JP5415407B2 - 広帯域電力線通信によるブロードキャストダウンロードシステム - Google Patents

Description

本発明の実施形態は電子機器の分野に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、広帯域電力線通信によるブロードキャストダウンロードシステムに関する。

電子機器の使用の増加は、ほとんどすべての電化製品におけるマイクロプロセッサ及びファームウェアの使用の増加を引き起こしてきた。例えば、冷蔵庫、洗濯機、及び食器洗い機などを含む電化製品は、マイクロプロセッサ及びこれに統合されたファームウェアを使用して制御することができる。

マイクロプロセッサの成長及び使用の増加により、マイクロプロセッサがサポートする電化製品を再設定する必要性が増えてきた。一般に、電化製品を再設定するには、技術者が実際の電化製品に物理的にアクセスする必要がある。電化製品へのアクセスは、サービス依頼の電話中に個人が自宅に居る必要があることにより所有者にとって不便なだけでなく、多くの場合電子機器は重く、電子機器を再設定するためのポートにアクセスするために移動させるのが困難な場合があるため技術者にとってもまた不便である。

１つの従来の方法は、インターネットを使用して電化製品を再設定することである。残念ながら、多くの電化製品には、これらの電化製品のマイクロプロセッサ又はメモリを再設定するためのインターネット接続が装備されていない。さらに、電化製品にインターネット動作可能な装備が行われたとしても、一般に住居全体でインターネット接続を利用することはできないため、（デジタル加入者線（ＤＳＬ）、ケーブル、及び衛星などを通じた）従来の通信線を使用して住宅内のすべての電化製品にインターネット接続を行うことは通常困難である。従って、インターネット接続を備えた室内に存在する電化製品が、この方法で再設定できる唯一の電化製品である。

１つの従来の方法は、電力線を介して通信することにより電化製品に再設定を行う。一般に、送電には電力線を介して電力を転送するための変圧器が必要とされる。しかしながら、変圧器がローパスフィルタとして働くことにより、高周波データがフィルタリングされる。１つの従来の方法では、データが送電とともに中圧点又は低圧点に集約される。しかしながら、フィルタリング除去を避けるために、データは変圧器に到達する前に抽出され、変圧器を通じて電力自体を送電した後に再度集約される。

残念ながら、個々の変圧器においてデータを抽出及び集約することは非常に効率が悪い。さらに、データの集約は、送信及び集約用のデータを供給するためのデータ供給器への、ＤＳＬ線及びケーブルなどを介した別の接続を必要とする。さらに、一般に電力線は高速データ送信を行うことができず、干渉の影響を受け易い。この結果、少量のデータに関するデータ送信には十分であるかもしれないが、より高度な電子機器のためのソフトウェアプログラムはサイズが非常に大きな傾向にあるので、この種の送信は、テレビ及びセットトップボックスにおけるソフトウェアプログラムの更新及びパッチングには適していない。

従って、電力線を介したデータの供給は、（食器洗い機及び洗濯／乾燥機などの）単純な電化製品によりサポートされる再設定可能な電化製品の制御を行うことにしか適していない可能性がある。また、連邦規則が、電力線上に注入できるデータ信号の強度を制限してきていることにより、通信システムに追加の制約が加えられる。

別の従来の方法により、（ＤＳＬ及びケーブルなどの）従来の接続を使用してインターネットを介してコントローラと通信を行うことにより電化製品を再設定し、その後は電力線通信を使用して電化製品に再設定を行うことができる。しかしながら、この従来の方法は電化製品を制御するためのものに過ぎず、（ＤＳＬ及びケーブルなどの）従来の通信チャネルによるインターネットを介した接続を必要とする。残念ながら、多くの住宅は、従来の通信チャネルによるインターネットへのアクセスを有していない。例えば、この方法は、発展途上国及び第３世界の国々では大きな問題となり、不便となるであろう。

一般に、いくつか例を挙げれば、テレビ及びセットトップボックスなどの高度な電子機器は複雑なプログラミングソフトウェアを必要とする。ほとんどの電子機器は短周期設計であり、これはテスト時間が短いことを意味する。この結果、電子機器は、プログラミングソフトウェアがプログラミングバグを含んでいたとしても顧客に対して出荷されることが多い。残念ながら、上述の理由により、非常に高度な電子機器のほとんどは（ＤＳＬ及びケーブルなどの）従来の方法を使用してインターネットを介して更新できないため、これらの機器が使用するソフトウェアプログラムを更新するのは困難である。さらに、非常に高度な電子機器が使用するソフトウェアプログラムは一般にサイズが大きく、また大量のデータを送信するためには電力線による送信では遅いため、電力線による送信を通じてこれらのソフトウェアプログラムを更新するのは困難である。

