜の耐酸性及び耐擦り傷性の点から、好ましくは300〜2000、より好ましくは500〜1800、さらに好ましくは700〜1500である。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
反応生成物(a)の合成に用いられる両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物としては、
例えば、日清紡社製のカルボジイミド化合物である「カルボジライトV−01」、「カルボジライトV−05」等をあげることができる。
これらのうち、耐候性及び塗膜の耐擦り傷性等の点から、「カルボジライトV−05」を好適に用いることができる。
これら両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物は、単独でもしくは2種以上を適宜選択して使用することができる。
反応生成物(a)は、通常、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の末端イソシアネート基がポリカーボネートジオールの水酸基と反応してウレタン結合が生成した構造の化合物が得られるような条件で合成される。
反応は、60〜120℃の温度で3〜6時間程度の条件でウレタン化反応させることにより行うことができる。
上記ポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物は、当量比(両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物のNCO基/ポリカーボネートジオールの水酸基)が水酸基過剰条件でウレタン化反応させることにより合成することができる。該当量比は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の仕上り性、耐酸性等の点から、好ましくは0.2〜0.7、より好ましくは0.3〜0.6、さらに好ましくは0.4〜0.5である。
該当量比が低いほど反応生成物(a)中に未反応のポリカーボネートジオールが残存することになるが本発明においては、通常、未反応のポリカーボネートジオールを分離することなく、残存ポリカーボネートジオールを含んだ反応生成物(a)を使用することができる。
反応生成物(C)は、得られた反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させることにより得ることができる。
ヒドロキシ酸としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等を使用することができる。
これらのうち、塗膜の耐擦り傷性等の点から、12−ヒドロキシステアリン酸を好適に用いることができる。
これらのヒドロキシ酸は、必要に応じて単独でもしくは2種以上を適宜選択して使用することができる。
に、ヒドロキシ酸が付加した構造の化合物が得られるような条件で合成される。
反応は、60〜140℃の温度で2〜5時間程度の条件で付加反応させることにより行うことができる。
上記反応生成物(a)とヒドロキシ酸は、当量比(ヒドロキシ酸のカルボキシル基/反応生成物(a)中のカルボジイミド基)が0.5〜1.0で付加反応させることにより合成することができる。該当量比は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の耐酸性、耐水性等の点から、好ましくは0.6〜0.9、より好ましくは0.65〜0.8である。
反応生成物(C)の水酸基価は、塗料組成物としたときの硬化性及び得られる塗膜の耐擦傷性、耐酸性、耐水性等の点から、40〜180mgKOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/g、より好ましくは60〜130mgKOH/gである。
反応生成物(C)の数平均分子量は、水酸基含有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相溶性、得られる塗膜の耐擦り傷性、硬度、耐候性、仕上り性等の点から、1000〜5000、好ましくは1500〜4500、より好ましくは1800〜4000である。
なお、本発明において、上記水酸基価及び数平均分子量は、未反応の化合物(残存ポリカーボネートジオール等)も含んだ反応生成物(C)としての値である。
本発明の塗料組成物において、塗膜の硬化性や耐擦傷性等の観点から、水酸基含有樹脂(A)及び反応生成物(C)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲内である。
本発明の塗料組成物中の水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C)の量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部を基準として、不揮発分として、水酸基含有樹脂(A)が30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%、ポリイソシアネート化合物(B)が20〜65質量%、好ましくは30〜55質量%、反応生成物(C)が3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%の範囲内であるのが適している。
その他の成分
本塗料は、前記水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生成物(C)を必須成分とする塗料組成物であって、通常、有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて、その他の硬化触媒、顔料、顔料分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤など通常、塗料の分野で用いられる塗料用添加剤を含有することができる。
上記したこれらの顔料は単独で又は2種以上使用することができる。顔料の含有量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜200質量部、好ましくは1〜100質量部程度である。
また、着色顔料の含有量はその種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜150質量部、好ましくは1〜100質量部程度である。
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等の紫外線吸収剤をあげることができる。
本塗料を適用する被塗物としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であるのが好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等であってもよい。
上塗りトップクリヤコート塗料として、本塗料が塗装される複層塗膜形成方法として、
被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として本発明の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法をあげることができる。
具体的には、例えば、電着塗装及び/又は中塗り塗装が施された被塗物上に、溶剤型又は水性のベースコート塗料を塗装し、該塗膜を硬化させることなく、必要に応じてベースコート塗料中の溶媒の揮散を促進させるために例えば、40〜90℃で3〜30分間程度のプレヒートを行なった後、その未硬化のベースコート塗膜上にクリヤコート塗料として本塗料の塗装を行った後、ベースコートとクリヤコートを一緒に硬化させる2コート1ベーク方式の複層塗膜形成方法をあげることができる。
製造例1〜9
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコにエトキシエチルプロピオネート31部を仕込み、窒素ガス通気下で155℃に昇温した。155℃に達した後、窒素ガスの通気を止め、下記表1に示すモノマーと重合開始剤からなる組成配合の滴下モノマー混合物を4時間かけて滴下した。155℃で窒素ガスを通気しながら2時間熟成させた後、100℃まで冷却し、酢酸ブチル32.5部で希釈することにより、固形分60%の塗料用樹脂を得た。得られた塗料用樹脂の質量固形分濃度(%)及び樹脂性状値を下記表1に示す。