従って、（デジタル加入者線（ＤＳＬ）及びケーブルなどの）従来の方法を使用したインターネットへのアクセスを必要とせずに、（テレビ及びセットトップボックスなどの）非常に高度な電子機器にパッチソフトウェアを提供する方法及びシステムを提供する必要性が生じてきている。さらに、インターネットへのアクセスを必要とせずに、また技術者による電子機器への物理的なアクセスを必要とせずに、高度な電子機器のためのソフトウェアパッチを更新する方法を提供する必要性が生じてきている。このため、パッチソフトウェアプログラムを高周波及び高データレートで送信する高出力送電線を使用してパッチソフトウェアプログラムの更新を行う必要性が生じてきている。当業者であれば、本発明の詳細な説明に照らして、本発明の実施形態が上述の必要性に対処することが明らかになるであろう。

本発明の１つの実施形態では、（テレビ及びセットトップボックスなどの）電子機器のためのソフトウェアパッチを含む装置を住宅の電気コンセントに差し込むことができる。電気コンセントは、住居の内部及び／又は外部にあってもよい。装置が電気コンセントに差し込まれると、この装置は、ソフトウェアパッチを必要とする電子機器を識別するために、複数の電子機器に、これらの識別子を求めて問い合わせを行うことができる。この問い合わせは、装置が結合された電気コンセントを経由する電力線を介したものであってもよい。

１つの実施形態によれば、ソフトウェアプログラムのパッチを必要とする（テレビ及びセットトップボックスなどの）電子機器が、問い合わせを行った装置へ信号を送信することにより応答する。同じ電力線を介して問い合わせに対する応答を送信することができ、問い合わせを行った装置は、この装置が結合された電気コンセントを通じてこの応答を受信することができる。

しかるべく装置は、（テレビ及びセットトップボックスなどの）ソフトウェアプログラムパッチを必要とする電子機器を識別することができる。１つの実施形態では、装置が、ファームウェアのバージョン、及び電子機器にインストールされた他の関連情報を判定することもできる。この結果、装置はソフトウェアパッチを電子機器へ送信できるようになる。装置が結合された電気コンセントを経由する電力線を介してソフトウェアパッチを送信することができ、またこのソフトウェアパッチが電子機器上のファームウェアを更新することができる。

１つの実施形態では、パッチソフトウェアを送信する前に、装置が少なくとも１つのテスト信号を送信して、電力線上の様々な複数の搬送波の信号品質を判定することができる。この結果、装置は、電力線を介してソフトウェアパッチを送信するのに適した少なくとも１つの搬送波を決定することができる。１つの実施形態によれば、電力線上の様々な搬送波の信号対ノイズ比を使用して信号品質を判定することができる。このため、（２５６直交振幅変調（ＱＡＭ）などの）高密度変調に（信号対ノイズ比が高いような）より適した副搬送波を使用することができる。同様に、低品質の副搬送波が選択された場合には（２位相偏移変調（ＢＰＳＫ）などの）低密度変調を利用することができる。１つの実施形態によれば、ソフトウェアパッチを送信するための直交周波数多重化（ＯＦＤＭ）が使用される。さらに、１つの実施形態では、（テレビ及びセットトップボックスなどの）電子機器が装置へ確認応答信号を送信できることにより、正しく認証されたソフトウェアパッチの受信が示されるようになる。

この結果、本発明の実施形態は、インターネットを介した（ＤＳＬ及びケーブルなどの）従来の通信の使用を撤廃する。さらに、本発明の実施形態は、送電線を介した高周波及び高データレート情報の送信のための方法及びシステムを提供する。このため、ソフトウェアパッチを提供するために技術者が電子機器に物理的にアクセスする必要がなくなる。

同様の参照番号が同様の要素を示す添付図面の図において、本発明を限定的なものとしてではなく例示を目的として示す。

本発明の１つの実施形態による、電子機器にソフトウェアパッチを提供するための例示的なシステムを示す図である。 本発明の１つの実施形態による、ソフトウェアパッチを受信するための例示的な電子機器を示す図である。 本発明の１つの実施形態による、ソフトウェアパッチを受信するための例示的な電力線搬送波インターフェイスを示す図である。 本発明の１つの実施形態による、ソフトウェアパッチを電子機器に提供するための例示的なフロー図である。 本発明の実施形態による、ソフトウェアパッチを電子機器に提供するためのプラットフォームとして機能できる汎用装置を示す図である。

以下、本発明の実施形態を詳細に参照し、これらの例を添付図面に示す。これらの実施形態と併せて本発明について説明するが、これらの実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものではない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲により定められる本発明の思想及び範囲内に含めることができる代替物、修正物、及び同等物を含むことが意図される。さらに本発明の以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解するために数多くの特定の詳細を示す。しかしながら、当業者にとっては、これらの特定の詳細を伴わずに本発明を実施できることが明らかであろう。その他の例では、本発明の態様を不必要にあいまいにしないように、公知の方法、手順、構成要素、及び回路については詳細に説明していない。

表記及び用語
コンピュータメモリ上で実施できる手順、ステップ、論理ブロック、処理、及びその他の象徴的なデータビット上の動作表現の観点から以下の詳細な説明のいくつかの部分を提示する。これらの説明及び表現は、当業者が自らの研究内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。手順、コンピュータ実行ステップ、論理ブロック、処理等は、本明細書において及び一般的に、望ましい結果をもたらす首尾一貫した一連のステップ又は命令であると考えられる。これらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。

必ずしもそうではないが、通常これらの量は、コンピュータシステム内で記憶、転送、合成、比較、及び別様に操作できる電気又は磁気信号の形をとる。主に共通使用という理由で、時にはこれらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などと呼ぶことが便利であることが分かっている。

しかしながら、これらの及び同様の用語の全ては、適当な物理量に関係付けられるべきものであり、またこれらの量に与えられた便利な表記に過ぎないことに留意されたい。以下の説明から明らかなように、別途特別に述べない限り、本発明全体を通じて「処理」、「作成」、「転送」、「実行」、「決定」、「命令」、「発行」、「停止」、「消去」、「アクセス」、「集約」、「取得」、「選択」、「受信」、「出力」、「調整」、「送信」、「表示」、「接続」、「識別」、「設定」、「問い合わせ」、「送信」などの用語を利用した説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理（電子）量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又はその他のこのような情報記憶装置、送信又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステム又は同様の電子コンピュータ装置の動作及び処理を意味するものである。

広帯域電力線通信によるブロードキャストダウンロードシステム
電気コンセントを経由する電力線を通じて高度な電子機器（テレビ及びセットトップボックスなどの）にソフトウェアパッチを提供するための方法及びシステムを提供する。１つの実施形態では、技術者が、住宅の内部／外部に位置していてもよい電気コンセントに、ソフトウェアパッチを含む装置を単純に結合することにより、テレビにソフトウェアパッチを提供することができる。本出願全体を通じて、例示を目的としてテレビ及びセットトップボックスへの様々な参照を行う。しかしながら、本明細書で提供する方法及びシステムは、その他の高度な電子機器にも同様に適用することができる。従って、テレビ及びセットトップボックスへの参照は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきである。

ここで図１を参照すると、本発明の１つの実施形態による、電子機器にソフトウェアパッチを提供するための例示的なシステム１００を示している。本発明の１つの実施形態では、発電所１１０から配電所１２０へ電力が送信されている。従って、配電所１２０は、電力を低電圧に変換することができる。例えば、変圧器を使用して高圧送信から中圧へ、そして最終的に住宅内の電化製品が使用できる「低」電圧へ電力を降圧することができる。

この例では、電気コンセントを介して様々な電子機器を電力線に結合することができる。例えば、電気コンセントを介してセットトップボックス１３０を電力線１９０に結合することができる。同様に、テレビ１４０、パーソナルコンピュータ１５０、及び（冷蔵庫、食器洗い機、洗濯機及び乾燥機などの）その他の機器を、これらの機器が対応する電気コンセントを介して電力線１９０に結合することができる。（テレビ１４０及びセットトップボックス１３０などの）電子機器にソフトウェアパッチを提供するために、技術者は、ソフトウェアパッチを含むパッチ提供器１７０という装置を電気コンセント１８０に結合することができる。電気コンセント１８０は、住宅の内部／外部にあってもよい。

従って、パッチ提供器１７０を使用して、電気コンセント１８０を介し、送電線１９０を経由して、ソフトウェアパッチを必要とするテレビ１４０などの電子機器へソフトウェアパッチを送信することができる。１つの実施形態では、パッチ提供器１７０が、ソフトウェアパッチを必要とする電子機器を識別するために電力線１９０を介して問い合わせを送信することができる。

電力線１９０を介して問い合わせが送信されると、ソフトウェアパッチを必要とするテレビ１４０などの電子機器は、電力線１９０を介してパッチ提供器１７０に信号を送信することにより応答することができる。複数の電子機器がこの問い合わせに応答し、自らをソフトウェアパッチを必要とする電子機器として示すことができる。例えば、同じメーカー、モデル、及びバージョンの２つのテレビがソフトウェアパッチの必要性を示すことがある。従って、複数の電子機器が自らをソフトウェアパッチを必要とする装置として示した場合、ソフトウェアパッチを複数の電子機器に提供することができる。