1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・・・
Tg(℃)=Tg(K)−273
各式中、W1、W2、・・は共重合に使用されたモノマーのそれぞれの質量分率、T1、T2、・・はそれぞれの単量体のホモポリマ−のTg(K)を表わす。なお、T1、T2、・・は、Polymer Handbook(Second Edition,J.Brandup・E.H.Immergut編)による値である。
製造例10〜17
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、下記表2に示すポリカーボネートジオール、カルボジライトV−05(日清紡社製、商品名、カルボジイミド化合物)、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶剤)を仕込み、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。100℃に達した後、5時間反応させ、NCO価が0になったことを確認した後、下記表2に示すヒドロキシ酸を加え、120℃に昇温し5時間反応させることにより、各反応生成物(C)の溶液No.1〜8を得た。得られた各反応生成物溶液の質量固形分濃度(%)及び特数値も併せて下記表2に示す。
表2における(*1)〜(*3)は、それぞれ下記の意味を有し、また、ポリカーボネートジオールの粘度は50℃でB型粘度計を用いて6rpmの条件で測定した値である。
(*1)T−5650J:旭化成ケミカルズ社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800、粘度860mPa・s、水酸基価140mgKOH/g、固形分100%。
(*2)UM−90:宇部興産社製、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分とするポリカーボネートジオール、数平均分子量900、粘度7000mPa・s、水酸基価124mgKOH/g、固形分100%。
(*3)PC−N:ジオール成分として1,6−ヘキサンジオール及び3−メチルペンタンジオール、カルボニル化剤としてジフェニルカーボネートを用いて合成したポリカーボネートジオール、数平均分子量380、粘度120mPa・s、水酸基価260mgKOH/g、固形分100%。
実施例1〜9及び比較例1〜9
上記製造例1〜17で得られた水酸基含有樹脂、反応生成物溶液及び後記表3に記載の原材料を用いて、後記表3に示す配合にてディスパーを用いて攪拌して混合し、塗料化を行い各塗料組成物No.1〜18を得た。なお、表3に示す各塗料組成物の配合は各成分の固形分質量比であり、(*4)〜(*7)は、それぞれ下記の意味を有する。
(*4)N−3300:住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%、NCO含有率21.8%。
(*5)UV1164:チバガイギー社製、紫外線吸収剤。
(*6)HALS292:チバガイギー社製、光安定剤。
(*7)BYK−300:商品名、ビックケミー社製、表面調整剤。
実施例1〜9及び比較例1〜9で得られた上記各塗料組成物No.1〜18の粘度調整したものを使用して、それぞれについて以下の様にして試験板を作製した。
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(関西ペイント社製、商品名、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚が20μmになるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラックTP−65−2(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。該塗膜上に水性メタリックベースコートWBC713T#202(関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系自動車用上塗ベースコート塗料、黒塗色)を膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間放置してから、80℃で10分間プレヒートを行なった後、未硬化の該塗膜上に上記実施例及び比較例にて製造、粘度調整した各塗料組成物No.1〜18を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱してこの両塗膜を一緒に硬化させることにより試験板を得た。得られたそれぞれの試験板を常温で7日間放置してから下記塗膜性能試験を行なった。
性能試験結果
耐擦り傷性:ルーフにニチバン社製耐水テープにて試験板を貼りつけた自動車を、20℃±5℃の条件下、洗車機で15回洗車を行なった後の試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定し、試験前の20°光沢値に対する光沢保持率(%)により評価した。該光沢保持率が高いほど耐擦り傷性が良好であることを表わす。洗車機は、ヤスイ産業社製「PO20 FWRC」を用いた。
L値はCR−200(ミノルタカメラ社製の色差計)を用いて測定した。
◎:ΔL<0.2、○:0.2≦ΔL<1、△:1≦ΔL<2、×:2≦ΔL。
なお、耐汚染性の試験においては、リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に、エレクロンGT−10(関西ペイント社製、商品名、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を膜厚が20μmになるように電着塗装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラックTP−65−2(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料、白塗色)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた塗膜上に、上記実施例及び比較例にて製造、粘度調整した各塗料組成物を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分間放置してから、140℃で20分間加熱して硬化させることにより得られた試験板を使用し、同様にそれぞれの試験板を常温で7日間放置してから耐汚染性の試験を行なった。
上記性能試験結果を併せて表3に示す。
Claims (6)
- 水酸基価が80〜200mgKOH/g、重量平均分子量が2500〜40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールと両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物とを水酸基過剰の条件でウレタン化反応してなる反応生成物(a)中のカルボジイミド基にヒドロキシ酸を付加反応させてなる水酸基価40〜180mgKOH/gで且つ数平均分子量1000〜5000である反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物。
- 水酸基含有樹脂(A)が水酸基含有アクリル樹脂である請求項1に記載の塗料組成物。
- ポリイソシアネート化合物(B)として、脂肪族ジイソシアネート又はこれらの誘導体を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- ヒドロキシ酸が、12−ヒドロキシステアリン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- さらに、着色顔料を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
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