パッチ提供器１８０へ送信される応答は、電子機器を識別するだけでなく、この電子機器にインストールされている最新版のソフトウェア及びファームウェアを識別することもできる。この結果、技術者は、電子機器にソフトウェアパッチが必要かどうかを判定することができる。例えば、パッチ提供器１７０が、既に最新版のファームウェアが存在し、以前にソフトウェアパッチをインストールしたことがあると判定した場合、ソフトウェアパッチを提供するステップを中断することができる。これとは逆に、パッチ提供器１７０が、最新版のファームウェアが存在せず、最新のソフトウェアパッチをインストールしたことがないと判定した場合、ソフトウェアパッチを提供することができる。

本発明の１つの実施形態では、直交周波数分割多重化（ＯＦＤＭ）を使用して送電線１９０を介してソフトウェアパッチを送信することができる。ＯＦＤＭは、周知のデジタルマルチキャリア変調方式であり、直交する複数の副搬送波を使用することができる。いくつかの例を挙げれば、個々の副搬送波は、（２位相偏移変調（ＢＰＳＫ）及び直交振幅変調（ＱＡＭ）などの）従来の変調方式を利用することができる。

ＯＦＤＭは、厳しいチャネル条件に適合すべく動作可能であり、電力線１９０などのノイズの多いチャネルにおいて複雑な等化を必要とせずに大きな利点を有することができるので、ＯＦＤＭの使用は好都合であると言える。さらに、ＯＦＤＭは、高スペクトル効率を達成する一方で、狭帯域同一チャネルインターフェイス、符号間干渉（ＩＳＩ）に強い。ＯＦＤＭは、高速フーリエ変換（ＦＦＴ）を効率良く実施することができ、時間同期誤差に対する感度が低い。

従って、１つの実施形態では、電力線１９０を介してソフトウェアパッチを送信する前に、一般にトーン信号として知られている少なくとも１つのテスト信号を送信することができる。トーン信号を使用して、様々な副搬送波の信号品質を判定することができる。例えば、電力線が、その周波数応答に大きなディップを有することにより、これらの周波数をデータ送信に利用できなくなる場合がある。トーン信号を送信し、電力線１９０からの周波数応答を解析することにより、データ送信にとって粗悪な周波数副搬送波である周波数のディップを判定することができる。この結果、データ送信に適した副搬送波の周波数を決定することができる。１つの実施形態では、トーン信号の信号対ノイズ比を使用して副搬送波の適合性を判定することができる。

この結果、パッチ提供器１７０により、データ送信に適した複数の副搬送波を決定することができる。１つの実施形態では、副搬送波の品質が高いほど（例えば信号対ノイズ比が高いほど）、高密度の変調を使用することができる。例えば、信号対ノイズ比が非常に高い副搬送波は２５６ＱＡＭを使用できるのに対し、信号対ノイズ比が劣悪な副搬送波はＢＰＳＫなどの低密度変調を使用することができる。

電力線１９０の状態は絶えず変化するので、１つの実施形態では、送信に使用すべき好適な副搬送波を修正するために定期的にトーン信号を送信することができる。例えば、数分毎にトーン信号を送信することができる。従って、ＯＦＤＭが、電力線１９０のチャネルの状態に基づいて適応的周波数変調方式を利用できるのに対し、（ＣＥＢｕｓ及びＬｏｎ Ｗｏｒｋｓなどの）従来の方法は、適応的周波数変調方式を実行することができない。あらゆる間隔でトーン信号を送信することができ、従って数分毎にトーン信号を送信することは例示であり、本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきである。

従って、（テレビ１４０などの）電子機器へソフトウェアパッチを送信できるように、少なくとも１又は複数の好適な副搬送波を決定することができる。この結果、パッチ提供器１７０は、少なくとも１つの好適な副搬送波に基づいてソフトウェアパッチを変調できるようになる。その後、変調済みのソフトウェアパッチがテレビ１４０へ送信される。

ここで図２を参照すると、本発明の１つの実施形態による、ソフトウェアパッチを受信するための例示的な電子機器２００を示している。上述したように、電子機器２００は、テレビ、セットトップボックス、又はその他のあらゆる高度な電子機器又は家庭用電化製品であってもよい。

１つの実施形態によれば、テレビ２００が、電気コンセントを介し、電力線２１０を通じてパッチ提供器１７０により提供される、ソフトウェアパッチを含む電力信号を受信する。テレビ２００用の電気コンセントは、パッチ提供器１７０が接続された電気コンセント１８０とは異なる電気コンセントであってもよい。テレビ２００は、ケーブル／アンテナ２２０の接続を通じてコンテンツを受信することができる。テレビチューナ２３０を使用して、ケーブル／アンテナ２２０の接続を通じて受信したコンテンツを復号化し、暗号解読し、及びスクランブル解除することができる。次に、コンテンツをデマルチプレクサ２５０へ送信して、オーディオコンテンツとビデオコンテンツとを分離することができる。１つの実施形態では、デマルチプレクサ２５０をバス２６０に結合して、他の電子構成要素と通信するようにしてもよい。

テレビ２００は、その電力線搬送波インターフェイス２４０において、電力線２１０を介してソフトウェアパッチとともに電力を受信する。電力線搬送波インターフェイス２４０を使用して、パッチ提供器１７０が送信したソフトウェアパッチを取り出すことができる。さらに、電力線搬送波インターフェイス２４０は、デマルチプレクサ２５０などのテレビ２２０の電子構成要素に電力を供給することができる。

テレビ２００のマイクロプロセッサが使用するソフトウェア又はファームウェアを更新するために、取り出したソフトウェアパッチをバス２６０を介して他の電子構成要素へ送信することができる。例えば、電力線搬送波インターフェイス２４０は、バス２６０を介してＣＰＵ２８０へ、さらにソフトウェアパッチを記憶するためにメモリ構成要素２７０へソフトウェアパッチを送信することができる。この結果、ＣＰＵ２８０が使用するファームウェア及びソフトウェアを更新して、これらのソフトウェア／ファームウェア内で発見されたバグを修復することができ、或いは電力線搬送波インターフェイス２４０がファームウェアに追加の機能を提供することができる。

ここで図３を参照すると、本発明の１つの実施形態による、ソフトウェアパッチを受信するための例示的な電力線搬送波インターフェイス２４０を示している。電力線搬送波インターフェイス２４０は、第１及び第２の経路に結合された受動信号結合器３１０を備えることができる。第１の経路は、アナログ信号をテレビ２００用のデジタル信号入力に変換することができ、一方第２の経路は、テレビ２００からのデジタル信号を、電力線１９０を介して送信できるアナログ信号に変換することができる。

１つの実施形態によれば、受動信号結合器３１０が、交流（ＡＣ）電力線１９０を介してデータ信号を転送することができる。１つの例では、電力線電圧１９０の位相に結合された受動信号結合器３１０の個々の支線が、ＯＦＤＭ変調の副搬送波により設定されるデータ信号搬送波の周波数に同調すべく動作可能な直列ＬＣ回路を含むことができる。

（ソフトウェアパッチなどの）データ信号を増幅するための増幅器３２０に受動信号結合器３１０を結合することができる。増幅された信号をフィルタ３４０に供給して、ノイズ及びその他の信号干渉をフィルタリングすることができる。さらに、アナログデジタルコンバータ３５０を使用して、フィルタリングされたデータ信号をデジタル信号に変換することができる。このようにして、テレビ２００のＣＰＵ２８０及びメモリ構成要素２７０が、受信したソフトウェアパッチのためのデジタル信号をここで使用できるようになる。

１つの実施形態によれば、テレビ２００が、ソフトウェアパッチの受信に応答することができる。例えば、テレビ２００は、正しく認証されたソフトウェアパッチを受信したことをパッチ提供器１７０に応答及び通知することができる。従って、デジタルアナログ構成要素３７０を使用して、正しく認証されたソフトウェアパッチの受信を示すデジタル信号応答をアナログ信号に変換することができる。次に、フィルタ３６０を使用してアナログ応答信号をフィルタリングし、増幅器３３０を使用して増幅することができる。この結果、増幅された信号をパッチ提供器１７０へここで送信することができる。電力線１９０を介してパッチ提供器１７０へ応答信号を送信する前に、同様にテレビ２００がＯＦＤＭ方式を使用することができる。

ここで図４を参照すると、本発明の１つの実施形態による、電子機器にソフトウェアパッチを提供するための例示的なフロー図４００を示している。ステップ４１０において、パッチ提供器１７０は、電気コンセントを経由する電力線を介して（テレビ及びセットトップボックスなどの）電子機器へ問い合わせを送信することができる。問い合わせ信号は、自身のソフトウェア／ファームウェアにソフトウェアパッチを必要とするテレビなどの電子機器を識別することができる。

ステップ４２０において、問い合わせに応じて、テレビ２００は、パッチ提供器１７０が接続された電気コンセントへ電力線を介して応答信号を送信することができる。この結果、ステップ４３０において、パッチ提供器１７０は、電子機器、この例ではテレビ２００を、ソフトウェアパッチを必要とする電子機器として識別することができる。任意にステップ４４０において、パッチ提供器１７０は、テレビ２００が使用するファームウェア／ソフトウェアのバージョンを判定することができる。この結果、ステップ４５０において、パッチ提供器１７０は、既にテレビ２００にインストールされているバージョンのファームウェアにソフトウェアパッチを利用できるかどうかを判定することができる。１つの実施形態では、ファームウェアをアップグレードするステップが、必要に応じてバージョンを遡ることを可能にすることができる。

従って、テレビ２００に最新のファームウェアがインストールされている場合、利用可能なソフトウェアパッチが存在しないので、パッチ提供器１７０は処理を中断することができる。この一方、パッチ提供器１７０が、テレビ２００のファームウェアが古く、このファームウェアにソフトウェアパッチを利用できると判定した場合、パッチ提供器１７０はソフトウェアパッチを送信することができる。

ステップ４６０において、電力線１９０の特性を判定するために、一般にトーン信号として知られている少なくとも１つのテスト信号を、電気コンセント１８０を経由する電力線１９０を介して送信することができる。例えば、トーン信号を使用して、ＯＦＤＭ変調方式に使用される複数の副搬送波の品質を判定することができる。１つの実施形態によれば、ステップ４７０において、電気コンセント１８０を使用して電力線１９０を介してソフトウェアパッチを送信するのに適した少なくとも１つの副搬送波が決定される。

１つの実施形態によれば、トーン信号の信号対ノイズ比を使用して、電力線１９０の適合性及び品質を判定することができる。この結果、ソフトウェアパッチを送信するために好適かつ高品質の副搬送波を決定することができる。１つの実施形態では、ＯＦＤＭ方式を使用することができる。さらに、（信号対ノイズ比が高いような）高品質の副搬送波では、高密度変調方式を使用することができる。例えば、高品質の副搬送波には、ＢＰＳＫ変調の代わりに２５６ＱＡＭ変調を使用することができる。

ステップ４８０において、選択された副搬送波及び変調方式に基づいてソフトウェアパッチを変調し、パッチ提供器１７０から、電気コンセント１８０を経由する電力線１９０を介してこれを送信することができる。トーン信号を定期的に送信して、使用する副搬送波の適合性を判定することができる。この結果、電力線１９０のチャネル特性が変化した場合、異なる副搬送波を使用することができる。１つの実施形態では、任意にステップ４９０において、正しく認証されたソフトウェアパッチを受信したことを示す確認応答信号をテレビ２００から受信することができる。

ほとんどの電化製品が、電力線を介して通信を行うためのインターフェイス及び（モデムなどの）手段を有する。しかしながら、古い電化製品には、電力線を介した通信のための装備がない場合がある。電化製品に電力線を介して通信を行うための装備がない場合、アダプタドングルを使用することができる。この結果、電化製品の所有者が、屋内のＡＣコンセントにアダプタドングルを接続することができる。その後、技術者が屋外のコンセントに接続を行うことによりソフトウェアパッチを提供することができる。従って、電化製品の所有者が居合わせる必要なくパッチを提供することができる。

この結果、技術者が装置に物理的にアクセスする必要なく、様々な電子構成要素が使用するファームウェアプログラム及びソフトウェアプログラムをここで更新することができる。さらに、（ＤＳＬ及びケーブルなどの）従来の方法を利用してインターネットを使用することなく、ソフトウェアパッチ及び更新をここで提供することができる。さらにここで、電力線を介して高周波数及び高データレートでソフトウェアパッチを利用できるようになる。

図５は、本発明の実施形態を実現することができる汎用装置５００を示すブロック図である。汎用装置５００は、図１〜図４に示すような、電気コンセントを経由する電力線を介して電子機器にソフトウェアパッチを提供するための方法を実施することができ、情報を通信するためのバス５０２又はその他の通信機構と、情報を処理するための、バス５０２に結合されたプロセッサ５０４とを含む。

汎用装置５００はまた、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）又はその他の動的記憶装置などの、情報及びプロセッサ５０４により実行される命令を記憶するための、バス５０２に結合されたメインメモリ５０６も含む。メインメモリ５０６を使用して、プロセッサ５０４により実行される命令の実行中に、一時的変数又はその他の中間情報を記憶することもできる。汎用装置５００は、静的情報及びプロセッサ５０４用の命令を記憶するための、バス５０２に結合された読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）５０８又はその他の静的記憶装置をさらに含む。磁気ディスク又は光学ディスクなどの、情報及び命令を記憶するための不揮発性記憶装置５１０が備えられ、バス５０２に結合される。

ブラウン管（ＣＲＴ）、液晶ディスプレイなどの、コンピュータユーザに情報を表示するための任意のディスプレイ５１２に、バス５０２を介して汎用装置５００を結合することができる。情報及びコマンド選択をプロセッサ５０４に通信するための、英数字及びその他のキーを含む任意の入力装置５１４をバス５０２に結合することができる。別の種類のユーザ入力装置として、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどの、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ５０４に通信するとともにディスプレイ５１２上のカーソルの動きを制御するためのカーソル制御部５１６が挙げられる。

本明細書で使用する「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサ５０４に実行用の命令を提供することに関与するあらゆる媒体のことを意味する。このような媒体は、以下に限定されるわけではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び送信媒体を含む多くの形をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置５１０などの光学又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ５０６などの動的メモリを含む。送信媒体は、バス５０２を構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含む。送信媒体はまた、無線及び赤外線データ通信中に発生するような音波又は光波の形をとることもできる。

一般的なコンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピー（登録商標）ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又はその他のあらゆる磁気媒体、ＣＤ−ＲＯＭ、その他のあらゆる光媒体、パンチカード、紙テープ、孔パターンを有するその他のあらゆる物理媒体、ＲＡＭ、ＰＲＯＭ、及びＥＰＲＯＭ、ＦＬＡＳＨ−ＥＰＲＯＭ、その他のあらゆるメモリチップ又はカートリッジ、以下で説明する搬送波、或いはコンピュータが読み取ることができるその他のあらゆる媒体を含む。

１つの実施形態では、汎用装置５００は、（単複の）ネットワーク、ネットワークリンク５２０、及び通信インターフェイス５１８を介してメッセージを送受信することができる。インターネットの例では、サーバ５３０は、インターネット５２８、ＩＳＰ５２６、ローカルネットワーク５２２、及び通信インターフェイス５１８を介してアプリケーションプログラムのための要求コードを送信することができる。プロセッサ５０４は、受信コードを受信時に実行することができ、及び／又は後で実行するために記憶装置５１０又はその他の不揮発性記憶装置に記憶することができる。汎用装置５００のネットワークリンク５２０を介した（サーバ５３０などの）その他の構成要素への結合は例示である。従って、ネットワークリンク５２０を介した結合を伴わずに本発明の実施形態を実施することができる。

汎用装置５００は、電気コンセントを介して送電線５３２へメッセージを送受信することができる。例えば、汎用装置５００は、送電線５３２を介してテスト信号を送信することができる。汎用装置５００は、電力線５３２からの応答メッセージを使用して、ソフトウェアパッチの送信に適した少なくとも１つの副搬送波の周波数を決定することができる。この結果、上述した（テレビ及びセットトップボックスなどの）電子機器のためのソフトウェアパッチを、送電線５３２を介して送信することができる。

上述の明細書では、実施構成毎に異なる可能性のある数多くの特定の詳細を参照しながら本発明の実施形態について説明した。従って、本発明が何であるか、及び本出願人が何を本発明であると意図するかを示す唯一の独占的なものは、本出願から発生する特定の形の請求項の組であり、この特定の形において以後のあらゆる補正を含むこのような請求項が発生する。従って、請求項に明確に列挙していない限定、要素、特性、特徴、利点、又は属性が、このような請求項を決して限定すべきではない。従って、本明細書及び図面は限定的な意味ではなく例示的な意味で捉えるべきである。

１００ システム
１１０ 発電所
１２０ 配電所
１３０ セットトップボックス
１４０ テレビ
１５０ パーソナルコンピュータ
１６０ 電化製品
１７０ パッチ提供器
１８０ 電気コンセント
１９０ 電力線

Claims (21)

1. ソフトウェアパッチを電子機器に提供する方法であって、
   第１の電気コンセントに接続されている電力線を介して前記電子機器に問い合わせを行うステップと、
   前記問い合わせステップに応じて、前記ソフトウェアパッチが前記電子機器に適用可能であるか否かを決定するのに用いられる信号を、前記第１の電気コンセントを経由する前記電力線を介して前記電子機器から受信するステップと、
   前記受信ステップに応じて、前記信号を用いて前記電子機器を識別するステップと、
   前記識別ステップに応じて、前記第１の電気コンセントを通り第２の電気コンセントを経由する前記電力線を介して前記電子機器に対して更新された信号を送信するステップと、
   を含み、
   前記電子機器は、前記ソフトウェアパッチを前記更新された信号から取得し、
   前記ソフトウェアパッチは、前記電子機器上のファームウェアを更新するのに用いられ、
   前記第１の電気コンセントは、建物の外部にあり、前記建物は、前記第２の電気コンセントを備えている方法。
2. 前記電子機器は、テレビ及びセットトップボックスで構成される群から選択される、
   ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記受信ステップに応じて、前記ファームウェアのバージョンを識別するステップと、
   前記バージョンの前記ファームウェアにソフトウェアパッチを利用できるかどうかを判定するステップと、
   前記判定ステップに応じて、前記ファームウェアための前記ソフトウェアパッチを利用できる場合、該ソフトウェアパッチを提供するステップと、
   をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. 複数の搬送波の信号品質を判定できる複数のテスト信号を送信するステップと、
   前記送信ステップに応じて、前記ソフトウェアパッチの送信に適した搬送波を決定するステップと、
   をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 前記複数の搬送波の前記信号品質は、搬送波の信号対ノイズ比に基づいて判定される、
   ことを特徴とする請求項４に記載の方法。
6. 前記送信ステップは、直交周波数分割多重化（ＯＦＤＭ）を使用して前記ソフトウェアパッチを送信する、
   ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
7. 前記正しく認証されたソフトウェアパッチの受信を示すことができる確認応答信号を前記電子機器から受信するステップをさらに含む、
   ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
8. ソフトウェアパッチを電子機器に提供するための装置であって、
   第１の電気コンセントに接続されている電力線を介して前記電子機器に問い合わせを行うための手段と、
   前記問い合わせに応じて、前記ソフトウェアパッチが前記電子機器に適用可能であるか否かを決定するのに用いられる信号を、前記第１の電気コンセントを通る前記電力線を介して前記電子機器から受信するための手段と、
   前記受信に応じて、前記信号を用いて前記電子機器を識別するための手段と、
   前記識別に応じて、前記第１の電気コンセントを通り第２の電気コンセントを経由する前記電力線を介して前記電気機器に対して更新された信号を送信するための手段と、
   を備え、
   前記電子機器は、前記ソフトウェアパッチを前記更新された信号から取得し、
   前記ソフトウェアパッチは、前記電子機器上のファームウェアを更新するのに用いられ、
   前記第１の電気コンセントは、建物の外部にあり、前記建物は、前記第２の電気コンセントを備えていることを特徴とする装置。
9. 前記電子機器は、テレビ及びセットトップボックスで構成される群から選択される、
   ことを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 前記受信に応じて、前記ファームウェアのバージョンを識別するための手段と、
    前記バージョンの前記ファームウェアにソフトウェアパッチを利用できるかどうかを判定するための手段と、
    前記判定に応じて、前記ファームウェアための前記ソフトウェアパッチを利用できる場合、該ソフトウェアパッチを提供するための手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項８に記載の装置。
11. 複数の搬送波の信号品質を判定できる複数のテスト信号を送信するための手段と、
    前記送信に応じて、前記ソフトウェアパッチの送信に適した搬送波を決定するための手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項８に記載の装置。
12. 前記複数の搬送波の前記信号品質は、搬送波の信号対ノイズ比に基づいて判定される、
    ことを特徴とする請求項１１に記載の装置。
13. 前記送信は、直交周波数分割多重化（ＯＦＤＭ）を使用して前記ソフトウェアパッチを送信する、
    ことを特徴とする請求項８に記載の装置。
14. 前記正しく認証されたソフトウェアパッチの受信を示すことができる確認応答信号を前記電子機器から受信するための手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項８に記載の装置。
15. 電子機器にソフトウェアパッチを提供するためのシステムであって、
    前記ソフトウェアパッチを記憶する装置であって、第１の電気コンセントに差し込まれ、該ソフトウェアパッチを第２の電気コンセントを経由して電力線を介して前記電子機器に提供し、前記電子機器に問い合わせを行って該電子機器を識別し、前記ソフトウェアパッチが前記電子機器に適用可能であるか否かを決定するのに用いられる信号を前記電子機器から受信し、前記信号を用いて前記電子機器を識別し、前記ソフトウェアパッチが前記電子機器上のファームウェアを更新するのに用いられるように構成された装置を備え、
    前記電子機器は、前記装置に結合され、該装置から前記電力線を介して更新された信号を受信し、前記電力線を介して送信された前記更新された信号から前記ソフトウェアパッチを取得し、前記第１の電気コンセントは、建物の外部にあり、前記建物は、前記第２の電気コンセントを備えていることを特徴とするシステム。
16. 前記装置は、さらに前記電気コンセントから前記電力線を介してテスト信号を送信できるとともに、さらに前記ソフトウェアパッチの送信に適した搬送波を決定することができる、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のシステム。
17. 前記適した搬送波は、搬送波の信号対ノイズ比に基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項１６に記載のシステム。
18. 前記装置は、前記ソフトウェアパッチを、直交周波数分割多重化（ＯＦＤＭ）を使用し、前記電力線を介して送信する、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のシステム。
19. 前記電子機器は、前記正しく認証されたソフトウェアパッチの受信を示す確認応答信号を前記電力線を介して送信することができる、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のシステム。
20. 前記電子機器は、テレビ及びセットトップボックスで構成される群から選択される、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のシステム。
21. 前記装置は、前記電子機器上のファームウェアのバージョンを識別できるとともに、さらに前記電子機器上の前記ファームウェアを更新するために前記ソフトウェアパッチを提供すべきかどうかを判定することができる、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のシステム。

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